JP2004336359A - Agcの温度補正方法、その温度補正装置、これを用いた通信端末、及び携帯電話機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】AGCアンプ21の利得をその指定された出力電力に応じたDACコードから変換されるAGC電圧により制御するAGC回路を含むベースバンド処理部10に対し、DACコード値を温度センサ40で得られる温度データに基づいて補正するAGCの温度補正装置は、温度補正テーブル73及び電力変化量テーブル72を保持するメモリ70と、温度補正テーブル73を参照して温度データから温度補正量を決定し、電力変化量テーブル72を参照して出力電力から1DACコード当たりの電力変化量を決定し、温度補正量と1DACコード当たりの電力変化量とに基づいて出力電力毎の温度補正量を算出し、温度補正用DACコードとしてベースバンド処理部10に供給する演算回路60とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、AGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)の温度補正方法、その温度補正装置、これを用いた通信端末、及び携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯電話機などの通信端末には、送信すべきデータのベースバンド信号により変調された搬送波の高周波信号(RF信号)を指定された送信出力(指定電力)で送信するため、送信機内にAGCアンプが設けられる。このAGCアンプは、温度に応じて利得特性が変化するため、これを補正する必要がある。以下、このようなAGC温度補正方法の従来例を図6〜図8を参照して説明する。
【0003】
図6は、上記AGC温度補正方法を用いた送信機の回路構成の主要部を示すものである。図6に示す送信機には、送信すべき音声信号等の符号化されたデータや各種制御信号等の通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部101や、該ベースバンド信号により搬送波の中間周波信号(IF信号)を変調し、該IF信号をRF信号に変換し、該RF信号を所定の送信出力でアンテナを介し無線電波として送信する送信部(図示しない)等が設けられる。
【0004】
このうち、送信部には、ベースバンド処理部101からの制御電圧(AGC電圧)に基づいてRF信号をその指定電力(送信出力)レベルに増幅するAGCアンプ102が含まれる。また、ベースバンド処理部101には、後述する指定電力に応じたAGCコードとその温度補正コードとから成るDAC(Digital to Analog Converter)コードを入力して該DACコードに応じたAGC電圧に変換し、該AGC電圧をAGCアンプ102に出力するD/A変換器を有するAGC回路(図示しない)が含まれる。
【0005】
上記構成の送信機には、指定電力に応じたAGCコードとその温度補正コード(DACコード)とをベースバンド処理部101に供給するAGC温度補正回路が設けられる。このAGC温度補正回路には、温度を検出する温度センサ103と、この温度センサ103からの温度と指定電力(送信出力)とに基づいて上記AGCコード及びその温度補正コードを演算する演算回路104と、この演算回路104による演算処理で参照すべきテーブル等を格納するメモリ105とが含まれる。
【0006】
このうち、演算回路104は、温度センサ103から読み出した温度に応じて温度補正値のDACコードを算出し、算出されたDACコードを送信出力に応じたAGCコードに加算してベースバンド処理部104に供給する。これにより、ベースバンド処理部101では、AGC回路のD/A変換器により、演算回路104から供給されたAGCコードと温度補正値とからなるDACコードがAGC電圧にD/A変換され、このAGC電圧がAGCアンプ102に出力される。
【0007】
メモリ105には、少なくとも指定電力をAGCコードに変換する処理で用いられるAGCコードテーブル106と、温度センサ103からの温度をAGCコードの温度補正コードに変換する処理で用いられる温度補正テーブル106とが格納される。
【0008】
図7は、温度補正テーブル106の一例を示す。図7に示す温度補正テーブル106は、各温度(図中の例では、−40℃〜+40℃の範囲で10℃)毎に出力電力の補正量(温度補正値)を対応付けたものである。このテーブル106で求まる温度補正値は、直接AGCコードに加算できるDACコード(図中の例では、0xD0〜0x20)として設定されている。
【0009】
図8は、上記温度補正テーブル106を用いた従来例のAGC温度補正処理の処理フローチャートを示す。この処理フローチャートに示す処理は、演算回路104により実行される。
【0010】
まず、演算回路104は、送信信号の送信出力電力が指定されると(ステップS110)、メモリ105のAGCコードテーブル106を参照してその指定電力に応じたAGCコードを読み出し(ステップS120)、送信出力電力に応じてAGCコードの線形補間処理を行なう(ステップS130)。次いで、演算回路104は、温度センサ103から温度を取得し(ステップS140)、メモリ105の温度補正テーブル107から温度補正値(DACコード)を読み出し(ステップS150)、温度に応じて温度補正値の線形補間処理を行なう(ステップS160)。これにより、上記で算出されたAGCコードに、上記で算出された温度補正値を加算し、AGCアンプ102のAGC電圧にD/A変換すべきDACコードとして、ベースバンド処理部101に出力する(ステップS170)。
【0011】
上記のように従来例のAGCの温度補正方法では、温度補正値を、直接AGCコードに加算できるDACコードとしてメモリに持ち、温度センサから読み出した温度に応じて温度補正値のDACコードを算出し、算出されたDACコードを、送信出力に応じたAGCコードに加算して温度補正を行なっている。
【0012】
一方、送受信機で用いるAGC温度補正の関連技術に関しては、例えば周囲温度変動に依存したAGC電圧を発生する周囲温度依存型のAGC電圧発生回路を備え、該AGC電圧によりAGC増幅段の利得を可変し、これにより周囲温度の変動に係わらず送信信号の電力レベルが一定になるように増幅利得を温度補償する送受信機(例えば、特許文献1参照)や、温度センサが検出した温度に対応した補正係数を用いて、AGCアンプの利得を制御する制御信号を補正するディジタル無線受信機(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−334561号公報
【特許文献2】
特開2002−164758号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の温度補正テーブルを用いたAGCの温度補正方法においては、指定された電力によって、1DACコード当たりの電力変化量が異なるため、同じDACコードを用いて補正すると、精確に補正できないという問題があった。
【0015】
例を挙げると、温度が+40℃のときの温度補正値が「0x20」というDACコードであった場合、従来のAGC温度補正方法では、指定電力が+20dBmのときでも、−30dBmのときでも、AGCコードに加算されるDACコードは同じである。しかし、1DACコード当たりの電力の変化量については、指定電力が+20dBmでは0.1dBであるのに対し、指定電力が−30dBmでは0.2dBであり、指定電力によって異なる。
【0016】
従って、同じ「0x20」というDACコードによる補正量については、指定電力が+20dBmのときに3.2dBであるのに対し、指定電力が−30dBmのときに6.4dBになる。すなわち、指定電力が−30dBmと−30dBmでは、温度補正量に3.2dBもの差が生じてしまう。このことにより、仮に温度補正が指定電力が+20dBmのときに精確に補正されるように温度補正値のDACコードを決定した場合、指定電力が−30dBmのときに3.2dBの誤差が生じることになる。
【0017】
また、上記関連技術は既に知られているが、特許文献1は、AGCコード(DAC)から変換、生成されたAGC電圧によりAGCアンプの利得を制御する構成ではない。また。特許文献2は、D/Aを介してAGCアンプに与える制御信号に関し、基準温度の制御データに対する温度係数データテーブルから、温度センサで検出した温度に対応した補正係数データを求め、この補正係数データを上記AGCアンプの利得制御信号に乗算することで該制御信号を補正するものであり、上記のように指定電力によって1DACコード当たりの電力変化量が異なるために生じる温度補正値の誤差に関する問題を解消するものではない。
【0018】
本発明の目的は、AGCの温度補正において、送信出力として指定された電力がいくつであっても、精度の高い温度補正を行なうことにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、携帯電話等のAGC回路の温度補正方法において、AGCの温度補正量を変換するテーブルと指定電力毎の1DACコード当たりの変化量を変換するテーブルとを互いに別のテーブルとして持ち、これにより各指定電力毎に温度補正の際の誤差を吸収し、より精確に温度補正が行なわれるようにしている。また、各指定電力毎の温度補正コードを温度補正量と1DACコード当たりの変化量との計算によって求めるものである。
【0020】
本発明は、このような着想のもとに完成されたものである。
【0021】
すなわち、本発明に係るAGCの温度補正方法は、AGCアンプの利得をその指定された出力電力に応じたDACコードから変換される制御電圧により制御するAGC回路における該DACコードの値を、温度センサで得られる温度データに基づいて補正する構成において、前記温度データから前記DACコードに対する温度補正量に関するパラメータに変換するための第1の変換テーブルと、前記出力電力から1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータに変換するための第2の変換テーブルとを予め保持するステップと、前記第1の変換テーブルを参照して前記温度データから前記温度補正量に関するパラメータを決定するステップと、前記第2の変換テーブルを参照して前記出力電力から前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータを決定するステップと、決定された前記温度補正量に関するパラメータと前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとに基づいて前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップと、算出された前記出力電力毎の温度補正量を該出力電力に応じたDACコードの温度補正用DACコードとして前記AGC回路に供給するステップとを有することを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎の出力補正量であり、前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、前記出力電力毎のDACコードの変化量であり、前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップは、前記温度毎の出力補正量と前記出力電力毎のDACコードの変化量とを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算してもよい。
【0023】
本発明において、前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎のDACコードであり、前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、電力オフセット補正量に対応するDACコードであり、前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップは、前記電力オフセット補正量に対応するDACコードと前記温度毎のDACコードとを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算してもよい。
【0024】
また、本発明に係るAGCの温度補正装置は、AGCアンプの利得をその指定された出力電力に応じたDACコードから変換される制御電圧により制御するAGC回路における該DACコードの値を、温度センサで得られる温度データに基づいて補正する構成において、前記温度データから前記DACコードに対する温度補正量に関するパラメータに変換するための第1の変換テーブルと、前記出力電力から1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータに変換するための第2の変換テーブルと、前記第1の変換テーブルを参照して前記温度データから前記温度補正量に関するパラメータを決定し、前記第2の変換テーブルを参照して前記出力電力から前記1DACコード当たりのの電力変化量に関するパラメータを決定し、決定された前記温度補正量に関するパラメータと前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとに基づいて前記出力電力毎の温度補正量を算出し、該出力電力毎の温度補正量を前記出力電力に応じたDACコードの温度補正用DACコードとして前記AGC回路に供給する演算手段とを有することを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎の出力補正量であり、前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、前記出力電力毎のDACコードの変化量であり、前記演算手段は、前記温度毎の出力補正量と前記出力電力毎のDACコードの変化量とを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算してもよい。
【0026】
本発明において、前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎のDACコードであり、前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、電力オフセット補正量に対応するDACコードであり、前記演算手段は、前記電力オフセット補正量に対応するDACコードと前記温度毎のDACコードとを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算してもよい。
【0027】
本発明に係る通信端末は、上記AGCの温度補正装置と、前記AGC回路を有し且つ通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、前記AGCアンプを有し且つ該AGCアンプを介し前記ベースバンド信号で変調された送信信号を前記出力電力で送信する送信部とを有することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る携帯電話機は、上記AGCの温度補正装置と、前記AGC回路を有し且つ通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、前記AGCアンプを有し且つ該AGCアンプを介し前記ベースバンド信号で変調された送信信号を前記出力電力で送信する送信部とを有することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るAGCの温度補正方法、その温度補正装置、これを用いた通信端末、及び携帯電話機の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態としてのAGCの温度補正方法を用いた通信端末の回路構成の主要部を示す。この通信端末は、例えば携帯電話機、PHS(パーソナル・ハンディホン・システム)、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)等の携帯用端末や、PC(パーソナルコンピュータ)等の情報処理装置に一体又は別体に搭載される無線通信用インターフェース等、AGC回路の温度補正を行なうものであれば、いずれでも適用可能である。
【0031】
図1に示す通信端末には、送信すべき音声信号等の符号化されたデータや各種制御信号等の通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部10と、該ベースバンド信号により搬送波の中間周波信号(IF信号)を変調し、該IF信号をRF信号に変換し、該RF信号を所定の送信出力でアンテナ30を介し無線電波として送信する送信部20が搭載される。
【0032】
このうち、送信部20には、ベースバンド処理部10からの制御電圧(AGC電圧)に基づいてRF信号をその指定電力(送信出力)レベルに増幅するAGCアンプ21が含まれる。また、ベースバンド処理部10には、後述する指定電力に応じたAGCコードとその温度補正コードとから成るDAC(Digital to Analog Converter)コードを入力して該DACコードに応じたAGC電圧に変換し、該AGC電圧をAGCアンプ102に出力するD/A変換器を有するAGC回路(図示しない)が含まれる。なお、AGC回路を含むベースバンド処理部10及びAGCアンプ21を含む送信部20の回路構成は、当業者にとってよく知られている既知構成をそのまま使用することができる。
【0033】
上記構成の送信機には、指定電力に応じたAGCコード(DACコード)とその温度補正コード(DACコード)とをベースバンド処理部10のAGC回路に供給するAGC温度補正回路(本発明のAGC温度補正装置)が設けられる。このAGC温度補正回路には、温度を検出する温度センサ40と、送信信号の送信出力(電力)を指定する送信出力指定部50と、この温度センサ40からの温度と送信出力指定部50からの指定電力とに基づいて上記AGCコード及びその温度補正コードを演算する演算回路(本発明の演算手段)60と、この演算回路60による演算処理で参照すべきテーブル等を格納するメモリ70とが含まれる。
【0034】
メモリ70には、少なくとも指定電力をAGCコードに変換する処理で用いられるAGCコードテーブル71のほか、AGCコードの温度補正コード(DACコード)を生成する処理で用いられる変換テーブルとして、指定電力と1DACコード当たりの電力変化量の変換テーブル(本発明の第2の変換テーブル)としての電力変化量テーブル(出力電力−DACの出力変化量変換テーブル)72と、温度とその温度補正値である出力補正量の変換テーブル(本発明の第1の変換テーブル)としての温度補正テーブル73とが格納される。
【0035】
図2は、メモリ70内の電力変化量テーブル72の一例を示す。図2に示す電力変化量テーブル72は、送信出力電力(図中の例では、−40dBm〜+20dBmの範囲で10dB)毎に、1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとして、DACコードの変化量Δp(図中の例では、0.22dB〜0.1dB)を変換可能に対応付けたものである。
【0036】
図3は、メモリ70内の温度補正テーブル73の一例を示す。図3に示す温度補正テーブル73は、各温度(図中の例では、−40℃〜+40℃の範囲で10℃)毎に、温度補正量に関するパラメータとして、温度補正値の出力補正量(図中の例では、−1.5dB〜+1.5dB)を変換可能に対応付けたものである。
【0037】
演算回路60は、例えばプログラム制御で動作するマイクロコンピュータで構成され、プロセッサ(CPU)が予め設定されたプログラムの命令を実行することにより、所定の演算処理を行なう。例えば、この演算回路60は、送信出力指定部50からの指定電力と、温度センサ40からの温度データとを入力すると、メモリ70内のAGCコードテーブル71を参照して該指定電力に応じたAGCコードを算出すると共に、メモリ70内の電力変化量テーブル72から指定電力に応じた1DACコードの変化量Δp(dB単位)と、温度補正テーブル73から温度データに応じた出力補正量(dB単位)とをそれぞれ読み出して算出し、該出力補正量を該DACの電力変化量Δpで割る演算処理を実行することにより、指定電力で温度補正を行なうための指定電力毎の温度補正コード(DACコード)を算出し、その温度補正コードをAGCコードに加算してベースバンド処理部10に出力する。
【0038】
これにより、ベースバンド処理部10は、温度補正コードが加算されたAGCコードからD/A変換によってAGC電圧値(制御電圧値)に変換し、そのAGC電圧値をAGCアンプ21に出力することにより、AGCアンプ21の利得を制御する。
【0039】
図4は、上記電力変化量テーブル72と温度補正テーブル73を用いたAGC温度補正処理の処理フローチャートを示す。この処理フローチャートに示す処理は、演算回路10により実行される。
【0040】
まず、演算回路10は、送信出力指定部50から送信出力電力が指定されると(ステップS10)、メモリ70のAGCコードテーブル71を参照して指定電力に応じたAGCコードを読み出し(ステップS20)、送信出力電力に応じてAGCコードの線形補間処理を行なう(ステップS30)。
【0041】
次いで、演算回路60は、温度センサ40から温度データを取得し(ステップS40)、メモリ70内の電力変化量テーブル(出力電力−DACの出力変化量変換テーブル)72を参照して、送信出力電力に応じて1DACコード当たりの出力変化量Δpを読み出し(ステップS50)、メモリ70内の温度補正テーブル73を参照して、取得された温度データに応じた温度補正値である出力補正量(dB単位)を読み出し(ステップS60)、温度データに応じて温度補正値の線形補間処理を行なう(ステップS70)。
【0042】
これにより、得られた温度補正値(出力補正量)を、1DACコード当たりの出力変化量Δpで割る演算処理により、温度補正コード(DACコード)を算出し、この温度補正コードを、上記AGCコードに加算し、AGCアンプ21のAGC電圧にD/A変換すべきDACコードとして、ベースバンド処理部10に出力する(ステップS90)。
【0043】
従って、本実施形態によれば、温度補正値を出力補正量(dB単位)として持ち、指定電力と1DACコードあたりの電力変化量の変換テーブルをあわせもつことにより、指定された電力毎にAGCコードに加算される補正コード量を計算しているので、指定電力毎の温度補正による電力の誤差を少なくすることができる。
【0044】
また、温度補正テーブルと1DACコード当りの変化量を別テーブルとして持っているので、ある温度で指定電力毎の1DACコード当りの変化量テーブルのパラメータを決定し、その上で温度補正テーブルのパラメータを決定することができるため、比較的パラメータを決定する過程を容易にできる。
【0045】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。本実施形態に係るAGC温度補正回路を含む送信機は、図8に示すように、その基本的構成は上記実施形態と同様の構成、すなわちベースバンド処理部10、AGCアンプを有する送信部20、温度センサ40、演算回路60、及びメモリ70を有するが、そのうちメモリ70内の温度補正テーブル(第1の変換テーブル)及び電力変化量テーブル(第2の変換テーブル)の内容を置き換えている点が相違する。
【0046】
すなわち、温度補正テーブル75は、温度毎に変換すべき温度補正量に関するパラメータとして、従来例と同じDACコードを用いた温度補正テーブル(図6の温度補正テーブル107参照)であり、電力変化量テーブル74は、1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとして、温度補正テーブル75の値で温度補正された値(DACコード)を、さらに指定電力に応じて補正するための指定電力毎のオフセット補正量(DACコード)に変換可能に対応付けたものである。この場合の送信出力に応じたDACコードに加算すべき温度補正用DACコードは、温度補正テーブル75から得られる温度に応じたDACコードと、電力変化量テーブル74から得られる指定電力毎のオフセット補正量に相当するDACコードとを用いて算出されるものである。
【0047】
従って、本実施形態によれば、上記と同様の効果に加え、さらに温度補正テーブルは従来のものをそのまま使用することができるため、従来のソフトウェアのリソースの流用が比較的容易であるといった利点もある。
【0048】
なお、上記実施形態ではAGCの温度補正方法を通信端末の送信機側に適用したが、応用例として受信機側のAGC回路の温度補正にも適用可能である。
【0049】
なお、本発明は、代表的に例示した上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することができる。これらの変更例や変形例も本発明の権利範囲に属するものである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、指定電力毎の1DACコードの変化量をもとに温度補正のDACコードを決定しているので、従来、指定電力毎に出力電力に生じていた誤差を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるAGCの温度補正方法を用いた通信端末の全体構成を示す概略ブロック図。
【図2】本発明の実施形態による電力変化量テーブルを示す図。
【図3】本発明の実施形態による温度補正テーブルを説明する図。
【図4】本発明の実施形態によるAGCの温度補正処理を説明する概略フローチャート。
【図5】本発明の他の実施形態によるAGCの温度補正方法を用いた通信端末の全体構成を示す概略ブロック図。
【図6】従来例のAGCの温度補正方法を用いた送信機の全体構成を示す概略ブロック図。
【図7】従来例の温度補正テーブルを説明する図。
【図8】従来例のAGCの温度補正処理を説明する概略フローチャート。
【符号の説明】
10 ベースバンド処理部
20 送信部
30 アンテナ
40 温度センサ
50 送信出力指定部
60 演算回路
70 メモリ
71 AGCコードテーブル
72 電力変化量テーブル(dB単位)
73 温度補正テーブル(出力補正量:dB単位)
74 電力補正量テーブル(オフセットDACコード)
75 温度補正テーブル(DACコード)
Claims (8)
- AGCアンプの利得をその指定された出力電力に応じたDACコードからD/A変換される制御電圧により制御するAGC回路における該DACコードの値を、温度センサで得られる温度データに基づいて補正するAGCの温度補正方法において、
前記温度データから前記DACコードに対する温度補正量に関するパラメータに変換するための第1の変換テーブルと、前記出力電力から1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータに変換するための第2の変換テーブルとを予め保持するステップと、
前記第1の変換テーブルを参照して前記温度データから前記温度補正量に関するパラメータを決定するステップと、
前記第2の変換テーブルを参照して前記出力電力から前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータを決定するステップと、
決定された前記温度補正量に関するパラメータと前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとに基づいて前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップと、
算出された前記出力電力毎の温度補正量を該出力電力に応じたDACコードの温度補正用DACコードとして前記AGC回路に供給するステップとを有することを特徴とするAGCの温度補正方法。 - 前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎の出力補正量であり、
前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、前記出力電力毎のDACコードの変化量であり、
前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップは、前記温度毎の出力補正量と前記出力電力毎のDACコードの変化量とを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算することを特徴とする請求項1記載のAGCの温度補正方法。 - 前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎のDACコードであり、
前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、電力オフセット補正量に対応するDACコードであり、
前記出力電力毎の温度補正量を算出するステップは、前記電力オフセット補正量に対応するDACコードと前記温度毎のDACコードとを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算することを特徴とする請求項1記載のAGCの温度補正方法。 - AGCアンプの利得をその指定された出力電力に応じたDACコードから変換される制御電圧により制御するAGC回路における該DACコードの値を、温度センサで得られる温度データに基づいて補正するAGCの温度補正装置において、
前記温度データから前記DACコードに対する温度補正量に関するパラメータに変換するための第1の変換テーブルと、
前記出力電力から1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータに変換するための第2の変換テーブルと、
前記第1の変換テーブルを参照して前記温度データから前記温度補正量に関するパラメータを決定し、前記第2の変換テーブルを参照して前記出力電力から前記1DACコード当たりのの電力変化量に関するパラメータを決定し、決定された前記温度補正量に関するパラメータと前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータとに基づいて前記出力電力毎の温度補正量を算出し、該出力電力毎の温度補正量を前記出力電力に応じたDACコードの温度補正用DACコードとして前記AGC回路に供給する演算手段とを有することを特徴とするAGCの温度補正装置。 - 前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎の出力補正量であり、
前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、前記出力電力毎のDACコードの変化量であり、
前記演算手段は、前記温度毎の出力補正量と前記出力電力毎のDACコードの変化量とを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算することを特徴とする請求項4記載のAGCの温度補正装置。 - 前記温度補正量に関するパラメータは、温度毎のDACコードであり、
前記1DACコード当たりの電力変化量に関するパラメータは、電力オフセット補正量に対応するDACコードであり、
前記演算手段は、前記電力オフセット補正量に対応するDACコードと前記温度毎のDACコードとを用いて該出力電力毎の温度補正量を計算することを特徴とする請求項4記載のAGCの温度補正装置。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載のAGCの温度補正装置と、
前記AGC回路を有し且つ通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、
前記AGCアンプを有し且つ該AGCアンプを介し前記ベースバンド信号で変調された送信信号を前記出力電力で送信する送信部とを有することを特徴とする通信端末。 - 請求項4乃至6のいずれか1項に記載のAGCの温度補正装置と、
前記AGC回路を有し且つ通信データのベースバンド信号を生成するベースバンド処理部と、
前記AGCアンプを有し且つ該AGCアンプを介し前記ベースバンド信号で変調された送信信号を前記出力電力で送信する送信部とを有することを特徴とする携帯電話機。
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