JP3898038B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、詳しくはフェニルスルホン酸エステル誘導体とジフェニルスルホン誘導体を含有してなる感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、感熱記録材料は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と有機顕色剤とをそれぞれ微細な粒子に粉砕分散した後両者を混合し、これとバインダー、充填剤、増感剤、滑剤、その他の添加剤等を添加して得た塗液を、紙、フィルムプラスチック等の支持体上に塗工して感熱発色層を形成したもので、感熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより発色記録が得られるものである。これら記録方式の基本原理は、電子供与性の染料と有機顕色剤とが化学的に接触することにより、染料が有色体に変化することにあると考えられている。このような記録方式は、従来実用化された他の記録法に比べて、現像、定着等の煩雑な処理を施す必要がない、比較的安価で簡単な装置で短時間に記録ができる、メンテナンスフリーである、記録時の騒音発生がない、得られた発色が非常に鮮明であるといった特徴を有し、コンピューターのアウトプット、電卓等のプリンター、医療計測用のレコーダー、ファクシミリ、自動券売機、ラベル分野、複写機等の記録材料として広く用いられている。近年、これら装置の多用途化、高性能化が進められるに従って、感熱記録材料に対する要求品質もより高度なものとなっている。例えば、記録の高速化、装置の小型化に伴い記録装置のサーマルヘッドの熱エネルギーは微少化する傾向にあり、これに使用する感熱記録紙には、微少なエネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像を得るに充分な発色濃度を保有することが要求されている。
【0003】
このような要求を満たすためには、感熱発色層に含まれる塩基性染料あるいは有機顕色剤が微少な熱量で溶融し発色反応を起こす必要がある。しかし、従来の材料、例えば、特公昭40−9309号公報、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報、特公昭51−29830号公報、特開昭56−144193号公報等にて開示されているフェノール性ヒドロキシル基を有する種々の顕色剤では、熱応答性が低く、高速記録の際に十分な発色濃度が得られなかった。また、色むらが生じる、記録後に発色像の濃度が経時的に変化する、保存中に変色を生じる、耐熱地色が悪化する、いわゆる粉ふきと呼ばれる白色粉末状物の表面析出が生じる、再印字性が低下する等の問題があった。
このような問題点を補う方法として、例えば、特開昭53−5636号公報、特開昭53−11036号公報、特開昭53−26139号公報、特開昭53−39139号公報等において、各種のワックス類、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、置換ビフェニルアルカン、クマリン化合物、ジフェニルアミン類等の低融点の熱溶融性物質を増感剤あるいは融点降下剤として添加する方法や、その他に安定剤等を添加する方法が開示されているが、いずれも性能の改善効果が不十分であったり、発色濃度が低下してしまう等の副次的な問題を生じる結果となっている。
このように、近年の高感度要求を満たすには発色能力が及ばず、高感度化を実現しつつ他の品質性能を備えた感熱記録材料は未だ得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
発色感度、発色画像の保存安定性すなわち耐熱性、耐湿性に優れる感熱記録材料を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により該染料と接触して呈色し得る顕色剤と、増感剤とを少なくとも含有する感熱発色層を設けた感熱記録体において、増感剤として下記式(1)で表される化合物を含有し、かつ、顕色剤として下記一般式(2)で表される少なくとも1種類の化合物を、顕色剤1重量部に対して増感剤0.1〜2重量部の割合で含有することにより、これらの課題を解決するものである。
【0006】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】
[式中、R 1 、R 2 は、おのおの同一、または異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基、アリール基を示す。]
【0010】
本発明の式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表される顕色剤に対して高い感度と保存性を持つ理由は明らかではないが、本発明者らは以下のように類推している。一般式(2)で表される顕色剤の融点は他の顕色剤に比べて非常に高いので、通常の増感剤では感度の向上はあまり望めない。感度を向上させるには融点の低い増感剤を選択する必要があるが、式(1)で表される化合物の融点は100℃以下と低いことが挙げられる。さらに、式(1)で表される化合物と一般式(2)で表される顕色剤の化学構造が似ていることが挙げられる。そのため、より双方の化合物間での溶融が起こりやすく感度の向上が得られると考えられる。類似の化合物にジフェニルスルホン(融点126〜128℃)があるが、この物質は式(1)で表される化合物より融点が30℃以上も高いので、式(1)で表される化合物ほどの増感効果は期待できない。さらに、ジフェニルスルホンを増感剤として用いた場合、保存中に粉ふきを生じる。これはジフェニルスルホンが結晶化しやすいためと考えられるが、式(1)で表される化合物ではこの粉ふきといった現象は起こらない。これは、式(1)で表される化合物が染料や顕色剤とより溶融しやすいためと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料の感熱発色層は、バインダーの溶液またはバインダーの乳化もしくはペースト状に分散した分散液に、塩基性染料、式(1)、一般式(2)で表される化合物およびその他必要な添加剤をさらに分散させた感熱発色層塗液を調製、これを支持体上に塗布し、塗膜を乾燥することにより形成される。なお、塩基性染料、式(1)、一般式(2)で表される化合物およびその他必要な添加剤は、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー等の粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化して用いるのが好ましい。本発明では、増感剤として式(1)で表されるフェニルスルホン酸エステル誘導体が用いられる。式(1)で表されるフェニルスルホン酸エステル誘導体は、例えば、フェニルスルホン酸クロライドとアミノフェノールを塩基性触媒存在下で反応させる等公知の合成方法により、容易に得ることができる。反応は、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で、反応温度0〜100℃で数時間から数十時間行われる。反応後、これらの溶媒で再結晶を行うことにより、収率よく単一の目的化合物を得ることができる。
【0012】
式(1)で表される化合物は、トルエン4−スルホン酸3−アミノフェニルエステルである。
【0013】
本発明では、顕色剤として一般式(2)で表されるジフェニルスルホン誘導体を含有する。一般式(2)で表される化合物を具体的に例示すると、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジエチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3−イソプロピル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。このうち特に、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンが好ましい。
【0014】
本発明の感熱発色層には、本発明の効果を損なわない程度に、従来公知の増感剤を配合しても良い。これら増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、p−ベンジルビフェニル、4−ビフェニル−p−トリルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン、p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、ジ−p−トリルカーボネイト、フェニル−α−ナフチルカーボネイト、ジフェニルスルホン等が挙げられるが、特にこれらに制限されるものではない。増感剤は単独または2種以上を使用しても良い。
【0015】
また、本発明の感熱発色層には、本発明の効果を損なわない程度に、従来公知の有機顕色剤を配合しても良い。これら顕色剤としては例えば、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、4−(4−プロポキシ−ベンゼンスルホニル)−フェノール、4−(4−イソプロポキシ−ベンゼンスルホニル)−フェノール等の4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル類等が挙げられる。
【0016】
本発明に用いられる塩基性染料としては、感圧あるいは感熱記録紙に使用されている公知の無色ないし淡色の塩基性染料であればすべて使用可能であり、特に制限されるものではない。以下にこれら塩基性染料の具体例を示す。なお、これら塩基性染料は、発明の効果を損なわない範囲で、単独もしくは2種以上を使用しても良い。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
【0017】
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
【0018】
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
【0019】
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−メチル−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−メトキシ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−ニトロ−6−〔p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
【0020】
2−アミノ−6−〔p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−ジエチルアミノ−6−〔p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−フェニル−6−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−ベンジル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−ヒドロキシ−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
3−メチル−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−〔p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−〔p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3′−フタリド〕
3,6,6′−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3′−フタリド〕
【0021】
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0022】
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3′−ニトロ)アニリノラクタム
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム
1,1−ビス〔2′,2′,2″,2″−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン
1,1−ビス〔2′,2′,2″,2″−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン
1,1−ビス〔2′,2′,2″,2″−テトラキステトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン
ビス〔2,2,2′,2′−テトラキス(p−ジメチルアミノフェニル)エテニル〕メチルマロン酸ジメチルエステル
【0023】
本発明で感熱発色層に使用するバインダーとしては、重合度200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体並びにエチルセルロース、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラールポリスチロールおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂等が挙げられる。これらの高分子物質は要求品質に応じて単独または2種以上を併用でき、水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用する他、水または他の媒体中に乳化またはペースト状に分散した状態で使用することができる。
【0024】
本発明で感熱発色層に配合する填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体や中空プラスチックピグメント等の無機または有機充填剤等が挙げられる。
この他、感熱発色層にp−ニトロ安息香酸金属塩(Ca、Zn)またはフタル酸モノベンジルエステル金属塩(Ca、Zn)等の安定剤、脂肪酸金属塩等の離型剤、ワックス等の滑剤、ベンゾフェノン系あるいはトリアゾール系紫外線吸収剤、グリオキザール等の耐水化剤、分散剤、消泡剤等を必要に応じて添加することができる。
【0025】
本発明において、感熱発色層に使用する塩基性染料、顕色剤、増感剤、填料、バインダーおよびその他の必要に応じて配合する材料の種類や使用量は、感熱発色層に要求される各種性能に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性染料1重量部に対して、顕色剤1〜8重量部、充填剤1〜20重量部とするのが好ましい。また、顕色剤1部に対して増感剤0.1〜2重量部とし、バインダーは全固形分中10〜25重量%が適当である。
支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスティックフィルム、発泡プラスティックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、また、これらを組み合わせた複合シートも使用可能である。
また、保存性を高める目的で、有機填料を含有する高分子物質等からなるオーバーコート層を感熱発色層上に設けることもできる。さらに、保存性および感度を高める目的で、有機填料および無機填料を含有するアンダーコート層を感熱発色層の下に設けても良い。
【0026】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、化合物の構造は、NMRおよびIR測定により同定した。説明中、部は重量部を表す。
[合成例:トルエン−4−スルホン酸3−アミノ−フェニルエステルの合成]
撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた四口反応容器にm−アミノフェノール32.7g(0.30モル)およびトリエチルアンモニウム50.6g(0.50モル)を入れアセトン150mlに溶解させた後、よく撹拌しながら0℃に保った。p−トルエンスルホニルクロライド47.7g(0.25モル)のアセトン(100ml)溶液を滴下した後、0℃で2時間撹拌した。反応終了後、水(1000ml)を加え析出した淡桃色結晶をろ過した。結晶をトルエンにて再結晶し、トルエン−4−スルホン酸3−アミノ−フェニルエステルの淡桃色結晶59.2gを得た。融点は95.0℃であった。
【0027】
[実施例1]
A液(顕色剤分散液)
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部
水 11.2部
B液(増感剤分散液)
トルエン−4−スルホン酸3−アミノ−フェニルエステル 4.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 12.5部
水 7.5部
C液(染料分散液)
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部
水 2.6部
上記A液、B液およびC液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで粉砕し、下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
A液(顕色剤分散液) 36.0部
B液(増感剤分散液) 24.0部
C液(染料分散液) 9.2部
カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
上記塗液を50g/m2の坪量を有する基紙の片面に塗布量6.0g/m2になるように塗布、室温で24時間乾燥し、このシートをスーパーカレンダーで平滑度500〜600秒になるように処理して感熱記録材料を作成した。なお、ここでの塗布量は乾燥後における支持体への固形分付着量である。
【0028】
[比較例1]
実施例のB液(増感剤分散液)で使用したトルエン−4−スルホン酸3−アミノ−フェニルエステルの代わりに1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを使用し、実施例と同様に感熱記録材料を作成した。
[比較例2]
実施例のB液(増感剤分散液)で使用したトルエン−4−スルホン酸3−アミノ−フェニルエステルの代わりに4−ベンジルビフェニルを使用し、実施例と同様に感熱記録材料を作成した。
以上の実施例および比較例で得られた感熱記録材料について、下記の品質性能試験を行った。結果は表1に示す。なお、表中の数値は上段が記録部の濃度を下段が地肌部の濃度を示す。
【0029】
[感熱記録性テスト(動的発色濃度)]
作成した感熱記録材料について、大倉電気社製TH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.38mj/dotで印字した。記録部の画像濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[耐熱性テスト]
感熱記録性テストで記録した感熱記録材料を試験温度60℃の高温乾燥環境下に24時間放置した後、記録部の画像濃度と地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。
[耐湿性テスト]
感熱記録性テストで記録した感熱記録材料を試験温度40℃、90%RHの環境下に24時間放置した後、記録部の画像濃度と地肌部の濃度をマクベス濃度計で測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1、実施例より明らかなように、本発明における一般式(1)で示されるフェニルスルホン酸エステル誘導体と一般式(2)で示されるジフェニルスルホン誘導体の組合せにより得られた感熱記録材料は、極めて高い動的発色濃度を示し、かつ、地肌部および画像部の保存安定性、特に耐熱性、耐湿性に優れている。
一方、代表的な増感剤として知られる、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンや4−ベンジルビフェニルでは、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンに対する増感効果が発揮されず、発色濃度が低い。従って、ジフェニルスルホン誘導体、特に4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンとともに一般式(1)で示されるフェニルスルホン酸エステル誘導体を用いることにより、優れた品質性能を有する感熱記録材料が得られることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
本発明における増感剤と顕色剤とを用いることにより、発色感度に著しく優れ、かつ、地肌部および画像部の保存安定性、特に耐熱性、耐湿性の高い極めて有用な感熱記録材料を提供することができる。
Claims (2)
- 前記一般式(2)で表される顕色剤が、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
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