JP3897348B2 - 固体磁気素子及び固体磁気素子アレイ - Google Patents

固体磁気素子及び固体磁気素子アレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体磁気素子及び固体磁気素子アレイに関し、より詳細には、電流直接駆動型の記録と、磁気抵抗効果による再生が可能な固体磁気素子及び固体磁気素子アレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる積層構造において面内に電流を流した場合に、巨大磁気抵抗効果(Giant Magnetoresistance effect)が発現することが見出されて以来、大きな磁気抵抗変化率を持つ系として、電流を積層構造に対して垂直方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型磁気抵抗効果素子や、非磁性層が絶縁体からなる強磁性トンネル磁気抵抗効果素子が開発された。
【0003】
さらに、より大きな磁気抵抗効果を示す系として、2つの針状のニッケル(Ni)を付き合わせた「磁気微小接点」( N. Garcia, M. Munoz, and Y. -W. Zhao, Physical Review Letters, vol.82, p2923 (1999))、あるいは2つのマグネタイトを接触させた磁気微小接点(J. J. Versluijs, M. A. Bari and J. M. D. Coey, Physical Review Letters, vol.87, p26601 -1 (2001 ) )を有する磁気抵抗効果素子が見出された。
【0004】
これらの磁気抵抗効果素子は、磁気センサーや磁気記録再生システムの再生素子として用いるだけでなく、不揮発性の固体磁気メモリとしての展開が進められている。
【0005】
磁気抵抗効果素子を固体磁気素子として用いた場合、書き込みは、磁気抵抗効果素子の近傍に設けられた配線から印加する電流磁界という漏れ磁場に依っている。しかし、この場合、記録のための磁化反転を起こすに必要な電流が、数ミリアンペア以上と大きすぎるという欠点があった。
【0006】
これに対して、記録磁性部に直接電流を流すことで記録のための磁化反転を起こす「電流直接駆動型磁化反転」が見出された(J. C. Slonczewski, J. Magn. Magn. Mater. 159, L1 (1996). E. B. Myers, et al., Science 285, 867 (1999). J. A. Katine, et al., Phys. Rev. Lett. 14, 3149 (2000). F. J. Albert, et al., Appl. Phy. Lett. 77, 3809 (2000). J. -E. Wegrowe, et al., Europhys. Lett., 45, 626 (1999). J. Z. Sun, J. Magn. Magn. Mater. 202, 157 (1999).)。
【0007】
この現象は、参照磁性部あるいは周囲の磁性層を通過する際にスピン偏極した電流が流れることにより発生するスピン偏極電子の角運動量が、記録磁性部の角運動量に伝達されることで磁化反転するものである。この現象によれば、記録層に対して、より直接的に作用させることが可能であるため、記録時の磁化反転に必要な電流は減少するものと期待されている。
【0008】
以上の直接通電型の磁気記録素子と磁気抵抗素子とはこれまで別のものであった。しかし、それらを組み合わせると、記録再生を一つの素子で扱うことができ、素子の微細化に寄与と予想される。
【0009】
しかしながら、記録磁性部を含む記録部の電気抵抗は極めて小さい。このため、記録部に比べて抵抗の大きな磁気抵抗効果部と組み合わせて動作させることは難しい。また、記録部の電気抵抗が小さいため、特に素子をアレイ化した場合の素子選択は困難である。
【0010】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、アレイ化しても素子選択可能な新規な固体磁気素子及びこの素子をアレイ化した固体磁気素子アレイを提供することにある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
電流直接駆動型磁化反転を利用した磁気素子は、低電流化が期待されるものの、電気抵抗が小さいためにアレイ化した場合に素子選択することが難しいという問題を有する。
【0012】
電流直接駆動型磁化反転を利用した磁気素子は、低電流化が期待されるものの、電気抵抗が小さい。このため、抵抗が記録部に比べて大きくなる磁気抵抗効果部との組み合わせが難しい。また、アレイ化した場合に素子選択することが難しいという問題を有する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の固体磁気素子は、
磁化方向が第1の方向に固着された第1の強磁性体を含む第1の参照磁性部と、
磁化方向が前記第1の方向に対して平行または反平行な第2の方向に固着された第2の強磁性体を含む第2の参照磁性部と、
前記第1及び第2の参照磁性部の間に設けられ、第3の強磁性体を含む記録磁性部と、
前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間に設けられ、前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第3の強磁性体の磁化方向が決定されるスピントランスファ中間部と、
前記第2の参照磁性部と前記記録磁性部との間に設けられ、銅、金、銀あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金、または絶縁性の材料からなるMR中間部と、
を備え、
前記第1の参照磁性部と前記スピントランスファ中間部と前記記録磁性部は、同一の面内に隣接して設けられ、
前記第2の参照磁性部と前記MR中間部と前記記録磁性部は、前記同一の面に対して垂直な方向に積層され、
前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第3の強磁性体の磁化を前記第1の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
前記第2の参照磁性部と前記記録磁性部との間でセンス電流を流すことにより、前記第2の方向に対して、前記第3の強磁性体の磁化の向きが平行であるか反平行であるかを検出可能としたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第2の固体磁気素子は、
磁化方向が第1の方向に固着された第1の強磁性体を含む第1の参照磁性部と、
磁化方向が前記第1の方向に対して平行または反平行な第2の方向に固着された第2の強磁性体を含む第2の参照磁性部と、
前記第1及び第2の参照磁性部の間に設けられ、銅、金、銀あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金、または絶縁性の材料からなるMR中間部と、
前記第1の参照磁性部と前記MR中間部との間に設けられ、第3の強磁性体を有する第1の記録磁性部と、
前記第2の参照磁性部と前記MR中間部との間に設けられ、第4の強磁性体を有する第2の記録磁性部と、
前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間に設けられ、前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第3の強磁性体の磁化方向が決定される第1のスピントランスファ中間部と、
前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間に設けられ、前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第4の強磁性体の磁化方向が決定される第2のスピントランスファ中間部と、
を備え、
前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第3の強磁性体の磁化を前記第1の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第4の強磁性体の磁化を前記第2の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
前記第1の記録磁性部と前記第2の記録磁性部との間でセンス電流を流すことにより、前記第3の強磁性体と前記第4の強磁性体の磁化の向きが平行であるか反平行であるかを検出可能としたことを特徴とする。
【0015】
一方、本発明の固体磁気素子アレイは、
請求項1記載の複数の固体磁気素子と、
前記複数の固体磁気素子の任意のいずれかを選択し前記書き込み電流または前記センス電流を流す選択手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる固体磁気素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。この磁気素子は、電流により直接に書き込みを行う記録部Wと、磁気抵抗効果により読み込みを行う再生部Rとを有する。記録部Wと再生部Rは、記録層Cを共有している。
【0018】
すなわち、記録部Wは、ハード磁性体からなる参照磁性部Aと、非磁性体からなるスピントランスファ中間部Bと、参照磁性部Aよりも磁気的にソフトな記録磁性部Cとが積層された構造を有する。一方、再生部Rは、記録磁性部Cと、MR中間部Dと、記録磁性部Cよりも磁気的にハードな磁性体からなる参照磁性部Eとを有する。
【0019】
参照磁性部A、記録磁性部C、参照磁性部Eには、それぞれ電極E1、E2、E3が接続されている。MR中間部Dは、導電性金属および/あるいは絶縁体からなる。
【0020】
電極の取り出し方向は図1において横方向の場合と上下方向の場合があるが、これらは便宜上であり、そのどちら、あるいは斜め方向でもよい。これは、以後の全ての図に共通である。
【0021】
図1に表した固体磁気素子において、「書き込み」は、記録部Wにおいて、電流直接駆動型の磁化反転機構により行うことができる。つまり、スピン偏極電流によって、記録磁性部Cの磁化を反転させる。
【0022】
図2は、本発明の固体磁気素子における記録部Wの動作を説明する模式図である。
【0023】
すなわち、まず同図(a)に表したように、参照磁性部Aから記録磁性部Cに向けて電子電流を流すと、記録磁性部Cに対して、参照磁性部Aの磁化M1と同方向の書き込みができる。つまり、この方向に電子電流を流した場合、電子のスピンはまず、参照磁性部Aにおいてその磁化M1の方向に応じて偏極される。そして、このようにスピン偏極された電子が記録磁性部Cに流入して、その磁化M2を参照磁性部Aの磁化M1と同方向に反転させる。
【0024】
これに対して、図2(b)に表したように、記録磁性部Cから参照磁性部Aに向けて電子電流を流すと、これとは逆方向に書き込むことができる。すなわち、参照磁性部Aの磁化M1と対応したスピン電子は、参照磁性部Aを容易に通過できるのに対して、磁化M1と逆方向のスピン電子は、スピントランスファ中間部Bと参照磁性部Aとの界面において、高い確率で反射される。そして、このように反射されたスピン偏極電子が記録磁性部Cに戻ることにより、記録磁性部Cの磁化M2を、参照磁性部M1とは逆の方向に反転させる。
【0025】
このように、本発明においては、スピン偏極電流による電流直接駆動型の磁化反転機構によって、記録磁性部Cに所定の磁化を書き込むことができる。このため、漏洩電流磁界により記録層を磁化反転させる従来の記録素子と比較して、記録時の磁化反転に必要な電流を減少させることが可能となる。
【0026】
一方、本実施形態の固体磁気素子における「読み出し」は、再生部Rにおいて、磁気抵抗効果により行うことができる。
【0027】
図3は、本実施形態の固体磁気素子における再生部Rの動作を説明する模式図である。
【0028】
すなわち、同図(a)に表したように、記録磁性部Cの磁化M2と参照磁性部Eの磁化M3とが平行の場合、同図に矢印で表した方向(あるいはこれと逆の方向でもよい)にセンス電流を流して得られる抵抗は小さい。
【0029】
一方、図3(b)に表したように、記録磁性部Cの磁化M2と参照磁性部Eの磁化M3とが反平行の場合、抵抗は大きくなる。従って、これら抵抗出力に対応して、「0」レベルと「1」レベルとを割り当てることにより、2値情報の再生ができる。
【0030】
本発明においては、再生部Rにおいて磁気抵抗効果により記録磁性部Cの磁化を高い感度で再生することが可能となる。またさらに、後に詳述するように、MR中間部Dの材料や構造を適宜工夫することにより、センス電流を流す再生部の電気抵抗を最適なレベルまで高くすることができる。その結果として、特に、素子をアレイ化したような場合の素子選択が容易となり、この固体磁気素子を集積化させたメモリ素子あるいは論理回路などを実現できる。
【0031】
次に、本発明の固体磁気素子を構成する各要素について詳述する。
【0032】
まず、参照磁性部A及びEと、記録磁性部Cの材料としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金、「パーマロイ」と呼ばれるNiFe系合金、あるいはCoNbZr系合金、FeTaC系合金、CoTaZr系合金、FeAlSi系合金、FeB系合金、CoFeB系合金などの軟磁性材料、ホイスラー合金、磁性半導体、CrO、Fe、La1―XSrMnOなどのハーフメタル磁性体酸化物(あるいはハーフメタル磁性体窒化物)のいずれかを用いることができる。
【0033】
ここで「磁性半導体」としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)の少なくともいずれかの磁性元素と、化合物半導体または酸化物半導体とからなるものを用いることができ、具体的には、例えば、(Ga、Cr)N、(Ga、Mn)N、MnAs、CrAs、(Ga、Cr)As、ZnO:Fe、(Mg、Fe)Oなどを挙げることができる。
【0034】
本発明においては、磁性層A、C及びEの材料として、これらのうちから用途に応じた磁気特性を有するものを適宜選択して用いればよい。
【0035】
また、これら磁性層に用いる材料としては、連続的な磁性体でもよく、あるいは非磁性マトリクス中に磁性体からなる微粒子が析出あるいは形成されている複合体構造を用いることもできる。
【0036】
また、特に記録磁性部Cとして、[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)]からなる2層構造、あるいは[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)/(CoあるいはCoFe合金)]からなる3層構造を用いることもできる。これらの多層構造からなる磁性層の場合、外側のCoあるいはCoFe合金の厚さは0.2nmから3nmの範囲であることが好ましい。このような多層構造を採用することによって、録に必要な電流を下げることができる。
【0037】
またさらに、記録磁性部Cとして、層間交換結合した[(パーマロイやCoFeなどの磁性層)/(Cu,Ruなどの非磁性層(厚さ0.2nm以上3nm以下))/(パーマロイやCoFeなどの磁性層)]からなる3層膜、特に反強磁性的に層間交換結合した多層膜も、記録磁性部ユニットとして用いることができ、スイッチング電流やスイッチング磁界を小さくするために効果的である。
【0038】
一方、参照磁性部Aの磁化M1、あるいは参照磁性部Eの磁化M3を固着するために、参照磁性部A、Eのそれぞれ外側に、図示しない反強磁性層を設けて交換バイアスを印加するとよい。あるいは、ルテニウム(Ru)や銅 (Cu)などの非磁性層と強磁性層、そして反強磁性層を積層して交換バイアスを印加すると、磁化方向を制御できて、磁気抵抗効果の大きな信号出力を得るのに有用である。特に、反強磁性的に層間交換結合させた(CoFeなどの磁性層)/(Cu,Ruなどの非磁性層)/(CoFeなどの磁性層)/反強磁性層を用いることで、参照層からの漏れ磁場も小さくでき、小さな電流で記録磁性部への書きこみができる。
【0039】
そのための反強磁性材料としては、鉄マンガン(FeMn)、白金マンガン(PtMn)、パラジウム・マンガン(PdMn)、パラジウム白金マンガン(PdPtMn)などを用いることが望ましい。
【0040】
記憶層および参照層を多層化した例として、反強磁性結合した多層膜を使用した固体磁気素子の断面を図4に例示する。同図に例示したように、固体磁気素子の参照磁性部A、スピントランスファ中間部B、記録磁性部C、MR中間部D、参照磁性部Eをそれぞれ、反強磁性体膜AF、強磁性体F、非磁性体膜NM、を組み合わせて形成することができる。なお、図4には、強磁性体Fの磁化の方向も矢印で表した。
【0041】
また一方、スピントランスファ中間部Bは、参照磁性部Aと記録磁性部Cと間で磁区を分断する役割を有する。さらに、スピントランスファ中間部Bは、スピン偏極電子の通路としての役割も有する。その構成としては、▲1▼Cu,Ag,Auなどの非磁性貴金属元素のいずれか、あるいはこの郡から選択された少なくともいずれかの元素を含む金属あるいは、▲2▼参照磁性部あるいは(and/or)記録磁性部と同じ磁性体の構成元素からなり、しかし結晶欠陥等の結晶変質を含み、あるいは表面凹凸が設けられて磁壁がトラップされるように形成されている。この結晶欠陥は、電子線照射やイオン照射で作ることができる。また表面凹凸は、細線にくびれを設けるなどして作ることができる。
【0042】
なお、スピントランスファ中間部Bの材料としては、例えば、Cu,Ag,Auなどの低抵抗材料を用いることがさらに望ましい。
【0043】
また一方、MR中間部Dの材料としては、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、フッ化物からなる絶縁体を用いることができる。または、MR中間部Dの材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金を用いることもできる。
【0044】
再生部の素子抵抗を高くするためには、MR中間部Dの材料として絶縁性の材料を用いることが有利である。
【0045】
参照磁性部A及びEの厚さは、0.6nm〜100nmの範囲内とすることが好ましく、記録磁性部Cの厚さは、0.2nm〜50nmの範囲内とすることが好ましい。また、スピントランスファ中間部Bの厚さは、0.2nm〜100nmの範囲内とすることが望ましい。さらに、MR中間部Dは、0.2nm〜10nmの範囲内とすることが望ましい。
【0046】
また一方、記録磁性層Cと参照磁性層E及びMR中間部Dは、薄膜状あるいは細線状に形成することが、素子を製作する上で望ましい。
【0047】
一方、本発明の固体磁気素子の平面形状としては、例えば、記録磁性部Cの平面形状が、長方形、菱形あるいは縦長(横長)の6角形であるように形成することが望ましい。その縦横比は、1:1〜1:5の程度とし、一軸性の形状磁気異方性を生じやすくすることが望ましい。
【0048】
また記録磁性部Cのサイズは、長手方向の一辺が5nmから1000nm程度の範囲内とすることが望ましい。図1などにおいては、参照磁性部A、Eと、記録磁性部Cの幅を同一として表したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、配線の接続のため、あるいは磁化方向の制御のために、図5に例示したように固体磁気素子の各層の幅が互いに異なるように形成してもよい。
【0049】
図6は、本実施形態の固体磁気素子の変型例を表す模式断面図である。同図については、図1乃至図5に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
これら変型例は、いずれも、そのMR中間部Dに「ポイントコンタクト」すなわち、接触面積が100nm2以下の磁性微小接点Pが設けられている。この磁性微小接点Pは、参照磁性部Eあるいは記録磁性部Cの材料からなり、MR中間部Dにおいてその周囲は絶縁体により覆われている。
【0051】
そして、この磁気微小接点Pは、図6(a)に例示した如くコーン状の断面を有していてもよく、あるいは同図(b)に例示した如くピラー状の断面を有していてもよい。またさらに、同図(c)及び(d)に例示した如く、複数の磁気微小接点Pが設けられていてもよい。
【0052】
このような磁気微小接点Pのサイズを微細化すると、磁場の印加により電気抵抗が減少する。このような電気抵抗の減少が発現するサイズは、微小接点Pの断面形状にもよるが、本発明者の検討の結果によれば、微小接点Pの最大幅を概ね20nm以下とすると、電気抵抗の減少が顕著となることが判明した。このときに、磁気抵抗変化率が20%以上となる大きな磁気抵抗効果が発生する。ただし、微小接点Pの断面形状が、極端に扁平な場合などは、その最大幅が20nmを超えても、磁場の印加による電気抵抗の減少が生ずる場合がある。このような微小接点Pを有する固体磁気素子も、本発明の範囲に包含される。
【0053】
すなわち、このような磁気微小接点Pを設けることにより、再生部Rにおいて、記録磁性部Cの磁化を極めて高い感度で読み出すことが可能となる。
【0054】
また、このような磁気微小接点Pを設ける場合、MR中間部Dにおいて微小接点Pの周囲の材料は、絶縁性の材料により形成し、また、MR中間部Dの膜厚は、0.2nm〜1000nm程度の範囲まで厚膜化してもよい。
【0055】
また、この磁性微小接点Pは、参照磁性部Eあるいは記録磁性部Cの材料からなるもの以外に、銅(Cu)からなるものとしてもよい。この場合には、コンタクト部が銅(Cu)からなり、その周りはアルミニウム(Al)等の酸化物からなるものとすることができる。このようにすると、電流パスを狭くできるので、通常のCPP−MRよりも感度を上げることができる。
【0056】
図7(a)は、本実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。同図については、図1乃至図6に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0057】
本変型例においては、MR中間部Dの上下に記録磁性部C及び参照磁性部Eがそれぞれ積層されているが、図1においてその上側に積層して設けられるスピントランスファ中間部Bと、さらにその上に積層して設けられる参照磁性部Aは、それぞれ、面内方向に隣接されている。つまり、スピントランスファ中間部Bと、参照磁性部Aは、記録磁性部Cに対して、膜厚方向に積層されずに、面内方向に隣接して設けられている。
【0058】
固体磁気素子の各層をこのような配置関係に配列しても、図2に関して前述したスピン偏極電流による入力動作や、図3に関して前述した磁気抵抗効果による出力動作は、同様に行うことができる。
【0059】
またここで、MR中間部Dは、単一の絶縁層として形成してもよいが、図6に例示したように、ひとつあるいは複数の磁気微小接点Pを設けることにより、図6に関して前述した作用効果を同様に得ることができる。
【0060】
図7(b)は、図7(a)の固体磁気素子の使用形態を例示する模式図である。すなわち、電極E1をスイッチング素子SWに接続し、電極E2を書き込み配線に接続し、電極E3を読み出し配線に接続する。スイッチング素子SWをオンにした状態でスイッチング部SWから書き込み配線に至る経路に書き込み電流を流すことにより記録できる。また、スイッチング素子SWをオンにした状態でスイッチング部SWから読み出し配線に至る経路にセンス電流を流すことにより読み出しができる。
【0061】
なお、図1乃至図7において、同一素子内の参照記録層の磁化方向は同じ向きに表したが、これはあくまで一例であり、これらが互いに反平行、あるいは90度傾いていてもよい。
【0062】
以上、図1乃至図7を参照しつつ説明したように、本発明の固体磁気素子は、記録部Wにおいて、スピン偏極電流により小さい書き込み電流で記録磁性部Cに磁化M2を書き込むことができ、また、再生部Rにおいて、磁気抵抗効果を用いて高い感度で記録磁性部Cの磁化M2を読み出すことができる。しかも、再生部Rのインピーダンスすなわち素子抵抗を最適な範囲まで高くすることができ、アレイ化あるいは集積化が容易である、という利点を有する。
【0063】
そこで、次に、この固体磁気素子をアレイ化した構造について説明する。
【0064】
図8は、本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイを構成するセルの等価回路を表す模式図である。すなわち、本発明の素子アレイのセルは、図1乃至図7に関して前述した固体磁気素子10と、この素子を選択して電流を流すためのスイッチング部20とを有する。固体磁気素子10は、前述のように、電流を流して書き込みを行う記録部Wと、記録部Wの記録磁性部Cを共有して磁気抵抗効果により読み込みを行う再生部Rとを有する。
【0065】
そして、再生部Rとスイッチング部20との間に記録部Wが設けられ、再生部Rと記録部Wとの間に書き込み用配線WL2が接続されている。この構造によれば、スイッチング部20をON(オン)してb−c間に電流を流すことで書き込みが可能となり、また、スイッチング部をON(オン)にしてa−c間に電流を流し、a−c間の抵抗(電圧)を検出することで再生を行うことができる。つまり、bは書き込み用配線WL2に接続されている。
【0066】
この接続関係は、再生部Rの抵抗に比べて記録部Wの抵抗が小さいことから考案した。すなわち、記録部Wと再生部Rの位置関係が図8に表した関係とは逆になると、再生部Rの大きな抵抗により書き込み時に記録部Wに磁化反転に十分な電流を流せなくなる。これを回避するため、再生部Rとスイッチング部20の間に記録部Wを設け、再生部Rと記録部Wとの間に書き込み用配線WL2を接続する。このようにすると、書き込みと読み出しのためのセルの選択を、ひとつのスイッチング部20により行うことが可能となり、集積化した場合の構成を大幅に簡略にすることができる。
【0067】
図9は、本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイの一部を表す模式回路図である。すなわち、この素子アレイは、例えば、磁気メモリとして用いることができ、図8に例示したセルをマトリクス状に接続した構造を有する。そして、図8に表した書き込み用配線WL2の他に、これに平行な再生用配線WL1、そしてこれに直交するセル選択のための配線BL1という3本の配線をセル間で共有する。
【0068】
この構造によれば、指定されたセルの番地に対応するワード線(WL1、WL2)とビット線(BL1)とを使って、任意のセルを選択した書き込みおよび再生が可能となる。
【0069】
図10は、本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイのもうひとつの具体例を表す模式回路図である。この具体例も磁気メモリとして用いることができる。
【0070】
本具体例の場合、再生部Rにはスイッチング部20Aが接続され、記録部Wにはスイッチング部20Bが接続されている。そして、再生部Rと記録部Wとの間に書き込み用配線WL1が接続されている。スイッチング部20Aは、配線BL1によりON(オン)され、スイッチング部20Bは、配線BL2によりON(オン)される。
【0071】
このアレイの場合には、スイッチング部20Aと配線WL1とにより任意のセルの再生部Rを選択して読み出しを行い、一方、スイッチング部20Bと配線WL1とにより任意のセルの記録部Wを選択して書き込みを行うことができる。 以上、本発明の第1の実施の形態として、図1乃至図10に例示した固体磁気素子及びその応用例について説明した。
【0072】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0073】
図11は、本発明の第2の実施の形態にかかる固体磁気素子の断面構造を表す模式図である。
すなわち、本実施形態の固体磁気素子は、中央部に再生部Rを有し、その両側に記録磁性部をそれぞれ共有するように2つの記録部W1、W2を有する。
【0074】
その積層構造について説明すると、参照磁性部A、スピントランスファ中間部B、記録磁性部C、MR中間部D、記録磁性部E、スピントランスファ中間部F、参照磁性部Gがこの順に積層された構造を有する。そして、参照磁性部Aとスピントランスファ中間部Bと記録磁性部Cとにより記録部W1が構成され、記録磁性部CとMR中間部Dと記録磁性部Eとにより再生部Rが構成され、記録磁性部Eとスピントランスファ中間部Fと参照磁性部Gとにより記録部W2が構成されている。
【0075】
これら各層の材料や膜厚、サイズなどについては、第1実施形態に関して前述したものと同様とすることができる。
【0076】
その動作について説明すると、まず書き込みは、電極E1−E2間に電流を流すことで記録磁性部Cの磁化反転を行って記録磁性部Cへの書き込みを行い、電極E3−E4間に電流を流すことで記録磁性部Eの磁化反転を行って記録磁性部Eへの書き込みを行う。これらの書き込みのメカニズムは、図2に関して前述したものと同様に、スピン偏極電流を用いた電流直接駆動型の磁化反転機構による。
【0077】
一方、再生は、電極E2−E3間にセンス電流を流すことにより、記録磁性部CとEの間の磁化の相対的角度を磁気抵抗として検出する。そのメカニズムは、図3に関して前述したものと同様である。
【0078】
以上説明したように、本実施形態の固体磁気素子は、2つの記録磁性部にそれぞれ独立に情報を格納することができる。
【0079】
図12は、本実施形態の固体磁気素子の変型例を表す模式断面図である。同図については、図11に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】
すなわち、これら変型例は、図6に例示した素子と同様に、ポイントコンタクトすなわち磁気微小接点Pを有する。前述したように、このような微小接点Pを設けることにより、高い磁気抵抗変化率を得ることができ、記録磁性部C及びEに記録された磁化を極めて高い感度で読み出すことが可能となる。
【0081】
なお、図11及び図12において、同一素子内の参照記録層の磁化方向は同じ向きに表したが、これはあくまで一例であり、これらが互いに反平行、あるいは90度傾いていてもよい。
【0082】
図13(a)は、本実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。同図については、図1乃至図12に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0083】
本変型例においても、MR中間部Dの上下に記録磁性部C及びEがそれぞれ積層されているが、スピントランスファ中間部B、Fと、参照磁性部A、Gは、記録磁性部C、Eに対して、膜厚方向に積層されずに、それぞれ面内方向に隣接して設けられている。そして、電極E1が参照磁性部Aに接続され、電極E2が記録磁性部Cに接続され、電極E3が記録磁性部Eに接続され、電極E4が参照磁性部Gに接続されている。
【0084】
固体磁気素子の各層をこのような配置関係に配列しても、図2に関して前述したスピン偏極電流による入力動作や、図3に関して前述した磁気抵抗効果による出力動作は、同様に行うことができる。
【0085】
またここで、MR中間部Dは、単一の絶縁層として形成してもよいが、図6や図12に例示したように、ひとつあるいは複数の磁気微小接点Pを設けることにより、図6及び図12に関して前述した作用効果を同様に得ることができる。
【0086】
図13(b)は、図13(a)の固体磁気素子の使用形態を例示する模式図である。すなわち、電極E1、E4をスイッチング素子SW1、SW2にそれぞれ接続し、電極E2、E3を書き込み配線1、2にそれぞれ接続する。スイッチング素子SW1をオンにした状態でスイッチング部SW1から書き込み配線1に至る経路に書き込み電流を流すことにより記録磁性部Cの磁化を所定の方向に向けて記録できる。また、スイッチング素子SW2をオンにした状態でスイッチング部SW2から書き込み配線2に至る経路に書き込み電流を流すことにより記録磁性部Eの磁化を所定の方向に向けて記録できる。
【0087】
図14は、本実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。すなわち、同図(a)は、その平面図であり、同図(b)はその正面図である。同図についても、図1乃至図13に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
本変型例においては、参照磁性部A、スピントランスファ中間部B、記録磁性部C、スピントランスファ中間部H、参照磁性部Iがこの順に、略同一平面内に配置されている。そして、記録磁性部Cの上に、MR中間部Dが積層され、その上に参照磁性部Eが積層されている。
【0089】
MR中間部Dの大きさは、記録磁性部Cと参照磁性部Eとの重なり部と同じかそれ以上であることが必要である。従って、MR中間部Dは、記録磁性部Cの全体を覆っても、またさらにスピントランスファ中間部Bまで覆っても、電極E1とE2が接続できればよい。
【0090】
また、参照磁性部Iの磁化方向は参照磁性部Aとは反平行であることが望ましい。電極E2は参照磁性部Iに接続されている。2つのスピントランスファ中間部B及びHにより、参照磁性部Aと記録磁性部C、あるいは記録磁性部Cと参照磁性部Iの磁化方向をそれぞれ反平行に向けることが可能となる。
【0091】
これに電極E1とE2を使って、電子をE1からE2へ流すと、記録磁性部Cの磁化は参照磁性部Aと同様の方向に向く。逆に、電子を電極E2から電極E1へ流すと、記録磁性部Cの磁化は参照磁性部Iと同様の向きとなる。
【0092】
スイッチング部、書きこみ配線、読みだし配線をそれぞれE1、E2,E3へ接続すると、図7(b)に関して前述したものと同様の動作が可能となる。
【0093】
図15は、本実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。すなわち、同図(a)は、その平面図であり、同図(b)はその正面図である。同図についても、図1乃至図14に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
本変型例においては、参照磁性部A、スピントランスファ中間部B、記録磁性部C、スピントランスファ中間部H、参照磁性部Iがこの順に、略同一平面内に配置されている。そして、記録磁性部Cの上に、MR中間部Dが積層され、その上に記録磁性部Eが積層されている。
記録磁性部Eの両側には、それぞれスピントランスファ中間部F、Jを介して、参照磁性部G、Kが略同一面内に配列されている。MR中間部Dの大きさは、記録磁性部Cと記録磁性部Eとの重なり部と同じかそれ以上であることが必要である。
【0095】
また、本具体例においても、参照磁性部Gの磁化方向は参照磁性部Kの磁化方向とは反平行であることが望ましい。2つのスピントランスファ中間部B及びHにより、参照磁性部Aと記録磁性部C、あるいは記録磁性部Cと参照磁性部Iの磁化方向をそれぞれ反平行に向けることが可能となる。また同様に、2つのスピントランスファ中間部F及びJにより、参照磁性部Gと記録磁性部E、あるいは記録磁性部Eと参照磁性部Kの磁化方向をそれぞれ反平行に向けることが可能となる。
【0096】
図16は、本実施形態の固体磁気素子を用いた固体磁気素子アレイの模式回路図である。この固体磁気素子アレイは、図11または図12に表した固体磁気セルとこのセルを選択して電流を流すための2つのスイッチング部30A、30Bからなるセルが、マトリクス状に接続された構造を有する。これらセルは、2つのスイッチング部30A、30Bにそれぞれに接続された2本のビット線BL1とBL2、再生部Rと2つの記録部W1、W2との間に接続されたワード線WL1とWL2、さらには一方のスイッチング部に接続されたワード線WL3に接続されている。
【0097】
書き込みは、次のようにして行う。まず、記録部W1の記録磁性部Cに書き込む場合には、スイッチング部30AをON(オン)にしてこのスイッチング部30Aの一端(図では下端)と配線WL1とに電流を流して書き込みを行う。また、記録部W2の記録磁性部Eへの書き込みは、スイッチング部30BをON(オン)にし、ワード線WL2とWL3に電流を流して書き込む。
【0098】
一方、再生は、3通りの方法で可能である。
【0099】
第1の方法としては、2つのスイッチング部30A、30BをON(オン)して、スイッチング部30Aの下端(図16において)とワード線WL3との間の磁気抵抗を検出する。
【0100】
第2の方法としては、スイッチング部30AのみON(オン)し、スイッチング部30Aの下端(図16において)とワード線WL2との間の磁気抵抗を検出する。
【0101】
第3の方法としては、スイッチング部30BのみON(オン)し、ワード線WL1とWL3との間の磁気抵抗を検出する。
【0102】
上記いずれの場合も、記録磁性部C、Eの抵抗が小さいので、再生部Rの抵抗を検出することができる。
【0103】
【実施例】
以下、実施例を参照しつつ、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
【0104】
(第1の実施例)
まず、本発明の第1の実施例として、第1の実施形態の固体磁気素子を製作した。
【0105】
図17(a)及び(b)は、本実施例の固体磁気素子の要部断面構造を表す模式図である。
【0106】
これらの積層構造は、超高真空スパッタ装置を用いて作製した。まず、通常のCMOSプロセスによりSiウエハ上にFETを形成したものを基盤とした。その上に、タンタル(Ta)と銅(Cu)からなる下側電極膜(図示せず)を形成し、図17(a)及び(b)の積層膜を、図とは上下反対の順で形成し、さらに上部電極層を形成した。この積層膜の上にEB(electron beam)レジストを塗布してEB露光し、リフトオフすることにより、積層膜をまず60nm×240nmのサイズへ加工したのち、さらにEB描画、リフトオフを用いて、微小積層膜の一部を記録層が出るまで除去して図1に表した構造を作製した。さらに、それぞれの電極は、図9に表したように読み込み用および書きこみ用ワード線とFETに接続した。
【0107】
この固体磁気素子に対して、スイッチング用トランジスタをON(オン)にしてまず、マイナス3mA(ミリアンペア)のパルス電流をb−c間に流して磁化を初期化したのち、プラスの符号をもつパルス電流を流し、記録磁性部Cの磁化反転をa−c間の磁気抵抗変化により検出した。その結果、図17(a)、(b)ともにb−c間にプラス0.2mAの書き込み電流を流した場合、a−c間で得られるトンネル磁気抵抗の価は変化せず、磁化反転が生じなかったが、図17(a)の構造をもつ素子はb−c間にプラス0.9mAの電流を流すとa−c間で得られる磁気抵抗は変化を示し、また、図17(b)の構造をもつ素子はb−c間にプラス0.6mAの電流を流すとa−c間で得られる磁気抵抗は変化を示し、それぞれ磁化反転したことが確認できた。
【0108】
さらに、この固体磁気素子を4×4のマトリクス状にアレイ化して図9のような接続した固体磁気素子アレイを作製した。このアレイ構造において、ビット線BLとワードWLを適宜選択することにより、任意のセルに対して書き込みと読み出しを行うことができた。
【0109】
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例として、図11に表した第2実施形態の固体磁気素子を製作した。すなわち、本実施例においては、記録磁性部C及びEとしては、ニッケル鉄コバルト(NiFeCo)からなる磁性体膜を用い、MR中間部Dとしてはアルミナを用い、参照磁性部A及びGとしてはコバルト鉄(CoFe)を用いた。さらに、参照磁性部A及びGの外側には、ルテニウム(Ru)/コバルト鉄(CoFe)/白金イリジウム・マンガン(PtIrMn)からなる積層膜をそれぞれ設けて交換異方性を付与した。
【0110】
このようにして形成した第2実施形態の固体磁気素子は、1つの素子で論理処理を行うことができる。すなわち、この素子は、記録磁性部Cと記録磁性部Eとにそれぞれ入力する「0」、「1」信号の組み合わせによって、例えば、論理積(AND)や論理和(OR)あるいはこれらの否定(NAND、NOR)をはじめとする各種の論理処理が可能となる。さらに、この再生出力結果を増幅処理して次のセルへ入力することで、さらに複雑な各種演算処理が可能となる。
【0111】
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例として、図14に例示したように、2本の細線をクロスさせた構造の固体磁気素子の作成方法を説明する。
【0112】
図18は、本実施例の固体磁気素子の製造方法を表す工程図である。
すなわちまず、参照磁性部A、スピントランスファ中間部B、記録磁性部C、スピントランスファ中間部H、参照磁性部Iの元となるCoFeからなる磁性膜を形成する。その膜の上にレジストを塗布し、EB描画装置を用いて細線状マスクを形成する。そして、リアクティブイオンエッチング装置で細線以外の部分を除去して図18(a)に表したように細線100を形成する。
【0113】
この細線に対して、図18(a)に表したL1とL2のライン上で電子ビームをスキャンさせることにより、図18(b)に表したように、結晶変質部からなるスピントランスファ中間部B、Hを形成する。
【0114】
次に、図18(c)に表したように、細線100の上にMR中間部Dおよび、参照磁性部Eのための磁性層110を形成する。そして、図18(a)に関して前述したものと同様の方法でこの磁性層110を細線化する。この時、細線120の方向が、下の細線100と略直角方向になるように形成する。
【0115】
参照磁性部Aと参照磁性部Iとの磁化方向を反平行にするために、例えば、参照磁性部IにPtMnパッドを直接、積層しあるいはRu(膜厚約1nm)を介してPtMnパッドを積層する。そして、最後に配線を取り付けた。
【0116】
以上説明した方法により、MR中間部Dを介して、例えば幅50nmの2本のクロスした細線を有する固体磁気素子を形成することができる。
【0117】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、固体磁気素子を構成する各要素の具体的な寸法関係や材料、その他、電極、パッシベーション、絶縁構造などの形状や材質に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0118】
また、固体磁気素子における反強磁性層、強磁性層、間層、絶縁層などの構成要素は、それぞれ単層として形成してもよく、あるいは2以上の層を積層した構造としてもよい。
【0119】
その他、本発明の実施の形態として上述した固体磁気素子及び固体磁気素子アレイを基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての固体磁気素子及び固体磁気素子アレイも同様に本発明の範囲に属する。
【0120】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、電流直接駆動による磁化反転を利用して低電流で確実な書き込みが可能な記録部と、磁気抵抗効果を利用し、高い素子インピーダンスが可能な再生部とを有する固体磁気素子を提供できる。
【0121】
その結果として、アレイ化した場合にもセル選択が可能であり、高集積化および低消費電力化が可能な、磁気メモリや各種の論理回路などを実現でき、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる固体磁気素子の基本的な断面構造を例示する模式図である。
【図2】本発明の固体磁気素子における記録部Wの動作を説明する模式図である。
【図3】第1実施形態の固体磁気素子における再生部Rの動作を説明する模式図である。
【図4】記憶層および参照層を多層化した例として、反強磁性結合した多層膜を使用した固体磁気素子の断面を例示する模式図である。
【図5】固体磁気素子の各層の幅が互いに異なるように形成した固体磁気素子を表す模式図である。
【図6】第1実施形態の固体磁気素子の変型例を表す模式断面図である。
【図7】第1実施形態の固体磁気素子の変型例を表す模式断面図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイを構成するセルの等価回路を表す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイの一部を表す模式回路図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる固体磁気素子アレイのもうひとつの具体例を表す模式回路図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかる固体磁気素子の断面構造を表す模式図である。
【図12】第2実施形態の固体磁気素子の変型例を表す模式断面図である。
【図13】第2実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。
【図14】第2実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。
【図15】第2実施形態の固体磁気素子のもうひとつの変型例を表す模式断面図である。
【図16】第2実施形態の固体磁気素子を用いた固体磁気素子アレイの模式回路図である。
【図17】本発明の実施例の固体磁気素子の要部断面構造を表す模式図である。
【図18】本発明の第3の実施例としての固体磁気素子の製造工程図である。
【符号の説明】
10 固体磁気素子
20、20A、20B、30A、 30B スイッチング部
A 参照磁性部
B スピントランスファ中間部
BL、BL1、BL2 ビット線
C 記録磁性部
D MR中間部
E 参照磁性部
E 記録磁性部
E1、E2、E3 電極
F スピントランスファ中間部
G 参照磁性部
M1、M2、M3 磁化
P 磁気微小接点
R 再生部
W、W1、W2 記録部
WL、WL1、WL2 WL3 ワード線

Claims (12)

  1. 磁化方向が第1の方向に固着された第1の強磁性体を含む第1の参照磁性部と、
    磁化方向が前記第1の方向に対して平行または反平行な第2の方向に固着された第2の強磁性体を含む第2の参照磁性部と、
    前記第1及び第2の参照磁性部の間に設けられ、第3の強磁性体を含む記録磁性部と、
    前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間に設けられ、前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第3の強磁性体の磁化方向が決定されるスピントランスファ中間部と、
    前記第2の参照磁性部と前記記録磁性部との間に設けられ、銅、金、銀あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金、または絶縁性の材料からなるMR中間部と、
    を備え、
    前記第1の参照磁性部と前記スピントランスファ中間部と前記記録磁性部は、同一の面内に隣接して設けられ、
    前記第2の参照磁性部と前記MR中間部と前記記録磁性部は、前記同一の面に対して垂直な方向に積層され、
    前記第1の参照磁性部と前記記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第3の強磁性体の磁化を前記第1の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
    前記第2の参照磁性部と前記記録磁性部との間でセンス電流を流すことにより、前記第2の方向に対して、前記第3の強磁性体の磁化の向きが平行であるか反平行であるかを検出可能としたことを特徴とする固体磁気素子。
  2. 前記第1の参照磁性部の側に接続されたスイッチング部と、
    前記記録磁性部に接続された書き込み配線と、
    をさらに備え、
    前記スイッチング部をオンにした状態で前記スイッチング部から前記書き込み配線に至る経路に前記書き込み電流を流し、
    前記スイッチング部をオンにした状態で前記スイッチング部から前記第2の参照磁性部に至る経路に前記センス電流を流すことを特徴とする請求項1記載の固体磁気素子。
  3. 前記第1の参照磁性部の側に接続された第1のスイッチング部と、
    前記記録磁性部に接続された書き込み・読み出し配線と、
    前記第2の参照磁気部の側に接続された第2のスイッチング部と、
    をさらに備え、
    前記第1のスイッチング部をオンにした状態で前記第1のスイッチング部から前記書き込み・読み出し配線に至る経路に前記書き込み電流を流し、
    前記第2のスイッチング部をオンにした状態で前記第2のスイッチング部から前記書き込み・読み出し配線に至る経路に前記センス電流を流すことを特徴とする請求項1記載の固体磁気素子。
  4. 前記センス電流を流したときに、前記第2の方向に対して前記第3の強磁性体の磁化の向きが平行な状態と反平行な状態とで抵抗が変化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の固体磁気素子。
  5. 磁化方向が第1の方向に固着された第1の強磁性体を含む第1の参照磁性部と、
    磁化方向が前記第1の方向に対して平行または反平行な第2の方向に固着された第2の強磁性体を含む第2の参照磁性部と、
    前記第1及び第2の参照磁性部の間に設けられ、銅、金、銀あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金、または絶縁性の材料からなるMR中間部と、
    前記第1の参照磁性部と前記MR中間部との間に設けられ、第3の強磁性体を有する第1の記録磁性部と、
    前記第2の参照磁性部と前記MR中間部との間に設けられ、第4の強磁性体を有する第2の記録磁性部と、
    前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間に設けられ、前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第3の強磁性体の磁化方向が決定される第1のスピントランスファ中間部と、
    前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間に設けられ、前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部の間で磁区を分断し且つスピン偏極電子の通路となり前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間を流れる電子電流の向きに応じて前記第4の強磁性体の磁化方向が決定される第2のスピントランスファ中間部と、
    を備え、
    前記第1の参照磁性部と前記第1の記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第3の強磁性体の磁化を前記第1の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
    前記第2の参照磁性部と前記第2の記録磁性部との間で書き込み電流を流すことにより、前記第4の強磁性体の磁化を前記第2の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
    前記第1の記録磁性部と前記第2の記録磁性部との間でセンス電流を流すことにより、前記第3の強磁性体と前記第4の強磁性体の磁化の向きが平行であるか反平行であるかを検出可能としたことを特徴とする固体磁気素子。
  6. 前記第1の参照磁性部の側に接続された第1のスイッチング部と、
    前記第2の参照磁性部の側に接続された第2のスイッチング部と、
    前記第1の記録磁性部に接続された第1の書き込み配線と、
    前記第2の記録磁性部に接続された第2の書き込み配線と、
    をさらに備え、
    前記第1のスイッチング部をオンにした状態で前記第1のスイッチング部から前記第1の書き込み配線に至る経路に前記書き込み電流を流すことにより前記第3の強磁性体の磁化を前記第1の方向と略平行または略反平行な向きに向け、
    前記第2のスイッチング部をオンにした状態で前記第2のスイッチング部から前記第2の書き込み配線に至る経路に前記書き込み電流を流すことにより前記第4の強磁性体の磁化を前記第2の方向と略平行または略反平行な向きに向けることを特徴とする請求項5記載の固体磁気素子。
  7. 前記センス電流を流したときに、前記第3の強磁性体と前記第4の強磁性体の磁化の向きが平行な状態と反平行な状態とで抵抗が変化することを特徴とする請求項5または6に記載の固体磁気素子。
  8. 前記書き込み電流を流すことにより前記記録磁性部にスピン偏極した電子電流が流入し、前記スピン偏極した電子電流によりその記録磁性部の強磁性体の磁化が前記略平行または略反平行な向きに向けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の固体磁気素子。
  9. 前記MR中間部は、隣接する磁性層のいずれかの材料からなりこれら隣接する磁性層を接続する接触面積が100平方ナノメータ以下の磁性微小接点の周囲を覆う絶縁体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の固体磁気素子。
  10. 前記記録磁性部が有する前記強磁性体は、前記参照磁性部が有する前記強磁性体よりも軟磁性の材料からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の固体磁気素子。
  11. 前記第1及び第2の強磁性体に積層された反強磁性層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の固体磁気素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の複数の固体磁気素子と、
    前記複数の固体磁気素子の任意のいずれかを選択し前記書き込み電流または前記センス電流を流す選択手段と、
    を備えたことを特徴とする固体磁気素子アレイ。
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