JP3894162B2 - 転写用基材及び配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に金属皮膜が設けられた転写用基材を、樹脂層に対して、金属皮膜と樹脂層とが対向するように積層し、転写用基材を樹脂層から剥離すると共に金属皮膜を樹脂層側に残存させることにより金属皮膜を樹脂層に転写するために用いられる転写用基材、及びこの転写用基材を用いて樹脂層に導体配線を形成する配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化、小型薄型化の要求に伴い、配線距離の短縮化、プリント配線板の小型化が求められている。
【0003】
このような配線板に対する要求に対しては、積層板に対するアディティブ法やサブトラクティブ法の適用による導体配線の形成では対処することが困難となってきており、新たな導体配線形成の技術が求められていた。
【0004】
このような新たな導体配線形成技術として提案されているものの一つとして、表面が粗面化されたステンレス板等のような転写用基材の表面にめっき法等により導体配線を形成し、この転写用基材の導体配線と接着性の樹脂層とを対向させて積層し、次いで転写用基材のみを剥離することによって樹脂層に導体配線を転写・埋め込みする方法がある(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3241505号公報(図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示されているような方法では、転写用基材の表面処理として粗面化のみがなされているため、転写用基材の表面の密着性を所望のものとすることが困難である。すなわち、転写用基材にて導体配線を樹脂層に転写するためには、導体配線を転写用基材にある程度の密着性をもって形成すると共に、転写用基材を剥離する際には転写用基材に導体配線が残存せず且つ転写用基材に樹脂層の樹脂が付着してこの樹脂が剥ぎ取られることがないように、適度の離型性を有している必要があった。このような転写用基材の密着性の調整は、転写用基材の粗面化のみでは困難なものであった。
【0007】
また、金属の表面処理による密着性の制御を行う技術としては、例えば特開平11−293576号公報や特開2002−53977号公報に開示されているように、金属の表面に皮膜形成を伴う化学エッチング処理を施した後、この皮膜を化学的に除去することにより粗面化を行い、更に必要に応じて金属表面に皮膜を形成する手法が提案されているが、これらは金属表面の密着性を向上させる技術に関するものであり、また処理薬液の濃度を薄くする等の処理条件の変更により密着性を低減することも考えられるが、特殊な工程であるため処理コストが非常に高くなってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、表面に金属皮膜が設けられた転写用基材を、樹脂層に対して、金属皮膜と樹脂層とが対向するように積層し、転写用基材を樹脂層から剥離すると共に金属皮膜を樹脂層側に残存させることにより金属皮膜を樹脂層に転写するにあたって、簡易な工程により転写用基材に適度な密着性と剥離性とを付与し、特に配線板に対して導体配線を転写成形するために好適に用いられる転写用基材、及びこの転写用基材を用いた配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る転写用基材は、表面に金属皮膜2が設けられた転写用基材1を、樹脂層4に対して、金属皮膜2と樹脂層4とが対向するように積層し、転写用基材1を樹脂層4から剥離すると共に金属皮膜2を樹脂層4側に残存させることにより金属皮膜2を樹脂層4に転写するために用いられる転写用基材1において、金属鉄を含有する金属材の表面に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面3を形成して成ることを特徴とするものである。これにより、被処理面3は、金属皮膜2との間で適度な密着性と離型性を有することとなるものである。
【0010】
また、金属鉄を含有する金属材の表面に、鉄イオンと、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンとを含有するエッチング液を用いて表面処理を施すことにより被処理面を形成して成ることを特徴とするものであり、これにより、エッチング液によって金属鉄を含有する金属表面を粗化させる反応と、金属鉄を含有する金属材の表面に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を付着含有させる反応とを生じさせて、金属鉄を含有する金属材の表面に粗化処理を施すと同時にこの表面に被処理面を形成することができ、形成される被処理面に特に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、上記エッチング液が、塩化第二鉄、又は塩化第二鉄及び塩化第一鉄を含有すると共に、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属として銅及びニッケルのうち少なくとも一方の金属のイオンを0.01〜20重量%の濃度で含有するものであり、これにより、特に金属皮膜2として銅めっき皮膜を形成する場合に、形成される被処理面3に更に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記金属鉄を含有する金属材が、ステンレス材であることを特徴とするものであり、ステンレス材は入手容易であるため、製造コスト削減が可能なものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、被処理面3の表面粗度Raを0.05〜1.00μmとして成ることを特徴とするものであり、これにより、形成される被処理面3に特に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、金属鉄を含有する金属材のクロム含有率が10〜20%、ニッケル含有率が0〜15%であることを特徴とするものであり、これにより、被処理面3に表面粗化処理を施す場合に粗化容易となるようにすることができるものである。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、被処理面3に、銅、銅及びニッケル、銅及びニッケル及び金、並びにニッケルのうちの、いずれかからなるめっき皮膜による金属皮膜2を形成して成ることを特徴とするものであり、これにより、特に配線板の導体配線形成用途に好適に用いることができるものである。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、被処理面3に、めっき皮膜による金属皮膜2を形成し、金属皮膜2の表面に密着性付与のための表面処理を施して成ることを特徴とするものであり、これにより、金属皮膜2の転写時における樹脂層4と金属皮膜2との密着性を向上することができ、特に配線板用途において、長期信頼性を向上することができるものである。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、被処理面3にめっきレジスト皮膜5を形成した後、めっき処理を施すことにより被処理面3に金属皮膜2を形成して成ることを特徴とするものであり、これにより、めっき処理により被処理面3に金属皮膜2を形成することができるものである。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、被処理面3に厚み1〜150μmの金属皮膜2を形成して成ることを特徴とするものであり、これにより、金属皮膜2の表面を平坦に形成すると共に処理コストの増大を抑制することができるものである。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、金属鉄を含有する金属材が、ばね性を有するものであることを特徴とするものであり、これにより、転写用基材1を剥離する際に撓ませたり応力をかけたりしても転写用基材1に破損が生じにくくなり、使用後の転写用基材1を洗浄して有機分の除去を行えば、再度めっき処理等により転写用基材1に金属皮膜2を設けて、転写用基材1を繰り返し使用することが可能となり、材料コストを削減でき、また資源の有効活用により環境保護につながるものである。
【0020】
請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、金属鉄を含有する金属材が、厚み20〜150μmであることを特徴とするものであり、これにより、転写用基材1を剥離する際に、転写用基材1をめくりあげて撓ませながら容易に剥離することができ、且つこのとき樹脂層4に対して過大な応力がかかることを抑制して樹脂層4の破損等を防止することができるものである。
【0021】
請求項12に係る配線板の製造方法は、被処理面3に金属皮膜2が設けられた請求項1乃至11のいずれかに記載の転写用基材1を、樹脂層4に対して、金属皮膜2と樹脂層4とが対向するように積層し、前記転写用基材1を樹脂層4から剥離すると共に金属皮膜2を樹脂層4側に残存させることにより金属皮膜2を樹脂層4に転写することを特徴とするものである。これにより、金属皮膜2の転写時に転写用基材1に金属皮膜2が残存しないようにすることができて良好な剥離性を有し、また金属皮膜2を設けた転写用基材1の取り扱い時等においては金属皮膜2が転写用基材1から不用意に剥離するようなことを防止することができるものである。
【0022】
請求項13に係る配線板の製造方法は、請求項12において、転写用基材1に設けられた金属皮膜2に電気部品6を実装し、前記転写用基材1を樹脂層4に対して、金属皮膜2及び電気部品6と樹脂層4とが対向するように積層すると共に電気部品6を樹脂層4に埋設し、前記転写用基材1を樹脂層4から剥離すると共に金属皮膜2を樹脂層4側に残存させることにより金属皮膜2を樹脂層4に転写することを特徴とするものであり、これにより、金属皮膜2の転写時に転写用基材1に金属皮膜2が残存しないようにすることができて良好な剥離性を有し、また金属皮膜2を設けた転写用基材1の取り扱い時等においては金属皮膜2が転写用基材1から不用意に剥離するようなことを防止することができるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
本発明に係る転写用基材1は、金属鉄を含有する金属材の表面に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面3を形成することにより得られる。
【0025】
この金属鉄を含有する金属材としては適宜のものが用いられるが、特に表面粗化処理を施す場合に粗化容易となるようにするためには、好ましくはクロム含有率が10〜20%、ニッケル含有率が0〜15%のものを用いるものである。このような金属鉄を含有する金属材としては、適宜のステンレス材、例えばSUS301、SUS304からなるもの等が挙げられる。これ以外の材質でも表面粗化は可能であるが、粗化処理のためのエッチング液の濃度管理等が難しくなる。またこれらの組成のステンレス材は汎用されて入手容易であるため、製造コスト削減が可能である。
【0026】
また、ばね性を有する金属鉄を含有する金属材を用いることが好ましい。ばね性を有する金属鉄を含有する金属材としては、JIS G 4313に規定されるばね用ステンレス鋼帯が挙げられるものであり、例えばSUS301−CSP、SUS631−CSP等が挙げられる。このような金属鉄を含有する金属材を用いると、転写用基材1を樹脂層4から剥離する際に撓ませたり応力をかけたりしても転写用基材1に破損が生じにくくなる。このため転写用基材1による金属皮膜2の転写後に転写用基材1を洗浄して有機分の除去を行えば、再度めっき処理等により転写用基材1に金属皮膜2を設けて、転写用基材1を繰り返し使用することが可能となり、材料コストが削減でき、また資源の有効活用により環境保護につながる。
【0027】
また剥離性の向上のためには、金属鉄を含有する金属材の厚みが20〜150μmの範囲であることが好ましく、この場合、転写用基材1を樹脂層4から剥離する際に、転写用基材1を樹脂層4からめくりあげて撓ませながら容易に剥離することができ、且つこのとき樹脂層4に対して過大な応力がかかることを抑制して樹脂層4の破損等を防止することができる。尚、樹脂層4がフレキシブル性がある場合、あるいは加工上の制限により転写用基材1に十分な剛直性が必要とされる場合などには、厚みが150μmを超えてもよい。
【0028】
そしてこのような金属鉄を含有する金属材の表面に、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面3を形成することにより、転写用基材1が得られる。ここで被処理面3は、金属鉄を含有する金属材に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属又はこの金属のイオンを付着させて形成することができる。このような鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面3は、金属めっき皮膜、特に銅めっき皮膜との間で適度な密着性と離型性を有し、めっき皮膜からなる金属皮膜2を設けた場合に、金属皮膜2の転写時に転写用基材1を剥離する際には転写用基材1に金属皮膜2が残存しないようにすることができる。また金属皮膜2を設けた転写用基材1の取り扱い時等においては金属皮膜2が転写用基材1から不用意に剥離するようなことを防止することができ、例えば後述するように転写用基材1に設けた金属皮膜2に半田リフロー等により電気部品6を実装する場合には、半田リフロー中における金属皮膜2の剥離を防止して電気部品6の脱落が発生することを防ぐことができるものである。
【0030】
エッチング液を用いてステンレス材の一面を処理することにより、金属鉄を含有する金属材の表面に粗化処理を施すと同時にこの表面に、被処理面3を形成する。このとき、エッチング液としては、鉄イオンと、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンとを含むエッチング液を用いて金属鉄を含有する金属材の一面を処理することにより、金属鉄を含有する金属材の表面に粗化処理を施すと同時にこの表面に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有させて、被処理面3を形成する。
【0031】
このエッチング液としては、塩化第二鉄を含み、或いは塩化第二鉄と塩化第一鉄とを含むことにより鉄イオンを含有させたアルカリエッチング液(塩化鉄エッチング液)に、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンを含有させたものを用いることが好ましく、またこの鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンとしては、銅イオン又はニッケルイオンを含有させることが好ましい。
【0032】
ここで、通常のステンレス材等の加工には660mV以上の酸化還元電位を有するエッチング液を用いて、サイドエッチの少ない加工を行うが、本発明においては表面の金属鉄を含有する金属材に密着性を向上させる凹凸を形成することが目的であり、表面の粗化のみを行うために通常のステンレス加工よりも低い酸化還元電位を有するエッチング液で処理を行うことが好ましい。具体的には、上記の塩化第二鉄を含み、或いは塩化第二鉄と塩化第一鉄とを含むアルカリエッチング液として、比重が1.1〜1.7であり、且つ酸化還元電位が400〜660mVの範囲のものを用いることが好ましいものである。
【0033】
このようなエッチング液を、金属鉄を含有する金属材の表面処理液として使用すると、金属鉄を含有する金属表面で主として次の2つの反応が同時に起こり、これにより表面処理を可能にすると考えられる。
【0034】
まず1つ目の反応は、下記に示されるような、金属鉄を含有する金属表面を粗化させる反応である。
【0035】
2FeCl3+Fe→3FeCl2
すなわち金属鉄を含有する金属材の主成分である鉄をエッチングさせる反応である。これは一般的に鉄が、溶液中の3価の鉄イオンと反応し、2価の鉄イオンとなり溶解する反応と考えられる。尚、鉄を溶解するという意味で、一般のエッチング液の酸化還元電位は、660〜700mVと高い状態で使用することで、エッチング力も高く好ましいとされているが、本発明において転写基材を作製するような場合、金属鉄を含有する金属材の表面処理のみを必要とすることから、400〜660mVとエッチング力の弱い状態でのエッチング液を使用することが好ましく、これにより、金属鉄を含有する金属材の処理前後の厚みは殆ど変えずに、表面粗化を可能とする。
【0036】
2つ目の反応は、下記に示されるような、金属鉄を含有する金属材の表面に銅等の鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を付着含有させる反応である。下記の式は、エッチング液中に塩化銅を含有させることで銅イオンを含有させた場合のものである。
【0037】
CuCl2+Fe→FeCl2+Cu
この反応においては、エッチング液に銅イオン等の鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンを含有させていることにより、液中の鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンと金属鉄を含有する金属材の主成分である鉄とが反応し、鉄はエッチングされイオン化するが、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンは、金属となって金属鉄を含有する金属材の表面粗化部に析出含有する状態になるものである。
【0038】
この2つの反応により、金属鉄を含有する金属の表面粗化処理面に銅を含有する被処理面3を形成させることができ、金属めっき皮膜、特に銅めっき皮膜との間で適度な密着性を有することを可能とする。
【0039】
本発明では、このように、一般に使われる塩化鉄エッチング液に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンを含有させたエッチング液を用いて、被処理面3を形成することで、従来あるエッチング技術で粗化処理しただけでは得られないめっき皮膜との密着性を付与させることがはじめて可能となった。ここでの塩化鉄エッチング液に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンを含有させたエッチング液の比重は、1.1〜1.7が好ましく、酸化還元電位は、400〜660mVが好ましい。これにより、後にも詳しく述べるが、部品を金属鉄を含有する金属材にめっき等により形成された金属皮膜2(導体配線)上に半田リフローにより実装しても熱による金属皮膜2の剥離は全く起こさなくなるものである。また逆に樹脂シート等のシート材への金属皮膜2の転写時においては、100℃程度の温度領域で金属皮膜2の転写が可能となり、樹脂シート等の硬化を促進させない条件での転写が可能となるものである。これにより部品を内蔵した樹脂シート等の一括多層化が容易にできるものである。
【0040】
このように、塩化鉄エッチング溶液に鉄よりもイオン化傾向の小さい金属のイオンを含有させたエッチング液を用いると、金属鉄を含有する金属の粗化表面に、これら金属が付着含有し、被処理面3を形成することが可能なものであるが、特に金属皮膜2として銅めっき皮膜を形成し、この銅めっき皮膜と被処理面3との間における適度な密着性を得るためには、イオン化傾向のより小さい銅イオン又はニッケルイオン、殊に銅イオンを含有する塩化鉄溶液エッチング液で、金属鉄を含有する金属材の表面処理をする方が、効率が良い。
【0041】
上記のように塩化第二鉄溶液等のアルカリエッチング液に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンを溶解させたものを用いる場合には、エッチング液中における鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンの含有量は0.01〜20重量%となるようにするのが好ましく、この含有量が0.01重量%に満たないと半田リフロー中に金属皮膜2が剥離してしまい、電気部品6の脱落が発生するおそれがあり、またこの含有量が20重量%を超えると転写用基材1と金属皮膜2との密着性が強くなりすぎて樹脂層4への金属皮膜2の転写が困難となる場合がある。また銅イオンの含有量が高いと過度の粗面化を防止するためには短時間で処理を行う必要があって、処理度合いにバラツキが生じやすくなるため、特に銅イオンの含有量が0.1〜5.0重量%、となるようにすることが好ましい。
【0042】
被処理面3における鉄よりもイオン化傾向が小さい金属の含有量は特に制限されず、またエッチング液を用いた処理を行う場合には粗面化に要する処理時間等の処理条件に応じて好適な付着量も変動する場合がある。例えば鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンの含有量が少ないエッチング液で表面処理する場合は、処理時間を長くし、この含有量が高いエッチング液で表面処理する場合は、処理時間を短くする等の処理条件を変えることで、被処理面3と金属めっき皮膜の間の適度な密着性得ることができる。
【0043】
また転写用基材1の被処理面3は、表面粗度Raを0.05〜1.00μmの範囲となるように形成することが好ましい。この表面粗度は、JIS B0601に基づき、カットオフ値λc=0.80mm、測定長さL=λc×5=4.0mmで測定することにより得られる。この場合、金属皮膜2の転写性を更に向上すると共に、半田リフロー時等における転写用基材1からの金属皮膜2の不用意な脱落を更に抑制することができる。ここで、この表面粗度は小さいものであって通常では転写用基材1と金属皮膜2との間に十分な密着性は得られないが、上記のように転写用基材1の被処理面3は銅を含有していることから、転写用基材1と金属皮膜2との間に適度な未着性が得られるものである。この表面粗度Raが0.05μmに満たないと半田リフロー中に金属皮膜2が剥離してしまい、電気部品6の脱落が発生するおそれがあり、また表面粗度Raが1.00μmを超えると転写用基材1と金属皮膜2との密着性が強くなりすぎて樹脂層4への金属皮膜2の転写が困難となる場合がある。
【0044】
このような転写用基材1に対して金属皮膜2を形成するにあたっては、例えば図1に示すように、転写用基材1の被処理面3に適宜のパターン形状を有するめっきレジスト皮膜5を形成した後、無電解めっき処理と電解めっき処理の少なくとも一方にてめっき皮膜を形成し、これにより金属皮膜2を形成することができる。
【0045】
めっきレジスト皮膜5としては適宜のものを形成することができるが、例えばアクリル系やメタクリル系等の感光性樹脂組成物からなるものを用いることができる。
【0046】
金属皮膜2の材質は特に制限されないが、配線板製造時の導体配線の転写用に適用する場合には、銅めっき皮膜、銅めっきとニッケルめっきを順次施した銅・ニッケルめっき皮膜、銅めっき、金めっき、ニッケルめっきを順次施した銅・金・ニッケルめっき皮膜等を形成することが好ましい。配線板製造時の導体配線の転写用以外の用途に用いる場合には、めっきによる皮膜形成可能な金属皮膜2でれば特に制限はない。
【0047】
金属皮膜2の厚みは特に制限されないが、一般的な金属箔の厚みと同等な1〜150μmの範囲とすることが好ましい。また金属皮膜2の厚みを1μm未満とし、樹脂層4への金属皮膜2の転写後にこの金属皮膜2にめっき処理を施すことで厚膜化することもできる。また金属皮膜2の厚みが150μmを超えると、金属皮膜2の形成に時間がかかりすぎて処理コストも増大するものであり、まためっき皮膜も厚膜とする必要があり、めっき皮膜に十分な厚みがなければ金属皮膜2がその上部が盛り上がったキノコ状に形成されてしまう。また特に金属皮膜2の厚みは10〜35μmとすることが好ましく、この場合、被処理面3を銅イオンを含有するエッチング液による表面処理にて形成する場合は銅イオンを1〜3重量%の範囲で含有するエッチング液を用いることが好ましい。
【0048】
また転写用基材1に設けられた金属皮膜2には、その表面に黒化処理、サンドブラスト処理、アルカリ−亜塩素酸系黒化処理、ホーニング等のような、物理研磨、化学研磨等により、金属皮膜2に密着性付与のための表面処理を施すことにより、転写時における樹脂層4と金属皮膜2との密着性を向上することが好ましい。このようにすると、特に配線板用途において、長期信頼性を向上することができる。
【0049】
上記のようにしてめっき処理により転写用基材1に金属皮膜2を形成する際には、図1(c)に示すように金属皮膜2の形成後にめっきレジスト皮膜5を剥離するが、めっきレジスト皮膜5を転写用基材1に残存させ、樹脂層4に金属皮膜2を転写する際に同時にめっきレジスト皮膜5も樹脂層4に転写することもできる。詳しくは後述する。
【0050】
上記のようにして構成される転写用基材1を用いると、適宜の樹脂層4に対して金属皮膜2を転写することができ、特に配線板の製造にあたって導体配線を転写するために好適に用いることができるが、このような用途に限られず、配線板以外の電気機器に導体配線を転写したり、あるいは金属皮膜2による装飾を形成したりするためなど、種々の用途に適用することができる。
【0051】
上記のように構成される転写用基材1を用いた金属皮膜2の転写方法について、特に配線板を形成する場合に樹脂層4に導体配線を形成する場合を例に挙げて説明する。
【0052】
樹脂層4は、エポキシ樹脂組成物等のような適宜の電気絶縁性の熱硬化性樹脂組成物から構成することができる。
【0053】
樹脂層4の形成には、例えば樹脂組成物をシート状に成形し、加熱乾燥して半硬化状態とした樹脂シートや、繊維シートに樹脂組成物を含浸させ加熱乾燥して半硬化状態としたプリプレグなどといった、Bステージ状態の電気絶縁性の樹脂組成物から構成されるシート材を用いることができる。樹脂層4は一枚のシート材にて形成し、又は複数枚のシート材を積層一体化して形成することができる。
【0054】
そして金属皮膜2が設けられた転写用基材1を金属皮膜2と樹脂層4とが対向するようにして樹脂層4に積層し、転写用基材1のみを剥離して金属皮膜2を樹脂層4側に残存させることにより、金属皮膜2を樹脂層4に転写して導体配線を形成し、配線板を得ることができる。
【0055】
図2に示す例では、めっきレジスト皮膜5を剥離した転写用基材1を用い、まず一枚のシート材4a又はシート材4aを複数枚積層したものの一面又は両面に、金属皮膜2の形成がなされた転写用基材1を、金属皮膜2を形成した面がシート材4aと対向するように積層配置して加熱加圧成形を行うことにより一体化するものである。この加熱加圧成形は、成形後のシート材4aから形成される樹脂層4がBステージ状態に維持される条件又は樹脂層4がCステージ状態に形成される条件で行う。
【0056】
次いで、転写用基材1を樹脂層4から剥離すると共に、金属皮膜2を樹脂層4に残存させるものであり、これにより、樹脂層4(絶縁層)の一面又は両面に金属皮膜2からなる導体配線が設けられた配線板を得ることができる。
【0057】
このように形成される配線板では、樹脂層4(絶縁層)の片側又は両側の表層に、金属皮膜2からなる導体配線が樹脂層4(絶縁層)の表面に露出するように埋設されて形成されており、樹脂層4(絶縁層)の外面と導体配線の露出面とが面一となって、表面が凹凸なく平坦に形成される。
【0058】
図3に示す例では、金属皮膜2の形成後にめっきレジスト皮膜5を剥離せずに残存させた転写用基材1を用い、まず一枚のシート材4a又はシート材4aを複数枚積層したものの一面又は両面に、金属皮膜2の形成がなされた転写用基材1を、金属皮膜2を形成すると共にめっきレジスト皮膜5を残存させた面がシート材4aと対向するように積層配置して加熱加圧成形を行うことにより一体化するものである。この加熱加圧成形は、成形後のシート材4aから形成される樹脂層4がBステージ状態に維持される条件又は樹脂層4がCステージ状態に形成される条件で行う。
【0059】
ここで、このようにめっきレジスト皮膜5を残存させたまま積層成形を行う場合には、めっきレジスト皮膜5を、プリント配線板用途に用いられる適宜の永久レジストで形成することが好ましく、例えばタムラ化研製のDSRシリーズ、アサヒ化研製のDPRシリーズ、太陽インキ製のPSRシリーズ等を用いることができる。
【0060】
次いで、転写用基材1を金属皮膜2及びめっきレジスト皮膜5から剥離すると共に、金属皮膜2とめっきレジスト皮膜5とを樹脂層4に残存させるものであり、これにより、絶縁層の一面又は両面に金属皮膜2からなる導体配線が設けられた配線板を得ることができる。
【0061】
このように形成される配線板では、樹脂層4と、これに密着して一体に成形されためっきレジスト皮膜5とから絶縁層が形成され、この絶縁層の片側又は両側の表層に、金属皮膜2からなる導体配線が絶縁層の表面に露出するように埋設されて形成されており、絶縁層の外面と導体配線の露出面とが面一となって、表面が凹凸なく平坦に形成される。このとき、樹脂層4に対する金属皮膜2の転写時には樹脂層4を構成する樹脂が大きく流動することがなく、成形性が更に向上する。
【0062】
また転写用基材1を剥離した後に、更にめっきレジスト皮膜5を樹脂層4から剥離することにより配線板を得るようにしても良い。この場合、樹脂層4からなる絶縁層の一面又は両面に、金属皮膜2からなる導体配線が凸状に形成された配線板が得られる。
【0063】
上記のようにして作製された配線板には、レーザ加工やドリル加工等による孔あけ加工を施した後に、この孔内にホールめっきを施したり導電性ペーストを充填したりするなどしてスルーホールを形成することができる。また金属皮膜2の転写前に予め樹脂層4に孔あけ加工を施すと共にこの孔内に導電性ペーストを充填し、次いでこの導電性ペーストを充填した孔の金属皮膜2とを位置合わせするようにして金属皮膜2を樹脂層4に転写することにより配線板を形成することもできる。
【0064】
また、配線板を作製するにあたっては、転写用基材1を形成した金属皮膜2の所定位置に電気部品6を実装した状態で樹脂層4に金属皮膜2を転写することにより、絶縁層内に電気部品6が埋設された配線板を作製することもできる。さらにこのように作製する配線板は、転写用基材1を用いることで、絶縁層内に電気部品6を所定位置に高精度に埋設することができる。
【0065】
図4に示す例では、転写用基材1を形成した金属皮膜2の所定位置に電気部品6を実装する。この電気部品6としては、チップ状抵抗体、チップ状コンデンサ、チップ状インダクタ等のような受動部品を実装することができるものであり、このときチップ状部品は半田7にて金属皮膜2に接続して実装することができる。また電気部品6としては、シリコンベアチップ等の半導体ベアチップのような能動部品を実装することもでき、この場合は、半導体ベアチップを半田ボール等により金属皮膜2に接続し、アンダーフィルを充填硬化して実装することができる。アンダーフィルとしては、一般的に用いられるエポキシ樹脂組成物等からなるものを用いることができる。
【0066】
尚、電気部品6の実装は半田7によるものには限られず、導電性ペーストを用いて実装することもできるが、半田7による接続の方が実装信頼性が高い。
【0067】
また、電気部品6を実装するにあたり、金属皮膜2が形成された転写用基材1上の所定箇所に、電気部品6として抵抗素子及びコンデンサ素子の少なくともいずれかを印刷成形することもできる。例えば抵抗素子(印刷抵抗)を印刷成形する場合には、熱硬化性樹脂中に金属粉を混入するなどしたペースト状の抵抗材料を印刷した後、加熱することにより、高容量の素子を形成することができる。またコンデンサ素子を印刷成形する場合には熱硬化性樹脂中に高誘電率フィラーとして、チタン酸バリウム等を混入するなどしたペースト状の誘電材料を印刷した後、加熱することにより高容量の素子を形成することができる。特に、ペーストの樹脂分を焼成して揮散させることによりセラミック状にして、より高い誘電素子を形成することができる。
【0068】
このように電気部品6を印刷成形する場合には、非常に薄い素子を形成することが可能になり薄型化を実現できる。また、電気部品6を半田実装することがないので、プリント配線板加工の既存設備での加工が可能となる。
【0069】
また、印刷成形された電気部品6に対しては、レーザによるトリミング等により容量値や抵抗値の調整が行われるが、この場合、FR−4タイプ等の配線板上に直接印刷成形する場合、熱による基板の破損や、熱収縮、熱劣化等による基板の信頼性低下などの、悪影響が生じるおそれがある。これに対して、電気部品6を転写用基材1上に印刷成形すると、電気部品6を転写用基材1上に実装した状態でレーザ加工を施すことができ、下地の破損や配線板シート材本体に対する熱による悪影響等を考慮せずに加工を行うことができるものである。
【0070】
このように金属皮膜2に電気部品6が実装された転写用基材1を用いて、配線板を作製するにあたっては、まず一枚のシート材4a又はシート材4aを複数枚積層したものの一面又は両面に、金属皮膜2の形成がなされると共にこの金属皮膜2に電気部品6が実装された転写用基材1を、金属皮膜2を形成すると共に電気部品6が実装された面がシート材4aと対向するように積層配置して加熱加圧成形を行うことにより一体化するものである。この加熱加圧成形は、成形後のシート材4aから形成される樹脂層4がBステージ状態に維持される条件又は樹脂層4がCステージ状態に形成される条件で行う。
【0071】
この成形過程においては、まずシート材4aが溶融軟化すると共に複数のシート材4aが積層されている場合にはこれらのシート材4aが一体化し、またこの溶融軟化したシート材4aが流動することにより、転写用基材1に形成された金属皮膜2及び金属皮膜2に実装された電気部品6が、シート材4aから形成される樹脂層4中に埋設される。
【0072】
次いで、転写用基材1を樹脂層4から剥離すると共に、金属皮膜2を樹脂層4に残存させるものであり、これにより、樹脂層4(絶縁層)の一面又は両面に金属皮膜2からなる導体配線が設けられ、且つ絶縁層内に電気部品6が埋設された配線板を得ることができる。
【0073】
このように形成される配線板では、樹脂層4(絶縁層)の片側又は両側の表層に、金属皮膜2からなる導体配線が樹脂層4(絶縁層)の表面に露出するように埋設されて形成されており、樹脂層4(絶縁層)の外面と導体配線の露出面とが面一となって、表面が凹凸なく平坦に形成される。
【0074】
図5に示す例では、図3に示すものと同様に金属皮膜2の形成後にめっきレジスト皮膜5を剥離せずに残存させた転写用基材1を用い、この金属皮膜2の所定位置に、図4に示すものと同様に電気部品6を実装する。尚、図5に示す例では、めっきレジスト皮膜5の厚みよりも金属皮膜2の厚みを薄く形成しており、このときめっきレジスト皮膜5がアンダーフィルの役割を果たしている。
【0075】
そして、まず一枚のシート材4a又はシート材4aを複数枚積層したものの一面又は両面に、金属皮膜2の形成がなされた転写用基材1を、金属皮膜2を形成すると共にめっきレジスト皮膜5を残存させた面がシート材4aと対向するように積層配置して加熱加圧成形を行うことにより一体化するものである。この加熱加圧成形は、成形後のシート材4aから形成される樹脂層4がBステージ状態に維持される条件又は樹脂層4がCステージ状態に形成される条件で行う。
【0076】
この成形過程においては、まずシート材4aが溶融軟化すると共に複数のシート材4aが積層されている場合にはこれらのシート材4aが一体化し、またこの溶融軟化したシート材4aが流動することにより、転写用基材1に形成された金属皮膜2に実装された電気部品6が、シート材4aから形成される樹脂層4中に埋設される。また転写用基材1に残存させためっきレジスト皮膜5は、樹脂層4と積層一体化する。
【0077】
次いで、転写用基材1を金属皮膜2及びめっきレジスト皮膜5から剥離すると共に、金属皮膜2とめっきレジスト皮膜5とを樹脂層4に残存させるものであり、これにより、絶縁層の一面又は両面に金属皮膜2からなる導体配線が設けられ、且つ絶縁層内に電気部品6が埋設された配線板を得ることができる。
【0078】
このように形成される配線板では、樹脂層4と、これに密着して一体に成形されためっきレジスト皮膜5とから絶縁層が形成され、この絶縁層の片側又は両側の表層に、金属皮膜2からなる導体配線が絶縁層の表面に露出するように埋設されて形成されており、絶縁層の外面と導体配線の露出面とが面一となって、表面が凹凸なく平坦に形成される。
【0079】
このようにして形成された、絶縁層に電気部品6が埋設された配線板には、レーザ加工やドリル加工等による孔あけ加工を施した後に、この孔内にホールめっきを施したり導電性ペーストを充填したりするなどしてスルーホールを形成することができる。また金属皮膜2の転写前に予め樹脂層4に孔あけ加工を施すと共にこの孔内に導電性ペーストを充填し、次いでこの導電性ペーストを充填した孔の金属皮膜2とを位置合わせするようにして金属皮膜2を樹脂層4に転写することにより配線板を形成することもできる。
【0080】
以上のようにして得られる配線板は、絶縁層をCステージ状態まで硬化させる場合には、一層の絶縁層の片面又は両面に導体配線を有する配線板として用いられる。またこの配線板をコア材としてビルドアップ工法等により、更に多層の配線板を作製することもできる。
【0081】
また、絶縁層をBステージ状態に維持し、又はCステージ状態まで硬化させた配線板の一面又は両面に、絶縁層をBステージ状態に維持した他の配線板を積層し、加熱硬化することにより一体成形して、多層の配線板を得ることもできる。
【0082】
【実施例】
(実施例1)
ステンレス材として、SUS301(76%Fe,17%Cr,7%Ni)、調質3/4H、厚み100μmのものを用い、その一面に対して、3.0重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位550mV、比重1.46)にてエッチング処理を15秒間施すことにより被処理面を形成し、転写用基材を得た。
【0083】
この転写用基材の被処理面の水洗、脱脂を行った後、被処理面にレジスト用感光性樹脂組成物(デュポン社製、品番「FX−140」)を塗布し、露光・現像処理を施すことによりめっきレジスト皮膜を形成した。次いで、7%塩酸水溶液を用いて45秒間酸処理を施した後、電解銅めっき(硫酸銅めっき)処理を施して、厚み10μmの金属皮膜を形成し、続いてめっきレジスト皮膜を剥離した。
【0084】
(実施例2)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、8.0重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位550mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を5秒間とした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0085】
(実施例3)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、1.0重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位555mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0086】
(実施例4)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、3.0重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位545mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。また形成する金属皮膜の厚みは35μmとなるようにした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0087】
(実施例5)
使用するステンレス材の厚みを50μmとし、また形成する金属皮膜の厚みは50μmとなるようにした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0088】
(実施例6)
使用するステンレス材の厚みを200μmとし、また形成する金属皮膜の厚みは50μmとなるようにした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0089】
(実施例7)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、3.0重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位552mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。また形成された金属皮膜の表面には、黒化処理を施した。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0090】
(実施例8)
めっきレジスト皮膜を、耐金めっき性を有する永久レジスト(タムラ化研製、品番「DSR 2200KGX−88」)にて厚み9μmに形成した。また金属皮膜の形成にあたっては、硫酸銅めっき処理にて厚み10μmの皮膜を形成した後、厚み5μmのニッケルめっきの皮膜と厚み0.5μmの金めっきの皮膜を形成した。また転写用基材にはめっきレジスト皮膜を剥離せずに残存させた。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0091】
(実施例9)
ステンレス基材として、SUS304(74%Fe,18%Cr,8%Ni)、調質3/4H、厚み100μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0092】
(実施例10)
ステンレス基材として、SUS316(67.5%Fe,18%Cr,12%Ni,2.5%Mo)、調質H、厚み100μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0093】
(実施例11)
ステンレス基材として、SUS631−CSP(75%Fe,17%Cr,7%Ni,1%Al)、調質H、厚み100μmのものを用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0094】
(実施例12)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、0.08重量%の銅イオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位555mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を120秒間とした。また形成された金属皮膜の表面には、黒化処理を施した。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0095】
(実施例13)
被処理面の形成のためのエッチング処理を、3重量%のニッケルイオンを含有する塩化第二鉄溶液(酸化還元電位550mV、比重1.45)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。また形成された金属皮膜の表面には、黒化処理を施した。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0096】
(比較例1)
ステンレス材に被処理面を形成しないものを転写用基材として用いた以外は実施例1と同様にして、転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0097】
(比較例2)
ステンレス材に対するエッチング処理を、銅イオンを含有しない塩化第二鉄溶液(酸化還元電位560mV、比重1.45)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0098】
(比較例3)
ステンレス基材として、SUS304(74%Fe,18%Cr,8%Ni)、調質3/4H、厚み100μmのもの(実施例9と同様のもの)を用い、ステンレス材に対するエッチング処理を、銅イオンを含有しない塩化第二鉄溶液(酸化還元電位560mV、比重1.46)を用いて行い、その処理時間を40秒間とした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0099】
(比較例4)
ステンレス材に対してエッチング処理を施す代わりに、#1500のサンドペーパにて研磨することにより粗化して転写用基材を形成し、この粗化面に対して金属皮膜を形成するようにした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0100】
(比較例5)
ステンレス材に対してエッチング処理を施す代わりに、#100のサンドペーパにて研磨することにより粗化して転写用基材を形成し、この粗化面に対して金属皮膜を形成するようにした。それ以外は実施例1と同様にして転写用基材に金属皮膜を形成した。
【0101】
(評価試験)
1.表面粗度測定
各実施例及び比較例につき、金属皮膜が設けられている側の転写用基材の面の表面粗度Raを、JIS B0601に基づき、触針式の小型表面粗さ測定器(ハンディーサーフ;型番「E−35A」;東京精密社製)を用いて、カットオフ値λc=0.80mm、測定長さL=λc×5=4.0mmで測定した。
【0102】
2.半田耐熱性試験
各実施例及び比較例につき、転写用基材に設けた金属皮膜を、260℃のリフロー炉にて20秒間加熱した後の、転写用基材からの金属皮膜の剥離の有無を観察し、次のような評価基準で評価した。
○:剥離発生なし。×:浮き剥離発生。−:リフロー処理前に剥離発生していて判定不可。
【0103】
3.ピール強度評価及び転写性評価
各実施例及び比較例につき、まずフィラー85重量%含有させた熱硬化性エポキシ樹脂を使用した松下電工株式会社製の樹脂付き銅箔(品番「R−0870」)における樹脂の厚みを400μmに変更し、この樹脂付き銅箔の樹脂面に転写用基材6を、金属皮膜5を形成した面が樹脂シートと対向するように積層配置すると共に他面にステンレス箔を配置し、更にその両側に厚み75μmの離型性PETフィルム、厚み2mmのSUSプレート、2枚のパット紙をそれぞれ順次配置したものを、減圧チャンバー内で熱盤間に配置した。
【0104】
この状態で減圧チャンバー内を真空引きして1.3kPa(10Torr)以下の減圧雰囲気としてから加熱加圧成形を行った。成形は、まず130℃、29MPa(3kgf/cm2)で10分保持した後、15分間かけて175℃まで昇温し、この状態で10分間保持することにより行った。
【0105】
成形後、転写用基材のみを剥離する際におけるピール強度を、引っ張り試験機によるバネばかりの目視計測により測定した。
【0106】
また、転写用基材の剥離後の、樹脂層に転写された金属皮膜を観察し、次の評価基準にて転写性を評価した。
○:全て転写。△:転写するが実施しにくい。×:転写せず。−:転写前に金属皮膜が剥離して評価不能。
【0107】
以上の結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
【発明の効果】
上記のように請求項1に係る転写用基材では、金属鉄を含有する金属材に形成された鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面は、金属めっき皮膜との間で適度な密着性と離型性を有し、転写用基材にめっき皮膜からなる金属皮膜を設けた場合に、金属皮膜の転写時に転写用基材に金属皮膜が残存しないようにすることができて良好な剥離性を有し、また金属皮膜を設けた転写用基材の取り扱い時等においては金属皮膜が転写用基材から不用意に剥離するようなことを防止することができるものである。
【0110】
また、鉄イオンと、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンとを含有するエッチング液を用いることで、エッチング液によって金属鉄を含有する金属表面を粗化させる反応と、金属鉄を含有する金属材の表面に鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を付着含有させる反応とを生じさせて、金属鉄を含有する金属材の表面に粗化処理を施すと同時にこの表面に被処理面を形成することができ、形成される被処理面に特に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0111】
また請求項2の発明では、塩化第二鉄、又は塩化第二鉄及び塩化第一鉄を含有すると共に銅及びニッケルのうち少なくとも一方の金属のイオンを0.01〜20重量%の濃度で含有するエッチング液を用いることで、特に金属皮膜として銅めっき皮膜を形成する場合に、形成される被処理面に更に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0112】
また請求項3の発明では、ステンレス材を用いることで、ステンレス材は入手容易であるため、製造コスト削減が可能なものである。
【0113】
また請求項4の発明では、表面粗度Raが0.05〜1.00μmの被処理面によって特に優れた密着性と離型性とを付与することができるものである。
【0114】
また請求項5の発明では、クロム含有率が10〜20%、ニッケル含有率が0〜15%の、金属鉄を含有する金属材により、被処理面に表面粗化処理を施す場合に粗化容易となるようにすることができるものである。
【0115】
また請求項6の発明では、銅、銅及びニッケル、銅及びニッケル及び金、又はニッケルからなるめっき皮膜による金属皮膜により、特に配線板の導体配線形成用途に好適に用いることができるものである。
【0116】
また請求項7の発明は、めっき皮膜による金属皮膜の転写時における樹脂層と金属皮膜との密着性を、金属皮膜の表面に密着性付与のための表面処理を施すことで向上することができ、特に配線板用途において、長期信頼性を向上することができるものである。
【0117】
また請求項8の発明は、被処理面にめっきレジスト皮膜を形成した後にめっき処理を施すことで、めっき処理により被処理面に金属皮膜を形成することができるものである。
【0118】
また請求項9の発明は、金属皮膜を厚み1〜150μmに形成することでその表面を平坦に形成すると共に処理コストの増大を抑制することができるものである。
【0119】
また請求項10の発明は、ばね性を有する金属鉄を含有する金属材により、転写用基材を剥離する際に撓ませたり応力をかけたりしても転写用基材に破損が生じにくくなり、使用後の転写用基材を洗浄して有機分の除去を行えば、再度めっき処理等により転写用基材に金属皮膜を設けて、転写用基材を繰り返し使用することが可能となり、材料コストを削減でき、また資源の有効活用により環境保護につながるものである。
【0120】
また請求項11の発明は、金属鉄を含有する金属材の厚みを20〜150μmとすることで、転写用基材を剥離する際に、転写用基材をめくりあげて撓ませながら容易に剥離することができ、且つこのとき樹脂層に対して過大な応力がかかることを抑制して樹脂層の破損等を防止することができるものである。
【0121】
また請求項12に係る配線板の製造方法では、金属皮膜の転写時に転写用基材に金属皮膜が残存しないようにすることができて良好な剥離性を有し、また金属皮膜を設けた転写用基材の取り扱い時等においては金属皮膜が転写用基材から不用意に剥離するようなことを防止することができるものである。
【0122】
また請求項13に係る配線板の製造方法では、金属皮膜の転写時に転写用基材に金属皮膜が残存しないようにすることができて良好な剥離性を有し、また金属皮膜を設けた転写用基材の取り扱い時等においては金属皮膜が転写用基材から不用意に剥離するようなことを防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(c)は概略断面図である。
【図2】配線板の製造工程の一例を示すものであり、(a)乃至(d)は概略断面図である。
【図3】配線板の製造工程の他例を示すものであり、(a)乃至(d)は概略断面図である。
【図4】配線板の製造工程の更に他例を示すものであり、(a)乃至(c)は概略断面図である。
【図5】配線板の製造工程の更に他例を示すものであり、(a)乃至(c)は概略断面図である。
【符号の説明】
1 転写用基材
2 金属皮膜
3 被処理面
4 樹脂層
5 めっきレジスト皮膜
6 電気部品
Claims (13)
- 表面に金属皮膜が設けられた転写用基材を、樹脂層に対して、金属皮膜と樹脂層とが対向するように積層し、転写用基材を樹脂層から剥離すると共に金属皮膜を樹脂層側に残存させることにより金属皮膜を樹脂層に転写するために用いられる転写用基材において、金属鉄を含有する金属材の表面に、鉄イオンと、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属のイオンとを含有するエッチング液を用いて表面処理を施すことにより、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属を含有する被処理面を形成して成ることを特徴とする転写用基材。
- 上記エッチング液が、塩化第二鉄、又は塩化第二鉄及び塩化第一鉄を含有すると共に、鉄よりもイオン化傾向が小さい金属として銅及びニッケルのうち少なくとも一方の金属のイオンを0.01〜20重量%の濃度で含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の転写用基材。
- 上記金属鉄を含有する金属材が、ステンレス材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写用基材。
- 被処理面の表面粗度Raを0.05〜1.00μmとして成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の転写用基材。
- 金属鉄を含有する金属材のクロム含有率が10〜20%、ニッケル含有率が0〜15%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写用基材。
- 被処理面に、銅、銅及びニッケル、銅及びニッケル及び金、並びにニッケルのうちの、いずれかからなるめっき皮膜による金属皮膜を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の転写用基材。
- 被処理面に、めっき皮膜による金属皮膜を形成し、金属皮膜の表面に密着性付与のための表面処理を施して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の転写用基材。
- 被処理面にめっきレジスト皮膜を形成した後、めっき処理を施すことにより被処理面に金属皮膜を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の転写用基材。
- 被処理面に厚み1〜150μmの金属皮膜を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の転写用基材。
- 金属鉄を含有する金属材が、ばね性を有するものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の転写用基材。
- 金属鉄を含有する金属材が、厚み20〜150μmであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の転写用基材。
- 被処理面に金属皮膜が設けられた請求項1乃至11のいずれかに記載の転写用基材を、樹脂層に対して、金属皮膜と樹脂層とが対向するように積層し、前記転写用基材を樹脂層から剥離すると共に金属皮膜を樹脂層側に残存させることにより金属皮膜を樹脂層に転写することを特徴とする配線板の製造方法。
- 転写用基材に設けられた金属皮膜に電気部品を実装し、前記転写用基材を樹脂層に対して、金属皮膜及び電気部品と樹脂層とが対向するように積層すると共に電気部品を樹脂層に埋設し、前記転写用基材を樹脂層から剥離すると共に金属皮膜を樹脂層側に残存させることにより金属皮膜を樹脂層に転写することを特徴とする請求項12に記載の配線板の製造方法。
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