JP4230619B2 - 温度補正回路及び温度補正機能を備えた電子機器 - Google Patents

温度補正回路及び温度補正機能を備えた電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば水晶振動子を使用した発振回路のように温度特性を有する電子回路の動作を温度補正する温度補正回路と、温度補正機能を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、移動通信用の基地局や端末装置等の電子機器では、周波数シンセサイザ等の発振回路が使用されている。この種の発振回路は通常、水晶振動子を用いた基準発振器を使用しているが、水晶振動子は一般に温度特性を有している。この温度特性は例えば三次曲線をなし、安定な発振周波数を得るためにはこの温度特性を考慮した温度補正が必要不可欠である。
【0003】
そこで従来では、サーミスタ等の温度センサと可変容量素子とを組み合わせて発振回路のバイアス電圧を変化させることで、発振周波数の温度補正を行う温度補正回路が用いられている。この種の回路は例えば、想定される周囲温度の変化範囲に対応付けて発振周波数の温度補正データを記憶した補正メモリを備え、温度センサにより得られた検出温度値をアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)でディジタル値に変換してこれをアドレスとして上記補正メモリに与え、これにより上記検出温度値に対応する温度補正データを読み出す。そして、この温度補正データをディジタル/アナログ変換器(D/A変換器)でアナログ制御電圧に変換して発振回路に供給し、これにより可変容量素子の容量を可変することで発振周波数を補正するように構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこのような温度補正回路では、変化が想定される周囲温度の範囲で一定の温度間隔でその温度補正データを補正メモリに記憶しておかなければならない。このため、大容量の補正メモリが必要だった。例えば、100℃の温度範囲に亘り1℃間隔で8ビットの温度補正データを格納すると、800ビットのメモリ容量が必要になる。
【0005】
一般にCMOS論理回路とメモリとを比べた場合、CMOS論理回路のゲートサイズよりもメモリのチップサイズの方が大きくなる。したがって、CMOS論理回路とメモリを同一のチップに集積化する場合には、上記補正メモリの容量増加が集積回路のチップサイズを小型化する上で大きな障害になる。この集積回路の大形化は、特に小型軽量化が最重要課題の一つになっている移動端末装置等の電子機器にあっては非常に好ましくない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、補正精度を十分確保した上で補正用メモリの記憶容量を削減し、これにより回路の小型化と低価格化を図り得る温度補正回路及び温度補正機能を備えた電子機器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、補正メモリに、補正対象の温度範囲中に任意の間隔で設定された複数の温度値のうち、所定の温度値を基準温度値としてこの基準温度値に対応付けて所定ビット数で表した基準温度補正データを記憶すると共に、上記基準温度値以外の各温度値に対応付けてそれぞれ上記基準温度補正データとの差分を表す差分温度補正データを上記基準温度補正データのビット数より少数のビット数で表して記憶しておく。
【0008】
そして、補正対象である電子回路の周辺温度を温度センサで検出し、この検出温度値をもとに読出アドレスを生成して、この読出アドレスを上記補正メモリに与えることで当該補正メモリから上記検出温度値に対応する差分温度補正データを読み出す。そして、この読み出された差分温度補正データと、上記基準温度補正データと、上記検出温度値と基準温度値との差とに基づいて、上記検出温度値に対応する温度補正信号を生成して前記電子回路に供給するように構成したものである。
【0009】
したがって第1の発明によれば、基準温度以外の各温度に対応する温度補正データはすべて差分データで表されるため、すべての温度についてその温度補正データをフルビットで表して記憶する場合に比べて、補正メモリの記憶容量を大幅に削減することができ、これにより回路の小型化及び低価格化を図ることが可能となる。
【0010】
また、上記差分温度補正データを表すビット数を、単位温度当たりの温度補正値の変化量に応じて可変設定すると、各温度の差分温度補正データをそれぞれ必要十分なビット数で表すことが可能となり、これにより補正メモリの記憶容量をさらに削減することが可能となる。
【0011】
さらに、上記差分温度補正データを、基準温度補正データに対する増減方向を指定するサインビットと、差分量を表すデータビットとから構成すると、差分量を表すデータビットは絶対値で表すことができるので、差分補正データを簡単に表すことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、この発明に係わる電子機器の第1の実施形態であるPHS端末の構成を示す回路ブロック図である。
【0016】
このPHS端末は、アンテナ11を備えた無線ユニット1と、モデムユニット2と、TDMAユニット3と、通話ユニット4と、制御ユニット5と、情報記憶部6と、データ通信部7と、例えばキーパッドを備えた入力部8と、例えば液晶表示器(LCD)を使用した表示部9とを備えている。
【0017】
すなわち、図示しない基地局から到来した無線搬送波信号は、アンテナ11で受信されたのち無線ユニット1の高周波スイッチ(SW)12を介して受信部13に入力される。この受信部13では、上記受信された無線搬送波信号が周波数シンセサイザ14から発生された局部発振信号とミキシングされて受信中間周波信号にダウンコンバートされる。なお、上記周波数シンセサイザ14から発生される局部発振信号周波数は、制御ユニット5の指示により無線チャネル周波数に対応する値に設定される。また、無線ユニット1には受信電界強度検出器(RSSI検出器)16が設けられている。このRSSI検出器16では、基地局から到来した無線搬送波信号の受信電界強度が検出され、その検出値は例えば受信品質の判定及び表示を行うために制御ユニット5に通知される。
【0018】
上記受信部13から出力された受信中間周波信号は、モデムユニット2の復調部21に入力される。復調部21では上記受信中間周波信号のディジタル復調が行なわれ、これによりディジタル復調信号が再生される。
【0019】
TDMAユニット3のTDMAデコード部31は、上記ディジタル復調信号を各受信タイムスロットごとに分離する。そして、分離したスロットのデータが音声データであればこの音声データを通話ユニット4に入力する。一方、分離したスロットのデータがパケットデータや制御データであれば、これらのデータをデータ通信部7に入力する。
【0020】
通話ユニット4は、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)トランスコーダ41と、PCMコーデック42と、スピーカ43と、マイクロホン44とを備えている。ADPCMトランスコーダ41は、上記TDMAデコード部31から出力された音声データを復号する。PCMコーデック42は、上記ADPCMトランスコーダ41から出力されたディジタル音声信号をアナログ信号に変換し、この音声信号をスピーカ43から拡声出力する。
【0021】
データ通信部7は、上記TDMAデコード部31から供給されたデータを受信し、このデータを制御部ユニット5に供給する。制御ユニット5は受信データが制御データであればこの制御データを解析して必要な制御を行う。これに対し受信データがサーバ等から到来したパケットデータであれば、このパケットデータをデパケットしたのち情報記憶部6に記憶すると共に、表示部9に供給して表示させる。
【0022】
一方、マイクロホン44に入力されたユーザの音声信号は、PCMコーデック42でPCM符号化されたのちADPCMトランスコーダ41でさらに圧縮符号化される。そして、この符号化音声データはTDMAエンコード部32に入力される。また制御ユニット5から出力された制御データやパケットデータは、データ通信部7を経て上記TDMAエンコード部32に入力される。
【0023】
TDMAエンコード部32は、上記ADPCMトランスコーダ41から出力された各チャネルのディジタル音声データ、及びデータ通信部7から出力された制御データやパケットデータを、制御ユニット5Aから指示された送信タイムスロットに挿入して多重化する。変調部22は、上記TDMAエンコード部32から出力された多重化ディジタル通信信号により送信中間周波信号をディジタル変調し、この変調した送信中間周波信号を送信部15に入力する。
【0024】
送信部15は、上記変調された送信中間周波信号を周波数シンセサイザ14から発生された局部発振信号とミキシングして無線搬送波周波数にアップコンバートし、さらに所定の送信電力レベルに増幅する。この送信部15から出力された無線搬送波信号は、高周波スイッチ12を介してアンテナ11から図示しない基地局に向け送信される。
【0025】
ところで、この実施形態に係わるPHS端末は、周波数シンセサイザ14内に設けられた基準発振器(REF)17の発振周波数を周囲温度に応じて補正するために、無線ユニット1内に温度補正回路19を設けている。
【0026】
図2は、この温度補正回路19の構成を示す回路ブロック図である。温度補正回路19は、補正メモリ191と、温度検出回路192と、クロック発振回路193とを備える。
【0027】
このうち温度補正回路192は、サーミスタ等の温度センサとアナログ/ディジタル変換器(A/D変換器)とを備え、温度センサにより検出された温度検出信号をA/D変換器でディジタル値に変換して出力する。クロック発振回路193は、上記A/D変換器のA/D変換動作に必要なサンプリングクロック等を生成する。
【0028】
補正メモリ191は、基準発振器17の温度特性を補正するための温度補正データを記憶するもので、この温度補正データは次のように記憶される。すなわち、基準発振器17の温度特性は、例えば図4に示すような3次曲線をなす。そこで、先ずこの温度特性のうち補正対象となる温度範囲t0〜t6中の所定の温度を基準温度t3とする。この基準温度t3としては、補正無しで目的の発振周波数が得られる温度、例えば25℃が選ばれる。なお、図4に示す例では温度t1又はt5を基準温度に選ぶことも可能である。
【0029】
また、上記補正対象の温度範囲t0〜t6を、発振周波数誤差の変化量が比較的小さい領域t3〜t1,t3〜t5と、発振周波数誤差の変化量が比較的大きい領域t0〜t1,t5〜t6とに分ける。そして、これらの温度領域ごとに温度補正データのデータフォーマットを異ならせる。
【0030】
例えば、基準温度t3における温度補正データは、図5(a)に示すように1ワードの全ビット(8ビット)を用いて表す。これに対し発振周波数誤差の変化量が比較的小さい領域t3〜t1,t3〜t5における温度補正データは、図5(b)に示すように1ビットのサインビットと1ビットのデータビットとからなる2ビットで表す。サインビットは、補正の方向が+方向であるか−方向であるかを表す。データビットは補正の有無を表す。また、発振周波数誤差の変化量が比較的大きい領域t0〜t1,t5〜t6における温度補正データは、図5(c)に示すように1ビットのサインビットと3ビットのデータビットとからなる4ビットで表す。このうちサインビットは、上記2ビットの場合と同様に補正の方向が+方向であるか−方向であるかを表し、3ビットのデータビットは隣接する温度の温度補正データとの差分値を表す。
【0031】
図3は、このように設定された温度補正データを記憶する補正メモリ191のメモリマップを示す図で、8ビットの基準温度補正データは1ワードのアドレス領域にそのまま記憶され、一方4ビットの圧縮温度補正データは1ワードのアドレス領域に2データずつ記憶され、また2ビットの圧縮温度補正データは1ワードのアドレス領域に4データずつ記憶される。なお、これらの温度補正データは温度順に記憶される。
【0032】
また温度補正回路19は、上記補正メモリ191への温度補正データの書込みと読出し、及び読出された温度補正データをもとに周波数制御信号FCONTを生成するための回路として、書込/読出制御回路194、出力制御回路195、アドレス制御回路196、演算回路197、シフトレジスタ198及びディジタル/アナログ変換器(D/A変換器)199を備えている。
【0033】
書込/読出制御回路194は、補正メモリ191に対し外部から温度補正データを書き込むときと、書き込んだ温度補正データをシフトレジスタ198からシリアルデータとして読み出すときに使用される。
【0034】
出力制御回路195は、書込モードにおいて上記書込/読出制御回路194から出力された書込データを補正メモリ191に供給する制御機能と、制御ユニット5から出力されるトリガ信号TRGに応じてクロック発振回路193を起動しクロックを発生させる制御機能と、温度検出回路192から温度検出信号のディジタル値を取り込む制御機能とを備えている。また出力制御回路195は、取り込んだ検出温度値に応じてアドレス制御回路196に対し読出アドレスを指定する制御機能と、この指定した読出アドレス(8ビット)中の検出温度値に対応するビット位置を演算回路197に指定する制御機能と、上記検出温度値と基準温度値との差を求めてこの温度差に相当するデータ演算回数とその演算指示を演算回路197に指定する制御機能とを備えている。
【0035】
アドレス制御回路196は、上記出力制御回路195から指定された読出アドレスを補正メモリ191に与えて、対応する記憶領域から1ワードデータを読み出す。
【0036】
演算回路197は、補正メモリ191から読み出された1ワードデータのうち、上記出力制御回路195から指定されたビット位置のデータ、つまり検出温度値に対応する圧縮温度補正データを抽出する。またそれと共に、この抽出した圧縮温度補正データを上記出力制御回路195から指定された回数だけ演算し、これにより検出温度値に対応する8ビットの温度補正データを再生し出力する。
【0037】
D/A変換器199は、上記演算回路197から出力された8ビットの温度補正データをアナログ信号に変換し、このアナログ信号を周波数制御信号FCONTとして基準発振器17に供給する。
【0038】
なお、リセット回路190は、電源投入時に温度補正回路19内の各制御回路194,195,196及び演算回路197の動作状態、シフトレジスタ198の記憶内容をそれぞれ初期化する、いわゆるパワーオンリセットを行う。
【0039】
次に、以上のように構成された温度補正回路19の動作を説明する。
先ず基準発振器17の温度特性(図4)及び基準発振器17の温度補正特性をもとに、補正対象の温度範囲t0〜t6において1℃間隔で温度補正データを作成する。すなわち、基準温度t3(=25℃)の温度補正データのみ図5(a)に示すように8ビットでそのまま表し、温度領域t1〜t5内の各温度については温度補正データを図5(b)に示すように2ビットで表し、また温度領域t0〜t1,t5〜t6内の各温度については温度補正データを図5(c)に示すように4ビットで表す。つまり、基準温度t3の温度補正データ以外は、圧縮データとする。
【0040】
次に、このように作成された各温度補正データを、補正メモリ191に書き込む。先ず、書込/読出制御信号W/Rを“W”に設定し、この状態で電源を投入する。そうすると、リセット回路190により各制御回路194,195,196及び演算回路197の動作状態、さらにはシフトレジスタ198の記憶内容がそれぞれパワーオンリセットされる。そして、ストローブ信号STBを“H”に設定すると、書込/読出制御回路194から出力制御回路195に対し書込モードが指定される。そして、この状態で書込/読出制御回路194に外部からコマンド、ワードアドレス及び温度補正データをデータDATAとして順に入力すると、補正メモリ191の指定アドレス領域に上記温度補正データが順次書き込まれる。
【0041】
なお、コマンドは書込/読出制御回路194に動作モードを指定するためのもので、動作モードとしては書込モード、読出モード、シリアルデータ読出モード及び演算出力モードがある。ちなみに、上記温度補正データの書込時にコマンドは書込モードに設定される。また、コマンドをシリアルデータ読出モードに設定して、読出アドレスを順次与えると、補正メモリ191に記憶された温度補正データが順次読み出され、これらのデータはシフトレジスタ198でシリアルデータに変換されて出力される。この動作モードは記憶データのベリファイ用として使用される。
【0042】
さて、そうして温度補正データが設定されたPHS端末を使用して通信を開始したとする。そうすると、自端末に割り当てられた送受信スロット期間の所定時間前に、制御ユニット5からトリガ信号TRGが出力され、このトリが信号TRGに応じて出力制御回路195からクロック発振回路193に対し起動信号が与えられる。このため、クロック発振回路193からクロックが発生され、このクロックを受けて温度検出回路192は基準発振器17の周辺温度の検出動作を行う。
【0043】
出力制御回路195は、上記温度検出回路192から検出温度値を取り込み、この検出温度に応じて読出アドレスを生成し、アドレス制御回路196を介して補正メモリ191に与える。このため補正メモリ191からは、上記読出アドレスにより指定された記憶領域の1ワードデータ(8ビット)が読み出され、演算回路197に入力される。
【0044】
また、それと共に出力制御回路195は、上記読出アドレスにより指定した記憶領域中の検出温度値に対応するビット位置を演算回路197に指定し、さらに上記検出温度値と基準温度値t3(=25℃)との差を求めてこの温度差に相当するデータ演算回数とその演算指示を演算回路197に指定する。このため演算回路197では、補正メモリ191から読み出された1ワードデータのうち、検出温度値に対応するビット位置の圧縮データが抽出される。
【0045】
そして、この抽出した圧縮データのサインビット及びデータビットの内容と、上記出力制御回路195から指定された演算回数とに応じて、予め読み出しておいた基準温度値t3の温度補正データに対し加算又は減算処理が行われ、これにより検出温度値に対応した8ビットの温度補正データが再生される。そして、この再生された温度補正データは、D/A変換器199でアナログ信号からなる周波数制御信号FCONTに変換され、基準発振器17に供給される。
【0046】
基準発振器17は、例えば図6に示すように可変容量素子171を有する付勢回路と、水晶振動子18の発振周波数をもとに基準発振信号を発生するトランジスタ発振回路172と、出力バッファ回路173とから構成される。そして、上記周波数制御信号FCONTの電圧値に応じて可変容量素子171の容量が変化し、これにより基準発振周波数が変化する。図7は、周波数制御信号FCONTの電圧値に対する基準発振周波数の変化特性を示すもので、周波数制御信号FCONTの電圧値を増加させるに従い基準発振周波数は高くなる。
【0047】
以上述べたように第1の実施形態では、補正対象の温度範囲t0〜t6中に基準温度t3を設定すると共に、当該温度範囲t0〜t6を発振周波数誤差の変化量の大小に応じて複数の温度領域に分け、基準温度t3の温度補正データを除き、温度領域t1〜t5の各温度補正データを1/4に圧縮し、かつ温度領域t0〜t1,t5〜t6の温度補正データを1/2に圧縮して、それぞれ補正メモリ191に詰めて記憶している。
【0048】
そして、温度検出回路192で検出された温度値に応じて、上記補正メモリ191から1ワードデータを読み出して、この読み出された1ワードデータ中から検出温度値に対応する圧縮データを抽出する。そして、この圧縮データの内容と、検出温度値と基準温度値との温度差と、基準温度t3の温度補正データとに基づいて検出温度値の温度補正データを再生し、この温度補正データをD/A変換器199で周波数制御信号FCONTに変換して基準発振器17に供給してその発振周波数の温度補正を行うようにしている。
【0049】
したがって第1の実施形態によれば、すべての温度の温度補正データを8ビットのまま補正メモリに記憶する場合に比べ、補正メモリ191の記憶容量を大幅に減らすことができ、これにより温度補正回路19の小型化とコストダウンを図ることができる。
【0050】
例えば、補正対象の温度範囲t0〜t6を−20℃〜70℃とするとともに、t1=−10℃、t5=60とし、温度の検出ステップを1℃とした場合には、補正メモリ191の必要記憶容量は
8bit+4×10bit+4×10bit+70×2bit
=188bit
となる。これに対し、全温度において8ビットの温度補正データを記憶する従来の場合には、補正メモリに90×8bit=720bitの記憶容量を持たせる必要がある。したがって、第1の実施形態の構成では、従来回路に比べて補正メモリ191の記憶容量を約1/4にすることができる。
【0051】
しかも第1の実施形態では、圧縮データには差分データを含めるようにし、この差分データと基準温度補正データとをもとに検出温度値に対応する温度補正データを再生して、これを基に基準発振周波数を温度補正するようにしているので、補正精度を低下させる心配もない。
【0052】
(第2の実施形態)
この発明に係わる第2の実施形態は、補正対象の温度範囲において、温度検出回路では第1の温度間隔で基準発振器の周囲温度を検出し、一方補正メモリには上記第1の温度間隔より広い第2の温度間隔で温度補正データを記憶する。そして、補正メモリに温度補正データが記憶されていない温度が温度検出回路で検出された場合には、補正メモリに記憶されている温度補正データのうち、上記検出温度値に近い前後2つの温度値に対応する温度補正データを補正メモリから読み出し、これらの温度補正データをもとに上記検出温度に対応する温度補正データを補間生成して、基準発振器の発振周波数を補正するようにしたものである。
【0053】
図8は、この第2の実施形態に係わる温度補正回路に設けられる補正メモリのデータ記憶状態を示すものである。同図に示すように、補正メモリ191′には補正対象の温度範囲内における奇数温度−3℃,−1℃,1℃,3℃,5℃,…の温度補正データ(8ビットのフルデータ)が順次記憶してある。
【0054】
そして、温度検出回路において検出された温度が奇数値の場合には、補正メモリ191′からこの検出温度に対応する温度補正データを読出す。そして、この温度補正データをD/A変換して基準発振器に供給する。一方、温度検出回路において偶数値の温度が検出された場合には、この検出温度の前後に隣接する二つの奇数温度値に対応する温度補正データを補正メモリ191′から読み出す。そして、この読み出した二つの温度補正データをもとに補間演算を行って、上記検出温度値の温度補正データを推定し、この推定された温度補正データのD/A変換出力を基準発振器に供給する。
【0055】
したがって、この第2の実施形態であれば、補正メモリ191′には奇数温度値に対応する温度補正データのみが記憶されるため、温度検出回路で検出されるすべての温度の温度補正データをもれなく記憶する場合に比べて、補正メモリ191′の記憶容量を半減することができ、これにより温度補正回路の小型化及び低価格化を図ることができる。
【0056】
また、補正メモリ191′に記憶されていない温度補正データについては、その前後の温度の温度補正データをもとに補間されるので、補正精度の低下を生じる心配もない。さらに、この実施形態によれば第1の実施形態に比べ、1ワードデータから検出温度値に対応するビットを抽出する処理や、差分データを用いた演算処理を不要にできるので、演算回路のロジックを簡単かつ小型化することができる。
【0057】
なお、以上の説明では奇数の温度値を選択してその温度補正データを記憶する場合について述べたが、偶数の温度値を選択してその温度補正データを記憶するように構成してもよい。また、補正メモリ191′に温度補正データを記憶する温度は1つおきに限らず、2つおきや3つおきにさらに間引いて選択してもよい。
【0058】
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、温度検出回路192及び補正メモリ191を含む温度補正回路19を無線ユニット1内に設けた場合を例にとって説明したが、温度検出回路192のみを無線ユニット1内に設け、温度補正回路を構成するその他の回路については制御ユニット5内に設けてもよい。この場合、補正メモリ19は制御ユニット内のRAM又はEEROM等の内部メモリで兼用してもよく、またアドレス制御や演算処理機能については制御ユニット5のCPUによりソフトウエア処理で実現してもよい。
【0059】
その他、各温度補正データのデータフォーマットや、補正メモリのメモリマップ、温度補正回路の回路構成、PHS端末の構成、電子機器の種類などについても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように第1の発明では、補正メモリに、補正対象の温度範囲中に任意の間隔で設定された複数の温度値のうち、所定の温度値を基準温度値としてこの基準温度値に対応付けて所定ビット数で表した基準温度補正データを記憶すると共に、上記基準温度値以外の各温度値に対応付けてそれぞれ上記基準温度補正データとの差分を表す差分温度補正データを上記基準温度補正データのビット数より少数のビット数で表して記憶しておく。そして、検出温度値に応じて上記補正メモリから読み出した差分温度補正データと、上記基準温度補正データと、上記検出温度値と基準温度値との差とに基づいて、上記検出温度値に対応する温度補正信号を生成して補正対象の電子回路に供給するようにしている。
【0062】
したがって、第1の発明によれば、補正精度を十分確保した上で補正用メモリの記憶容量を削減し、これにより回路の小型化と低価格化を図り得る温度補正回路及び温度補正機能を備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる電子機器の第1の実施形態であるPHS端末の構成を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示したPHS端末に設けられる温度補正回路の構成を示す回路ブロック図。
【図3】 図2に示した温度補正回路の補正メモリの構成を示す図。
【図4】 水晶振動子を使用した基準発振器の温度特性の一例を示す図。
【図5】 図3に示した補正メモリに記憶される温度補正データの構成を示す図。
【図6】 基準発振器の回路構成の一例を示す図。
【図7】 基準発振器の温度補正特性を示す図。
【図8】 この発明に係わる第2の実施形態における補正メモリのフォーマットを示す図。
【符号の説明】
1…無線ユニット
2…モデムユニット
3…TDMAユニット
4…通話ユニット
5…制御ユニット
6…情報記憶部
7…データ通信部
8…入力部
9…表示部
11…アンテナ
12…高周波スイッチ(SW)
13…受信部
14…周波数シンセサイザ
15…送信部
16…受信電界強度検出器(RSSI検出器)
17…基準発振器(REF)
18…水晶振動子
19…温度補正回路
21…復調部
22…変調部
31…TDMAデコード部
32…TDMAエンコード部
41…ADPCMトランスコーダ
42…PCMコーデック
43…スピーカ
44…マイクロホン
190…リセット回路
191,191′…補正メモリ
192…温度検出回路
193…クロック発振回路
194…書込/読出制御回路
195…出力制御回路
196…アドレス制御回路
197…演算回路
198…シフトレジスタ
199…ディジタル/アナログ変換器(D/A変換器)

Claims (4)

  1. 温度特性を有する電子回路の動作を温度補正する温度補正回路において、
    補正対象の温度範囲中に任意の間隔で設定された複数の温度値のうち、所定の温度値を基準温度値としてこの基準温度値に対応付けて所定ビット数で表した基準温度補正データを記憶すると共に、前記基準温度値以外の各温度値に対応付けてそれぞれ前記基準温度補正データとの差分を表す差分温度補正データを前記基準温度補正データのビット数より少数のビット数で表して記憶した補正メモリと、
    前記電子回路の周辺温度を検出する温度センサと、
    この温度センサにより検出された温度値をもとに読出アドレスを生成し、この読出アドレスを前記補正メモリに与えることで当該補正メモリから前記検出温度値に対応する差分温度補正データを読み出す読出制御手段と、
    この読出制御手段により読み出された差分温度補正データと、前記基準温度補正データと、前記検出温度値と基準温度値との差とに基づいて、前記検出温度値に対応する温度補正信号を生成して前記電子回路に供給する補正信号生成手段とを具備したことを特徴とする温度補正回路。
  2. 前記差分温度補正データを表すビット数は、単位温度当たりの温度補正値の変化量に応じて可変設定されることを特徴とする請求項1記載の温度補正回路。
  3. 前記差分温度補正データは、基準温度補正データに対する増減方向を指定するサインビットと、差分量を表すデータビットとから構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の温度補正回路。
  4. 温度特性を有する電子回路の動作を温度補正する機能を備えた電子機器において、
    補正対象の温度範囲中に任意の間隔で設定された複数の温度値のうち、所定の温度値を基準温度値としてこの基準温度値に対応付けて所定ビット数で表した基準温度補正データを記憶すると共に、前記基準温度値以外の各温度値に対応付けてそれぞれ前記基準温度補正データとの差分を表す差分温度補正データを前記基準温度補正データのビット数より少数のビット数で表して記憶した補正データ記憶手段と、
    前記電子回路の周辺温度を検出する温度検出手段と、
    この温度検出手段により検出された温度値をもとに読出アドレスを生成し、この読出アドレスを前記補正データ記憶手段に与えることで当該補正データ記憶手段から前記検出温度値に対応する差分温度補正データを読み出す読出制御手段と、
    この読出制御手段により読み出された差分温度補正データと、前記基準温度補正データと、前記検出温度値と基準温度値との差とに基づいて、前記検出温度に対応する温度補正信号を生成して前記電子回路に供給する補正信号生成手段とを具備したことを特徴とする電子機器。
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