JP3896597B2 - 木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、木質材料に対する接着性に優れた加工製品が得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、使用されている塩化ビニルプラスチゾルは、アニオン型又はカチオン型電着塗装板に代表される金属類との接着に用いるものであり、その接着性を改良すべく塩化ビニルプラスチゾルに、ビスフェノールエポキシ系接着剤に代表されるエポキシ基含有接着剤、ブロック化ウレタン、多官能イソシアネート等の接着剤を添加すること等の種々の検討がなされており、金属類との接着に関する分野においては、その効果を十分に発揮し、活用されている。
【0003】
また、木質材料上に塩化ビニル加工する方法として、あらかじめ木質材料の加工面に酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤に代表される一般の溶液型又はエマルジョン型接着剤によるプライマー処理を施した後に、塩化ビニルプラスチゾルを加工する方法が行われてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属類に対する接着を目的として使用されるこれら塩化ビニルプラスチゾルを床材裏面直貼り加工、木質材料の防水加工等に代表される木質材料に対する接着を目的に使用した場合、その効果は十分に満足されるものではなかった。
【0005】
また、前処理として基材表面にプライマー処理を施す方法では、加工工程の増加及び作業の煩雑化を招くという問題を有していた。
【0006】
そして、木質材料を用いる場合には、金属の接着と比較して、低温短時間での加工を必要とする。このため、従来使用されている塩化ビニルプラスチゾルを使用した場合、低温短時間での加工では、加工被膜の強度不足、基材との接着不良等の諸問題を引き起こしていた。
【0007】
本発明は、低温短時間の加工条件においても木質材料に対する接着性及び被膜強度に優れ、更に貯蔵安定性にも優れる塩化ビニルプラスチゾル組成物の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の接着付与剤を配合した塩化ビニルプラスチゾル組成物が、木質材料に対し低温短時間の加工でも非常に強い接着性を有し、十分な物性を保持しつつ、貯蔵安定性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物に関するものである。
【0010】
本発明において用いられるペースト加工用塩化ビニル系重合体とは、塩化ビニル単独重合体及び/又は塩化ビニル共重合体であり、一般的なものを用いることができ、ペースト加工用塩化ビニル系重合体としては、1種の重合体又は2種以上の重合体の混合物として用いることができる。
【0011】
塩化ビニル共重合体とは、塩化ビニルと共重合し得るビニル化合物との共重合体をいい、特に限定するものではないが、塩化ビニルと共重合し得るビニル化合物としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレフィン類;塩化ビニリデン、スチレン、スチレン系誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の塩化ビニルとラジカル共重合しうる通常のビニル化合物を挙げることができ、本発明において用いられるペースト加工用塩化ビニル系重合体としては、これらビニル化合物が1種又は2種以上で塩化ビニルと共重合されたものでもよい。
【0012】
そして、低温短時間での加工性に優れることから、塩化ビニル共重合体を用いることが好ましく、特に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましい。また、その時の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の共重合組成は、低温短時間の加工で接着性、及び、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物の貯蔵安定性が優れることから酢酸ビニル含有量が1〜20重量%であることが好ましく、特に3〜10重量%であることが好ましい。
【0013】
また、ペースト加工用塩化ビニル系重合体の重合度としては、一般的な500〜5000のものを用いることができ、特に低温短時間での加工性に優れ、接着性及び被膜強度が高くなることから800〜2000であることが好ましい。
【0014】
本発明において用いられる可塑剤としては、ペースト加工用塩化ビニル系重合体を均一に分散させることができるものであればいかなるものも使用することができ、例えばジ―n―オクチルフタレート、ジ―2―エチルヘキシルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジオクチルアジペート、トリクレジルホスフェート、その他ポリエステル系、テトラヒドロフタレート系等を挙げることができ、これら可塑剤は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0015】
また、本発明においては、さらに加工被膜の強度を向上させる目的で、ジアリルフタレート等に代表される反応性型可塑剤を単独又はその他の通常の可塑剤と併用して用いることができる。
【0016】
本発明における可塑剤の配合量は、加工安定性を付与し、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物からの可塑剤のブリードアウトの問題が生じる恐れが少ないことからペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、30〜250重量部が好ましく、特に得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物が接着性及び被膜強度に優れることから30〜90重量部であることが好ましい。
【0017】
本発明においては、ポリアミン化合物をペースト加工用塩化ビニルプラスチゾルに添加することにより、ゾル中においてポリアミン化合物が均一に分散することにより、少量の添加量で木質材料に対する接着性を向上させることが可能な上に、貯蔵安定性に優れる塩化ビニルプラスチゾル組成物を得ることが可能となった。
【0018】
本発明において用いられるポリアミン化合物としては、分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であるポリアミン化合物が用いられる。当該ポリアミン化合物の分子量が500未満又は20000を越える場合、木質材料に対する接着効果に必要不可欠なアンカー効果が発現しにくくなるために接着性の向上が望めず好ましくない。また、アミン価が10mg当量/g−solid未満のポリアミン化合物である場合、木質材料に対する接着に関与する活性基が少ないため、十分な接着効果が得られず好ましくない。当該ポリアミン化合物は、分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であればいかなるものも使用できるが、そのようなポリアミン化合物のアミン価は実質的に10mg当量/g−solid以上1000mg当量/g−solid以下の範囲になる。そして、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物が木質材料に対する十分な接着効果を発現しつつ、貯蔵安定性に優れることから分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上100mg当量/g−solid以下であることが特に好ましい。
【0019】
当該ポリアミン化合物としては、分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であるポリアミン化合物であればいかなるものも使用することができ、例えば第一級、第二級若しくは第三級のアミノ基若しくはアンモニウム基を有する低重合体又は重合体アミンを用いることができ、その具体例としては、ポリエチレンイミン等に代表される第一級,第二級,第三級アミノ基を含有する枝分かれ重合体、ポリアミノエチルアクリレート等に代表される側鎖中にアミノ基を有する重合体、ビニルピリジン,ビニルイミダゾール等に代表される芳香族塩基のビニル誘導体の重合体等を挙げることができる。
【0020】
本発明において用いられるポリアミン化合物の配合量は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部である。ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、配合量が0.1重量部未満である場合、木質材料に対する十分な接着効果が得られず、また、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、配合量が10重量部を越える場合においては、配合量に応じた木質材料に対する接着効果の更なる向上は望めないうえに、加工被膜の製造コストの高騰を招く、又は、貯蔵中に粘度が上昇しやすくなり貯蔵安定性に劣る等の問題を有し好ましくない。そして、効率良く接着性に優れた木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物が得られることからポリアミン化合物の配合量は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.5〜5重量部であることが特に好ましい。
【0021】
本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物は、必要に応じて加工製品の製造コストを削減する目的で、本発明の目的を逸脱しない範囲において充填剤を添加することができる。添加することのできる充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、アスベスト、ケイソウ土、マイカ粉等を挙げることができる。また、生石灰又は着色顔料等を必要に応じて添加することができる。
【0022】
さらに必要に応じて、ペースト加工用塩化ビニル系重合体の熱又は光等に起因する脱塩酸反応による劣化を抑制する目的で、熱又は光安定剤を本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物に添加することができ、そのような熱又は光安定剤としては、例えばステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等に代表される金属石鹸類;二塩基性亜リン酸塩、二塩基性硫酸塩等に代表される無機酸塩類;ジブチルスズマレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)等に代表される有機金属化合物;エポキシ化大豆油等の熱安定剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンズトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンズトリアゾール等に代表されるヒドロキシベンズトリアゾール類;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等に代表されるヒドロキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;その他一般に用いられる酸化防止剤等を挙げることができる。そして、これら安定剤は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。また、その配合量は、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物の脱塩酸反応による劣化を抑制し、添加された安定剤によるブルーミング現象の問題の恐れが少ないことからペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、特に1〜5重量部であることが好ましい。
【0023】
他に必要に応じて、本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物の加工被膜強度を向上させる目的において、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド系変性トリアクリレート、ウレタンアクリレート等の多官能アクリレートを添加することもできる。さらに加工被膜の耐水性向上を付与する目的において、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ゼオライト等を添加することもできる。
【0024】
本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物の調整方法としては、本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を得ることが可能であればいかなる方法を用いても良く、例えばペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤、ポリアミン化合物及び必要に応じて添加する充填剤又は安定剤とを撹拌混合した後、減圧下、好ましくは0.01mmHg〜100mmHgで、5分〜3時間、好ましくは10分〜1時間減圧脱泡することにより調整される。
【0025】
本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を木質材料に対する接着に用いる場合、木質材料に対する接着性に優れることから塗布量0.3〜12kg/m2、膜厚0.5〜30mmとし、塗布後100〜200℃、1〜60分間加熱硬化することが好ましい。また、塗布方法としては、通常の金型成形を用いることができるが、その他にスプレーコーティング、ナイフコーティング等の塗布方法も用いることが可能である。
【0026】
本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物は、床材、壁装材、天井材等の建材分野において用いることが可能であり、特に、床材としては、例えば木材チップ等を粉砕、乾燥した後、接着剤を配合混合し、加熱条件下において加熱成形して得られるパーティクルボード、ベニヤ板に代表される積層してなる合板等が挙げられる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例において詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例及び比較例において得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物の評価方法について以下に示す。
【0029】
〜プラスチゾル貯蔵安定性〜
得られたプラスチゾルの初期粘度を回転同心円筒粘度計(東京計器製作所製、商品名Bタイプ粘度計BH型)を用いて測定を行った。そして、25℃の恒温室に1日間保持した後のプラスチゾルの粘度を1日間経時後粘度として同様の方法で測定を行った。プラスチゾル貯蔵安定性は、得られた初期粘度から1日間経時後粘度の増粘した度合いとして評価を行った。プラスチゾル貯蔵安定性(%)を評価するための算出式を以下に示す。
【0030】
貯蔵安定性(%)=増粘率(%)=
〔(1日間経時後の粘度)−(初期粘度)〕×100/(初期粘度)
〜被膜強度試験〜
得られたプラスチゾルをポリエステル系フィルム上にドクターナイフを用いて薄く塗布し、スモールオーブン(マチス社製)にて150℃で5分間加熱硬化させた。硬化後の被膜をポリエステル系フィルム上からはがし、JIS3号形試験片とした後に、JIS−K−7113に準じて引張試験機(オリエンテック社製、商品名TENSIRON RTM−500)を用いて、引張速度200mm/minで硬化被膜の強度試験を行い評価した。
【0031】
〜接着性試験〜
15cm角の木質材料の表面上に固定された金枠に、得られたプラスチゾルを40g流し込んだ後、簡易熱プレス装置により、150℃、10分間加熱硬化することにより加工製品を得た。プラスチゾル被膜と木質材料との接着性をJIS−K−6854に準じて、引張試験機(オリエンテック社製、商品名TENSIRON RTM−500)を用いて、引張速度100mm/minで評価した。
【0032】
実施例1
ペースト加工用塩化ビニル共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量;5重量%)、重合度1300)(東ソー製、商品名リューロンペースト751)100重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部、熱安定剤(旭電化工業製、商品名AC−118)2重量部、分子量600,アミン価20mg当量/g−solidであるポリエチレンイミン2重量部を撹拌混合後、60mmHgから0.1mmHgまで、30分間かけて減圧脱泡することによりプラスチゾル1を得た。
【0033】
得られたプラスチゾル1を上記に示した評価方法により評価した。評価結果を表1に示す。
【0034】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低いため貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0035】
実施例2
実施例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ1200と19mg当量/g−solidにした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル2を得た。
【0036】
得られたプラスチゾル2を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0037】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0038】
実施例3
実施例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ1800と19mg当量/g−solidにした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル3を得た。
【0039】
得られたプラスチゾル3を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0040】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0041】
実施例4
実施例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ10000と18mg当量/g−solidにした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル4を得た。
【0042】
得られたプラスチゾル4を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0043】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0044】
実施例5
実施例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を5重量部にした以外は、実施例3と同様に調整を行いプラスチゾル5を得た。
【0045】
得られたプラスチゾル5を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0046】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0047】
実施例6
実施例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を0.5重量部にした以外は、実施例3と同様に調整を行いプラスチゾル6を得た。
【0048】
得られたプラスチゾル6を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0049】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0050】
実施例7
実施例3において配合したペ−スト加工用塩化ビニル共重合体をペースト加工用塩化ビニル単独重合体(重合度1500)(東ソー製、商品名リューロンペースト800)にした以外は、実施例3と同様に調整を行いプラスチゾル7を得た。
【0051】
得られたプラスチゾル7を上記に示した評価方法により評価を行った。ただし、被膜強度試験のオーブン温度及び接着性評価の硬化温度を180℃とした。評価結果を表2に示す。
【0052】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が低く貯蔵安定性及び接着性に優れるものであった。
【0053】
比較例1
ペースト加工用塩化ビニル共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量;5重量%、重合度1300)(東ソー製、商品名リューロンペースト751)100重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部、熱安定剤(旭電化工業製、商品名AC−118)2重量部を撹拌混合した後、60mmHgから0.1mmHgまで、30分間かけて減圧脱泡することによりプラスチゾル8を得た。
【0054】
得られたプラスチゾル8を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0055】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、接着性に劣るものであった。
【0056】
比較例2
あらかじめ15cm角の木質材料の表面上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂よりなるエマルジョン接着剤を膜厚0.3mmで塗布し、循環式オーブンにより100℃、60分間加熱硬化することにより木質材料の表面上にプライマー処理を施した。
【0057】
プライマー処理後の木質材料の表面上に金枠を固定し、上記比較例1で得られたプラスチゾル8を40g流し込む。簡易熱プレス装置により、150℃、10分間加熱硬化することにより加工製品を得た。プラスチゾル被膜と木質材料との接着性をJIS−K−6854に準じて評価した。評価結果を表3に示す。
【0058】
評価結果は接着性に劣るものであった。
【0059】
比較例3
実施例1において配合したポリエチレンイミンを金属との接着性を付与することを目的として添加するビスフェノールエポキシ系接着剤5重量部にした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル9を得た。
【0060】
得られたプラスチゾル9を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0061】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が高く貯蔵安定性及び接着性にも劣るものであった。
【0062】
比較例4
実施例1において配合したポリエチレンイミンを金属との接着性を付与することを目的として添加するブロック化ウレタン系接着剤(三洋化成製、商品名ケミオックスKA−021)5重量部及び活性水素を有する硬化剤(三洋化成製、商品名ケミオックスKC−505)2重量部にした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル10を得た。
【0063】
得られたプラスチゾル10を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表3に示す。
【0064】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、増粘率が高く貯蔵安定性及び接着性にも劣るものであった。
【0065】
比較例5
実施例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ300と21mg当量/g−solidにした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル11を得た。
【0066】
得られたプラスチゾル11を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0067】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、接着性に劣るものであった。
【0068】
比較例6
実施例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ70000と18mg当量/g−solidにした以外は、実施例1と同様に調整を行いプラスチゾル12を得た。
【0069】
得られたプラスチゾル12を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0070】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、接着性に劣るものであった。
【0071】
比較例7
実施例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を0.05重量部にした以外は、実施例3と同様に調整を行いプラスチゾル13を得た。
【0072】
得られたプラスチゾル13を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0073】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、接着性に劣るものであった。
【0074】
比較例8
実施例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を15重量部にした以外は、実施例3と同様に調整を行いプラスチゾル14を得た。
【0075】
得られたプラスチゾル14を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0076】
得られた塩化ビニルプラスチゾル組成物は、ポリエチレンイミンの添加量を増やしても接着性を向上させる効果はなく、増粘率が高く貯蔵安定性に劣るものであった。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【表4】
【0081】
【発明の効果】
本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物は、低温短時間での加工でも、非常に強い接着性を有し、十分な物性を保持しつつ、貯蔵安定性にも優れるものである。
Claims (1)
- ペースト加工用塩化ビニル重合体及び/又は共重合体(以下、ペースト加工用塩化ビニル系重合体という。)、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物。
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1995
- 1995-03-30 JP JP07300995A patent/JP3896597B2/ja not_active Expired - Fee Related
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