JP3896832B2 - センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法 - Google Patents

センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法に係り、特に、センサ素子の出力する物理量を検出するうえで好適なセンサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特許第3191060号公報に開示される如く、センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ入力信号をディジタル信号に変換するセンサ信号処理装置が知られている。この装置は、ΔΣ変調器を備えており、そのΔΣ変調器を用いてアナログ入力信号を所定周期でサンプリングしてディジタル信号に変換する。ΔΣ変調器は、出力と入力との差を積分し、この積分後の出力が最小となるようにフィードバック制御する。ΔΣ変調器により変換されたディジタル信号は、ディジタルフィルタ処理された後に、演算処理される。従って、上記従来のセンサ信号処理装置によれば、AD変換が行われる際の外乱ノイズや量子化誤差等のノイズ成分を除去することができ、AD変換の高精度化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置の如くセンサ素子の出力する物理量に応じたアナログ入力信号がディジタル信号に変換される構成では、入力データの取りこぼしやノイズ重畳等に起因して真値が得られない事態が生ずることがある。特に、複数のセンサ素子によるアナログ入力信号がそれぞれディジタル信号に変換された後に、それら複数のディジタル信号がアナログ多重信号にDA変換され、そのアナログ多重信号がディジタル信号に変換される構成では、アナログ多重信号のノイズマージンが小さいため、ディジタル信号としての真値が得られない可能性が高くなる。
【0004】
このようにディジタル信号としての真値が得られない事態が発生すると、そのAD変換後のディジタル信号のデータ列が各センサ素子の出力を正確に示したものとならなくなり、センサ素子の出力としての信頼性が低下してしまう。特に、AD変換が、出力をフィードバックしその前後の出力に影響を与え或いは受けつつAD変換を行うΔΣ変調器を用いて行われる構成では、ディジタル信号のデータ列はその前後で関連性を有するため、上記の事態が生ずると、そのデータ列がセンサ素子の出力に応じたものと全く異なるものとなってしまう。
【0005】
また、A/D変換器は、一般に、複数の入力ポートを有しており、サンプリング周期の間に各入力ポートに入力されるアナログ入力信号を順にAD変換するが、センサ素子による物理量を正確に検出するためには、それらの入力ポートのオープン故障を検出する必要がある。しかしながら、各入力ポートのアナログ入力信号が順にAD変換される構成では、オープン故障している入力ポートについてのAD変換が行われる際にその前にAD変換された入力ポートのアナログ値が残存している可能性があり、このため、オープン故障検出を精度よく行うことができないおそれがある。そこで、前回にAD変換されたアナログ値を放電させることで上記した不都合を解決するために、各入力ポートのアナログ入力信号をAD変換する前に接地電圧からの信号をAD変換することが考えられる。
【0006】
しかしながら、各入力ポートのアナログ入力信号をAD変換する前に常に接地端子からの信号をAD変換する構成では、AD変換の処理回数が、各入力ポートに入力されるアナログ入力信号の数の倍となり、信号の処理負担が増大してしまう。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、AD変換後の出力の信頼性を確保することが可能なセンサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法を提供することを第1の目的とし、AD変換による信号の処理負担を増大させることなく、入力ポートのオープン故障検出を精度よく行うことが可能なセンサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的は、センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換手段と、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号を、同一レベルが所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換手段と、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
前記第2のA/D変換手段は、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を設定するセンサ信号処理装置により達成される。
【0009】
また、上記第1の目的は、センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換工程と、前記第1のA/D変換工程から供給されるディジタル信号を、同一レベルが所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換工程と、前記D/A変換工程から供給されるアナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換工程と、を備えるセンサ信号処理方法であって、
前記第2のA/D変換工程は、前記D/A変換工程から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を設定するセンサ信号処理方法により達成される。
【0010】
これらの態様の発明において、D/A変換手段又は工程から第2のA/D変換手段又は工程に供給されたアナログ多重信号の2値化ディジタル信号へのAD変換は、そのアナログ多重信号が同一レベルに継続して保持される時間中に複数回行われる。そして、第2のA/D変換手段又は工程から出力すべき2値化ディジタル信号は、それら複数回のAD変換結果に基づいて設定される。このように複数回のAD変換の結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号が確定されれば、唯一回のAD変換の結果に基づいて2値化ディジタル信号が確定される場合に比して、全体的にAD変換が精度よく行われることとなり、その出力の信頼性が確保される。
【0011】
この場合、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号同士の多数決に基づいて、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号を設定することとすればよい。
【0012】
尚、出力される2値化ディジタル信号の設定が複数回のAD変換による多数決に基づいてなされる構成において、所定時間中に行われるべき複数回のAD変換のうちその過半数のAD変換で互いに一致する2値化ディジタル信号が得られた場合には、以後のAD変換の結果にかかわらず、出力される2値化ディジタル信号が変化することはない。
【0013】
従って、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後には、該所定時間中における残りの、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を行わないこととすれば、無駄にAD変換が行われるのを回避することができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0014】
また、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後には、以後に該所定時間中に変換した結果として得られた2値化ディジタル信号の一致/不一致の判別を行わないこととすれば、無駄に2値化ディジタル信号の一致/不一致の判別が行われるのを回避することができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0015】
ところで、所定時間中に複数回AD変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場合には、何れの2値化ディジタル信号も信頼性が低下しているため、データとして取り扱うことは適切でない。
【0016】
従って、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場合には、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないこととすれば、AD変換による出力の信頼性を確実に確保することができる。
【0017】
但し、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場合には、該複数の2値化ディジタル信号の平均値または中間値を、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号として設定することとすれば、2値化ディジタル信号の信頼性が低下する事態を最小限に抑制することができる。
【0018】
これらの場合、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段から供給された2値化ディジタル信号を、前記所定時間よりも長い時間幅当たりで平均化するフィルタ手段を備えることとしてもよい。
【0019】
また、上記したセンサ信号処理装置において、前記D/A変換手段は、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ前記所定時間であるクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータを前記アナログ多重信号に変換することとすれば、D/A変換手段と第2のA/D変換手段とを、ポートの数を増大させることなく同期させることができる。
【0020】
尚、ディジタル信号とクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータアナログ多重信号に変換される構成において、AD変換した結果として得られた2値化ディジタル信号の一致する状態がクロックパルス信号のパルス幅を超えて継続する場合には、何らかのシステム異常に起因してD/A変換手段による変換または第2のA/D変換手段による変換が正常に行われていないと判断できる。
【0021】
従って、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、変換した結果として得られた2値化ディジタル信号の一致する状態が前記所定時間を超えて継続する場合には、出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないこととすれば、AD変換による出力の信頼性を確実に確保することができる。
【0022】
また、上記第2の目的は、センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換手段と、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時間であるクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータを、同一レベルが前記所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換手段と、前記D/A変換手段に接続する入力ポートを有し、該D/A変換手段から該入力ポートを介して供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
前記入力ポートに前記クロックパルス信号のハイを示す前記アナログ多重信号とローを示す前記アナログ多重信号とが前記所定時間ごとに交互に現れるか否かに基づいて該入力ポートのオープン故障を検出する故障検出手段を備えるセンサ信号処理装置により達成される。
【0023】
この態様の発明において、ディジタル信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時間であるクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータをD/A変換して得たアナログ多重信号は、入力ポートを介して第2のA/D変換手段に供給される。このアナログ多重信号は、同一レベルが前記所定時間継続して保持される信号であるので、正常時には、入力ポートに、クロックパルス信号のハイを示すアナログ多重信号とローを示すアナログ多重信号とが所定時間ごとに交互に現れる。一方、入力ポートがオープン故障している場合には、それらのアナログ多重信号が所定時間ごとに交互に現れない。従って、入力ポートに、クロックパルス信号のハイを示すアナログ多重信号とローを示すアナログ多重信号とが所定時間ごとに交互に現れるか否かに基づいて入力ポートのオープン故障を検出できる。
【0024】
また、上記第2の目的は、それぞれ対応して接続するセンサ素子が出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する複数の第1のA/D変換手段と、それぞれ対応して接続する前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローが繰り返されるクロックパルス信号とが重畳されたディジタルデータを、同一レベルが前記所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換する複数のD/A変換手段と、それぞれ前記D/A変換手段に対応して接続する複数の入力ポートを有し、該複数のD/A変換手段から該複数の入力ポートを介して供給される各アナログ多重信号をそれぞれ所定の順序で2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
前記第2のA/D変換手段は、一の入力ポートを介して供給された前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換した後、他の入力ポートを介して供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する前に、前記クロックパルス信号のハイを示す前記アナログ多重信号およびローを示す前記アナログ多重信号の何れか一方と同一のレベルを有する基準信号を2値化ディジタル信号に変換すると共に、
前記第2のA/D変換手段により変換された2値化ディジタル信号の変化に基づいて前記入力ポートのオープン故障を検出する故障検出手段を備えるセンサ信号処理装置により達成される。
【0025】
この態様の発明において、アナログ多重信号は、クロックパルス信号のハイ及びローにそれぞれ対応した信号であるので、正常時には、入力ポートごとに、クロックパルス信号のハイを示すアナログ多重信号とローを示すアナログ多重信号とが交互に現れる。一方、入力ポートがオープン故障している場合には、それらの変調波信号が交互に現れない。仮に、2種類のアナログ多重信号が連続してAD変換されるものとすると、オープン故障が生じている入力ポートについてのAD変換が行われる際にその前にAD変換された入力ポートの信号が残存している可能性があり、このため、オープン故障検出を精度よく行うことができないおそれがある。
【0026】
これに対して、本発明においては、一の入力ポートを介するアナログ多重信号がAD変換された後、他の入力ポートを介するアナログ多重信号がAD変換される前に、クロックパルス信号のハイを示すアナログ多重信号およびローを示すアナログ多重信号の何れか一方と同一のレベルを有する基準信号がAD変換される。この場合には、基準信号がAD変換されることにより、一の入力ポートの信号が放電されると共に、その後に他の入力ポートを介するアナログ多重信号がAD変換される際にその他の入力ポートに基準信号が残存していても、その基準信号が他の入力ポートのオープン故障検出に影響を与えることはない。従って、各入力ポートについての第2のA/D変換手段により変換される信号の変化に基づいて各入力ポートのオープン故障を検出できる。
【0027】
この場合、上記したセンサ信号処理装置において、前記第2のA/D変換手段は、また、接地電圧とは異なる所定電圧が供給される補助ポートを有し、該補助ポートに供給された前記所定電圧を前記基準信号として2値化ディジタル信号に変換することとしてもよい。
【0028】
尚、上記したセンサ信号処理装置において、前記補助ポートが、前記一の入力ポートと前記他の入力ポートとの間に隣接して配置されていることとすれば、高性能の処理装置を用いることなく複数の入力ポートについて高精度のオープン故障検出を実現することができる。
【0029】
これらの場合、上記したセンサ信号処理装置において、前記第1のA/D変換手段がΔΣ変調器であることとしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例である車両に搭載されるセンサ信号処理装置20のシステム構成図を示す。図1に示す如く、本実施例のセンサ信号処理装置20は、例えばヨーレートYAWや加速度G,温度TH等のアナログ量に応じた電気的なアナログ信号を出力する複数(具体的には6個)のセンサ素子22〜32を備えている。センサ素子22〜26にはセンサ信号処理IC34が、センサ素子28〜32にはセンサ信号処理IC36が、それぞれ接続されている。
【0031】
センサ信号処理IC34,36にはそれぞれ、所定周期(例えば125μs=8kHz)T0でトリガを発生するトリガ信号発生器(図示せず)が接続されている。センサ信号処理IC34はクロック信号発生器38を、センサ信号処理IC36はクロック信号発生器40を、それぞれ内蔵している。クロック信号発生器38,40は、トリガ信号発生器から供給されるトリガに基づいて、ハイ/ローのパルス幅がそれぞれ125μsであるクロックパルス信号、すなわち、周波数が4kHzであるクロックパルス信号を発生する。センサ信号処理IC34は、クロック信号発生器38で発生されるクロックパルス信号を基準にして、センサ素子22〜26の出力するアナログ信号をアナログ多重信号に変換する。また、センサ信号処理IC36は、クロック信号発生器40で発生されるクロックパルス信号を基準にして、センサ素子28〜32の出力するアナログ信号をアナログ多重信号に変換する。
【0032】
すなわち、センサ信号処理IC34は、センサ素子22〜26にそれぞれ対応して接続するΔΣ変調器42〜46を備えている。ΔΣ変調器42〜46にはそれぞれ、上記したトリガ信号発生器が接続されており、トリガが供給されている。また、センサ信号処理IC36は、センサ素子28〜32にそれぞれ対応して接続するΔΣ変調器48〜52を備えている。ΔΣ変調器48〜52にもそれぞれ、トリガ信号発生器が接続されており、トリガが供給されている。各ΔΣ変調器42〜52はそれぞれ、接続するセンサ素子22〜32の出力するアナログ信号をトリガの周期T0よりも長い一定時間間隔ごとにサンプリングして、トリガ周期T0のディジタル信号に変換する。
【0033】
センサ信号処理IC34は、また、各ΔΣ変調器42〜46及びクロック信号発生器38に接続する4ビットD/A変換器54を備えている。また、センサ信号処理IC36は、各ΔΣ変調器48〜52及びクロック信号発生器40に接続する4ビットD/A変換器56を備えている。4ビットD/A変換器54は、各ΔΣ変調器42〜46によりそれぞれ変換された1ビットディジタル信号を重畳し、かつ、クロック信号発生器38から供給されるクロックパルス信号をも重畳した4ビットディジタルデータをアナログ信号に変換する。また、4ビットD/A変換器56は、各ΔΣ変調器48〜52によりそれぞれ変換された1ビットディジタル信号を重畳し、かつ、クロック信号発生器40から供給されるクロックパルス信号をも重畳した4ビットディジタルデータをアナログ信号に変換する。
【0034】
図2は、本実施例のセンサ信号処理装置20が備えるセンサ信号処理IC34,36の内部構成図を示す。尚、センサ信号処理IC34と36とは同一の内部構成を有しているため、図2には、それらの代表としてセンサ信号処理IC34の内部構成のみを示している。上記した4ビットD/A変換器54は、図2に示す如く、抵抗R(例えばR=10kΩ)と抵抗2Rとにより回路網が構成されたラダー型D/A変換器である。4ビットD/A変換器54は、クロック信号発生器38から供給されるクロックパルス信号を最上位ビットとし、かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THに応じたアナログ信号をそれぞれ変換するΔΣ変調器42〜46から供給される各ディジタル信号を下位のビットとする4ビットディジタルデータを、基準電圧(例えば電源電圧VCC=5V)と“0”からオフセットされたVCC/32との間における16値のアナログ電圧に変換し、そのアナログ電圧を1ピンで出力する。
【0035】
図3は、図2に示す4ビットD/A変換器54の動作を説明するための図を示す。図3(A)には4ビットD/A変換器54に入力される4ビットディジタルデータ列の一例が、また、図3(B)には図3(A)に示す状況下で4ビットD/A変換器54から出力される出力電圧が、それぞれ時間変化を伴って示されている。
【0036】
例えばクロックパルス信号が“0”であり、かつ、ヨーレートYAWのディジタルデータと加速度Gのディジタルデータと温度THのディジタルデータとの組み合わせが(0,0,0)である場合は、4ビットD/A変換器54に(0,0,0,0)のディジタル信号が入力され、約0.156Vのアナログ電圧に変換される。また、クロックパルス信号が“0”であり、かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THのディジタルデータの組み合わせが(1,1,1)である場合は、4ビットD/A変換器54に(0,1,1,1)のディジタル信号が入力され、約2.344Vのアナログ電圧に変換される。一方、クロックパルス信号が“1”であり、かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THのディジタルデータの組み合わせが(0,0,1)である場合は、4ビットD/A変換器54に(1,0,0,1)のディジタル信号が入力され、約2.969Vのアナログ電圧に変換される。また、クロックパルス信号が“1”であり、かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THのディジタルデータの組み合わせが(1,0,0)である場合は、4ビットD/A変換器54に(1,1,0,0)のディジタル信号が入力され、約3.906Vのアナログ電圧に変換される。
【0037】
すなわち、4ビットD/A変換器54から出力されるアナログ電圧は、4ビットD/A変換器54に入力されるディジタルデータの最上位ビットが“0”である場合には、VCC/32(=0.156V)とVCC/2(=2.5V)との間の電圧となり、一方、4ビットD/A変換器43に入力されるディジタルデータの最上位ビットが“1”である場合には、VCC/2と約VCC(=5V)との間の電圧となる。4ビットD/A変換器54に入力されるディジタルデータの最上位ビットは、ハイのパルス幅およびローのパルス幅がそれぞれ125μsであるクロックパルス信号を表している。従って、本実施例においては、4ビットD/A変換器54の出力に、クロックパルス信号のハイ/ローに従って125μsごとに、VCC/2未満のアナログ電圧とVCC/2を超えるアナログ電圧とが交互に現れる。
【0038】
また、各ΔΣ変調器42〜46はそれぞれ、アナログ信号をクロックパルス信号の基準となるトリガ周期T0のディジタル信号に変換するため、それらの出力はすべてクロックパルス信号に同期している。このため、4ビットD/A変換器54に入力されるディジタルデータは、一のトリガから次のトリガまでの期間(=トリガ周期T0;125μs)中、すなわち、クロックパルス信号がハイになってからローになるまでの期間およびローになってからハイになるまでの期間中、一定値に維持される。従って、本実施例において、4ビットD/A変換器54は、図3(B)に示す如く、VCC/2未満の電圧が一定時間維持される状態と、VCC/2を超える電圧が一定時間維持される状態とが交互に繰り返されるアナログ電圧を出力する。尚、4ビットD/A変換器56も同様に、VCC/2未満の電圧が一定時間維持される状態と、VCC/2を超える電圧が一定時間維持される状態とが交互に繰り返されるアナログ電圧を出力する。
【0039】
図1に示す如く、センサ信号処理IC34,36は、それぞれマイコン60に接続している。マイコン60は、A/D変換器62を備えている。A/D変換器62は、7つの入力ポートAD0〜AD6を有している。それらの入力ポートAD0〜AD6は、その順序で隣接して配置されている。入力ポートAD0及びAD4にはセンサ信号処理IC34の4ビットD/A変換器54が、入力ポートAD2及びAD6にはセンサ信号処理IC36の4ビットD/A変換器56が、それぞれ接続されている。また、入力ポートAD1には接地電圧GNDが、入力ポートAD3にはイグニション電圧IG(=12V)を2.5V未満に降圧した電圧が、入力ポートAD5には電源電圧VCC(=5V)を2.5V未満に降圧した電圧が、それぞれ供給されている。
【0040】
図4は、本実施例のセンサ信号処理装置20が備えるマイコン60のA/D変換器62の要部構成図を示す。図4に示す如く、A/D変換器62は、変換部64を備えている。変換部64は、スイッチ66を介して上記した入力ポートAD0〜AD6に接続されると共に、コンデンサ68を介して接地されている。スイッチ66は、上記したトリガ周期T0よりも短い一定時間ごとに、変換部64に接続する入力ポートAD0〜AD6をその順序で一つずつ循環的に切り替える機能を有している。また、コンデンサ68は、スイッチ66が切り替わる間、入力されたアナログ電圧を一定に維持する役割を有している。変換部64は、上記した4ビットD/A変換器54,56と逆の処理を行うことにより、スイッチ66を介して接続する入力ポートAD0〜AD6から供給されたアナログ電圧を4ビットのディジタルデータに変換する。変換部64によるAD変換は、後に詳述するタイミングで行われる。
【0041】
図1に示す如く、A/D変換器62には、信号比較部70が接続されている。信号比較部70は、A/D変換器62の変換部64によりAD変換された結果得られる4ビットのディジタルデータについて後に詳述する比較演算を行い、その演算の結果得られるディジタル信号をビットごとに分離して出力する。信号比較部70には、フィルタ部72が接続されている。
【0042】
図5は、本実施例のセンサ信号処理装置20が備えるマイコン60内部の接続を説明するための図を示す。尚、図5には、マイコン60とセンサ信号処理IC34との関係のみを示している。フィルタ部72は、センサ信号処理IC34側のセンサ素子22〜26に対応して設けられた3つのディジタルフィルタ72a〜72cと、センサ信号処理IC36側のセンサ素子28〜32に対応して設けられた3つのディジタルフィルタ(図示せず)と、を有している。
【0043】
センサ信号処理IC34に対応する3つのディジタルフィルタ72a〜72cは、スイッチ66により変換部64と入力ポートAD0又はAD4とが接続されている場合に、図5に示す如く、A/D変換器62(具体的には、信号比較部70)と接続する。この場合、ディジタルフィルタ72a〜72cには、そのすべてに信号比較部70の演算の結果として得られるディジタル信号の最上位ビットが供給されると共に、そのディジタル信号の各下位ビットが供給される。また、センサ信号処理IC36に対応する3つのディジタルフィルタは、スイッチ66により変換部64と入力ポートAD2又はAD6とが接続されている場合に信号比較部70と接続する。この場合、それらのディジタルフィルタには、そのすべてに信号比較部70の演算結果として得られるディジタル信号の最上位ビットが供給されると共に、そのディジタル信号の各下位ビットが供給される。6つの各ディジタルフィルタ72a〜72c等は、それぞれ、供給されるビットについて例えばサンプル数32個の移動平均を演算する。
【0044】
図1に示す如く、フィルタ部72には、補正量演算部74が接続されている。補正量演算部72は、フィルタ部72の各ディジタルフィルタ72a〜72c等から出力されるデータについて、マイコン60に内蔵された不揮発性メモリ(図示せず)に書き込まれている補償量データに基づいて、所定のプログラムに従ってトリミング演算を行い、その結果を出力としてマイコン60の周辺機器に供給する。
【0045】
A/D変換器62には、また、信号異常検出部76が接続されている。信号異常検出部76は、後に詳述する如く、A/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6に入力される信号(電圧)の異常、具体的には、入力ポートAD0〜AD6のオープン故障を検出する。そして、入力ポートAD0〜AD6のオープン故障を検出した場合は、その旨の注意を車両乗員に喚起すべく車室内に設けられた所定の警告ランプを点灯させ警報ブザーを作動させると共に、誤動作を防止すべくそのオープン故障が発生した入力ポートAD0〜AD6に接続するセンサ素子22〜32の出力を用いるシステムの制御を禁止させる。
【0046】
以下、本実施例のセンサ信号処理装置20の動作について具体的に説明する。
【0047】
上記の構成において、各センサ素子22〜32がそれぞれ出力するアナログ電圧は、センサ信号処理IC34,36のΔΣ変調器42〜52に供給される。ΔΣ変調器42〜52に供給されたアナログ電圧はそれぞれ、一定時間間隔ごとにサンプリングされ、トリガ信号発生器から出力されるトリガの周期T0のディジタル信号に変換される。この際、すべてのΔΣ変調器42〜52は、それぞれ、一のトリガから次のトリガまでの期間中において常に、供給されたアナログ電圧に応じた一定のディジタル出力を維持する。このため、4ビットD/A変換器54において、ΔΣ変調器42〜46からそれぞれ供給される1ビットディジタル信号と、クロック信号発生器38から供給されるクロックパルス信号とを重畳した4ビットディジタルデータを変換したアナログ電圧は、一のトリガから次のトリガまでの期間中は、16値のうち何れか一の値に維持される。
【0048】
A/D変換器62は、入力ポートAD0〜AD6に現れる電圧を、4ビットD/A変換器54,56においてアナログ的に多重化された4つのディジタルデータが現れるようにディジタルデータに変換する。A/D変換器62が例えば4ビットD/A変換器54から供給されたアナログ電圧をディジタル信号に変換した場合は、その出力に、最上位ビットからクロックパルス信号,ヨーレートYAWのディジタルデータ,加速度Gのディジタルデータ,温度THのディジタルデータが現れる。この際、一のトリガから次のトリガまでの期間中は、4ビットD/A変換器54,56から出力されるアナログ電圧が一定値に維持されるため、A/D変換器62から出力されるディジタル信号も一定値に維持される。
【0049】
A/D変換器62から信号比較部70を介して出力された信号は、フィルタ部72に供給され、ディジタルデータの各ビットについて移動平均処理される。そして、その移動平均が施された結果得られた信号は、トリミングされた後、各センサ素子22〜32の出力値としてマイコン60の周辺機器に供給され、各種演算に用いられる。
【0050】
このように、本実施例においては、センサ信号処理IC34がセンサ素子22〜26による各アナログ信号をΔΣ変調器42〜46及び4ビットD/A変換器54を用いてアナログ多重化して1ピンでマイコン60のA/D変換器62に供給すると共に、センサ信号処理IC36がセンサ素子28〜32による各アナログ信号をΔΣ変調器48〜52及び4ビットD/A変換器56を用いてアナログ多重化して1ピンでマイコン60のA/D変換器62に供給する。このため、各センサ素子22〜32の出力がそれぞれマイコン60に供給される構成に比して、センサ信号処理IC34,36の出力端子の数が少なくてよく、その削減が図られている。
【0051】
また、4ビットD/A変換器54が、各ΔΣ変調器42〜46により変換された各1ビットディジタル信号とクロックパルス信号とを重畳した4ビットディジタルデータをアナログ多重信号に変換し、1ピンでマイコン60のA/D変換器62に供給すると共に、4ビットD/A変換器56が、各ΔΣ変調器48〜52により変換された各1ビットディジタル信号とクロックパルス信号とを重畳した4ビットディジタルデータをアナログ多重信号に変換し、1ピンでマイコン60のA/D変換器62に供給する。このため、センサ信号処理IC34,36とマイコン60との同期を出力ポートの数を増やすことなく実現させることができる。すなわち、本実施例によれば、クロックパルス信号と各センサ素子22〜32に対応したディジタルデータとが分離してマイコン60に供給される構成と比較して、センサ信号処理IC34,36とマイコン60との同期を実現させるうえで出力ポートの数の減少が図られている。
【0052】
ところで、本実施例の如くA/D変換器62においてアナログ多重信号がディジタル信号に変換される構成においては、アナログ多重信号のノイズマージンは小さいため、入力データの取りこぼしやノイズ重畳等に起因して、そのアナログ多重信号に応じた適正なディジタル信号が得られる可能性が低くなる。アナログ多重信号は、各センサ素子22〜32によるアナログ信号をΔΣ変調器42〜52においてトリガ周期T0のディジタル信号に変換した後に、それら複数のディジタル信号を重畳してDA変換したものであるので、A/D変換器62において入力データの取りこぼしやノイズの重畳等に起因して真値が得られない事態が生ずると、A/D変換器62によるAD変換後のディジタル信号のデータ列が各センサ素子22〜32の出力を正確に示したものとならなくなる。この点、A/D変換器62におけるAD変換が精度よく行われないと、センサ素子22〜32の出力として信頼性が確保されず、その後のシステム処理に悪影響が及んでしまう。
【0053】
そこで、本実施例においては、センサ信号処理IC34,36から供給されるアナログ電圧(アナログ多重信号)についてA/D変換器62におけるAD変換を精度よく行うことで、マイコン60からのセンサ素子22〜32の出力としての信頼性を確保する点に第1の特徴を有している。以下、図6及び図7を参照して、本実施例の第1の特徴点について説明する。
【0054】
本実施例において、ΔΣ変調器42〜52からのディジタル出力はすべてクロックパルスに同期しているため、4ビットD/A変換器54,56に入力される各ディジタルデータは、一のトリガから次のトリガまでの期間中、すなわち、クロックパルス信号がハイ状態に維持される期間中及びロー状態に維持される期間中のそれぞれで、一定値に維持される。このため、4ビットD/A変換器54,56から出力され、A/D変換器62に入力される各アナログ電圧も、一のトリガから次のトリガまでの期間中、通常は一定値に維持される。
【0055】
従って、一のトリガから次のトリガまでの期間中に、4ビットD/A変換器54に接続するA/D変換器62の入力ポートAD0及びAD4に現れるアナログ電圧が複数回AD変換され、また、4ビットD/A変換器56に接続する入力ポートAD2及びAD6に現れるアナログ電圧が複数回AD変換されたとしても、それぞれ、複数回のすべてにおいて互いに一致したディジタルデータが得られる筈である。一方、かかるAD変換が複数回行われた結果として互いに一致するディジタルデータが得られなかった場合は、何れかのAD変換が精度よく行われなかったことを示しており、かかる状況下においては、互いに一致するディジタルデータの得られる回数を計数し、その回数に基づいてA/D変換器62による出力として出力すべきディジタルデータを確定することとすれば、データとしての信頼性を向上させることが可能となる。
【0056】
尚、A/D変換器62は、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に、4ビットD/A変換器54,56からの各アナログ電圧についてそれぞれ複数回のAD変換を行う必要があるが、以下、説明の便宜のため、まず、4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧をAD変換する場合について説明する。
【0057】
図6は、本実施例においてA/D変換器62が行う4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧についてのAD変換の実行時期を説明するための図を示す。尚、図6には、4ビットD/A変換器54,56から出力され、A/D変換器62に入力されるアナログ電圧の正常な時間変化が実線で示されている。本実施例においては、A/D変換器62に、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に、すなわち、クロックパルス信号がハイ状態に維持される期間中及びロー状態に維持される期間中のそれぞれで、4ビットD/A変換器54から供給されるアナログ電圧について複数回(本実施例において3回)のAD変換を実行させる。
【0058】
AD変換器62の変換部64に接続する入力ポートAD0〜AD6はその順序で一つずつ等間隔で循環的に切り替わるので、具体的には、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0に現れる電圧が3回AD変換されるように、変換部64と入力ポートAD0〜AD6との接続を切り替えるスイッチ66の切替周期を設定し、スイッチ66により変換部64が入力ポートAD0に接続するごとに変換部64に入力される電圧をディジタル信号に変換させる。尚、入力ポートAD4には入力ポートAD0と同一の電圧が現れるため、スイッチ66の切替周期を、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0,AD4に現れる電圧が3回AD変換されるように設定し、変換部64が入力ポートAD0,AD4に接続するごとにAD変換処理を行うこととしてもよい。
【0059】
ここで、A/D変換器62の入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6には、トリガを基準にして生成されるハイ/ローのパルス幅がそれぞれ125μsであるクロックパルス信号の重畳されたアナログ電圧が入力されるが、そのアナログ電圧が立ち上がる直前および直後ならびに立ち下がる直前および直後は、その電圧値が不安定であるので、かかる時期にA/D変換器62においてAD変換が行われても、精度のよいディジタルデータを得ることができないおそれがある。
【0060】
そこで、本実施例においては、A/D変換器62に、入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6の何れかに現れたアナログ電圧の立ち上がり及び立ち下がりを監視させると共に、図6に示す如く、トリガ周期T0からそれらの前後の過渡時間t0,t1を除いた期間T1(=T0−t0−t1)中に4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧について3回のAD変換が行われるように、アナログ電圧の立ち上がり又は立ち下がり後、過渡時間t1が経過した時点で1回目のAD変換を実行させ、その後、時間T1/2が経過した時点で2回目のAD変換を実行させ、更に時間T1/2が経過した時点で3回目のAD変換を実行させる。尚、これらのAD変換は、スイッチ66により変換部64が入力ポートAD0に接続する時期と一致するタイミングで行われる。
【0061】
そして、A/D変換器62において4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧について3回のAD変換が行われた結果としてそれぞれ得られる4ビットディジタルデータのすべてが供給される信号比較部70に、それら複数の4ビットディジタルデータがデータとして互いに一致するか否かを判別させると共に、その多数決に基づいてセンサ素子22〜26の出力に対するA/D変換器62の出力としてのディジタル信号を確定させる。
【0062】
また、本実施例においては、A/D変換器62に、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に、4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧についてのAD変換とは別に、4ビットD/A変換器56からのアナログ電圧について複数回(3回)のAD変換を実行させる。変換部64に接続する入力ポートAD0〜AD6はその順序で一つずつ等間隔で循環的に切り替わるので、変換部64は、4ビットD/A変換器54と接続する入力ポートAD0に接続した後に必ず、4ビットD/A変換器56と接続する入力ポートAD2に接続する。変換部64と入力ポートAD0〜AD6との接続を切り替えるスイッチ66の切替周期は、上記の如く一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0に現れる電圧が3回AD変換されるように設定されているため、具体的には、スイッチ66により変換部64が入力ポートAD2に接続するごとに変換部64に入力される電圧をディジタル信号に変換させる。
【0063】
ここで、入力ポートAD2に現れる電圧のAD変換は、入力ポートAD0に現れる電圧のAD変換よりもスイッチ66の切替周期の2周期分だけ遅れるため、入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6に現れたアナログ電圧の立ち上がり前または立ち下がり前の過渡時間t0が短い時間に設定されていると、入力ポートAD2に現れる電圧がAD変換される際には既にその電圧値が不安定になっているおそれがある。従って、かかる不都合を回避するうえでは、上記の過渡時間t0を十分に長くすることが適切である。
【0064】
そして、A/D変換器62において4ビットD/A変換器56からのアナログ電圧について3回のAD変換が行われた結果としてそれぞれ得られる4ビットディジタルデータのすべてが供給される信号比較部70に、それら複数の4ビットディジタルデータがデータとして互いに一致するか否かを判別させると共に、その多数決に基づいてセンサ素子28〜32の出力に対するA/D変換器62の出力としてのディジタル信号を確定させる。
【0065】
すなわち、本実施例においては、A/D変換器62が、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に4ビットD/A変換器54,56からの各アナログ電圧についてそれぞれ複数回のAD変換を実行し、信号比較部70が、4ビットD/A変換器54,56ごとに、AD変換された結果として得られた複数の4ビットディジタルデータ同士の多数決結果に基づいたディジタル信号を出力する。このように一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に複数回のAD変換が行われ、その多数決結果に基づいて、出力するディジタル信号が確定されれば、A/D変換器62におけるAD変換が精度よく行われることとなるので、センサ素子22〜32の出力としての信頼性を確保することが可能となる。
【0066】
図7は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてマイコン60の信号比較部70が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すルーチンは、センサ信号処理IC34,36の4ビットD/A変換器54,56からのアナログ電圧ごとに、各アナログ電圧にそれぞれ対応した適当なタイミングで、所定時間ごとに、具体的には、スイッチ66による入力ポートAD0〜AD6の切替が一順するごとに繰り返し起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0067】
ステップ100では、A/D変換器62における入力ポートAD0又はAD2に現れる電圧を4ビットディジタルデータに変換するAD変換を終了させる処理が実行される。ステップ102では、上記ステップ100でAD変換された結果として得られた4ビットディジタルデータを抽出する処理が実行される。
【0068】
ステップ104では、上記ステップ102で抽出された4ビットディジタルデータの最上位ビット(すなわち、クロックパルス信号を表すビット)が、前回処理時において抽出された4ビットディジタルデータの最上位ビットと一致するか否かが判別される。最上位ビットが一致しない場合は、前回処理時から今回処理時にかけてクロックパルス信号がハイからローへ切り替わり或いはローからハイへ切り替わったと判断でき、A/D変換器62に入力されるアナログ多重信号(電圧)が変化したと判断できる。かかる否定判定がなされた場合は、以後、何らの処理も進められることなく今回のルーチンは終了される。
【0069】
一方、最上位ビットが一致する場合は、クロックパルス信号がハイ又はローに維持される状態が継続していると判断でき、A/D変換器62に入力されるアナログ電圧は一定値に維持され、AD変換される結果として得られる4ビットディジタルデータが一定値に維持されるべき状況にあると判断できる。従って、本ステップ104において肯定判定がなされた場合は、次にステップ106の処理が実行される。
【0070】
ステップ106では、上記ステップ102で4ビットディジタルデータが抽出された結果として、最上位ビットを含む全ビットについて互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0又はAD2に現れる電圧に対して行われるべきAD変換の回数(3回)の過半数(2回)となるか否か、すなわち、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中にAD変換が複数回行われることによりそれぞれ得られた4ビットディジタルデータの多数決が成立するか否かが判別される。その結果、多数決が成立すると判別された場合は、次にステップ108の処理が実行される。一方、多数決が成立しないと判別された場合は、次にステップ110の処理が実行される。
【0071】
ステップ108では、上記ステップ106の処理の結果により互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が過半数となったその4ビットディジタルデータを、センサ素子22〜26又は28〜32の出力に対するA/D変換器62による出力として確定させる処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、その4ビットディジタルデータは、フィルタ部72等を介してマイコン60の周辺機器に供給される。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0072】
ステップ110では、上記ステップ102で4ビットディジタルデータが抽出された結果として、最上位ビットを含む全ビットについて互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が、n回(2回)連続したか否かが判別される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次に上記ステップ108の処理が実行され、A/D変換器62による出力としての4ビットディジタルデータを確定させる。一方、否定判定がなされた場合は、A/D変換器62による出力としての4ビットディジタルデータを確定させることはできないので、次にステップ112の処理が実行される。
【0073】
尚、本実施例においては、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に同一であるべき電圧について3回のAD変換が行われるため、上記ステップ106において否定判定がなされると共に本ステップ110において肯定判定がなされることは起こり得ないが、上記の期間中に3回を超える多数(例えば5回)のAD変換が行われる構成においては、上記ステップ106において否定判定がなされると共に本ステップ110において肯定判定がなされる事態は生じ得るため、本ステップ110の処理は有効なものとなる。すなわち、このような構成において、全ビットについて互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が過半数ではないが連続した場合(例えば2回連続した場合)には、その4ビットディジタルデータは正確なデータとしてなっている可能性が高く、その後のAD変換によっても同一の4ビットディジタルデータが得られる可能性が高いと判断できるので、そのデータをA/D変換器62による出力として確定させることとしても不都合はない。従って、本ステップ110の処理によれば、4ビットディジタルデータの多数決が成立しなくても、A/D変換器62による出力としてのディジタルデータを早期に確定させることが可能となる。
【0074】
ステップ112では、クロックパルス信号が一致するにもかかわらず全体として一致しない4ビットディジタルデータが得られたとして、そのデータをトリガ間におけるA/D変換器62による出力として取り扱わない無効判定処理が実行される。本ステップ112の処理が実行されると、以後、フィルタ部72に、そのトリガ間における4ビットディジタルデータが確定しない旨を示す信号(以下、不確定信号と称す)が供給され、そのトリガ間における4ビットディジタルデータを無効なものとしてフィルタ部72における演算が行われる。本ステップ112の処理が終了すると、次にステップ114の処理が実行される。尚、本ステップ112の処理が実行された後に、次回のルーチンでステップ106又は108で肯定判定がなされた場合は、不確定信号の供給を中止し、そのトリガ間における4ビットディジタルデータを確定することとしてもよい。
【0075】
ステップ114では、車両が1トリップする間に、上記ステップ112の処理の実行が所定回数N以上生じたか否かが判別される。尚、所定回数Nは、車両乗員への注意を喚起し或いはセンサ素子22〜32の出力によるシステム制御を禁止するための、車両が1トリップする間に上記した不確定信号が供給される状態、すなわち、トリガ間における4ビットディジタルデータが互いに一致しない状態が発生した最小回数である。その結果、否定判定がなされた場合は、今回のルーチンは終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にステップ116の処理が実行される。
【0076】
ステップ116では、A/D変換器62におけるAD変換が精度よく行われていないとして、異常確定処理が実行される。具体的には、車両乗員にその旨の注意を喚起すべく車室内に設けられた所定の警告ランプを点灯させ警報ブザーを作動させると共に、誤動作を防止すべく当該センサ素子22〜32の出力が用いられているシステムの制御を禁止させる処理が実行される。本ステップ116の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0077】
上記図7に示すルーチンによれば、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に4ビットD/A変換器54,56からの各アナログ電圧についてそれぞれ複数回のAD変換が行われた結果として、互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が、その期間T0に行われるべきAD変換の回数の過半数となった場合又はn回連続した場合に、そのディジタルデータをその期間T0におけるA/D変換器62による出力として確定させることができる。一方、かかる条件が成立しない場合、すなわち、複数回のAD変換が行われた結果としてそれぞれ得られた4ビットディジタルデータが互いに一致しない場合及び多数決が成立しない場合には、かかる期間T0における4ビットディジタルデータを無効なものとすることができる。
【0078】
A/D変換器62における入力アナログ電圧の取りこぼしや4ビットD/A変換器54,56とA/D変換器62との間における入力アナログ電圧に対するノイズの重畳等は、通常、継続して生ずるものではない。従って、上記の構成によれば、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に各入力ポートに現れる電圧についてA/D変換器62におけるAD変換が一度しか行われない構成と異なり、A/D変換器62による出力として真値が得られない事態の発生を抑制することができる。
【0079】
すなわち、本実施例によれば、トリガ間T0に唯一回のAD変換が行われ、その一回のAD変換の結果に基づいてA/D変換器62による出力が確定される構成に比して、センサ信号処理IC34,36から供給されるアナログ多重信号(電圧)から4ビットのディジタルデータへのAD変換を精度よく行うことができ、その精度の向上が図られている。このように、本実施例のセンサ信号処理装置20においては、センサ素子22〜32のディジタル出力としてのA/D変換器62におけるAD変換後の出力の信頼性を確保することが可能となっている。
【0080】
上記の如く、本実施例において、フィルタ部72は、信号比較部70から不確定信号が供給されると、一のトリガから次のトリガまでの期間T0における4ビットディジタルデータを無効なものとして演算を行う。具体的には、フィルタ部72の各ディジタルフィルタ72a〜72c等は、上述の如く、供給されるビットについてサンプル数32個の移動平均を演算するものであるが、信号比較部70から不確定信号が供給された場合には、そのトリガ間T0におけるディジタルデータを無効とし、一減らしたサンプル数の移動平均を演算する。
【0081】
かかる処理によれば、センサ素子22〜32の出力として真値を示していない可能性の高いディジタルデータがフィルタ部72における演算に用いられることは回避される。このため、本実施例によれば、かかるデータがフィルタ演算に用いられることに起因して出力の信頼性が低下するのを防止することができ、その結果、センサ素子22〜32の出力としての信頼性を確実に確保することができる。
【0082】
また、本実施例において、4ビットD/A変換器54,56から出力され、A/D変換器62に入力されるアナログ電圧は、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中、16値のうち何れか一の値に維持され、VCC/2未満の電圧がトリガ間T0だけ維持される状態と、VCC/2を超える電圧がトリガ間T0だけ維持される状態とを交互に繰り返す。従って、正常時において、A/D変換器62におけるAD変換により得られるディジタルデータが互いに一致する状態が、一のトリガから次のトリガまでの期間T0を超えて継続することはない。
【0083】
すなわち、4ビットディジタルデータが互いに一致する状態が上記の期間T0を超えて継続した場合には、センサ素子22〜32とA/D変換器62との間のシステムにおいて何らかの異常が生じたと判断でき、A/D変換器62における少なくとも直近のAD変換が正常に行われていなかったと判断できる。この場合、そのAD変換により得られたディジタルデータがそのまま演算に用いられ或いは出力として後段に供給されるものとすると、A/D変換器62におけるAD変換後の出力の信頼性が低下することとなる。
【0084】
そこで、本実施例においては、A/D変換器62におけるAD変換により得られた4ビットディジタルデータが互いに一致する状態が一のトリガから次のトリガまでの期間T0を超えて継続した場合、フィルタ部72に、その超えた期間において得られた4ビットディジタルデータを無効なものとして演算を行わせる。かかる処理によれば、センサ素子22〜32の出力として真値を示していない可能性の高いディジタルデータがフィルタ部72における演算に用いられないことで、AD変換後の出力の信頼性が低下するのを防止することができ、その結果、センサ素子22〜32の出力としての信頼性を確実に確保することが可能となる。
【0085】
次に、上記図3を参照して、本実施例のセンサ信号処理装置20が備えるA/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6のオープン故障検出を行う手法について説明する。本実施例においては、センサ信号処理IC34,36と接続する入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6のオープン故障検出の手法に第2の特徴を有している。
【0086】
本実施例においては、図3(B)に示す如く、4ビットD/A変換器54,56からそれぞれ、クロックパルス信号のハイ/ローに従って125μsごとに、VCC/2未満のアナログ電圧とVCC/2を超えるアナログ電圧とが交互に出力される。このため、正常時においては、かかる出力が入力されるA/D変換器62の入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6にそれぞれ、クロックパルス信号のハイ/ローに従って125μsごとに、VCC/2(=2.5V)未満のアナログ電圧とVCC/2を超えるアナログ電圧とが交互に現れる。
【0087】
一方、上記の入力ポートAD0、AD2、AD4、又はAD6がオープン故障している場合には、その入力ポートに4ビットD/A変換器54,56からの電圧が供給されない。上記図4に示す如き構成を有するA/D変換器62においてAD変換が行われる際には、スイッチ66を介して入力されたアナログ電圧がコンデンサ68に充電される。このため、オープン故障が生じた入力ポートAD0、AD2、AD4、又はAD6についてのAD変換が行われる際は、その直前にAD変換された入力ポートAD1、AD3、又はAD5の電圧がコンデンサ68に残存する。従って、入力ポートAD0、AD2、AD4、又はAD6がオープン故障している状況下においては、その故障している入力ポートのAD変換時にその入力ポートにコンデンサ68に蓄えられている電圧が現れる。
【0088】
本実施例においては、A/D変換器62の、その順序で隣接して配置された入力ポートAD0〜AD6に、順に4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧、接地電圧GND、4ビットD/A変換器56からのアナログ電圧、イグニション電圧IGの2.5V未満の降圧電圧、4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧、電源電圧VCCの2.5V未満の降圧電圧、及び4ビットD/A変換器56からのアナログ電圧が供給されると共に、A/D変換器62の変換部64がその順序で一つずつ循環的に各入力ポートAD0〜AD6に接続するため、入力ポートAD2、AD4、又はAD6がオープン故障している状況下においては、具体的に、そのオープン故障している入力ポートのAD変換時にその入力ポートに接地電圧GND、イグニション電圧IGの2.5V未満の降圧電圧、又は電源電圧VCCの2.5V未満の降圧電圧以下の電圧が現れる。すなわち、オープン故障している入力ポートAD2、AD4、又はAD6についてのAD変換が行われる際にコンデンサ68に電圧が残存していても、その電圧が2.5Vを超えることはない。
【0089】
このように、本実施例においては、入力ポートAD2、AD4、又はAD6がオープン故障した場合にはその入力ポートに2.5V未満の電圧しか現れない一方、オープン故障していない場合には入力ポートに所定時間ごとに2.5V未満の電圧と2.5Vを超える電圧とが交互に現れる。A/D変換器62は、入力ポートAD0〜AD6に入力された電圧が2.5V未満である場合、出力する4ビットディジタルデータの最上位ビットを“0”とし、かかる電圧が2.5Vを超える場合、かかる最上位ビットを“1”とする。従って、入力ポートAD2、AD4、又はAD6がオープン故障した場合にはその入力ポートについてのA/D変換器62のディジタル出力として最上位ビットが“0”を継続する一方、オープン故障が生じていない場合にはその最上位ビットが所定時間ごとに“0”と“1”とを交互に繰り返す。
【0090】
そこで、本実施例においては、入力ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧についてそれぞれA/D変換器62によりAD変換された結果得られるディジタルデータの最上位ビット(クロックパルス信号)が監視される。具体的には、信号異常検出部76が、入力ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧がAD変換された結果としてA/D変換器62から供給されるディジタルデータの最上位ビットを監視する。そして、かかる最上位ビットが所定時間(具体的には、トリガ周期T0)ごとに“0”と“1”とを交互に繰り返した場合にはその入力ポートにオープン故障は生じていないと判別し、一方、かかる最上位ビットが所定時間が経過しても“0”を継続する場合にはその入力ポートにオープン故障が生じていると判別する。かかる処理によれば、入力ポートAD2、AD4、及びAD6のそれぞれのオープン故障を検出することが可能となる。
【0091】
尚、電源電圧VCC及びイグニション電圧IGの監視のためには、それらの電圧をマイコン60のA/D変換器62に入力させAD変換させる必要がある。この点、電源電圧VCCは5V程度であり、また、イグニション電圧IGは12V程度であるので、そのままの電圧がA/D変換器62に入力されるものとすると、そのAD変換が行われた後、オープン故障している4ビットD/A変換器54,56の接続する入力ポートについてのAD変換が行われる際に、2.5Vを超える電圧がコンデンサ68に残存している可能性があり、入力ポートAD2、AD4、及びAD6のオープン故障検出が精度よく行われないおそれがある。
【0092】
かかる点を考慮して、電源電圧VCC及びイグニション電圧IGのAD変換が行われた後に、コンデンサ68に残存する電圧を放電させるべく接地電圧GNDのAD変換を行うことが考えられる。しかしながら、かかる構成では、A/D変換器62がAD変換すべき電圧が増大し、その結果、AD変換による処理負担が過大となってしまう。
【0093】
これに対して、本実施例において、A/D変換器62が電源電圧VCC及びイグニション電圧IGの監視のためにAD変換する電圧は、電源電圧VCCを2.5V未満に降圧させた電圧であり、また、イグニション電圧IGを2・5V未満に降圧させた電圧である。かかる構成においては、電源電圧VCC及びイグニション電圧IGの監視を行うことは可能であると共に、その降圧された電圧のAD変換が行われた後に、オープン故障している入力ポートについてのAD変換が行われても、2.5Vを超える電圧がコンデンサ68に残存することは回避される。
【0094】
このため、本実施例においては、電源電圧VCC及びイグニション電圧IGの降圧電圧に対するAD変換が行われた後に、コンデンサ68に残存する電圧を放電させるべく接地電圧GNDのAD変換を行うことは不要であると共に、4ビットD/A変換器54,56の接続する入力ポートについてのAD変換を行うことが可能である。従って、本実施例によれば、AD変換による処理負担を増大させることなく、入力ポートAD2、AD4、及びAD6のオープン故障検出を精度よく行うことが可能となっている。
【0095】
また、本実施例においては、A/D変換器62が4ビットD/変換器54,56からの電圧と接地電圧GND,イグニション電圧IG,電源電圧VCCとを交互にAD変換するように、A/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6が、その順序で隣接して配置されると共に、所定時間ごとにその順序で一つずつ循環的に切り替わって変換部64に接続される。この際、マイコン60は、各入力ポートAD0〜AD6と変換部64との接続を制御するスイッチ66を所定時間ごとにその順序で一つずつ切り替えることとすればよい。このため、各入力ポートAD0〜AD6と変換部64との接続を適正に制御するうえでマイコン60に過大な処理負荷が加わることは回避される。従って、本実施例のシステムによれば、高性能のマイコンを用いることなく各入力ポートAD2、AD4、及びAD6についての高精度のオープン故障検出が実現されている。
【0096】
尚、入力ポートAD0がオープン故障している場合には、そのAD変換時にその入力ポートに入力ポートAD6に供給されたアナログ電圧以下の電圧が現れるが、入力ポートAD6に供給されたアナログ電圧が2.5Vを超える電圧であると、2.5Vを超える電圧が現れるおそれがある。入力ポートAD0に現れる電圧は、入力ポートAD4に現れる電圧と同一である。従って、正常時においては、入力ポートAD0についての電圧をAD変換した結果得られるディジタルデータと、その直後に入力ポートAD4についての電圧をAD変換した結果得られるディジタルデータとは一致する。一方、入力ポートAD0がオープン故障している場合は、両者が一致する可能性は極めて小さい。
【0097】
そこで、本実施例においては、入力ポートAD0のオープン故障を検出するうえで、入力ポートAD0の電圧がAD変換された結果得られるディジタルデータと、その直後に入力ポートAD4の電圧がAD変換された結果得られるディジタルデータとの一致/不一致が監視される。具体的には、信号異常検出部76が、両ディジタルデータの一致/不一致を監視する。そして、両者が一致する場合には入力ポートAD0にオープン故障が生じていないと判別し、一方、不一致が生じた場合あるいは不一致の状態が所定回数継続した場合には入力ポートAD0にオープン故障が生じていると判別する。かかる処理によれば、入力ポートAD0についてもオープン故障を検出することが可能となる。
【0098】
尚、上記の実施例においては、トリガ周期T0が特許請求の範囲に記載した「所定時間」に、ΔΣ変調器42〜52が特許請求の範囲に記載した「第1のA/D変換手段」に、4ビットD/A変換器54,56が特許請求の範囲に記載した「D/A変換手段」に、A/D変換器62及び信号比較部70が特許請求の範囲に記載した「第2のA/D変換手段」に、フィルタ部72が特許請求の範囲に記載した「フィルタ手段」に、それぞれ相当している。
【0099】
また、上記の実施例においては、マイコン60の信号異常検出部76が、A/D変換器62の入力ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧がAD変換された結果としてA/D変換器62から供給されるディジタルデータの最上位ビットを監視することで入力ポートAD2、AD4、及びAD6のオープン故障を検出することにより、特許請求の範囲に記載した「故障検出手段」が実現されていると共に、入力ポートAD2、AD4、及びAD6が特許請求の範囲に記載した「入力ポート」に、入力ポートAD1、AD3、及びAD5が特許請求の範囲に記載した「補助ポート」に、イグニション電圧IGの2.5V未満の降圧電圧および電源電圧VCCの2.5V未満の降圧電圧が特許請求の範囲に記載した「所定電圧」に、それぞれ相当している。
【0100】
ところで、上記の実施例においては、信号比較部70は、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中に互いに一致する4ビットディジタルデータの得られた回数が、その期間T0に行われるべきAD変換の過半数となった場合又はn回連続した場合に、そのディジタルデータをその期間T0におけるA/D変換器62による出力として確定するが、かかる確定がなされた後に上記の期間T0において行うべきAD変換が残っている場合には、A/D変換器62にそのAD変換の実行を禁止させることとしてもよい。かかる構成においては、A/D変換器62に無駄にAD変換を行わせる事態が回避され、その処理負担の軽減が図れることとなる。
【0101】
また、上記の確定がなされた後に上記の期間T0中に行うべきAD変換が残っている場合には、信号比較部70に、その残っているAD変換の結果として得られたディジタルデータがその前のディジタルデータに一致するか否かの判別の実行を禁止させることとしてもよい。かかる構成においては、信号比較部70に無駄にディジタルデータの一致/不一致の判別を行わせる事態が回避され、その処理負担の軽減が図れることとなる。
【0102】
また、上記の実施例においては、A/D変換器62における複数回のAD変換が行われた結果としてそれぞれ得られた4ビットディジタルデータが互いに一致しない場合には、信号比較部70にかかる期間T0における4ビットディジタルデータを無効なものとして不確定信号を出力させ、フィルタ部72に当該期間T0における4ビットディジタルデータを無効なものとして演算を行わせることとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、信号比較部70にそれら互いに一致しない4ビットディジタルデータの各ビットの平均値または中間値を演算させると共に出力させ、フィルタ部72にその平均値または中間値を一つのサンプルとして用いて移動平均を演算させることとしてもよい。かかる構成においては、センサ素子22〜32の出力として真値を示していない可能性の高いディジタルデータがそのままフィルタ演算に用いられる場合に比して、データとしての誤差が縮小されるので、出力の信頼性低下の抑制が図られ、その結果、センサ素子22〜32の出力としての信頼性が確保されることとなる。
【0103】
また、上記の実施例においては、A/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6を、その順序で隣接して配置すると共に、その順序で一つずつ循環的に切り替えて変換部64に接続させることで、4ビットD/変換器54,56からの電圧と接地電圧GND,イグニション電圧IG,電源電圧VCCとを交互にAD変換することとしているが、A/D変換器62に4ビットD/変換器54,56からの電圧と接地電圧GND,イグニション電圧IG,電源電圧VCCとを交互にAD変換させることとすれば十分であり、上記の如く電圧が供給される入力ポートAD0〜AD6をその順序で隣接して配置する必要もなく、また、入力ポートAD0〜AD6をその順序で切り替える必要もない。
【0104】
また、イグニション電圧IGおよび電源電圧VCCの監視は頻繁に行うことは不要である。従って、入力ポートAD0〜AD6の切り替えをランダムに行うことが可能な構成においては、A/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6に図1に示す如き電圧が供給される場合、入力ポートAD0〜AD2についての電圧を順にAD変換するのを常態とし、所定時間が経過した等の所定の条件が成立した場合にのみ他の入力ポートAD3〜AD6についての電圧をAD変換することとしてもよい。かかる構成によれば、常態でAD変換を行うべき入力ポートが減少することで、AD変換による処理負担の軽減が図られることとなる。
【0105】
また、上記の実施例においては、入力ポートAD2、AD4、及びAD6のオープン故障を検出するうえで、A/D変換器62によりAD変換された結果得られたディジタルデータの最上位ビット(クロックパルス信号)を監視することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各入力ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧自体をそれぞれ監視することとしてもよい。すなわち、各入力ポートに所定時間ごとに2.5V未満の電圧と2.5Vを超える電圧とが交互に現れるか否かを判別することにより各入力ポートのオープン故障を検出することとしてもよい。
【0106】
また、上記の実施例においては、センサ信号処理IC34の4ビットD/A変換器54からの出力、及び、センサ信号処理IC36の4ビットD/A変換器56からの出力を、それぞれ、A/D変換器62の2つの入力ポートAD0(AD2),AD4(AD6)に供給することとしているが、一つの入力ポートのみに供給することとしてもよい。かかる構成によれば、AD変換を行うべき入力ポートが減少することで、AD変換による処理負担の軽減が図られることとなる。
【0107】
また、上記の実施例においては、A/D変換器62に、複数のセンサ素子22〜32のアナログ信号が多重化されたアナログ多重信号が2つ供給される構成が採用されているが、唯一つのアナログ多重信号が供給される構成に適用することも可能である。かかる構成においては、そのアナログ多重信号が入力される入力ポートのオープン故障を上述した手法を用いて検出するうえでは、そのAD変換の前に接地電圧GNDのAD変換を行う必要がないので、簡素な構成を実現することが可能となる。
【0108】
更に、上記の実施例においては、A/D変換器62の入力ポートAD0〜AD6に供給される電圧を図1に示す如く配列することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図8に示す如く配列することとしてもよいし、或いは、他の配列を実現することとしてもよい。
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、2、5、7、8、14、及び15記載の発明によれば、唯一回のAD変換の結果に基づいて2値化ディジタル信号が確定される構成に比して、全体的にAD変換が精度よく行われるため、AD変換後の出力の信頼性を確保することができる。
【0109】
請求項3及び4記載の発明によれば、AD変換による出力の信頼性を確保しつつ、AD変換の処理負荷の軽減を図ることができる。
【0110】
請求項6記載の発明によれば、AD変換による出力の信頼性が低下する事態を最小限に抑制することができる。
【0111】
請求項9記載の発明によれば、何らかのシステム異常に起因して変調手段による変換またはAD変換手段による変換が正常に行われていないと判断できるので、AD変換による出力の信頼性を確実に確保することができる。
【0112】
請求項10乃至12記載の発明によれば、入力ポートのオープン故障を検出することができる。
【0113】
また、請求項13記載の発明によれば、高性能の処理装置を用いることなく複数の入力ポートについて高精度のオープン故障検出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるセンサ信号処理装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるセンサ信号処理ICの内部構成図である。
【図3】図2に示す4ビットD/A変換器の動作を説明するための図である。
【図4】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるマイコンのA/D変換器の内部構成図である。
【図5】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるマイコン内部の接続を説明するための図である。
【図6】本実施例においてセンサ信号処理装置が備えるA/D変換器が行うAD変換の実行時期を説明するための図である。
【図7】本実施例において、センサ信号処理装置が備えるA/D変換器の出力を設定すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図8】本実施例の変形例であるセンサ信号処理装置の要部構成図である。
【符号の説明】
20 センサ信号処理装置
22〜32 センサ素子
34,36 センサ信号処理IC
38,40 クロック信号発生器
42〜52 ΔΣ変調器
54,56 4ビットD/A変換器
60 マイコン
62 A/D変換器
70 信号比較部
76 信号異常検出部
AD0〜AD6 入力ポート

Claims (15)

  1. センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換手段と、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号を、同一レベルが所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換手段と、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
    前記第2のA/D変換手段は、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を設定することを特徴とするセンサ信号処理装置。
  2. 前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号同士の多数決に基づいて、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号を設定することを特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装置。
  3. 前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後には、該所定時間中における残りの、前記D/A変換手段から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を行わないことを特徴とする請求項2記載のセンサ信号処理装置。
  4. 前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後には、以後に該所定時間中に変換した結果として得られた2値化ディジタル信号の一致/不一致の判別を行わないことを特徴とする請求項2記載のセンサ信号処理装置。
  5. 前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場合には、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないことを特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装置。
  6. 前記第2のA/D変換手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場合には、該複数の2値化ディジタル信号の平均値または中間値を、該所定時間における出力すべき2値化ディジタル信号として設定することを特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装置。
  7. 前記第2のA/D変換手段から供給された2値化ディジタル信号を、前記所定時間よりも長い時間幅当たりで平均化するフィルタ手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載のセンサ信号処理装置。
  8. 前記D/A変換手段は、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ前記所定時間であるクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータを前記アナログ多重信号に変換することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載のセンサ信号処理装置。
  9. 前記第2のA/D変換手段は、変換した結果として得られた2値化ディジタル信号の一致する状態が前記所定時間を超えて継続する場合には、出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないことを特徴とする請求項8記載のセンサ信号処理装置。
  10. センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換手段と、前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時間であるクロックパルス信号とが重畳された多ビットディジタルデータを、同一レベルが前記所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換手段と、前記D/A変換手段に接続する入力ポートを有し、該D/A変換手段から該入力ポートを介して供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
    前記入力ポートに前記クロックパルス信号のハイを示す前記アナログ多重信号とローを示す前記アナログ多重信号とが前記所定時間ごとに交互に現れるか否かに基づいて該入力ポートのオープン故障を検出する故障検出手段を備えることを特徴とするセンサ信号処理装置。
  11. それぞれ対応して接続するセンサ素子が出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する複数の第1のA/D変換手段と、それぞれ対応して接続する前記第1のA/D変換手段から供給されるディジタル信号とハイ/ローが繰り返されるクロックパルス信号とが重畳されたディジタルデータを、同一レベルが前記所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換する複数のD/A変換手段と、それぞれ前記D/A変換手段に対応して接続する複数の入力ポートを有し、該複数のD/A変換手段から該複数の入力ポートを介して供給される各アナログ多重信号をそれぞれ所定の順序で2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
    前記第2のA/D変換手段は、一の入力ポートを介して供給された前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換した後、他の入力ポートを介して供給される前記アナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する前に、前記クロックパルス信号のハイを示す前記アナログ多重信号およびローを示す前記アナログ多重信号の何れか一方と同一のレベルを有する基準信号を2値化ディジタル信号に変換すると共に、
    前記第2のA/D変換手段により変換された2値化ディジタル信号の変化に基づいて前記入力ポートのオープン故障を検出する故障検出手段を備えることを特徴とするセンサ信号処理装置。
  12. 前記第2のA/D変換手段は、また、接地電圧とは異なる所定電圧が供給される補助ポートを有し、該補助ポートに供給された前記所定電圧を前記基準信号として2値化ディジタル信号に変換することを特徴とする請求項11記載のセンサ信号処理装置。
  13. 前記補助ポートが、前記一の入力ポートと前記他の入力ポートとの間に隣接して配置されていることを特徴とする請求項12記載のセンサ信号処理装置。
  14. 前記第1のA/D変換手段がΔΣ変調器であることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項記載のセンサ信号処理装置。
  15. センサ素子の出力する物理量に応じたアナログ信号を所定時間間隔ごとにサンプリングしてディジタル信号に変換する第1のA/D変換工程と、前記第1のA/D変換工程から供給されるディジタル信号を、同一レベルが所定時間継続して保持されるアナログ多重信号に変換するD/A変換工程と、前記D/A変換工程から供給されるアナログ多重信号を2値化ディジタル信号に変換する第2のA/D変換工程と、を備えるセンサ信号処理方法であって、
    前記第2のA/D変換工程は、前記D/A変換工程から供給される前記アナログ多重信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を設定することを特徴とするセンサ信号処理方法。
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