JP2002201891A - シールドジャッキ及びシールド掘進機 - Google Patents

シールドジャッキ及びシールド掘進機

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JP2002201891A
JP2002201891A JP2000398780A JP2000398780A JP2002201891A JP 2002201891 A JP2002201891 A JP 2002201891A JP 2000398780 A JP2000398780 A JP 2000398780A JP 2000398780 A JP2000398780 A JP 2000398780A JP 2002201891 A JP2002201891 A JP 2002201891A
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rod
shield
shield jack
waterproof sheet
sliding portion
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JP2000398780A
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Yukio Haga
由紀夫 芳賀
Shuichi Hara
修一 原
Hiroyuki Matsufuji
広行 松藤
Yukihisa Hirasawa
幸久 平沢
Michiaki Morita
道明 森田
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Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
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Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプレッダの偏心量を大きくしなくても自走
式接合機の十分な走行スペースを確保することができる
シールドジャッキを提供する。 【解決手段】 防水シート8,9のラップ部を自走式の
溶着機10で挟み込んでシールドジャッキロッド5aと
テールプレート4の間を通過させるように溶着機10を
自走させながら防水シート8,9のラップ部を接合する
シールド掘進機に用いられるシールドジャッキ5におい
て、シールドジャッキロッド5aに、シリンダチューブ
5bから常時突出している非摺動部ロッドAとシリンダ
チューブ内を摺動する摺動部ロッドBとを設けて、非摺
動部ロッドAの径を摺動部ロッドBの径より小径に形成
して小径の非摺動部ロッドAを大径の摺動部ロッドBに
対して同心的に設けることにより、小径の非摺動部ロッ
ドAの個所で溶着機10の走行スペースsを拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、新設の防
水シートを筒状の既設の防水シートに対して縁部同士を
ラップさせるように巻いて形成された防水シートのラッ
プ部を自走式接合機で接合するシールド掘進機及びこう
したシールド掘進機に用いられるシールドジャッキに関
する。
【0002】
【従来の技術】シールド工法では、掘削した地下坑の周
壁内側に沿ってセグメントを組み立てるが、この組み立
てられたセグメントには、多数の継ぎ目があり、年月が
たつとクラックも発生するため、地下坑内に漏水が起こ
る恐れがある。こうしたことから、掘削した地下坑の周
辺地山とセグメントとの間に、セグメントの外周を包囲
するように防水シートを筒状に布設して、地下坑内への
漏水を防止する方法が採られている。防水シートをこう
した態様で布設する技術は、従来から各種技術が提案さ
れているが、有力な最近の技術としては、例えば、特開
平11ー173094号公報に記載の技術を挙げること
ができる。
【0003】この特開平11ー173094号公報に記
載の技術は、新しく布設しようとする新設の防水シート
を、筒状をなしてすでに布設されている既設の防水シー
トに対し、隣接する縁部同士を、シールド本体の後部を
なすテールプレート内でラップさせながら巻き、その結
果形成された環状のラップ部を接合して、順次、継ぎ足
して行くことにより、地下坑の周辺地山とセグメントと
の間に防水シートを筒状に布設するようにしたものであ
る。こうした方法で防水シートを布設しながら掘進する
シールド掘進機をラッピングシールド掘進機と称する。
【0004】このラッピングシールド掘進機では、新設
の防水シートを既設の防水シートに対して隣接縁部同士
をラップさせながら巻くようにするために、テールプレ
ートの軸方向に延びその内周面に沿って旋回するアーム
をシールド本体内に設置している。そして、このアーム
に、ロール状に巻かれた防水シートの端部をクランプし
て、アームを、シールドジャッキとテールプレート間の
間隙をくぐらせながら旋回させることにより、ロール状
に巻かれた防水シートを逐次引き出しながら新設の防水
シートを巻き立てる(筒状に巻く)。防水シートをこう
した方法で布設する場合、新設の防水シートと既設の防
水シートの環状のラップ部を円周方向に向けて接合する
防水シートの接合装置が必要になる。
【0005】前記公報に記載のシールド掘進機では、こ
うした防水シートの接合装置に、防水シートのラップ部
を挟み込んで自走しながら接合する自走式接合機が用い
られている。この自走式接合機は、防水シートのラップ
部を一対の挟持用のローラーで挟み込んでその一方のロ
ーラーを電動機で回転駆動することにより、防水シート
のラップ部を密着させるように挟持しながらシールドジ
ャッキロッドとテールプレートの間を通過させるように
して自走させ、熱溶着用の接合端子でそのラップ部を熱
溶着できるようにしたものである。この自走式接合機に
よれば、防水シートのラップ部を密着状態でラップさせ
ながら自走して接合できるため、防水シートのラップ部
を、人手の支援をほとんど要することなく良好な状態で
接合することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来例のシールド
掘進機は、このように、自走式接合機を自走させること
により、防水シートのラップ部を、人手をほとんど要す
ることなく良好に接合できて望ましいものであったが、
自走式接合機を自走させるときにシールドジャッキロッ
ドとテールプレートの間を通過させるため、これらの間
に自走式接合機の十分な走行スペースを確保しなければ
ならないという問題があった。こうした問題に対応し
て、従来例のシールド掘進機では、シールドジャッキの
スプレッダの偏心量を大きくする方法を採っていた。以
下、この点について言及する。
【0007】セグメントで反力をとりながらシールド本
体をシールドジャッキで推進するときには、スプレッダ
の押し付け中心をできるだけセグメントの断面中心に合
わせるようにして押し付ける必要がある。一方、シール
ドジャッキロッドとテールプレートの間に自走式接合機
の十分な走行スペースを確保するには、シールドジャッ
キの取付位置をテールプレートからある程度離す必要が
あり、そのためには、スプレッダの偏心量(シールドジ
ャッキロッドの中心線に対するスプレッダの押し付け中
心の偏心量)を通常よりも大きくしなければならない。
【0008】しかるに、このようにスプレッダをシール
ドジャッキロッドに対して偏心させると、シールドジャ
ッキに曲げモーメントが加わるため、シールドジャッキ
ロッドに対するスプレッダの偏心量を大きくするにして
も、強度上自ずから限界がある。特に、シールド本体の
径が小さい場合には、シールドジャッキの容量もそれに
伴って小さくなるため、許容できるスプレッダの偏心量
も小さくなって、自走式接合機の走行スペースを確保す
ることが困難になる。また、セグメントの厚さが小さい
場合には、スプレッダの押し付け中心がその分テールプ
レートに近付いて、自走式接合機の走行スペースが狭ま
る。そして、こうした難点を補うため、スプレッダの偏
心量を大きくするにしても、前記のように限界があるた
め、セグメントの厚さが小さい場合にも、自走式接合機
の走行スペースを確保することが困難になる。こうした
ことから、スプレッダの偏心量を大きくしなくても、自
走式接合機の十分な走行スペースを確保することができ
る技術が要求される。
【0009】この出願の第1番目及び第2番目の発明
は、こうした要求に応えるために創作されたものであっ
て、その第1番目の発明の技術課題は、防水シートのラ
ップ部を自走式接合機で接合するシールド掘進機に用い
られるシールドジャッキにおいて、スプレッダの偏心量
を大きくしなくても自走式接合機の十分な走行スペース
を確保することができるシールドジャッキを提供するこ
とにある。その第2番目の発明の技術課題は、防水シー
トのラップ部を自走式接合機で接合するシールド掘進機
において、こうしたシールドジャッキを設置して同様の
ことを具現するシールド掘進機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この出願の第1番目の発
明及び第2番目の発明の技術課題は、それぞれ、次の
1)及び2)に示す手段により達成される。
【0011】1)新設の防水シートを筒状の既設の防水
シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように
巻いて形成された防水シートのラップ部を自走式接合機
で挟み込んでシールドジャッキロッドとテールプレート
の間を通過させるように自走式接合機を自走させながら
防水シートのラップ部を接合するシールド掘進機に用い
られるシールドジャッキにおいて、シールドジャッキロ
ッドに、シリンダチューブから常時突出している非摺動
部ロッドとシリンダチューブ内を摺動する摺動部ロッド
とを設けて、非摺動部ロッド側面の一対の長手方向輪郭
線の少なくとも一方が隣接する摺動部ロッド側面の長手
方向輪郭線に対して自走式接合機の通過可能な幅以上の
区間にわたって内方に位置する領域を設けるようにシー
ルドジャッキロッドを構成する。
【0012】2)新設の防水シートを筒状の既設の防水
シートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように
巻いて形成された防水シートのラップ部を自走式接合機
で挟み込んでシールドジャッキロッドとテールプレート
の間を通過させるように自走式接合機を自走させながら
防水シートのラップ部を接合するシールド掘進機におい
て、シールドジャッキロッドに、シリンダチューブから
常時突出している非摺動部ロッドとシリンダチューブ内
を摺動する摺動部ロッドとを設けて、非摺動部ロッド側
面の一対の長手方向輪郭線の少なくとも一方が隣接する
摺動部ロッド側面の長手方向輪郭線に対して自走式接合
機の通過可能な幅以上の区間にわたって内方に位置する
領域を設けるようにシールドジャッキロッドを構成し、
同領域を設けたシールドジャッキロッドの個所をテール
プレートに対向させるようにシールドジャッキを設置す
る。
【0013】この出願の第1番目の発明のシールドジャ
ッキは、シールドジャッキロッドを前記1)ように構成
しているので、シールドジャッキを設置する際、非摺動
部ロッド側面の長手方向輪郭線が隣接する摺動部ロッド
側面の長手方向輪郭線に対して内方に位置する領域を設
けたシールドジャッキロッドの個所をテールプレートに
対向させるように設置することにより、そのシールドジ
ャッキロッドの個所とテールプレートとの間に、幅が広
げられた空間を確保することができる。本発明のシール
ドジャッキは、防水シートのラップ部を自走式接合機で
接合するシールド掘進機に用いられるものであるが、こ
うした幅広の空間が自走式接合機の通過可能な幅以上の
区間にわたって確保されて、自走式接合機の走行スペー
スを、スプレッダの偏心量を大きくすることなく従来よ
りも拡大することができる。したがって、本発明のシー
ルドジャッキによれば、スプレッダの偏心量を大きくし
なくても自走式接合機の十分な走行スペースを確保する
ことができる。
【0014】この出願の第2番目の発明のシールド掘進
機は、防水シートのラップ部を自走式接合機で接合する
シールド掘進機に前記第1番目の発明のシールドジャッ
キを設置したもの相当する。そして、そのシールドジャ
ッキを設置する際、前記と同様、非摺動部ロッド側面の
長手方向輪郭線が隣接する摺動部ロッド側面の長手方向
輪郭線に対して内方に位置する領域を設けたシールドジ
ャッキロッドの個所をテールプレートに対向させるよう
に設置しているので、そのシールドジャッキロッドの個
所とテールプレートとの間に、幅が広げられた空間を確
保することができる。したがって、本発明のシールド掘
進機によれば、前記第1番目の発明と同様、自走式接合
機の走行スペースを、スプレッダの偏心量を大きくする
ことなく従来よりも拡大することができて第1番目の発
明と同様のことを具現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この出願の第1番目及び第
2番目の発明が実際上どのように具体化されるのかを示
す各種具体化例を図1乃至図10に基づいて説明するこ
とにより、これらの発明の実施の形態を明らかにする。
まず、この出願の各発明の実施に関連する基本的な技術
内容を図1乃至図4に基づいて概略的に説明する。図1
は、図5に係るシールドジャッキを設置してこの出願の
第2番目の発明を具体化したシールド掘進機の例を示す
縦断面図、図2は、図1のI −I 線断面の一部を示す断
面図、図3は、図1のシールド掘進機の要部の拡大縦断
面図で、防水シートのラップ部を溶着機で接合している
ときの状態を示す図、図4は、この出願の各発明に係る
シールドジャッキに用いられるシールドジャッキロッド
の基本的形態を示す模式図で、(a)は側面図、(b)
は背面図である。
【0016】これらの図において、1はシールド掘進機
の胴体をなすシールド本体、2は旋回リング3の後面に
シールド本体1の軸方向に向けて取り付けられ新設の防
水シート8を取り付ける防水シートの巻立てアーム、2
aは防水シートを予めロール状に巻いて形成した防水シ
ートロールを装着するための防水シートロール受け、3
はモータにより減速機構を介して回転駆動される旋回リ
ング、4はシールド本体1の後部をなし内側でセグメン
ト13が組み立てられるテールプレート、5はセグメン
ト13で反力を取りつつシールド本体1を推進するため
のシールドジャッキ、6は既設の防水シート9に巻かれ
る新設の防水シート8をテールプレートに沿うように筒
状に支持する防水シートセッタ、7は既設の防水シート
に巻かれる新設の防水シート8の前端位置を揃える防水
シートアジャスタ、8は既設の防水シート9の内周面に
ラップした状態で巻かれている新設の防水シート、9は
筒状をなしてすでに布設されている既設の防水シートで
ある。
【0017】防水シートの巻立てアーム2は、テールプ
レート4の内周面とシールドジャッキ5との間隙をくぐ
り抜けて旋回できるように配置している。旋回リング3
は、シールド本体1に回転可能に支持され、アーム2と
同様、テールプレート4の内周面とシールドジャッキ5
との間隙をくぐり抜けて回転できるように配置してい
る。これらアーム2や旋回リング3は、新設の防水シー
ト8を巻き立てる(新設の防水シート8を筒状の既設の
防水シート9に巻く)装置をなす。防水シートロール受
け2aは、丸棒状をなし、防水シートロールの中心部に
形成された孔に入れることにより防水シートロールを装
着する。防水シートロール受け2aに装着された防水シ
ートロールの防水シート端部は、新設の防水シート8の
巻き立て時に引き出されて防水シートの巻立てアーム2
にクリップされる。
【0018】シールドジャッキ5は、シリンダチューブ
5bと、このシリンダチューブ5b内を摺動するシール
ドジャッキロッド5aと、シールドジャッキロッド5a
の後端部を既設のセグメント9に当接させるためのスプ
レッダ12とで構成される。図4には、図3に図示のシ
ールドジャッキ5からシールドジャッキロッド5aの部
分だけを取り出して概略的に図示している。シールドジ
ャッキロッド5aは、図4に示すように、シリンダチュ
ーブ5bから常時突出している非摺動部ロッドAとシリ
ンダチューブ5b内を摺動する摺動部ロッドBとを有す
る。非摺動部ロッドAは、シールドジャッキ5を限界ま
で縮めたときでもシリンダチューブ5bから突出してお
り、ここに示す例では、セグメント13の幅に略等しい
長さに形成され、これにより、新設の防水シート8をシ
ールド掘進機の掘進直後から巻き立てることができるス
ペースを確保することができる。
【0019】摺動部ロッドBは、シールドジャッキ5を
限界まで縮めたときにシリンダチューブ5b内に収納さ
れる部分であり、シールドジャッキ5を伸縮する過程で
シリンダチューブ5bに対し接触して摺動する。そのた
め、摺動部ロッドBの外周面には、シリンダチューブ5
bとの摺動による摩耗の防止及び防錆上の必要からメッ
キ加工を施している。また、摺動部ロッドBは、シリン
ダチューブ5bとの間を油密にシールする必要上、横断
面が円形になるように形成している。これに対し、非摺
動部ロッドAは、メッキ加工を施す必要はなく、断面形
状の制約も特にはない。
【0020】シールドジャッキロッド5aの摺動ストロ
ークは、セグメント13の1リング幅程度でよいため、
シリンダチューブ5bは、通常のシールドジャッキと同
程度の長さに形成している。ここに例示するシールド掘
進機では、シールドジャッキとして、このような通常の
シールドジャッキよりセグメント13の1リング幅程度
長いロングロッドのシールドジャッキを使用して、こう
したシールドジャッキ5を、シールド本体1内に周方向
に間隔を置いて多数設置している。ここに示す例では、
防水シートセッタ6は、これらのシールドジャッキ5の
非摺動部ロッドAに取り付けられており、防水シートア
ジャスタ7は、防水シートセッタ6に取り付けられてい
る。
【0021】10は新設の防水シート8と既設の防水シ
ート9の環状のラップ部を密着させるように挟持しなが
ら自走して接合する自走式接合機としての溶着機、11
は溶着機10を支持しながらガイドする自走式接合機の
走行ガイド、13はシールド掘進機で掘削した地下坑を
覆工するセグメント、14はこのセグメント13を組み
立てるエレクタ、15はシールド掘進機の掘進によるテ
ールプレート4の前進時に既設の防水シート9がテール
プレート4との摩擦により傷まないように防護するシー
トプロテクタ、16はセグメント13を組み立てた際に
その裏側に裏込め材を即時に注入できるようにするため
の同時裏込め注入管である。
【0022】溶着機10は、防水シート8,9のラップ
部を一対の挟持用のローラーで挟み込んでその一方のロ
ーラーを電動機で回転駆動することにより、そのラップ
部を密着させるように挟持しながら自走し、熱溶着用の
接合端子で防水シート8,9のラップ部を熱溶着するこ
とができるようになっている。自走式接合機の走行ガイ
ド11は、テールプレート4内に配置されテールプレー
ト4と同心円状の円弧状曲面を有し、溶着機10を防水
シート8,9の環状のラップ部に沿ってガイドする働き
をする。この走行ガイド11は、防水シートセッタ6と
同様、シールドジャッキロッド5aの非摺動部ロッドA
に取り付けられている。走行ガイド11は、このように
シールド本体1が前進しても移動しないシールドジャッ
キロッド5aに取り付けられていてシールド掘進機の掘
進中に移動しないため、溶着機10による防水シート
8,9の接合をシールド掘進機の掘進中に行っても、防
水シート8,9のラップ部を正しく接合することができ
る。
【0023】溶着機10は、テールプレート4の底部近
辺を自走するときには、下部を下側に向けた正常な姿勢
をとるが、テールプレート4頂部近辺を自走するとき
は、テールプレート4の底部近辺を自走するときとは逆
の姿勢をとって裏返る。このとき、溶着機10は、捻じ
れた姿勢で防水シート8,9にぶら下がるような状態と
なり、この状態のまま自走すると、自重により落下する
危惧がある。自走式接合機の走行ガイド11は、溶着機
10を前記のようにガイドする働きをするほか、こうし
た事態に対応して溶着機10を落下しないように載置し
て支持する働きをする。この走行ガイド11の最大の役
割は、溶着機10の落下を防止する点にあるから、走行
ガイド11は、テールプレート4内の上半部にだけ設け
るようにすることもできる。
【0024】以上のような構造を備えた従来例のシール
ド掘進機では、ロール状に巻かれた新設の防水シート8
の端部を防水シートの巻立てアーム2にクリップで取り
付けた後、旋回リング3を回転駆動して巻立てアーム2
をテールプレート1の内周面に沿って旋回させる。そう
すると、新設の防水シート8は、防水シートロール2a
から引き出されて筒状の既設の防水シート9の縁部にラ
ップ部を形成するようにしながら筒状に巻かれて行き、
旋回リング3が1回転すると、ループ状に端部が合わせ
られた状態になる。次いで、防水シート8は、防水シー
トセッタ6により筒状に位置決めされるとともに防水シ
ートアジャスタ7により前後方向の位置が位置決めされ
て、防水シートの巻き立て工程が終了する。
【0025】しかる後、防水シート8,9のラップ部を
溶着機10で接合する。すなわち、防水シート8,9の
ラップ部を溶着機10で挟み込んでシールドジャッキロ
ッド5aとテールプレート4の間を通過させるように溶
着機10を自走させながら防水シート8,9のラップ部
を接合する。その場合、溶着機10を走行ガイド11で
ガイドしながら自走させ、特にテールプレート4の上部
では溶着機10を走行ガイド11で支持する。こうした
溶着機10による防水シート8,9の接合は、シールド
ジャッキ5がほぼ限界まで縮んでいるシールド本体1の
掘進開始直後から行う。防水シート8,9のラップ部を
接合した後は、筒状に巻いた新設の防水シート8におけ
る端部の合わせ目を接合し、防水シートの接合工程を終
了する。こうして新設の防水シート8を布設した後は、
エレクタ14を用いてその防水シート8の内周面側にセ
グメント13を組み立てる。その場合、シールドジャッ
キ5は、セグメント13の組立操作にタイミングを合わ
せてその組立の邪魔になるものを縮める。
【0026】シールドジャッキに関するこの出願の第1
番目の発明及びシールド掘進機に関するこの出願の第2
番目の発明は、以上例示したようなシールド掘進機シー
ルド掘進機を基礎にして創作されたものである。すなわ
ち、これらの各発明は、何れも、新設の防水シート8を
筒状の既設の防水シート9に対して隣接する縁部同士を
ラップさせるように巻いて形成された防水シート8,9
のラップ部を自走式接合機としての溶着機10で挟み込
んでシールドジャッキロッド5aとテールプレート4の
間を通過させるように溶着機10を自走させながら防水
シート8,9のラップ部を接合する図1乃至図3に図示
のようなシールド掘進機において、シールドジャッキロ
ッド5aに対し改良を加えたものある。以下、図5乃至
図10を用いてその改良点を中心に説明する。
【0027】図5は、この出願の各発明に係る第1具体
化例のシールドジャッキにおけるシールドジャッキロッ
ドを模式的に示す図で、(a)は側面図、(b)は背面
図、図6は、この出願の各発明に係る第2具体化例のシ
ールドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式
的に示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図、図7
は、この出願の各発明に係る第3具体化例のシールドジ
ャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に示す
図で、(a)は側面図、(b)は背面図、図8は、この
出願の各発明に係る第4具体化例のシールドジャッキに
おけるシールドジャッキロッドを模式的に示す図で、
(a)は側面図、(b)は背面図、図9は、この出願の
各発明に係る第5具体化例のシールドジャッキにおける
シールドジャッキロッドを模式的に示す図で、(a)は
側面図、(b)は背面図、図10は、図7のシールドジ
ャッキロッドに自走式接合機の走行ガイドを取り付けた
状態を示す横断面図である。
【0028】図5乃至図9に示す各具体化例のシールド
ジャッキ5は、何れも、シリンダチューブ5bとシール
ドジャッキロッド5aとスプレッダ12とを有し、その
シールドジャッキロッド5aには、シリンダチューブ5
bから常時突出している非摺動部ロッドAとシリンダチ
ューブ5b内を摺動する摺動部ロッドBとを設けて、通
常のシールドジャッキよりもセグメント13の1リング
幅程度長いロングロッドのシールドジャッキになるよう
に構成している。したがって、シールドジャッキロッド
5aの基本的な構造は、図4に図示のものと変わらな
い。
【0029】この図4に示されている非摺動部ロッドA
と摺動部ロッドBを有するシールドジャッキ5では、1
本の丸鋼で製作され、ロッドA,Bの横断面形状も等し
い。このように、図4に図示のシールドジャッキ5で
は、ロッドA,Bを同じ横断面形状に形成しているの
で、シールドジャッキロッド5aの側面形状(側面視の
形状)は、上下一対の長手方向輪郭線と左右1対の輪郭
線とで画定される横長の長方形となる。これに対し、こ
の出願の各発明に係るシールドジャッキ5では、ロッド
A,Bを同じ横断面形状に形成しないで、非摺動部ロッ
ドA側面の一対の長手方向輪郭線の少なくとも一方が隣
接する摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線に対して溶
着機10の通過可能な幅以上の区間にわたって内方に位
置する領域を設けるようにシールドジャッキロッド5a
を構成している。各発明の最大の特徴は、シールドジャ
ッキロッド5aをこのように構成した点にあり、以下、
この点を具体化した種々の例を逐次説明する。
【0030】まず、この出願の各発明に係る第1具体化
例のシールドジャッキ5を図3及び図5に基づいて説明
する。
【0031】このシールドジャッキ5は、シールドジャ
ッキロッド5aの非摺動部ロッドAを横断面円形に形成
して非摺動部ロッドAの径DA を摺動部ロッドBの径D
B よりも小径に形成するとともに、この小径の非摺動部
ロッドAを大径の摺動部ロッドBに対して同心的に設け
たものである。シールドジャッキ5をこのように構成す
ると、小径の非摺動部ロッドAを、図3に示すようにテ
ールプレート4に対向させるように設置することによ
り、小径の非摺動部ロッドAの個所で溶着機10の走行
スペースsを従来よりも拡大することができて、スプレ
ッダ12の偏心量を大きくしなくても、溶着機10の十
分な走行スペースsを確保することができる。そのた
め、小径のシールド掘進機に用いられるシールドジャッ
キや厚さの小さいセグメントで反力をとらなければなら
ないシールドジャッキであっても、防水シート8,9の
ラップ部の接合を自走式の溶着機10により支障なく行
うことができる。また、拡大された走行スペースsに走
行ガイド11を設置することもでき、この走行ガイド1
1により溶着機10を安定した状態で正しく走行させる
ことができる。さらに、非摺動部ロッドAを摺動部ロッ
ドBの円形横断面の領域内に設けているので、シールド
ジャッキロッド5aを、1本の丸鋼を加工することによ
り製作することができて、製作上の便もよい。
【0032】このシールドジャッキ5を側面からみる
と、シールドジャッキロッド5aは、図5(a)に示す
ように、非摺動部ロッドA側面の一対の長手方向輪郭線
1 ,x2 の双方が隣接する摺動部ロッドB側面の長手
方向輪郭線y1 ,y2 に対して内方へ引っ込められるよ
うに構成されている。シールドジャッキロッド5aをこ
のような側面形状に構成すれば、内方へ引っ込んでいる
長手方向輪郭線x1 ,x 2 の何れかの部分をテールプレ
ート4に対向させるようにシールドジャッキ5を設置す
ることにより、同部分とテールプレート4との間に拡大
された溶着機10の走行スペースsを確保することがで
きて、非摺動部ロッドAを横断面円形に形成しているか
否かや摺動部ロッドBに対して同心的に設けているか否
かにかかわりなく、前記の効果を奏することができる。
しかしながら、こうしたシールドジャッキロッド5aを
構成する場合に、図5の例では横断面円形の非摺動部ロ
ッドAを大径の摺動部ロッドBと特に同心的に設けてい
るので、シールドジャッキ5を設置する際、非摺動部ロ
ッドAの周方向の位置調整をしなくても、溶着機10の
走行スペースsを同じ拡大量で拡大することができて、
シールドジャッキ5の設置の便がきわめてよい。
【0033】この出願の各発明に係る第2具体化例のシ
ールドジャッキ5を図6に基づいて説明する。
【0034】このシールドジャッキ5は、シールドジャ
ッキロッド5aの非摺動部ロッドAを摺動部ロッドBの
円形横断面よりも小径の円形横断面に形成するととも
に、この小径の非摺動部ロッドAを大径の摺動部ロッド
Bの円形横断面に内接させるように偏心させて配置した
ものである。シールドジャッキロッド5aをこのように
構成すると、シールドジャッキ5を設置する際、摺動部
ロッドBに対して最も内方へ引っ込んでいる非摺動部ロ
ッドAの部分をテールプレート4に対向させるように設
置することにより、同部分とテールプレート4との間
に、拡大された溶着機10の走行スペースsを確保する
ことができて、図5の例で述べたのと同様の走行スペー
スsの拡大に伴う種々の効果を奏することができる。特
に、この図6の例では、非摺動部ロッドAを摺動部ロッ
ドBの円形横断面に内接するように、一方に偏して配置
したので、非摺動部ロッドA及び摺動部ロッドBの径が
同じであるとすると、溶着機10の走行スペースsを図
5の例よりも拡大することができる。また、非摺動部ロ
ッドAを摺動部ロッドBの円形横断面の領域内に設けて
いるので、シールドジャッキロッド5aを、1本の丸鋼
を加工することにより製作することができて、製作上の
便もよい。
【0035】このシールドジャッキ5を側面からみる
と、シールドジャッキロッド5aは、図6(a)に示す
ように、非摺動部ロッドA側面の一対の長手方向輪郭線
1 ,x2 の一方x1 が隣接する摺動部ロッドB側面の
長手方向輪郭線y1 に対して内方へ引っ込められ、他方
2 が隣接する摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線y
2 に連なるように構成されている。シールドジャッキロ
ッド5aをこのような側面形状に形成すれば、内方へ引
っ込んでいる長手方向輪郭線x1 の部分をテールプレー
ト4に対向させるようにシールドジャッキ5を設置する
ことにより、同部分とテールプレート4との間に拡大さ
れた溶着機10の走行スペースsを確保することができ
て、図5の例と同様の走行スペースsの拡大に伴う種々
の効果を奏することができる。そして、非摺動部ロッド
側面の長手方向輪郭線x1 ,x2 の他方x2 を摺動部ロ
ッド側面の長手方向輪郭線y2 に連なるようにしたた
め、非摺動部ロッドA側面の長手方向輪郭線x1 ,x2
間の幅及び摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線y1
2 間の幅が同じであるとすると、非摺動部ロッドA側
面の長手方向輪郭線の一方x1 を摺動部ロッドB側面の
長手方向輪郭線y1 に対して図5の例よりも大きく内方
へ引っ込めることが可能となって、非摺動部ロッドAを
円形横断面に形成しているか否かにかかわりなく、溶着
機10の走行スペースsを図5の例よりも拡大すること
ができる。
【0036】この出願の各発明に係る第3具体化例のシ
ールドジャッキ5を図7に基づいて説明する。
【0037】このシールドジャッキ5は、非摺動部ロッ
ドAを、摺動部ロッドBと同径のロッドを切り欠いて平
面部A1を有する形状に形成するとともに、この平面部
A1を有する非摺動部ロッドAを摺動部ロッドBに同心
状に設けたものである。シールドジャッキロッド5aを
このように構成すると、シールドジャッキ5を設置する
際、摺動部ロッドBに対して内方へ引っ込んでいる非摺
動部ロッドAの平面部A1をテールプレート4に対向さ
せるように設置することにより、非摺動部ロッドAの平
面部A1の個所で溶着機10の走行スペースsを従来よ
りも拡大することができる。このシールドジャッキロッ
ド5aの側面形状は、図6の例と基本的に変わらないの
で、図6の例と同様の効果を奏することができる。
【0038】こうした効果を奏することに加え、この図
7の例では、非摺動部ロッドAが特に平面部A1を有し
ているので、シールドジャッキ5を設置する際、平面部
A1を目印にして、非摺動部ロッドAをテールプレート
4に正しく対向させるように設置することができて、シ
ールドジャッキロッド5aの周方向の位置決めを容易に
行うことができる。また、シールドジャッキロッド5a
は、1本の丸鋼を加工することにより製作することがで
き、その際、非摺動部ロッドAの部位を切り欠いて平面
部A1を形成しさえすればよいので、他の例に比べて製
作も簡単に行える。さらに、走行スペースsの拡大量が
一定の場合、他の例に比べて非摺動部ロッドAの横断面
の面積減少も少なくすることが可能となり、断面二次モ
ーメントの減少も少ないため、強度低下も少なくするこ
とができる。
【0039】平面部A1を有する図7のシールドジャッ
キロッド5aに自走式接合機の走行ガイド11を取り付
ける方法を図10に例示する。図中、11aは、シール
ドジャッキロッド5aの非摺動部ロッドAの下半部周面
に合致する形状の円弧状の走行ガイド取付金具であり、
11bは、走行ガイド11の裏面に予め取り付けられ走
行ガイド取付金具11aを固定するための固定金具であ
る。走行ガイド取付金具11aの上端部及び固定金具1
1bの下端部には、それぞれフランジが設けられ、両フ
ランジを螺子11cで螺着できるようにしている。した
がって、走行ガイド11を非摺動部ロッドAの平面部A
1に載置するようにして位置決めするとともに、非摺動
部ロッドAの下半部周面を抱えるようにして走行ガイド
取付金具11aを装着した後、走行ガイド取付金具11
a及び固定金具11bのフランジを合わせて両フランジ
を螺子11cで螺着すれば、走行ガイド11をシールド
ジャッキロッド5aに正しく取り付けることができる。
【0040】この図7の例では、自走式接合機の走行ガ
イド11をシールドジャッキロッド5aに取り付ける
際、走行ガイド11を非摺動部ロッドAの平面部A1で
位置決めすることができる。また、防水シートセッタ6
をシールドジャッキロッド5aに取り付けるときにも、
取付金具11a等の走行ガイド11の取付手段と同様の
手段を用いて、防水シートセッタ6を平面部A1で位置
決めしながら同様の方法で取り付けるように設計するこ
とができる。したがって、防水シートセッタ6や走行ガ
イド11をシールドジャッキロッド5aに取り付ける
際、防水シートセッタ6及び走行ガイド11を、非摺動
部ロッドAの平面部A1により容易に位置決めすること
ができるとともに正しく取り付けることができる。ま
た、防水シートセッタ6及び走行ガイド11をシールド
ジャッキロッド5aに取り付けた際、これらが非摺動部
ロッドAの平面部A1で回り止めされて回動する恐れも
ない。なお、図示はしていないが、こうした平面部A1
は、前述の図5及び図6の例や後述する図8の例でも、
非摺動部ロッドAに形成することができ、その場合で
も、こうした効果を奏することができる。
【0041】この出願の各発明に係る第4具体化例のシ
ールドジャッキ5を図8に基づいて説明する。
【0042】このシールドジャッキ5は、シールドジャ
ッキロッド5aの非摺動部ロッドAを摺動部ロッドBの
円形横断面と同径の円形横断面に形成するとともに、こ
の同径の非摺動部ロッドAを摺動部ロッドBの円形横断
面から下方にはみ出すように偏心させて配置したもので
ある。シールドジャッキロッド5aをこのように構成す
ると、シールドジャッキ5を設置する際、摺動部ロッド
Bに対して最も内方へ引っ込んでいる非摺動部ロッドA
の部分をテールプレート4に対向させるように設置する
ことにより、同部分とテールプレート4との間に、拡大
された溶着機10の走行スペースsを確保することがで
きて、図5の例と同様の走行スペースsの拡大に伴う種
々の効果を奏することができる。特に、この図8の例で
は、非摺動部ロッドAを摺動部ロッドBの円形横断面か
ら外方にはみ出すように配置するので、摺動部ロッドB
の径が同じであるとすると、溶着機10の走行スペース
sを図6の例よりも更に拡大することが可能になる。
【0043】このシールドジャッキ5を側面からみる
と、シールドジャッキロッド5aは、図8(a)に示す
ように、非摺動部ロッドA側面の一対の長手方向輪郭線
1 ,x2 の一方x1 が隣接する摺動部ロッドB側面の
長手方向輪郭線y1 に対して内方へ引っ込められ、他方
2 が隣接する摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線y
2 の外方にはみ出すように構成されている。シールドジ
ャッキロッド5aをこのような側面形状に形成すれば、
内方へ引っ込んでいる長手方向輪郭線x1 の部分をテー
ルプレート4に対向させるようにシールドジャッキ5を
設置することにより、同部分とテールプレート4との間
に拡大された溶着機10の走行スペースsを確保するこ
とができて、図5の例と同様の走行スペースsの拡大に
伴う種々の効果を奏することができる。そして、非摺動
部ロッドA側面の長手方向輪郭線x 1 ,x2 間の幅及び
摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線y1 ,y2 間の幅
が同じであるとすると、非摺動部ロッドAを摺動部ロッ
ドBと同径の円形横断面に形成しているか否かにかかわ
りなく、溶着機10の走行スペースsを他の例よりも大
きく拡大することが可能になる。
【0044】この出願の各発明に係る第5具体化例のシ
ールドジャッキ5を図9に基づいて説明する。
【0045】このシールドジャッキ5は、非摺動部ロッ
ドAを、四隅が横断面円形の摺動部ロッドBの円周部位
に位置する正方形形状の横断面に形成して、四周に平面
部を有する直方体をなすように形成している。シールド
ジャッキロッド5aをこのように構成すると、シールド
ジャッキ5を設置する際、直方体の非摺動部ロッドAの
四周の平面部の何れかをテールプレート4に対向させる
ように設置することにより、その平面部の個所で溶着機
10の走行スペースsを従来よりも拡大することができ
る。このシールドジャッキロッド5aの側面形状は、図
9(a)に示すように、図5の例と基本的に変わらない
ので、図5の例と同様の走行スペースsの拡大に伴う種
々の効果を奏することができるとともに、シールドジャ
ッキロッド5aを1本の丸鋼の加工により製作すること
ができて、製作上の便もよい。
【0046】こうした効果を奏することに加え、図9の
例では、非摺動部ロッドAが四周に平面部を有するの
で、シールドジャッキ5を設置する際、その四周の平面
部のうちの何れか所望の平面部をテールプレート4に対
向させて溶着機10の走行スペースsを拡大することが
でき、シールドジャッキ5の設置の便がよい。また、図
7の例と同様、非摺動部ロッドAが平面部を有するの
で、シールドジャッキ5を設置する際、平面部を目印に
して、非摺動部ロッドAをテールプレート4に正しく対
向させるように設置することができてシールドジャッキ
ロッド5aの周方向の位置決めを容易に行うことができ
る。
【0047】さらに、図7の例と同様、防水シートセッ
タ6や走行ガイド11をシールドジャッキロッド5aに
取り付ける際、防水シートセッタ6及び走行ガイド11
を、非摺動部ロッドAの平面部により容易に位置決めす
ることができるとともに正しく取り付けることができ
る。また、こうして防水シートセッタ6及び走行ガイド
11をシールドジャッキロッド5aに取り付けた際、こ
れらが非摺動部ロッドAの平面部で回り止めされて回動
する恐れもない。ここでは、非摺動部ロッドAを正方形
形状の横断面に形成した例を示したが、長方形形状の横
断面に形成しても以上述べた効果と同様の効果を奏する
ことができ、要は、非摺動部ロッドAを、矩形形状の横
断面に形成して四隅が摺動部ロッドBの円周部位に位置
するようにしていればよい。
【0048】通常のシールドジャッキでは、シールドジ
ャッキロッド5aがシリンダチューブ5bに対して自由
に回動するため、非摺動部ロッドAの所定の部分をテー
ルプレート4に対向させるようにしてシールドジャッキ
5を設置した後は、適宜の手段でシールドジャッキロッ
ド5aの回動を防止する。その手段の一つとして、シー
ルドジャッキロッド5aに取り付けられているスプレッ
ダ12を回動できないようにするためのスプレッダ12
の回動防止手段を設けて、スプレッダ12の回動を阻止
することにより、シールドジャッキロッド5aの回動を
防ぐ方法を挙げることができる。
【0049】以上述べた例は、非摺動部ロッドA側面の
一対の長手方向輪郭線x1 ,x2 の少なくとも一方が隣
接する摺動部ロッドB側面の長手方向輪郭線y1 ,y2
に対し非摺動部ロッドAの長手方向全域にわたって内方
へ位置するようにシールドジャッキロッド5aを構成し
た例であるが、一対の長手方向輪郭線x1 ,x2 の少な
くとも一方がこのように内方へ位置するようにシールド
ジャッキロッド5aを構成する場合、溶着機10の通過
可能な幅以上の区間にわたって内方に位置する領域を設
けるようにすれば、必ずしも非摺動部ロッドAの長手方
向全域にわたって内方へ位置するように構成しなくて
も、この出願の各発明に関する前述の技術課題は達成で
きる。そして、こうした構造のシールドジャッキ5をシ
ールド掘進機に設置するときには、前記領域を設けたシ
ールドジャッキロッド5aの個所をテールプレート4に
対向させるように設置すればよい。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、シール
ドジャッキに関するこの出願の第1番目の発明は、「課
題を解決するための手段」に示した1)の事項により特
定されているので、本発明によれば、防水シートのラッ
プ部を自走式接合機で接合するシールド掘進機に用いら
れるシールドジャッキにおいて、スプレッダの偏心量を
大きくしなくても自走式接合機の十分な走行スペースを
確保することができるシールドジャッキが得られる。そ
のため、小径のシールド掘進機に用いられるシールドジ
ャッキや厚さの小さいセグメントで反力をとらなければ
ならないシールドジャッキであっても、防水シートのラ
ップ部の接合を自走式接合機により支障なく行うことが
できる。また、シールド掘進機に関するこの出願の第2
番目の発明は、「課題を解決するための手段」に示した
2)の事項により特定されているので、本発明によれ
ば、防水シートのラップ部を自走式接合機で接合するシ
ールド掘進機において、スプレッダの偏心量を大きくし
なくても自走式接合機の十分な走行スペースを確保する
ことができるシールド掘進機が得られる。また、前記第
1番目の発明と同様、シールド掘進機に設置されるシー
ルドジャッキの制約を受けることなく防水シートのラッ
プ部の接合を自走式接合機により支障なく行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図5に係るシールドジャッキを設置してこの出
願の第2番目の発明を具体化したシールド掘進機の例を
示す縦断面図である。
【図2】図1のI −I 線断面の一部を示す断面図であ
る。
【図3】図1のシールド掘進機の要部の拡大縦断面図
で、防水シートのラップ部を溶着機で接合しているとき
の状態を示す図である。
【図4】この出願の各発明に係るシールドジャッキに用
いられるシールドジャッキロッドの基本的形態を示す模
式図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図5】この出願の各発明に係る第1具体化例のシール
ドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に
示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図6】この出願の各発明に係る第2具体化例のシール
ドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に
示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図7】この出願の各発明に係る第3具体化例のシール
ドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に
示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図8】この出願の各発明に係る第4具体化例のシール
ドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に
示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図9】この出願の各発明に係る第5具体化例のシール
ドジャッキにおけるシールドジャッキロッドを模式的に
示す図で、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図10】図7のシールドジャッキロッドに自走式接合
機の走行ガイドを取り付けた状態を示す横断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シールド本体 2 巻立てアーム 2a 防水シートロール受け 3 旋回リング 4 テールプレート 5 シールドジャッキ 5a シールドジャッキロッド 5b シリンダチューブ 6 防水シートセッタ 7 防水シートアジャスタ 8 新設の防水シート 9 既設の防水シート 10 溶着機 11 自走式接合機の走行ガイド 12 スプレッダ 13 セグメント A 非摺動部ロッド B 摺動部ロッド S 溶着機の走行スペース x1 ,x2 非摺動部ロッド側面の長手方向輪郭線 y1 ,y2 摺動部ロッド側面の長手方向輪郭線
フロントページの続き (72)発明者 芳賀 由紀夫 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344−1 大 成建設株式会社内 (72)発明者 原 修一 栃木県那須郡西那須野町四区町1534番 五 洋建設株式会社技術研究所内 (72)発明者 松藤 広行 東京都文京区後楽二丁目2番8号 五洋建 設株式会社内 (72)発明者 平沢 幸久 東京都文京区後楽二丁目5番1号 日立建 機株式会社内 (72)発明者 森田 道明 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D054 AC01 AD33 2D055 BA01 HA06 HA08 LA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 新設の防水シートを筒状の既設の防水シ
    ートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように巻
    いて形成された防水シートのラップ部を自走式接合機で
    挟み込んでシールドジャッキロッドとテールプレートの
    間を通過させるように自走式接合機を自走させながら防
    水シートのラップ部を接合するシールド掘進機に用いら
    れるシールドジャッキにおいて、シールドジャッキロッ
    ドに、シリンダチューブから常時突出している非摺動部
    ロッドとシリンダチューブ内を摺動する摺動部ロッドと
    を設けて、非摺動部ロッド側面の一対の長手方向輪郭線
    の少なくとも一方が隣接する摺動部ロッド側面の長手方
    向輪郭線に対して自走式接合機の通過可能な幅以上の区
    間にわたって内方に位置する領域を設けるようにシール
    ドジャッキロッドを構成したことを特徴とするシールド
    ジャッキ。
  2. 【請求項2】 新設の防水シートを筒状の既設の防水シ
    ートに対して隣接する縁部同士をラップさせるように巻
    いて形成された防水シートのラップ部を自走式接合機で
    挟み込んでシールドジャッキロッドとテールプレートの
    間を通過させるように自走式接合機を自走させながら防
    水シートのラップ部を接合するシールド掘進機におい
    て、シールドジャッキロッドに、シリンダチューブから
    常時突出している非摺動部ロッドとシリンダチューブ内
    を摺動する摺動部ロッドとを設けて、非摺動部ロッド側
    面の一対の長手方向輪郭線の少なくとも一方が隣接する
    摺動部ロッド側面の長手方向輪郭線に対して自走式接合
    機の通過可能な幅以上の区間にわたって内方に位置する
    領域を設けるようにシールドジャッキロッドを構成し、
    同領域を設けたシールドジャッキロッドの個所をテール
    プレートに対向させるようにシールドジャッキを設置し
    たことを特徴とするシールド掘進機。
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