JP2004023430A - 複共振アンテナおよび携帯無線機用アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の周波数帯において動作する小型化されたアンテナとする。
【解決手段】アンテナボビン12の外周面には複数の周波数帯において共振可能なヘリカル状の複数条とされたアンテナエレメント14のパターンが形成されている。このアンテナボビン12のほぼ中心軸に沿って形成されている収納穴内に無給電導体11を嵌挿する。これにより、PDCの800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好に動作するアンテナとすることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】アンテナボビン12の外周面には複数の周波数帯において共振可能なヘリカル状の複数条とされたアンテナエレメント14のパターンが形成されている。このアンテナボビン12のほぼ中心軸に沿って形成されている収納穴内に無給電導体11を嵌挿する。これにより、PDCの800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好に動作するアンテナとすることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周波数帯で動作する複共振アンテナおよび携帯無線機用アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動電話システムが使用する周波数帯は、一般に複数の周波数帯とされている。例えば、日本におけるPDC方式(Personal Digital Cellular telecommunication system)では、800MHz帯(810MHz〜956MHz)と1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)を使用しており、米国におけるディジタルセルラーシステムではAMPS(Advanced Mobile Phone Service)方式として900MHz帯(824MHz〜894MHz)が、PCS(PresonalCommunication Service)方式として1.8GHz帯(1850MHz〜1990MHz)が少なくとも使用されている。また、欧州においてはGSM(GlobalSystem for Mobile communications)方式として900MHz帯(870MHz〜960MHz)が、DCS(Digital Cellular System)方式として1.8GHz帯(1710MHz〜1880MHz)が使用されている。このように、複数の周波数帯域を使用しているのは、加入者の増加により一つの周波数帯域では利用周波数が不足しているからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように複数の周波数帯を受信あるいは送信する携帯無線機には、複数の周波数帯で動作するアンテナを搭載する必要がある。そこで、従来は、複数の周波数帯で動作するアンテナとして、メインの外付けアンテナの他に無線機筐体内部に平面アンテナや小体積のチップアンテナを内蔵するようにしていた。しかしながら、これではアンテナが無線機筐体内部の体積を奪い、無線機の小型化にそぐわないという問題点があった。さらに、携帯無線機をユーザが把持した際に内蔵するアンテナが手に覆われる比率が大きく、携帯無線機使用時のアンテナ特性を劣化させるという問題点もあった。
【0004】
また、1素子のヘリカルアンテナを使用して、インピーダンス整合回路によって強制的に複共振を起こすことにより複共振アンテナとする方法がある。この場合のヘリカルアンテナの一例を図13に示す。図13に示すヘリカルアンテナは、絶縁性の断面円形のアンテナボビン112の外周面に1条のヘリカル状のエレメント114aを形成し、下端に給電部となる給電用リング部114bを形成している。このヘリカルアンテナをPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯で動作するようにエレメント114aの長さを決定した際の当該周波数帯における電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図14に示す。図14を参照すると、PDC方式の800MHz帯におけるVSWRが約3.5以下となるものの、1.4GHz帯においては約9.5以下と実用に耐えないVSWRとなっていることがわかる。
【0005】
このように、1素子のホイップアンテナあるいはヘリカルアンテナと、整合回路との組み合わせでの携帯無線機用アンテナでは複数の周波数帯において満足なアンテナ電気特性が得にくいという問題点があった。さらに、複数の周波数帯における各周波数帯で独立して動作するアンテナ素子をアンテナとすることも考えられるが、この場合は周波数帯の数だけのアンテナ素子を必要とすることからアンテナを小型化することができず、携帯無線機に適用することが困難になると云う問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の周波数帯において良好に動作する小型化された複共振アンテナおよび携帯無線機用アンテナを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の複共振アンテナは、複数の周波数帯に共振するエレメントのパターンが、外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体とを備え、前記エレメントのパターンがヘリカル状の複数条のパターンとされている。
【0008】
また、上記本発明の複共振アンテナにおいて、前記アンテナボビンの下部が導電性のアンテナホルダーに嵌合されて、該アンテナホルダーと前記エレメントとが電気的に接続されており、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部が前記アンテナホルダーに嵌着されていてもよい。
さらに、上記本発明の複共振アンテナにおいて、前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにされていてもよい。
【0009】
次に、上記課題を解決することのできる本発明の携帯無線機用アンテナは、携帯無線機の筐体に固着可能なホルダー部に対して伸縮自在とされているホイップ部と、該ホイップ部の先端に絶縁部を介して固着されているトップ部とからなる携帯無線機用アンテナであって、前記トップ部は、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントパターンが外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体と、前記アンテナボビンの下部が嵌合されて前記エレメントが電気的に接続されている拡径部と、縮納された際に前記ホルダー部内に挿通される小径部を備える導電性のプラグ部と、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部とから構成され、前記ホイップ部は、前記ホルダー部内を摺動可能とされ、下端に設けられ伸長された際に前記ホルダー部内に保持される導電性のストッパー部と、前記ホイップ部と前記トップ部とを接続するように設けられている絶縁性の絶縁部とから構成され、上部が前記プラグ部に固着されていると共に、下部が前記ホイップ部の先端に固着されている前記絶縁部により、前記トップ部と前記ホイップ部とがほぼ一軸上に配置されて固着されている。
【0010】
また、上記本発明の携帯無線機用アンテナにおいて、前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにしてもよい。
【0011】
このような本発明によれば、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントのパターンが形成されている絶縁性のアンテナボビンの収納穴内に、導電性の無給電導体を嵌挿するようにしたので、広帯域化することができ複数の周波数帯において動作させることができる良好な電気的特性の複共振アンテナとすることができる。しかも、小型化することができる。
また、このような複共振アンテナをアンテナのトップ部として備える伸縮可能な携帯無線機用アンテナを構成すると、複数の周波数帯において動作させることができる広帯域において良好な電気的特性の小型化された携帯無線機用アンテナとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる複共振アンテナを備える携帯無線機の構成を図1に示す。
図1に示す携帯無線機1は、例えば携帯電話機とされており電話機能回路部や電池が収納されている無線機筐体1aを備えており、無線機筐体1aの前面にはダイヤルボタンを含む各種ボタンとディスプレイとが設けられている。そして、無線機筐体1aの上面に本発明にかかる複共振アンテナである固定アンテナ部2が固着されている。この固定アンテナ部2は、例えばPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能なアンテナとされている。
【0013】
次に、固定アンテナ部2の分解組立図を図2に示し、固定アンテナ部2の構成を図3ないし図5に示す。ただし、図3は固定アンテナ部2の構成を示す斜視図であり、図4は固定アンテナ部2の断面図であり、図5は固定アンテナ部2のアンテナボビン12を切断せずに示す断面図である。
これらの図において、例えば金属製とされた導電性のアンテナホルダー13は、その外周面にネジ部13bが形成されており、その上面には凹状の嵌入部13aが形成されている。この嵌入部13aにはアンテナボビン12の下部が嵌入される。アンテナボビン12は、合成樹脂等の絶縁材からなり、略断面円形に形成されている。アンテナボビン12の外周面には、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のアンテナエレメント14のパターンが形成されている。このパターンは、導箔プリント、導電性粉末蒸着やめっき加工等により導電膜としてアンテナボビン12の外周面に形成されており、アンテナボビン12の下部においてリング状のパターンとされている。このリング状のパターンは、アンテナボビン12をアンテナホルダー13の嵌入部13aに嵌入した際に、アンテナホルダー13に電気的に接続される給電部となる。
【0014】
アンテナホルダー13に固着されているアンテナボビン12には、アンテナエレメント14が形成されている部位にほぼ対応するように、中心軸に沿って収納穴12aが形成されている。そして、この収納穴12a内に円筒状に形成された、例えば金属製とされた導電性の無給電導体11が嵌挿されている。この状態において、アンテナボビン12をキャップ部10における収納部10a内に収納するように、上から例えば合成樹脂製とされた絶縁性のキャップ部10を被せる。そして、キャップ部10の下部に設けられている嵌着部10bをアンテナホルダー13の上部に嵌着して固着する。このように構成されている固定アンテナ部2のアンテナホルダー13が、無線機筐体1aの上面に設けられている貫通孔内に挿通されて、無線機筐体1aの内部からホルダーナットをアンテナホルダー13のネジ部13bに螺着することにより、固定アンテナ部2が無線機筐体1aに固着される。この際に、アンテナホルダー13に端子が接触して無線機筐体1aに内蔵されている無線機回路と固定アンテナ部2とが電気的に接続されるようになる。
【0015】
ここで、アンテナボビン12の詳細構成を図6に示す。
アンテナボビン12破断面ほぼ円形の絶縁体から構成されており、その外周面には図6に示すように、第1エレメント14a、第2エレメント14bおよび第3エレメント14cの3条のヘリカル状のパターンからなるアンテナエレメント14が形成されている。このヘリカル状の第1エレメント14aないし第3エレメント14cはほぼ同じ長さとされているが、動作させる周波数帯域において良好な電気的特性が得られるようにそれぞれの長さが調整されている。また、第1エレメント14aないし第3エレメント14cの下端は、アンテナボビン12の下部に形成されている給電用リング部14dに接続されており、この給電用リング部14dがアンテナホルダー13の嵌入部13aに嵌入されて接触される給電部とされている。
【0016】
図6に示すパターンとされたアンテナエレメント14がアンテナボビン12の外周面に形成されている固定アンテナ部2が、PDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能とされている場合は、第1エレメント14aないし第3エレメント14cが接近して配置されているため、第1エレメント14aないし第3エレメント14cはそれぞれ単独で動作するのではなく互いの影響を受けた結果、アンテナエレメント14全体としてPDC方式の2つの周波数帯において動作可能となっている。さらに、このようなアンテナエレメント14のパターンに、アンテナボビン12の収納穴12aに嵌挿されている無給電導体11が近接配置されて、無給電導体11の影響を受けた結果、広帯域化されてPDC方式の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善される。これにより、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能な固定アンテナ部2となっている。なお、固定アンテナ部2のインピーダンスは3条のパターンとされて、動作可能な周波数帯域においてほぼ50Ωとなることから、無線機回路と整合するためのマッチング回路を省略することができる。
【0017】
ここで、図6に示すアンテナエレメント14を備える固定アンテナ部2の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を、無給電導体11を設けていない場合を図7に、設けている場合を図8に示す。
無給電導体11を設けていない固定アンテナ部2におけるVSWRの周波数特性は、図7に示すようにPDC方式の800MHz帯(810MHz〜956MHz)においては、約3.0以下とされているものの、1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)においては約4.0以下と劣化している。これに対して、無給電導体11を設けている固定アンテナ部2におけるVSWRの周波数特性は、図8に示すようにPDC方式の800MHz帯(810MHz〜956MHz)においては、約2.5以下と改善されていると共に、1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)においても約3.0以下と改善されている。このように、無給電導体11を設けることにより、広帯域化されてPDC方式の800MHz帯と1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善され、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能な固定アンテナ部2となることがわかる。
【0018】
次に、本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナを備える携帯無線機の構成を図9に、携帯無線機に内蔵されている回路基板と携帯無線機用アンテナとの関係を図10に示す。
図9に示す携帯無線機1は、例えば携帯電話機とされており電話機能回路部や電池が収納されている無線機筐体1aを備えており、無線機筐体1aの前面にはダイヤルボタンを含む各種ボタンとディスプレイとが設けられている。そして、無線機筐体1aの上面に本発明にかかる携帯無線機用アンテナ3が固着されている。この携帯無線機用アンテナ3は、例えばPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能なアンテナとされている。
【0019】
携帯無線機用アンテナ3は、ホイップ部5と、ホイップ部5の上端に絶縁部6を介して固着されているトップ部8とから構成されている。ホイップ部5が無線機筐体1aに固着されるホルダー部4に対して伸縮自在とされており、ホルダー部4が無線機筐体1aに固着されることにより、ホイップ部5が無線機筐体1aに対して伸縮可能とされている。この場合、ホルダー部4が、無線機筐体1aの上面に設けられている貫通孔内に挿通されて、図10に示すように無線機筐体1aの内部からホルダーナット1bをホルダー部4の下部に螺着することにより、ホルダー部4が無線機筐体1aに固着される。この際に、ホルダー部4に、回路基板1dに一端がハンダ付けされている接触端子1cが接触して、回路基板1d上に設けられているRF回路1eとホルダー部4とが電気的に接続されるようになる。なお、携帯無線機用アンテナ3のインピーダンスは動作可能な周波数帯域においてほぼ50Ωとなることから、携帯無線機用アンテナ3とRF回路1eとを整合させるためのマッチング回路を省略することができる。
【0020】
次に、本発明にかかる携帯無線機用アンテナ3の全体構成を図11に示し、ホイップ部5が伸長された状態を示す断面図を図10に示す。
これらの図に示すように、トップ部8はホイップ部5の先端に絶縁部6により固着されている。トップ部8は、金属製のプラグ部7と、このプラグ部7に下部が嵌着あるいは螺着されている絶縁性のアンテナボビン12と、アンテナボビン12のほぼ中央に形成されている収納穴12a内に収納されている、例えば金属製とされている導電性の無給電導体11と、アンテナボビン12を覆うようにアンテナボビン12に被せられて下部がプラグ部7に嵌着あるいは螺着される絶縁性のキャップ部10とから構成されている。このトップ部8の構成は前述した固定アンテナ部2とほぼ同様の構成とされており、無給電導体11を設けることにより広帯域化されて、例えばPDC方式の800MHz帯と1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善される。これにより、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能とされている。
【0021】
プラグ部7は上部が径の大きい拡径部とされて、拡径部から下方へ径の小さい小径部が延伸されている。この拡径部にはアンテナボビン12が嵌着あるいは螺着され、小径部の貫通孔内には絶縁部6が嵌挿されてプラグ部7に固着されており、この絶縁部6の下部はホイップ部5におけるエレメント5aの先端に一体成形されている。これにより、ホイップ部5とトップ部8とがほぼ一軸上に配置されて機械的に固着されるようになる。なお、ホイップ部5をホルダー部4に対して縮納した際に、ホルダー部4内にプラグ部7が嵌挿されてホルダー部4内のリン青銅等の金属製の保持バネ4cにより保持される。これにより、アンテナボビン12に形成されている図6に示すようなアンテナエレメント14がホルダー部4に電気的に接続されるようになる。この場合、ホイップ部5は絶縁部6により電気的に絶縁されているため、トップ部8のみがアンテナとして動作するようになる。この携帯無線機用アンテナ3を縮納してトップ部8を動作させた際のVSWRの周波数特性は、前記した図8に示すVSWRの周波数特性とほぼ同様の特性となり、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能とされる。
【0022】
また、ホイップ部5は、例えば超弾性金属製とされている直線状のエレメント5aと、エレメント5aに被覆されている絶縁性のチューブ5bから構成されている。エレメント5aの下部には金属製のストッパー部9がカシメられており、図12に示すようにホルダー部4に対して伸長した際に、ホルダー部4内にストッパー部9が下から挿入されるようになる。この際に、ストッパー部9はホルダー部4内の保持バネ4cにより保持されて、抜け落ちないようになると共に電気的に接続される。これにより、ホイップ部5が動作状態となるが、トップ部8は絶縁部6により絶縁されるため動作しないようになる。なお、ストッパー部9の下端には鍔状の係止部9aが形成されており、ホイップ部5を伸長した際に係止部9aがホルダー部4の下端に衝合して、それ以上伸長できないようになる。これにより、ホイップ部5はホルダー部4から抜け出ないようになる。なお、ホルダー部4の上部には無線機筐体1aに形成された取付孔にホルダー部4を挿通した際に、無線機筐体1aに当接する鍔部4aが形成されており、ホルダー部4の外周面にはホルダーナット1bが螺着されるネジ部4bが形成されている。
【0023】
以上説明した固定アンテナ部2において、アンテナボビン12に形成されている収納穴12a内に無給電導体11を嵌挿することに替えて、収納穴12aの内周面に導箔プリント、導電性粉末蒸着やめっき加工等により導電膜を形成するようにしてもよい。
また、以上の説明では、本発明にかかる固定アンテナ部2および携帯無線機用アンテナ3は、PDC方式における2つの周波数帯域において動作可能としたが、これに限るものではなくAMPS方式とPCS方式の2つの周波数帯やGSM方式とDCS方式の2つの周波数帯において動作可能としてもよい。さらに加えて、GPSアンテナとして動作可能としてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントのパターンが形成されている絶縁性のアンテナボビンの収納穴内に、導電性の無給電導体を嵌挿するようにしたので、広帯域化することができ複数の周波数帯において動作させることができる良好な電気的特性の複共振アンテナとすることができる。しかも、小型化することができる。
また、このような複共振アンテナをアンテナのトップ部として備える伸縮可能な携帯無線機用アンテナを構成すると、複数の周波数帯において動作させることができる広帯域において良好な電気的特性の小型化された携帯無線機用アンテナとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる複共振アンテナを備える携帯無線機の構成を示す図である。
【図2】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す分解組立図である。
【図3】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部におけるアンテナボビンの詳細構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる無給電素子がない固定アンテナ部におけるVSWRの周波数特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる無給電素子がある固定アンテナ部におけるVSWRの周波数特性を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナを備える携帯無線機の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナと携帯無線機に内蔵されている回路基板との関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナの全体構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナにおいてトップ部を伸長した際の構成を示す断面図である。
【図13】従来のヘリカルアンテナの構成を示す図である。
【図14】従来のヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯無線機、1a 無線機筐体、1b ホルダーナット、1c 接触端子、1d 回路基板、1e RF回路、2 固定アンテナ部、3 携帯無線機用アンテナ、4 ホルダー部、4a 鍔部、4b ネジ部、4c 保持バネ、5 ホイップ部、5a エレメント、5b チューブ、6 絶縁部、7 プラグ部、8 トップ部、9 ストッパー部、9a 係止部、10 キャップ部、10a 収納部、10b 嵌着部、11 無給電導体、12 アンテナボビン、12a 収納穴、13 アンテナホルダー、13a 嵌入部、13b ネジ部、14 アンテナエレメント、14a 第1エレメント、14b 第2エレメント、14c 第3エレメント、14d 給電用リング部、112 アンテナボビン、114a エレメント、114b 給電用リング部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周波数帯で動作する複共振アンテナおよび携帯無線機用アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動電話システムが使用する周波数帯は、一般に複数の周波数帯とされている。例えば、日本におけるPDC方式(Personal Digital Cellular telecommunication system)では、800MHz帯(810MHz〜956MHz)と1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)を使用しており、米国におけるディジタルセルラーシステムではAMPS(Advanced Mobile Phone Service)方式として900MHz帯(824MHz〜894MHz)が、PCS(PresonalCommunication Service)方式として1.8GHz帯(1850MHz〜1990MHz)が少なくとも使用されている。また、欧州においてはGSM(GlobalSystem for Mobile communications)方式として900MHz帯(870MHz〜960MHz)が、DCS(Digital Cellular System)方式として1.8GHz帯(1710MHz〜1880MHz)が使用されている。このように、複数の周波数帯域を使用しているのは、加入者の増加により一つの周波数帯域では利用周波数が不足しているからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように複数の周波数帯を受信あるいは送信する携帯無線機には、複数の周波数帯で動作するアンテナを搭載する必要がある。そこで、従来は、複数の周波数帯で動作するアンテナとして、メインの外付けアンテナの他に無線機筐体内部に平面アンテナや小体積のチップアンテナを内蔵するようにしていた。しかしながら、これではアンテナが無線機筐体内部の体積を奪い、無線機の小型化にそぐわないという問題点があった。さらに、携帯無線機をユーザが把持した際に内蔵するアンテナが手に覆われる比率が大きく、携帯無線機使用時のアンテナ特性を劣化させるという問題点もあった。
【0004】
また、1素子のヘリカルアンテナを使用して、インピーダンス整合回路によって強制的に複共振を起こすことにより複共振アンテナとする方法がある。この場合のヘリカルアンテナの一例を図13に示す。図13に示すヘリカルアンテナは、絶縁性の断面円形のアンテナボビン112の外周面に1条のヘリカル状のエレメント114aを形成し、下端に給電部となる給電用リング部114bを形成している。このヘリカルアンテナをPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯で動作するようにエレメント114aの長さを決定した際の当該周波数帯における電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図14に示す。図14を参照すると、PDC方式の800MHz帯におけるVSWRが約3.5以下となるものの、1.4GHz帯においては約9.5以下と実用に耐えないVSWRとなっていることがわかる。
【0005】
このように、1素子のホイップアンテナあるいはヘリカルアンテナと、整合回路との組み合わせでの携帯無線機用アンテナでは複数の周波数帯において満足なアンテナ電気特性が得にくいという問題点があった。さらに、複数の周波数帯における各周波数帯で独立して動作するアンテナ素子をアンテナとすることも考えられるが、この場合は周波数帯の数だけのアンテナ素子を必要とすることからアンテナを小型化することができず、携帯無線機に適用することが困難になると云う問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の周波数帯において良好に動作する小型化された複共振アンテナおよび携帯無線機用アンテナを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の複共振アンテナは、複数の周波数帯に共振するエレメントのパターンが、外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体とを備え、前記エレメントのパターンがヘリカル状の複数条のパターンとされている。
【0008】
また、上記本発明の複共振アンテナにおいて、前記アンテナボビンの下部が導電性のアンテナホルダーに嵌合されて、該アンテナホルダーと前記エレメントとが電気的に接続されており、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部が前記アンテナホルダーに嵌着されていてもよい。
さらに、上記本発明の複共振アンテナにおいて、前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにされていてもよい。
【0009】
次に、上記課題を解決することのできる本発明の携帯無線機用アンテナは、携帯無線機の筐体に固着可能なホルダー部に対して伸縮自在とされているホイップ部と、該ホイップ部の先端に絶縁部を介して固着されているトップ部とからなる携帯無線機用アンテナであって、前記トップ部は、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントパターンが外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体と、前記アンテナボビンの下部が嵌合されて前記エレメントが電気的に接続されている拡径部と、縮納された際に前記ホルダー部内に挿通される小径部を備える導電性のプラグ部と、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部とから構成され、前記ホイップ部は、前記ホルダー部内を摺動可能とされ、下端に設けられ伸長された際に前記ホルダー部内に保持される導電性のストッパー部と、前記ホイップ部と前記トップ部とを接続するように設けられている絶縁性の絶縁部とから構成され、上部が前記プラグ部に固着されていると共に、下部が前記ホイップ部の先端に固着されている前記絶縁部により、前記トップ部と前記ホイップ部とがほぼ一軸上に配置されて固着されている。
【0010】
また、上記本発明の携帯無線機用アンテナにおいて、前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにしてもよい。
【0011】
このような本発明によれば、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントのパターンが形成されている絶縁性のアンテナボビンの収納穴内に、導電性の無給電導体を嵌挿するようにしたので、広帯域化することができ複数の周波数帯において動作させることができる良好な電気的特性の複共振アンテナとすることができる。しかも、小型化することができる。
また、このような複共振アンテナをアンテナのトップ部として備える伸縮可能な携帯無線機用アンテナを構成すると、複数の周波数帯において動作させることができる広帯域において良好な電気的特性の小型化された携帯無線機用アンテナとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる複共振アンテナを備える携帯無線機の構成を図1に示す。
図1に示す携帯無線機1は、例えば携帯電話機とされており電話機能回路部や電池が収納されている無線機筐体1aを備えており、無線機筐体1aの前面にはダイヤルボタンを含む各種ボタンとディスプレイとが設けられている。そして、無線機筐体1aの上面に本発明にかかる複共振アンテナである固定アンテナ部2が固着されている。この固定アンテナ部2は、例えばPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能なアンテナとされている。
【0013】
次に、固定アンテナ部2の分解組立図を図2に示し、固定アンテナ部2の構成を図3ないし図5に示す。ただし、図3は固定アンテナ部2の構成を示す斜視図であり、図4は固定アンテナ部2の断面図であり、図5は固定アンテナ部2のアンテナボビン12を切断せずに示す断面図である。
これらの図において、例えば金属製とされた導電性のアンテナホルダー13は、その外周面にネジ部13bが形成されており、その上面には凹状の嵌入部13aが形成されている。この嵌入部13aにはアンテナボビン12の下部が嵌入される。アンテナボビン12は、合成樹脂等の絶縁材からなり、略断面円形に形成されている。アンテナボビン12の外周面には、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のアンテナエレメント14のパターンが形成されている。このパターンは、導箔プリント、導電性粉末蒸着やめっき加工等により導電膜としてアンテナボビン12の外周面に形成されており、アンテナボビン12の下部においてリング状のパターンとされている。このリング状のパターンは、アンテナボビン12をアンテナホルダー13の嵌入部13aに嵌入した際に、アンテナホルダー13に電気的に接続される給電部となる。
【0014】
アンテナホルダー13に固着されているアンテナボビン12には、アンテナエレメント14が形成されている部位にほぼ対応するように、中心軸に沿って収納穴12aが形成されている。そして、この収納穴12a内に円筒状に形成された、例えば金属製とされた導電性の無給電導体11が嵌挿されている。この状態において、アンテナボビン12をキャップ部10における収納部10a内に収納するように、上から例えば合成樹脂製とされた絶縁性のキャップ部10を被せる。そして、キャップ部10の下部に設けられている嵌着部10bをアンテナホルダー13の上部に嵌着して固着する。このように構成されている固定アンテナ部2のアンテナホルダー13が、無線機筐体1aの上面に設けられている貫通孔内に挿通されて、無線機筐体1aの内部からホルダーナットをアンテナホルダー13のネジ部13bに螺着することにより、固定アンテナ部2が無線機筐体1aに固着される。この際に、アンテナホルダー13に端子が接触して無線機筐体1aに内蔵されている無線機回路と固定アンテナ部2とが電気的に接続されるようになる。
【0015】
ここで、アンテナボビン12の詳細構成を図6に示す。
アンテナボビン12破断面ほぼ円形の絶縁体から構成されており、その外周面には図6に示すように、第1エレメント14a、第2エレメント14bおよび第3エレメント14cの3条のヘリカル状のパターンからなるアンテナエレメント14が形成されている。このヘリカル状の第1エレメント14aないし第3エレメント14cはほぼ同じ長さとされているが、動作させる周波数帯域において良好な電気的特性が得られるようにそれぞれの長さが調整されている。また、第1エレメント14aないし第3エレメント14cの下端は、アンテナボビン12の下部に形成されている給電用リング部14dに接続されており、この給電用リング部14dがアンテナホルダー13の嵌入部13aに嵌入されて接触される給電部とされている。
【0016】
図6に示すパターンとされたアンテナエレメント14がアンテナボビン12の外周面に形成されている固定アンテナ部2が、PDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能とされている場合は、第1エレメント14aないし第3エレメント14cが接近して配置されているため、第1エレメント14aないし第3エレメント14cはそれぞれ単独で動作するのではなく互いの影響を受けた結果、アンテナエレメント14全体としてPDC方式の2つの周波数帯において動作可能となっている。さらに、このようなアンテナエレメント14のパターンに、アンテナボビン12の収納穴12aに嵌挿されている無給電導体11が近接配置されて、無給電導体11の影響を受けた結果、広帯域化されてPDC方式の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善される。これにより、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能な固定アンテナ部2となっている。なお、固定アンテナ部2のインピーダンスは3条のパターンとされて、動作可能な周波数帯域においてほぼ50Ωとなることから、無線機回路と整合するためのマッチング回路を省略することができる。
【0017】
ここで、図6に示すアンテナエレメント14を備える固定アンテナ部2の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を、無給電導体11を設けていない場合を図7に、設けている場合を図8に示す。
無給電導体11を設けていない固定アンテナ部2におけるVSWRの周波数特性は、図7に示すようにPDC方式の800MHz帯(810MHz〜956MHz)においては、約3.0以下とされているものの、1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)においては約4.0以下と劣化している。これに対して、無給電導体11を設けている固定アンテナ部2におけるVSWRの周波数特性は、図8に示すようにPDC方式の800MHz帯(810MHz〜956MHz)においては、約2.5以下と改善されていると共に、1.4GHz帯(1429MHz〜1501MHz)においても約3.0以下と改善されている。このように、無給電導体11を設けることにより、広帯域化されてPDC方式の800MHz帯と1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善され、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能な固定アンテナ部2となることがわかる。
【0018】
次に、本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナを備える携帯無線機の構成を図9に、携帯無線機に内蔵されている回路基板と携帯無線機用アンテナとの関係を図10に示す。
図9に示す携帯無線機1は、例えば携帯電話機とされており電話機能回路部や電池が収納されている無線機筐体1aを備えており、無線機筐体1aの前面にはダイヤルボタンを含む各種ボタンとディスプレイとが設けられている。そして、無線機筐体1aの上面に本発明にかかる携帯無線機用アンテナ3が固着されている。この携帯無線機用アンテナ3は、例えばPDC方式の800MHz帯および1.4GHz帯の2つの周波数帯において動作可能なアンテナとされている。
【0019】
携帯無線機用アンテナ3は、ホイップ部5と、ホイップ部5の上端に絶縁部6を介して固着されているトップ部8とから構成されている。ホイップ部5が無線機筐体1aに固着されるホルダー部4に対して伸縮自在とされており、ホルダー部4が無線機筐体1aに固着されることにより、ホイップ部5が無線機筐体1aに対して伸縮可能とされている。この場合、ホルダー部4が、無線機筐体1aの上面に設けられている貫通孔内に挿通されて、図10に示すように無線機筐体1aの内部からホルダーナット1bをホルダー部4の下部に螺着することにより、ホルダー部4が無線機筐体1aに固着される。この際に、ホルダー部4に、回路基板1dに一端がハンダ付けされている接触端子1cが接触して、回路基板1d上に設けられているRF回路1eとホルダー部4とが電気的に接続されるようになる。なお、携帯無線機用アンテナ3のインピーダンスは動作可能な周波数帯域においてほぼ50Ωとなることから、携帯無線機用アンテナ3とRF回路1eとを整合させるためのマッチング回路を省略することができる。
【0020】
次に、本発明にかかる携帯無線機用アンテナ3の全体構成を図11に示し、ホイップ部5が伸長された状態を示す断面図を図10に示す。
これらの図に示すように、トップ部8はホイップ部5の先端に絶縁部6により固着されている。トップ部8は、金属製のプラグ部7と、このプラグ部7に下部が嵌着あるいは螺着されている絶縁性のアンテナボビン12と、アンテナボビン12のほぼ中央に形成されている収納穴12a内に収納されている、例えば金属製とされている導電性の無給電導体11と、アンテナボビン12を覆うようにアンテナボビン12に被せられて下部がプラグ部7に嵌着あるいは螺着される絶縁性のキャップ部10とから構成されている。このトップ部8の構成は前述した固定アンテナ部2とほぼ同様の構成とされており、無給電導体11を設けることにより広帯域化されて、例えばPDC方式の800MHz帯と1.4GHz帯の2つの周波数帯において良好な電気特性に改善される。これにより、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能とされている。
【0021】
プラグ部7は上部が径の大きい拡径部とされて、拡径部から下方へ径の小さい小径部が延伸されている。この拡径部にはアンテナボビン12が嵌着あるいは螺着され、小径部の貫通孔内には絶縁部6が嵌挿されてプラグ部7に固着されており、この絶縁部6の下部はホイップ部5におけるエレメント5aの先端に一体成形されている。これにより、ホイップ部5とトップ部8とがほぼ一軸上に配置されて機械的に固着されるようになる。なお、ホイップ部5をホルダー部4に対して縮納した際に、ホルダー部4内にプラグ部7が嵌挿されてホルダー部4内のリン青銅等の金属製の保持バネ4cにより保持される。これにより、アンテナボビン12に形成されている図6に示すようなアンテナエレメント14がホルダー部4に電気的に接続されるようになる。この場合、ホイップ部5は絶縁部6により電気的に絶縁されているため、トップ部8のみがアンテナとして動作するようになる。この携帯無線機用アンテナ3を縮納してトップ部8を動作させた際のVSWRの周波数特性は、前記した図8に示すVSWRの周波数特性とほぼ同様の特性となり、PDC方式の2つの周波数帯において動作可能とされる。
【0022】
また、ホイップ部5は、例えば超弾性金属製とされている直線状のエレメント5aと、エレメント5aに被覆されている絶縁性のチューブ5bから構成されている。エレメント5aの下部には金属製のストッパー部9がカシメられており、図12に示すようにホルダー部4に対して伸長した際に、ホルダー部4内にストッパー部9が下から挿入されるようになる。この際に、ストッパー部9はホルダー部4内の保持バネ4cにより保持されて、抜け落ちないようになると共に電気的に接続される。これにより、ホイップ部5が動作状態となるが、トップ部8は絶縁部6により絶縁されるため動作しないようになる。なお、ストッパー部9の下端には鍔状の係止部9aが形成されており、ホイップ部5を伸長した際に係止部9aがホルダー部4の下端に衝合して、それ以上伸長できないようになる。これにより、ホイップ部5はホルダー部4から抜け出ないようになる。なお、ホルダー部4の上部には無線機筐体1aに形成された取付孔にホルダー部4を挿通した際に、無線機筐体1aに当接する鍔部4aが形成されており、ホルダー部4の外周面にはホルダーナット1bが螺着されるネジ部4bが形成されている。
【0023】
以上説明した固定アンテナ部2において、アンテナボビン12に形成されている収納穴12a内に無給電導体11を嵌挿することに替えて、収納穴12aの内周面に導箔プリント、導電性粉末蒸着やめっき加工等により導電膜を形成するようにしてもよい。
また、以上の説明では、本発明にかかる固定アンテナ部2および携帯無線機用アンテナ3は、PDC方式における2つの周波数帯域において動作可能としたが、これに限るものではなくAMPS方式とPCS方式の2つの周波数帯やGSM方式とDCS方式の2つの周波数帯において動作可能としてもよい。さらに加えて、GPSアンテナとして動作可能としてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントのパターンが形成されている絶縁性のアンテナボビンの収納穴内に、導電性の無給電導体を嵌挿するようにしたので、広帯域化することができ複数の周波数帯において動作させることができる良好な電気的特性の複共振アンテナとすることができる。しかも、小型化することができる。
また、このような複共振アンテナをアンテナのトップ部として備える伸縮可能な携帯無線機用アンテナを構成すると、複数の周波数帯において動作させることができる広帯域において良好な電気的特性の小型化された携帯無線機用アンテナとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる複共振アンテナを備える携帯無線機の構成を示す図である。
【図2】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す分解組立図である。
【図3】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の複共振アンテナの実施の形態にかかる固定アンテナ部におけるアンテナボビンの詳細構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる無給電素子がない固定アンテナ部におけるVSWRの周波数特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる無給電素子がある固定アンテナ部におけるVSWRの周波数特性を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナを備える携帯無線機の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナと携帯無線機に内蔵されている回路基板との関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナの全体構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態にかかる携帯無線機用アンテナにおいてトップ部を伸長した際の構成を示す断面図である。
【図13】従来のヘリカルアンテナの構成を示す図である。
【図14】従来のヘリカルアンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯無線機、1a 無線機筐体、1b ホルダーナット、1c 接触端子、1d 回路基板、1e RF回路、2 固定アンテナ部、3 携帯無線機用アンテナ、4 ホルダー部、4a 鍔部、4b ネジ部、4c 保持バネ、5 ホイップ部、5a エレメント、5b チューブ、6 絶縁部、7 プラグ部、8 トップ部、9 ストッパー部、9a 係止部、10 キャップ部、10a 収納部、10b 嵌着部、11 無給電導体、12 アンテナボビン、12a 収納穴、13 アンテナホルダー、13a 嵌入部、13b ネジ部、14 アンテナエレメント、14a 第1エレメント、14b 第2エレメント、14c 第3エレメント、14d 給電用リング部、112 アンテナボビン、114a エレメント、114b 給電用リング部
Claims (5)
- 複数の周波数帯に共振するエレメントのパターンが、外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、
該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体とを備え、
前記エレメントのパターンがヘリカル状の複数条のパターンとされていることを特徴とする複共振アンテナ。 - 前記アンテナボビンの下部が導電性のアンテナホルダーに嵌合されて、該アンテナホルダーと前記エレメントとが電気的に接続されており、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部が前記アンテナホルダーに嵌着されていることを特徴とする請求項1記載の複共振アンテナ。
- 前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の複共振アンテナ。
- 携帯無線機の筐体に固着可能なホルダー部に対して伸縮自在とされているホイップ部と、該ホイップ部の先端に絶縁部を介して固着されているトップ部とからなる携帯無線機用アンテナであって、
前記トップ部は、複数の周波数帯に共振するヘリカル状の複数条のエレメントパターンが外周面に形成されている絶縁性のアンテナボビンと、該アンテナボビンの中心軸にほぼ沿って形成されている収納穴内に嵌挿されている導電性の無給電導体と、前記アンテナボビンの下部が嵌合されて前記エレメントが電気的に接続されている拡径部と、縮納された際に前記ホルダー部内に挿通される小径部を備える導電性のプラグ部と、前記アンテナボビンを覆う絶縁性のキャップ部とから構成され、
前記ホイップ部は、前記ホルダー部内を摺動可能とされ、下端に設けられ伸長された際に前記ホルダー部内に保持される導電性のストッパー部と、前記ホイップ部と前記トップ部とを接続するように設けられている絶縁性の絶縁部とから構成され、
上部が前記プラグ部に固着されていると共に、下部が前記ホイップ部の先端に固着されている前記絶縁部により、前記トップ部と前記ホイップ部とがほぼ一軸上に配置されて固着されていることを特徴とする携帯無線機用アンテナ。 - 前記無給電導体に替えて、前記アンテナボビンにおける前記収納穴の内周面に導電膜を形成するようにしたことを特徴とする請求項4記載の携帯無線機用アンテナ。
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