JP3895893B2 - 基板加熱装置及び基板加熱方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板加熱装置及び基板加熱方法、特にレジスト等の薄膜が形成された被処理基板の加熱技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶装置の製造において、ベース基板上にレジスト等の薄膜が形成された被処理基板を加熱或いは冷却する際に、レジストやベース基板の温度のばらつきがパターンの寸法のばらつきに反映する。そのため、パターンが微細化されるにしたがって、より高精度な温度管理が求められている。
【0003】
例えば、マスク製作工程の一つであるPEB(Post Exposure Baking)では、マスク面内での温度の均一性が非常に重要であるが、従来はヒーター加熱を用いた加熱方法が一般的であった。ヒーター加熱方式では、マスク面内での温度の均一性を高めるために、熱伝導率の高いプレートにマスク基板(被処理基板)を埋め込むとともに、被処理基板の上方にも所望の温度に設定されたプレートを設けている。また、上方プレートと被処理基板との間の空気についても、気流及び温度を制御するようにしている。
【0004】
しかし、上記のヒーター加熱方式では、定常状態ではマスク面内において良好な温度均一性を示すが、マスクが加熱されつつある過渡期においては、ベース基板となる石英基板の熱伝導の低さと熱容量が大きいことに起因して、マスク面内に温度分布が生じる。そのため、マスク面内でのパターン寸法の均一性が悪化するという問題があった。
【0005】
このような問題に対し、ランプによる加熱方式が検討されている。このランプ加熱方式では、ランプの波長を適当に選ぶことにより、石英基板を直接加熱せずに、レジストや遮光膜等の被加熱薄膜を選択的に加熱することが可能である。そのため、被加熱薄膜の温度を短時間で目標温度に到達させることができるとともに、マスク面内の温度分布のばらつきも低減させることが可能と考えられている。
【0006】
しかしながら、従来のランプ加熱方式では、以下に示すような問題を有している。
【0007】
従来のヒーター加熱方式では、石英基板を介した熱伝導によって被加熱薄膜を加熱しているため、石英基板と被加熱薄膜との間で大きな温度差が生じることはなかった。そのため、熱の移動は非常に小さく、被加熱薄膜の温度応答性はそれほど敏感ではなかった。したがって、被処理基板の測定温度に基づいて加熱を行う場合、一通りの制御関数及び制御定数を用いて温度制御を行うことが可能であった。
【0008】
これに対して、ランプによって被加熱薄膜を直接加熱する場合は、加熱直後において被加熱薄膜と石英基板との間に非常に大きな温度差が生じ、時間の経過とともに両者の温度差は徐々に小さくなる。両者の温度差によって被処理基板表面での温度応答速度が大きく変化するため、一通りの制御関数を用いて被処理基板表面の温度制御を行うことは非常に困難である。また、制御分野で一般的に用いられているPID制御法を適用する場合にも、目標値に対する応答性をよくすると被処理基板表面で温度変化が生じたときの制御応答が悪くなり、基板表面で温度変化が生じたときの制御応答をよくすると、目標値に対する応答性が悪くなるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、レジスト等の被加熱薄膜が形成された被処理基板を加熱する場合、従来のヒーター加熱方式に代わって、被加熱薄膜を選択的に加熱することが可能なランプ加熱方式が提案されている。しかしながら、被加熱薄膜を選択的に加熱することから、被加熱薄膜と石英基板等のベース基板との間に大きな温度差が生じ、精度のよい温度制御を行うことが困難であった。
【0010】
本発明は上記従来の課題に対してなされたものであり、被加熱薄膜を選択的に加熱することが可能な基板加熱装置及び基板加熱方法において、精度のよい温度制御を行うことを可能にすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ベース基板上に薄膜が形成された被処理基板を加熱する基板加熱装置であって、前記被処理基板の前記薄膜を選択的に加熱可能な加熱部と、前記薄膜の温度T1及び前記ベース基板の温度T2に関連する温度情報を検出する温度検出部と、前記薄膜の処理温度Ts、前記温度検出部で検出された温度情報から得られる前記薄膜の温度T1及び前記ベース基板の温度T2に基づいて前記加熱部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
ベース基板上に形成された薄膜を選択的に加熱する場合、薄膜とベース基板との間に大きな温度差が生じるおそれがあるが、本発明では、薄膜の処理温度Ts及び薄膜の温度T1の他に、ベース基板の温度T2も考慮して加熱部を制御するので、薄膜とベース基板との間に大きな温度差が生じていても、精度のよい温度制御を行うことが可能となる。
【0013】
前記制御部は、複数の期間において前記加熱部に対する制御特性を互いに異ならせるものであることが好ましい。このように、複数の期間それぞれで制御特性を異ならせることにより、ハンチング等を抑制したより的確な温度制御を行うことが可能となる。具体的には、以下の態様があげられる。
【0014】
(1)前記制御特性は、少なくとも一の期間において薄膜の温度T1及びベース基板の温度T2を含む関数によって表される。
【0015】
(2)前記制御部は、薄膜の温度T1が薄膜の処理温度Tsに達する時点又はそれよりも前の時点である所定時点taを境にして制御特性を異ならせるものである。
【0016】
(3)前記制御部は、薄膜の温度T1及び該温度T1の上昇率に基づいて薄膜の温度T1が薄膜の処理温度Tsに達する時点を予測し、その予測結果に基づいて所定時点taを決定するものである。
【0017】
また、前記温度検出部は、以下のように構成されていることが好ましい。
【0018】
(1)前記被処理基板の前記薄膜が形成された側にそれぞれ設けられた第1の温度検出部と第2の温度検出部とからなり、前記第1の温度検出部は前記薄膜の温度情報を選択的に取得可能な波長域(波長域A1)の光を検出するものであり、前記第2の温度検出部は少なくとも前記ベース基板の温度情報を取得可能な波長域(波長域B1)の光を検出するものである。この場合、具体的には、第1の温度検出部は薄膜を透過しない波長域の光を検出するものであり、第2の温度検出部は薄膜をある程度透過し且つベース基板をある程度透過する波長域の光を検出するものであることが好ましい。
【0019】
(2)前記被処理基板の前記薄膜が形成された側に設けられた第1の温度検出部と、前記被処理基板の前記薄膜が形成された側と逆側に設けられた第2の温度検出部とからなり、前記第1の温度検出部は前記薄膜の温度情報を選択的に取得可能な波長域(波長域A2)の光を検出するものであり、前記第2の温度検出部は少なくとも前記ベース基板の温度情報を取得可能な波長域(波長域B2)の光を検出するものである。この場合、具体的には、第1の温度検出部は前記薄膜を透過しない波長域の光を検出するものであり、第2の温度検出部はベース基板をある程度透過する波長域の光を検出するものであることが好ましい。
【0020】
例えば、ベース基板が石英基板であり、薄膜がクロム等の遮光膜上にレジスト等の感光性膜を形成したものである場合を想定する。
【0021】
この場合、上記構成(1)及び(2)ともに、第1の温度検出部は被処理基板の薄膜が形成された側に設けられているため、上記波長域A1或いはA2を適当な範囲に設定することにより、薄膜の温度情報のみを取得することが可能となる。また、上記構成(1)では、第2の温度検出部は被処理基板の薄膜が形成された側に設けられているため、第2の温度検出部とベース基板との間には薄膜が介在することになるが、上記波長域B1を適当な範囲に設定することにより、ベース基板の温度情報を取得することが可能となる。また、上記構成(2)では、第2の温度検出部は被処理基板の薄膜が形成された側と逆側に設けられているため、第2の温度検出部とベース基板との間には薄膜が介在しておらず、上記波長域B2を適当な範囲に設定することにより、ベース基板の温度情報のみを取得することも可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0023】
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態について、半導体装置の製造工程に使用されるクロムマスクの試作を例に、図1を参照して説明する。
【0024】
被処理基板1は、6インチサイズ、厚さ0.25インチのレジスト付きクロムマスクブランクスであり、石英基板1b上にクロム膜及びレジスト膜からなる被加熱薄膜1aが形成されている。
【0025】
被処理基板1の上方には、放射温度計2a及び2bが設けられている。放射温度計2aは主として被加熱薄膜1aに関連する温度情報を検出するためのものであり、温度計2bは主として石英基板1bに関連する温度情報を検出するためのものである。これらの放射温度計2a及び2bは、それぞれランプの個数に対応した個数(9個)ずつ設けられている。このように、被処理基板1の上方に放射温度計2a及び2bを設けることにより、装置構成を単純化することが可能となる。
【0026】
図2は、被処理基板1(レジスト付きクロムマスクブランクス)の透過強度の波長依存性を示した図である。2.68〜2.84μmの波長域及び4.31μm以上の波長域では、被加熱薄膜1aの影響によって透過強度はほぼゼロとなっている。2.84μm〜4.31μの波長域では、被加熱薄膜1a及び石英基板1bをある程度光が透過する。そこで、放射温度計2aの検出波長を8〜14μmとし、放射温度計2bの検出波長を2.8〜4.3μmとなるようにした。なお、2.68μm以下の波長域でも被加熱薄膜1a及び石英基板1bをある程度光が透過するため、放射温度計2bの検出波長を例えば2〜2.7μmとなるようにしてもよい。
【0027】
被処理基板1の下方には、格子状に3×3=9個のハロゲンランプ3が等間隔に配置されている。ハロゲンランプ3の最大出力は150Wであり、波長のピーク(最大出力)は1100nmである。
【0028】
ハロゲンランプ3の上部には、フィルター4が設けられ、その上部にはライトガイド5が設けられている。フィルター3は、石英基板1bの吸収波長である1.4μm付近の波長及び2.2μm以上の波長をカットする二つのフィルターにより、バンドパスフィルター構成となっている。したがって、ハロゲンランプ3からフィルター4及びライトガイド5を通して被処理基板1に照射される光は、石英基板1bをほとんど加熱することなく、選択的に被加熱薄膜1aを加熱することになる。
【0029】
被処理基板1はマスク支持体6によって指示されている。マスク支持体6の本体はステンレスで、マスク支持部分(端部4点支持)はテフロンで構成されている。このマスク支持体6の内部には、温度調節が可能なように温調水が流れるようになっている。
【0030】
放射温度計2a及び2bとハロゲンランプ3は、制御部7によって制御されるようになっている。すなわち、放射温度計2a及び2bよって得られた温度情報(9組の放射温度計それぞれの温度情報)が制御部7に取り込まれ、これらの温度情報に基づいてハロゲンランプ3への印加電圧或いは電力が制御される(9個のハロゲンランプそれぞれが独立に制御される)。
【0031】
制御部7では、放射温度計2a及び2bよって得られた温度情報に基づき、以下の演算が行われる。
【0032】
被加熱部1aの処理温度(目標温度、本例では100℃とする)をTsとし、温度検出部2aで検出された温度情報に基づいて得られる時刻t(加熱処理開始時刻を起点とした時刻)における被加熱部1aの温度をT1(t)、温度検出部2bで検出された温度情報に基づいて得られる時刻tにおける石英基板1bの温度をT2(t)とする。
【0033】
時刻t≦ta(ta=C×t1(0<C≦1))において、被加熱部1aの温度T1及び被加熱部1aの温度上昇率δT1/δtに基づいて、T1=Tsとなる時刻t1を予測する。Cは任意の値を設定可能であるが、ここではC=0.985とする。なお、δ2T1/δt2をさらに考慮して時刻t1を予測するようにしてもよい。
【0034】
また、時刻t≦taにおいては、ハロゲンランプ3への出力R(t)を、
R(t)=F(Ts−T1,δT1/δt)
を用いて決定する。
【0035】
また、時刻t>ta においては、ハロゲンランプ3への出力R(t)を、
G(T1−T2)×H(δT1/δt,δT2/δt)
を用いて決定する。変数としては、これ以外にも、δ2T1/δt2及びδ2T2/δt2を用いてもよい。
【0036】
被処理基板1は、搬送アーム8によって搬送が行われるようになっている。また、精密な温度測定をするために気流の乱れ等が起きないようにするため、装置外枠9によって測定系は外乱から隔離されるようになっている。また、図には示していないが、加熱処理時に発生するガス等を外部に排出する排気ダクトを設けてあり、有機物等の蒸気が壁に付着しないようにしてある。さらに、装置内のダスト及び雰囲気を管理するために、ダストフィルター10及びケミカルフィルター11が設けられている。
【0037】
次に、図1に示した装置を用いた加熱処理の一例を説明する。
【0038】
まず、Cr膜付き石英基板上にポジ型化学増幅レジストを塗布(レジスト膜厚500nm)し、電子線描画装置(50keV、7μC/cm2)で露光を行った被処理基板1を用意した。図示していない位置決めユニットで位置決めを行った後、搬送アーム8により被処理基板1を搬送し、マスク支持体6に載置した。被処理基板1がマスク支持体6に載置された瞬間から放射温度計2a及び2bによる温度の計測が開始されるよう、制御部7にトリガがかけられようになっている。
【0039】
温度データの取り込み周期は10msecに、処理時間は40secに設定した。被処理基板1をマスク支持体6に載置し、放射温度計2a及び2bによる温度データを制御部7に取り込みつつ、ハロゲンランプ3による加熱処理を開始した。
【0040】
処理期間中において、時刻tにおける被加熱薄膜1aの到達温度T(t)を、
T(t)=T1+(δT1/δt)×Δt)
なる式を用いて算出し、T(t)が予め設定した処理温度(目標温度)Tsになる時刻t1を算出する。本例においては、t1=10.00秒が目標温度到達前に算出された。また、予め制御部7に設定した数値C(=0.985)から、印加電圧を変更する時刻ta(=9.85秒)が計算された。
【0041】
図3は、被加熱薄膜1aの温度変化(a)、石英基板1bの温度変化(b)及び両者の差(c)を示したものである。電圧印加後9.85秒間は出力が100%(100V,150W)の状態で加熱処理を行い、被加熱薄膜1aの温度は約10.00秒後に100℃に到達した。
【0042】
時刻ta(=9.85秒)以降は、ハロゲンランプ3への印加出力は、
V=D×(T1−T2)+E×{(δT1/δt)−(δT2/δt)}Δt
なる関数を用いた。D、Eは比例定数である。上式を用いて随時印加電圧の計算を行い、ハロゲンランプ3に電圧を印加した。その結果を図4に示す。なお、このような関数を用いた理由は、基板表面にある遮光膜(Cr膜)及び感光性膜(レジスト膜)の温度と石英(なるべく遮光膜に近いところ)の温度の差に比例した熱流が生じ、ハロゲンランプで常に遮光膜及び感光性膜にエネルギーが加えられている状態においては、基板の表面温度はその熱流に比例する関係にあろうことが推察されるからである。
【0043】
以上のように、基板表面の遮光膜及び感光性膜の温度情報だけでなく、石英基板の温度情報も考慮に入れて被処理基板の加熱を行うことにより、応答速度が非常に早い光照射による感光性膜の加熱も、ハンチング等を生じることなく、昇温状態(T1,T2<Ts)、準定常状態(T1=Ts,T2<Ts)の両方において、設定温度Ts±0.2℃の非常に高精度な加熱処理が可能となった。また、ハロゲンランプの照射領域毎に独立に温度制御を行うことにより、より高精度の温度制御を行うことができた。
【0044】
被加熱薄膜1aの温度を石英基板1bの温度によらずほぼ100℃に保ち、加熱処理を開始してから40秒経過したときにハロゲンランプ3に印加する電圧を微少電圧にし、基板の加熱処理を停止した。図3からわかるように、基板の加熱処理を停止したときの石英基板1bの温度は、70℃程度であった。従って、ハロゲンランプに印加していた電圧を微小にした瞬間に、基板表面のレジスト膜及びCr膜の温度も70℃まで即座に低下した。
【0045】
基板加熱停止後、搬送アーム8を用いてクーリングユニットに被処理基板1を搬送し、基板の冷却を行った。
【0046】
その後、AD−10(多摩化学)でディップ現像を行い、さらにクロム膜をドライエッチングした。さらに、レジスト剥離、洗浄を行った後、SEMにてクロムパターンの寸法をマスク面内(130mm□)で測定した。その結果、マスク上のクロムパターンの寸法の面内均一性は9.8nm(3σ)であり、均一性に優れたクロムパターンを得ることができた。
【0047】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態について、半導体装置の製造工程に使用されるクロムマスクの試作を例に、図5を参照して説明する。
【0048】
基本的な構成は、図1に示したものと同様であるが、本実施形態では、主として石英基板1bに関連する温度情報を検出するための放射温度計2bを被処理基板1の下方に設けている。
【0049】
放射温度計2bの検出波長は2〜4.3μmとした。当該波長域は石英基板1bに対して半透明であるため、石英基板の内部(遮光膜近傍)の温度が計測可能である。なお、放射温度計2aの検出波長は、第1の実施形態と同様、8〜14μmとした。このように、放射温度計2bを被処理基板1の下方側に設け、放射温度計2bの検出波長を適当な範囲に設定することにより、石英基板の温度情報のみを選択的に検出することが可能である。
【0050】
制御にはPID制御を用いた。制御部7では、温度検出部2aで検出された温度情報に基づいて得られる時刻tにおける被加熱部1aの温度T1(t)、温度検出部2bで検出された温度情報に基づいて得られる時刻tにおける石英基板1bの温度T2(t)とから、ハロゲンランプ3への出力R(t)を決定するPID定数を算出する機能を有する。なお、基板処理温度Tsは、第1の実施形態と同様、100℃に設定した。
【0051】
初期設定時には、経験的に得られた最も良いと思われるPID定数を入力しておく。その後、実際の加熱が開始されると、時刻tにおける被加熱部1aの温度T1(t)と石英基板1bの温度T2(t)に基づき、{T1(t)−T2(t)}、{δT1(t)/δt}−{δT2(t)/δt}、{δ2T1 (t)/δt2}、{δ2T2(t)/δt2}から、被加熱部1a及び石英基板1bの温度の時間変化を予測し、予測結果として得られる振動の周期と振り幅から、最適と思われるPID定数を決定する。この作業は加熱処理中随時行われ、被加熱部1a及び石英基板1bの温度変化に応じて最適なPID定数で常に制御が行われる。
【0052】
Cr膜付き石英基板上にポジ型化学増幅レジストを塗布(レジスト膜厚400nm)し、電子線描画装置(50keV、7μC/cm2)で露光を行った被処理基板1を用意した。図示していない位置決めユニットで位置決めを行った後、搬送アーム8により被処理基板1を搬送し、マスク支持体6に載置した。被処理基板1がマスク支持体6に載置された瞬間から放射温度計2a及び2bによる温度の計測が開始されるよう、制御部7にトリガがかけられようになっている。
【0053】
温度データの取り込み周期は10msecに、処理時間は60secに設定した。被処理基板1をマスク支持体6に載置し、放射温度計2a及び2bによる温度データを制御部7に取り込みつつ、ハロゲンランプ3による加熱処理を開始した。図6に、被加熱薄膜1aの温度変化(a)、石英基板1bの温度変化(b)及び両者の差(c)を示した。
【0054】
ランプ点灯直後、被加熱部1a及び石英基板1bの温度が共に設定温度Tsよりも低い(T1,T2<Ts )時には、PID制御の制御定数の組み合せとして、P=5(%)、I=4(sec)、D=1(sec)をデフォルト値として入力した。
【0055】
ランプ点灯後、約10.00秒後に被加熱部1aの温度T1が設定値になった瞬間(T1=Ts)に、PIDの制御定数をT1及びT2の温度データに応じて変化させ、ハロゲンランプの出力の制御を行った。
【0056】
その結果、表面温度の応答速度が随時変化するような系であっても、ハンチングやオフセットエラーを生じることなく、昇温状態(T1,T2<Ts)及び準定常状態(T1=Ts,T2<Ts)の両方において、設定温度Ts±0.2℃の非常に高精度な加熱処理が可能となった。また、ハロゲンランプの照射領域毎に独立に温度制御を行うことにより、より高精度の温度制御を行うことができた。
【0057】
基板加熱停止後、搬送アーム8を用いてクーリングユニットに被処理基板1を搬送し、基板の冷却を行った。
【0058】
その後、AD−10(多摩化学)でディップ現像を行い、さらにクロム膜をドライエッチングした。さらに、レジスト剥離、洗浄を行った後、SEMにてクロムパターンの寸法をマスク面内(130mm□)で測定した。その結果、マスク上のクロムパターンの寸法の面内均一性は9.8nm(3σ)であり、均一性に優れたクロムパターンを得ることができた。
【0059】
なお、本実施形態では、予め温度を予測してPID定数を算出するようにしたが、被加熱部と石英基板の温度差に応じて予め最適と思われるPID定数を入力するようにしてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜の処理温度Ts及び薄膜の温度T1の他に、ベース基板の温度T2も考慮して加熱部を制御することにより、精度のよい温度制御を行うことが可能となり、薄膜に対して精度のよい加熱を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る装置構成例を模式的に示した図。
【図2】レジスト付きクロムマスクブランクスの透過強度の波長依存性を示した図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る図であり、被加熱薄膜及び石英基板の温度変化並びに両者の温度差を示した図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る図であり、ハロゲンランプに印加する電圧について示した図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る装置構成例を模式的に示した図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る図であり、被加熱薄膜及び石英基板の温度変化並びに両者の温度差を示した図。
【符号の説明】
1…被処理基板
1a…被加熱薄膜
1b…石英基板
2a、2b…放射温度計
3…ハロゲンランプ
4…フィルター
5…ライトガイド
6…マスク支持体
7…制御部
8…搬送アーム
9…装置外枠
10…ダストフィルター
11…ケミカルフィルター
Claims (8)
- ベース基板上に薄膜が形成された被処理基板を加熱する基板加熱装置であって、
前記被処理基板の前記薄膜を選択的に加熱可能な加熱部と、
前記薄膜の温度T1及び前記ベース基板の温度T2に関連する温度情報を検出する温度検出部と、
前記薄膜の処理温度Ts、前記温度検出部で検出された温度情報から得られる前記薄膜の温度T1及び前記ベース基板の温度T2に基づいて前記加熱部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする基板加熱装置。 - 前記制御部は、複数の期間において前記加熱部に対する制御特性を互いに異ならせるものであることを特徴とする請求項1に記載の基板加熱装置。
- 前記制御特性は、少なくとも一の期間において前記薄膜の温度T1及び前記ベース基板の温度T2を含む関数によって表されることを特徴とする請求項2に記載の基板加熱装置。
- 前記制御部は、前記薄膜の温度T1が前記薄膜の処理温度Tsに達する時点又はそれよりも前の時点である所定時点taを境にして前記制御特性を異ならせるものであることを特徴とする請求項2に記載の基板加熱装置。
- 前記制御部は、前記薄膜の温度T1及び該温度T1の上昇率に基づいて前記薄膜の温度T1が前記薄膜の処理温度Tsに達する時点を予測し、その予測結果に基づいて前記所定時点taを決定するものであることを特徴とする請求項4に記載の基板加熱装置。
- 前記温度検出部は、前記被処理基板の前記薄膜が形成された側にそれぞれ設けられた第1の温度検出部と第2の温度検出部とからなり、前記第1の温度検出部は前記薄膜の温度情報を選択的に取得可能な波長域の光を検出するものであり、前記第2の温度検出部は少なくとも前記ベース基板の温度情報を取得可能な波長域の光を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板加熱装置。
- 前記温度検出部は、前記被処理基板の前記薄膜が形成された側に設けられた第1の温度検出部と、前記被処理基板の前記薄膜が形成された側と逆側に設けられた第2の温度検出部とからなり、前記第1の温度検出部は前記薄膜の温度情報を選択的に取得可能な波長域の光を検出するものであり、前記第2の温度検出部は少なくとも前記ベース基板の温度情報を取得可能な波長域の光を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の基板加熱装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の基板加熱装置を用いて、ベース基板上に薄膜が形成された被処理基板を加熱することを特徴とする基板加熱方法。
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