JP3895599B2 - 膜厚モニタ光波長決定方法および装置、ならびにプログラム - Google Patents

膜厚モニタ光波長決定方法および装置、ならびにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に使用される光学フィルタ等の光学的特性を有する光学膜を成膜する際における膜厚モニタ用のモニタ光の波長を決定するための膜厚モニタ光波長決定方法および装置、ならびにプログラムに関する。
【0002】
また、本発明は、膜厚モニタ光波長決定装置により決定された波長を有するモニタ光を用いて、その光学膜厚をモニタしながら光学膜を成膜する成膜システムに関する。
【0003】
なお、光学膜の光学膜厚は、その物理的な膜の厚さ(膜厚)と対応する層の屈折率との積として定義される。
【0004】
【従来の技術】
ブロードバンド時代の到来により、データ伝送量のさらなる増加が求められている現在、複数の異なる波長の光信号を多重化して伝送するWDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)通信方式に大きな期待が寄せられている。
【0005】
このWDM通信方式におけるキーデバイスの1つに、入射光に光学的作用を施す光学フィルタがある。例えば、光学フィルタとして、異なる波長が多重光された入射光から、予め設定した所望の波長帯の光のみを通過させる光帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ、Band Pass Filter; BPF)や、EDFA等の光ファイバ増幅器の出力を平坦化するゲインフラットニングフィルタ(Gain Flattening Filter; GFF)等がある。
【0006】
この種の光学フィルタとして、屈折率の異なる複数の誘電体多層膜から成る多層膜フィルタが知られている。この多層膜フィルタによれば、各層の膜厚を好適に設定することにより、所望の波長透過特性を得ることが可能になる。
【0007】
多層膜フィルタ、すなわち、多層膜を生成する成膜方法および装置としては、例えば基板上に真空蒸着法やスパッタリング法等を用いて光学膜(フィルタ膜、以下、薄膜ともいう)を順次積層していく方法および装置が知られている。
【0008】
上述したように、多層膜フィルタは、多層膜を構成する各薄膜層の膜厚により所望のフィルタ特性を得ているため、各薄膜層の膜厚を高精度に設計することが要求される。
【0009】
このため、成膜処理と並行して光学膜厚を常時測定し、測定した光学膜厚が所望の値に達した際に成膜処理を正確に停止する制御を行う必要がある。この成膜制御方式として、例えばB/A制御方式等がある。
【0010】
B/A制御方式によれば、生成中の薄膜にモニタ光を照射し、薄膜から透過/反射さらたモニタ光の透過率変化を計測する。この透過率変化は、一定の振幅、極大値および極小値をそれぞれ有する軌跡を描くため、図11に示すように、その軌跡の上下の幅Aに対する停止光量Bの極値からの変化分Bの割合(B/A)を理論的に表すことができる。
【0011】
したがって、実際の透過率変化に基づくB/A値が所望の膜厚に対応するB/A値と一致した時に成膜を停止することにより、成膜中の膜厚を所望の膜厚に設定している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したB/A制御方式を用いて成膜を行う場合には、
以下の問題が存在する。
【0013】
すなわち、成膜処理を実際に行うにあたっては、その処理中に薄膜の応力、温度等の変化によりその波長特性に変動が生じる可能性がある。また、モニタ光を出射する光源の不安定性や、モニタ光波長選択用の分光器等の不安定性等の影響によってモニタ光の波長自体に変動が生じる可能性もある。
【0014】
この薄膜波長特性の変動やモニタ光の波長の変動により、薄膜から透過/反射されたモニタ光の波長が相対的に変動した場合、以下の理由により、所望の膜厚が得られない恐れが生じている。
【0015】
すなわち、B/A制御方式を用いて例えば波長λ1の透過/反射光(モニタ光)をモニタリングしている際に、モニタ光の波長(モニタ波長)λ1が上述した理由等により相対的に変動し、波長λ2(λ1<λ2)になった場合においては、膜厚理論に基づく設計通りのB/A値で成膜を続けると、各層の光学膜厚の誤差が蓄積されて大きくなり、多層膜全体で所望の光学的特性が得られない可能性が生じていた。
【0016】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、モニタ光波長の相対的変動により生じる膜厚誤差を低減できるモニタ光の波長を決定可能な膜厚モニタ光波長決定方法および装置、ならびにプログラムを提供することをその第1の目的とする。
【0017】
また、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、上記膜厚誤差を低減できる波長を有するモニタ光を用いて光学膜厚をモニタリングしながら成膜を行う成膜システムを提供することをその第2の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射(透過および/または反射)されたモニタ光の波長を決定する膜厚モニタ光波長決定装置であって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出する手段と、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段とを備えている。そして、前記波長決定手段は、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出する手段と、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段と、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段を備える。
【0019】
第1の態様において、前記モニタ光の光量変化に関連付けられた第1の停止指標値は、前記光量変化を表す成膜時間の関数のパラメータである。
【0020】
第1の態様において、前記モニタ光の光量変化に関連付けられた第1の停止指標値は、前記光学膜の透過/反射光量の変化幅(A)に対して当該光学膜が所定の厚さに達する際の透過/反射光量の極値からの変化分(B)の割合を示すB/A値である。
【0021】
換言すると、前記波長決定手段は、前記候補波長毎に波長(λ)の変化(Δλ)に対する前記第1の停止指標値(θ)の変化(Δθ)の割合を示す変化率(Δθ/Δλ)を求める手段と、求められた変化率に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段を有する。好適には、成膜プロセスに先立って、変化率(波長の変化に対する影響)が小さい候補波長をモニタ光の波長として選んでおくことにより、成膜プロセス中にモニタ光波長に生じうる相対的変動(Δλ)から想定される膜厚誤差を小さくすることができる。
【0022】
第1の態様において、前記第1の停止指標値算出手段および前記第2の停止指標値算出手段は、前記光学膜を前記被成膜体に複数層状に形成する場合において、前記光学膜層毎および前記候補波長毎の第1および第2の停止指標値をそれぞれ算出する手段であり、前記変動量算出手段は、算出された光学膜層毎および複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段であり、前記決定手段は、前記光学膜層毎に、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段である。
【0023】
第1の態様において、前記第1の停止指標値算出手段および前記第2の停止指標値算出手段は、前記光学膜を前記被成膜体に複数層状に形成する場合において、前記光学膜層毎および前記候補波長毎の第1および第2の停止指標値をそれぞれ算出する手段であり、前記変動量算出手段は、算出された光学膜層毎および複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段であり、前記決定手段は、算出された変動量の全光学膜層における総和に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段である。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータを、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出する手段と、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段として機能させる。
【0025】
さらに、前記波長決定手段は、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出する手段と、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段と、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段とを備えている。
【0026】
本発明の第3の態様によれば、成膜源から出射された膜生成材料により被成膜体に成膜中の光学膜の光学膜厚を、前記膜厚モニタ光波長決定装置により決定された波長を有するモニタ光を用いて、設計値に設定する成膜システムであって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記設計値に対応する前記光学膜の成膜を停止するための停止指標値を記憶する記憶手段と、前記光学膜に照射され前記光学膜から反射/透過された光から、前記膜厚モニタ光波長決定装置により決定された波長を有するモニタ光を受光する受光手段と、受光されたモニタ光の光量変化および前記記憶手段に記憶された停止指標値に基づいて、前記光量変化に対応する光学膜厚が前記停止指標値に到達したか否か判断し、この結果、到達したと判断した場合、前記成膜源から出射された膜生成材料の前記被成膜体への付着を阻止する手段とを備えている。
【0027】
本発明の第4の態様によれば、被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定する膜厚モニタ光波長決定方法であって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出するステップと、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の候補波長を前記複数の候補波長の中から決定する波長決定ステップとを備えている。この波長決定ステップは、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出するステップと、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出するステップと、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定するステップを有する。あるいは、前記波長決定ステップは、前記候補波長毎に波長(λ)の変化(Δλに対する前記第1の停止指標値(θ)の変化(Δθ)の割合を示す変化率(Δθ/Δλ)を求めるステップと、求められた変化率に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定するステップを有する。好適には、成膜プロセスに先立って、変化率(波長の変化に対する影響)が小さい候補波長(例えば最小の変化率をもつ候補波長)をモニタ光の波長として選んでおくことにより、成膜プロセス中にモニタ光波長に生じうる相対的変動(Δλ)から想定される膜厚誤差を小さくすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
なお、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素又は全要素を含んだ各種の実施の形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0030】
また、以下の説明において、単に“膜厚”という用語は、光学膜厚を意味するものとし、物理膜厚を意味する場合には、“物理膜厚”と記載する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係わる薄膜モニタ光波長決定装置を含む成膜システム1の概略構成を示す図(一部断面図)である。
【0032】
図1に示すように、成膜システム1は、真空容器(チャンバ)2と、この真空容器2内の例えば底部に並置された例えば2つの成膜源3a1、3a2と、真空容器2内における成膜源3a1、3a2と反対側(上部)に設けられており、基板ホルダ5により保持された被成膜基板6とを備えている。
【0033】
成膜源3a1および3a2内には、成膜材料E、Fがそれぞれセットされており、これらの成膜材料EおよびFはそれぞれ屈折率が異なっている。
【0034】
そして、成膜システム1は、真空容器2内に設けられており、成膜源3a1、3a2内に電子ビームを照射して成膜源3a1、3a2内の成膜材料を加熱させるための電子銃10a1、10a2と、広波長帯域光である例えば白色光を測定光MLとして出力する光源11とを備えている。
【0035】
さらに、成膜システム2は、後述する制御装置から送信されるシャッタ信号に応じて成膜源3a1、3a2の上方を覆うことにより成膜動作を停止させ、開放信号に応じて成膜源3a1、3a2の上方を開放して成膜動作を開始させるためのシャッタ装置12a1、12a2と、光源11から発せられた測定光が成膜中の薄膜Fおよび基板6を透過した際の透過光を集光する集光レンズ13と、この集光レンズ13により集光された透過光を波長毎に受光する光ファイババンドル14とを備えている。
【0036】
この光ファイババンドル14は、真空容器2の例えば上壁に対して気密に取り付けられたシールドボックス15内を気密に貫通して真空容器外に延長している。
【0037】
そして、成膜システム1は、光ファイババンドル14を介して送られた透過光から、後述する制御装置から送信されるモニタ光波長を表す波長決定信号に対応する波長を有する透過光のみをモニタ光として分光する分光器19と、この分光器19により分光されたモニタ光を順次受光してその受光量に対応する光量信号を出力する受光器20と、分光器19およびシャッタ装置15a1、15a2にデータ通信可能に接続された制御装置21とを備えている。
【0038】
この制御装置21は、受光器20から出力された光量信号を受信し、受信した光量信号に応じてシャッタ装置15a1、15a2に対して個別にシャッタ信号/開放信号を送信して被成膜基板6上に成膜された薄膜層Fの膜厚を制御する機能等を備えている。
【0039】
図2は、図1に示す制御装置21のハードウエア構成および制御装置21により実現できる機能ブロック構成を示す図である。
【0040】
図2に示すように、制御装置21は、受光器20から出力された光量信号をデジタル型の光量信号(デジタル光量データ)に変換するA/D変換器30と、このA/D変換器30により変換されたデジタル光量データに基づいて後述する各手段F1〜F5に対応する処理を実行するコンピュータ31と、このコンピュータ31を上記各手段F1〜F5として機能させるためのプログラムPを予め記憶する記憶媒体としてのメモリ32とを備えている。なお、記憶媒体としては、半導体メモリ、磁気メモリ等、様々な記憶媒体が適用可能である。
【0041】
また、メモリ32には、成膜中の透過率変化を成膜時間に対する周期関数として理論的に表す理論式データを含む理論式データファイル35が予め記憶されている。
【0042】
以下、理論式データファイル35に記憶された理論式データについて説明する。
【0043】
まず、前提となる多層膜理論について述べる。
【0044】
各層a1〜aNの光学膜厚をパラメータとするN層の多層膜フィルタ
の光透過率の理論式は、多層膜フィルタの膜表面に対して入射角が垂直であるとして、下式(1)に示すエネルギー透過率の式、および下式(2)〜(5)により与えられる。
【式1】
Figure 0003895599
【式2】
Figure 0003895599
【式3】
Figure 0003895599
【式4】
Figure 0003895599
【式5】
Figure 0003895599
ここで、式(1)におけるτは、式(2)で表され、また、式(2)に示すパラメータm11、m12、m21、m22は、式(3)で与えられる全N層での特性行列Mの各要素であり、Mj(jは、1、2、・・・のように1から順にNまで1ずつ増える整数)の総積によって与えられ、第j層の特性行列Mjは、式(4)で与えられる。式(4)に示すgjは、式(5)により表されるものであり、njは、第j層の複素屈折率、djは、第j層の物理膜厚である。
【0045】
また、式(5)のλには、透過率を求める波長が代入され、n0、nsは、それぞれ波長λにおける媒質の複素屈折率、フィルタ基板2の複素屈折率である。また、式(1)において、τ*は、τの共役複素数、式(3)および式(4)におけるiは虚数である。
【0046】
そこで、これらの式(1)〜式(5)を用いることにより、成膜中の層での透過率変化を求めることができる。すなわち、既に成膜が終了している層全体を上記特性行列で表すと、成膜中の層での透過率変化は物理膜厚をパラメータとする関数で表すことができる。成膜中の層内の透過率を一定とすると、物理膜厚は成膜時間に比例するため、物理膜厚を時間に置き換えることができる。
【0047】
したがって、成膜中に、成膜中の透過率変化を時間の周期関数として表すことができる。
【0048】
すなわち、成膜中(蒸着中)の透過光量変化(透過率変化;図3参照)Tは、成膜中の薄膜層内の成膜レートおよび薄膜の屈折率が一定である条件下においては、下式(6)、すなわち、成膜時間xの周期関数として表すことができる。
【0049】
【式6】
Figure 0003895599
【0050】
なお、式(6)中のA0およびA1は、上記周期関数の振幅と波形を表す係数であり、A2は、成膜レートを表す成膜時間xの関数、A3は、初期位相をそれぞれ表す係数である。そして、(A2x+A3)が、上述した成膜中の現在時刻xにおける位相を表している。
【0051】
上記各係数(パラメータ)A0、A1、A2およびA3は、成膜時において、現在時刻(時刻をxmとする)よりも前に測定された全ての光量変化データ{xk、tk(k=0、1、2、・・・m−1);なお、xkは、成膜中の薄膜層の成膜時刻(対応する薄膜層の成膜開始時刻(0)からのサンプリングレート毎の時刻)を表し、tkは、成膜時刻xkの透過光量を表している}を用いて非線形フィッティングを行うことにより算出される。
【0052】
すなわち、理論式データファイル35には、上記式(6)で表される透過光量変化を成膜時間(位相)の関数として表す理論式が理論式データDAとして記憶されている。
【0053】
そして、コンピュータ31は、プログラムPにより実現される機能として、第1の停止位相値算出手段F1、第2の停止位相値算出手段F2、位相変化量算出手段F3、波長決定手段F4および成膜制御手段F5を備えている。なお、各機能F1〜F5については、後掲図5および図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0054】
次に、本実施形態の全体動作について説明する。なお、本実施形態では、光学フィルタとして、例えば多層膜GFFを製作する際のモニタ光決定処理動作および成膜処理動作を中心に説明する。
【0055】
図4は、製作したい多層膜GFFの目標波長損失特性(波長1530nm〜1562nmの波長範囲における目標となる波長損失特性(△))および成膜後の波長損失特性(上記波長範囲における成膜後の波長損失特性(実線)をそれぞれ表しており、この多層膜GFFの目標は、上記目標波長損失特性および成膜後の波長損失特性間の損失偏差(▲)を0.2dB以下(平坦度、Flatness:0.2dB以下)となっている。
【0056】
すなわち、上記目標波長損失特性を実現すべき多層膜GFFの層数および多層膜を構成する各薄膜層の膜厚がそれぞれ決定されると、この多層膜設計情報は、多層膜設定データとしてメモリ32に記憶される。
【0057】
このとき、コンピュータ31は、メモリ32に記憶されたプログラムPに従って動作し、図5に示すモニタ光波長決定処理を実行する。
【0058】
図5に示すように、コンピュータ31は、上記多層膜フィルタの特性範囲(1530nm〜1562nm)等に基づいて、所定の波長帯(例えば、1530nm〜1560nm)における例えば1nm毎に変化する30種類の候補波長(λ1(1530nm)〜λ30(1559nm))を選択する(ステップS1)。
【0059】
そして、コンピュータ31は、その30種類の候補波長を有するモニタ光が上記多層膜を構成する各薄膜層から透過された場合の薄膜層毎の光量変化{第1の光量変化△T(λ1)〜△T(λ30)}と上記式(6)に基づく理論式データDAとから、各薄膜層の膜厚を対応する膜厚設計値に一致させるための候補波長毎の第1の停止指標位相値θ1(λ1)〜θ30(λ30)をそれぞれ算出する(ステップS2)。
【0060】
すなわち、上記式(6)における位相を表す(A3x+A4)が膜厚設計値に到達した際の第1の停止指標位相値θ1(λ1)〜θ30(λ30)を候補波長毎にそれぞれ算出する。なお、ステップS1およびS2の処理が第1の停止指標位相値算出手段F1に対応する。
【0061】
次いで、コンピュータ31は、各候補波長λ1〜λ30に対して、所定の波長変動分である△λ(例えば0.001nm)を加えた波長{(λ1+Δλ)〜(Δλ30+Δλ)}を求める(ステップS3)。そして、コンピュータ31は、求めた波長{(λ1+Δλ)〜(Δλ30+Δλ)}をそれぞれ有するモニタ光が各薄膜層から透過された場合の薄膜層毎のモニタ光の光量変化{第2の光量変化(△T(λ1+△λ)〜△T(λ30+△λ)}と上記式(6)に基づく理論式データDAとから、各薄膜層の膜厚を対応する膜厚設計値に一致させるための第2の停止指標位相値θ1´(λ1+△λ)〜θ30´(λ30+△λ)を“候補波長+波長変動分”毎にそれぞれ算出する(ステップS4)。すなわち、上記式(6)における位相を表す(A3x+A4)が膜厚設計値に到達した際の第2の停止指標位相値θ1´(λ1+△λ)〜θ30´(λ30+△λ)を“候補波長+波長変動分”毎にそれぞれ算出する。なお、ステップS3〜S4の処理が第2の停止指標値算出手段F2に対応する。
【0062】
例えば、図6は、モニタ光(波長λ1)の透過光量変化△T(λ1)、その△T(λ1)に対応する第1の停止指標位相値θ1(λ1)、波長変動分△λが加わった波長(λ1+△λ)を有するモニタ光の透過光量変化△T(λ1+△λ)およびその△T(λ1+△λ)に対応する第2の停止指標位相値値θ1´(λ1+△λ)をそれぞれ示すグラフである。
【0063】
このようにして、各薄膜層における複数の候補波長λ1〜λ30毎の第1の停止指標位相値θ1(λ1)〜θ30(λ30)および波長変動分Δλを考慮した第2の停止指標位相値θ1´(λ1+△λ)〜θ30´(λ30+△λ)がそれぞれ求められると、コンピュータ31は、対応する候補波長毎の位相変分値△P(λ1〜λ30)を、次式(7)により求める(ステップS5)。
【0064】
【式7】
Figure 0003895599
【0065】
但し、k=1〜30である。
【0066】
すなわち、各位相変分値△P(λ1)〜△P(λ30)は、対応する各波長λ1〜λ30が所定の長さ(△λ)だけ変動した場合の停止指標位相値の変分量、すなわち、各モニタ光の波長λ1〜λ30がΔλだけ波長変動した場合の各停止指標位相値に対する影響の度合いを表している。したがって、その絶対値|△P(λ1)|〜|△P(λ30)|が小さければ小さいほど、波長変動△λによる影響が少ないことを示している。
【0067】
そこで、コンピュータ31は、薄膜層毎に求めた候補波長毎の位相変分値△P(λ1)〜△P(λ30)が例えば最小、すなわち、△λの波長変動に対して最も影響の小さい位相変分値を薄膜層毎に求める。そして、コンピュータ31は、求めた位相変分値に対応する候補波長(例えば、λminとする)を各薄膜層のモニタ光の波長に決定する(ステップS6)。なお、ステップS5〜S6の処理が波長決定手段F4に対応する。
【0068】
そして、コンピュータ31は、各薄膜層の成膜処理を実行する際に、その実行する薄膜層毎に、対応するモニタ光波長(λmin)を表す波長決定信号を分光器19に送信して処理を終了する(ステップS7)。
【0069】
この結果、分光器19は、コンピュータ31から送信された波長決定信号に基づいて、送られてくる広波長帯域の透過光から、対応する波長(λmin)のモニタ光のみを分光して受光器20に送る。
【0070】
したがって、各薄膜層の成膜処理においては、その各薄膜層の成膜時にモニタ光に仮に相対的波長変動が生じても、その波長変動の影響が最小限度のモニタ光波長(λmin)が設定されている。このため、相対的波長変動に起因した各薄膜層の膜厚誤差を必要最小限度に抑制することができ、多層膜全体での蓄積された膜厚誤差も、その多層膜全体で所望の光学特性が得られる程度に抑制することが可能になる。
【0071】
なお、上記ステップS6の処理では、薄膜層毎に求めた候補波長毎の位相変分値△P(λ1)〜△P(λ30)が例えば最小、すなわち、△λの波長変動に対して最も影響の小さい位相変分値に対応する候補波長を薄膜層毎に求めたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
例えば、第1の停止指標位相値θ1(λ1)〜θ30(λ30)のみを比較し、その比較結果に基づいて、制御しやすい値(例えば、最小値、極小値等)に対応する候補波長をモニタ光として選択することも可能である。
【0073】
また、例えば、位相変分値に所定の閾値を設け、この所定の閾値以下の位相変分値の中から、所望の変分値に対応する候補波長をモニタ光波長として選択してもよく、また、成膜時の様々な要件を考慮して、成膜上最も有利となる位相変分値に対応する候補波長をモニタ光波長として選択することも可能である。
【0074】
また、薄膜層毎に求めた候補波長毎の位相変分値△P(λ1)〜△P(λ30)を用いて全薄膜層トータルでの位相変分値、すなわち、各層での△Pの総和を表す△PTOTAL(λ1)〜△PTOTAL(λ30)を求め、その位相変分値△PTOTA L(λ1)〜△PTOTAL(λ30)が最小、すなわち、△λの波長変動に対して全薄膜層トータルで最も影響の小さい位相変分値に対応する候補波長を各薄膜層のモニタ光波長に決定することも可能である。
【0075】
次に、このようにして決定された、膜厚誤差を最小限度に抑制できる波長を有するモニタ光を用いて膜厚モニタリングをしながら実行される成膜処理動作について説明する。
【0076】
例えば、N層(Nは、1以上の整数)の多層膜L1〜LNにおける例えば、薄膜層Lj(1≦j≦N)の成膜動作(例えば、成膜源3a2の成膜材料に対応する層であるとする)を行っている際においては、コンピュータ31の制御により、成膜源3a2のシャッタ装置12a2が開動作し、成膜源3a1のシャッタ装置12a1が閉動作(シャッタ動作)している。
【0077】
一方、電子銃10a1、10a2から成膜源3a1、3a2に対して電子ビームが照射されており、成膜源3a1、3a2内の加熱融解された成膜材料が蒸発する。
【0078】
このとき、上方をシャッタ装置により覆われていない成膜源3a2から蒸発した成膜材料(蒸発粒子)は、真空容器2内を上昇して被成膜基板6に蒸着され、薄膜層Ljの一部が形成される。
【0079】
上記成膜動作と並行して、光源11からは、広波長帯域光が成膜中の薄膜層に照射される。そして、成膜中の薄膜層を透過した透過光は、基板6、集光レンズ13および光ファイババンドル14を介して分光器19に入射される。
【0080】
このとき、分光器19には、コンピュータ31から、薄膜層毎に、対応するモニタ光波長(λmin)を表す波長決定信号が送信されているため、分光器19を介して、その波長(λmin)を有するモニタ光のみが分光されて受光器20に受光される。受光器20により受光された受光量に対応する光量信号はコンピュータ31に送信される。
【0081】
したがって、コンピュータ31には、受光器20を介して対応する薄膜層Ljにおける現在時刻xiよりも前に測定された全ての光量信号に基づく光量変化データ{xk、tk(k=1、2、・・・、i−1)}が受信され、メモリ32に記憶されている。
【0082】
このとき、コンピュータ31は、メモリ32に記憶された、対応する薄膜層Ljにおける現在時刻xiよりも前に測定された全ての光量信号に基づく光量変化データ{xk、tk}を、メモリ32の理論データファイル35に記憶された式(6)にフィッティングして、式(6)の各パラメータA0、A1、A2およびA 3 を算出する(図7;ステップS10および図8参照)。
【0083】
次いで、コンピュータ31は、算出した各パラメータA0、A1、A2、A 3 および式(6)を用いて、現在の位相が目的位相{例えば、ターゲット膜厚値が、遮断帯の波長λの1/4(λ/4)の場合では、図8に示すように、目的位相がπとなる}に到達する際の成膜時刻xs、すなわち、(A2s+A 3 )=πとなるxsを算出する(ステップS11)。
【0084】
コンピュータ31は、ステップS10〜ステップS11の処理を繰り返し行い、現在の成膜時刻xiが目的位相に対応する成膜時刻xsに到達した時点で、蒸着中の成膜源3a2に対応するシャッタ装置12a2に対してシャッタ信号を送信して成膜源3a2から蒸発した成膜材料の基板6への蒸着を阻止する(ステップS12、成膜制御手段F5に対応)。
【0085】
この結果、実際に成膜された薄膜層Ljの膜厚は、仮にモニタ光に波長変動が生じていても、その波長変動の影響が最小限度のモニタ光波長(λmin)を用いて膜厚モニタリング処理を実行しているため、相対的波長変動に起因した各薄膜層の膜厚誤差を必要最小限度に抑制することができる。
【0086】
したがって、多層膜全体での蓄積された膜厚誤差も、その多層膜全体で所望の光学特性が得られる程度に抑制することが可能になる。
【0087】
ここで、本実施形態で説明したモニタ光波長決定処理および成膜処理に基づいて実際に製作した多層膜GFFの目標波長損失特性(波長1530nm〜1562nmの波長範囲:(△))、実際に製作したGFFの波長損失特性(実線)および両特性間の損失偏差(▲)をグラフとして図9に示した。なお、損失偏差の尺度となる平坦度(Flatness)は、最大偏差から最小偏差を引いた値である。
【0088】
一方、本実施形態で説明したモニタ光波長決定処理および成膜処理を用いることなく、すなわち、波長変動分に対応する位相変動分を全く考慮することなく製作(モニタ光波長を1530nmで固定)した多層膜GFFの目標波長損失特性波長(1530nm〜1562nmの波長範囲:(△))、実際に製作したGFFの波長損失特性(実線)および両特性間の損失偏差(▲)をグラフとして図10に示した。
【0089】
図9および図10を比較すれば明らかなように、図10においては、そのFlatnessが0.34dBとなり、目標の波長損失特性であるFlatness:0.2dB以下を満足しなかった。
【0090】
これに対し、図9においては、そのFlatnessが0.193dBとなり、目標値であるFlatness:0.2dB以下を満足する結果が得られた。
【0091】
以上述べたように、本実施形態で詳述したモニタ光波長決定処理および成膜処理を実際に用いて多層膜GFFを製作した場合において、相対的波長変動に起因した各薄膜層の膜厚誤差を必要最小限度に抑制すること、および多層膜全体での蓄積された膜厚誤差を、その多層膜全体で所望の光学特性が得られる程度に抑制することができることが立証できた。
【0092】
なお、本実施形態においては、光量変化の位相をモニタリングして成膜制御を行う位相制御方式に対応する理論式データとして、成膜中の透過光量の変化を成膜時間の関数式として理論的に表す理論式データDTを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0093】
すなわち、上述した光量変化の幅Aに対する停止光量の極値からの変化分Bの割合(B/A)を用いた成膜制御を実行する場合には、光量変化をパラメータとして理論的に表されたB/A値を理論式データファイル35に記憶しておく。そして、この理論式データを用いてステップS1〜S4の処理を実行することにより、各薄膜層の膜厚を対応する膜厚設計値に一致させるための第1の停止指標B/A1(λ1)〜B/A30(λ30)をそれぞれ算出し(ステップS2参照)、次いで、波長変動分を考慮しながら、各薄膜層の膜厚を対応する膜厚設計値に一致させるための第2の停止指標B/A1´(λ1+△λ)〜B/A30´(λ30+△λ)をそれぞれ算出する(ステップS4参照)。
【0094】
以下、対応する候補波長毎のB/A変分値△B/A(λ1〜λ30)を求めて、その求めた△B/A(λ1〜λ30)の例えば最小値に対応する候補波長をモニタ光波長に選択すれば、位相制御方式と同様に、相対的波長変動に起因した各薄膜層の膜厚誤差を必要最小限度に抑制することが可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、単一のコンピュータで上述したモニタ光波長決定処理および成膜制御処理を実行したが、複数台のコンピュータで実行することも可能である。
【0096】
さらに、本実施形態では、光源11として、広波長帯域光を出力する光源を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一波長のモニタ光であるレーザ光を出力するレーザ装置を用いることも可能である。この場合、分光器19は不要になる。
【0097】
すなわち、モニタ光の波長制御を行う際においては、コンピュータ21から光源11へ波長決定信号を送信することにより、直接光源11から出射されるモニタ光の波長を制御することで対応できる。
【0098】
なお、本実施形態では、薄膜Fおよび基板6を透過した光をモニタ光として用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、薄膜Fから反射した光をモニタ光として用いることも可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の膜厚モニタ光波長決定方法および装置、成膜システムならびにプログラムによれば、各薄膜層の成膜処理においては、その各薄膜層の成膜時にモニタ光に仮に相対的波長変動が生じていた場合でも、その波長変動の影響が最小限度になる波長を、モニタ光の波長として決定することができる。
【0100】
したがって、相対的波長変動に起因した各薄膜層の光学膜厚誤差を必要最小限度に抑制することができ、多層膜全体での蓄積された光学膜厚誤差も、その多層膜全体で所望の光学特性が得られる程度に抑制することが可能になる。
【0101】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる薄膜モニタ光波長決定装置を含む成膜システム1の概略構成を示す図(一部断面図)。
【図2】図1に示す制御装置のハードウエア構成および制御装置により実現できる機能ブロック構成を示す図。
【図3】成膜中の透過光量変化を示すグラフ。
【図4】製作したい多層膜GFFの目標波長損失特性(△)、成膜後の波長損失特性(実線)および上記目標波長損失特性および成膜後の波長損失特性間の損失偏差(▲)をそれぞれ示すグラフ。
【図5】図1に示す制御装置によるモニタ光波長決定処理の一例を示す概略フローチャート。
【図6】本発明の実施形態におけるモニタ光(波長λ1)の透過光量変化△T(λ1)および波長(λ1+△λ)を有するモニタ光の透過光量変化△T(λ1+△λ)をそれぞれ示すグラフ。
【図7】図1に示す制御装置による成膜制御処理の一例を示す概略フローチャート。
【図8】本発明の実施形態に係わる成膜停止位置の予測処理を説明するためのグラフ。
【図9】本発明の実施形態で説明したモニタ光波長決定処理および成膜処理に基づいて実際に製作した多層膜GFFの目標波長損失特性(△)、実際に製作したGFFの波長損失特性(実線)および両特性間の損失偏差(▲)をそれぞれ示したグラフ。
【図10】波長変動分に対応する位相変動分を全く光量することなく製作した多層膜GFFの目標波長損失特性波長(△)、実際に製作したGFFの波長損失特性(実線)および両特性間の損失偏差(▲)をそれぞれ示したグラフ。
【図11】B/A制御方式におけるB/Aを説明するためのグラフ。
【符号の説明】
1 成膜システム
2 真空容器
3a1、3a2 成膜源
5 基板ホルダ
6 被成膜基板
10a1、10a2 電子銃
11 光源
12a1、12a2 シャッタ装置
20 受光器
21 制御装置
30 A/D
31 コンピュータ
32 メモリ
35 理論式データファイル

Claims (10)

  1. 被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定する膜厚モニタ光波長決定装置であって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出する手段と、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する波長決定手段を備え
    前記波長決定手段は、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出する手段と、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段と、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段を備えることを特徴とする膜厚モニタ光波長決定装置。
  2. 前記モニタ光の光量変化に関連付けられた第1の停止指標値は、前記光量変化を表す成膜時間の関数のパラメータであることを特徴とする請求項1記載の膜厚モニタ光波長決定装置
  3. 前記モニタ光の光量変化に関連付けられた第1の停止指標値は、前記光学膜の透過/反射光量の変化幅(A)に対して当該光学膜が所定の厚さに達する際の透過/反射光量の極値からの変化分(B)の割合を示すB/A値であることを特徴とする請求項1記載の膜厚モニタ光波長決定装置。
  4. 前記第1の停止指標値算出手段および前記第2の停止指標値算出手段は、前記光学膜を前記被成膜体に複数層状に形成する場合において、前記光学膜層毎および前記候補波長毎の第1および第2の停止指標値をそれぞれ算出する手段であり、前記変動量算出手段は、算出された光学膜層毎および複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段であり、前記波長決定手段は、前記光学膜層毎に、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段であることを特徴とする請求項記載の膜厚モニタ光決定装置。
  5. 前記第1の停止指標値算出手段および前記第2の停止指標値算出手段は、前記光学膜を前記被成膜体に複数層状に形成する場合において、前記光学膜層毎および前記候補波長毎の第1および第2の停止指標値をそれぞれ算出する手段であり、前記変動量算出手段は、算出された光学膜層毎および複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段であり、前記波長決定手段は、算出された変動量の全光学膜層における総和に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段であることを特徴とする請求項記載の膜厚モニタ光決定装置。
  6. 被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータを、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出する手段と、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する波長決定手段として機能させ
    前記波長決定手段は、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出する手段と、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出する手段と、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する手段を備えることを特徴とするプログラム。
  7. 成膜源から出射された膜生成材料により被成膜体に成膜中の光学膜の光学膜厚を、請求項1乃至の内の何れか1項記載の膜厚モニタ光波長決定装置により決定された波長を有するモニタ光を用いて、設計値に設定する成膜システムであって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記設計値に対応する前記光学膜の成膜を停止するための停止指標値を記憶する記憶手段と、前記光学膜に照射され前記光学膜から反射/透過された光から、前記膜厚モニタ光波長決定装置により決定された波長を有するモニタ光を受光する受光手段と、受光されたモニタ光の光量変化および前記記憶手段に記憶された停止指標値に基づいて、前記光量変化に対応する光学膜厚が前記停止指標値に到達したか否か判断し、この結果、到達したと判断した場合、前記成膜源から出射された膜生成材料の前記被成膜体への付着を阻止する手段とを備えたことを特徴とする成膜システム。
  8. 被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定する膜厚モニタ光波長決定方法であって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出するステップと、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する波長決定ステップとを備え、
    前記波長決定ステップは、前記候補波長毎に波長の変化に対する前記第1の停止指標値の変化の割合を示す変化率を求めるステップと、求められた変化率に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定するステップを有することを特徴とする膜厚モニタ光波長決定方法。
  9. 前記変化率が最小である候補波長が前記モニタ光の波長として選択されることを特徴とする膜厚モニタ光波長決定方法。
  10. 被成膜体に成膜中の光学膜に照射され当該光学膜から透過/反射されたモニタ光の波長を決定する膜厚モニタ光波長決定方法であって、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第1の停止指標値を、前記モニタ光の複数の候補波長毎に算出するステップと、算出された候補波長毎の第1の停止指標値に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定する波長決定ステップとを備え
    前記波長決定ステップは、前記モニタ光の光量変化に関連付けられており、当該モニタ光の複数の候補波長それぞれに所定の波長変動分を加えた複数の変動候補波長毎に、前記光学膜が所望膜厚に達して成膜を停止するための第2の停止指標値を算出するステップと、算出された複数の候補波長毎の第1および第2の停止指標値間の変動量を算出するステップと、算出された変動量に基づいて前記モニタ光の波長を前記複数の候補波長の中から決定するステップを有することを特徴とする膜厚モニタ光波長決定方法。
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