JP3892972B2 - ロールスクリーンの巻き取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁や窓等に掛けるブラインドや屏風、あるいは映写用の幕等として用いられるロールスクリーンの巻き取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のロールスクリーンは、該ロールスクリーンを巻き取る巻き取りローラと、巻き取ったロールスクリーンを収容する収納ケースと、ロールスクリーンを自動的に巻き取るため、巻き戻した際に捻られるスプリングとを備えて構成されている。また、スプリングの反発力によりロールスクリーンを巻き取った際の巻き取りスピードを減速するため、巻き取りローラ内にショックアブソーバを固定配設すると共に、該ショックアブソーバのピストンロッドを押圧するため、巻き取りローラの回転に伴って該巻き取りローラ内をスライドするナット部材により、該ピストンロッドを押圧可能な構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した構造では、ショックアブソーバを筒状の巻き取りローラ内に固定しなけれならず、その作業が非常に面倒である。また、ショックアブソーバの衝撃吸収力の発揮位置の調整に当たっては、ピストンロッドとナット部材との初期設定距離の調整によって行っているが、ピストンロッドとナット部材が分離しているため、この距離の調整を正確に行うことが困難であった。
【0004】
また、ロールスクリーンを使用する者は、見た目の印象度から、本来的に、巻き取りスピードが速めであることを望む。しかしながら、上記した従来のショックアブソーバを使用したものは、ナット部材がピストンロッドに当接した後の減速度合いは一定である。このため、ショックアブソーバの衝撃吸収力が強い場合には、ナット部材がピストンロッドに当接したときから急減速し、その時点からゆっくりとロールスクリーンが巻き取られることになる。一方、ショックアブソーバの衝撃吸収力が弱い場合には、巻き取りスピードがあまり減速せずに、ロールスクリーンの巻き取り最終点において衝撃を発生する。従って、ショックアブソーバのピストンロッドが圧縮し始めたなら、初期においてはあまり衝撃吸収力を発揮しないものの、後半部分、特に、ロールスクリーンの巻き取り最終点付近において衝撃吸収力が大きくなるような衝撃吸収特性を発揮できることが望まれている。
【0005】
本発明は上記した点に鑑みなされたものであり、ショックアブソーバを用いた巻き取り装置であって、該ショックアブソーバの巻き取りローラ内への取り付けが容易であると共に、ショックアブソーバの衝撃吸収力の発揮位置の調整も容易なロールスクリーンの巻き取り装置を提供することを課題とする。また、本発明は、ロールスクリーンの巻き取り速度の減速度合いを初期においては小さく、少なくともロールスクリーンの巻き取り最終点付近においては大きくすることができるロールスクリーンの巻き取り装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のロールスクリーンの巻き取り装置は、巻き戻した際のスプリングの反発力により、ロールスクリーンが外周面に巻き取られる巻き取りローラを備えたロールスクリーンの巻き取り装置において、軸方向に沿って突設された雄ねじ部を備え、巻き取りローラを回転自由に支持すると共に、巻き取りローラの取り付けフレームに固定される固定部と、軸方向の一端壁に前記雄ねじ部が螺合する雌ねじ部が貫通形成されていると共に、外周面に巻き取りローラの内周面に形成した回り止め用の係合部に係合する被係合部を備え、巻き取りローラの回転に伴って回転することにより、軸方向に沿ってスライドし、前記固定部の雄ねじ部が一端壁から中空部内に出没可能に設けられた筒状ホルダと、前記固定部の雄ねじ部に本体ケースが接し、前記筒状ホルダの蓋部材にピストンロッドが接した形、又は前記雄ねじ部にピストンロッドが接し、前記蓋部材に本体ケースが接した形で、前記筒状ホルダの中空部内に軸方向に沿って装填されるショックアブソーバと、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載のロールスクリーンの巻き取り装置は、請求項1記載のロールスクリーンの巻き取り装置であって、前記ショックアブソーバの衝撃吸収力が、少なくともロールスクリーンの巻き取り最終点付近において、それ以前の衝撃吸収力よりも強くなるように設定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載のロールスクリーンの巻き取り装置は、請求項2記載のロールスクリーンの巻き取り装置であって、前記ショックアブソーバとして、衝撃吸収力が異なるように設定された2以上のショックアブソーバを使用し、該2以上のショックアブソーバを前記筒状ホルダの中空部内に直列に配置したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図1は、本発明の一の実施の形態にかかるロールスクリーンの巻き取り装置1を示す概略断面図である。すなわち、この巻き取り装置1は、まず、外周にロールスクリーン(図示せず)が巻回される巻き取りローラ2を有して構成される。この巻き取りローラ2は、図示しない収納ケース内に保持され、巻き取ったロールスクリーンが外部に見えないような構成とすることもできる。なお、本実施の形態では、巻き取りローラ2を中空の管状部材から構成している。
【0010】
巻き取り装置1は、また、いずれも巻き取りローラ2の中空部内に装填される固定部3、筒状ホルダ4、及びショックアブソーバ5を有して構成される。固定部3は、壁等に固定される取り付けフレーム(図示せず)に固定される部材でありる。具体的には、巻き取りローラ2の端部に嵌合可能な大きさで形成された筒部31と、該筒部31を巻き取りローラ2に嵌合した際、外方に突出する取り付け軸32と、軸方向に沿って内方に突出する雄ねじ部33とを有し、取り付け軸32を取り付けフレームに固定することで、巻き取りローラ2が筒部31回りを回転する支持部材として機能する。
【0011】
筒状ホルダ4は、外径が巻き取りローラ2の内径とほぼ同程度となるように形成されており、一端壁41には、該一端壁41を厚み方向に貫通する雌ねじ部42が形成されている。他端開口部43には、後述のショックアブソーバ5を中空部44内に装填した後に装着される蓋部材45が取り付けられる。また、筒状ホルダ4の外周面には、巻き取りローラ2の内周面に軸方向に沿って形成した係合部である突条部21に係合する、被係合部である溝46が軸方向に沿って形成されている(図1(a)参照)。
【0012】
ショックアブソーバ5は、筒状ホルダ4の中空部44内に軸方向に沿って装填される。装填方向としては軸方向に沿っていればよく、図1(b)に示したように、ピストンロッド51の先端面が蓋部材45の内面に当接するように配設されていてもよいし、逆に、本体ケース52の底面が蓋部材45の内面に当接するように配設されていてもよい。但し、固定部3の雄ねじ部33の先端面が筒状ホルダ4の一端壁41から中空部44内に突出することにより、ショックアブソーバ5のピストンロッド51を本体ケース52に対して相対的に圧縮する方向に移動させるものであるため、図1(b)に示したように、該雄ねじ部33が本体ケース52の底面に当接する向きで配設した方が、位置合わせが容易である。
【0013】
本実施の形態にかかる巻き取り装置1は、次のようにして組み立てられる。すなわち、まず、筒状ホルダ4の雌ねじ部42に固定部3の雄ねじ部33を螺合すると共に、ショックアブソーバ5を筒状ホルダ4の他端開口部43から中空部44内に装填し、蓋部材45を他端開口部43に装着して閉塞する。この状態で、巻き取りローラ2の端部から、筒状ホルダ4側が内方となるような向きで挿入し、固定部3の取り付け軸32を取り付けフレームに固定する。従って、従来のようにショックアブソーバと、ショックアブソーバのピストンロッドを押圧する部材(ナット部材)を別々に巻き取りローラ2内に配設したりする必要がなく、巻き取りローラ2内への取り付け作業が容易である。また、ショックアブソーバ5の衝撃吸収力の発揮位置の調整は、筒状ホルダ4の雌ねじ部42に対する雄ねじ部33のねじ込み量を調整するだけで済み、ショックアブソーバとそのピストンロッド押圧部材であるナット部材とが分離している従来の手段と比較して、容易である。
【0014】
本実施の形態の巻き取り装置1によれば、巻き取りローラ2に巻き取られているロールスクリーンを引き出すと、巻き取りローラ2に付設されている図示しないコイルスプリング等のスプリングが捻られる。使用する場合は、ロールスクリーンを任意の部位に係合させて映写したりするが、収容する場合には、この係合を解除させる。その結果、ロールスクリーンは、スプリングの反発力により巻き取りローラ2に巻き取られていく。
【0015】
この際、本実施の形態によれば、巻き取りローラ2と係合している筒状ホルダ4が一緒に回転する。この結果、筒状ホルダ4に形成されて雌ねじ部42に固定部3の雄ねじ部33がねじ込まれながら、固定部3の筒部31に接近する方向に移動していく。このため、雄ねじ部33は、筒状ホルダ4の中空部44内に突出していき、ショックアブソーバ5の本体ケース52の底面を押圧していく。ショックアブソーバ5のピストンロッド51の先端面は、筒状ホルダ4の蓋部材45の内面に当接しているため、本体ケース52の底面が雄ねじ部33によって押圧されると、ピストンロッド51が本体ケース52内に押し込まれていくことになる。これにより、巻き取りローラ2が抵抗を受けながら回転するため、該巻き取りローラ2の回転速度は遅くなり、ロールスクリーンの巻き取り最終点において大きな衝撃を生ずることを防止できる。
【0016】
ここで、本実施の形態で使用するショックアブソーバ5としては、ロールスクリーンの巻き取り速度をできるだけ早くする一方で、巻き取り最終点において確実に衝撃を吸収できるよう、衝撃吸収力が、少なくともロールスクリーンの巻き取り最終点付近において、それ以前の衝撃吸収力よりも強くなるように設定されているものを用いることが好ましい。例えば、筒状ホルダ4の雌ねじ部42が雄ねじ部33に螺合しつつ巻き取りローラ2内を移動していくと、ショックアブソーバ5の本体ケース52の底面が雄ねじ部33の先端面により押圧され、これによってピストンロッド51が本体ケース52内に押し込まれていくことになるが、この際、ピストンロッドが押し込まれていく初期においては、衝撃吸収力が余り強く働かず、後半部において衝撃吸収力が強く働くように設定されたものを用いることができる。
【0017】
このような機能を果たすショックアブソーバ5としては、例えば、本体ケース52内に、軸方向に沿って溝状オリフィス(図示せず)を形成し、このオリフィスの溝幅が中途まで広くて中途から狭くなるもの、あるいはこの溝幅が徐々に狭くなるもの、あるいは本体ケース52が二重チューブからなり、そのうちのインナーチューブ(図示せず)に軸方向に沿ったオリフィスが形成され、このオリフィスの径が段階的に又は徐々に小さくなるもの等が挙げられる。
【0018】
また、特開平9−303465号公報に示されているようなものを用いることもできる。具体的には、図2に示したように、本体ケース52として、内径の大きな部分52aと内径の小さな部分52bを有するものを用い、ピストンロッド51の先端に下端開口で、周壁にオリフィス53aを有し、かつ外径が本体ケース52の内径の小さな部分52bの内径とほぼ同程度で形成されたピストン53を有するものを用いることができる。このショックアブソーバ5によれば、ピストン53が、本体ケース52内において内径の大きな部分52aを通過している間は、該本体ケース52内に充填された粘性液体がオリフィス53aを通じてピストン53外へ流出するため、余り大きな衝撃吸収力は発揮されない。しかしながら、ピストン53の位置が内径の小さな部分52bへと移ってきた場合には、オリフィス53aが順に閉塞されていき、徐々に衝撃吸収力が大きくなっていく。
【0019】
さらに、筒状ホルダ4内に衝撃吸収力の異なる複数のショックアブソーバ5を直列に装填した構造とすることもできる。図3に示した例では、2つのショックアブソーバ5,5を装填し、そのうちの一方の衝撃吸収力を弱く設定し、他方の衝撃吸収力を強く設定している。この結果、筒状ホルダ4が巻き取りローラ2内を移動することにより、雄ねじ部33が一方のショックアブソーバ5の本体ケース52を底面から押圧すると、まず、衝撃吸収力が弱く設定されているショックアブソーバ5のピストンロッド51が本体ケース52内に押し込まれる。次に、衝撃吸収力が強く設定されている他方のショックアブソーバ5のピストンロッド51が押し込まれる。従って、巻き取りローラ2の回転動作を遅動させるショックアブソーバ5の衝撃吸収力は、前半において弱く、後半において強くなる。
【0020】
上記のように、ロールスクリーンの少なくとも巻き取り最終点付近における衝撃吸収力が、それ以前の衝撃吸収力よりも強くなるように設定したショックアブソーバ5を用いた場合には、巻き取りローラ2に装填する前に、雄ねじ部33をねじ込み、ショックアブソーバ5の衝撃吸収力が強くなるポイントを基準として、そこからさらに数回転、例えば2回転ねじ込んで巻き取りローラ2に装填すると共に、この状態でロールスクリーンが完全に巻き取られた状態で設定する。これにより、ロールスクリーンの巻き取り時には、ロールスクリーンが完全に巻き取られる2回転前から大きな衝撃吸収力を働かせることができ、できるだけスムーズな巻き上げ動作と巻き取り最終点での衝撃緩和という機能を発揮させることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明のロールスクリーンの巻き取り装置は、筒状ホルダの雌ねじ部に固定部の雄ねじ部を螺合すると共に、ショックアブソーバを筒状ホルダ内に装填してから巻き取りローラ内に装着する構造であるため、従来のようにショックアブソーバと、ショックアブソーバのピストンロッドを押圧する部材(ナット部材)を別々に巻き取りローラ内に配設したりする必要がなく、巻き取りローラ内への取り付け作業が容易である。また、ショックアブソーバの衝撃吸収力の発揮位置の調整は、筒状ホルダの雌ねじ部に対する雄ねじ部のねじ込み量を調整するだけで済み、ショックアブソーバとそのピストンロッド押圧部材であるナット部材とが分離している従来の手段と比較して、容易である。
【0022】
また、ロールスクリーンの少なくとも巻き取り最終点付近における衝撃吸収力が、それ以前の衝撃吸収力よりも強くなるように設定したショックアブソーバを用いた場合には、できるだけスムーズな巻き上げ動作と巻き取り最終点での衝撃緩和という機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は(b)のA−A線断面図であり、(b)は、本発明の一の実施の形態にかかるロールスクリーンの巻き取り装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】図2は、ショックアブソーバの一例を示す断面図である。
【図3】図3は、2つのショックアブソーバを用いた場合のロールスクリーンの巻き取り装置の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 巻き取り装置
2 巻き取りローラ
3 固定部
33 雄ねじ部
4 筒状ホルダ
42 雌ねじ部
44 中空部
45 蓋部材
5 ショックアブソーバ
51 ピストンロッド
52 本体ケース
Claims (3)
- 巻き戻した際のスプリングの反発力により、ロールスクリーンが外周面に巻き取られる巻き取りローラを備えたロールスクリーンの巻き取り装置において、
軸方向に沿って突設された雄ねじ部を備え、巻き取りローラを回転自由に支持すると共に、巻き取りローラの取り付けフレームに固定される固定部と、
軸方向の一端壁に前記雄ねじ部が螺合する雌ねじ部が貫通形成されていると共に、外周面に巻き取りローラの内周面に形成した回り止め用の係合部に係合する被係合部を備え、巻き取りローラの回転に伴って回転することにより、軸方向に沿ってスライドし、前記固定部の雄ねじ部が一端壁から中空部内に出没可能に設けられた筒状ホルダと、
前記固定部の雄ねじ部に本体ケースが接し、前記筒状ホルダの蓋部材にピストンロッドが接した形、又は前記雄ねじ部にピストンロッドが接し、前記蓋部材に本体ケースが接した形で、前記筒状ホルダの中空部内に軸方向に沿って装填されるショックアブソーバと、を有することを特徴とするロールスクリーンの巻き取り装置。 - 請求項1記載のロールスクリーンの巻き取り装置であって、前記ショックアブソーバの衝撃吸収力が、少なくともロールスクリーンの巻き取り最終点付近において、それ以前の衝撃吸収力よりも強くなるように設定されていることを特徴とするロールスクリーンの巻き取り装置。
- 請求項2記載のロールスクリーンの巻き取り装置であって、前記ショックアブソーバとして、衝撃吸収力が異なるように設定された2以上のショックアブソーバを使用し、該2以上のショックアブソーバを前記筒状ホルダの中空部内に直列に配置したことを特徴とするロールスクリーンの巻き取り装置。
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JP16486998A JP3892972B2 (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | ロールスクリーンの巻き取り装置 |
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JP16486998A Expired - Lifetime JP3892972B2 (ja) | 1998-06-12 | 1998-06-12 | ロールスクリーンの巻き取り装置 |
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