JP3892122B2 - グレーチング蓋の開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、避難ハッチや集水桝等に使用するグレーチング蓋の開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高層ビルの屋上等には上下方向に開口した避難ハッチが形成されている。該避難ハッチには、その開口部を上方から覆う薄板金属製の遮蔽蓋が取付けられており、該遮蔽蓋は、その一側縁が前記開口部の周縁に固着された周枠に回動可能に枢結されて片開き状に開閉し得るようになっている。
【0003】
一方、側溝等の集水桝には、その開口部を覆う遮蔽蓋が、該開口部の周縁に固着された受枠に上方から着脱可能に被着されているが、該遮蔽蓋は、通水性及び堅牢性を得るために金属製のグレーチングが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような避難ハッチの遮蔽蓋は、風の強い日に開閉すると、風圧が抵抗となってその開閉操作に力を要し、また、風圧による急激な開放作動の衝撃で枢結部が破損しやすく、さらに、薄板状の金属で形成されているため、人が乗るとその重量に耐えられず変形しやすいといった問題点がある。
【0005】
一方、従来のグレーチングからなる集水桝用の遮蔽蓋にあっては、その開閉時に人力で上方に持ち上げて受枠から外したり、あるいは受枠に被着させたりしなければならない。ところが、グレーチングが金属製であるため、相当の重量があり、その開閉操作に力を要し、容易に開閉し得ないという問題点がある。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点を解消し得るグレーチング蓋の開閉装置の提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、左右で一対をなす格子状矩形枠体の対向縁を枢結して二つ折り可能に一体化することによりグレーチング蓋を構成し、該グレーチング蓋が被着される矩形状受枠に、一方の格子状矩形枠体の外側縁を上下方向に起倒可能に連結し、他方の格子状矩形枠体の外側縁を案内手段を介して前記矩形状受枠に左右方向に移動可能に連結し、その左右方向移動により、前記枢結部を節として、格子状矩形枠体対が上方に折曲して二つ折り状に折畳まれるようにしたものであって、
前記案内手段が、矩形状受枠の、左右方向に延在する前後一対の側枠杆に夫々配設された一対のガイドレールと、左右方向に移動する格子状矩形枠体の外側縁に軸支されて、前記両ガイドレールに夫々嵌装され、該両ガイドレール内を転動する一対のローラとによって構成されると共に、
グレーチング蓋が被着される矩形状受枠は、左右方向に沿って配設された前後一対の基部杆と、該基部杆対の上面に固着されて、グレーチング蓋を囲繞する矩形状の上部枠とからなり、さらに該上部枠は、前記基部杆対の上部に左右方向に配設された前後一対の側枠杆と、基部杆対に前後方向に差し渡された左右一対の側枠杆とによって構成され、
前記側枠杆対の内側面には、断面略C字形のチャンネル杆からなるガイドレールが、その挿通口を対向させて左右方向に沿って夫々配設されていることを特徴とする避難ハッチ又は集水桝に使用されるグレーチング蓋の開閉装置である。
【0009】
かかる構成にあって、グレーチング蓋の遮蔽状態において、矩形状受枠に対して左右方向に移動可能に連結された一方の格子状矩形枠体の外側縁を、矩形状受枠に起倒可能に連結された他方の格子状矩形枠体の外側縁方向に向けて、案内手段を介して移動させることにより、格子状矩形枠体対が二つ折り状に折畳まれて、グレーチング蓋の開放状態が得られる。また、このグレーチング蓋の開放状態から、左右方向に移動可能な一方の格子状矩形枠体の外側縁を、上記と逆方向に移動させることにより、格子状矩形枠体対が水平状に伸展してグレーチング蓋の遮蔽状態が得られる。これにより、グレーチング蓋を矩形状受枠から外すことなく、その開閉を容易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を、図1〜図7について説明する。
【0011】
図面において、1はグレーチング蓋、2は該グレーチング蓋1が被着される矩形状受枠を夫々示す。グレーチング蓋1は、左右で一対をなす格子状矩形枠体3a,3bの対向縁4a,4bをヒンジ5,5により枢結して二つ折り可能に一体化した格子状矩形枠体対6によって構成されている。また、前記格子状矩形枠体3a,3b、矩形状受枠2及びヒンジ5は、堅牢な耐腐食性金属からなり、この耐腐食性金属として、ステンレスが好適に使用され得る。
【0012】
前記格子状矩形枠体3a,3bは、夫々、所定間隔で並列させた複数のメインバー7と、各メインバー7に直交状に差し渡した複数のクロスバー8とによって格子状に構成され、さらに各メインバー7の前後両端部に二本のエンドバー9,9を配設して、その全体形状が矩形枠状となるように構成されている。
【0013】
また、前記ヒンジ5,5は、図2イに示すように、夫々、枢結軸10と該枢結軸10に回動可能に枢支された左右の回動片11,11とからなり、該ヒンジ5,5によって、両格子状矩形枠体3a,3bの対向縁4a,4bに位置するメインバー7,7が枢結されている。即ち、該ヒンジ5,5は、枢結軸10を両格子状矩形枠体3a,3bの下面側に位置させて、回動片11,11を対向縁4a,4bのメインバー7,7に夫々固着してあり、これによって、図2ロに示すように、該ヒンジ5,5(枢結部)を節として格子状矩形枠体対6を上方に折曲させて二つ折り状に折畳み得るようにしている。
【0014】
一方、グレーチング蓋1が被着される矩形状受枠2は、その被着状態において、前記エンドバー9,9の下部に対応する位置に左右方向に沿って配設された前後一対の基部杆12,12と、該基部杆12,12の上面に固着されて、グレーチング蓋1を囲繞する矩形状の上部枠13とからなり、さらに該上部枠13は、前記基部杆12,12の上部に左右方向に配設された前後一対の側枠杆14,14と、基部杆12,12に前後方向に差し渡された左右一対の側枠杆15a,15bとによって構成されている。
【0015】
前記側枠杆14,14の内側面には、図3に示すように、断面略C字形のチャンネル杆からなるガイドレール16,16が左右方向に沿って夫々配設されており、該ガイドレール16,16の挿通口17,17が前記格子状矩形枠体3a,3bの各エンドバー9,9に対向する位置に左右方向に沿って開口されている。
【0016】
前記格子状矩形枠体3a,3bの内、一方の格子状矩形枠体3aの外側縁18aに位置するメインバー7には、前記上部枠13の側枠杆15a側に突出する前後一対の支持片19,19を備えたブラケット20が固着されており、該ブラケット20の支持片19,19には、前記両ガイドレール16,16間に亘って支軸21が横架されている。該支軸21の両端部は、前記挿通口17,17から両ガイドレール16,16内に挿通されており、さらに該支軸21の両端部には、両ガイドレール16,16に嵌装されて該ガイドレール16,16内を転動する一対のローラ22,22が夫々軸支されている。そして、このように格子状矩形枠体3aの外側縁18aに軸支されたローラ22,22と、前記ガイドレール16,16とによって、格子状矩形枠体3aの外側縁18aを矩形状受枠2に左右方向に移動可能に連結する案内手段が構成されている。
【0017】
また、他方の格子状矩形枠体3bの外側縁18bに位置するメインバー7には、前記上部枠13の側枠杆15b側に突出する前後一対の支持片23,23を備えたブラケット24が固着されており、該ブラケット24の支持片23,23が、両ガイドレール16,16間に亘って横架された支軸25に回動可能に枢支されている。この支軸25は、図6に示すように、その両端部が前記挿通口17,17から両ガイドレール16,16内に挿通されて、両ガイドレール16,16の側壁部26,26に固着されている。そして、これにより、格子状矩形枠体3bの外側縁18bを矩形状受枠2に上下方向に起倒可能に連結するようにしている。
【0018】
また、矩形状受枠2の基部杆12,12の上面には、前記ガイドレール16,16の内側に位置させて積層状の嵩上材27,27が左右方向に沿って夫々配設されており、該嵩上材27,27によって、被着状態における格子状矩形枠体対6を水平状に保持するようにしている。尚、この嵩上材27,27をゴム等の弾性体で構成して、格子状矩形枠体対6との衝当時における緩衝及び防音作用を得るようにしてもよい。
【0019】
かかる構成にあって、グレーチング蓋1を遮蔽状態から開放状態にするには、ヒンジ5,5により枢結された格子状矩形枠体対6の、その枢結部を軽く手で持ち上げながら、矩形状受枠2に対して左右方向に移動可能に連結された一方の格子状矩形枠体3aの外側縁18aを、他方の格子状矩形枠体3bの外側縁18b方向に向けて押圧すると、格子状矩形枠体3aの外側縁18aに軸支されたローラ22,22がガイドレール16,16内を転動して、該外側縁18aが他方の外側縁18b方向へ移動する。この移動に伴なって、格子状矩形枠体3aが、その外側縁18aを支持する支軸21を支点として上方に次第に立ち上げられるとともに、他方の格子状矩形枠体3bが、その外側縁18bを支持する支軸25を支点として上方に次第に立ち上げられる。そして、前記枢結部を節として、格子状矩形枠体対6が上方に折曲して、矩形状受枠2の側枠杆15b側に偏寄した位置で二つ折り状に折畳まれて、図7に示すような、グレーチング蓋1の開放状態が得られる。
【0020】
また、このグレーチング蓋1の開放状態から、左右方向に移動可能な一方の格子状矩形枠体3aの外側縁18aを、上記と逆に矩形状受枠2の側枠杆15a側に移動させることにより、格子状矩形枠体対6が水平状に伸展してグレーチング蓋1を遮蔽状態とすることができる。
【0021】
従って、本発明を集水桝に適用することにより、グレーチング蓋1を矩形状受枠2から外す必要がなく、また、グレーチング蓋1全体を持ち上げてその全重量を支える必要がないため、その開閉を容易に行うことができる。
【0022】
また、本発明を避難ハッチに適用すれば、グレーチング蓋であるため、風の強い日に開閉しても風圧を受けず、上記のように開閉を容易に行うことができるとともに、人が乗っても容易に変形することがない堅牢性を具備したものとなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述のように、左右で一対をなす格子状矩形枠体3a,3bの対向縁4a,4bを枢結して二つ折り可能に一体化することによりグレーチング蓋1を構成し、該グレーチング蓋1が被着される矩形状受枠2に、一方の格子状矩形枠体3bの外側縁18bを上下方向に起倒可能に連結し、他方の格子状矩形枠体3aの外側縁18aを案内手段を介して前記矩形状受枠2に左右方向に移動可能に連結し、その左右方向移動により、前記枢結部を節として、格子状矩形枠体対6が上方に折曲して二つ折り状に折畳まれるようにしたことにより、集水桝に適用すれば、グレーチング蓋1を矩形状受枠2から外すことなく、その開閉を容易に行うことができ、また、避難ハッチに適用すれば、風の強い日に開閉しても風圧を受けずに開閉することができるとともに、風圧による急激な開放作動の衝撃で枢結部が破損するといった従来の問題点も解消され、さらに、人が乗っても容易に変形しない堅牢性を得ることができる。
【0024】
また、前記案内手段を、矩形状受枠2の、左右方向に延在する前後一対の側枠杆14,14に夫々配設された一対のガイドレール16,16と、左右方向に移動する格子状矩形枠体3aの外側縁18aに軸支されて、前記両ガイドレール16,16に夫々嵌装され、該両ガイドレール16,16内を転動する一対のローラ22,22とによって構成したことことにより、格子状矩形枠体3aの外側縁18aの移動操作を円滑に行うことができる等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるグレーチング蓋の開閉装置の平面図である。
【図2】同上の格子状矩形枠体対の枢結部と、その作用状態を示す部分拡大断面図である。
【図3】格子状矩形枠体3aの外側縁18aの案内手段を示す部分拡大断面図である。
【図4】格子状矩形枠体3bの外側縁18bの連結部分を示す拡大平面図である。
【図5】同上の連結部分の拡大縦断正面図である。
【図6】同上の連結部分の拡大側断面図である。
【図7】グレーチング蓋の開放状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 グレーチング蓋
2 矩形状受枠
3a,3b 格子状矩形枠体
4a,4b 対向縁
5 ヒンジ5(枢結部)
6 格子状矩形枠体対
14 側枠杆
16 ガイドレール
18a,18b 外側縁
22 ローラ
Claims (1)
- 左右で一対をなす格子状矩形枠体の対向縁を枢結して二つ折り可能に一体化することによりグレーチング蓋を構成し、該グレーチング蓋が被着される矩形状受枠に、一方の格子状矩形枠体の外側縁を上下方向に起倒可能に連結し、他方の格子状矩形枠体の外側縁を案内手段を介して前記矩形状受枠に左右方向に移動可能に連結し、その左右方向移動により、前記枢結部を節として、格子状矩形枠体対が上方に折曲して二つ折り状に折畳まれるようにしたものであって、
前記案内手段が、矩形状受枠の、左右方向に延在する前後一対の側枠杆に夫々配設された一対のガイドレールと、左右方向に移動する格子状矩形枠体の外側縁に軸支されて、前記両ガイドレールに夫々嵌装され、該両ガイドレール内を転動する一対のローラとによって構成されると共に、
グレーチング蓋が被着される矩形状受枠は、左右方向に沿って配設された前後一対の基部杆と、該基部杆対の上面に固着されて、グレーチング蓋を囲繞する矩形状の上部枠とからなり、さらに該上部枠は、前記基部杆対の上部に左右方向に配設された前後一対の側枠杆と、基部杆対に前後方向に差し渡された左右一対の側枠杆とによって構成され、
前記側枠杆対の内側面には、断面略C字形のチャンネル杆からなるガイドレールが、その挿通口を対向させて左右方向に沿って夫々配設されていることを特徴とする避難ハッチ又は集水桝に使用されるグレーチング蓋の開閉装置。
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JP27979997A Expired - Fee Related JP3892122B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | グレーチング蓋の開閉装置 |
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