JP3897904B2 - 携帯機器用アンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の携帯機器に備えられる携帯機器用アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近携帯電話機が普及しているが、この携帯電話機においては通話や情報を送受信するためにアンテナが備えられている。このアンテナは、待ち受け時には携帯に便利なように、携帯電話機の筐体に収納できる伸縮自在なホイップ状エレメントからなるアンテナとされているのが一般的である。
しかしながら、ホイップ状エレメントを筺体内に収納した時には携帯電話機は送信および受信がほぼ不可能になることから、ホイップ状エレメントを筐体に収納したときにも、筐体外に位置する小型のコイル状エレメントをホイップ状エレメントの先端に設けるようにしている。これにより、ホイップ状エレメントを筐体に収納した時には、このコイル状エレメントを使用して送受信することができるようになる。
【0003】
次に、このようなアンテナの構成の一例を図5に、図5におけるアンテナの上部の構成の詳細を図6(a)(b)に示す。
これらの図に示すように、ホイップアンテナ部114を構成しているホイップ状エレメント118は、その一端がジョイント部113に一体成形により固着されていると共に、ホイップ状エレメント118は合成樹脂製の弾性を有するチューブ114−1により被覆されている。そして、ホイップ状エレメント118の他端には、チューブ114−1より径の大きい金属製のストッパー部116が固着されて、ストッパー部116とホイップ状エレメント118とが電気的に接続されている。さらに、このホイップアンテナ部114が摺動できるように、携帯電話機等の筐体に固着される導電性のホルダー部115が、ホイップアンテナ部114に挿通されている。なお、ジョイント部113の径はホイップアンテナ部114の外径より大きくされている。
【0004】
このホルダー部115の内周面には図示しないスプリングが収納されており、このスプリングによりホルダー部115は確実にホイップアンテナ部114を摺動保持できるようにされている。
また、ジョイント部113の下端部とホイップ状エレメント118との間には間隙が設けられており、この間隙部にチューブ114−1の一端が挿入されている。さらに、このジョイント部113は、金属製の円筒状のトッププラグ部112内を貫通するよう形成されており、このトッププラグ部112とジョイント部113の外径とはほぼ同径とされている。
【0005】
このトッププラグ部112の先端は拡径された拡径部112−1とされており、拡径部112−1の内周面にはネジ部が形成されている。そして、このネジ部にコイル状エレメント117が形成されているボビン111−2の下端部のネジ部111−3が螺着されている。この螺着の際に、コイル状エレメント117とトッププラグ部112とが電気的に接続される。このボビン11−2の外周面には螺旋状の溝が形成されており、この溝内にコイル状エレメント117が蒸着等により形成されている。そして、トッププラグ部111の上部とボビン111−2を覆うように合成樹脂がモールドされて、アンテナトップ部111が形成されている。
【0006】
このように構成されたアンテナにおいて、ホイップアンテナ部114がホルダー部115に対して伸長された時は、筐体等に固着されるホルダー部115に下からストッパー部116が挿入保持され、ホイップ状エレメント118はホルダー部115に電気的に接続されて、ホイップ状エレメント118が動作状態となる。また、ホイップアンテナ部114を収納した時は、トッププラグ部112がホルダー部115に上から挿入保持され、コイル状エレメント117がホルダー部115に電気的に接続され、コイル状エレメント117が動作状態となる。
【0007】
なお、ジョイント部113によりホイップ状エレメント118とトッププラグ部112とを絶縁するのは、ホイップ状エレメント118とコイル状エレメント117とを各々独立してアンテナとして使用するためである。すなわち、コイル状エレメント117の給電部であるトッププラグ部112と、ホイップ状エレメント118との間に静電容量が発生すると、コイル状エレメント117とホイップ状エレメント118とが電気的に結合して、それぞれのアンテナの動作に悪影響を及ぼすようになる。これを防止するために、コイル状エレメント117とホイップ状エレメント118との間を十分離隔して、静電容量が発生しないようジョイント部113が設けられているのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す構成のアンテナにおいて、トッププラグ部112の下部とジョイント部113とが接合されている構成の詳細を図6(b)に示す。この図に示すように、トッププラグ部112における円筒部112−2の内周面には段部112−4が形成されている。また、ジョイント部113は、その外径がトッププラグ部112の外径と等しくなるようにインサート成形されていることから、ジョイント部113とトッププラグ部112との境界におけるジョイント部113に、段差部113−1が生じるようになる。
ここで、アンテナに横方向から荷重が掛かると、アンテナはこの荷重を吸収するよう図7(a)に示すように曲がるようになる。この場合、金属製のトッププラグ部112は円筒状とされて曲がりにくいことから、この荷重は主に合成樹脂製のジョイント部113により吸収されることになる。
【0009】
すると、この荷重により金属性のトッププラグ部112とジョイント部113とが接合されている境界部分に応力が集中するようになり、トッププラグ部112の円筒部112−2内に形成されている段部112−4、および、ジョイント部113における段差部113−1が支点となって曲がるようになるため、支点に対向する側のジョイント部113が伸びるようになる。このため、繰り返しアンテナに曲げ応力がかけられると、ジョイント部113が、トッププラグ部112との境界部分で折損する恐れが生じるという問題点があった。
特に、トッププラグ112における円筒部112−2の内周面に段部112−4が形成されていると、この部分に応力が集中して、ジョイント部113が伸びるようになり、繰り返し曲げ耐久性が劣化するようになる。
【0010】
また、アンテナに曲げ応力がかけられてジョイント部13の一側が伸びるようになると、図7(b)に示すように伸びた側のジョイント部113と円筒部112−2の下端との間に間隙dが生じるようになる。この間隙dは、応力が除去されても完全に戻りにくく、アンテナの美観を損ねるという問題点がある。
さらに、ジョイント部113の成形時にトッププラグ部112内の段部112−4の部分で成形材の流れが急激に変化し、ウェルド等が発生しジョイント部113の強度不足や成形不良が発生しやすいという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明はアンテナに横方向に荷重が繰り返し掛けられてもジョイント部が折損しにくい繰り返し曲げ耐久性が向上された携帯機器用アンテナを提供することを目的としている。
さらに、本発明は成形性を向上することができると共に、アンテナに横方向に荷重が繰り返し掛けられてもジョイント部とトッププラグとの間に間隙が生じにくい携帯機器アンテナを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の携帯機器用アンテナは、携帯機器の筐体に取り付け可能なホルダーに摺動自在に保持されると共に、該ホルダーに対して伸張した際にその下端が該ホルダーに電気的に接続されるホイップアンテナ部と、コイル状エレメントを有するアンテナトップ部と、前記コイル状エレメントと電気的に接続されていると共に、前記アンテナトップ部の下端から延伸されて、前記ホルダーに摺動可能とされている略円筒状のトッププラグ部と、該トッププラグ部と前記ホイップアンテナ部とが略一軸上に位置されて、互いに絶縁されて固着されるように、前記トッププラグ部内を貫通すると共に、前記ホイップアンテナ部の先端を包被するよう成形されて形成された絶縁性のジョイント部とを備え、前記トッププラグ部の下端部の内周面にテーパ部が形成されている。
【0013】
また、上記携帯機器用アンテナにおいて、前記トッププラグ部の下端部の外周面が、先端に行くほど径が細くなるようテーパ状としてもよい。
さらに、前記トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部に続いて、さらに円筒部が延伸されていてもよい。
さらにまた、前記トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部の開き角が略40度〜110度とするようにしてもよい。
さらにまた、前記トッププラグ部の円筒状部の内周面がストレートに形成されていてもよい。
【0014】
さらにまた、上記目的を達成することのできる携帯機器用アンテナは、携帯機器の筐体に取り付け可能なホルダーに摺動自在に保持されると共に、該ホルダーに対して伸張した際にその下端が該ホルダーに電気的に接続されるホイップアンテナ部と、コイル状エレメントが設けられているアンテナトップ部と、前記コイル状エレメントと電気的に接続されていると共に、前記アンテナトップ部の下端から延伸されて、前記ホルダーに摺動可能とされている略円筒状のトッププラグ部と、該トッププラグ部と前記アンテナトップ部とが略一軸上に位置されて、互いに絶縁されて固着されるように、前記トッププラグ部内を貫通すると共に、前記ホイップアンテナ部の先端を包被するように成形されて形成されている絶縁性のジョイント部とを備え、該ジョイント部において、前記トッププラグ部との境界に向かって径が大きくなるようなテーパ部が形成されている。
【0015】
このような本発明によれば、トッププラグ部の下端部の内周面にテーパ部を形成するようにしたので、アンテナに横方向に荷重が繰り返し掛けられてもジョイント部が折損しにくくなり、繰り返し曲げ耐久性が向上された携帯機器用アンテナとすることができる。また、テーパ部とされて支点が生じないことから、曲げ荷重が掛けられてもジョイント部とトッププラグ部との境界部分に間隙が生じることを防止することができる。
さらに、トッププラグ部の下端部の外周面を、先端に行くほど径が細くなるようテーパ状としたので、ジョイント部の成形時の成形圧によりトッププラグ部の径が広がることがなく、ジョイント部を成形した後においてもホルダー部にスムースにトッププラグ部を摺動することができる。
【0016】
さらにまた、トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部から、さらに円筒部を延伸すると、曲げ応力の部分的な集中を防止することができ、さらに、繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
さらにまた、トッププラグ部の円筒状部の内周面をストレートに形成すると、ジョイント部を成形する際に成形材の流れがスムースになり、ジョイント部の強度不足や成形不良の発生を防止することができる。
さらにまた、ジョイント部において、トッププラグ部との境界に向かって径が大きくなるようなテーパ部を形成すると、トッププラグ部との境界部分のジョイント部の径が大きくなり、曲げ応力の部分的な集中を防止することができ、さらに、繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の携帯機器用アンテナの実施の形態の構成を図1(a)(b)に示す。なお、図1(a)は本発明の携帯機器用アンテナの全体を示す正面図、図1(b)は本発明の携帯機器用アンテナの特徴点を示す上部の詳細構成を示す断面図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態における携帯機器用アンテナ1は、アンテナトップ部11と、アンテナトップ部11の下端から導出される円筒状のトッププラグ部12と、トッププラグ部12内を貫通するよう成形により形成されたジョイント部13と、ジョイント部13に先端が一体成形されているホイップアンテナ部14と、ホイップアンテナ部14の下端に固着されているストッパー部16と、ホイップアンテナ部14に摺動自在に設けられたホルダー部15とから構成されている。
【0018】
このように構成された携帯機器用アンテナにおいて、金属製のホルダー部15は携帯電話機等の筐体に取り付けられ、ホイップアンテナ部14がホルダー部15に対して伸長された時は、ホルダー部15に下からストッパー部16が挿入保持され、ホイップアンテナ部14がホルダー部15に電気的に接続される。これにより、ホイップアンテナ部14のみが動作状態となる。また、ホイップアンテナ部14を筐体内に収納した時は、トッププラグ部12がホルダー部15に上から挿入保持され、トッププラグ部12がホルダー部15に電気的に接続される。これにより、トッププラグ12に接続されていると共に、アンテナトップ部11内に収納されているコイル状エレメント17のみが動作状態となる。
したがって、本発明の携帯機器用アンテナ1を携帯電話機に適用した際には、携帯機器用アンテナ1を伸張した場合はホイップアンテナ部14を使用して送受信することができると共に、携帯機器用アンテナ1を収納した場合はアンテナトップ部11内のコイル状エレメント17を使用して送受信することができるようになる。
【0019】
さらに、本発明の携帯用アンテナ1の詳細構成を図1(b)に示すが、ホイップアンテナ部14におけるホイップ状エレメント18の一端がジョイント部13の下部に一体成形により固定されている。この際に、ホイップ状エレメント18の先端部にはジョイント部18から抜け出ることを防止する図示する異形の抜け止め部14−2が形成されている。なお、ホイップ状エレメント18は合成樹脂製の弾性を有するチューブ14−1により被覆されている。そして、ホイップ状エレメント18の他端には、図1(a)に示すように、チューブ14−1より径の大きくされた金属製のストッパー部16が電気的に接続されるよう固着されている。さらに、このホイップアンテナ部14に摺動するように、筐体に固着されるホルダー部15が挿通されている。
【0020】
このホルダー部15の内周面には図示しないスプリングが収納されており、このスプリングによりホルダー部15は確実にホイップアンテナ部14を摺動保持できるようにされている。
また、ジョイント部13の下端部とホイップ状エレメント18との間には間隙が設けられており、この間隙部にチューブ14−1の一端が挿入されている。さらに、このジョイント部13は、金属製とされた円筒状のトッププラグ部12内を貫通するようインサート成形により形成されており、このトッププラグ部12とジョイント部13の外径とはほぼ同径とされている。なお、ジョイント部13の径はホイップアンテナ部14の外径より大きくされている。
【0021】
このトッププラグ部12の円筒部12−2における下端の内周面にはテーパ部が形成されていると共に、その円筒部12−2の内周面には段部は形成されておらずストレートに形成されている。また、トッププラグ部12の先端は拡径された拡径部12−1とされており、拡径部12−1の内周面にはネジ部が形成されている。そして、このネジ部にコイル状エレメント17が形成されているボビン11−2の下端部のネジ部11−3が螺着されている。この螺着の際に、コイル状エレメント17とトッププラグ部12とが電気的に接続される。このボビン11−2の外周面には螺旋状の溝が形成されており、この溝内にコイル状エレメント17が蒸着等により形成されている。そして、トッププラグ部11の上部とボビン11−2を覆うように合成樹脂がモールドされて、アンテナトップ部11が形成されている。
【0022】
このように構成された本発明の携帯機器用アンテナ1において、横荷重がかかり曲げられた際の状態を示す図を図2に断面図で示す。
携帯機器用アンテナ1に横方向から荷重が掛かると、携帯機器用アンテナ1はこの荷重を吸収するよう図2に示すように曲がるようになる。この場合、金属製のトッププラグ部12は円筒状とされて曲がりにくいことから、この荷重は主に合成樹脂製のジョイント部13により吸収されることになる。
しかしながら、トッププラグ部12の下部の内周面にはテーパ部12−2が形成されていることから、曲がる際に支点が生じることがないためジョイント部13には伸びの発生割合が極力小さくなる。このため、部分的に応力が集中することがなく、ジョイント部13の繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
なお、このテーパ部12−2の開き角は略60度したときが作用効果上最適であるが、その開き角を40度ないし110度とすれば上記した作用効果を奏することができる。
【0023】
また、携帯機器用アンテナ1に曲げ応力がかけられてもジョイント部13の一側が伸びることを極力防止することができるので、ジョイント部13と円筒部12−2の下端との間に間隙dが生じることを防止することができる。したがって、携帯機器用アンテナ1の美観が損ねられることを防止することができる。
さらに、トッププラグ部12内はストレートに形成されているため、ジョイント部13の成形時にトッププラグ部12内で成形材の流れが急激に変化することがなく、ウェルド等が発生してジョイント部13の強度不足や成形不良が発生することを防止することができる。
【0024】
次に、本発明の携帯機器用アンテナ1におけるトッププラグ部12とジョイント部13との接合部の拡大図を図3に示す。この図において、トッププラグ部12の円筒部12−2の先端部の内周面にはテーパ部12−3が形成されている。また、円筒部12−2の先端部の外周面には先端が細くなるように第2テーパ部12−4が形成されている。これにより、ジョイント部13をトッププラグ部12内にインサート成形する際に、ジョイント部13における成形材の成形圧によりトッププラグ部12の先端が拡径されても、ジョイント部13をトッププラグ部12に成形した後のトッププラグ部12の先端の外径が円筒部12−2の外径より大きくなることを防止することができる。したがって、トッププラグ部12をホルダー部15に挿入する際にスムースに挿入することができるようになる。
【0025】
また、ジョイント部13におけるトッププラグ部12との境界部分にジョイントテーパ部13−1が形成されている。これにより、境界部分におけるジョイント部13の外径が大きくなり、曲げ荷重が携帯機器用アンテナ1に印加された際に、境界部分に曲げ荷重が集中することを防止することができ、携帯機器用アンテナ1の繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
なお、トッププラグ部12の先端とジョイント部12との接合部分において、図3に示すように若干ジョイント部13の外径が、テーパ部12−3の内径より大きく形成されても支障はないが、図4に示すようにトッププラグ部12の先端とジョイント部12との接合部分において、ジョイント部13の外径とテーパ部12−3の内径とを略等しく形成するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明の携帯機器用アンテナ1におけるトッププラグ部12とジョイント部13との接合部の構成の変形例を図4に示す。
この図に示すように、トッププラグ部12の円筒部12−2の内周面にはテーパ部12−3が形成されており、このテーパ部12−3から第2円筒部12−5が延伸するよう形成されている。この第2円筒部12−5により、曲げ荷重が携帯機器用アンテナ1に印加された際に、ジョイント部13とトッププラグ部12との境界部分に曲げ荷重が集中することを防止することができ、携帯機器用アンテナ1の繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
また、第2円筒部12−5の外周面に先端が細くなるようにテーパ部を形成するようにしてもよい。このようにすると、ジョイント部13をトッププラグ部12内にインサート成形する際に、ジョイント部13における成形材の成形圧によりトッププラグ部12の先端が拡径されても、ジョイント部13をトッププラグ部12に成形した後のトッププラグ部12の先端の外径が円筒部12−2の外径より大きくなることを防止することができる。
【0027】
ところで、本発明の携帯機器用アンテナ1において、ホイップ状エレメント18及びコイル状エレメント17の電気長を使用する周波数帯の波長の約1/4波長とすると、インピーダンスを低くできるため給電を容易に行うことができる。また、ホイップ状エレメント18及びコイル状エレメント17の電気長を使用する周波数帯の波長の約1/2波長とすると、ユーザの影響を受けにくい携帯機器用アンテナすることができる。
さらに、給電を容易にすると共に、ユーザの影響を受けにくくなるように、ホイップ状エレメント18及びコイル状エレメント17の電気長を使用する周波数帯の波長の約3/8波長あるいは約5/8波長としてもよい。
【0028】
また、本発明の携帯機器用アンテナ1が設けられる携帯機器では、ホイップ状エレメント18またはコイル状エレメント17を使用して送受信することができるが、ホイップ状エレメント18およびコイル状エレメント17の共振周波数は必ずしも同一とする必要はない。この際に送信周波数帯と受信周波数帯として独立した周波数帯が割り当てられている場合も同様である。本発明の携帯機器用アンテナ1において、ホイップ状エレメント18とコイル状エレメント17に必要とされるのは、携帯機器に割り当てられている送信周波数帯および受信周波数帯を少なくとも含む周波数帯において動作可能とされていることである。
なお、上記したホイップ状エレメント18およびコイル状エレメント17の電気長は、所定の帯域幅の送信周波数帯および受信周波数帯を含むように「約」を付して表現している。
【0029】
【発明の効果】
上記説明したように本発明によれば、トッププラグ部の下端部の内周面にテーパ部を形成するようにしたので、アンテナに横方向に荷重が繰り返し印加されてもジョイント部が折損しにくくなり、繰り返し曲げ耐久性が向上された携帯機器用アンテナとすることができる。また、テーパ部とされて支点が生じないことから、曲げ荷重が掛けられてもジョイント部とトッププラグ部との境界部分に間隙が生じることを防止することができる。
さらに、トッププラグ部の下端部の外周面を、先端に行くほど径が細くなるようテーパ状としたので、ジョイント部の成形時の成形圧によりトッププラグ部の径が広がることがなく、ジョイント部を成形した後においてもホルダー部にスムースにトッププラグ部を摺動することができる。
【0030】
さらにまた、トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部から、さらに円筒部を延伸すると、曲げ応力の部分的な集中を防止することができ、さらに、繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
さらにまた、トッププラグ部の円筒状部の内周面をストレートに形成すると、ジョイント部を成形する際に成形材の流れがスムースになり、ジョイント部の強度不足や成形不良の発生を防止することができる。
さらにまた、ジョイント部において、トッププラグ部との境界に向かって径が大きくなるようなテーパ部を形成すると、トッププラグ部との境界部分のジョイント部の径が大きくなり、曲げ応力の部分的な集中を防止することができ、さらに、繰り返し曲げ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯機器用アンテナの実施の形態の構成を示す正面図、および、一部の詳細を示す断面図である。
【図2】本発明の携帯機器用アンテナにおいて、横荷重がかかり曲げられた際の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の携帯機器用アンテナにおけるトッププラグ部とジョイント部との接合部の構成を示す図である。
【図4】本発明の携帯機器用アンテナにおけるトッププラグ部とジョイント部との接合部の他の構成を示す図である。
【図5】従来の携帯機器に用いられるアンテナの構成を示す図である。
【図6】従来の携帯機器用アンテナの一部を詳細に示す拡大図である。
【図7】従来の携帯機器用アンテナにおいて、横荷重がかかり曲げられた際の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 携帯機器用アンテナ
11 アンテナトップ部
12 トッププラグ部
12−2 円筒部
12−3 テーパ部
12−4 第2テーパ部
12−5 第2円筒部
13 ジョイント部
14 ホイップアンテナ部
15 ホルダー部
16 ストッパー部
17 コイル状エレメント
18 ホイップ状エレメント

Claims (6)

  1. 携帯機器の筐体に取り付け可能なホルダーに摺動自在に保持されると共に、該ホルダーに対して伸張した際にその下端が該ホルダーに電気的に接続されるホイップアンテナ部と、
    コイル状エレメントを有するアンテナトップ部と、
    前記コイル状エレメントと電気的に接続されていると共に、前記アンテナトップ部から延伸されて、前記ホルダーに摺動可能とされている略円筒状のトッププラグ部と、
    該トッププラグ部と前記ホイップアンテナ部とが略一軸上に位置されて、互いに絶縁されて固着されるように、前記トッププラグ部内を貫通すると共に、前記ホイップアンテナ部の先端を包被するよう成形されて形成された絶縁性のジョイント部とを備え、
    前記トッププラグ部の下端部の内周面にテーパ部が形成されていることを特徴とする携帯機器用アンテナ。
  2. 前記トッププラグ部の下端部の外周面が、先端に行くほど径が細くなるようテーパ状とされていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用アンテナ。
  3. 前記トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部に続いて、さらに円筒部が延伸されていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用アンテナ。
  4. 前記トッププラグ部の下端部の内周面に形成されたテーパ部の開き角が略40度〜110度とされていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用アンテナ。
  5. 前記トッププラグ部の円筒状部の内周面がストレートに形成されていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用アンテナ。
  6. 携帯機器の筐体に取り付け可能なホルダーに摺動自在に保持されると共に、該ホルダーに対して伸張した際にその下端が該ホルダーに電気的に接続されるホイップアンテナ部と、
    コイル状エレメントが設けられているアンテナトップ部と、
    前記コイル状エレメントと電気的に接続されていると共に、前記アンテナトップ部の下端から延伸されて、前記ホルダーに摺動可能とされている略円筒状のトッププラグ部と、
    該トッププラグ部と前記アンテナトップ部とが略一軸上に位置されて、互いに絶縁されて固着されるように、前記トッププラグ部内を貫通すると共に、前記ホイップアンテナ部の先端を包被するように成形されて形成されている絶縁性のジョイント部とを備え、
    該ジョイント部において、前記トッププラグ部との境界に向かって径が大きくなるようなテーパ部が形成されていることを特徴とする携帯機器用アンテナ。
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