JP3897470B2 - 衣類用カバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類に付いた臭いを効率よく除去できる衣類用カバーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
消臭効果を持たせた衣類用カバーは、消臭繊維でシートを構成し衣類用カバー全体に消臭剤を配するものや、特殊な消臭剤を用いるもの等、種々提案されている。
しかし、これらの従来の衣類用カバーでは、付着した臭い成分の除去が不充分であったり、用いる消臭剤の使用量に比して臭いの除去効率が悪い。
【0003】
従って、本発明の目的は、消臭剤の使用量が少なくても、効率よく衣類に付着した臭いの除去ができる衣類用カバーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、袋状で、長手方向上端部にハンガーの吊り部挿通用のハンガー用孔部が設けられた衣類用カバーにおいて、長手方向中央部より下方に消臭材を固定して形成された消臭部が設けられており、上記消臭部より上方及び下方に、それぞれ、互いに空気を連通させる上方空気連通部及び下方空気連通部が設けられている衣類用カバーを提供することにより上記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい1実施形態について説明する。
第1の実施形態の衣類用カバー1は、図1に示すように、袋状で、長手方向上端部1aにハンガーの吊り部挿通用のハンガー用孔部2が設けられている。
ハンガー用孔部2は、従来の衣類用カバーにおいても設けられていたが、本発明における上方空気連通部のように空気を取り込む能力は殆どないものである。
【0006】
而して、長手方向中央部より下方(図中の1bで示す部位、以下、単に「下端部」という)に消臭材を固定して形成された消臭部5が設けられており、消臭部5より上方及び下方に、それぞれ、互いに空気を連通させる上方空気連通部3及び下方空気連通部4が設けられている。
【0007】
更に詳述すると、衣類用カバー1は、2枚のシートを貼り合わせて形成されている。衣類用カバー1の長手方向両側縁1c、1dは、それぞれ互いに平行な直線状であり、長手方向下端縁1eは、側縁1c,1dとほぼ垂直になされた直線状である。下端縁1eと一方の側縁1cとは、それぞれ開封されており、開封された下端縁1eにより下方空気連通部4が形成されており、開封された一方の側縁1cの上方部分により上方空気連通部3が形成されている。
【0008】
本実施形態においては、下端縁1e及び側縁1cは、共に全辺が開封されているが、下端縁1eは、形成される下方空気連通部4の大きさが、空気が通り抜けられる程度であれば、全辺が開封されていなくても良く、また、側縁1cは、形成される上方空気連通部3の大きさが、十分な量の空気を取り込むことができる程度であれば、全辺が開封されていなくても良い。但し、収納される衣類の出し入れができる程度に下端縁1eまたは側縁1cは、開封される必要がある。具体的には、下方空気連通部4及び上方空気連通部3は、その形状がスリット状である場合、長さを10cm以上とするのが好ましく、その形状が楕円形や長方形状等の所定の開口形状である場合には、開口面積を10cm2 以上とするのが好ましい。
下方空気連通部4は、消臭部5の下方に、また上方空気連通部3は消臭部5の上方に形成されている。本実施形態のように上方消臭部50が設けられている場合は、上方空気連通部3は少なくとも消臭部5の上方に形成され、且つ少なくとも一部は上方消臭部50の上方に形成されていることが好ましい。
【0009】
また、本実施形態において、消臭部5の形状は、長方形状であり、消臭部5の大きさは、衣類用カバー片面の面積の1%以上が好ましく、2%以上がより好ましい。
また、消臭部5の位置は、その中心が、好ましくは衣類カバーの片面の中央より下にあり、更に好ましくは下端縁1eから長手方向中央までの距離の1/2の点よりも下方、より好ましくは1/4の点よりも下方に位置するのが好ましい。
【0010】
本実施形態においては、上端部1a側にも上方消臭部50が設けられている。上方消臭部50の形状はいずれの形でもよいが、本実施形態においては、長方形状である。また、その大きさは、消臭部5よりも小さい方が好ましい。
【0011】
以下に、各部材の形成材料について説明する。
衣類用カバー1を構成するシートとしては、各種不織布等の通常衣類用カバーに用いられるシート材を用いることができる。
消臭部5及び上方消臭部50を形成する消臭材としては、粒子状又は繊維状の活性炭、天然鉱物(ベントナイト及びその誘導体、カオリナイト、カネマイト等)、合成無機物(ゼオライト、アモルファスシリカ等)等が挙げられ、価格や多様な悪臭物質に安定した吸着力を示す点から、粒子状の活性炭を用いるのが好ましい。さらに好ましくは、活性炭を混入してなる不織布(「セミアS−2」商品名、旭化成工業(株)製等)が用いられ、本実施形態においては、該不織布を用いている。
また、本実施形態においては、消臭材は、接着剤を介して剥離・再接着不能に固定されているが、剥離自在の粘着剤を用いたり、固定用の別部材を用いる等して剥離・再固定自在に固定しても良い。
【0012】
本実施形態の衣類用カバー1は、図1に示すように、開封された下端縁1e及び側縁1cからハンガーA(特に図示しないが通常は衣類が掛けられている)を入れて、ハンガーのフックA1をハンガー用孔部2に通して、クローゼット等に収納して使用できる。
そして、本実施形態の衣類用カバー1は、消臭部5が下方に設けられているので、臭い成分のうちタール、ニコチン等の空気より重い成分が、衣類用カバーの下方に下がるに従い消臭部5により吸収され、上方から下方にかけての空気の流れが生じる。しかも、上方空気連通部3と下方空気連通部4とが設けられているので、この空気の流れが停滞することのないスムーズなものとなり、衣類の消臭効果が向上する。
また、上方消臭部50が設けられていることにより、空気の流れが生じても下方に下がらないヘキサン、アセトン等の空気より軽い臭い成分も効果的に除去することができる。
【0013】
本実施形態の衣類用カバー1は、2枚の同形状のシートを重ねて所定位置を常法に従って縫合又は接着して図1に示す如き形態とした後、所定位置に消臭材としての不織布を固定することにより得られる。
【0014】
次に、本発明の衣類用カバーの他の実施形態について説明する。
なお、以下の説明においては第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。特に説明しない点については上述した第1の実施形態の説明が適宜適用される。
【0015】
図2に示す第2の実施形態の衣類用カバー1は、長手方向両側縁1c、1dが、それぞれ互いに平行な直線状であり、長手方向下端縁1eが、該側縁1c、1dとほぼ垂直になされた直線状である。下端縁1eは、開封されて、開封された該下端縁1eにより下方空気連通部4が形成されており、長手方向上端部1a側に、上方空気連通部3形成用の上方開口部30が設けられている。本形態においては、下方空気連通部4が衣類の取り出し収納口として機能する。
【0016】
上方開口部30は、大きさ10cm2 以上の細帯状の開口であり、上方消臭部50よりも上方に設けられている。
【0017】
なお、上述の各実施形態においては、下方通気連通部4を下端縁1eを開封することにより形成したものを例示して説明したが、これに制限されず、第2の実施形態における上方開口部30と同様に一面に開口を設けることにより形成しても良い。
また、下方空気連通部及び上方空気連通部とは別に衣類取り出し収納口を設けても良い。
また、消臭部または衣類用カバー全体には、更に、除湿剤や防虫剤等を含有させ又は配設することもできる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の衣類用カバーは、消臭剤の使用量が少なくても、効率よく衣類に付着した臭いの除去ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の衣類用カバーの1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の衣類用カバーの他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 衣類用カバー
2 ハンガー用孔部
3 上方空気連通部
4 下方空気連通部
5 消臭部
A ハンガー
Claims (4)
- 袋状で、長手方向上端部にハンガーの吊り部挿通用のハンガー用孔部が設けられた衣類用カバーにおいて、
長手方向中央部より下方に消臭材を固定して形成された消臭部が設けられており、
上記消臭部より上方及び下方に、それぞれ、互いに空気を連通させる上方空気連通部及び下方空気連通部が設けられている
衣類用カバー。 - 下端縁及び一方の側縁は、それぞれ開封されており、
開封された上記下端縁により上記下方空気連通部が形成されており、
開封された一方の上記側縁の上方部分により上記上方空気連通部が形成されている
請求項1記載の衣類用カバー。 - 下端縁は、開封されて、開封された該下端縁により上記下方空気連通部が形成されており、
上端部側に、上記上方空気連通部形成用の上方開口部が設けられている
請求項1記載の衣類用カバー。 - 上記消臭材は、活性炭を含有する不織布である請求項1〜3の何れかに記載の衣類用カバー。
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