JP3893525B2 - マッサージ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージ装置、詳しくはエアーセルへの空気の給排によって揉み輪が運動され、身体、特に肩部に多種の効果的なマッサージ作用を付与することができるマッサージ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マッサージ機としては従来から多種多様なものが知られているが、代表的なものとして椅子式のマッサージ機が挙げられる。この種の従来のマッサージ機は、周知の通り、一対または二対のコロローラからなる揉み具と、この揉み具に各種の揺動運動を付与する駆動部とからなるマッサージ装置部が、背もたれ部の背もたれ面に沿って昇降動可能に装備され、制御部を操作することによって、マッサージ装置部を連続的に昇降させて頸部分から腰部分までの間をローリングあるいは揉みながらローリングするというマッサージができ、またマッサージ装置部を所望の位置に停止させて、揉み輪に、揉み、叩き、指圧など選択した揉み動作を行わせることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の汎用マッサージ機における装置部は、モーターの回転を電気的にあるいは機械的に揉み具に伝達し、揉み具に各種の揉み運動を付与させるように構成されていることから、使用時に駆動部や動作部からの騒音の発生が避けられず、また揉み具の動作種類の増加にともなって機構が複雑となり、製作コストが嵩むばかりでなく、身体に対する揉み作用の柔軟性は揉み具自体の弾性に依存しているため、人の手になるような柔らかい揉み圧加減を得ることが困難であるという不都合を有している。
【0004】
また、最近においては、例えば特開平7−124210号公報にみられるように、椅子式マッサージ機の人体の当接面に空気袋(エアーセル)を取り付け、エアーセル内への空気の給排によってエアーセルを膨張、伸縮させ、エアークッションを作用させながら指圧風のマッサージを施すようになしたマッサージ機が提案されている。このようなマッサージ機においては、揉み具が空気圧により動作されることから騒音がなく、きわめて静かに作動することができ、また柔らかいマッサージが得られるという利点を有している。
【0005】
しかしながら、前記した従来の汎用マッサージ機のように、マッサージ装置部を連続的に上下動させて身体の頸部分から腰部分までの間をローリングあるいは揉みながらローリングするというマッサージを奏したり、またマッサージ装置部を所望の位置に停止させて、揉み、叩き、指圧など選択した揉み動作を行わせることができず、揉み機能のバラエティーに乏しいという難点があった。
【0006】
本発明は、上記したエアーセルの長所を利用するとともに従来の汎用マッサージ機の特性をさらに助長させ、騒音が少なく揉み圧が柔軟であり、しかも肩凝りの解消という使用者の大部分の要求に対応して肩部に効果的なマッサージを付与することができるマッサージ装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、左右に揉み輪を備えたマッサージ装置をエアーセルの伸縮によって前傾揺動可能となすとともに、さらに左右に揉み輪をエアーセルの伸縮によって前後方向に円弧運動可能となすことによって上記課題を解決した。
【0008】
即ち、本発明のマッサージ装置は、主フレームの前面側に副フレームが配され、主フレームに副フレームの下端部分が軸支されて主フレームに対して副フレームが前傾揺動可能に構成され、さらに、副フレームの前面側の左側と右側に、それぞれ先端部分にプレートを備えた枠部材の後端部分が枢着支持されて揺動可能に構成され、一側の枠部材の先端部分が他側の枠部材の後端部分側にそれぞれ延びて左右の枠部材のプレートの上に各々揉み輪が回転自在に支持され、上記主フレームと副フレームとの間に空気の給排によって伸縮する主エアーセルが配設されて主エアーセルへの空気の給排によって上記左右の枠部材と共に副フレームが前傾揺動され、さらに、上記左右の枠部材のプレートと副フレームとの間にそれぞれ空気の給排によって伸縮する副エアーセルが配設されて副エアーセルへの空気の給排によって枠部材が揺動され、揉み輪が前後方向に円弧運動されるように構成されていることを特徴としているものである。
【0009】
本発明に適用される上記エアーセルは、合成樹脂シートや皮革風の非通気性の可撓性シートを蛇腹状に成形し、内部の空気の給排によって高さ方向に伸縮する機能を有しているものであって、その高さ方向の伸長有効寸法が20〜100mm程度のものが好ましい。
【0010】
そして上記した主フレームと副フレームとの間に配設された主エアーセルおよび副フレームと左右の枠部材との間に配設された2個の副エアーセルは、各々単独で機能するように給排気管でもって空気制御部に接続しておくとよい。また、空気制御部にはこの主エアーセルと副エアーセルとを個別にあるいは同時に給排気を行うためのエアーポンプとモーター、電磁弁および給排気回路が装備され、予め設定したプログラムを記憶させたマイクロコンピュータ(マイコン)によって電磁弁を作動させ、これらのエアーセルをそれぞれ単独にあるいは同時に動作させて揉み輪に種々の揉み運動が伝達されるようになっている。
【0011】
揉み輪は弾性材料で形成されたものが好ましく、その揉み輪自体の弾力とエアーセルのクッション作用とによって身体に柔らかいマッサージを施すことができる。
【0012】
また、主エアーセルへの給気時における副フレームの過剰前傾および副エアーセルへの給気時における左右の揉み輪の過剰前進による揉み輪間隔の異常な縮小を防止するために、上記主フレームと副フレームとを傾斜リミッターリンクによって結合して主エアーセルへの給気時における副フレームの最大前傾角度を規制し、また同様に上記左右の枠部材と副フレームとをそれぞれ揺動リミッターリンクによって結合して副エアーセルへの給気時における左右の揉み輪間の最小間隔を規制するように構成しておけば、使用者の不安が解消されて安心して使用することができる。
【0013】
上記した本発明のマッサージ装置は、従来のように椅子式マッサージ機の背もたれ部内に上下動可能に装着して使用してもよく、また他の揉み機能を備えたマッサージ装置と組み合わせて使用してもよい。他の揉み機能を備えたマッサージ装置と組み合わせて使用する場合には、本発明のマッサージ装置を最上方位置に配設するとよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照しながら説明すると、図1は本発明によるマッサージ装置の主要部の斜視図、図2は本発明マッサージ装置の主要部の分解斜視図であって、1はマッサージ装置、2は主フレーム、3は副フレーム、4,5は左右の枠部材、そして6,7は左右の揉み輪である。
【0015】
マッサージ装置1は、図1および図2に示しているように、裏面側に昇降用の螺軸8と螺合するナット体9が取り付けられ、レール10,10に沿って移動される主フレーム2の前面側に副フレーム3が配され、主フレーム2に副フレーム3の下端部分が軸支11されて主フレーム2に対して副フレーム3が前傾揺動可能に構成され、さらに副フレーム3の前面側の左側と右側に、それぞれ先端部分にプレート12,13を備えた左右の枠部材4,5の後端部分がそれぞれ副フレーム3に設けられた軸受け部14,14に枢着支持されてそれぞれが反対方向に傾斜揺動可能に構成されている。そして左右の枠部材4,5の一側の枠部材4が他側の枠部材5の内側に位置して先端部分が他側の枠部材5の後端部分側にそれぞれ延び、この左右の枠部材4,5のプレート12,13の上に各々揉み輪6,7が回転自在に支持されいる。
【0016】
そして上記主フレーム2と副フレーム3との間に空気の給排によって伸縮する主エアーセル15が配設されてこの主エアーセル15への空気の給排によって上記左右の枠部材4,5と共に副フレーム3が前傾揺動され、さらに上記左右の枠部材4,5のプレート12,13と副フレーム3との間に空気の給排によって伸縮する副エアーセル16,16がそれぞれ配設され、この副エアーセル16,16への空気の給排によって左右の枠部材4,5が傾斜揺動されて左右の揉み輪6,7が前後方向に円弧運動されるように構成されている。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、図1に示しているように、上記主フレーム2の側面に、ピン軸17aで傾斜リミッターリンク18の一端部が枢着支持され、ピン軸17bで前記傾斜リミッターリンク18の他端部が副フレーム3の側面に形成された長孔19に係合されて主フレーム2と副フレーム3とがその側面において結合され、主エアーセル15への給気時において副フレーム3が主フレーム2から約40度以上に前傾しないように規制されるようになっている。
【0018】
また同様に図6〜図8に示しているように、左右の枠部材4,5の後端部に、先端部にピン軸21,21を備えたくの字状の揺動リミッターリンク22,22の一端部を左右の枠部材4,5と共に軸受け部14に枢着支持軸20,20で枢着支持し、その揺動リミッターリンク22,22のピン軸21,21がそれぞれ反対側から延びる枠部材4,5の側面に形成されて長孔23,23に係合され、図8に示しているように、上記副エアーセル16,16への給気時において内側に前進した左右の揉み輪6,7の最小間隔(W)が30mm以下にならないように規制されるようになっている。
【0019】
なお図示を省略しているが、上記本発明のマッサージ装置1は椅子式マッサージ機の背もたれ部に昇降可能に内装され、主エアーセル15および副エアーセル16は、それぞれ単独で機能するように各々給排気管でもって空気制御部に接続されている。そして空気制御部には両エアーセルを個別にあるいは同期して給排気を行うためのエアーポンプとモーター、複数の電磁弁および給排気回路が装備され、予め設定したプログラムをマイクロコンピュータ(マイコン)に記憶させ、動作制御器に表示された所望の動作を選択すると、マイコンの指令によって電磁弁が作動し、主エアーセル15および/または副エアーセル16,16を伸縮させて所望の揉み動作が実行されるようになっている。
【0020】
続いて上記した本発明のマッサージ装置の動作要領について説明すると、まず使用者が動作制御器を操作してマッサージ装置1を身体の所望の位置、例えば肩部に揉み輪が作用する位置に移動させて停止させたのち、動作制御器の揉み輪間隔の「拡」または「狭」のモードを選択して副エアーセル16,16へ空気を供給して左右の揉み輪6,7の間隔を定め、しかるのち「叩き」のモードをオンにすると、マイコンによってそのプログラムが空気制御部にその作動が指令され、主フレーム2と副フレーム3との間の主エアーセル15に高速でもって空気の給排が行われ、図3および図4に示しているようにその主エアーセル15が伸縮され、それによって副フレーム3が矢印方向に前傾揺動されて揉み輪6,7に叩き作用を付与するとともに、傾斜リミッターリンクによって過度な前傾が規制された叩きマッサージが行われる。そしてもしこの叩き度合いを弱くしたい場合には、動作制御器の中から「弱く」のモードをオンにすると、主エアーセル15の空気の給排が低速で行われ、叩き度合いを弱くすることもできる。
【0021】
また動作制御器の中から「指圧」のモードを選択して駆動スイッチをオンすると、主エアーセル15に緩慢な空気の給排が行われて緩やかに伸縮し、副フレーム3がゆっくりと前傾往復動されてその前傾時に揉み輪6,7でもって肩部を押圧し、エアーセルのクッション性が効果的に作用して心地よい指圧風のマッサージが遂行される。
【0022】
また動作制御器の中から「揉み指圧」のモードをオンにすると、マイコンによってそのプログラムが空気制御部にその作動が指令され、副エアーセル16,16に空気の給排が行われ、それによってこの副エアーセル16,16が伸縮して左右の枠部材4,5がそれぞれ反対方向に往復回動され、図8に矢印で示しているように、揉み輪6,7の前進時には揉み輪間隔が縮小され、後退時には揉み輪間隔が広がるという動作が繰り返されて肩部に揉み指圧のマッサージが施される。そして、ときには主エアーセル15に空気の給排が行われ、上記揉み輪6,7の前進時にその主エアーセル15が伸長され、上記揉み輪6,7の後退時に収縮するという動作が付加され、それによって揉み輪6,7にいわゆる押し揉みと引き揉み作用が付与され、エアーセルのクッション性と相まって有効な肩揉みマッサージが遂行される。そして揺動リミッターリンク22,22を装備させておくことによって揉み輪間隔の過度な縮小が防止され、頸部を保護してマッサージを安全に行うことができる。
【0023】
【発明の効果】
このように本発明のマッサージ装置1は、主フレーム2の前面側に副フレーム3が配され、主フレーム2に副フレーム3の下端部分が軸支11されて主フレーム2に対して副フレーム3が前傾揺動可能に構成され、さらに副フレーム3の前面側の左側と右側に、それぞれ先端部分にプレート12,13を備えた枠部材4,5の後端部分が枢着支持されて揺動可能に構成され、一側の枠部材の先端部分が他側の枠部材の後端部分側にそれぞれ延びて左右の枠部材4,5のプレート12,13の上に各々揉み輪6,7が回転自在に支持され、上記主フレーム2と副フレーム3との間に空気の給排によって伸縮する主エアーセル15が配設されて主エアーセル15への空気の給排によって上記左右の枠部材4,5と共に副フレーム3が前傾揺動され、さらに上記左右の枠部材4,5のプレート12,13と副プレート3との間にそれぞれ空気の給排によって伸縮する副エアーセル16,16が配設されて副エアーセル16への空気の給排によって枠部材4,5が揺動され、揉み輪6,7が前後方向に円弧運動されるように構成されてなるものであるから、次のような効果を奏する。
【0024】
主フレーム2に対して副フレーム3が前傾揺動可能であるため、両フレーム2,3間に配している主エアーセル15に空気の給排を行うと、副フレーム3が前傾方向に揺動されて副フレーム3上に配設した揉み輪6,7を備える枠部材4,5に前傾方向の往復運動が付与され、主エアーセル15内への空気の給排を制御することによって、指圧、叩き、揉み指圧など多様なマッサージを行うことができる。
【0025】
そのうえ前傾揺動可能な副フレーム3上には、副エアーセル16,16に空気が供給されるとそれぞれ内側に向かって前進し、副エアーセル16の空気が排出されると外側に後退するという円弧動を行うように揉み輪6,7が装備されているから、左右の副エアーセル16内への空気の給排によって揉み輪6,7に円弧運動による揉み作用を付与することができ、左右の副エアーセル16内への空気の給排を制御することによって、特に肩部に対して有効な、揉み、指圧などのマッサージを行うことができる。
【0026】
そして上記主フレーム2と副フレーム3とを傾斜リミッターリンク18によって結合して主エアーセル15への給気時における副フレーム3の最大前傾角度を規制し、さらに上記左右の枠部材4,5と副フレーム3とをそれぞれ揺動リミッターリンク22によって結合して副エアーセル16への給気時における左右の揉み輪6,7間の最小間隔を規制できるように構成しておけば、操作ミスなどによる副フレーム3の過剰な前傾や左右の揉み輪の前進時における揉み輪間隔の異常な縮小が防止され、前述したマッサージを安全に遂行することができる。
【0027】
そのうえ、揉み輪による上記マッサージ動作はエアーセル内への空気の給排によって実施されるから、騒音が少ないばかりでなく伸縮加減を制御することによって強弱の調整ができ、またクッション性に富んでいるから各揉み輪は身体に柔軟に作用し、効果的にして快適なマッサージが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示したマッサージ装置の主要部の斜視図である。
【図2】マッサージ装置の主要部の分解斜視図である。
【図3】マッサージ装置の主要部の側面図である。
【図4】マッサージ装置の副フレームを前傾させた状態の側面図である。
【図5】マッサージ装置部の副フレームを前傾させ、さらに揉み輪を前進させた状態の側面図である。
【図6】左右の枠部材の平面図である。
【図7】枠部材の側面図である。
【図8】枠部材の揺動による揉み輪の最大前進時の状態を示した側面図である。
【符号の説明】
1 マッサージ装置
2 主フレーム
3 副フレーム
4 枠部材
5 枠部材
6 揉み輪
7 揉み輪
12 プレート
13 プレート
15 主エアーセル
16 副エアーセル
18 傾斜リミッターリンク
22 揺動リミッターリンク
Claims (3)
- 主フレームの前面側に副フレームが配され、主フレームに副フレームの下端部分が軸支されて主フレームに対して副フレームが前傾揺動可能に構成され、さらに、副フレームの前面側の左側と右側に、それぞれ先端部分にプレートを備えた枠部材の後端部分が枢着支持されて揺動可能に構成され、一側の枠部材の先端部分が他側の枠部材の後端部分側にそれぞれ延びて左右の枠部材のプレートの上に各々揉み輪が回転自在に支持され、上記主フレームと副フレームとの間に空気の給排によって伸縮する主エアーセルが配設されて主エアーセルへの空気の給排によって上記左右の枠部材と共に副フレームが前傾揺動され、さらに、上記左右の枠部材のプレートと副フレームとの間にそれぞれ空気の給排によって伸縮する副エアーセルが配設されて副エアーセルへの空気の給排によって枠部材が揺動され、揉み輪が前後方向に円弧運動されるように構成されていることを特徴とするマッサージ装置。
- 上記主フレームと副フレームとが傾斜リミッターリンクによって結合されて主エアーセルへの給気時における副フレームの最大前傾角度が規制されるように構成されている請求項1記載のマッサージ装置。
- 上記左右の枠部材と副フレームとがそれぞれ揺動リミッターリンクによって結合されて副エアーセルへの給気時における左右の揉み輪間の最小間隔が規制されるように構成されている請求項1または請求項2記載のマッサージ装置。
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