JP3892817B2 - プログラム実行装置及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶媒体に記憶されたプログラムを実行する装置に関し、特に記憶媒体からデータの読み取りにエラーが発生した場合の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば家庭用ゲーム装置として、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD−ROMなどの記憶媒体に記憶されたゲームプログラムを読み取って実行することによりゲームを実行するものが知られている。そのような家庭用ゲーム機は、まず、ゲームの開始時に初期設定処理として、ゲームの実行に必要な基本的なゲームプログラムを記憶媒体から読み取り、ゲーム機内のメモリに記憶する。そして、記憶したゲームプログラムを実行してゲームを進行する。また、ゲームの進行に伴ってさらにデータなどが必要になると、ゲーム機は記憶媒体から必要なデータを読み取って利用することによりゲームを進行する。
【0003】
記憶媒体からデータを読み取っている間は、基本的にゲームの進行が一時的に停止された状態となるので、その間ユーザに対して所定の画像を表示したり、所定の音楽を出力したりする演出を行うものもある。例えば、記憶媒体からのデータ読取中には「Now loading...」などの文字を表示したり、それに加えて所定の音楽を再生するものがある。上述のような演出を行うためには、そのための素材データを予めゲーム機のメモリに記憶しておくことが必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ゲーム機が記憶媒体からデータを読み取る際に、読取エラーが発生する場合がある。ゲーム機側の処理としては、読取エラーが発生した場合には、基本的に正しく読み取りが成功するまで読取処理を繰り返し実行するのが一般的であり、その間は上述のように予め用意された素材データを再生することができる。
【0005】
しかし、そのような素材データは本来のゲーム進行とは直接関係の無いデータであり、そのようなデータを読取エラー時などのイレギュラーな状態のために常にメモリに記憶しておくことは、メモリの使用効率を低下させるという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、装置のメモリ上に予め素材データを記憶させておく必要なく、読取エラー発生時に所定の演出を行うことが可能なプログラム実行装置、およびそのための処理制御プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、メモリと、記憶媒体からゲームプログラムを読み取り、前記メモリに書き込む読取書込手段と、前記メモリに書き込まれた前記ゲームプログラムを実行するプログラム実行手段と、を備えるプログラム実行装置は、前記読取書込手段による前記記憶媒体からのゲーム用データの読取にエラーが発生したときに、画像データ及び音声データの少なくとも一方を含む読取エラー時用出力データを出力するエラー処理手段、を備え、前記エラー処理手段は、前記読取エラーの発生時に前記メモリ内に記憶されている前記ゲームプログラムを構成する制御コードを、前記読取エラー時用出力データとして出力する。
【0008】
上記のプログラム実行装置は、例えば光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたゲームプログラムを読み取り、内部のメモリに書き込んだ後、それを実行して所定の処理を行う。また、必要に応じて、記憶媒体からさらにゲーム用データを読み取り、使用して処理を実行する。ここで、記憶媒体からさらにゲーム用データを読み取る際に読取エラーが発生した場合には、プログラム実行装置は読取エラー時用出力データを生成及び処理して出力する。読取エラー時用出力データは、例えばノイズ画面の画像データやノイズ音の音声データなどとすることができる。具体的には、読取エラーの発生時に前記メモリ内に記憶されているゲームプログラムを構成する制御コードデータが、読取エラー時用出力データとして出力される。それら読取エラー時用出力データは、読取エラーが発生したときに生成されるので、そのような読取エラー時用の画像データや音声データを予め用意してプログラム実行装置のメモリに保存しておく必要が無くなり、プログラム実行装置のメモリの有効活用が可能となる。
【0011】
上記のプログラム実行装置の他の一態様では、前記読取書込手段は、前記プログラム実行手段によるゲームプログラムの実行に先立って、前記記憶媒体から読取エラー対応処理プログラムを読み取って前記メモリに書き込み、前記エラー処理手段は、前記プログラム実行手段に前記読取エラー対応処理プログラムを実行させることにより前記読取エラー時用出力データを生成する。この態様によれば、プログラムの実行開始時に読取エラー対応処理プログラムをメモリ内に記憶しておき、その後のプログラム実行中に読取エラーが発生した際には、メモリ内に記憶されていた読取エラー対応処理プログラムにより読取エラー時用出力データを生成することができる。読取エラー対応処理プログラムは、比較的単純な演算処理などにより構成することができ、読取エラー時用の画像データや音声データを予めメモリ内に記憶しておく場合と比較して少ないデータ量であるので、メモリを無駄に消費することが防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態では、光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたゲームプログラムを実行するゲーム装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0015】
[ゲーム装置の構成]
図1は本発明が適用されたゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。ゲーム装置は、記憶媒体の一例としてのDVD−ROM15に記憶されたゲームプログラムに従ってゲームを実行するものである。
【0016】
このゲーム装置16は、モニタ9、スピーカ10、コントローラ12、補助記憶装置13、DVD−ROM15に接続される。モニタ9には家庭用のテレビ受像機が、スピーカ10にはそのテレビ受像機の内蔵スピーカが一般に使用される。コントローラ12は入力装置として機能するものであり、そこにはプレイヤーによる操作を受け付ける操作部材が設けられる。
【0017】
補助記憶装置13は、ゲーム進行状況などに関連するデータを記憶するための記憶媒体であり、例えば半導体メモリなどを使用することができる。DVD−ROM15にはゲームの実行に必要なプログラムやデータが記憶されているが、それらの詳細については後述する。なお、DVD−ROM15の代わりに、CD−ROMや半導体メモリなどの各種記憶媒体を用いてもよい。
【0018】
ゲーム装置16は、マイクロプロセッサを主体として構成されたCPU1と、そのCPU1に対する主記憶装置としてのROM2及びRAM3と、画像処理及び音声処理用のグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)4及びサウンドプロセッシングユニット(SPU)6と、それらのユニットに対するバッファ5、7と、DVD−ROM読取装置8とを有している。ROM2には、ゲーム装置の複数体の動作制御に必要なプログラムとしてのオペレーティングシステムが書き込まれる。RAM3にゲームプログラムなどを記憶するメモリとして機能し、記憶媒体としてのDVD−ROM15から読み取ったゲーム用のプログラムやデータが必要に応じて書き込まれる。
【0019】
GPU4はCPU1から画像データを受け取ってフレームバッファ5上にゲーム画面を描画するとともに、その描画された画像のデータを所定のビデオ再生信号に変換して所定のタイミングでモニタ9に出力する。SPU6は、DVD−ROM15から読み出されてサウンドバッファ7に記憶された音声、楽音等のデータや音源データ等を再生してスピーカ10から出力させる。
【0020】
DVD−ROM読取装置8は、CPU1からの指示に従ってDVD−ROM15上に記憶されたプログラムやデータを読み取り、その読み取った内容に対応した信号を出力する。
【0021】
CPU1にはバス14を介して通信制御デバイス11が接続され、そのデバイス11にはコントローラ12及び補助記憶装置13がそれぞれ着脱自在に接続される。通信制御デバイス11は一定周期(例えば1/60秒)でコントローラ12の操作部材の操作状態を走査し、その走査結果に対応した信号をCPU1に出力する。CPU1はその信号に基づいてコントローラ12の操作状態を判別する。また、通信制御デバイス11は、ネットワーク20を介してサーバ23と必要な通信を行うために機能する。
【0022】
コントローラ12には種々の構成のものが使用できる。図2に、コントローラ12の一例である汎用コントローラ12Aの構成を示す。
【0023】
図2の汎用コントローラ12Aはゲームの種類に拘わりなく一般的に使用されるものであり、樹脂製の本体MBの左右にはそれぞれ4つずつ押釦スイッチPB1〜PB4,PB5〜PB8が十字型に設けられ、本体MBの前面側にはそれぞれ2つずつ押釦スイッチPB9〜PB12が設けられている。本体MBの中央には小型の押釦スイッチPB13,PB14が設けられている。左側の押釦スイッチPB1〜PB4は一般にキャラクタやカーソル等の移動方向を指定する手段として使用され、これらを合わせて方向指示スイッチと呼ぶこともある。右側の4つの押釦スイッチPB5〜PB8にはゲームの種々のコマンド等が割り当てられる。押釦スイッチPB5〜PB8には、これらの象徴として例えば「△」、「×」、「□」又は「○」の記号が表示される。前面側の押釦スイッチPB9,PB11には数字「1」が、押釦スイッチPB10,12には数字「2」がそれぞれ表示され、押釦スイッチPB9は「L1ボタン」,PB10は「L2ボタン」、押釦スイッチPB11は「R1ボタン」、押釦スイッチPB12は「R2ボタン」と呼ばれる。さらに、押釦スイッチPB13はセレクトボタン、押釦スイッチPB14はスタートボタンと呼ばれる。
【0024】
[読取エラー対応処理]
次に、本発明のゲーム装置による読取エラー対応処理について説明する。図3に、本発明のゲーム装置16のうち、特に読取エラー対応処理に関連する部分の構成を示す。前述のように、ゲーム装置16はメモリ(RAM3)を備え、そのメモリにゲームプログラムなどを記憶して実行する。DVD−ROM15には、図示のように、ゲームのゲームプログラム20と、読取エラー対応処理プログラム22と、ゲーム用データ23とが記憶されている。ゲームプログラム20は所定のゲームを実行するためのプログラムであり、ゲーム用データ23はゲームの進行に必要な制御データ、画像データ、音声データなどの各種データを含む。ゲーム装置16が、必要なゲーム用データを利用し、ゲームプログラム20を実行することにより、ゲームが進行する。一方、読取エラー対応処理プログラム22は本発明の特徴部分である読取エラー対応処理を実行するためのプログラムである。
【0025】
ゲームの開始時には、ユーザがDVD−ROM15をゲーム装置16に装着し、ゲーム装置16はCPU1の制御下でDVD−ROM15に記憶されているゲームプログラム20、読取エラー対応処理プログラム22及び必要なゲーム用データ23を読み取ってメモリに記憶する。なお、ゲーム用データ23はゲームの進行状況などに応じた多量のデータを含んでおり、ゲームの開始時にはそのうちゲームの開始時に必要なデータのみが読み出されてメモリに記憶される。その後は、ゲームの進行状況に従い、必要なデータが逐次DVD−ROM15から読み出されてメモリに記憶される。
【0026】
ゲームの開始後は、CPU1が、メモリに記憶された状態のゲームプログラム20を実行し、同じくメモリに記憶されているゲーム用データ23を処理することによりゲームを進行する。ゲームの進行中には、ゲームプログラム20に従ってCPU1がGPU4を制御してゲーム画像をモニタ9上に表示し、SPU6を制御してゲーム音楽やキャラクタの会話などの音声データをスピーカ10から出力する。
【0027】
前述のように、ゲームの進行に応じて、ゲーム装置16は新たなゲーム用データ23(即ち、その後のゲーム進行上必要となるが、その時点では未だメモリ上に記憶されていないゲーム用データ)をDVD−ROM15から読み取り、メモリに記憶する処理を行う。通常、必要に応じてDVD−ROM15から読み取るゲーム用データ23のデータ量はそれほど多く設定されてはいないので、ゲームの進行中に必要なゲーム用データ23をDVD−ROM15から読み取ってメモリに記憶する処理に要する時間は比較的短い。よって、ゲーム用データの読取中には、その時点で出力されているゲーム画像や音声をそのまま出力しつづけるのが一般的である。
【0028】
一方、DVD−ROM15からのゲーム用データ23の読み取りが何らかの原因で失敗となることがあり(これを「読取エラー」と呼ぶ。)、読取エラーが発生した場合には、ゲーム装置16は正しくゲーム用データの読取が完了するまで再度の読取(リトライ)を行う。しかし、何度も読取のリトライを行うと、その間はその時点におけるゲーム画像及び音声がそのまま出力され続けることになり、ユーザは違和感を憶えることになる。そこで、本発明では、読取エラー発生時には、読取エラー対応処理を実行し、読取エラー時用の画像データ及び音声データを生成して出力する。これにより、ユーザは違和感を憶えることがなくなる。
【0029】
本発明の読取エラー対応処理は、メモリに記憶されている読取エラー対応処理プログラム22をCPU1が実行することにより行われる。ここで、本発明の読取エラー対応処理の特徴的な点は、読取エラーが発生したときに、読取エラー対応処理プログラム22が読取エラー時用の画像データ及び音声データを生成して出力する点にある。即ち、本発明の読取エラー対応処理では、例えば「Now Loading..」の文字を表示するなど、エラー時に出力すべき専用の素材データを予め用意し、メモリに記憶しておく必要がない。従って、そのような専用の素材データによりメモリを不必要に使用することがなく、メモリの使用効率を高めることができる。
【0030】
読取エラー時用の画像データ及び音声データの生成は、いくつかの方法により行うことができる。第1の方法では、読取エラー対応処理プログラム22が、所定の演算式や関数などを利用して読取エラー時用の画像データや音声データを生成するように構成する。具体的には、所定の演算式や関数などを使用してノイズ画像データ(例えば、信号入力がない状態のTV画面に現れるノイズ画面(俗に「砂嵐」などとも呼ばれる))を生成し、読取エラー時用の画像データとして表示することができる。また、所定の演算式や関数などを使用して所定のドットパターンを生成し、これを読取エラー時用の画像データとして表示することもできる。また、サイン波を生成する関数などを利用してサイン波を生成し、その周波数を変化させることにより効果音的な音声データを生成して読取エラー時用の音声データとして再生することができる。第1の方法の場合、演算式などにより読取エラー時用の画像データや音声データを生成するので、読取エラー時用の素材データをメモリに常に記憶しておく必要がない。
【0031】
また、読取エラー時用の画像データや音声データを生成する第2の方法は、読取エラー発生時においてメモリに記憶されているデータを使用する。基本的に読取エラーがいつ発生するかは不明であり、読取エラー発生時にメモリ3にどのようなデータが記憶されているかは不明であるが、それらを画像データとして表示したり、音声データとして出力したりすると、先のノイズ画面やノイズ音などと同様に特に意味のないデータ出力を行うことができる。例えば、画像データや音声データではなく、ゲームプログラム20を構成する制御コードその他のデータを画像データや音声データとして出力することにより、一種のノイズ画面やノイズ音を出力することが可能である。
【0032】
また、ゲーム装置によっては、ゲーム進行中に表示される文字を構成するフォントデータを常にメモリに記憶しておくものも多い。そのようなゲーム装置では、読取エラー発生時にフォントデータを利用して何らかの処理を行い、読取エラー時用の画像データや音声データを作成することができる。第2の方法の場合も、読取エラー発生時においてたまたまメモリに記憶されているデータを利用して擬似的なノイズ画像データやノイズ音声データを作成し、読取エラー時用出力データとして出力するので、読取エラー時専用の素材データをメモリに予め用意しておく必要はない。
【0033】
次に、読取エラー対応処理の一例について図4及び図5を参照して説明する。図4は読取エラー対応処理の一例を示すタイムチャートであり、DVD−ROM15などの記憶媒体の読取状態と、各状態における出力画像及び出力音声を示す。図5は読取エラー対応処理中のゲーム画面例を示す。なお、図5(a)は読取エラー中のゲーム画像例を示し、図5(b)は読取エラーからの復帰後のゲーム画像例を示す。本例におけるゲームは、複数のユーザがそれぞれキャラクタになり、グループやチームなどを構成して行動するものであり、ゲーム画像42はゲーム中に会話をするキャラクタの顔画像表示欄41及び会話内容表示欄42を含む。また、会話内容表示欄42に示される会話内容に対応する音声がスピーカから出力される。図5(a)及び図5(b)の例では、ゲーム進行中のキャラクタ44、45が会話する際に読取エラーが生じたものとする。
【0034】
図4を参照すると、まずゲーム進行中の時刻t1からt2においては、DVD−ROM15からゲーム用データの読取が正常に行われており、図5(b)に例示する顔画像41bが表示されるとともに、対応する通常の会話音声が出力されている。次に、時刻t2において読取エラーが発生すると、図5(a)に示すノイズ画像41aが顔画像表示欄41に表示され、「ピー..、ガー...」といったノイズ音が出力される。そして、時刻t3で読取エラーが解消し、ゲーム用データの読取が再開されると、顔画像表示欄41内では図5(a)に示す画像41aから図5(b)に示す画像41bへと画像データが例えばクロスフェードなどの処理により遷移し、時刻t3以降は通常の会話音声が出力される。
【0035】
ここで、時刻t2〜t3の間に読取エラー時用の画像データとして出力される画像41a及び読取画像エラー時用の音声データとして出力されるノイズ音は、いずれも前述のように所定の演算式などを使用して生成され、出力されるものであり、読取エラー時用の素材データとして予めメモリに記憶されたものではない。
【0036】
[機能ブロック]
次に、本発明に係るゲーム装置の機能ブロック構成を図6を参照して説明する。図6に示すように、本発明に係るゲーム装置16は、メモリ50と、手段51と、ゲーム進行手段52と、エラー処理手段53とを備える。
【0037】
読取書込手段51は、ゲームプログラムが記憶された記憶媒体54からゲームプログラムやゲームの進行に必要となるゲーム用データを読み取り、メモリ50に記憶する。ゲーム進行手段52は、メモリ50に記憶されたゲームプログラムを実行し、必要に応じてゲーム用データを処理することによりゲームを進行し、ゲーム画像やゲーム音声などをそれぞれモニタ55やスピーカ56から出力する。
【0038】
ゲーム進行手段52によりゲームが進行し、さらにゲーム用データが必要になると、読取書込手段51はゲーム用データを記憶媒体54から読み取り、メモリ50に記憶する処理を行う。ここで、読取書込手段51による記憶媒体54からの読取にエラーが生じた場合は、読取書込手段51は読取のリトライなどを行うとともに、エラー処理手段53が読取エラー時用出力データ、より具体的には読取エラー時用の画像データ及び音声データを生成し、モニタ55やスピーカ56へ出力する。エラー処理手段53は、所定の演算式や関数などを用いて、又は、その時点でメモリ50に記憶されているデータを用いて読取エラー時用データを生成し、出力する。よって、読取エラー時に出力すべき専用の画像データや音声データを予めメモリ50に記憶しておく必要はなく、メモリ50の効率的な利用が可能である。
【0039】
[ゲーム実行処理]
次に、上述の読取エラー対応処理を含む、本発明のゲーム装置によるゲーム実行処理について説明する。図7は本発明のゲーム装置によるゲーム実行処理のフローチャートである。なお、このゲーム実行処理は、基本的に図3に示すゲーム装置16内のCPU1がゲームプログラム20及び読取エラー対応処理プログラム22を実行することにより実現される。
【0040】
まず、読取書込手段51として機能するCPU1がDVD−ROM15などの記憶媒体54からゲームプログラム、ゲーム用データ及び読取エラー対応処理プログラムを読み取り、メモリ50へ記憶する(ステップS1)。次に、CPU1がゲーム実行手段52として機能し、メモリ50に記憶済みのゲームプログラム及びゲーム用データを使用してゲームを進行する(ステップS2)。そして、CPU1はゲームが終了する条件、例えば所定のステージがクリアされる、ユーザがゲームの終了指示を入力するなどが具備されたか否かを判定する(ステップS3)。ゲームの終了条件が具備されていない場合(ステップS3;No)、CPU1は記憶媒体54からデータの読取が必要であるか否かを判定する(ステップS4)。この場合のデータの読取とは、ゲームの進行に応じて次に表示すべき画像データや次に再生すべき音声データを記憶媒体から読み取ることを指す。
【0041】
データの読取が不要である場合(ステップS4;No)、処理はステップS2へ戻り、ゲームプログラムが引き続き実行される。一方、データの読取が必要である場合(ステップS4;Yes)、CPU1は読取書込手段51として機能して記憶媒体54から所定のデータの読取を開始し(ステップS5)、読取エラーの有無を判定する(ステップS6)。読取エラーが発生しない場合、即ち読み取りが正常に行われた場合(ステップS6;No)、処理はステップS2へ戻り、読み取ったデータを使用してゲームが続行される。
【0042】
一方、読取エラーが発生した場合(ステップS6;Yes)、CPU1はエラー処理手段53として機能し、読取エラー時用の画像データ及び音声データを生成して出力する(ステップS7)。そして、処理はステップS6へ戻り、読取エラーが解消するまで、CPU1は読取エラー時用の画像データ及び音声データの生成及び出力を継続する。
【0043】
以上のように、本発明のゲーム装置は、ゲームの進行状況に応じて、ゲームプログラムの実行中に記憶媒体から更なるデータを読み取り、ゲームを継続する。そして、記憶媒体からのデータの読み取りにエラーが生じた場合、CPU1はエラー処理手段として、読取エラー時用の画像データや音声データを生成して出力する。こうして、ゲームの終了条件が具備されるまで、ゲームが継続される。
【0044】
[変形例]
以上説明した例では、光ディスクなどの記憶媒体からのデータ読取にエラーが発生した場合に読取エラー対応処理が実施されているが、例えばサーバ装置との間でゲーム用データを通信しつつゲームを進行するネットワークゲームの場合には、通信回線障害などサーバとの間でゲーム用データの取得にエラーが生じた際にも、読取エラーと同様にエラー対応処理を行うことができる。この場合も、ゲーム装置は、サーバとの通信をリトライしつつ、通信状態が回復するまで、エラー時用の画像データや音声データを生成して出力することができる。この際、本発明のエラー処理では予めエラー処理用の素材データをゲーム装置に記憶する必要がないことは、ディスクなどの記憶媒体からの読取エラーの場合と同様である。
【0045】
また、上記の例では、読取エラー時に読取エラー時用の画像データ及び音声データの両方が出力されているが、いずれか一方のみを出力するように構成することも可能である。
【0046】
なお、上記のエラー処理によって、読取エラー中には読取エラー時用の画像データや音声データが出力されるので、それらによりユーザは読取エラーが生じてリトライ中であるという推測をすることができる。読取エラー後のリトライ中に表示画像や出力音声に変化が無いとユーザはゲーム装置の動作が異常であるとしてゲーム装置をリセットしてしまうことがあるが、本発明のエラー処理では、読取エラー中でもエラー時用の画像データや音声データが出力されるので、ユーザがゲーム装置をリセットしてしまうことが防止できる。また、読取エラー時用の画像データや音声データの出力によりゲーム装置が読取のリトライ中であることがわかるので、ゲームプログラムの製作者などは、デバッグ用の特定の表示コードや文字などをプログラム中に挿入する必要なく、ゲーム装置のエラー状態を知ることができる。これにより、ゲーム製作者などが最終的な製品版のゲームプログラムに対するデバッグを容易に行うことができるという利点もある。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ゲームの進行中にデータの読取エラーが生じた場合に、エラー処理用のプログラムなどによりエラー時用の画像データや音声データを生成して出力するので、読取エラー時用の専用の画像データや音声データを常にゲーム装置内に記憶しておく必要がなく、ゲーム装置のメモリの有効活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゲーム装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すコントローラの例を示す。
【図3】本発明に係るゲーム装置の、読取エラー対応処理に関連する部分の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明による読取エラー対応処理の例を示すタイムチャートである。
【図5】読取エラー時用の画像データの例を示す。
【図6】本発明に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明に係るゲーム装置のゲーム実行処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 ROM
3 RAM
4 GPU
5 フレームバッファ
6 SPU
7 サウンドバッファ
8 DVD−ROM読取装置
9 モニタ
10 スピーカ
11 通信制御デバイス
12 コントローラ
13 補助記憶装置
14 バス
15 DVD−ROM
16 ゲーム装置
20 ゲームプログラム
22 読取エラー対応処理プログラム
23 ゲーム用データ
Claims (2)
- メモリと、記憶媒体からゲームプログラムを読み取り、前記メモリに書き込む読取書込手段と、前記メモリに書き込まれた前記ゲームプログラムを実行するプログラム実行手段と、を備えるプログラム実行装置であって、
前記読取書込手段による前記記憶媒体からのゲーム用データの読取にエラーが発生したときに、画像データ及び音声データの少なくとも一方を含む読取エラー時用出力データを出力するエラー処理手段、を備え、
前記エラー処理手段は、前記読取エラーの発生時に前記メモリ内に記憶されている前記ゲームプログラムを構成する制御コードを、前記読取エラー時用出力データとして出力することを特徴とするプログラム実行装置。 - 前記読取書込手段は、前記プログラム実行手段によるゲームプログラムの実行に先立って、前記記憶媒体から読取エラー対応処理プログラムを読み取って前記メモリに書き込み、
前記エラー処理手段は、前記読取エラー対応処理プログラムを実行することにより前記読取エラー時用出力データを生成することを特徴とする請求項1に記載のプログラム実行装置。
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