JP3893558B2 - 小型ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の小型ポンプを図4に示すダイヤフラムポンプを例として説明する。
【0003】
図4において、1はモータ、2はモータ1の出力軸、3は出力軸2に固定されたクランク体、4はクランク体3に傾斜させて取りつけた駆動軸、5は板状の部分5aと軸受部5bとよりなる駆動体で、軸受部5bに駆動軸4を摺動・回動可能に挿入することにより取り付けられている。6はボール、7はケース、8はシリンダー部である。
【0004】
また10はダイヤフラム本体、11はダイヤフラム部、12はダイヤフラム部11と一体に形成されていて駆動体5の板状の部分5aに図示するように取り付けられている駆動部(ピストン部)、13はダイヤフラム部11と一体に形成された吐出弁、14はポンプ室、15は蓋体で排出口16、共通室(弁室)17、吸入口18等にて構成されている。19は蓋体15に取り付けられた吸入弁である。
【0005】
この従来の小型ポンプは、モータ1の駆動による出力軸2の回転によってクランク体3を回転させ、このクランク体3が回転することにより、これに傾斜させて取り付けてある駆動軸4はその傾斜方向つまり出力軸2の延長線に対する傾斜方向が変化する。このような駆動軸4の運動によって駆動体5もその傾きを変化させる。つまり駆動体5の板状の部分5aの傾斜方向が変化する。この駆動体5の板状の部分5aの傾きの変化によりこれに取り付けられてる駆動部(ピストン部)12が往復動してポンプ室14の容積を変化させ、それによって吸入弁19を開いて吸入口18より流体を流入させまたポンプ室14内に流入した流体を吐出弁13を開き弁室17を通って排出口16より供給するというポンプ作用が行なわれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の小型ポンプは、その駆動機構のうちの駆動軸4のクランク体3への取り付けは、クランク体3に傾斜させた取り付け穴を形成し、これに駆動軸4を圧入することにより行なわれる。
【0007】
そのため、クランク体3の正確な位置に傾斜した比較的長い穴を形成する必要があり、また、この穴に駆動軸4を圧入するという作業が必要になる。
【0008】
このようにモータ1の出力軸2に取り付ける部分としてクランク体3、駆動軸4等が必要であり、部品点数が大であると共に前述のようなクランク体等の加工と組立作業工程が多く、特にコスト高になる等の欠点がある。
【0009】
本発明は、駆動機構の部品点数が少なく、また加工組立工程を少なくすることを可能にした構成の小型ポンプを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の小型ポンプは、モータの出力軸に固定されているクランク体と、クランク体に固定されていてクランク体の回転面に対して(出力軸の延長線に対して)傾斜させて配置されている駆動軸と、駆動軸が挿入される軸受部を有している駆動軸の方向に対して直角方向を向いたほぼ板状をなす部分とよりなる駆動体等にて構成されてる駆動機構とを有し、この駆動機構のうちの駆動体のほぼ板状をなす部分の周辺部付近に一つまたは複数取り付けられてる駆動部(ピストン部)と、各駆動部の位置する箇所に夫々設けられたポンプ室とを備えていて、モータの駆動により出力軸が回転してクランク体が回転し、このクランク体の回転によりクランク体に固定された駆動軸の傾斜する方向の変化によって、駆動体の板状をなす部分の傾斜方向を変えて駆動部(ピストン部)を往復動させこれによるポンプ室の容積の変化を利用してポンプ作用を行なうものであって、駆動機構を構成する部材のうち、クランク体と駆動軸とを同一の材料にて一体に形成したことを特徴としている。つまり、クランク体を出力軸に固定する部分である本体とこの本体より出力軸に対して斜め方向に伸びる駆動軸とを同一材料にして一つの部品として構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の小型ポンプは、駆動機構のクランク体の駆動軸の先端面を凸状の曲面にしたことを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の小型ポンプは、駆動体の軸受部分の最も奥の面を凸状の曲面にしたことを特徴とする。
【0013】
更に本発明の小型ポンプは、駆動機構のうちのクランク体の駆動軸の先端面および駆動体の軸受部分の最も奥の面の両方を凸状の曲面にしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の小型ポンプの実施の形態を図面をもとに説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すもので、図において1はモータ、2はモータ1の出力軸、20は出力軸2に固定されたクランク体、5は駆動体、7はケース、8はシリンダー部、10はダイヤフラム本体、11はダイヤフラム部、12は駆動部(ピストン部)、13は吐出弁、14はポンプ室、15は蓋体、16は排出口、17は共通室、18は吸入口、19は吸入弁である。
【0016】
この本発明の実施の形態の小型ポンプは、前述のように駆動機構に特徴を有するもので、特に図4に示すような従来例におけるクランク体3と駆動軸4とを同一の材料よりなる一体構造にしたクランク体20を用いたことを特徴とする。
【0017】
このクランク体20は出力軸2に取り付ける本体21と本体21より斜めに伸びる駆動軸22とを同一の材料にて一つの部品として構成したもので、特に合成樹脂材料を用いて一つの部品として形成すれば、このクランク体20の製作が極めて容易になる。
【0018】
尚、このクランク体以外の他の部品等の構成は、この種の従来の小型ポンプと実質上同一のものである。
【0019】
この図1に示す本発明の実施の形態は、クランク体20の駆動軸22の先端面23が凸面であるが、図4に示す従来例の駆動軸4の先端面4aと同じように平面であってもよい。
【0020】
このクランク体20の駆動軸22の先端面を凸面(凸状の半球面や凸状の他の形状の曲面)にすれば、摩耗を少なくし得るため好ましい。したがって、平面にした場合は、図4に示すものと同じようにボールを用いることが好ましい。
【0021】
また図1に示す実施の形態の小型ポンプは、二つのポンプ室したがってピストン部が二つであるが、一つのみでもよい。更に三つ以上であってもよい。また複数のポンプ室を夫々に設けられたピストン部とにて構成する場合は、各ピストン部を駆動軸を中心とした円周上に配置することが望ましい。また各ピストン部が一定の等しい間隔に配置することが好ましい。
【0022】
本発明の小型ポンプは、以上のような構成であるので、モータ1の駆動による出力軸2が回転することによって、クランク体20が出力軸2を中心に回転しその駆動軸22の部分がその傾斜方向を連続して変化させて、従来例同様のポンプ作用を行なう。つまりこの駆動体の運動によってそのほぼ板状をした部分に取り付けられた駆動部(ピストン部)12の往復動により図4に示すポンプと同様のポンプ作用を行なうものである。
【0023】
図2は、クランク体の駆動軸の先端部分と駆動体の軸受部分との形状の例を示す図である。
【0024】
図2のうち(A)は、クランク体20の駆動軸22の先端面23Aと駆動体5の軸受部材5bの最も奥の面24Aが共に平面のもの、(B)は駆動軸22の先端面23Bが凸の曲面で駆動体5の軸受部分5bの最も奥の面24Aが平面の場合、(C)はクランク体20の駆動軸22の先端面23Aが平面であり駆動体5の軸受部分5bの最も奥の面24Bが凸状の曲面であり、(D)はクランク体20の駆動軸22の先端面23Bが凸状の曲面であり、また駆動体5の軸受部分5bの最も奥の面24Bが共に曲面である場合を示している。
【0025】
これら図2に示すように、面23A又は23Bと面24A又は24Bとは、互いに接するように構成されている。
【0026】
尚面23B、24Bは、いずれも半球面又は半球面以外の曲面であるが、凸状であればこれに限るものではない。しかし滑らかな面であることが望ましい。
【0027】
次に、本発明の小型ポンプの第2の実施の形態について述べる。
【0028】
図3は本発明の第2の実施の形態を示すもので、この図において、1はモータ、2は出力軸、3はクランク体、30は駆動体、7はケース、8はシリンダー部、10はダイヤフラム本体、11はダイヤフラム部、12は駆動部、13は吐出弁、14はポンプ室、15は蓋体、16は排出口、17は弁室、18は吸入口、19は吸入弁である。
【0029】
この第2の実施の形態の小型ポンプは、第1の実施の形態とは異なり、駆動体30に特徴を有するものである。つまりこの駆動体は、ほぼ板状をなす部分31と駆動軸32とを同一の材料にて一体に形成したもので、この軸32の先端部分32aをクランク体3に傾斜させて形成した(出力軸に対して傾斜した)取付穴3aに挿入し、これを回動可能に取り付けたことを特徴とするものである。
【0030】
この第2の実施の形態の小型ポンプは、モータ1の駆動による出力軸2の回転によりクランク体が回転する。このようにクランク体3が回転すると、このクランク体3に取り付けられた駆動体30の駆動軸32の32aの部分が円運動をし軸32の傾斜方向が変化し、この軸32に対して直角方向に伸びるほぼ板状をした部分31の傾斜方向も変化し、これに取り付けられたダイヤフラム部11の駆動部12は往復運動を行ない、第1の実施の形態と同様の作用によりポンプ作用が行なわれる。
【0031】
この図3に示す実施の形態では、駆動軸32の先端面33は凸状の曲面であり、又これと接する面であるクランク体3に形成されている取付穴3aの最も奥の面は平面であるが、駆動軸32の先端面とクランク体の最も奥の面が共に平面でもよい。又取付穴の面を凸状の曲面として駆動軸の先端面を平面としてもよく、更に両面ともに凸状の曲面にしてもよい。
【0032】
この第2の実施の形態の小型ポンプは、図4に示す従来例の駆動軸と駆動体とを一体としたもので、したがって部品点数の削減が可能である。
【0033】
本発明の小型ポンプは、駆動機構の構成に特徴を有するものであって、したがって駆動機構以外のポンプ室その他の構成は、図1に示す構成のものに限るものではない。つまり本発明のポンプにおける駆動機構のように、駆動体の運動によってピストン部が往復動を行なうことによりポンプ作用を行なうポンプであればいずれでもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明の小型ポンプは、その駆動機構のうちのクランク体を出力軸に固定する本体とこれより伸びる駆動軸とを同一材料による一体の部品としたことにより、部品点数が少なくなりまた組み立て等の工程も少なくなり低コストになし得るほか、駆動機構のうちの運転中の負担の比較的大きい部分を一体構造にしたことによって、耐久性が増す等の効果を有する。又、駆動体を駆動軸と一体にした一体構造にしてこの駆動体の駆動軸をクランク体に設けた取付穴に挿入して回動自在にした構成にしても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の小型ポンプの第1の実施の形態を示す図
【図2】 本発明のポンプのクランク体と駆動体の軸受部との結合部分の構成を示す図を示す図
【図3】 本発明の小型ポンプの第2の実施の形態を示す図
【図4】 従来の小型ポンプの構成を示す図
【符号の説明】
1 モータ
2 出力軸
5 駆動体
20 クランク体
30 駆動体

Claims (2)

  1. モータと、前記モータの出力軸と、前記出力軸に固定された本体と本体より前記出力軸又はその延長線に対して傾斜する方向にのびた駆動軸とを同一材料にて一つに構成したクランク体と、前記クランク体駆動軸に対し摺動および回動可能に挿入される軸受部と前記クランク体の駆動軸に対して直角に位置するほぼ板状をなす部分とよりなる駆動体と、前記駆動体の周辺部付近に固定されている一つ又は複数のピストン部と、前記各ピストン部が位置する一つ又は複数のポンプ室とを備えていて、前記モータの駆動による前記出力軸の回転に伴う前記クランク体の回転により前記駆動軸がその傾斜する方向を変化させることにより前記駆動体のほぼ板状をなす部分の傾きの変化によって各ピストン部を往復動させてポンプ室の容積を変化させポンプ作用を行なう小型ポンプであって、前記クランク体の駆動軸の先端面と前記駆動体の軸受部の最も奥の面のうち少なくとも一つを凸状の曲面にしたことを特徴とする小型ポンプ。
  2. モータと、前記モータの出力軸と、前記出力軸に固定され該出力軸に対して傾斜させて形成された取付け穴を有するクランク体と、駆動軸と該駆動軸に対して直角に位置するほぼ板状をなす部分とよりなり該駆動軸を前記クランク体の取付穴に回動可能に挿入した駆動体と、前記駆動体の周辺部付近に固定されてる一つ又は複数のピストン部と、前記各ピストン部が位置する一つ又は複数のポンプ室とを備えていて、前記モータの駆動による前記出力軸の回転に伴う前記クランク体の回転により前記駆動軸がその傾斜する方向を変化させることにより前記駆動体のほぼ板状をなす部分の傾きの変化によって各ピストン部を往復動させてポンプ室の容積を変化させポンプ作用を行なう小型ポンプであって、前記駆動体の駆動軸と前記クランク体に形成された取付穴の最も奥の面のうち少なくとも一つの面を凸状の曲面にしたことを特徴とする小型ポンプ。
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