JP3893251B2 - 防水シートの敷設装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、シールド掘進機等の地中掘進機で掘削した地下坑内への漏水を防止するため、防水シートを地下坑周壁に沿って敷設する作業を行うための防水シートの敷設装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法では、掘削した地下坑の周壁内側に沿ってセグメントを組み立てるが、この組み立てられたセグメントには、多数の継ぎ目があり、年月がたつとクラックも発生するため、地下坑内に漏水が起こる恐れがある。こうしたことから、掘削した地下坑の周辺地山とセグメントとの間に、セグメントの外周を包囲するように防水シートを筒状に設置して、地下坑内への漏水を防止する方法が採られている。防水シートをこうした態様で設置する技術は、従来から各種技術が提案されているが、有力な技術として、例えば、特開平7ー217389号公報や特開平10ー68299号公報に記載の技術を挙げることができる。
【0003】
これらの公開特許公報に係る従来の技術は、新しく布設しようとする新設防水シートを、すでに筒状に布設されている既設防水シートに対し、隣接する縁部同士を、シールド掘進機胴体の後部をなすテールプレート内でラップさせながら巻き、その結果形成された環状の防水シートのラップ部を接合して、順次継ぎ足して行くことにより、地下坑の周辺地山とセグメントとの間に防水シートを筒状に設置するようにしたものである。このように新設防水シートを既設防水シートとラップするように巻き立てて(筒状に巻き)そのラップ部を接合する作業を、ここでは防水シートの敷設と称し、その作業を行うための装置を、ここでは防水シートの敷設装置と称する。
【0004】
この防水シートの敷設装置は、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の内周面に沿って巻くための防水シートの巻立て装置と、この防水シートの巻立て装置により形成された新設防水シートと既設防水シートのラップ部を接合するための接合装置とを備えている。このうち、防水シートの巻立て装置は、通常、シールド掘進機内に備え付けられており、シールド掘進機側に固定された状態で使用する。一方、接合装置には、シールド掘進機側に固定して使用するものと、自走式溶着機のように防水シートのラップ部を挟持しながら自走させてシールド掘進機には拘束されない状態で使用するものとがある。この種の自走式溶着機は、前記特開平10ー68299号公報に係る従来の技術でも用いられており、周知技術に属する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
こうした防水シートの敷設装置が設置されるシールド掘進機では、セグメント1リング分の長さ掘進する際に、通常、シールド掘進機の掘進工程とセグメントの組立工程の二工程が実施される。そのため、防水シートの敷設作業は、これらの工程の何れかを実施する際に行われる。このうち、セグメントの組立工程を実施する際に防水シートの敷設作業を行う方法は、セグメントの組立作業と防水シートを敷設する作業とを近接区域で同時に行うため、作業の安全性に十分に注意する必要がある。こうしたことから、防水シートの敷設作業は、できれば、シールド掘進機の掘進工程を実施する際に行うことが望ましい。
【0006】
ところが、掘進工程を実施する際に防水シートの敷設作業を行う場合には、既設防水シートは、位置が不変の地下坑側に固定されいるのに対して、新設防水シートは、シールド掘進機の掘進時に前進するテールプレート側に置かれているため、掘進中に、従来の技術に係る防水シートの敷設装置により防水シートの敷設作業を行うと、新設防水シートがテールプレートに随伴して前進して既設防水シートから離れるように移動する。そのため、接合部となる新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅が掘進中に次第に減少するように変動して、特に作業に長時間を要する防水シートの接合作業では、こうした事態が生じると、防水シートを適正に接合することができなくなる。
【0007】
以上、防水シートの接合作業を実施する場合における従来の技術の問題点について、シールド掘進機で実施する場合を例にして述べたが、従来の技術を、推進用ジャッキで推進する他の地中掘進機に適用して実施する場合にも、当然同様の問題が生じる。
【0008】
この出願の発明は、こうした従来の技術にみられる問題を解決するために創作されたものであって、その技術課題は、地中掘進機の掘進中に防水シートの敷設作業を行っても、新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅が変動しない防水シートの敷設装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明のこうした技術課題は、次に示す二通りの手段により解決することができる。
【0010】
1)シリンダチューブから常時突出している非摺動部をジャッキロッドに設けた推進用ジャッキで推進しながら地中を掘進する地中掘進機に設置され、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の後部の内周面に沿って巻き、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部を接合する防水シートの敷設装置において、
巻かれた新設防水シートを沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレームと、この防水シート受けフレームの内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレームを支持する支持フレームと、新設防水シートを防水シート受けフレームに固定するための新設防水シート固定装置とを設け、この新設防水シート固定装置を支持フレームに設置するとともに、推進用ジャッキのジャッキロッドの非摺動部に支持フレームを着脱可能に固定できるようにする。
【0011】
2)推進用ジャッキで推進しながら地中を掘進する地中掘進機に設置され、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の後部の内周面に沿って巻き、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部を接合する防水シートの敷設装置において、
巻かれた新設防水シートを沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレームと、この防水シート受けフレームの内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレームを支持する支持フレームと、この支持フレームを防水シート受けフレームの軸方向に移動させる移動装置と、新設防水シートを防水シート受けフレームに固定するための新設防水シート固定装置とを設け、この新設防水シート固定装置を支持フレームに設置するとともに、移動装置による支持フレームの移動量を制御する制御装置を設けて、地中掘進機の推進距離に相当する距離だけ地中掘進機の推進方向と反対方向に支持フレームを移動させるよう移動装置の移動量を制御するようにする。
【0012】
前記1)の手段を採用したこの出願の第1番目の発明においては、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部の接合作業を地中掘進機の掘進中に行おうとする場合、支持フレームを推進用ジャッキのジャッキロッドの非摺動部に固定するとともに新設防水シートを新設防水シート固定装置で防水シート受けフレームに固定した後、推進用ジャッキを伸ばして地中掘進機を推進ながらそのラップ部の接合作業を行う。そうすると、地中掘進機は、推進されて前進するが、支持フレームは、地中掘進機の推進時でも摺動しない推進用ジャッキのジャッキロッドの非摺動部に固定されていて、既設防水シートに対して防水シート受けフレームの軸方向に移動しないため、この支持フレームに支持されている防水シート受けフレームもその軸方向に移動せず、静止したままの状態を保つ。
【0013】
その結果、防水シート受けフレームに固定されている新設防水シートも静止状態を保持するため、接合部となる新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅が従来の技術のように掘進中に変動するようなことはない。本発明によれば、このように地中掘進機の掘進中でも防水シートの接合部の幅が変動しないため、新設防水シートと既設防水シートとを、両防水シートのラップ部の全周にわたって均一に接合することができて良好な状態で接合することができる。
【0014】
こうして防水シートの接合作業を終了した後には、防水シート受けフレームへの新設防水シートの固定を解除した後、推進用ジャッキを縮めることにより、支持フレームを推進用ジャッキのジャッキロッドに固定したまま前進させる。そうすると、この支持フレームと共に防水シート受けフレームや新設防水シート固定装置も前方に移動して新たな新設防水シートを敷設できる態勢が準備されるとともに、セグメントを組み立てる必要がある場合には、支持フレーム等の後方にセグメントの組立空間も確保される。
【0015】
この組立空間でセグメントを組み立てるときには、セグメントピースの連結作業の邪魔になる一部の推進ジャッキを縮めて引っ込めるとともに、地中掘進機本体が切羽の土圧又は水圧により後退しないように他の推進ジャッキを伸ばして既設セグメントに押し当てた状態にし、こうした推進ジャッキの伸縮操作を周方向に向けて順次交替しながら繰り返す必要がある。本発明では、支持フレームを推進用ジャッキのジャッキロッドの非摺動部に着脱可能に固定することができるようにしているので、その推進用ジャッキの非摺動部への支持フレームの固定を解除することにより、支持フレームを固定するための推進用ジャッキについても、前記の伸縮操作を、防水シートの敷設装置とは切り離して自由に行うことができて、セグメントの組立作業を円滑に行うことができる。
【0016】
前記2)の手段を採用したこの出願の第2番目の発明においては、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部の接合作業を地中掘進機の掘進中に行おうとする場合、新設防水シートを新設防水シート固定装置で防水シート受けフレームに固定した後、推進用ジャッキを伸ばして地中掘進機を推進ながらそのラップ部の接合作業を行う。そうすると、地中掘進機は、推進用ジャッキで推進されて前進し、新設防水シートは、地中掘進機に随伴して前進して既設防水シートから離れるように移動する。そのとき、制御装置は、支持フレームを移動させるための移動装置の移動量を制御して、支持フレームを地中掘進機の推進距離に相当する距離だけ地中掘進機の推進方向と反対方向に移動させるため、支持フレームは、防水シート受けフレームの軸方向に実質上移動せず、防水シート受けフレームも軸方向に移動しないで当初の位置を保持する。
【0017】
その結果、防水シート受けフレームに固定されている新設防水シートも当初の位置を保持するため、この第2番目の発明でも、第1番目の発明と同様、接合部となる新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅が従来の技術のように掘進中に変動するようなことはない。このように地中掘進機の掘進中でも防水シートの接合部の幅が変動しないため、新設防水シートと既設防水シートとを、両防水シートのラップ部の全周にわたって均一に接合することができて良好な状態で接合することができる。
【0018】
こうして防水シートの接合作業を終了した後には、移動装置を駆動することにより支持フレームを前進させると、この支持フレームと共に防水シート受けフレームや新設防水シート固定装置も前方に移動して新たな新設防水シートを敷設できる態勢が準備される。また、セグメントを組み立てる必要がある場合には、支持フレーム等の後方にセグメントの組立空間も確保される。この組立空間でセグメントを組み立てる場合、本発明では、支持フレームを推進用ジャッキとは無関係に移動装置により移動させるようにしているので、そのまま所望の推進用ジャッキを伸縮操作してセグメントを円滑に組み立てることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この出願の各発明が実際上どのように具体化されるのかを示す具体化例を図1乃至図12に基づいて説明することにより、各発明の実施の形態を明らかにする。まず、この出願の第1番目の発明を具体化した防水シートの敷設装置の例を図1乃至図7に基づいて説明する。
【0020】
図1は、この出願の第1番目の発明の具体化例に係る防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の縦断面図、図2は、図1における防水シートの敷設装置の周辺部の拡大縦断面図、図3は、図1における溶着装置の周辺部の拡大縦断面図に相当する図で防水シートの接合作業を行っているときの状態を示す図、図4は、図1の要部の拡大縦断面図、図5は、図4のA−A線断面図に相当するシールド掘進機の横断面図でシールド掘進機の全横断面を示す図、図6は、図5の要部の拡大縦断面図、図7は、シールドジャッキロッドに支持フレームを固定した状態を示す図6と同様の図である。
【0021】
これらの図に基づいて、まず、後の防水シートの敷設装置の説明に関係するシールド掘進機の技術内容について概説する。
【0022】
これらの図において、1は地中掘進機としてのシールド掘進機の胴体をなすシールド本体、1aはシールド本体1の後部をなすテールプレート、1bはシールド本体1の前方に設置され切羽を掘削するカッタ、8は既設セグメント12で反力を取りつつシールド本体1を推進するシールドジャッキ、11はシールド本体1の内周面にリング状に設けられシールド本体1を補強するリングガーダとも言われる補強フレーム、12はシールド掘進機で掘削した地下坑を覆工するためにすでに組み立てられている既設セグメントである。
【0023】
シールド掘進機は、シールドジャッキ8でシールド本体1を推進しながらカッタ1bで切羽を掘削して地下坑を形成する。こうして形成された地下坑には、その周壁内側に沿ってセグメントを組み立てて地下坑を覆工する。そのため、シールド本体1の後部をなすテールプレート1aの内側では、その内周面に沿うように若干の間隙を置いてセグメントピースを円筒状に連結して、図1に示すように既設セグメント12を組み立てる。この既設セグメント12を組み立てるため、テールプレート1aの内側には、覆工作業機としての図示しないエレクターが設置されている。後に詳述する防水シートの敷設装置もこのテールプレート1a内に設置される。シールド本体1内の前部には、カッタ1bを回転駆動するための図示しないカッタ駆動装置が設置されている。
【0024】
シールドジャッキ8は、図4によく表されているように、シリンダチューブ8bと、このシリンダチューブ8b内を摺動するシールドジャッキロッド8aと、シールドジャッキロッド8aの後端部を既設セグメント12に当接させるためのスプレッダ8cとで構成される。補強フレーム11は、シールド本体1に連結するための連結部材としてのテールリングフレーム11aを備えている。シールドジャッキ8は、シリンダチューブ8bを、このテールリングフレーム11aに取り付けてシールド本体1に固定するとともに、シールドジャッキロッド8aを、後述するリングフレーム10の孔に挿通している。
【0025】
このシールド掘進機で使用されるシールドジャッキ8は、限界まで縮めたときでも、シリンダチューブ8bから突出する部分が残る長いシールドジャッキロッド8aを備えている。このシールドジャッキロッド8aの突出部は、シールドジャッキ8を伸縮してもシリンダチューブ8b内を摺動しないので、この突出部を本明細書では非摺動部と称する。この非摺動部は、セグメント12の幅に略等しい長さを有し、これにより、新設防水シート14を掘進直後から巻き立てるスペースを確保することができる。このシールド掘進機では、こうしたシールドジャッキロッド8aの長いシールドジャッキ8を、図5に示すようにシールド本体1内に周方向に間隔を置いて多数設置している。
【0026】
次に、この出願の第1番目の発明に係る防水シートの敷設装置に関する技術内容について説明する。
【0027】
2は防水シートの巻立て装置7により巻かれた新設防水シート14を沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレーム、3はこの防水シート受けフレーム2の内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレーム2を支持する支持フレーム、4は新設防水シート14を防水シート受けフレーム2に固定するための新設防水シート固定装置、5は既設防水シート13を防水シート受けフレーム2に固定するための既設防水シート固定装置、6は筒状の既設防水シート13と新設防水シート14のラップ部である接合部15を接合するための接合装置としての溶着装置、7は新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるようにテールプレート1aの内周面に沿って巻くための防水シートの巻立て装置、10は防水シート受けフレーム2を支持フレーム3で支持するように両フレーム2,3を連結するリング状のリングフレーム、13は筒状をなして地下坑にすでに敷設されている既設防水シート、14は既設防水シート13の内周面にラップした状態で巻かれている新設防水シート、14aは防水シートを予めロール状に巻いて形成した防水シートロールである。
【0028】
防水シート受けフレーム2は、テールプレート1aの内周面と若干の間隙を置いて同内周面に沿うように配置され、既設セグメント12の外周側に既設防水シート13を設置できるように、同セグメント12の外径よりも若干大径の円筒をなすように形成されている。また、防水シート13,14の接合部15を受けることができるように、軸方向(前後方向)の長さを新設防水シート14の幅よりも若干長く形成している。この防水シート受けフレーム2は、次に述べる支持フレーム3に随伴して軸方向に移動することができる。
【0029】
支持フレーム3は、防水シート受けフレーム2の内周面よりも小径の円筒状をなし、リングフレーム10を介して防水シート受けフレーム2を支持するようにリングガーダとしての補強フレーム11の内周面に前後に摺動可能に設置する。そのため、ここに示す例では、支持フレーム3及び補強フレーム11に、図示しない凸状滑動部材及びこの滑動部材を嵌合させてガイドする凹状部材をそれぞれ軸方向に設けて、支持フレーム3を補強フレーム11に対して摺動させ得るように設置しており、図1及び図2に示すように、支持フレーム3をその摺動時に補強フレーム11の外周面に直接接触させないようにしている。
【0030】
新設防水シート固定装置4は、防水シート受けフレーム2に沿うように巻き立てられた新設防水シート14を同フレーム2に押し付けるための押圧部材4aとこの押圧部材4aを防水シート受けフレーム2の径方向(図1及び図2でいえば上下方向)に移動させるための押圧ジャッキ4bとで構成されており、押圧ジャッキ4bを支持フレーム3に取り付けている。したがって、この新設防水シート固定装置4によれば、押圧ジャッキ4bを伸ばせすことにより、押圧部材4aを介して新設防水シート14を防水シート受けフレーム2に固定することができ、押圧ジャッキ4bを縮めることにより、防水シート受けフレーム2への新設防水シート14の固定を解除することができる。図示はされていないが、こうした新設防水シート固定装置4を、支持フレーム3に、その周方向に所定間隔を置いて多数設置している。
【0031】
ここに示す例では、こうした新設防水シート固定装置4に加えて既設防水シート固定装置5を支持フレーム3に付設している。この既設防水シート固定装置5は、防水シート13,14の接合時に、接合部15付近の既設防水シート13を固定する働きをする。既設防水シート固定装置5は、概略的にしか図示されていないが、新設防水シート固定装置4と同様、押圧部材と押圧ジャッキとで構成されており、新設防水シート固定装置4と同様の動作を行って防水シート受けフレーム2への既設防水シート13の固定やその固定の解除を行うことができる。こうした既設防水シート固定装置5を、新設防水シート固定装置4と同様に支持フレーム3の周方向に所定間隔で多数設置している。これら新設防水シート固定装置4及び既設防水シート固定装置5で新設防水シート14及び既設防水シート13を固定することにより、防水シート13,14の接合時に、しわ、垂れ、伸び等の防水シート13,14の変形を防いで接合部15を良好な状態で接合することができる。
【0032】
溶着装置6は、図3に拡大して示すように、外径が防水シート受けフレーム2の内径より若干小径のリング状をなして内歯歯車を有する旋回リング16と、この旋回リング16の側面に取り付けられ防水シート13,14の間に挿入して防水シート13,14の内面を熱で溶融させる電熱ごてのような加熱装置17と、加熱装置17で溶融させた防水シート13,14を防水シート受けフレーム2に押し付けるように転圧して防水シート13,14の接合部15を接合する転圧ローラー18と、旋回リング16の内歯歯車と噛み合って回転し旋回リング16を旋回させるピニオン19と、このピニオン19を回転駆動するモータ19aとを設けて構成している。図からは明らかでないが、転圧ローラ18は、加熱装置17の旋回時に加熱装置17を後方から追い掛けるよう旋回リング16の側面に転動自在に取り付けられている。
【0033】
この溶着装置6で防水シート13,14の接合部15を接合するときには、図3に示すように防水シート13,14の間に加熱装置17を挿入した後、モータ19aによりピニオン19を回転駆動する。そうすると、旋回リング16は、このピニオン19の回転が伝達されて、外径テールプレート1aと同心的に、減速された状態で旋回し、これに伴って加熱装置17も旋回する。加熱装置17が旋回すると、防水シート13,14の接合部15をその熱で溶融させ、次いで、加熱装置17に追随するように旋回する転圧ローラ18が、その溶融した接合部15を圧着するように転圧して接合する。こうして加熱装置17を接合部15の全周にわたって旋回させることにより接合部15を接合するが、その接合を終了した後は、防水シート13,14の端部をラップさせ、そのラップ部を、図示しない適宜の接合手段により接合する。
【0034】
防水シートの巻立て装置7について述べると、防水シートの巻立て装置7は、内歯歯車を有してリング状をなし防水シート受けフレーム2の内側にその内周面に沿って旋回するように設置された旋回リング7aと、この旋回リング7aの内歯歯車と噛み合って回転し旋回リング7aを旋回させるピニオン7bと、このピニオン7bを回転駆動する図示しないモータと、旋回リング7aの側面に取り付けられて防水シート受けフレーム2の内面に沿ってその軸方向に延びる図示しないアームとを設けて構成している。このアームは、防水シートロール14aから引き出された防水シート14を着脱可能に取り付け得るようにするためのクランプ装置を備えている。防水シートロール14aは、中心部に装着孔が形成され、リングフレーム10に取り付けられた丸棒状の防水シートロール受けに装着孔を嵌めることにより装着される。こうした防水シートの巻立て装置7やその関連装置は、従来の技術も備えているものである。
【0035】
以上述べた防水シートの敷設装置で採用している特徴的な手段を図4乃至図7に基づいて説明する。
【0036】
この手段は、防水シートの敷設装置の支持フレーム3をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に着脱可能に固定できるようにしたものであり、ここに示す例では、図6に示すように、支持フレーム3に径方向に穿設したピン挿通孔3aと、このピン挿通孔3aに出没可能に挿通できるピン20と、このピン20を差し込むことができるピン孔21cが設けられシールドジャッキロッド8aの非摺動部に装着できるボス21とで構成されている。このボス21は、シールドジャッキロッド8aの非摺動部を嵌めることができるロッド孔21dを中央に有していて二分割して構成されており、ピン孔21cを設けた第1の分割片21aとピン孔21cを設けていない第2の分割片21bとからなっている。
【0037】
このボス21をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に装着するときには、図6に示すように、第1の分割片21aのピン孔21cを支持フレーム3側に向けた状態でその非摺動部をロッド孔21dに嵌めるようにして第1の分割片21aと第2の分割片21bとで挟んだ後、図示しないボルト等によって両分割片21a,21bを結合する。こうしてボス21をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に装着した後、支持フレーム3のピン挿通孔3aにピン20を挿通して突出させれば、図7に示すように、ピン20をボス21のピン孔21cに差し込んで支持フレーム3をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に固定することができる。また、図6に示すようにピン20を支持フレーム3の側に引っ込めれば、その非摺動部への支持フレーム3の固定を解除することができる。
【0038】
こうした手段を備えた防水シートの敷設装置により防水シートの敷設作業を地中掘進機の掘進中に行おうとする場合には、ボス21をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に装着した後、ピン20を支持フレーム3のピン挿通孔3aに挿通してボス21のピン孔21cに差し込むことにより、支持フレーム3をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に固定する。また、既設セグメント12の外周側に筒状に巻かれてすでに敷設されている既設防水シート13を既設防水シート固定装置5により防水シート受けフレーム2に固定するとともに、防水シートロール14aの防水シート14端部を、防水シートの巻立て装置7の図示しないアームにクランプする。
【0039】
こうした準備作業を終了した後、シールドジャッキ8を伸ばして地中掘進機を推進ながら、まず、防水シートの巻立て作業を行う。そのため、防水シートの巻立て装置7の図示しない旋回モータを駆動してピニオン7bにより旋回リング7aを回転させと、アームは、防水シート受けフレーム2の内面に沿うように旋回して新設防水シート14を筒状の既設防水シート13に対して隣接する縁部同士をラップさせるように巻き立てる。その結果、新設防水シート14が既設防水シート13の内周面にラップした状態で巻かれて、防水シート13,14の隣接する縁部に、溶着装置6で接合するためのループ状の接合部15が形成される。こうして筒状に巻かれた新設防水シート14は、新設防水シート固定装置4で防水シート受けフレーム2に固定する。
【0040】
この間、シールド掘進機は、推進されて前進するが、支持フレーム3は、シールド掘進機の推進時でも摺動しないシールドジャッキロッド8aの非摺動部に固定されていて、既設防水シート13に対して防水シート受けフレーム2の軸方向すなわち前後方向に移動しないため、この支持フレーム3に支持されている防水シート受けフレーム2もその軸方向に移動せず、静止したままの状態を保つ。その結果、防水シート受けフレーム2に設置されている防水シートの巻立て装置7が地中掘進機の掘進に伴って移動することは皆無であるため、接合部15となる新設防水シート14と既設防水シート13のラップ部の幅を防水シートの巻立て装置7によりきわめて均一に形成することができる。ちなみに、防水シートの巻立て作業は、きわめて短時間で行えるため、防水シートの巻立て装置7を防水シート受けフレーム2に設置しなくても、防水シートの巻立て作業中に大きく移動することはなく、実用上支障は生じない。
【0041】
防水シートの巻立て作業を終了した後は、防水シートの接合作業を行う。そのため、接合部15の防水シート13,14間に加熱装置17を挿入した後、溶着装置6の旋回モータ19aを駆動してピニオン19により旋回リング16を回転させる。そうすると、旋回リング16の回転に伴って加熱装置17も旋回して防水シート13,14の接合部15を溶融させ、次いで、この加熱装置17に後続して旋回する転圧ローラ18が、溶融した接合部15を転圧して接合する。この間、シールド掘進機は、推進されて前進するが、支持フレーム3は、シールドジャッキロッド8aの非摺動部に固定されていて、既設防水シート13に対して防水シート受けフレーム2の軸方向に移動しないため、この支持フレーム3に支持されている防水シート受けフレーム2もその軸方向に移動せず、静止したままの状態を保つ。
【0042】
その結果、新設防水シート固定装置4で防水シート受けフレーム2に固定されている新設防水シート14も静止状態を保持するため、接合部15となる新設防水シート14と既設防水シート13のラップ部の幅が従来の技術のように掘進中に変動するようなことはない。この防水シートの敷設装置によれば、このようにシールド掘進機の掘進中でも防水シート13,14の接合部15の幅が変動しないため、新設防水シート14と既設防水シート13とを、その接合部15の全周にわたって均一に接合することができて良好な状態で接合することができる。
【0043】
こうして防水シート13,14の接合作業を行い、シールド掘進機を1リング長(セグメントの1リング幅相当の長さ)相当分掘進させた後は、防水シート受けフレーム2への新設防水シート14及び既設防水シート13の固定を解除してシールドジャッキ8を縮める。そうすると、支持フレーム3と共にこれに設置されている防水シート固定装置4,5、溶着装置6及び防水シートの巻立て装置7や防水シート受けフレーム2も前方に移動して、新たな新設防水シート14を敷設できる態勢が準備されるとともに、セグメントを組み立てる必要がある場合には、支持フレーム3等の後方にセグメントの組立空間も確保される。
【0044】
この組立空間でセグメントを組み立てるときには、セグメントピースの連結作業の邪魔になる一部のシールドジャッキ8を縮めて引っ込めるとともに、シールド本体1が切羽の土圧又は水圧により後退しないように他のシールドジャッキ8を伸ばして既設セグメント12に押し当てた状態にし、こうしたシールドジャッキ8の伸縮操作を周方向に向けて順次交替しながら繰り返す必要がある。この防水シートの敷設装置では、支持フレーム3をシールドジャッキロッド8aの非摺動部にボス21及びピン20により着脱可能に固定することができるようにしているので、ピン20を引っ込めてシールドジャッキロッド8aの非摺動部への支持フレーム3の固定を解除することにより、支持フレーム3を固定するシールドジャッキ8についても、前記の伸縮操作を、防水シートの敷設装置とは切り離して自由に行うことができて、セグメントの組立作業を円滑に行うことができる。
【0045】
この出願の第2番目の発明を具体化した防水シートの敷設装置の例を図8及び図9に基づいて説明する。図8は、この出願の第2番目の発明の具体化例に係る防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図、図9は、図8の防水シートの敷設装置の作用を説明するための流れ図である。8図において図1乃至図7と同一符号を付けた部分は、これらの図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0046】
図8に図示の防水シートの敷設装置は、既述の防水シートの敷設装置と同様、巻かれた新設防水シート14を沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレーム2と、この防水シート受けフレーム2の内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレーム2を支持する円筒状の支持フレーム3と、防水シート固定装置4,5、溶着装置6及び防水シートの巻立て装置7とを設けて、これらの防水シート固定装置4,5、溶着装置6及び防水シートの巻立て装置7を支持フレームに設置しており、基本的な構造は、既述の防水シートの敷設装置と変わらない。この図8の防水シートの敷設装置は、支持フレーム3をシールドジャッキロッド8aの非摺動部に着脱可能に固定可能にするための既述の防水シートの敷設装置にみられるピン20やボス21を備えていない代わりに、支持フレーム3を防水シート受けフレーム2の軸方向に移動させる移動ジャッキ9を備えており、この点で既述の防水シートの敷設装置と異なる。
【0047】
そこで、この図8の防水シートの敷設装置の特徴的な技術内容について述べると、9はこの支持フレームを防水シート受けフレームの軸方向に移動させる移動装置としての移動ジャッキ、25-1はシールドジャッキ8の伸び量を計測するための第1のストローク計、25-2は移動ジャッキ9の伸び量を計測するための第2のストローク計、25aは各ストローク計25-1,25-2にそれぞれ内蔵されているストローク計ワイヤである。
【0048】
移動ジャッキ9は、シリンダチューブをブラケット23により補強フレーム11に固定しているとともに移動ジャッキロッドの端部をアイプレート24により支持フレーム3に固定している。したがって、移動ジャッキ9は、伸ばすと支持フレーム3を後退させ、縮めると支持フレーム3を前進させることができる。第1のストローク計25-1は、ブラケット27-1を介して補強フレーム11に固定し、ストローク計ワイヤ25aの端部をシールドジャッキロッド8aの端部にブラケット26-1を介して取り付けている。第2のストローク計25-2は、ブラケット23,27-2を介して補強フレーム11に固定し、ストローク計ワイヤ25aの端部を移動ジャッキロッドの端部にブラケット26-2を介して取り付けている。したがって、第1のストローク計25-1及び第2のストローク計25-2は、シールドジャッキ8及び移動ジャッキ9が伸縮すると、各ストローク計25-1,25-2から引き出される各ストローク計ワイヤ25aの長さが変化してシールドジャッキ8及び移動ジャッキ9の伸び量をそれぞれ計測することができる。
【0049】
この図8の防水シートの敷設装置は、これらの手段に加え、移動ジャッキ9による支持フレーム3の移動量を制御するための図示しない制御装置を設けて、シールド掘進機の推進距離に相当する距離だけシールド掘進機の推進方向と反対方向に支持フレーム3を移動させるよう移動ジャッキ9の移動量を制御するようにしたものである。そこで、その制御装置により移動ジャッキ9の移動量を制御する手順を図9に基づいて説明する。
【0050】
まず、図示しない制御装置により移動ジャッキ9の移動量の制御をスタートする際、許容ストローク差ε及びシールドジャッキ伸び限Lを設定して制御装置に入力する。制御装置では、シールドジャッキ8の伸び量に等しい量だけ移動ジャッキ9を伸ばしてシールド掘進機の推進方向と反対方向に支持フレーム3を移動させるように制御するが、その場合、シールドジャッキ8の伸び量と移動ジャッキ9の伸び量の差を完全に無くす必要はなく、防水シートの敷設作業に実用上支障の生じない範囲でその伸び量の差に例えば数ミリオーダの許容値を設定する。許容ストローク差εは、こうした許容値に関する設定値を意味する。また、シールド掘進機を1リング長相当分掘進させるときには、シールドジャッキ8をストロークエンドまで伸ばして、シールドジャッキ8を伸ばす操作が全くできなくならないように、シールドジャッキ8を伸ばし得る量に限界値を設定する。シールドジャッキ伸び限Lは、こうした限界値に関する設定値を意味する。
【0051】
許容ストローク差ε及びシールドジャッキ伸び限Lを設定して制御装置に入力した後は、シールドジャッキ8を伸ばしてシールド掘進機の掘進を開始する。そうすると、シールドジャッキストロークAすなわちシールドジャッキ8の伸び量が第1のストローク計25-1で検出される。一方、第2のストローク計25-2では、移動ジャッキストロークBすなわち移動ジャッキ9の伸び量が検出される。そうすると、両検出値は、制御装置に入力され、制御装置では、両検出値の差C(A−B)を演算する。次いで、この両検出値の差Cが許容ストローク差εよりも大きいか否かが制御装置で判定され、大きいと判定されたときには、移動ジャッキ9の伸長操作を行い、小さいと判定されたときには、移動ジャッキ9の縮小操作を行う。こうして、両検出値の差Cがこれらの何れにも該当しないと判定されたときには、今度は、シールドジャッキストロークAがシールドジャッキ伸び限Lに達しているか否かが制御装置で判定され、シールドジャッキストロークAがシールドジャッキ伸び限Lに達するまで以上の制御を繰り返して、シールドジャッキストロークAがシールドジャッキ伸び限Lに達したとくきにシールド掘進機の掘進をストップする。
【0052】
このように、制御装置は、移動ジャッキ9の移動量を制御して、支持フレーム3をシールド掘進機の推進距離に相当する距離だけシールド掘進機の推進方向と反対方向に移動させるため、支持フレーム3は、防水シート受けフレーム2の軸方向に実質上移動せず、防水シート受けフレーム2も軸方向に移動しないで当初の位置を保持する。その結果、この防水シートの敷設装置も、既述の防水シートの敷設装置と同様、新設防水シート14を当初の位置に保持するため、新設防水シート14と既設防水シート13のラップ部の幅が従来の技術のように掘進中に変動するようなことはない。この防水シートの敷設装置によれば、このようにシールド掘進機の掘進中でも防水シート13,14の接合部15の幅が変動しないため、新設防水シート14と既設防水シート13とを、その接合部15の全周にわたって均一に接合することができて良好な状態で接合することができる。
【0053】
また、この防水シートの敷設装置及び既述の防水シートの敷設装置の何れも、支持フレーム3に既設防水シート固定装置5を付設しているため、新設防水シート固定装置4だけではなく、既設防水シート固定装置5の移設作業も能率的に行うことができる。さらに、支持フレーム3に溶着装置6を設置しているため、接合装置を溶着装置6のような地中掘進機内に常設するタイプのものにした場合であっても、接合装置が地中掘進機の掘進に伴って移動するのを防ぐことができて新設防水シート14と既設防水シート13のラップ部を適切に接合することができる。さらにまた、支持フレーム3に防水シートの巻立て装置7を設置しているため、防水シートの巻立て装置7が地中掘進機の掘進に伴って移動することは実質上なくなり、そのため、新設防水シート14と既設防水シート13のラップ部の幅を防水シートの巻立て装置7によりきわめて均一に形成することができる。
【0054】
最後に、この出願の第1番目の発明及び第2番目の発明の具体化例に係る防水シートの敷設装置の変形例を図10乃至図12に基づいて説明する。図10は、この出願の第1番目及び第2番目の発明の具体化例に係る第1の変形例の防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図、図11は、図10のB−B線断面図に相当するシールド掘進機の横断面図でシールド掘進機の全横断面を示す図、図12は、この出願の第1番目及び第2番目の発明の具体化例に係る第2の変形例の防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図である。これらの図においてすでに述べた図と同一符号を付けた部分は、既述の図と同等の部分を表すので、詳述しない。
【0055】
第1の変形例及び第2の変形例の防水シートの敷設装置は、何れも、シールド掘進機の掘進時等にテールプレート1aと防水シート受けフレーム2とが互いに接触しながら相対移動することにより、テールプレート1aと防水シート受けフレーム2とが摩耗損傷するのを防止するようにしたものである。
【0056】
そのため、第1の変形例では、図10に示すように、ガイドロッド28を補強部材11にガイドロッド取付部材30により取り付けるとともに、このガイドロッド28に前後方向に摺動可能にガイドボス29を装着し、このガイドボス29を介して支持フレーム3をガイドロッド28に前後方向に移動可能に支持することにより、テールプレート1aと防水シート受けフレーム2との間に間隙を設けて両者を接触させないようにした。この状態を後方からみると、図11のようになる。また、第2の変形例では、図12に示すように防水シート受けフレーム2の外側に摺動部材31を取り付けることにより、防水シート受けフレーム2を、この摺動部材31を介してテールプレート1aに接触させるようにして両者の摩擦抵抗を軽減するようにしたものである。摺動部材31は、例えば、超高分子量ポリエチレンのような摩擦抵抗の小さい材質で形成する。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この出願の第1番目の発明及び第2番目の発明は、それぞれ、課題を解決するための手段の項に示した前記の1)及び2)の手段を採用しているので、各発明によれば、地中掘進機の掘進中に防水シートの敷設作業を行っても、新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅が変動しない防水シートの敷設装置が得られる。その結果、新設防水シートと既設防水シートとを、両防水シートのラップ部の全周にわたって均一に接合することができて良好な状態で接合することができる。また、これら各発明の防水シートの敷設装置では、支持フレームを推進用ジャッキ又は移動ジャッキにより移動すれば、防水シートの敷設に有用な防水シート受けフレームや新設防水シート固定装置を機械的に移設することができるので、地中掘進機を1リング長相当分掘進させるごとに行う必要がある防水シート受けフレームや新設防水シート固定装置の移設作業を能率的に行うことができる。
【0058】
この出願の第1番目の発明及び第2番目の発明を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項3に記載のように具体化すれば、既設防水シート固定装置の移設作業も能率的に行うことができる。この出願の各発明を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項4に記載のように具体化すれば、接合装置を地中掘進機内に常設するタイプのものにした場合でも、接合装置が地中掘進機の掘進に伴って移動するのを防ぐことができて、新設防水シートと既設防水シートのラップ部を適切に接合することができる。この出願の各発明を具体化する場合に、特に、特許請求の範囲の請求項5に記載のように具体化すれば、防水シートの巻立て装置が地中掘進機の掘進に伴って移動することは実質上なくなるため、新設防水シートと既設防水シートのラップ部の幅を防水シートの巻立て装置によりきわめて均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の第1番目の発明の具体化例に係る防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の縦断面図である。
【図2】図1における防水シートの敷設装置の周辺部の拡大縦断面図である。
【図3】図1における溶着装置の周辺部の拡大縦断面図に相当する図で防水シートの接合作業を行っているときの状態を示す図である。
【図4】図1の要部の拡大縦断面図である。
【図5】図4のA−A線断面図に相当するシールド掘進機の横断面図でシールド掘進機の全横断面を示す図である。
【図6】図5の要部の拡大縦断面図である。
【図7】シールドジャッキロッドに支持フレームを固定した状態を示す図6と同様の図である。
【図8】この出願の第2番目の発明の具体化例に係る防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図である。
【図9】図8の防水シートの敷設装置の作用を説明するための流れ図である。
【図10】この出願の第1番目及び第2番目の発明の具体化例に係る第1の変形例の防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図である。
【図11】図10のB−B線断面図に相当するシールド掘進機の横断面図でシールド掘進機の全横断面を示す図である。
【図12】この出願の第1番目及び第2番目の発明の具体化例に係る第2の変形例の防水シートの敷設装置を設置したシールド掘進機の要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 シールド本体
1a テールプレート
2 防水シート受けフレーム
3 支持フレーム
4 新設防水シート固定装置
5 既設防水シート固定装置
6 溶着装置
7 防水シートの巻立て装置
8 シールドジャッキ
9 移動ジャッキ
10 リングフレーム
11 補強フレーム(リングガーダ)
12 既設セグメント
13 既設防水シート
14 新設防水シート
15 防水シートの接合部
16 旋回リング
17 加熱装置
18 転圧ローラ
19 ピニオン
19a モータ
20 ピン
21 ボス
25-1 第1のストローク計
25-2 第2のストローク計
25a ストローク計ワイヤ
28 ガイドロッド
29 ガイドボス
30 ガイドロッド取付部材
31 摺動部材

Claims (5)

  1. シリンダチューブから常時突出している非摺動部をジャッキロッドに設けた推進用ジャッキで推進しながら地中を掘進する地中掘進機に設置され、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の後部の内周面に沿って巻き、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部を接合する防水シートの敷設装置において、巻かれた新設防水シートを沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレームと、この防水シート受けフレームの内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレームを支持する支持フレームと、新設防水シートを防水シート受けフレームに固定するための新設防水シート固定装置とを設け、この新設防水シート固定装置を支持フレームに設置するとともに、推進用ジャッキのジャッキロッドの非摺動部に支持フレームを着脱可能に固定できるようにしたことを特徴とする防水シートの敷設装置。
  2. 推進用ジャッキで推進しながら地中を掘進する地中掘進機に設置され、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の後部の内周面に沿って巻き、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部を接合する防水シートの敷設装置において、巻かれた新設防水シートを沿わせることができる円筒状の防水シート受けフレームと、この防水シート受けフレームの内周側にその軸方向に移動可能に設置され防水シート受けフレームを支持する支持フレームと、この支持フレームを防水シート受けフレームの軸方向に移動させる移動装置と、新設防水シートを防水シート受けフレームに固定するための新設防水シート固定装置とを設け、この新設防水シート固定装置を支持フレームに設置するとともに、移動装置による支持フレームの移動量を制御する制御装置を設けて、地中掘進機の推進距離に相当する距離だけ地中掘進機の推進方向と反対方向に支持フレームを移動させるよう移動装置の移動量を制御するようにしたことを特徴とする防水シートの敷設装置。
  3. 支持フレームに、既設防水シートを防水シート受けフレームに固定するための既設防水シート固定装置を付設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防水シートの敷設装置。
  4. 支持フレームに、新設防水シートと筒状の既設防水シートのラップ部を接合するための接合装置を設置したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の防水シートの敷設装置。
  5. 支持フレームに、新設防水シートを筒状の既設防水シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように地中掘進機胴体の内周面に沿って巻くための防水シートの巻立て装置を設置したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の防水シートの敷設装置。
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