JP3898422B2 - 温度センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、温度センサに関するもので、例えば温度補償型水晶発振器に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
温度センサは、家電機器や医療機器など多くの分野において広く用いられている。これらの温度センサは多種多様であり、それぞれの分野に必要とされる性能を十分に備えていることが重要である。また、近年の市場の発展が目覚ましい携帯通信機器、例えば携帯電話にもこの温度センサは用いられている。これは電子回路を動作させるための発振器における発振周波数が周囲の温度によって変動するのを補償するために必要とされている。
【0003】
従来の温度センサについて、図6の回路図を用いて説明する。図示するように温度センサ100は、周囲温度を測定してこの温度に対応する電圧Vtempに変換する温度検出回路110と、この温度検出回路110から出力される電圧Vtempと比較すべき基準電圧Vrefを発生する基準電圧発生回路120と、電圧Vtempと基準電圧Vrefとを比較する比較器130と、この比較器130の比較結果を受けて温度データを出力する制御回路150とを備えている。
【0004】
制御回路150は温度データの出力の他に様々な制御を行うが、特に重要なのが基準電圧発生回路120の制御である。すなわち、温度検出を行うには基準電圧を現在の温度に相当する電圧にしておかなければ、次の時間における温度検出を行うことが出来ない。そのため制御回路150は比較器130により、その時の基準電圧Vrefと電圧Vtempとの電位差を検知し、電位差が生じていた場合には基準電圧Vrefをその電位差分だけ補正する必要がある。
【0005】
上記のような従来の温度センサの温度変化の検出方法を大きく分けると、常時回路を動作させることにより常に温度を検出する方法と、温度検出が必要な時のみ回路を動作させて温度を検出する方法とがある。
【0006】
しかしながら、回路を常時動かす、すなわち制御回路150を常時動作させると電流消費量が増加するという問題がある。電流消費量が増加すると、回路動作により発生するノイズも増加し、温度センサとしての信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0007】
一方で必要なときのみ動作させる方法によれば、電流消費量を最小限に抑えることが出来るため、上記のようなノイズの問題は発生しない。一般的に携帯電話等の温度補償型水晶発振器に用いられる温度センサはこの方法を採用している。しかし、この方法では温度センサは動作のオン、オフを繰り返すことになるから、温度検出を制御する制御回路150のオン、オフを制御するための方策が必要となる。これが図6に示したトリガ発生回路160である。このトリガ発生回路160により発生するトリガが入力された時のみ制御回路は動作し、温度センサ100は動作することになる。このように、温度センサを必要なときのみ動作させるためには、制御回路150を動作させるためのトリガ発生回路160及びその制御信号線、そして図中には示していないがトリガ発生回路160のトリガ発生タイミングを決定する回路等が必要となる。また温度センサがIC、モジュール等に搭載されている場合には、専用の制御回路、制御端子等が必要となり、温度センサを構成、動作させるための部品点数が多くなり、製品のサイズが大きくなることや製造コストの増大を招くという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の温度センサの温度検出方法には常時センサを動作させることにより常に温度を検出する方法と、温度検出が必要な時のみセンサを動作させて温度を検出する方法とがある。特に携帯電話等に搭載されている温度補償型水晶発振器の温度センサには、必要なときのみセンサを動作させるものが用いられている。
【0009】
しかしながら、センサを常時動かす場合には電流消費量が増加して、回路動作により発生するノイズも増加し、温度センサとしての信頼性に悪影響を及ぼす恐れがあるという問題があった。一方でセンサを必要なときのみ動作させる場合には、制御回路を動作させるためのトリガ発生回路及びその制御信号線、そしてトリガ発生回路のトリガ発生タイミングを決定する回路等が必要となる。また温度センサがIC、モジュール等に搭載されている場合には、専用の制御回路、制御端子等が必要となり、温度センサを構成、動作させるための部品点数が多くなり、製品のサイズが大きくなってコストの増大を招くという問題があった。
【0010】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電流消費量を抑えることが出来、且つトリガ発生回路を不要とすることでサイズを縮小化し低コスト化できる温度センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の一態様に係る温度センサは、温度を検出して該温度に対応する電圧を出力する温度検出回路と、第1基準電圧と、温度変化に基づく電圧変化の下限に対応し前記第1基準電圧より電圧値の低い第2基準電圧と、温度変化に基づく電圧変化の上限に対応し前記第1基準電圧より電圧値の高い第3基準電圧とを出力する基準電圧発生回路と、前記温度検出回路が出力する電圧と前記第1乃至第3基準電圧とをそれぞれ比較する第1乃至第3比較器と、前記第1乃至第3比較器の出力を受けて、該第1乃至第3比較器の結果が、前記温度検出回路の出力する電圧が前記第1乃至第3基準電圧の全てより高い、または低い場合にのみ、温度変化が生じたことを判断し、該結果に対応する信号を出力する温度変化検出回路と、前記温度変化検出回路の出力する前記信号を受けることにより前記基準電圧発生回路の第1乃至第3基準電圧を制御して、前記第1基準電圧を前記温度検出回路の出力する電圧に対応する電圧に設定し、前記第2、第3基準電圧をそれぞれ該第1基準電圧に対して温度変化に基づく電圧変化の所定の下限及び上限の温度に対応する電圧に設定する制御回路とを具備する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0020】
この発明の第1の実施形態に係る温度センサについて図1のブロック図を用いて説明する。
【0021】
図示するように、本実施形態に係る温度センサ10は、周囲温度を測定して電圧Vtempに変換する温度検出回路11と、温度検出回路11が検出した温度に相当する電圧Vtempと比較すべき基準電圧Vrefを発生する基準電圧発生回路12と、電圧Vtempと基準電圧Vrefとを比較する比較回路13と、この比較器13の比較結果を受けて温度変化を検出する温度変化検出回路14と、温度データを出力する制御回路15とを備えている。
【0022】
制御回路15は温度変化検出回路14の出力を受け、温度変化検出回路14が周囲温度の温度変化を検出した際の信号を受けたときのみ制御回路が動作するようになっている。すなわち、温度変化検出回路14による温度変化の検出結果が制御回路15を動作させるためのトリガとしての役割を果たしている。
【0023】
次に、上記温度検出回路11、基準電圧発生回路12、比較回路13、温度変化検出回路14の回路を具体化した回路の一例を図2に示す。
【0024】
図示するように、温度検出回路11は電源電圧電位と接地電位間に直列に設けられた電流源17とダイオード18からなり、この電流源17とダイオード18との接続ノードにおける電位が周囲温度に対応する電圧Vtempとして出力される。
【0025】
次に電源電圧発生回路12は、電源電圧電位と接地電位との間に直列に設けられた複数の抵抗19、19、…と、各抵抗の接続ノードと3つの出力端子との間に設けられた3つのスイッチ20−1、20−2、20−3によって構成されている。そして、上記スイッチ20−1〜3によって選択された3カ所の各接続ノードにおける電圧V1(第3基準電圧)、V2(第1基準電圧)、V3(第2基準電圧)が基準電圧Vrefとして出力される。
【0026】
比較回路13は、3つの比較器21−1、21−2、21−3を備えている。この比較器21−1〜3の反転入力端子には温度検出回路11の出力する電圧Vtempが入力されている。そして非反転入力端子には基準電圧発生回路12の出力する基準電圧V1〜V3がそれぞれ入力されている。
【0027】
温度変化検出回路14は、上記比較器21−1〜3のそれぞれの出力C1、C2、C3を入力とするNORゲート22、ANDゲート23、及び前記NORゲート22、ANDゲート23の出力の和をとるORゲート24とを備えている。そしてORゲート24の出力が温度変化の検出結果となる。
【0028】
制御回路15は、温度変化検出回路14の出力を受けて温度データを出力する。なお、制御回路15は温度変化検出回路14により温度変化を検出した際のみ動作する、すなわち温度変化検出回路14の温度変化検出が従来のトリガの役割を果たす。そして、制御回路15は温度変化に基づいて基準電圧発生回路12の各抵抗19、19、…が割り当てられたアドレスを選択することにより、3つの抵抗19、19、19が発生する基準電圧V1〜V3を制御する。
【0029】
次に上記温度センサ10の動作について図3を用いて説明する。
【0030】
まず温度センサが動作を開始すると、温度検出回路は周囲温度を測定して電圧Vtempを出力する。本実施形態において、温度検出はダイオード18により行っており、周囲温度が上昇するとVtempは減少、周囲温度が低下するとVtempは増大するという特性を有している。また、基準電圧発生回路12の出力電圧V2は設定可能電圧範囲内において最小、または最大電圧に設定されている。そして比較器21−2は電圧Vtempと基準電圧V2とを比較し、その比較結果を制御回路15へ出力する。すると制御回路15は、比較器21−2の結果に応じて基準電圧発生回路の基準電圧V2の値を変化させて、V2=Vtempに、またはV2をVtempに最も近い電圧に設定する(V2=Vtemp若しくはV2がVtempに最も近い電圧となるような抵抗が割り当てられたアドレスを選択する)。
【0031】
図示するように、t0における周囲温度に対応する電圧Vtempが0.70Vであったとする。この時の基準電圧V2は当然0.70Vに設定される。そしてV1、V3はそれぞれV1>V2、V3<V2の関係に設定される。例えばそれぞれの電位差を0.01Vに設定すれば、V1=0.71V、V3=0.69Vである。
【0032】
次に温度が低下し、時刻t1においてVtemp=0.71Vになったとする。時刻t0〜t1における基準電圧V1〜V3とVtempの関係は、V1>Vtemp、V2<Vtemp、V3<Vtempであるから、比較器21−1〜3の出力C1〜C3はそれぞれ“high”、“low”、“low”である。そのため、温度変化検出回路14のNORゲート22、ANDゲート23の出力はそれぞれ“low”、“low”となり、ORゲート24の出力は“low”、すなわち、温度検出回路14の出力“low”が制御回路15に入力される。制御回路15は前述の通り温度検出回路14の出力をトリガの代わりとして動作するため、時刻t0〜t1では制御回路15は動作せず、基準電圧発生回路12の基準電圧V1〜V3はそれぞれ0.71V、0.70V、0.69Vである。
【0033】
しかし、時刻t1でVtemp=V1=0.71Vとなり、更に周囲温度が低下してVtempが上昇すると、V1<Vtempとなり、比較器21−1の出力C1が“high”から“low”に反転する。すなわち、比較器21−1〜3の出力C1〜C3の全てが“low”となる。すると温度変化検出回路14のNORゲート22及びANDゲート23の出力がそれぞれ“high”、“low”となり、ORゲート24の出力が“high”となる。そのため、温度変化検出回路14の出力が“high”となり、制御回路15に入力される。信号“high”が入力されたことにより制御回路15は動作を開始する。動作を開始した制御回路15は基準電圧発生回路12の基準電圧V2を当該温度に相当する電圧、すなわち0.71Vに設定すると共に、基準電圧V1及びV3をそれぞれ0.72V、0.70Vに設定する(アドレスを選択し直す)。
【0034】
ここで、制御回路15が基準電圧V1〜V3を設定するのにΔtの時間がかかったとする。更に、このΔtの時間の間にも周囲温度は低下して電圧Vtempが上昇したとすれば、時刻t1+Δtにおける基準電圧V1〜V3とVtempの関係は、V1>Vtemp、V2<Vtemp、V3<Vtempとなるから、比較器21−1〜3の出力C1〜C3は再び“high”、“low”、“low”に戻る。すると温度変化検出回路14のNORゲート22、ANDゲート23の出力はそれぞれ“low”、“low”となり、ORゲート24の出力は“low”に反転するため、制御回路15は動作を停止する。
【0035】
次に時刻t1+Δt〜t2の時間領域において、Vtempは0.71Vから更に上昇し、0.72V未満に最大値をもって低下を始めている。すなわち周囲温度が低下から上昇に反転したとする。そして、時刻t2ではVtemp=V2=0.71Vとなり、更にVtempは低下を続けている。そのため、時刻t2では比較器21−2の出力C2が“low”から“high”に反転する。しかしこの時刻では比較器21−3の出力C3が未だ“low”にあるため、温度変化検出回路14の出力は“low”であり、制御回路15は動作しない。この状態は、Vtemp=V3=0.70Vとなる時刻t3まで維持される。
【0036】
次に時刻t3ではVtemp=V3=0.70Vとなり、Vtempは更に低下を続け、Vtemp<V3となる。そのため、比較器21−3の出力C3も“low”から“high”に反転し、比較器21−1〜3の出力C1〜C3の全てが“high”となる。すると温度変化検出回路14のNORゲート22及びANDゲート23の出力がそれぞれ“low”、“high”となり、温度変化検出回路14の出力が“high”となる。そのため、制御回路15は動作を開始し、基準電圧発生回路12の基準電圧V2を当該温度に相当する電圧、すなわち0.70Vに設定すると共に、基準電圧V1及びV3をそれぞれ0.71V、0.69Vに設定する。
【0037】
ここで、制御回路15が基準電圧V1〜V3を設定するのにやはりΔtの時間がかかったとする。更に、このΔtの時間の間にも周囲温度は上昇して電圧Vtempが低下したとすれば、時刻t3+Δtにおける基準電圧V1〜V3とVtempの関係は、V1>Vtemp、V2>Vtemp、V3<Vtempとなるから、比較器21−1〜3の出力C1〜C3は再び“high”、“high”、“low”に戻る。すると温度変化検出回路14のNORゲート22、ANDゲート23の出力はそれぞれ“low”、“low”となり、ORゲート24の出力は“low”に反転するため、制御回路15は時刻t3+Δtにおいて動作を停止する。この状態はVtemp=V3=0.69Vとなる時刻t4まで維持される。
【0038】
次に時刻t4ではVtemp=V3=0.69Vとなり、更にVtempは低下を続け、Vtemp<V3となる。そのため、比較器21−3の出力C3も“low”から“high”に反転し、比較器21−1〜3の出力C1〜C3の全てが“high”となる。すると温度変化検出回路14のNORゲート22及びANDゲート23の出力がそれぞれ“low”、“high”となり、温度変化検出回路14の出力が“high”となる。そのため、制御回路15は動作を開始し、基準電圧発生回路12の基準電圧V2を当該温度に相当する電圧、すなわち0.69Vに設定すると共に、基準電圧V1及びV3をそれぞれ0.70V、0.68Vに設定する。
【0039】
時刻t1、t3で説明したように、基準電圧V1〜V3を設定するΔtの時間後、V3=0.68V、Vtemp>V3となり、比較器21−3の出力C3は“low”に反転する。そのため、温度変化検出回路14の出力が“low”に反転し、時刻t4+Δtでは制御回路15は動作を停止させる。
【0040】
その後は時刻t6、t7において、周囲温度の低下によりVtempがそれぞれ上昇し、それぞれの時間でVtemp=V1となるため、制御回路15が動作を開始し、基準電圧発生回路12の基準電圧V1〜V3を設定し直す。
【0041】
以降は同様の動作を繰り返す。
【0042】
上記構成の温度センサによれば、温度検出回路11によって周囲温度を測定して得られた電圧Vtempと、基準電圧発生回路12により得られた基準電圧Vref(V1〜V3)とを、比較回路13によって比較し、その比較結果から温度変化検出回路14により温度変化の有無及び現在温度を判断している。そして制御回路15は、温度変化検出回路14により温度変化が生じたと判断された時のみに動作する。すなわち、温度変化検出回路14の出力が従来制御回路を動作させるのに必要であったトリガの役目を果たしている。そのため、トリガを発生させる為の回路や専用の制御回路、制御端子、そしてトリガ発生のタイミングを決定する回路が不要となり、温度センサの部品点数を削減できるため、サイズの縮小化及び低コスト化を実現できる。尚かつ、温度変化検出回路がある一定の出力の時のみ、すなわち温度変化を温度変化検出回路が検出したときのみ制御回路が動作するため、温度センサの電流消費量を低減できる
また、基準電圧発生回路12は3つの基準電圧V1〜V3を出力する。すなわち、周囲温度に等しい基準電圧V2と、基準電圧V1より所定の電圧値だけ高い基準電圧V1と、基準電圧V2より所定の電圧値だけ低い基準電圧V3である。そして、基準電圧V1〜V3と電圧Vtempとをそれぞれ比較器21−1〜3により比較している。そして、比較器21−1〜3による比較の結果、周囲温度の電圧Vtempが基準電圧V1〜V3の全てより低い場合、または高い場合(ORゲート24の出力が“high”)に温度変化が生じたと判断している。すなわち、基準電圧V2と基準電圧V1、V2との電位差±ΔVが、温度変化発生と判断する際の必要温度変化量である。
【0043】
従来のように1つの比較により周囲温度の電圧と1つの基準電圧とを比較する方法では、両者の電圧値が等しい場合、比較器の出力は不定であり、その後の周囲温度変化の検出の信頼性が悪い。しかし、上記のように、3つの基準電圧V1〜V3を発生させることにより、はじめの周囲温度に対応する電圧Vtempが基準電圧V2より低く、更に低下した場合、若しくははじめの周囲温度に対応する電圧Vtempが基準電圧V2より高く、更に上昇した場合でも、それぞれ基準電圧V3、V1との比較を行うことにより、温度変化の有無を正確に検出でき、温度センサの信頼性及び性能を向上できる。
【0044】
なお、温度センサを構成する為の回路には多くの種類の構成があり、図示した回路構成に限られるものではない。
【0045】
次にこの発明の第2の実施形態に係る温度センサについて、PHS(Personal Handyphone System)端末を例に挙げて図4を用いて説明する。本実施形態は、上記第1の実施形態に係る温度センサをPHS端末に用いられる基準発振器に適用したものであり、図4はPHS端末の一部構成を示すブロック図である。
【0046】
図示するように、PHS端末は、無線ユニット30と、モデムユニット40と、デコード・エンコードユニット50と、通話ユニット60とを備えている。
【0047】
まず無線ユニット30は、アンテナ31、高周波スイッチ32、受信部33、送信部34、シンセサイザ35、及び温度センサ10を備えている。
【0048】
すなわち、図示せぬ基地局から到来した無線搬送波信号は、アンテナ31で受信されたのち無線ユニット30の高周波スイッチ32を介して受信部33に入力される。この受信部33では、受信された無線搬送波信号がシンセサイザ35から発生された基準発振信号とミキシングされて受信中間周波信号にダウンコンバートされる。
【0049】
上記受信部33から出力された受信中間周波信号は、モデムユニット40の復調部41に入力される。復調部41では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行われ、これによりディジタル復調信号が再生される。
【0050】
デコード・エンコードユニット50のデコード部51は、上記ディジタル復調信号を各受信タイムスロット毎に分離する。そして分離したスロットのデータが音声データであればこの音声データを通話ユニット60に入力する。一方、分離したスロットのデータがパケットデータや制御データであれば、これらのデータを図示せぬデータ通信部に入力する。なお、データ通信部では上記データを解析制御を行い、例えば表示部に表示する。
【0051】
通話ユニット60は、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)トランスコーダ61と、PCMコーデック62とを備えている。ADPCMトランスコーダは、上記デコード・エンコードユニット50から出力された音声データを復号する。またPCMコーデック62は、ADPCMトランスコーダ61から出力されたディジタル音声信号をアナログ信号に変換し、この音声信号をスピーカから拡声出力する。
【0052】
一方、マイクロホンから入力されたユーザの音声信号は、PCMコーデック62によりPCM符号化されたのち、ADPCMトランスコーダ61で更に圧縮符号化される。この符号化音声データ及び、データ通信部から出力された制御データ、パケットデータはデコード・エンコードユニット50に入力される。
【0053】
エンコード部52は、入力された上記データを多重化する。そしてモデムユニット40の変調部42がこの多重化ディジタル通信信号により送信中間周波信号をディジタル変調し、この変調した送信中間周波信号を送信部34に入力する。
【0054】
送信部34は、上記変調された送信中間周波信号をシンセサイザ35から発生された基準発振信号とミキシングして無線搬送波周波数にアップコンバートし、さらに所定の送信電力レベルに増幅する。この送信部34から出力された無線搬送波信号は、高周波スイッチ32を介してアンテナ31から図示せぬ基地局に向け送信される。
【0055】
上記PHS端末は、無線ユニット30内に温度センサ10を備えている。この温度センサ10は、シンセサイザ35内に設けられた基準発振器(REF)70の発振周波数を周囲温度に応じて補正する。
【0056】
図5は上記温度センサ及び基準発振器の回路構成の一例を示したものである。
【0057】
図示するように、温度センサは第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0058】
一方、基準発振器70は制御回路15の出力ノードに一端を接続され他端が接地された容量可変ダイオード71と、制御回路15の出力ノードに一端を接続されたコンデンサ72と、一端をコンデンサ72の他端に接続された水晶発振子73と、水晶発振子73の他端に一端が接続され他端が接地されたコンデンサ74と、水晶発振子73と並列接続されたバッファ(発振回路)75と、一端をバッファ75に接続され他端が受信部33、送信部34に接続された電圧源76とを有する水晶発振器である。
【0059】
上記回路において温度センサ10は第1の実施形態で説明しように周囲温度の変化を検知して、制御回路15はその温度変化に対応したバイアスを出力ノードから出力する。すなわち、温度変化によって水晶発振子73の発振周波数が変化しても、それを可変容量型ダイオード71に印加するバイアスを制御回路15が変えることによって、水晶発振子73の温度依存性による影響を打ち消し、基準発振器70の発振周波数を常時一定に保っている。
【0060】
本実施形態によれば、温度センサ10における制御回路15が温度変化に応じたバイアスを基準発振器の容量可変ダイオード71に印加している。そのため水晶発振子73による発振周波数の温度依存性を解消し、PHS端末の動作安定性を向上できる。また、トリガ発生回路やその制御回路等の必要がないため、PHS端末のサイズの縮小及び軽量化を実現できる。
【0061】
なお、本実施形態ではPHS端末の基準発振器70の発振周波数を周囲温度に対して安定化する場合を例にとって説明したが、変復調回路や送信増幅回路などの温度特性を有するその他の電子回路に本発明を適用しても良く、またPHS端末に限らず携帯電話機等のその他の移動体通信端末や移動通信システムの基地局、更にはオーディオ装置などに本発明を適用しても良い。要するに、温度特性を有する電子回路及びこの電子回路を備えた電子機器であれば如何なるものにも適用できる。
【0062】
すなわち、上記第1、第2の実施形態における各実施段階でもその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電流消費量を抑えることが出来、且つトリガ発生回路を不要とすることでサイズを縮小化し低コスト化できる温度センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る温度センサのブロック図。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る温度センサの回路図。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る温度センサのタイミングチャート。
【図4】この発明の第2の実施形態に係るPHS端末のブロック図。
【図5】この発明の第2の実施形態に係るPHS端末の温度センサ及び基準発振器の回路図。
【図6】従来の温度センサのブロック図。
【符号の説明】
10、100…温度センサ
11、110…温度検出手段
12、120…基準電圧発生手段
13、130…比較手段
14…温度変化検出手段
15、150…制御回路
17…電流源
18…ダイオード
19…抵抗素子
20−1〜3…スイッチ
21−1〜3…比較器
22…NORゲート
23…ANDゲート
24…ORゲート
30…無線ユニット
31…アンテナ
32…高周波スイッチ
33…受信部
34…送信部
35…シンセサイザ
40…モデムユニット
41…復調部
42…変調部
50…デコード・エンコードユニット
51…デコード部
52…エンコード部
60…通話ユニット
61…ADPCMトランスコーダ
62…PCMコーデック
70…基準発振器
71…容量可変型ダイオード
72、74…コンデンサ
73…水晶発振子
75…バッファ
76…電圧源
160…トリガ発生回路
Claims (2)
- 温度を検出して該温度に対応する電圧を出力する温度検出回路と、
第1基準電圧と、温度変化に基づく電圧変化の下限に対応し前記第1基準電圧より電圧値の低い第2基準電圧と、温度変化に基づく電圧変化の上限に対応し前記第1基準電圧より電圧値の高い第3基準電圧とを出力する基準電圧発生回路と、
前記温度検出回路が出力する電圧と前記第1乃至第3基準電圧とをそれぞれ比較する第1乃至第3比較器と、
前記第1乃至第3比較器の出力を受けて、該第1乃至第3比較器の結果が、前記温度検出回路の出力する電圧が前記第1乃至第3基準電圧の全てより高い、または低い場合にのみ、温度変化が生じたことを判断し、該結果に対応する信号を出力する温度変化検出回路と、
前記温度変化検出回路の出力する前記信号を受けることにより前記基準電圧発生回路の第1乃至第3基準電圧を制御して、前記第1基準電圧を前記温度検出回路の出力する電圧に対応する電圧に設定し、前記第2、第3基準電圧をそれぞれ該第1基準電圧に対して温度変化に基づく電圧変化の所定の下限及び上限の温度に対応する電圧に設定する制御回路と
を具備することを特徴とする温度センサ。 - 前記制御回路は前記周囲温度の温度変化に応じた電圧を発振器へ出力し、
温度変化が生じた際にも前記発振器の発振周波数を一定に維持する
ことを特徴とする請求項1記載の温度センサ。
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