JP3895091B2 - ドア錠の操作装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドア錠の施解錠を行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、住宅等の建物のドア錠は、ドアに設けられた鍵穴に機械的なキーを挿入して回動することにより、施錠・解錠されるようになっている。
【0003】
しかし近年では、セキュリティの向上を目的に、IDコードを用いた電子キーシステムも提案されている。この電子キーシステムは、所定のIDコードが記録された電子キーと、そのIDコードを読み取るための電子錠とから構成されている。こうした電子キーシステムとして、電子錠に設けられたカードリーダに電子キーを接触させることによって、電子錠にIDコードを読み込ませるものがある。また、電子キーに設けられた送信ボタンを押すことによって、IDコードを含む無線信号を電子キーから電子錠に送信させて、電子錠にIDコードを読み込ませるものもある。いずれのタイプも、電子錠は、読み取ったIDコードと、予め設定されたIDコードとを比較し、それらIDコード同士が一致したときにドア錠を解錠するようになっている。
【0004】
ところで、こうした電子キーシステムにおいては、電子キーに設定されたIDコードを予め電子錠に登録することにより、電子キーの使用が可能となる。よって、電子錠には、電子キーのIDコードを登録可能とするための構造を設ける必要がある。一般に、こうした構造として、建物の屋内側に、電子錠に接続された登録スイッチなどを設け、このスイッチをONさせることによってIDコードを登録できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物の屋内にいれば、たとえ第三者であっても登録スイッチを容易に操作することができる。このため、第三者が同等の電子キーを所持していれば、その電子キーのIDコードを電子錠に登録することも可能となってしまう。そして、新たなIDコードの登録があったことを家人が認識することは困難であり、セキュリティレベルが低下するという問題点があった。
【0006】
そこで、この問題点を解決するために、新規の電子キーのIDコードを登録したときには、登録済みのIDコードを全て抹消した後に、新規の電子キーのIDコードを登録可能とすることが考えられる。このようにすれば、家人の所持する電子キーによるドア錠の施解錠ができなくなるため、家人は、新規にIDコードが登録されたことを確実に認識することができる。
【0007】
ところが、こうした登録態様によると、家人による新規の電子キーの登録時にも、既存のIDコードが全て抹消される。このため、使用したい電子キーのIDコードを全て再登録する必要がある。しかし、非同居者(例えば単身赴任中や下宿中の者等)がいる家族の場合には、その非同居者が所持する電子キーを再登録することが困難である。よって、非同居者は、帰宅した際に、所持する電子キーでドア錠を解錠できなくなり、操作性が低下してしまう。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティレベル及び操作性の低下を防止することができるドア錠の操作装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、ドアまたはそのドアの近辺に配設され、所有者によって所持される携帯機に設定された所定のIDコードを読み込んで、そのIDコードに基づいてドア錠を施解錠するドア錠の操作装置であって、前記携帯機に設定されたIDコードを読み取る読取手段と、そのIDコードを記録する記録手段と、そのIDコードと前記記録手段に記録されたIDコードとを比較し、それらIDコード同士が一致したときにドア錠を解錠するドアロック制御手段とを備えるとともに、それぞれ異なる等級で格付けされた複数種の登録モードのうちの何れか一つの登録モードに所定の操作によって択一的に切り換わり、前記IDコードの登録時には、選択された登録モードで記録された既存のIDコードと、その登録モードよりも低い等級の登録モードで記録された既存のIDコードとを全て抹消した後に、新規のIDコードを該選択された登録モードと対応付けて前記記録手段に記録することを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のドア錠の操作装置において、当該操作装置には、前記複数の登録モードの1つずつに対応する複数の登録スイッチが接続され、それら登録スイッチのうちの1つを操作したときに、その操作された登録スイッチに対応する登録モードに切り換わるように設定され、それら登録スイッチのうちの少なくとも1つは、保護カバーによって被覆されていることを要旨とする。
【0012】
以下、本発明の「作用」について説明する
請求項1に記載の発明によると、各登録モードがそれぞれ異なる等級で格付けされている。そして、IDコードの登録時には、選択された登録モード以下の等級の登録モードで記録された既存のIDコードが全て抹消された後に、新規のIDコードが該選択された登録モードと対応付けて記録手段に記録されるようになっている。このため、非同居者が所持する携帯機のIDコードを高い等級の登録モードで登録しておけば、その登録モードで第三者による不正な登録がなされた場合においても、家人はその旨を確実に認識することができる。また、新たに携帯機のIDコードを登録する際には、低い等級の登録モードを選択することにより、高い等級の登録モードで登録されたIDコードを抹消してしまうこともない。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、操作装置は、各登録スイッチのうちの1つを操作したときに、その操作された登録スイッチに対応する登録モードに切り換わるようになっている。このため、各登録スイッチを操作するだけで、対応する登録モードに切り換えることができる。すなわち、簡単な操作で各登録モードに切り換えることができる。
【0015】
しかも、複数の登録スイッチのうちの少なくとも1つは、保護カバーによって被覆されている。このため、保護カバーに被覆されたスイッチと被覆されてないスイッチとでは、被覆されていないスイッチの方に注意が傾く。それゆえ、第三者により被覆された登録スイッチで不正な登録が行われてしまうことを抑制することができる。よって、その登録スイッチによる登録モードで、非同居者の所持する携帯機のIDコードを登録しておけば、そのIDコードが第三者によって抹消されてしまうことを抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を住宅用ドア錠の遠隔操作装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、遠隔操作装置1は、住宅2の所有者(家人)に所持される携帯機11と、住宅2のドア3内に配設され、携帯機11と相互通信可能な通信制御装置12とを備えている。
【0019】
図2及び図3に併せ示すように、ドア3には、屋外側に露出する屋外アンテナ部4と、屋内側に露出する屋内アンテナ部5が配設されている。これらアンテナ部4,5には、それぞれLED等からなる表示部6が形成されている。また、図4にも併せ示すように、屋内アンテナ部5には、それぞれ押しボタンスイッチからなる第1登録スイッチ9及び第2登録スイッチ10が形成されている。そして、第2登録スイッチ10には、第2登録スイッチ10を被覆する保護カバー10aが形成されている。これにより、第2登録スイッチ10は、保護カバー10aによって隠蔽された状態となっている。この保護カバー10aは、可動部10bを軸として手前側に回動可能となっている。このため、この保護カバー10を回動させて同スイッチ10を露出させることにより、第2登録スイッチ10の操作が可能となる。
【0020】
屋外アンテナ部4の内部には図4に示す送信アンテナ4a,4bが配設され、、屋内アンテナ部5の内部には図3及び図4に示す送信アンテナ5a,5bが配設されている。また、図1及び図2に示すように、ドア3の側面3aには、受信アンテナ12aが埋設されている。
【0021】
なお、本実施形態において、送信アンテナ4a,4b,5a,5bは134kHzの電波を送信可能に設定され、受信アンテナ12aは300MHzの電波を受信可能に設定されている。
【0022】
さらに、ドア3には2つのドア錠7,8が形成されており、同ドア3の屋内側面には、これらドア錠7,8を手動で施解錠可能な手動ロック機構7a,8aが形成されている。これら手動ロック機構7a,8aは、一般的な屋内側施解錠用つまみである。よって、これら手動ロック機構7a,8aを手動で操作することによってドア錠7,8を手動で施解錠することができる。
【0023】
図4に示すように、携帯機11は、受信回路13、マイクロコンピュータ(マイコン)14、送信手段としての送信回路15、及び手動操作手段としての入力回路16を備えている。
【0024】
受信回路13は、通信制御装置12からのリクエスト信号を受信して、その信号をマイコン14に入力するための回路である。
マイコン14は、受信回路13からのリクエスト信号が入力されたときに、予め設定された所定のIDコードを含む送信信号(IDコード信号)を出力するための回路である。
【0025】
送信回路15は、IDコード信号を所定周波数の電波に変調して外部に送信するための回路である。
受信回路13には受信アンテナ17aが接続され、送信回路15には送信アンテナ17bが接続されている。なお、本実施形態におけるIDコード信号の周波数は300MHzに設定されている。よって、受信アンテナ17aは134kHzの電波を受信可能に設定され、アンテナ17bは300MHzの電波を送信可能に設定されている。
【0026】
入力回路16は、操作キー等からなり、家人のキー操作によって入力された操作信号をマイコン14に入力するための回路である。
一方、図4に示すように、通信制御装置12は、送信回路21、受信回路22、及びドアロック制御手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)23を備えている。
【0027】
送信回路21には前記送信アンテナ4a,4b,5a,5bが接続され、受信回路22には前記受信アンテナ12aが接続されている。
送信回路21は、マイコン23から出力されるリクエスト信号を所定周波数の電波に変換し、送信アンテナ4a,4b,5a,5bを介して出力するための回路である。したがって、図2に示すように、リクエスト信号は、送信アンテナ4a,4bを介して屋外側におけるドア3の周辺の所定領域A1に出力されるとともに、送信アンテナ5a,5bを介して屋内側におけるドア3の周辺の所定領域A2に出力される。すなわち、これらの所定領域A1,A2において携帯機11と通信制御装置12との相互通信が可能となる。なお、本実施形態におけるリクエスト信号の周波数は、134kHzに設定されている。
【0028】
携帯機11から出力されたIDコード信号は、受信アンテナ12aを介して受信回路22によって受信される。この受信回路22は、そのIDコード信号をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号をマイコン23へ出力するための回路である。
【0029】
マイコン23には、表示部6、各登録スイッチ9,10、ドア錠7,8及び手動ロック機構7a,8aが電気的に接続されている。このマイコン23は、CPUユニットによって構成されており、リクエスト信号を間欠的に出力するようになっている。また、マイコン23は、EEPROM等からなる記録手段としてのメモリ23aを備えている。このメモリ23aは、携帯機11毎に設定されたIDコードを記録可能となっている。
【0030】
そして、マイコン23は、IDコードを含む受信信号が入力されたときには、メモリ23aに記録されたIDコードと受信信号に含まれるIDコードとの比較(IDコードの照合)を行うようになっている。そして、それらIDコードが一致したときに、マイコン23は、ドア錠7,8に対して駆動信号を出力するようになっている。
【0031】
次に、このように構成された遠隔操作装置1によるドア錠7,8の基本的な施解錠動作について説明する。
遠隔操作装置1の動作時には、まず、通信制御装置12の送信アンテナ4a,4b,5a,5bから所定領域A1,A2に対して、リクエスト信号が間欠的に出力される。このリクエスト信号は、遠隔操作装置1の動作中、常時出力される。
【0032】
携帯機11は、所定領域A1,A2内に入ってリクエスト信号を受信すると、このリクエスト信号に応答してIDコード信号を自動送信する。すなわち、携帯機11を所持する家人がドア3に近づいたときに、携帯機11からIDコード信号が自動送信される。携帯機11は、通常、リクエスト信号を受信するためのスタンバイモードとなっており、該リクエスト信号の受信時にのみIDコード信号を送信するようになっている。
【0033】
通信制御装置12は、IDコード信号を受信すると、そのIDコード信号に含まれるIDコードを、自身に予め記録されたIDコードと比較する。そして、それらIDコード同士が一致したときには、ドア錠7,8に対して駆動信号を出力して、ドア錠7,8を解錠させる。このため、ドア錠7,8は、家人がドア3に近づくだけで自動的に解錠される。すなわち、家人は、ドア錠7,8を解錠するための操作を一切行う必要がない。
【0034】
一方、ドア錠の解錠後、携帯機11が所定領域A1,A2から離間したときには、携帯機11は、リクエスト信号を受信できなくなるため、IDコード信号を送信しなくなる。すなわち、通信制御装置12はIDコード信号を受信できなくなる。この場合、マイコン23は、携帯機11がドア3から離れたものと判断して、ドア錠7,8に対して駆動信号を出力し、ドア錠7,8を施錠させる。よって、ドア錠7,8は、家人がドア3から離間するだけで自動的に施錠される。すなわち、家人は、ドア錠7,8を施錠するための操作を一切行う必要がない。
【0035】
したがって、こうした遠隔操作装置1によれば、ドア錠7,8を一切の操作を行うことなく施解錠することができる。また、マイコン23は、ドア錠7,8の解錠時及び施錠時に、前記表示部6に対して信号を出力し、同表示部6によって解錠または施錠されたことを表示させる。なお、本実施形態において表示部6は、色の異なる2つのLEDからなり、ドア錠7,8の解錠時には一方のLEDが点灯され、ドア錠7,8の施錠時には他方のLEDが点灯されるようになっている。
【0036】
また、入力回路16の動作時には、携帯機11から通信制御装置12に手動操作信号が送信される。この手動操作信号には、ドア錠7,8を優先的に解錠または施錠するための信号が含まれている。そして、通信制御装置12は、この手動操作信号を受信すると、ドア錠7,8を優先的に解錠または施錠させる。このため、入力回路16を構成する操作キーによって解錠の操作がなされたときには、たとえ携帯機11が所定領域A1,A2外にあったとしても、ドア錠7,8は解錠される。そして、施錠の操作がなされたときには、たとえ携帯機11が所定領域A1,A2内にあったとしても、ドア錠7,8は施錠される。
【0037】
ところで、携帯機11によってドア錠7,8を自動施解錠させるためには、携帯機11のIDコードを、通信制御装置12のマイコン23のメモリ23aに登録しておく必要がある。そこで、こうした各コードの登録動作を、図5を参照して説明する。なお、図5(a)は各登録モードと記録手段との相関関係を示す概略図であり、図5(b)は登録モードで行われる動作を時系列的に示す動作図である。
【0038】
IDコードの登録時には、まず屋内アンテナ部5に配設された第1登録スイッチ9または第2登録スイッチ10を押す。これにより通信制御装置12は通常モードから登録モードに切り換わり、メモリ23aへのコードの記録が可能となる。詳しくは、通信制御装置12は、第1登録スイッチ9を押した時に第1登録モードとなり、第2登録スイッチ10を押した時に第2登録モードとなるように設定されている。なお、本実施形態においては、登録スイッチ9,10を所定時間(例えば3秒間)以上押すことによって対応する登録モードに切り換わるように設定されている。そして、第1登録モードにおいては、図5(a)に示すように、メモリ23aに設定された所定の領域にIDコードが記録され、この領域に記録された全てのIDコードが1つのグループ(グループ1)として設定される。また、第2登録モードにおいては、第1登録モードにおける領域とは異なる領域にIDコードが記録され、この領域に記録された全てのIDコードが1つのグループ(グループ2)として設定される。
【0039】
通信制御装置12は、第1登録モードに切り換えられると、リクエスト信号を出力する。そして、そのリクエスト信号に応答した携帯機11からのIDコード信号を受信すると、メモリ23aのグループ1に属する既存のIDコードのみを全て抹消する。換言すれば、グループ2に属する既存のIDコードについては、抹消されない。そして、受信した新規のIDコードをグループ1の領域に記録する。すなわち、第1登録スイッチ9を操作して新規の携帯機11のIDコードを登録した場合には、その新規のIDコードが登録される代わりに、以前に第1登録スイッチ9を操作して登録された全てのIDコードが抹消される。
【0040】
また、第2登録モードに切り換えられた場合には、グループ2に属する既存のIDコードのみが全て抹消され、受信した新規のIDコードがグループ2の領域に記録される。すなわち、第2登録スイッチ10を操作して新規の携帯機11のIDコードを登録した場合には、その新規のIDコードが登録される代わりに、以前に第2登録スイッチ10を操作して登録された全てのIDコードが抹消される。
【0041】
よって、それら抹消されたIDコードを有する携帯機11によるドア錠7,8の解錠が不能となる。なお、各登録モードに切り換わったときには、屋内側の表示部6の両LEDが所定時間点灯するようになっている。また、通信制御装置12は、登録モードに切り換わった後、所定時間内にIDコード信号を受信できないときには、自動的に通常モードに切り換わるようになっている。
【0042】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)通信制御装置12は、第1登録スイッチ9の操作時に第1登録モードに切り換わり、第2登録スイッチ10の操作時に第2登録モードに切り換わるようになっている。また、メモリ23aにおけるIDコードの記録領域は、各モード毎にグループが分かれている。そして、IDコードの登録時には、その登録を行うために選択された登録モードと対応するグループに属する既存のIDコードを全て抹消した後に、新規のIDコードがそのグループにあらためて記録される。このため、例えば第三者が携帯機11のIDコードを通信制御装置12に不正に登録した場合には、家人の所持する携帯機11によるドア錠7,8の施解錠ができなくなる。よって、家人は、新規にIDコードが登録されたことを確実に認識することができる。
【0043】
しかも、選択された登録モード以外の登録モードで記録された既存のIDコードは抹消されない。このため、例えば単身赴任や下宿中などの非同居者がいる家族の場合には、その非同居者が所持する携帯機11のIDコードを他の登録モードで登録しておけば、該IDコードを再登録する必要がない。よって、非同居者が帰宅した際に、所持する携帯機11でドア錠7,8を解錠できないという操作上の不具合も発生しない。したがって、遠隔操作装置1の操作性の低下を防止することができる。
【0044】
(2)各登録スイッチ9,10を操作するだけで、通信制御装置12を対応する登録モードに切り換えることができる。このため、簡単な操作で通信制御装置12を各登録モードに切り換えることができる。
【0045】
(3)第2登録スイッチ10は、通常、保護カバー10aによって隠蔽されている。このため、第2登録スイッチ10と第1登録スイッチ9とでは、第1登録スイッチ9の方に注意が傾く。それゆえ、第三者により第2登録スイッチ10で不正な登録が行われてしまうことを抑制することができる。よって、第2登録モードで、非同居者の所持する携帯機11のIDコードを登録しておけば、そのIDコードが第三者によって抹消されてしまうことを抑制することができる。
【0046】
(4)第1登録スイッチ9のみを1回操作することによって第1登録モードに切り換わり、第2登録スイッチ10のみを1回操作することによって第2登録モードに切り換わるようになっている。すなわち、各登録モードと各登録スイッチ9,10とが一対一の対応となっている。そして、第1登録スイッチ9または第2登録スイッチ10を押すだけで、対応する登録モードへの切り換えを行うことができる。このため、より簡単な操作で通信制御装置12を各登録モードに切り換えることができる。
【0047】
(5)各登録スイッチ9,10を所定時間以上ONしたときに、送受信装置12は対応する登録モードに切り換わるようになっている。換言すれば、瞬間的に登録スイッチ9,10をONさせても、送受信装置12は登録モードに切り換わらない。よって、誤って登録スイッチ9,10をONさせたときなどに送受信装置12が登録モードになってしまうといった誤動作を防止することができる。
【0048】
(6)各登録スイッチ9,10として、押しボタンスイッチが用いられている。このため、各登録スイッチ9,10を押すだけで送受信装置12を対応する登録モードに切り換えることができる。すなわち、登録モードへの切換操作を簡単に行うことができる。
【0049】
(7)登録モード時には、表示部6が点灯されるようになっている。このため、家人は、登録モードか否かを簡単かつ確実に認識することができる。
(8)ドア錠7,8が施錠された際には、表示部6を点灯させることによって施解錠状態が告知される。このため、家人は、ドア3から離れていてもドア錠7,8が施錠状態または解錠状態にあることを確実に認識することができる。しかも、表示部6は、ドア錠7,8の施錠時から所定時間のみ点灯するようになっている。このため、第三者がドア3の施解錠状態を容易に認識してしまうといった不都合を解消することができ、セキュリティの低下を防止することができる。
【0050】
(9)ドア3の屋内側面には手動ロック機構7a,8aが設けられているため、この手動ロック機構7a,8aを操作することによって、手動でドア錠7,8を施解錠することができる。よって、家人の意志に基づいたドア錠7,8の施解錠を確実に行うことができ、当該装置1の操作性を向上させることができる。
【0051】
(10)通信制御装置12は、登録モードに切り換わった後、所定時間内にIDコード信号を受信できないときには、自動的に通常モードに切り換わるようになっている。このため、通常モードへの切換忘れを防止することができ、第三者による不正なIDコードの登録をより確実に防止することができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、2種類の登録モードを有する遠隔操作装置1に具体化している。しかし、登録モードは、2種類に限らず、3種類以上設定されてもよい。このようにすれば、IDコードの登録態様をより増やすことができる。
【0053】
・ 各登録モードをそれぞれ異なる等級で格付けし、IDコードの登録時には、選択された登録モード以下の等級の登録モードで記録された既存のIDコードを全て抹消した後に、新規のIDコードを記録手段に記録するようにしてもよい。このようにすれば、非同居者が所持する携帯機11のIDコードを高い等級の登録モードで登録することにより、その登録モードで第三者による不正な登録がなされた場合においても、家人はその旨を確実に認識することができる。また、新たに携帯機11のIDコードを登録する際には、低い等級の登録モードを選択することにより、高い等級の登録モードで登録されたIDコードを抹消してしまうこともない。したがって、操作性を低下させることなく、セキュリティレベルをより向上させることができる。
【0054】
例えば、図6に示すように、遠隔操作装置1に3種類の登録モードを設定する。そして、前記実施形態における第2登録モードに対して最も高い等級を付与し、前記実施形態における第1登録モードに対して中位の等級を付与する。また、第3登録モードに対して下位の等級を付与する。そして、非同居者が所持する携帯機11のIDコードを前記実施形態における第2登録モードで登録し、同居者が所持する携帯機11のIDコードを前記実施形態における第1登録モードで登録する。さらに、幼い子供などの紛失しやすい者が所持する携帯機11等のIDコードを第3登録モードで登録する。
【0055】
・ 前記実施形態では、遠隔操作装置として、ドア錠7,8を自動的に施解錠する遠隔操作装置1に具体化している。しかし、遠隔操作装置は、前述した従来の電子キーシステムに具体化されてもよい。
【0056】
・ 登録モードへの切り換えは、各登録スイッチ9,10の操作によるものに限定されない。例えば、ドア3の開閉動作を所定時間内に数回行う動作や、ドア錠7,8の施解錠を所定時間内に数回行う動作により、各登録モードへの切り換えを行うようにしてもよい。このようにすれば、登録スイッチ9,10を省略することができるとともに、第三者によるIDコードの不正登録をより防止しやすくすることができる。
【0057】
・ 登録スイッチ9,10は一つのみとし、その操作態様でモードの切換を行うようにしてもよい。例えば、登録スイッチを1回押すことで第1登録モードに切り換え、同スイッチを短時間のうちに連続して2回押すことで第2登録モードに切り換えるようにしてもよい。
【0058】
・ 登録モードは3種以上あってもよい。また、登録スイッチは、登録モードの種類の数に対応した数だけあってもよい。
・ 前記実施形態では、第2登録スイッチ10のみを保護カバー10aで被覆している。しかし、第1登録スイッチ9も、同等の保護カバーによって被覆するようにしてもよい。
【0059】
・ 保護カバー10aを省略してもよい。但し、この場合には、第2登録スイッチ10は隠しスイッチになっていることが望ましい。
・ 前記実施形態では、各登録スイッチ9,10を所定時間以上ONさせたときに対応する登録モードに切り換わるようにしている。しかし、これに限らず、各登録スイッチ9,10を瞬間的にONさせたときに対応する登録モードに切り換わるようにしてもよい。
【0060】
・ 各登録スイッチ9,10は、押しボタンスイッチに限らず、例えばスライドスイッチなどの他の種のスイッチでもよい。
・ 前記実施形態において各登録スイッチ9,10は、屋内アンテナ部5に設けられている。しかし、これら登録スイッチ9,10は、リクエスト信号の出力領域A2内であれば、屋内アンテナ部5以外の場所に設けられてもよい。
【0061】
・ 前記実施形態では、ドア3に2つのドア錠7,8が設けられている。しかし、ドア錠7,8は、2つに限らず、1つのみであってもよい。また、3つ以上のドア錠としてもよい。
【0062】
・ 手動ロック機構7a,8aを省略してもよい。また、入力回路16を省略してもよい。このようにしても、自動施解錠動作によって、ドア錠7,8を施解錠させることができる。
【0063】
・ 前記実施形態では、表示部6を点灯させることによって登録モードか否かを家人に告知するようにしている。しかし、これに代えてブザーなどを用い、音によって告知するようにしてもよい。また、表示部6を省略し、家人への告知を行わないようにしてもよい。
【0064】
・ 通信制御装置12は、ドア3内に限らず、ドア3の近辺に配設されてもよい。
・ 遠隔操作装置1を、住宅用に限らず、店舗や事務所等の建物用ドア錠の遠隔操作装置として具体化してもよい。また、遠隔操作装置1を、建物用ドア錠に限らず、車両用ドア錠の遠隔操作装置として具体化してもよい。
【0065】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1,2のいずれか1項に記載のドア錠の操作装置において、当該操作装置には2個の登録スイッチが接続され、各々の登録スイッチの操作により、2種類の登録モードに切り換わること。
【0066】
(2) 請求項2に記載のドア錠の操作装置において、前記登録スイッチを所定時間以上ONさせたときに、前記登録モードに切り換えるようにしたこと。この技術的思想(2)に記載の発明によれば、誤って登録スイッチをONさせたときなどに登録モードになってしまうといった誤動作を防止することができる。
【0067】
(3) 請求項1に記載のドア錠の操作装置において、当該操作装置には1個の登録スイッチが接続され、その登録スイッチをそれぞれ異なる態様で操作することにより、その操作態様と対応する各種登録モードに切り換わること。この技術的思想(3)に記載の発明によれば、簡単な操作によって登録モードに切り換えることができるとともに、登録スイッチの数を必要最小限とすることができる。
【0068】
(4) 請求項2または技術的思想(2)に記載のドア錠の操作装置において、前記登録スイッチは、押しボタンスイッチであること。この技術的思想(4)に記載の発明によれば、登録モードへの切換操作をより簡単に行うことができる。
【0069】
(5) 請求項1,2、技術的思想(1)〜(4)のいずれか1項に記載のドア錠の操作装置において、前記ドアまたはそのドアの近辺には、登録モードに切り換わったときに点灯する表示部が設けられていること。この技術的思想(5)に記載の発明によれば、登録モードか否かを簡単かつ確実に認識することができる。
【0070】
(6) ドアまたはそのドアの近辺に配設され、所有者によって所持される携帯機に設定された所定のIDコードを読み込んで、そのIDコードに基づいてドア錠を施解錠するドア錠の操作装置であって、前記携帯機に設定されたIDコードを読み取る読取手段と、そのIDコードを記録する記録手段と、そのIDコードと前記記録手段に記録されたIDコードとを比較し、それらIDコード同士が一致したときにドア錠を解錠するドアロック制御手段とを備えるとともに、所定の操作によって複数種の登録モードのうちのいずれか一つの登録モードに択一的に切り換わり、各々の登録モードでは、各登録モード毎に登録された各IDコードを個別のグループに分けて記録手段に記録するとともに、新規のIDコードの登録時には、選択された登録モードと対応するグループに記録された既存のIDコードのみを全て抹消した後に、新規のIDコードを記録手段に記録するように設定されていることを特徴とするドア錠の操作装置。
【0071】
(7) ドアまたはそのドアの近辺に配設され、所有者によって所持される携帯機に設定されたIDコードを読み取る読取手段と、そのIDコードを記録する記録手段と、そのIDコードと前記記録手段に記録されたIDコードとを比較し、それらIDコード同士が一致したときにドア錠を解錠するドアロック制御手段とを備えるドア錠の自動操作装置におけるIDコードの登録方法であって、所定の操作によって複数種の登録モードのうちのいずれか一つの登録モードに択一的に切り換え、前記IDコードの登録時には、その選択された登録モードで記録された既存のIDコードのみを全て抹消した後に、新規のIDコードを記録手段に記録するようにしたこと。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1、2に記載の発明によれば、セキュリティレベル及び操作性の低下を防止することができる。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、簡単な操作で各登録モードに切り換えることができるとともに、セキュリティレベル及び操作性の低下をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を住宅用ドア錠の遠隔操作装置に具体化した一実施形態に用いられるドアを屋外側から視た概略斜視図。
【図2】同実施形態に用いられるドアの概略側面図。
【図3】屋内アンテナ部を拡大して示す正面図。
【図4】同実施形態の遠隔操作装置の概略構成を示すブロック図。
【図5】(a)は各登録モードと記録手段との相関関係を示す概略図、(b)は登録モードで行われる動作を時系列的に示す動作図。
【図6】他の実施形態におけるIDコードの登録態様を示すブロック図。
【符号の説明】
1…遠隔操作装置、2…住宅、3…ドア、4…屋外アンテナ部、5…屋内アンテナ部、4a,5a…送信アンテナ、4b,5b…受信アンテナ、7,8…ドア錠、9…第1登録スイッチ、10…第2登録スイッチ、10a…保護カバー、11…携帯機、12…送受信装置、21…送信回路、23…ドアロック制御手段としてのマイコン、23a…記録手段としてのメモリ。

Claims (2)

  1. ドアまたはそのドアの近辺に配設され、所有者によって所持される携帯機に設定された所定のIDコードを読み込んで、そのIDコードに基づいてドア錠を施解錠するドア錠の操作装置であって、
    前記携帯機に設定されたIDコードを読み取る読取手段と、そのIDコードを記録する記録手段と、そのIDコードと前記記録手段に記録されたIDコードとを比較し、それらIDコード同士が一致したときにドア錠を解錠するドアロック制御手段とを備えるとともに、
    それぞれ異なる等級で格付けされた複数種の登録モードのうちの何れか一つの登録モードに所定の操作によって択一的に切り換わり、前記IDコードの登録時には、選択された登録モードで記録された既存のIDコードと、その登録モードよりも低い等級の登録モードで記録された既存のIDコードとを全て抹消した後に、新規のIDコードを該選択された登録モードと対応付けて前記記録手段に記録することを特徴とするドア錠の操作装置。
  2. 当該操作装置には、前記複数の登録モードの1つずつに対応する複数の登録スイッチが接続され、それら登録スイッチのうちの1つを操作したときに、その操作された登録スイッチに対応する登録モードに切り換わるように設定され、それら登録スイッチのうちの少なくとも1つは、保護カバーによって被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のドア錠の操作装置。
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