JP2003174363A - センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法 - Google Patents

センサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法

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JP2003174363A JP2001370571A JP2001370571A JP2003174363A JP 2003174363 A JP2003174363 A JP 2003174363A JP 2001370571 A JP2001370571 A JP 2001370571A JP 2001370571 A JP2001370571 A JP 2001370571A JP 2003174363 A JP2003174363 A JP 2003174363A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、センサ信号処理装置およびセンサ
信号処理方法に関し、AD変換後の出力の信頼性を確保
することを目的とする。 【解決手段】 センサ素子22〜26の出力する各アナ
ログ信号がそれぞれ変換された各1ビットディジタル信
号とクロックパルス信号とを重畳した4ビットディジタ
ルデータを多値のアナログ多重信号に変換し、A/D変
換器62に供給する。A/D変換器62に、そのアナロ
グ多重信号が一定値に維持されるべき期間である一のト
リガから次のトリガまでの期間中に、複数回のAD変換
を実行させる。そして、A/D変換器62の出力に接続
する信号比較部70に、それら複数回のAD変換が行わ
れた結果としてそれぞれ得られた4ビットディジタルデ
ータ同士の多数決に基づいて、A/D変換器62による
出力としてのディジタルデータを確定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサ信号処理装
置およびセンサ信号処理方法に係り、特に、センサ素子
の出力する物理量を検出するうえで好適なセンサ信号処
理装置およびセンサ信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特許第3191060
号公報に開示される如く、センサ素子の出力する物理量
に応じたアナログ入力信号をディジタル信号に変換する
センサ信号処理装置が知られている。この装置は、ΔΣ
変調器を備えており、そのΔΣ変調器を用いてアナログ
入力信号を所定周期でサンプリングしてディジタル信号
に変換する。ΔΣ変調器は、出力と入力との差を積分
し、この積分後の出力が最小となるようにフィードバッ
ク制御する。ΔΣ変調器により変換されたディジタル信
号は、ディジタルフィルタ処理された後に、演算処理さ
れる。従って、上記従来のセンサ信号処理装置によれ
ば、AD変換が行われる際の外乱ノイズや量子化誤差等
のノイズ成分を除去することができ、AD変換の高精度
化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置の如くセンサ素子の出力する物理量に応じたアナロ
グ入力信号がディジタル信号に変換される構成では、入
力データの取りこぼしやノイズ重畳等に起因して真値が
得られない事態が生ずることがある。特に、複数のセン
サ素子によるアナログ入力信号がそれぞれディジタル信
号に変換された後に、それら複数のディジタル信号がア
ナログ多重信号にDA変換され、そのアナログ多重信号
がディジタル信号に変換される構成では、アナログ多重
信号のノイズマージンが小さいため、ディジタル信号と
しての真値が得られない可能性が高くなる。
【0004】このようにディジタル信号としての真値が
得られない事態が発生すると、そのAD変換後のディジ
タル信号のデータ列が各センサ素子の出力を正確に示し
たものとならなくなり、センサ素子の出力としての信頼
性が低下してしまう。特に、AD変換が、出力をフィー
ドバックしその前後の出力に影響を与え或いは受けつつ
AD変換を行うΔΣ変調器を用いて行われる構成では、
ディジタル信号のデータ列はその前後で関連性を有する
ため、上記の事態が生ずると、そのデータ列がセンサ素
子の出力に応じたものと全く異なるものとなってしま
う。
【0005】また、A/D変換器は、一般に、複数の入
力ポートを有しており、サンプリング周期の間に各入力
ポートに入力されるアナログ入力信号を順にAD変換す
るが、センサ素子による物理量を正確に検出するために
は、それらの入力ポートのオープン故障を検出する必要
がある。しかしながら、各入力ポートのアナログ入力信
号が順にAD変換される構成では、オープン故障してい
る入力ポートについてのAD変換が行われる際にその前
にAD変換された入力ポートのアナログ値が残存してい
る可能性があり、このため、オープン故障検出を精度よ
く行うことができないおそれがある。そこで、前回にA
D変換されたアナログ値を放電させることで上記した不
都合を解決するために、各入力ポートのアナログ入力信
号をAD変換する前に接地電圧からの信号をAD変換す
ることが考えられる。
【0006】しかしながら、各入力ポートのアナログ入
力信号をAD変換する前に常に接地端子からの信号をA
D変換する構成では、AD変換の処理回数が、各入力ポ
ートに入力されるアナログ入力信号の数の倍となり、信
号の処理負担が増大してしまう。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、AD変換後の出力の信頼性を確保することが可
能なセンサ信号処理装置およびセンサ信号処理方法を提
供することを第1の目的とし、AD変換による信号の処
理負担を増大させることなく、入力ポートのオープン故
障検出を精度よく行うことが可能なセンサ信号処理装置
およびセンサ信号処理方法を提供することを第2の目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、請求
項1に記載する如く、センサ素子の出力する物理量に応
じたアナログ信号を、同一レベルが所定時間継続して保
持される変調波信号に変換する変調手段と、前記変調手
段から供給された変調波信号を2値化ディジタル信号に
変換するAD変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置
であって、前記AD変換手段は、前記変調手段から供給
された変調波信号の2値化ディジタル信号への変換を前
記所定時間中に複数回行うと共に、該所定時間中におけ
る複数回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジ
タル信号を設定するセンサ信号処理装置により達成され
る。
【0009】また、上記第1の目的は、請求項15に記
載する如く、センサ素子の出力する物理量に応じたアナ
ログ信号を、同一レベルが所定時間継続して保持される
変調波信号に変換する変調工程と、前記変調工程から供
給された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換する
AD変換工程と、を備えるセンサ信号処理方法であっ
て、前記AD変換工程は、前記変調工程から供給された
変調波信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定
時間中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数
回の変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信
号を設定するセンサ信号処理方法により達成される。
【0010】請求項1及び15記載の発明において、変
調手段又は工程からAD変換手段又は工程に供給された
変調波信号の2値化ディジタル信号へのAD変換は、そ
の変調波信号が同一レベルに継続して保持される時間中
に複数回行われる。そして、AD変換手段又は工程から
出力すべき2値化ディジタル信号は、それら複数回のA
D変換結果に基づいて設定される。このように複数回の
AD変換の結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル
信号が確定されれば、唯一回のAD変換の結果に基づい
て2値化ディジタル信号が確定される場合に比して、全
体的にAD変換が精度よく行われることとなり、その出
力の信頼性が確保される。
【0011】この場合、請求項2に記載する如く、請求
項1記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換
手段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそ
れぞれ得られた2値化ディジタル信号同士の多数決に基
づいて、該所定時間における出力すべき2値化ディジタ
ル信号を設定することとすればよい。
【0012】尚、出力される2値化ディジタル信号の設
定が複数回のAD変換による多数決に基づいてなされる
構成において、所定時間中に行われるべき複数回のAD
変換のうちその過半数のAD変換で互いに一致する2値
化ディジタル信号が得られた場合には、以後のAD変換
の結果にかかわらず、出力される2値化ディジタル信号
が変化することはない。
【0013】従って、請求項3に記載する如く、請求項
2記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換手
段は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致
する2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回
の過半数となった後には、該所定時間中における残り
の、前記変調手段から供給された変調波信号の2値化デ
ィジタル信号への変換を行わないこととすれば、無駄に
AD変換が行われるのを回避することができ、処理負荷
の軽減を図ることができる。
【0014】また、請求項4に記載する如く、請求項2
記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換手段
は、前記所定時間中に変換した結果として互いに一致す
る2値化ディジタル信号の得られた回数が前記複数回の
過半数となった後には、以後に該所定時間中に変換した
結果として得られた2値化ディジタル信号の一致/不一
致の判別を行わないこととすれば、無駄に2値化ディジ
タル信号の一致/不一致の判別が行われるのを回避する
ことができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
【0015】ところで、所定時間中に複数回AD変換し
た結果としてそれぞれ得られた2値化ディジタル信号が
互いに一致しない場合には、何れの2値化ディジタル信
号も信頼性が低下しているため、データとして取り扱う
ことは適切でない。
【0016】従って、請求項5に記載する如く、請求項
1記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換手
段は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれ
ぞれ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない
場合には、該所定時間における出力すべき2値化ディジ
タル信号を設定しないこととすれば、AD変換による出
力の信頼性を確実に確保することができる。
【0017】但し、請求項6に記載する如く、請求項1
記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換手段
は、前記所定時間中に複数回変換した結果としてそれぞ
れ得られた2値化ディジタル信号が互いに一致しない場
合には、該複数の2値化ディジタル信号の平均値または
中間値を、該所定時間における出力すべき2値化ディジ
タル信号として設定することとすれば、2値化ディジタ
ル信号の信頼性が低下する事態を最小限に抑制すること
ができる。
【0018】これらの場合、請求項7に記載する如く、
請求項1乃至6の何れか一項記載のセンサ信号処理装置
において、前記AD変換手段から供給された2値化ディ
ジタル信号を、前記所定時間よりも長い時間幅当たりで
平均化するフィルタ手段を備えることとしてもよい。
【0019】また、請求項8に記載する如く、請求項1
乃至7の何れか一項記載のセンサ信号処理装置におい
て、前記変調手段は、前記アナログ信号とハイ/ローの
パルス幅がそれぞれ前記所定時間であるクロックパルス
信号とが重畳された多重信号を前記変調波信号に変換す
ることとすれば、変調手段とAD変換手段とを、ポート
の数を増大させることなく同期させることができる。
【0020】尚、アナログ信号とクロックパルス信号と
が重畳された多重信号が変調波信号に変換される構成に
おいて、AD変換した結果として得られた2値化ディジ
タル信号の一致する状態がクロックパルス信号のパルス
幅を超えて継続する場合には、何らかのシステム異常に
起因して変調手段による変換またはAD変換手段による
変換が正常に行われていないと判断できる。
【0021】従って、請求項9に記載する如く、請求項
8記載のセンサ信号処理装置において、前記AD変換手
段は、変換した結果として得られた2値化ディジタル信
号の一致する状態が前記所定時間を超えて継続する場合
には、出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないこ
ととすれば、AD変換による出力の信頼性を確実に確保
することができる。
【0022】また、上記第2の目的は、請求項10に記
載する如く、センサ素子の出力する物理量に応じたアナ
ログ信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時間で
あるクロックパルス信号とが重畳された多重信号を、同
一レベルが前記所定時間継続して保持される変調波信号
に変換する変調手段と、前記変調手段に接続する入力ポ
ートを有し、該変調手段から該入力ポートを介して供給
された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換するA
D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
前記入力ポートに前記クロックパルス信号のハイを示す
変調波信号とローを示す変調波信号とが前記所定時間ご
とに交互に現れるか否かに基づいて該入力ポートのオー
プン故障を検出する故障検出手段を備えるセンサ信号処
理装置により達成される。
【0023】請求項10記載の発明において、アナログ
信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時間である
クロックパルス信号とが重畳された多重信号が変調され
た変調波信号は、入力ポートを介してAD変換手段に供
給される。変調波信号は、同一レベルが前記所定時間継
続して保持される信号であるので、正常時には、入力ポ
ートに、クロックパルス信号のハイを示す変調波信号と
ローを示す変調波信号とが所定時間ごとに交互に現れ
る。一方、入力ポートがオープン故障している場合に
は、それらの変調波信号が所定時間ごとに交互に現れな
い。従って、入力ポートに、クロックパルス信号のハイ
を示す変調波信号とローを示す変調波信号とが所定時間
ごとに交互に現れるか否かに基づいて入力ポートのオー
プン故障を検出できる。
【0024】また、上記第2の目的は、請求項11に記
載する如く、複数のセンサ素子がそれぞれ出力する物理
量に応じたアナログ信号とハイ/ローが繰り返されるク
ロックパルス信号とが重畳された多重信号をそれぞれ所
定の変調波信号に変換する変調手段と、前記変調手段に
接続する前記各多重信号に対応した複数の入力ポートを
有し、該変調手段から該複数の入力ポートを介して供給
された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換するA
D変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であって、
前記AD変換手段は、一の入力ポートを介して供給され
た変調波信号を2値化ディジタル信号に変換した後、他
の入力ポートを介して供給される変調波信号を2値化デ
ィジタル信号に変換する前に、前記クロックパルス信号
のハイを示す変調波信号およびローを示す変調波信号の
何れか一方と同一のレベルを有する基準信号を2値化デ
ィジタル信号に変換すると共に、前記AD変換手段によ
り変換される信号の変化に基づいて前記入力ポートのオ
ープン故障を検出する故障検出手段を備えるセンサ信号
処理装置により達成される。
【0025】請求項11記載の発明において、変調波信
号は、クロックパルス信号のハイ及びローにそれぞれ対
応した信号であるので、正常時には、入力ポートごと
に、クロックパルス信号のハイを示す変調波信号とロー
を示す変調波信号とが交互に現れる。一方、入力ポート
がオープン故障している場合には、それらの変調波信号
が交互に現れない。仮に、2種類の変調波信号が連続し
てAD変換されるものとすると、オープン故障が生じて
いる入力ポートについてのAD変換が行われる際にその
前にAD変換された入力ポートの信号が残存している可
能性があり、このため、オープン故障検出を精度よく行
うことができないおそれがある。
【0026】これに対して、本発明においては、一の入
力ポートを介する変調波信号がAD変換された後、他の
入力ポートを介する変調波信号がAD変換される前に、
クロックパルス信号のハイを示す変調波信号およびロー
を示す変調波信号の何れか一方と同一のレベルを有する
基準信号がAD変換される。この場合には、基準信号が
AD変換されることにより、一の入力ポートの信号が放
電されると共に、その後に他の入力ポートを介する変調
波信号がAD変換される際にその他の入力ポートに基準
信号が残存していても、その基準信号が他の入力ポート
のオープン故障検出に影響を与えることはない。従っ
て、各入力ポートについてのAD変換手段により変換さ
れる信号の変化に基づいて各入力ポートのオープン故障
を検出できる。
【0027】この場合、請求項12に記載する如く、請
求項11記載のセンサ信号処理装置において、前記AD
変換手段は、また、接地電圧とは異なる所定電圧が供給
される補助ポートを有し、該補助ポートに供給された前
記所定電圧を前記基準信号として2値化ディジタル信号
に変換することとしてもよい。
【0028】尚、請求項13に記載する如く、請求項1
2記載のセンサ信号処理装置において、前記補助ポート
が、前記一の入力ポートと前記他の入力ポートとの間に
隣接して配置されていることとすれば、高性能の処理装
置を用いることなく複数の入力ポートについて高精度の
オープン故障検出を実現することができる。
【0029】これらの場合、請求項14に記載する如
く、請求項1乃至13の何れか一項記載のセンサ信号処
理装置において、前記変調手段がΔΣ変調器を有するこ
ととしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
車両に搭載されるセンサ信号処理装置20のシステム構
成図を示す。図1に示す如く、本実施例のセンサ信号処
理装置20は、例えばヨーレートYAWや加速度G,温
度TH等のアナログ量に応じた電気的なアナログ信号を
出力する複数(具体的には6個)のセンサ素子22〜3
2を備えている。センサ素子22〜26にはセンサ信号
処理IC34が、センサ素子28〜32にはセンサ信号
処理IC36が、それぞれ接続されている。
【0031】センサ信号処理IC34,36にはそれぞ
れ、所定周期(例えば125μs=8kHz)T0でト
リガを発生するトリガ信号発生器(図示せず)が接続さ
れている。センサ信号処理IC34はクロック信号発生
器38を、センサ信号処理IC36はクロック信号発生
器40を、それぞれ内蔵している。クロック信号発生器
38,40は、トリガ信号発生器から供給されるトリガ
に基づいて、ハイ/ローのパルス幅がそれぞれ125μ
sであるクロックパルス信号、すなわち、周波数が4k
Hzであるクロックパルス信号を発生する。センサ信号
処理IC34は、クロック信号発生器38で発生される
クロックパルス信号を基準にして、センサ素子22〜2
6の出力するアナログ信号をアナログ多重信号に変換す
る。また、センサ信号処理IC36は、クロック信号発
生器40で発生されるクロックパルス信号を基準にし
て、センサ素子28〜32の出力するアナログ信号をア
ナログ多重信号に変換する。
【0032】すなわち、センサ信号処理IC34は、セ
ンサ素子22〜26にそれぞれ対応して接続するΔΣ変
調器42〜46を備えている。ΔΣ変調器42〜46に
はそれぞれ、上記したトリガ信号発生器が接続されてお
り、トリガが供給されている。また、センサ信号処理I
C36は、センサ素子28〜32にそれぞれ対応して接
続するΔΣ変調器48〜52を備えている。ΔΣ変調器
48〜52にもそれぞれ、トリガ信号発生器が接続され
ており、トリガが供給されている。各ΔΣ変調器42〜
52はそれぞれ、接続するセンサ素子22〜32の出力
するアナログ信号をトリガの周期T0よりも長い一定時
間間隔ごとにサンプリングして、トリガ周期T0のディ
ジタル信号に変換する。
【0033】センサ信号処理IC34は、また、各ΔΣ
変調器42〜46及びクロック信号発生器38に接続す
る4ビットD/A変換器54を備えている。また、セン
サ信号処理IC36は、各ΔΣ変調器48〜52及びク
ロック信号発生器40に接続する4ビットD/A変換器
56を備えている。4ビットD/A変換器54は、各Δ
Σ変調器42〜46によりそれぞれ変換された1ビット
ディジタル信号を重畳し、かつ、クロック信号発生器3
8から供給されるクロックパルス信号をも重畳した4ビ
ットディジタルデータをアナログ信号に変換する。ま
た、4ビットD/A変換器56は、各ΔΣ変調器48〜
52によりそれぞれ変換された1ビットディジタル信号
を重畳し、かつ、クロック信号発生器40から供給され
るクロックパルス信号をも重畳した4ビットディジタル
データをアナログ信号に変換する。
【0034】図2は、本実施例のセンサ信号処理装置2
0が備えるセンサ信号処理IC34,36の内部構成図
を示す。尚、センサ信号処理IC34と36とは同一の
内部構成を有しているため、図2には、それらの代表と
してセンサ信号処理IC34の内部構成のみを示してい
る。上記した4ビットD/A変換器54は、図2に示す
如く、抵抗R(例えばR=10kΩ)と抵抗2Rとによ
り回路網が構成されたラダー型D/A変換器である。4
ビットD/A変換器54は、クロック信号発生器38か
ら供給されるクロックパルス信号を最上位ビットとし、
かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THに応
じたアナログ信号をそれぞれ変換するΔΣ変調器42〜
46から供給される各ディジタル信号を下位のビットと
する4ビットディジタルデータを、基準電圧(例えば電
源電圧VCC=5V)と“0”からオフセットされたV
CC/32との間における16値のアナログ電圧に変換
し、そのアナログ電圧を1ピンで出力する。
【0035】図3は、図2に示す4ビットD/A変換器
54の動作を説明するための図を示す。図3(A)には
4ビットD/A変換器54に入力される4ビットディジ
タルデータ列の一例が、また、図3(B)には図3
(A)に示す状況下で4ビットD/A変換器54から出
力される出力電圧が、それぞれ時間変化を伴って示され
ている。
【0036】例えばクロックパルス信号が“0”であ
り、かつ、ヨーレートYAWのディジタルデータと加速
度Gのディジタルデータと温度THのディジタルデータ
との組み合わせが(0,0,0)である場合は、4ビッ
トD/A変換器54に(0,0,0,0)のディジタル
信号が入力され、約0.156Vのアナログ電圧に変換
される。また、クロックパルス信号が“0”であり、か
つ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度THのディ
ジタルデータの組み合わせが(1,1,1)である場合
は、4ビットD/A変換器54に(0,1,1,1)の
ディジタル信号が入力され、約2.344Vのアナログ
電圧に変換される。一方、クロックパルス信号が“1”
であり、かつ、ヨーレートYAW、加速度G、及び温度
THのディジタルデータの組み合わせが(0,0,1)
である場合は、4ビットD/A変換器54に(1,0,
0,1)のディジタル信号が入力され、約2.969V
のアナログ電圧に変換される。また、クロックパルス信
号が“1”であり、かつ、ヨーレートYAW、加速度
G、及び温度THのディジタルデータの組み合わせが
(1,0,0)である場合は、4ビットD/A変換器5
4に(1,1,0,0)のディジタル信号が入力され、
約3.906Vのアナログ電圧に変換される。
【0037】すなわち、4ビットD/A変換器54から
出力されるアナログ電圧は、4ビットD/A変換器54
に入力されるディジタルデータの最上位ビットが“0”
である場合には、VCC/32(=0.156V)とV
CC/2(=2.5V)との間の電圧となり、一方、4
ビットD/A変換器43に入力されるディジタルデータ
の最上位ビットが“1”である場合には、VCC/2と
約VCC(=5V)との間の電圧となる。4ビットD/
A変換器54に入力されるディジタルデータの最上位ビ
ットは、ハイのパルス幅およびローのパルス幅がそれぞ
れ125μsであるクロックパルス信号を表している。
従って、本実施例においては、4ビットD/A変換器5
4の出力に、クロックパルス信号のハイ/ローに従って
125μsごとに、VCC/2未満のアナログ電圧とV
CC/2を超えるアナログ電圧とが交互に現れる。
【0038】また、各ΔΣ変調器42〜46はそれぞ
れ、アナログ信号をクロックパルス信号の基準となるト
リガ周期T0のディジタル信号に変換するため、それら
の出力はすべてクロックパルス信号に同期している。こ
のため、4ビットD/A変換器54に入力されるディジ
タルデータは、一のトリガから次のトリガまでの期間
(=トリガ周期T0;125μs)中、すなわち、クロ
ックパルス信号がハイになってからローになるまでの期
間およびローになってからハイになるまでの期間中、一
定値に維持される。従って、本実施例において、4ビッ
トD/A変換器54は、図3(B)に示す如く、VCC
/2未満の電圧が一定時間維持される状態と、VCC/
2を超える電圧が一定時間維持される状態とが交互に繰
り返されるアナログ電圧を出力する。尚、4ビットD/
A変換器56も同様に、VCC/2未満の電圧が一定時
間維持される状態と、VCC/2を超える電圧が一定時
間維持される状態とが交互に繰り返されるアナログ電圧
を出力する。
【0039】図1に示す如く、センサ信号処理IC3
4,36は、それぞれマイコン60に接続している。マ
イコン60は、A/D変換器62を備えている。A/D
変換器62は、7つの入力ポートAD0〜AD6を有し
ている。それらの入力ポートAD0〜AD6は、その順
序で隣接して配置されている。入力ポートAD0及びA
D4にはセンサ信号処理IC34の4ビットD/A変換
器54が、入力ポートAD2及びAD6にはセンサ信号
処理IC36の4ビットD/A変換器56が、それぞれ
接続されている。また、入力ポートAD1には接地電圧
GNDが、入力ポートAD3にはイグニション電圧IG
(=12V)を2.5V未満に降圧した電圧が、入力ポ
ートAD5には電源電圧VCC(=5V)を2.5V未
満に降圧した電圧が、それぞれ供給されている。
【0040】図4は、本実施例のセンサ信号処理装置2
0が備えるマイコン60のA/D変換器62の要部構成
図を示す。図4に示す如く、A/D変換器62は、変換
部64を備えている。変換部64は、スイッチ66を介
して上記した入力ポートAD0〜AD6に接続されると
共に、コンデンサ68を介して接地されている。スイッ
チ66は、上記したトリガ周期T0よりも短い一定時間
ごとに、変換部64に接続する入力ポートAD0〜AD
6をその順序で一つずつ循環的に切り替える機能を有し
ている。また、コンデンサ68は、スイッチ66が切り
替わる間、入力されたアナログ電圧を一定に維持する役
割を有している。変換部64は、上記した4ビットD/
A変換器54,56と逆の処理を行うことにより、スイ
ッチ66を介して接続する入力ポートAD0〜AD6か
ら供給されたアナログ電圧を4ビットのディジタルデー
タに変換する。変換部64によるAD変換は、後に詳述
するタイミングで行われる。
【0041】図1に示す如く、A/D変換器62には、
信号比較部70が接続されている。信号比較部70は、
A/D変換器62の変換部64によりAD変換された結
果得られる4ビットのディジタルデータについて後に詳
述する比較演算を行い、その演算の結果得られるディジ
タル信号をビットごとに分離して出力する。信号比較部
70には、フィルタ部72が接続されている。
【0042】図5は、本実施例のセンサ信号処理装置2
0が備えるマイコン60内部の接続を説明するための図
を示す。尚、図5には、マイコン60とセンサ信号処理
IC34との関係のみを示している。フィルタ部72
は、センサ信号処理IC34側のセンサ素子22〜26
に対応して設けられた3つのディジタルフィルタ72a
〜72cと、センサ信号処理IC36側のセンサ素子2
8〜32に対応して設けられた3つのディジタルフィル
タ(図示せず)と、を有している。
【0043】センサ信号処理IC34に対応する3つの
ディジタルフィルタ72a〜72cは、スイッチ66に
より変換部64と入力ポートAD0又はAD4とが接続
されている場合に、図5に示す如く、A/D変換器62
(具体的には、信号比較部70)と接続する。この場
合、ディジタルフィルタ72a〜72cには、そのすべ
てに信号比較部70の演算の結果として得られるディジ
タル信号の最上位ビットが供給されると共に、そのディ
ジタル信号の各下位ビットが供給される。また、センサ
信号処理IC36に対応する3つのディジタルフィルタ
は、スイッチ66により変換部64と入力ポートAD2
又はAD6とが接続されている場合に信号比較部70と
接続する。この場合、それらのディジタルフィルタに
は、そのすべてに信号比較部70の演算結果として得ら
れるディジタル信号の最上位ビットが供給されると共
に、そのディジタル信号の各下位ビットが供給される。
6つの各ディジタルフィルタ72a〜72c等は、それ
ぞれ、供給されるビットについて例えばサンプル数32
個の移動平均を演算する。
【0044】図1に示す如く、フィルタ部72には、補
正量演算部74が接続されている。補正量演算部72
は、フィルタ部72の各ディジタルフィルタ72a〜7
2c等から出力されるデータについて、マイコン60に
内蔵された不揮発性メモリ(図示せず)に書き込まれて
いる補償量データに基づいて、所定のプログラムに従っ
てトリミング演算を行い、その結果を出力としてマイコ
ン60の周辺機器に供給する。
【0045】A/D変換器62には、また、信号異常検
出部76が接続されている。信号異常検出部76は、後
に詳述する如く、A/D変換器62の入力ポートAD0
〜AD6に入力される信号(電圧)の異常、具体的に
は、入力ポートAD0〜AD6のオープン故障を検出す
る。そして、入力ポートAD0〜AD6のオープン故障
を検出した場合は、その旨の注意を車両乗員に喚起すべ
く車室内に設けられた所定の警告ランプを点灯させ警報
ブザーを作動させると共に、誤動作を防止すべくそのオ
ープン故障が発生した入力ポートAD0〜AD6に接続
するセンサ素子22〜32の出力を用いるシステムの制
御を禁止させる。
【0046】以下、本実施例のセンサ信号処理装置20
の動作について具体的に説明する。
【0047】上記の構成において、各センサ素子22〜
32がそれぞれ出力するアナログ電圧は、センサ信号処
理IC34,36のΔΣ変調器42〜52に供給され
る。ΔΣ変調器42〜52に供給されたアナログ電圧は
それぞれ、一定時間間隔ごとにサンプリングされ、トリ
ガ信号発生器から出力されるトリガの周期T0のディジ
タル信号に変換される。この際、すべてのΔΣ変調器4
2〜52は、それぞれ、一のトリガから次のトリガまで
の期間中において常に、供給されたアナログ電圧に応じ
た一定のディジタル出力を維持する。このため、4ビッ
トD/A変換器54において、ΔΣ変調器42〜46か
らそれぞれ供給される1ビットディジタル信号と、クロ
ック信号発生器38から供給されるクロックパルス信号
とを重畳した4ビットディジタルデータを変換したアナ
ログ電圧は、一のトリガから次のトリガまでの期間中
は、16値のうち何れか一の値に維持される。
【0048】A/D変換器62は、入力ポートAD0〜
AD6に現れる電圧を、4ビットD/A変換器54,5
6においてアナログ的に多重化された4つのディジタル
データが現れるようにディジタルデータに変換する。A
/D変換器62が例えば4ビットD/A変換器54から
供給されたアナログ電圧をディジタル信号に変換した場
合は、その出力に、最上位ビットからクロックパルス信
号,ヨーレートYAWのディジタルデータ,加速度Gの
ディジタルデータ,温度THのディジタルデータが現れ
る。この際、一のトリガから次のトリガまでの期間中
は、4ビットD/A変換器54,56から出力されるア
ナログ電圧が一定値に維持されるため、A/D変換器6
2から出力されるディジタル信号も一定値に維持され
る。
【0049】A/D変換器62から信号比較部70を介
して出力された信号は、フィルタ部72に供給され、デ
ィジタルデータの各ビットについて移動平均処理され
る。そして、その移動平均が施された結果得られた信号
は、トリミングされた後、各センサ素子22〜32の出
力値としてマイコン60の周辺機器に供給され、各種演
算に用いられる。
【0050】このように、本実施例においては、センサ
信号処理IC34がセンサ素子22〜26による各アナ
ログ信号をΔΣ変調器42〜46及び4ビットD/A変
換器54を用いてアナログ多重化して1ピンでマイコン
60のA/D変換器62に供給すると共に、センサ信号
処理IC36がセンサ素子28〜32による各アナログ
信号をΔΣ変調器48〜52及び4ビットD/A変換器
56を用いてアナログ多重化して1ピンでマイコン60
のA/D変換器62に供給する。このため、各センサ素
子22〜32の出力がそれぞれマイコン60に供給され
る構成に比して、センサ信号処理IC34,36の出力
端子の数が少なくてよく、その削減が図られている。
【0051】また、4ビットD/A変換器54が、各Δ
Σ変調器42〜46により変換された各1ビットディジ
タル信号とクロックパルス信号とを重畳した4ビットデ
ィジタルデータをアナログ多重信号に変換し、1ピンで
マイコン60のA/D変換器62に供給すると共に、4
ビットD/A変換器56が、各ΔΣ変調器48〜52に
より変換された各1ビットディジタル信号とクロックパ
ルス信号とを重畳した4ビットディジタルデータをアナ
ログ多重信号に変換し、1ピンでマイコン60のA/D
変換器62に供給する。このため、センサ信号処理IC
34,36とマイコン60との同期を出力ポートの数を
増やすことなく実現させることができる。すなわち、本
実施例によれば、クロックパルス信号と各センサ素子2
2〜32に対応したディジタルデータとが分離してマイ
コン60に供給される構成と比較して、センサ信号処理
IC34,36とマイコン60との同期を実現させるう
えで出力ポートの数の減少が図られている。
【0052】ところで、本実施例の如くA/D変換器6
2においてアナログ多重信号がディジタル信号に変換さ
れる構成においては、アナログ多重信号のノイズマージ
ンは小さいため、入力データの取りこぼしやノイズ重畳
等に起因して、そのアナログ多重信号に応じた適正なデ
ィジタル信号が得られる可能性が低くなる。アナログ多
重信号は、各センサ素子22〜32によるアナログ信号
をΔΣ変調器42〜52においてトリガ周期T0のディ
ジタル信号に変換した後に、それら複数のディジタル信
号を重畳してDA変換したものであるので、A/D変換
器62において入力データの取りこぼしやノイズの重畳
等に起因して真値が得られない事態が生ずると、A/D
変換器62によるAD変換後のディジタル信号のデータ
列が各センサ素子22〜32の出力を正確に示したもの
とならなくなる。この点、A/D変換器62におけるA
D変換が精度よく行われないと、センサ素子22〜32
の出力として信頼性が確保されず、その後のシステム処
理に悪影響が及んでしまう。
【0053】そこで、本実施例においては、センサ信号
処理IC34,36から供給されるアナログ電圧(アナ
ログ多重信号)についてA/D変換器62におけるAD
変換を精度よく行うことで、マイコン60からのセンサ
素子22〜32の出力としての信頼性を確保する点に第
1の特徴を有している。以下、図6及び図7を参照し
て、本実施例の第1の特徴点について説明する。
【0054】本実施例において、ΔΣ変調器42〜52
からのディジタル出力はすべてクロックパルスに同期し
ているため、4ビットD/A変換器54,56に入力さ
れる各ディジタルデータは、一のトリガから次のトリガ
までの期間中、すなわち、クロックパルス信号がハイ状
態に維持される期間中及びロー状態に維持される期間中
のそれぞれで、一定値に維持される。このため、4ビッ
トD/A変換器54,56から出力され、A/D変換器
62に入力される各アナログ電圧も、一のトリガから次
のトリガまでの期間中、通常は一定値に維持される。
【0055】従って、一のトリガから次のトリガまでの
期間中に、4ビットD/A変換器54に接続するA/D
変換器62の入力ポートAD0及びAD4に現れるアナ
ログ電圧が複数回AD変換され、また、4ビットD/A
変換器56に接続する入力ポートAD2及びAD6に現
れるアナログ電圧が複数回AD変換されたとしても、そ
れぞれ、複数回のすべてにおいて互いに一致したディジ
タルデータが得られる筈である。一方、かかるAD変換
が複数回行われた結果として互いに一致するディジタル
データが得られなかった場合は、何れかのAD変換が精
度よく行われなかったことを示しており、かかる状況下
においては、互いに一致するディジタルデータの得られ
る回数を計数し、その回数に基づいてA/D変換器62
による出力として出力すべきディジタルデータを確定す
ることとすれば、データとしての信頼性を向上させるこ
とが可能となる。
【0056】尚、A/D変換器62は、一のトリガから
次のトリガまでの期間T0中に、4ビットD/A変換器
54,56からの各アナログ電圧についてそれぞれ複数
回のAD変換を行う必要があるが、以下、説明の便宜の
ため、まず、4ビットD/A変換器54からのアナログ
電圧をAD変換する場合について説明する。
【0057】図6は、本実施例においてA/D変換器6
2が行う4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧
についてのAD変換の実行時期を説明するための図を示
す。尚、図6には、4ビットD/A変換器54,56か
ら出力され、A/D変換器62に入力されるアナログ電
圧の正常な時間変化が実線で示されている。本実施例に
おいては、A/D変換器62に、一のトリガから次のト
リガまでの期間T0中に、すなわち、クロックパルス信
号がハイ状態に維持される期間中及びロー状態に維持さ
れる期間中のそれぞれで、4ビットD/A変換器54か
ら供給されるアナログ電圧について複数回(本実施例に
おいて3回)のAD変換を実行させる。
【0058】AD変換器62の変換部64に接続する入
力ポートAD0〜AD6はその順序で一つずつ等間隔で
循環的に切り替わるので、具体的には、一のトリガから
次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0に現れ
る電圧が3回AD変換されるように、変換部64と入力
ポートAD0〜AD6との接続を切り替えるスイッチ6
6の切替周期を設定し、スイッチ66により変換部64
が入力ポートAD0に接続するごとに変換部64に入力
される電圧をディジタル信号に変換させる。尚、入力ポ
ートAD4には入力ポートAD0と同一の電圧が現れる
ため、スイッチ66の切替周期を、一のトリガから次の
トリガまでの期間T0中に入力ポートAD0,AD4に
現れる電圧が3回AD変換されるように設定し、変換部
64が入力ポートAD0,AD4に接続するごとにAD
変換処理を行うこととしてもよい。
【0059】ここで、A/D変換器62の入力ポートA
D0、AD2、AD4、及びAD6には、トリガを基準
にして生成されるハイ/ローのパルス幅がそれぞれ12
5μsであるクロックパルス信号の重畳されたアナログ
電圧が入力されるが、そのアナログ電圧が立ち上がる直
前および直後ならびに立ち下がる直前および直後は、そ
の電圧値が不安定であるので、かかる時期にA/D変換
器62においてAD変換が行われても、精度のよいディ
ジタルデータを得ることができないおそれがある。
【0060】そこで、本実施例においては、A/D変換
器62に、入力ポートAD0、AD2、AD4、及びA
D6の何れかに現れたアナログ電圧の立ち上がり及び立
ち下がりを監視させると共に、図6に示す如く、トリガ
周期T0からそれらの前後の過渡時間t0,t1を除い
た期間T1(=T0−t0−t1)中に4ビットD/A
変換器54からのアナログ電圧について3回のAD変換
が行われるように、アナログ電圧の立ち上がり又は立ち
下がり後、過渡時間t1が経過した時点で1回目のAD
変換を実行させ、その後、時間T1/2が経過した時点
で2回目のAD変換を実行させ、更に時間T1/2が経
過した時点で3回目のAD変換を実行させる。尚、これ
らのAD変換は、スイッチ66により変換部64が入力
ポートAD0に接続する時期と一致するタイミングで行
われる。
【0061】そして、A/D変換器62において4ビッ
トD/A変換器54からのアナログ電圧について3回の
AD変換が行われた結果としてそれぞれ得られる4ビッ
トディジタルデータのすべてが供給される信号比較部7
0に、それら複数の4ビットディジタルデータがデータ
として互いに一致するか否かを判別させると共に、その
多数決に基づいてセンサ素子22〜26の出力に対する
A/D変換器62の出力としてのディジタル信号を確定
させる。
【0062】また、本実施例においては、A/D変換器
62に、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中
に、4ビットD/A変換器54からのアナログ電圧につ
いてのAD変換とは別に、4ビットD/A変換器56か
らのアナログ電圧について複数回(3回)のAD変換を
実行させる。変換部64に接続する入力ポートAD0〜
AD6はその順序で一つずつ等間隔で循環的に切り替わ
るので、変換部64は、4ビットD/A変換器54と接
続する入力ポートAD0に接続した後に必ず、4ビット
D/A変換器56と接続する入力ポートAD2に接続す
る。変換部64と入力ポートAD0〜AD6との接続を
切り替えるスイッチ66の切替周期は、上記の如く一の
トリガから次のトリガまでの期間T0中に入力ポートA
D0に現れる電圧が3回AD変換されるように設定され
ているため、具体的には、スイッチ66により変換部6
4が入力ポートAD2に接続するごとに変換部64に入
力される電圧をディジタル信号に変換させる。
【0063】ここで、入力ポートAD2に現れる電圧の
AD変換は、入力ポートAD0に現れる電圧のAD変換
よりもスイッチ66の切替周期の2周期分だけ遅れるた
め、入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6に
現れたアナログ電圧の立ち上がり前または立ち下がり前
の過渡時間t0が短い時間に設定されていると、入力ポ
ートAD2に現れる電圧がAD変換される際には既にそ
の電圧値が不安定になっているおそれがある。従って、
かかる不都合を回避するうえでは、上記の過渡時間t0
を十分に長くすることが適切である。
【0064】そして、A/D変換器62において4ビッ
トD/A変換器56からのアナログ電圧について3回の
AD変換が行われた結果としてそれぞれ得られる4ビッ
トディジタルデータのすべてが供給される信号比較部7
0に、それら複数の4ビットディジタルデータがデータ
として互いに一致するか否かを判別させると共に、その
多数決に基づいてセンサ素子28〜32の出力に対する
A/D変換器62の出力としてのディジタル信号を確定
させる。
【0065】すなわち、本実施例においては、A/D変
換器62が、一のトリガから次のトリガまでの期間T0
中に4ビットD/A変換器54,56からの各アナログ
電圧についてそれぞれ複数回のAD変換を実行し、信号
比較部70が、4ビットD/A変換器54,56ごと
に、AD変換された結果として得られた複数の4ビット
ディジタルデータ同士の多数決結果に基づいたディジタ
ル信号を出力する。このように一のトリガから次のトリ
ガまでの期間T0中に複数回のAD変換が行われ、その
多数決結果に基づいて、出力するディジタル信号が確定
されれば、A/D変換器62におけるAD変換が精度よ
く行われることとなるので、センサ素子22〜32の出
力としての信頼性を確保することが可能となる。
【0066】図7は、上記の機能を実現すべく、本実施
例においてマイコン60の信号比較部70が実行する制
御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示す
ルーチンは、センサ信号処理IC34,36の4ビット
D/A変換器54,56からのアナログ電圧ごとに、各
アナログ電圧にそれぞれ対応した適当なタイミングで、
所定時間ごとに、具体的には、スイッチ66による入力
ポートAD0〜AD6の切替が一順するごとに繰り返し
起動されるルーチンである。図7に示すルーチンが起動
されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0067】ステップ100では、A/D変換器62に
おける入力ポートAD0又はAD2に現れる電圧を4ビ
ットディジタルデータに変換するAD変換を終了させる
処理が実行される。ステップ102では、上記ステップ
100でAD変換された結果として得られた4ビットデ
ィジタルデータを抽出する処理が実行される。
【0068】ステップ104では、上記ステップ102
で抽出された4ビットディジタルデータの最上位ビット
(すなわち、クロックパルス信号を表すビット)が、前
回処理時において抽出された4ビットディジタルデータ
の最上位ビットと一致するか否かが判別される。最上位
ビットが一致しない場合は、前回処理時から今回処理時
にかけてクロックパルス信号がハイからローへ切り替わ
り或いはローからハイへ切り替わったと判断でき、A/
D変換器62に入力されるアナログ多重信号(電圧)が
変化したと判断できる。かかる否定判定がなされた場合
は、以後、何らの処理も進められることなく今回のルー
チンは終了される。
【0069】一方、最上位ビットが一致する場合は、ク
ロックパルス信号がハイ又はローに維持される状態が継
続していると判断でき、A/D変換器62に入力される
アナログ電圧は一定値に維持され、AD変換される結果
として得られる4ビットディジタルデータが一定値に維
持されるべき状況にあると判断できる。従って、本ステ
ップ104において肯定判定がなされた場合は、次にス
テップ106の処理が実行される。
【0070】ステップ106では、上記ステップ102
で4ビットディジタルデータが抽出された結果として、
最上位ビットを含む全ビットについて互いに一致する4
ビットディジタルデータの得られた回数が、一のトリガ
から次のトリガまでの期間T0中に入力ポートAD0又
はAD2に現れる電圧に対して行われるべきAD変換の
回数(3回)の過半数(2回)となるか否か、すなわ
ち、一のトリガから次のトリガまでの期間T0中にAD
変換が複数回行われることによりそれぞれ得られた4ビ
ットディジタルデータの多数決が成立するか否かが判別
される。その結果、多数決が成立すると判別された場合
は、次にステップ108の処理が実行される。一方、多
数決が成立しないと判別された場合は、次にステップ1
10の処理が実行される。
【0071】ステップ108では、上記ステップ106
の処理の結果により互いに一致する4ビットディジタル
データの得られた回数が過半数となったその4ビットデ
ィジタルデータを、センサ素子22〜26又は28〜3
2の出力に対するA/D変換器62による出力として確
定させる処理が実行される。本ステップ108の処理が
実行されると、以後、その4ビットディジタルデータ
は、フィルタ部72等を介してマイコン60の周辺機器
に供給される。本ステップ108の処理が終了すると、
今回のルーチンは終了される。
【0072】ステップ110では、上記ステップ102
で4ビットディジタルデータが抽出された結果として、
最上位ビットを含む全ビットについて互いに一致する4
ビットディジタルデータの得られた回数が、n回(2
回)連続したか否かが判別される。その結果、肯定判定
がなされた場合は、次に上記ステップ108の処理が実
行され、A/D変換器62による出力としての4ビット
ディジタルデータを確定させる。一方、否定判定がなさ
れた場合は、A/D変換器62による出力としての4ビ
ットディジタルデータを確定させることはできないの
で、次にステップ112の処理が実行される。
【0073】尚、本実施例においては、一のトリガから
次のトリガまでの期間T0中に同一であるべき電圧につ
いて3回のAD変換が行われるため、上記ステップ10
6において否定判定がなされると共に本ステップ110
において肯定判定がなされることは起こり得ないが、上
記の期間中に3回を超える多数(例えば5回)のAD変
換が行われる構成においては、上記ステップ106にお
いて否定判定がなされると共に本ステップ110におい
て肯定判定がなされる事態は生じ得るため、本ステップ
110の処理は有効なものとなる。すなわち、このよう
な構成において、全ビットについて互いに一致する4ビ
ットディジタルデータの得られた回数が過半数ではない
が連続した場合(例えば2回連続した場合)には、その
4ビットディジタルデータは正確なデータとしてなって
いる可能性が高く、その後のAD変換によっても同一の
4ビットディジタルデータが得られる可能性が高いと判
断できるので、そのデータをA/D変換器62による出
力として確定させることとしても不都合はない。従っ
て、本ステップ110の処理によれば、4ビットディジ
タルデータの多数決が成立しなくても、A/D変換器6
2による出力としてのディジタルデータを早期に確定さ
せることが可能となる。
【0074】ステップ112では、クロックパルス信号
が一致するにもかかわらず全体として一致しない4ビッ
トディジタルデータが得られたとして、そのデータをト
リガ間におけるA/D変換器62による出力として取り
扱わない無効判定処理が実行される。本ステップ112
の処理が実行されると、以後、フィルタ部72に、その
トリガ間における4ビットディジタルデータが確定しな
い旨を示す信号(以下、不確定信号と称す)が供給さ
れ、そのトリガ間における4ビットディジタルデータを
無効なものとしてフィルタ部72における演算が行われ
る。本ステップ112の処理が終了すると、次にステッ
プ114の処理が実行される。尚、本ステップ112の
処理が実行された後に、次回のルーチンでステップ10
6又は108で肯定判定がなされた場合は、不確定信号
の供給を中止し、そのトリガ間における4ビットディジ
タルデータを確定することとしてもよい。
【0075】ステップ114では、車両が1トリップす
る間に、上記ステップ112の処理の実行が所定回数N
以上生じたか否かが判別される。尚、所定回数Nは、車
両乗員への注意を喚起し或いはセンサ素子22〜32の
出力によるシステム制御を禁止するための、車両が1ト
リップする間に上記した不確定信号が供給される状態、
すなわち、トリガ間における4ビットディジタルデータ
が互いに一致しない状態が発生した最小回数である。そ
の結果、否定判定がなされた場合は、今回のルーチンは
終了される。一方、肯定判定がなされた場合は、次にス
テップ116の処理が実行される。
【0076】ステップ116では、A/D変換器62に
おけるAD変換が精度よく行われていないとして、異常
確定処理が実行される。具体的には、車両乗員にその旨
の注意を喚起すべく車室内に設けられた所定の警告ラン
プを点灯させ警報ブザーを作動させると共に、誤動作を
防止すべく当該センサ素子22〜32の出力が用いられ
ているシステムの制御を禁止させる処理が実行される。
本ステップ116の処理が終了すると、今回のルーチン
は終了される。
【0077】上記図7に示すルーチンによれば、一のト
リガから次のトリガまでの期間T0中に4ビットD/A
変換器54,56からの各アナログ電圧についてそれぞ
れ複数回のAD変換が行われた結果として、互いに一致
する4ビットディジタルデータの得られた回数が、その
期間T0に行われるべきAD変換の回数の過半数となっ
た場合又はn回連続した場合に、そのディジタルデータ
をその期間T0におけるA/D変換器62による出力と
して確定させることができる。一方、かかる条件が成立
しない場合、すなわち、複数回のAD変換が行われた結
果としてそれぞれ得られた4ビットディジタルデータが
互いに一致しない場合及び多数決が成立しない場合に
は、かかる期間T0における4ビットディジタルデータ
を無効なものとすることができる。
【0078】A/D変換器62における入力アナログ電
圧の取りこぼしや4ビットD/A変換器54,56とA
/D変換器62との間における入力アナログ電圧に対す
るノイズの重畳等は、通常、継続して生ずるものではな
い。従って、上記の構成によれば、一のトリガから次の
トリガまでの期間T0中に各入力ポートに現れる電圧に
ついてA/D変換器62におけるAD変換が一度しか行
われない構成と異なり、A/D変換器62による出力と
して真値が得られない事態の発生を抑制することができ
る。
【0079】すなわち、本実施例によれば、トリガ間T
0に唯一回のAD変換が行われ、その一回のAD変換の
結果に基づいてA/D変換器62による出力が確定され
る構成に比して、センサ信号処理IC34,36から供
給されるアナログ多重信号(電圧)から4ビットのディ
ジタルデータへのAD変換を精度よく行うことができ、
その精度の向上が図られている。このように、本実施例
のセンサ信号処理装置20においては、センサ素子22
〜32のディジタル出力としてのA/D変換器62にお
けるAD変換後の出力の信頼性を確保することが可能と
なっている。
【0080】上記の如く、本実施例において、フィルタ
部72は、信号比較部70から不確定信号が供給される
と、一のトリガから次のトリガまでの期間T0における
4ビットディジタルデータを無効なものとして演算を行
う。具体的には、フィルタ部72の各ディジタルフィル
タ72a〜72c等は、上述の如く、供給されるビット
についてサンプル数32個の移動平均を演算するもので
あるが、信号比較部70から不確定信号が供給された場
合には、そのトリガ間T0におけるディジタルデータを
無効とし、一減らしたサンプル数の移動平均を演算す
る。
【0081】かかる処理によれば、センサ素子22〜3
2の出力として真値を示していない可能性の高いディジ
タルデータがフィルタ部72における演算に用いられる
ことは回避される。このため、本実施例によれば、かか
るデータがフィルタ演算に用いられることに起因して出
力の信頼性が低下するのを防止することができ、その結
果、センサ素子22〜32の出力としての信頼性を確実
に確保することができる。
【0082】また、本実施例において、4ビットD/A
変換器54,56から出力され、A/D変換器62に入
力されるアナログ電圧は、一のトリガから次のトリガま
での期間T0中、16値のうち何れか一の値に維持さ
れ、VCC/2未満の電圧がトリガ間T0だけ維持され
る状態と、VCC/2を超える電圧がトリガ間T0だけ
維持される状態とを交互に繰り返す。従って、正常時に
おいて、A/D変換器62におけるAD変換により得ら
れるディジタルデータが互いに一致する状態が、一のト
リガから次のトリガまでの期間T0を超えて継続するこ
とはない。
【0083】すなわち、4ビットディジタルデータが互
いに一致する状態が上記の期間T0を超えて継続した場
合には、センサ素子22〜32とA/D変換器62との
間のシステムにおいて何らかの異常が生じたと判断で
き、A/D変換器62における少なくとも直近のAD変
換が正常に行われていなかったと判断できる。この場
合、そのAD変換により得られたディジタルデータがそ
のまま演算に用いられ或いは出力として後段に供給され
るものとすると、A/D変換器62におけるAD変換後
の出力の信頼性が低下することとなる。
【0084】そこで、本実施例においては、A/D変換
器62におけるAD変換により得られた4ビットディジ
タルデータが互いに一致する状態が一のトリガから次の
トリガまでの期間T0を超えて継続した場合、フィルタ
部72に、その超えた期間において得られた4ビットデ
ィジタルデータを無効なものとして演算を行わせる。か
かる処理によれば、センサ素子22〜32の出力として
真値を示していない可能性の高いディジタルデータがフ
ィルタ部72における演算に用いられないことで、AD
変換後の出力の信頼性が低下するのを防止することがで
き、その結果、センサ素子22〜32の出力としての信
頼性を確実に確保することが可能となる。
【0085】次に、上記図3を参照して、本実施例のセ
ンサ信号処理装置20が備えるA/D変換器62の入力
ポートAD0〜AD6のオープン故障検出を行う手法に
ついて説明する。本実施例においては、センサ信号処理
IC34,36と接続する入力ポートAD0、AD2、
AD4、及びAD6のオープン故障検出の手法に第2の
特徴を有している。
【0086】本実施例においては、図3(B)に示す如
く、4ビットD/A変換器54,56からそれぞれ、ク
ロックパルス信号のハイ/ローに従って125μsごと
に、VCC/2未満のアナログ電圧とVCC/2を超え
るアナログ電圧とが交互に出力される。このため、正常
時においては、かかる出力が入力されるA/D変換器6
2の入力ポートAD0、AD2、AD4、及びAD6に
それぞれ、クロックパルス信号のハイ/ローに従って1
25μsごとに、VCC/2(=2.5V)未満のアナ
ログ電圧とVCC/2を超えるアナログ電圧とが交互に
現れる。
【0087】一方、上記の入力ポートAD0、AD2、
AD4、又はAD6がオープン故障している場合には、
その入力ポートに4ビットD/A変換器54,56から
の電圧が供給されない。上記図4に示す如き構成を有す
るA/D変換器62においてAD変換が行われる際に
は、スイッチ66を介して入力されたアナログ電圧がコ
ンデンサ68に充電される。このため、オープン故障が
生じた入力ポートAD0、AD2、AD4、又はAD6
についてのAD変換が行われる際は、その直前にAD変
換された入力ポートAD1、AD3、又はAD5の電圧
がコンデンサ68に残存する。従って、入力ポートAD
0、AD2、AD4、又はAD6がオープン故障してい
る状況下においては、その故障している入力ポートのA
D変換時にその入力ポートにコンデンサ68に蓄えられ
ている電圧が現れる。
【0088】本実施例においては、A/D変換器62
の、その順序で隣接して配置された入力ポートAD0〜
AD6に、順に4ビットD/A変換器54からのアナロ
グ電圧、接地電圧GND、4ビットD/A変換器56か
らのアナログ電圧、イグニション電圧IGの2.5V未
満の降圧電圧、4ビットD/A変換器54からのアナロ
グ電圧、電源電圧VCCの2.5V未満の降圧電圧、及
び4ビットD/A変換器56からのアナログ電圧が供給
されると共に、A/D変換器62の変換部64がその順
序で一つずつ循環的に各入力ポートAD0〜AD6に接
続するため、入力ポートAD2、AD4、又はAD6が
オープン故障している状況下においては、具体的に、そ
のオープン故障している入力ポートのAD変換時にその
入力ポートに接地電圧GND、イグニション電圧IGの
2.5V未満の降圧電圧、又は電源電圧VCCの2.5
V未満の降圧電圧以下の電圧が現れる。すなわち、オー
プン故障している入力ポートAD2、AD4、又はAD
6についてのAD変換が行われる際にコンデンサ68に
電圧が残存していても、その電圧が2.5Vを超えるこ
とはない。
【0089】このように、本実施例においては、入力ポ
ートAD2、AD4、又はAD6がオープン故障した場
合にはその入力ポートに2.5V未満の電圧しか現れな
い一方、オープン故障していない場合には入力ポートに
所定時間ごとに2.5V未満の電圧と2.5Vを超える
電圧とが交互に現れる。A/D変換器62は、入力ポー
トAD0〜AD6に入力された電圧が2.5V未満であ
る場合、出力する4ビットディジタルデータの最上位ビ
ットを“0”とし、かかる電圧が2.5Vを超える場
合、かかる最上位ビットを“1”とする。従って、入力
ポートAD2、AD4、又はAD6がオープン故障した
場合にはその入力ポートについてのA/D変換器62の
ディジタル出力として最上位ビットが“0”を継続する
一方、オープン故障が生じていない場合にはその最上位
ビットが所定時間ごとに“0”と“1”とを交互に繰り
返す。
【0090】そこで、本実施例においては、入力ポート
AD2、AD4、及びAD6の電圧についてそれぞれA
/D変換器62によりAD変換された結果得られるディ
ジタルデータの最上位ビット(クロックパルス信号)が
監視される。具体的には、信号異常検出部76が、入力
ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧がAD変換さ
れた結果としてA/D変換器62から供給されるディジ
タルデータの最上位ビットを監視する。そして、かかる
最上位ビットが所定時間(具体的には、トリガ周期T
0)ごとに“0”と“1”とを交互に繰り返した場合に
はその入力ポートにオープン故障は生じていないと判別
し、一方、かかる最上位ビットが所定時間が経過しても
“0”を継続する場合にはその入力ポートにオープン故
障が生じていると判別する。かかる処理によれば、入力
ポートAD2、AD4、及びAD6のそれぞれのオープ
ン故障を検出することが可能となる。
【0091】尚、電源電圧VCC及びイグニション電圧
IGの監視のためには、それらの電圧をマイコン60の
A/D変換器62に入力させAD変換させる必要があ
る。この点、電源電圧VCCは5V程度であり、また、
イグニション電圧IGは12V程度であるので、そのま
まの電圧がA/D変換器62に入力されるものとする
と、そのAD変換が行われた後、オープン故障している
4ビットD/A変換器54,56の接続する入力ポート
についてのAD変換が行われる際に、2.5Vを超える
電圧がコンデンサ68に残存している可能性があり、入
力ポートAD2、AD4、及びAD6のオープン故障検
出が精度よく行われないおそれがある。
【0092】かかる点を考慮して、電源電圧VCC及び
イグニション電圧IGのAD変換が行われた後に、コン
デンサ68に残存する電圧を放電させるべく接地電圧G
NDのAD変換を行うことが考えられる。しかしなが
ら、かかる構成では、A/D変換器62がAD変換すべ
き電圧が増大し、その結果、AD変換による処理負担が
過大となってしまう。
【0093】これに対して、本実施例において、A/D
変換器62が電源電圧VCC及びイグニション電圧IG
の監視のためにAD変換する電圧は、電源電圧VCCを
2.5V未満に降圧させた電圧であり、また、イグニシ
ョン電圧IGを2・5V未満に降圧させた電圧である。
かかる構成においては、電源電圧VCC及びイグニショ
ン電圧IGの監視を行うことは可能であると共に、その
降圧された電圧のAD変換が行われた後に、オープン故
障している入力ポートについてのAD変換が行われて
も、2.5Vを超える電圧がコンデンサ68に残存する
ことは回避される。
【0094】このため、本実施例においては、電源電圧
VCC及びイグニション電圧IGの降圧電圧に対するA
D変換が行われた後に、コンデンサ68に残存する電圧
を放電させるべく接地電圧GNDのAD変換を行うこと
は不要であると共に、4ビットD/A変換器54,56
の接続する入力ポートについてのAD変換を行うことが
可能である。従って、本実施例によれば、AD変換によ
る処理負担を増大させることなく、入力ポートAD2、
AD4、及びAD6のオープン故障検出を精度よく行う
ことが可能となっている。
【0095】また、本実施例においては、A/D変換器
62が4ビットD/変換器54,56からの電圧と接地
電圧GND,イグニション電圧IG,電源電圧VCCと
を交互にAD変換するように、A/D変換器62の入力
ポートAD0〜AD6が、その順序で隣接して配置され
ると共に、所定時間ごとにその順序で一つずつ循環的に
切り替わって変換部64に接続される。この際、マイコ
ン60は、各入力ポートAD0〜AD6と変換部64と
の接続を制御するスイッチ66を所定時間ごとにその順
序で一つずつ切り替えることとすればよい。このため、
各入力ポートAD0〜AD6と変換部64との接続を適
正に制御するうえでマイコン60に過大な処理負荷が加
わることは回避される。従って、本実施例のシステムに
よれば、高性能のマイコンを用いることなく各入力ポー
トAD2、AD4、及びAD6についての高精度のオー
プン故障検出が実現されている。
【0096】尚、入力ポートAD0がオープン故障して
いる場合には、そのAD変換時にその入力ポートに入力
ポートAD6に供給されたアナログ電圧以下の電圧が現
れるが、入力ポートAD6に供給されたアナログ電圧が
2.5Vを超える電圧であると、2.5Vを超える電圧
が現れるおそれがある。入力ポートAD0に現れる電圧
は、入力ポートAD4に現れる電圧と同一である。従っ
て、正常時においては、入力ポートAD0についての電
圧をAD変換した結果得られるディジタルデータと、そ
の直後に入力ポートAD4についての電圧をAD変換し
た結果得られるディジタルデータとは一致する。一方、
入力ポートAD0がオープン故障している場合は、両者
が一致する可能性は極めて小さい。
【0097】そこで、本実施例においては、入力ポート
AD0のオープン故障を検出するうえで、入力ポートA
D0の電圧がAD変換された結果得られるディジタルデ
ータと、その直後に入力ポートAD4の電圧がAD変換
された結果得られるディジタルデータとの一致/不一致
が監視される。具体的には、信号異常検出部76が、両
ディジタルデータの一致/不一致を監視する。そして、
両者が一致する場合には入力ポートAD0にオープン故
障が生じていないと判別し、一方、不一致が生じた場合
あるいは不一致の状態が所定回数継続した場合には入力
ポートAD0にオープン故障が生じていると判別する。
かかる処理によれば、入力ポートAD0についてもオー
プン故障を検出することが可能となる。
【0098】尚、上記の実施例においては、トリガ周期
T0が特許請求の範囲に記載した「所定時間」に、ΔΣ
変調器42〜52及び4ビットD/A変換器54,56
が特許請求の範囲に記載した「変調手段」に、A/D変
換器62及び信号比較部70が特許請求の範囲に記載し
た「AD変換手段」に、フィルタ部72が特許請求の範
囲に記載した「フィルタ手段」に、それぞれ相当してい
る。
【0099】また、上記の実施例においては、マイコン
60の信号異常検出部76が、A/D変換器62の入力
ポートAD2、AD4、及びAD6の電圧がAD変換さ
れた結果としてA/D変換器62から供給されるディジ
タルデータの最上位ビットを監視することで入力ポート
AD2、AD4、及びAD6のオープン故障を検出する
ことにより、特許請求の範囲に記載した「故障検出手
段」が実現されていると共に、入力ポートAD2、AD
4、及びAD6が特許請求の範囲に記載した「入力ポー
ト」に、入力ポートAD1、AD3、及びAD5が特許
請求の範囲に記載した「補助ポート」に、イグニション
電圧IGの2.5V未満の降圧電圧および電源電圧VC
Cの2.5V未満の降圧電圧が特許請求の範囲に記載し
た「所定電圧」に、それぞれ相当している。
【0100】ところで、上記の実施例においては、信号
比較部70は、一のトリガから次のトリガまでの期間T
0中に互いに一致する4ビットディジタルデータの得ら
れた回数が、その期間T0に行われるべきAD変換の過
半数となった場合又はn回連続した場合に、そのディジ
タルデータをその期間T0におけるA/D変換器62に
よる出力として確定するが、かかる確定がなされた後に
上記の期間T0において行うべきAD変換が残っている
場合には、A/D変換器62にそのAD変換の実行を禁
止させることとしてもよい。かかる構成においては、A
/D変換器62に無駄にAD変換を行わせる事態が回避
され、その処理負担の軽減が図れることとなる。
【0101】また、上記の確定がなされた後に上記の期
間T0中に行うべきAD変換が残っている場合には、信
号比較部70に、その残っているAD変換の結果として
得られたディジタルデータがその前のディジタルデータ
に一致するか否かの判別の実行を禁止させることとして
もよい。かかる構成においては、信号比較部70に無駄
にディジタルデータの一致/不一致の判別を行わせる事
態が回避され、その処理負担の軽減が図れることとな
る。
【0102】また、上記の実施例においては、A/D変
換器62における複数回のAD変換が行われた結果とし
てそれぞれ得られた4ビットディジタルデータが互いに
一致しない場合には、信号比較部70にかかる期間T0
における4ビットディジタルデータを無効なものとして
不確定信号を出力させ、フィルタ部72に当該期間T0
における4ビットディジタルデータを無効なものとして
演算を行わせることとしているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、信号比較部70にそれら互いに一
致しない4ビットディジタルデータの各ビットの平均値
または中間値を演算させると共に出力させ、フィルタ部
72にその平均値または中間値を一つのサンプルとして
用いて移動平均を演算させることとしてもよい。かかる
構成においては、センサ素子22〜32の出力として真
値を示していない可能性の高いディジタルデータがその
ままフィルタ演算に用いられる場合に比して、データと
しての誤差が縮小されるので、出力の信頼性低下の抑制
が図られ、その結果、センサ素子22〜32の出力とし
ての信頼性が確保されることとなる。
【0103】また、上記の実施例においては、A/D変
換器62の入力ポートAD0〜AD6を、その順序で隣
接して配置すると共に、その順序で一つずつ循環的に切
り替えて変換部64に接続させることで、4ビットD/
変換器54,56からの電圧と接地電圧GND,イグニ
ション電圧IG,電源電圧VCCとを交互にAD変換す
ることとしているが、A/D変換器62に4ビットD/
変換器54,56からの電圧と接地電圧GND,イグニ
ション電圧IG,電源電圧VCCとを交互にAD変換さ
せることとすれば十分であり、上記の如く電圧が供給さ
れる入力ポートAD0〜AD6をその順序で隣接して配
置する必要もなく、また、入力ポートAD0〜AD6を
その順序で切り替える必要もない。
【0104】また、イグニション電圧IGおよび電源電
圧VCCの監視は頻繁に行うことは不要である。従っ
て、入力ポートAD0〜AD6の切り替えをランダムに
行うことが可能な構成においては、A/D変換器62の
入力ポートAD0〜AD6に図1に示す如き電圧が供給
される場合、入力ポートAD0〜AD2についての電圧
を順にAD変換するのを常態とし、所定時間が経過した
等の所定の条件が成立した場合にのみ他の入力ポートA
D3〜AD6についての電圧をAD変換することとして
もよい。かかる構成によれば、常態でAD変換を行うべ
き入力ポートが減少することで、AD変換による処理負
担の軽減が図られることとなる。
【0105】また、上記の実施例においては、入力ポー
トAD2、AD4、及びAD6のオープン故障を検出す
るうえで、A/D変換器62によりAD変換された結果
得られたディジタルデータの最上位ビット(クロックパ
ルス信号)を監視することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、各入力ポートAD2、AD
4、及びAD6の電圧自体をそれぞれ監視することとし
てもよい。すなわち、各入力ポートに所定時間ごとに
2.5V未満の電圧と2.5Vを超える電圧とが交互に
現れるか否かを判別することにより各入力ポートのオー
プン故障を検出することとしてもよい。
【0106】また、上記の実施例においては、センサ信
号処理IC34の4ビットD/A変換器54からの出
力、及び、センサ信号処理IC36の4ビットD/A変
換器56からの出力を、それぞれ、A/D変換器62の
2つの入力ポートAD0(AD2),AD4(AD6)
に供給することとしているが、一つの入力ポートのみに
供給することとしてもよい。かかる構成によれば、AD
変換を行うべき入力ポートが減少することで、AD変換
による処理負担の軽減が図られることとなる。
【0107】また、上記の実施例においては、A/D変
換器62に、複数のセンサ素子22〜32のアナログ信
号が多重化されたアナログ多重信号が2つ供給される構
成が採用されているが、唯一つのアナログ多重信号が供
給される構成に適用することも可能である。かかる構成
においては、そのアナログ多重信号が入力される入力ポ
ートのオープン故障を上述した手法を用いて検出するう
えでは、そのAD変換の前に接地電圧GNDのAD変換
を行う必要がないので、簡素な構成を実現することが可
能となる。
【0108】更に、上記の実施例においては、A/D変
換器62の入力ポートAD0〜AD6に供給される電圧
を図1に示す如く配列することとしているが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば図8に示す如く
配列することとしてもよいし、或いは、他の配列を実現
することとしてもよい。
【発明の効果】上述の如く、請求項1、2、5、7、
8、14、及び15記載の発明によれば、唯一回のAD
変換の結果に基づいて2値化ディジタル信号が確定され
る構成に比して、全体的にAD変換が精度よく行われる
ため、AD変換後の出力の信頼性を確保することができ
る。
【0109】請求項3及び4記載の発明によれば、AD
変換による出力の信頼性を確保しつつ、AD変換の処理
負荷の軽減を図ることができる。
【0110】請求項6記載の発明によれば、AD変換に
よる出力の信頼性が低下する事態を最小限に抑制するこ
とができる。
【0111】請求項9記載の発明によれば、何らかのシ
ステム異常に起因して変調手段による変換またはAD変
換手段による変換が正常に行われていないと判断できる
ので、AD変換による出力の信頼性を確実に確保するこ
とができる。
【0112】請求項10乃至12記載の発明によれば、
入力ポートのオープン故障を検出することができる。
【0113】また、請求項13記載の発明によれば、高
性能の処理装置を用いることなく複数の入力ポートにつ
いて高精度のオープン故障検出を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるセンサ信号処理装置の
システム構成図である。
【図2】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるセンサ
信号処理ICの内部構成図である。
【図3】図2に示す4ビットD/A変換器の動作を説明
するための図である。
【図4】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるマイコ
ンのA/D変換器の内部構成図である。
【図5】本実施例のセンサ信号処理装置が備えるマイコ
ン内部の接続を説明するための図である。
【図6】本実施例においてセンサ信号処理装置が備える
A/D変換器が行うAD変換の実行時期を説明するため
の図である。
【図7】本実施例において、センサ信号処理装置が備え
るA/D変換器の出力を設定すべく実行される制御ルー
チンのフローチャートである。
【図8】本実施例の変形例であるセンサ信号処理装置の
要部構成図である。
【符号の説明】
20 センサ信号処理装置 22〜32 センサ素子 34,36 センサ信号処理IC 38,40 クロック信号発生器 42〜52 ΔΣ変調器 54,56 4ビットD/A変換器 60 マイコン 62 A/D変換器 70 信号比較部 76 信号異常検出部 AD0〜AD6 入力ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AA01 BA06 BA10 CE01 CG01 5J064 AA05 BA02 BB08 BC06 BC20 BC21 BD04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ素子の出力する物理量に応じたア
    ナログ信号を、同一レベルが所定時間継続して保持され
    る変調波信号に変換する変調手段と、前記変調手段から
    供給された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換す
    るAD変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であっ
    て、 前記AD変換手段は、前記変調手段から供給された変調
    波信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間
    中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の
    変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を
    設定することを特徴とするセンサ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記AD変換手段は、前記所定時間中に
    複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディ
    ジタル信号同士の多数決に基づいて、該所定時間におけ
    る出力すべき2値化ディジタル信号を設定することを特
    徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記AD変換手段は、前記所定時間中に
    変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信
    号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後に
    は、該所定時間中における残りの、前記変調手段から供
    給された変調波信号の2値化ディジタル信号への変換を
    行わないことを特徴とする請求項2記載のセンサ信号処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記AD変換手段は、前記所定時間中に
    変換した結果として互いに一致する2値化ディジタル信
    号の得られた回数が前記複数回の過半数となった後に
    は、以後に該所定時間中に変換した結果として得られた
    2値化ディジタル信号の一致/不一致の判別を行わない
    ことを特徴とする請求項2記載のセンサ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記AD変換手段は、前記所定時間中に
    複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディ
    ジタル信号が互いに一致しない場合には、該所定時間に
    おける出力すべき2値化ディジタル信号を設定しないこ
    とを特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装置。
  6. 【請求項6】 前記AD変換手段は、前記所定時間中に
    複数回変換した結果としてそれぞれ得られた2値化ディ
    ジタル信号が互いに一致しない場合には、該複数の2値
    化ディジタル信号の平均値または中間値を、該所定時間
    における出力すべき2値化ディジタル信号として設定す
    ることを特徴とする請求項1記載のセンサ信号処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記AD変換手段から供給された2値化
    ディジタル信号を、前記所定時間よりも長い時間幅当た
    りで平均化するフィルタ手段を備えることを特徴とする
    請求項1乃至6の何れか一項記載のセンサ信号処理装
    置。
  8. 【請求項8】 前記変調手段は、前記アナログ信号とハ
    イ/ローのパルス幅がそれぞれ前記所定時間であるクロ
    ックパルス信号とが重畳された多重信号を前記変調波信
    号に変換することを特徴とする請求項1乃至7の何れか
    一項記載のセンサ信号処理装置。
  9. 【請求項9】 前記AD変換手段は、変換した結果とし
    て得られた2値化ディジタル信号の一致する状態が前記
    所定時間を超えて継続する場合には、出力すべき2値化
    ディジタル信号を設定しないことを特徴とする請求項8
    記載のセンサ信号処理装置。
  10. 【請求項10】 センサ素子の出力する物理量に応じた
    アナログ信号とハイ/ローのパルス幅がそれぞれ所定時
    間であるクロックパルス信号とが重畳された多重信号
    を、同一レベルが前記所定時間継続して保持される変調
    波信号に変換する変調手段と、前記変調手段に接続する
    入力ポートを有し、該変調手段から該入力ポートを介し
    て供給された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換
    するAD変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であ
    って、 前記入力ポートに前記クロックパルス信号のハイを示す
    変調波信号とローを示す変調波信号とが前記所定時間ご
    とに交互に現れるか否かに基づいて該入力ポートのオー
    プン故障を検出する故障検出手段を備えることを特徴と
    するセンサ信号処理装置。
  11. 【請求項11】 複数のセンサ素子がそれぞれ出力する
    物理量に応じたアナログ信号とハイ/ローが繰り返され
    るクロックパルス信号とが重畳された多重信号をそれぞ
    れ所定の変調波信号に変換する変調手段と、前記変調手
    段に接続する前記各多重信号に対応した複数の入力ポー
    トを有し、該変調手段から該複数の入力ポートを介して
    供給された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換す
    るAD変換手段と、を備えるセンサ信号処理装置であっ
    て、 前記AD変換手段は、一の入力ポートを介して供給され
    た変調波信号を2値化ディジタル信号に変換した後、他
    の入力ポートを介して供給される変調波信号を2値化デ
    ィジタル信号に変換する前に、前記クロックパルス信号
    のハイを示す変調波信号およびローを示す変調波信号の
    何れか一方と同一のレベルを有する基準信号を2値化デ
    ィジタル信号に変換すると共に、 前記AD変換手段により変換される信号の変化に基づい
    て前記入力ポートのオープン故障を検出する故障検出手
    段を備えることを特徴とするセンサ信号処理装置。
  12. 【請求項12】 前記AD変換手段は、また、接地電圧
    とは異なる所定電圧が供給される補助ポートを有し、該
    補助ポートに供給された前記所定電圧を前記基準信号と
    して2値化ディジタル信号に変換することを特徴とする
    請求項11記載のセンサ信号処理装置。
  13. 【請求項13】 前記補助ポートが、前記一の入力ポー
    トと前記他の入力ポートとの間に隣接して配置されてい
    ることを特徴とする請求項12記載のセンサ信号処理装
    置。
  14. 【請求項14】 前記変調手段がΔΣ変調器を有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項記載のセ
    ンサ信号処理装置。
  15. 【請求項15】 センサ素子の出力する物理量に応じた
    アナログ信号を、同一レベルが所定時間継続して保持さ
    れる変調波信号に変換する変調工程と、前記変調工程か
    ら供給された変調波信号を2値化ディジタル信号に変換
    するAD変換工程と、を備えるセンサ信号処理方法であ
    って、 前記AD変換工程は、前記変調工程から供給された変調
    波信号の2値化ディジタル信号への変換を前記所定時間
    中に複数回行うと共に、該所定時間中における複数回の
    変換結果に基づいて出力すべき2値化ディジタル信号を
    設定することを特徴とするセンサ信号処理方法。
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