JP3891870B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用エンジン等に燃料を噴射するのに好適に用いられる燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁は、弁ケーシング内に弁体が変位可能に設けられている。そして、燃料噴射弁は、電磁コイル等からなるアクチュエータによって弁体を変位させ、燃料通路を開弁することにより、該燃料通路に供給される燃料をエンジンの吸気管等に向けて噴射するものである。このような構成を有する従来技術による燃料噴射弁は、例えば特開2000−8990号公報等によって知られている。
【0003】
そして、上述した従来技術による燃料噴射弁は、磁性材料により筒状に形成され内部が燃料通路となった磁性筒体と、磁性材料によって筒状に形成され該磁性筒体内に挿嵌して設けられたコア筒と、該コア筒よりも下流側に位置して前記磁性筒体内に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記コア筒と該弁座部材との間に位置して前記磁性筒体内に変位可能に設けられ該弁座部材の弁座に離着座する弁体と、該弁体を閉弁方向に付勢するため前記コア筒内に挿嵌されたばね受と弁体との間に設けられた弁ばねと、前記磁性筒体の外周側に設けられた磁性材料からなるヨークと、前記磁性筒体の外周側で該ヨークとの間に設けられ通電されたとき前記コア筒、弁体およびヨークを通じて閉磁路を形成することにより前記弁ばねに抗して前記弁体を弁座部材の弁座から離座させる電磁コイルとによって大略構成されている。
【0004】
ここで、前記磁性筒体は、長尺な筒状に形成された磁性パイプ部と、該磁性パイプ部の先端部に取付けられた有底筒状のシートホルダとの2部材を溶接等により固定して形成されている。そして、シートホルダ内には弁座部材が固定され、磁性パイプ部内には弁体が軸方向に摺動可能に設けられている。
【0005】
このように構成された従来技術による燃料噴射弁は、磁性パイプ部内に変位可能に設けられた弁体を、電磁コイルにより弁ばねに抗して弁座部材から離座させることにより、燃料通路に供給される燃料を弁座部材の噴射口から噴射することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による燃料噴射弁は、弁体が弁座部材の弁座に微小なストロークをもって離着座する構成となっているため、弁座部材と弁体とは正確な同心度をもって配置する必要がある。
【0007】
しかし、特開2000−8990号公報による燃料噴射弁は、弁座部材がシートホルダ内に嵌着され、弁体がシートホルダと別個の磁性パイプ部内に設けられているから、個々の部品を加工するときの加工公差、はめ合い等の組立公差により弁座部材と弁体とを正確に同心に配置することが難しく、弁座部材の弁座に対して弁体を密着できなくなる等の問題が生じてしまう。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、弁座部材の弁座と弁体とを正確に同心に配置し、閉弁時における弁座部材と弁体との密着性、反応速度等を向上することができるようにした燃料噴射弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による燃料噴射弁は、磁性材料により筒状に形成され内部が燃料通路となった磁性筒体と、磁性材料によって筒状に形成され該磁性筒体内に挿嵌して設けられたコア筒と、該コア筒よりも下流側に位置して前記磁性筒体内に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記コア筒と該弁座部材との間に位置して前記磁性筒体内に変位可能に設けられ該弁座部材の弁座に離着座する弁体と、該弁体を閉弁方向に付勢するため前記コア筒内に挿嵌されたばね受と弁体との間に設けられた弁ばねと、前記磁性筒体の外周側に設けられた磁性材料からなるヨークと、前記磁性筒体の外周側で該ヨークとの間に設けられ通電されたとき前記コア筒、弁体およびヨークを通じて閉磁路を形成することにより前記弁ばねに抗して前記弁体を弁座部材の弁座から離座させる電磁コイルとを備えている。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記磁性筒体は、軸方向の一側部位が大径部、中間部位が該大径部よりも小径な中径部、軸方向の他側部位が該中径部よりも小径な小径部となる段付の段付筒体として形成し、前記中径部の内側には、軸方向の一側である前記大径部側から前記コア筒を圧入して設け、前記小径部の内側には、軸方向の他側から前記弁座部材を圧入して設けると共に前記弁体を摺動可能に設け、前記小径部の外側には、軸方向の他側から前記ヨークを圧入して設ける構成としたことにある。
【0011】
このように構成したことにより、弁座部材と弁体とは磁性筒体の小径部内に一緒に配設されているから、両者を正確に同心位置に配置することができる。また、前記磁性筒体の中径部内には、軸方向の一側である大径部側からコア筒を圧入することにより、該コア筒の圧入によって小径部が変形するのを防止することができる。
【0012】
請求項2の発明によると、磁性筒体の小径部は、軸方向の一側から途中位置まで厚肉に形成された厚肉筒部と、該厚肉筒部の先端側に位置して該厚肉筒部よりも小さな外径寸法をもって薄肉に形成された薄肉筒部とからなり、前記小径部の厚肉筒部の外周側にはヨークを圧入し、前記薄肉筒部の内周側には弁座部材を圧入する構成としたことにある。
【0013】
このように構成したことにより、ヨークを厚肉筒部の外周側に圧入するときに薄肉筒部は、ヨークを円滑に通過させることができるから、ヨークの圧入によって薄肉筒部が変形するのを防止することができる。これにより、弁座部材は小径部の薄肉筒部内の正確な位置に圧入することができる。
【0014】
請求項3の発明によると、コア筒は、磁性筒体の中径部に圧入される大径圧入部と、該大径圧入部から磁性筒体の小径部側に延び該小径部の内径寸法よりも小さな外径寸法の小径スリーブ部とによって形成したことにある。
【0015】
このように構成したことにより、コア筒を磁性筒体内に圧入したときには、該コア筒の大径圧入部が磁性筒体の中径部に対して圧入され、小径スリーブ部は磁性筒体の小径部と離間しているから、コア筒の圧入によって磁性筒体の小径部が変形するのを防止することができる。
【0016】
請求項4の発明によると、磁性筒体の大径部には流入口側に位置してフィルタを設ける構成としたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、磁性筒体の大径部を利用してフィルタを取付けることができ、該フィルタは燃料通路に流入する燃料を清浄化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による燃料噴射弁を、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
【0019】
1は燃料噴射弁の外殻をなす弁ケーシングで、該弁ケーシング1は、後述の磁性筒体2、ヨーク16、樹脂カバー19等を含んで構成されている。
【0020】
2は弁ケーシング1の本体部分を構成する段付き筒状の磁性筒体で、該磁性筒体2は、例えば磁性を有するステンレス材料等の素材に例えば深絞り加工等のプレス加工手段を施すことにより、段付き形状をなす薄肉な金属パイプとして形成されている。
【0021】
また、磁性筒体2は、図3に示すように、その軸方向の一側部位が大径な大径部3となり、軸方向の中間部位が該大径部3よりも小径な中径部4となり、軸方向の他側部位が該中径部4よりも小径な小径部5となる段付の段付筒体として形成されている。
【0022】
ここで、大径部3は、外径寸法D1となる円筒体として形成され、その一端部には拡径してフランジ部3Aが形成されている。また、大径部3の内側には、一端部の流入口側に位置して後述の燃料フィルタ7が挿着され、外側には弁ケーシング1を構成する後述の樹脂カバー19が設けられている。
【0023】
次に、中径部4は、大径部3の外径寸法D1よりも小さな外径寸法D2(D2<D1)となる軸方向に短尺な円筒体として形成されている。また、中径部4の内側には、後述するコア筒8の大径圧入部8Aが圧入され、外側には、後述する電磁コイル18のコイルボビン18Aが取付けられる。
【0024】
一方、小径部5は、軸方向の一側から途中位置までの間で中径部4の外径寸法D2よりも小さな外径寸法D3(D3<D2)をもって円筒状に形成された厚肉な厚肉筒部5Aと、該厚肉筒部5Aの先端側で後述する弁座部材9が圧入される部分に該厚肉筒部5Aの外径寸法D3よりも小さな外径寸法D4(D4<D3)をもって円筒状に形成された薄肉な薄肉筒部5Bとによって構成されている。ここで、小径部5は、外周面の形状(外径寸法)が厚肉筒部5Aと薄肉筒部5Bとで異なるが、内周面は軸方向の全長に亘って均一な内径寸法D5をもって形成されている。
【0025】
そして、小径部5の内側には、薄肉筒部5B内に位置して後述の弁座部材9が圧入され、厚肉筒部5A内に位置して弁体11が軸方向に変位可能に収容される。また、厚肉筒部5Aの内側には、後述するコア筒8の小径スリーブ部8Bが遊嵌状態で挿入される。また、厚肉筒部5Aの外側には、後述のヨーク16が圧入される。
【0026】
ここで、小径部5は、その厚肉筒部5Aの外周側にヨーク16が圧入されるときに、薄肉筒部5Aが形成された先端側から圧入される。しかし、薄肉筒部5Bは、厚肉筒部5Aよりも薄肉で、かつ小径に形成されているから、ヨーク16を円滑に通過させることができる。しかも、ヨーク16は、厚肉な厚肉筒部5Aに圧入させているから、該厚肉筒部5Aは、ヨーク16の圧入に対しても変形しにくく、内部に位置する弁体11のアンカ部12の円滑な摺動を阻害することはない。
【0027】
さらに、小径部5の厚肉筒部5Aの軸方向中間部位には、図2に示すように、後述する弁体11のアンカ部12とコア筒8の小径スリーブ部8Bとの間の隙間Sを取囲む位置を縮径して環状の磁気抵抗増大部5Cが設けられ、該磁気抵抗増大部5Cは、小径部5を通る磁路の磁気抵抗を増大させてこの位置で磁気的に遮断し、後述の閉磁路Hが短絡されるのを防止している。
【0028】
6は磁性筒体2内に設けられた燃料通路で、該燃料通路6は、磁性筒体2の大径部3の一端が流入口となり、この流入口から弁座部材9の位置まで軸方向に延びている。
【0029】
また、7は磁性筒体2の大径部3の流入口側に圧入手段により挿嵌された燃料フィルタで、該燃料フィルタ7は、燃料通路6に供給される燃料を濾過して清浄化するものである。
【0030】
8は磁性筒体2の内側に設けられ、例えば磁性金属材料等により筒状に形成されたコア筒で、該コア筒8は、後述する弁体11のアンカ部12、ヨーク16と共に電磁コイル18による閉磁路Hを形成すると共に、弁体11の開弁位置を規定するものである。そして、コア筒8は、中径部4に圧入される大径圧入部8Aと、該大径圧入部8Aから小径部5側に延びた小径スリーブ部8Bとによって2段に段付の段付筒体として形成されている。また、小径スリーブ部8Bは、小径部5の内径寸法D5よりも小さな外径寸法D6(D6<D5)をもって形成され、該小径スリーブ部8Bは小径部5内に遊嵌状態で挿入されている。また、コア筒8は、その大径圧入部8Aを中径部4内に圧入することにより、小径スリーブ部8Bの先端面が弁体11のアンカ部12の吸着部12A端面に軸方向の隙間Sを挟んで対面している。
【0031】
9はコア筒8の下流側に位置して磁性筒体2の小径部5内に設けられた筒状の弁座部材で、該弁座部材9には、図2に示す如く、燃料通路6内の燃料を外部に噴射する噴射口9Aと、該噴射口9Aを取囲んで形成されたロート状の弁座9Bとが設けられている。そして、弁座部材9は、小径部5の薄肉筒部5B内に圧入され、外周側が該薄肉筒部5Bに全周に亘って溶接されている。また、弁座部材9の先端面には、複数のノズル孔10Aが穿設されたノズルプレート10が噴射口9Aを覆う位置に溶接手段を用いて固着されている。
【0032】
11はコア筒8と弁座部材9との間に位置して磁性筒体2の小径部5内に軸方向に変位可能に収容された弁体で、該弁体11は、例えば磁性金属材料等により軸方向に延びる段付筒状に形成されたアンカ部12と、該アンカ部12の先端部に固着され、弁座部材9の弁座9Bに離着座する球状の弁部13とによって構成されている。
【0033】
また、アンカ部12は、外周側が小径部5の厚肉筒部5A内面に摺接すると共にコア筒8側に吸着される大径な吸着部12Aと、該吸着部12Aから延び先端部に前記弁部13が固着された小径な軸部12Bと、前記吸着部12A内に形成されたばね収容部12Cと、前記軸部12Bに穿設され、燃料が流通する通油孔12Dとによって構成されている。
【0034】
ここで、弁体11は、常時は弁部13が後述する弁ばね14のばね力によって弁座部材9の弁座9Bに着座した状態に保持され、このときにはアンカ部12の吸着部12A端面とコア筒8との間には、軸方向の隙間Sが形成されている。また、弁体11は、後述の電磁コイル18に給電してコア筒8、アンカ部12、ヨーク16等で閉磁路H(図2中に点線で図示)を形成すると、アンカ部12の吸着部12Aがコア筒8に磁気的に吸着されるから、弁ばね14のばね力に抗して弁部13を弁座部材9の弁座9Bから離座させる。
【0035】
14は磁性筒体2内に設けられた弁ばねで、該弁ばね14は、コア筒8の内周側に圧入等の手段により固定された筒状のばね受15と弁体11との間に圧縮状態で配設され、弁体11を閉弁方向に常時付勢している。
【0036】
16は磁性筒体2の外周側に設けられ、例えば磁性金属材料等により段付筒状に形成された弁ケーシング1を構成するヨークで、該ヨーク16は、後述する電磁コイル18の外周側を覆うように設けられた拡径筒部16Aと、該拡径筒部16Aの他端側を縮径して形成された縮径筒部16Bとから段付筒体として構成されている。そして、ヨーク16は、その縮径筒部16Bが小径部5の厚肉筒部5Aの外周側に圧入して固着されている。
【0037】
また、17はヨーク16の拡径筒部16Aと磁性筒体2の中径部4との間に設けられた連結コアで、該連結コア17は、磁性材料等からなり、中径部4を取囲むように略C字状に形成されている。
【0038】
ここで、ヨーク16、連結コア17は、電磁コイル18に給電されたときに、磁性筒体2の小径部5が磁気抵抗増大部5Cの位置で磁気的にほぼ遮断されていることから、これらの小径部5、コア筒8、弁体11のアンカ部12(吸着部12A)、ヨーク16、連結コア17と一緒に閉磁路Hを安定的に形成することができる。
【0039】
18は磁性筒体2の中径部4の外周側でヨーク16の拡径筒部16Aとの間に設けられた電磁コイルで、該電磁コイル18は、樹脂材料により形成された筒状のコイルボビン18Aと、該コイルボビン18Aに巻装されたコイル18Bとにより大略構成され、前記コイルボビン18Aの一端部が磁性筒体2の中径部4に嵌着されている。
【0040】
そして、電磁コイル18は、後述のコネクタ20を用いて給電されることにより、磁性筒体2の小径部5、コア筒8、弁体11のアンカ部12、ヨーク16、連結コア17を通じて閉磁路Hを形成し、コア筒8によりアンカ部12の吸着部12Aを弁ばね14のばね力に抗して磁気的に吸着し、弁部13を弁座部材9の弁座9Bから離座させる。
【0041】
19は磁性筒体2の大径部3の外周側に設けられた樹脂カバーで、該樹脂カバー19は、磁性筒体2の外周側にヨーク16、連結コア17、電磁コイル18等を組付けた状態で、射出成形等の手段を用いて形成されている。また、樹脂カバー19には、電磁コイル18のコイル18Bに給電するコネクタ20が一体に成形されている。
【0042】
また、21は磁性筒体2の大径部3の外周側に位置して該大径部3のフランジ部3Aと樹脂カバー19との間に装着されたOリング、22はヨーク16の縮径筒部16Aの外周側に装着されたOリング、23はヨーク16の縮径筒部16Bの先端に取付けられた円環状のプロテクタを示している。
【0043】
本実施の形態による燃料噴射弁は、上述の如き構成を有するもので、次に、燃料噴射弁を組立てるときの手順について説明する。
【0044】
まず、深絞り加工によって段付筒状に形成された磁性筒体2を用意し、該磁性筒体2の中径部4の外側に小径部5側から連結コア17と電磁コイル18を取付ける。
【0045】
次に、拡径筒部16Aで電磁コイル18を覆うように小径部5の先端側からヨーク16を圧入する。このときに小径部5は、ヨーク16が通過する先端側を薄肉筒部5Bとしているから、該薄肉筒部5Bはヨーク16を円滑に通過させて厚肉筒部5Aに圧入させることができ、当該薄肉筒部5Bは変形を生じることがない。しかも、ヨーク16は厚肉な厚肉筒部5Aに圧入されるから、該厚肉筒部5Aは、ヨーク16の圧入に対しても変形しにくく、内部に位置する弁体11のアンカ部12を円滑に摺動させることができる。
【0046】
このように磁性筒体2の外周側にヨーク16、電磁コイル18等を組付けたら、磁性筒体2の大径部3の外周側からヨーク16の拡径筒部16Aに亘る部分に樹脂カバー19、コネクタ20を射出成形により形成する。
【0047】
次に、磁性筒体2の小径部5内に弁座部材9を圧入する。このときに、小径部5の薄肉筒部5Bは、前述したようにヨーク16の圧入によって変形することがないから、弁座部材9は、小径部5と同心になる位置に正確に圧入することができる。このように配設された弁座部材9は、レーザ溶接等の手段を用いて磁性筒体2に固着される。
【0048】
また、磁性筒体2の小径部5に弁座部材9を固着したら、大径部3側から弁体11を挿入し、小径部5内に配置する。ここで、弁体11と弁座部材9とは1つの小径部5内に一緒に配設されているから、弁体11と弁座部材9とは正確に軸線を一致させて同心位置に配置することができる。この結果、弁座部材9の弁座9Bに弁体11の弁部13を着座させて閉弁したときの密着性、開弁するために弁部13を弁座9Bから離座させたときの反応速度を速めることができる。
【0049】
また、弁体11に続いて大径部3側からコア筒8を挿入し、小径スリーブ部8Bの先端面が弁体11のアンカ部12端面との間に隙間Sを形成する位置まで、大径圧入部8Aを中径部4内に圧入する。この隙間Sにより弁体11が開弁、閉弁するときのストロークが決定する。
【0050】
さらに、大径部3側から弁ばね14を挿入してコア筒8内に配置し、該コア筒8内にばね受15を圧入する。そして、流量調整を行い最適なばね受15の位置を調整する。この後、大径部3の流入口側に燃料フィルタ7を圧入手段によって挿着する。
【0051】
最後に、磁性筒体2の大径部3の外周側にOリング21を装着し、ヨーク16の縮径筒部16Bの外周側にOリング22を装着し、また、縮径筒部16B先端にプロテクタ23を取付けることにより、燃料噴射弁を組立てることができる。
【0052】
次に、このようにして組立てられた燃料噴射弁の作動について説明する。まず、コネクタ20から電磁コイル18に給電すると、図2に示すように閉磁路Hが形成され、この閉磁路Hは弁体11のアンカ部12とコア筒8との間の隙間Sを通過する。この結果、弁体11は、コア筒8によって磁気的に吸着され、弁ばね14に抗して軸方向に変位し、その弁部13が弁座部材9の弁座9Bから離座して開弁する。これにより、燃料通路6内に供給される燃料は、噴射口9Aからエンジンの吸気管等に向けて噴射される。
【0053】
一方、電磁コイル18への給電を停止すると、弁体11は弁ばね14の付勢力によって弁部13を弁座部材9の弁座9Bに着座させ、噴射口9Aを閉塞(閉弁)する。
【0054】
かくして、本実施の形態によれば、磁性筒体2は、軸方向の一側部位を大径部3とし、軸方向の中間部位を該大径部3よりも小径な中径部4とし、軸方向の他側部位を該中径部4よりも小径な小径部5となる段付の段付筒体として形成すると共に、前記小径部5の内側には弁座部材9を圧入し、弁体11を摺動可能に収容する構成としているから、弁座部材9と弁体11とは、1つの小径部5内に一緒に配設することができる。これにより、弁体11と弁座部材9とは正確に同心位置に配置することができるから、弁座部材9の弁座9Bに対する弁体11の弁部13の密着性、離座するときの反応速度等を向上することができ、燃料噴射弁の性能を高めることができる。
【0055】
また、コア筒8は、小径部5とは別個の中径部4内に圧入する構成としているから、コア筒8の圧入によって小径部5が変形するのを防止することができ、この点においても弁座部材9、弁体11を正確な位置に配設することができる。
【0056】
また、磁性筒体2の小径部5は、厚肉な厚肉筒部5Aと薄肉な薄肉筒部5Bとによって形成し、該薄肉筒部5Bは、ヨーク16が圧入される厚肉筒部5Aの外径寸法D3よりも小さな外径寸法D4としている。従って、薄肉筒部5Bは、ヨーク16を円滑に通過させて厚肉筒部5Aに圧入させることができるから、ヨーク16によって薄肉筒部5Bが変形するのを防止することができる。この結果、弁座部材9は、小径部5内の軸心位置に正確に圧入することができ、弁体11との同心度を高めることができる。
【0057】
さらに、コア筒8は、大径圧入部8Aと小径スリーブ部8Bとによって段付筒状に形成し、大径圧入部8Aを磁性筒体2の中径部4内に圧入し、小径スリーブ部8Bを小径部5内に遊嵌状態に挿入する構成としているから、小径部5が小径スリーブ部8Bによって変形するのを防止することができ、弁座部材9、弁体11の組付け精度を向上することができる。
【0058】
なお、実施の形態では、磁性筒体2は、深絞り加工を用い段付筒体として形成するものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば金属板を湾曲させて筒状に形成し、当接した端部をシーム溶接等の溶接手段により固着して磁性筒体を形成する構成としてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、磁性筒体は、軸方向の一側部位が大径部、中間部位が該大径部よりも小径な中径部、軸方向の他側部位が該中径部よりも小径な小径部となる段付の段付筒体として形成し、前記中径部の内側には、軸方向の一側である前記大径部側からコア筒を圧入して設け、前記小径部の内側には、軸方向の他側から弁座部材を圧入して設けると共に弁体を摺動可能に設け、前記小径部の外側には、軸方向の他側からヨークを圧入して設ける構成としている。
【0060】
従って、弁座部材と弁体とは磁性筒体の小径部内に一緒に配設することができるから、両者を正確に同心位置に配置することができ、弁座部材に対する弁体の密着性、離座するときの反応速度等を向上して、燃料噴射弁の性能を高めることができる。また、前記磁性筒体の中径部内には、軸方向の一側である大径部側からコア筒を圧入することにより、該コア筒の圧入によって小径部が変形するのを防止することができ、この点においても弁座部材、弁体を正確な位置に配設することができる。
【0061】
請求項2の発明によれば、磁性筒体の小径部は、軸方向の一側から途中位置まで厚肉に形成された厚肉筒部と、該厚肉筒部の先端側に位置して該厚肉筒部よりも小さな外径寸法をもって薄肉に形成された薄肉筒部とからなり、前記小径部の厚肉筒部の外周側にはヨークを圧入し、前記薄肉筒部の内周側には弁座部材を圧入する構成としている。
【0062】
従って、ヨークを厚肉筒部の外周側に圧入するときに薄肉筒部は、ヨークを円滑に通過させることができるから、ヨークの圧入によって薄肉筒部が変形するのを防止することができる。これにより、弁座部材は小径部の薄肉筒部内の正確な位置に圧入することができ、弁座部材と弁体との同心度を高めることができる。しかも、ヨークが圧入されるのは厚肉な厚肉筒部であるから、ヨークの圧入に対しても変形しにくく、内部に位置する弁体を円滑に摺動させることができ、動作性能を向上することができる。
【0063】
請求項3の発明によれば、コア筒は、磁性筒体の中径部に圧入される大径圧入部と、該大径圧入部から磁性筒体の小径部側に延び該小径部の内径寸法よりも小さな外径寸法の小径スリーブ部とによって形成している。従って、コア筒を磁性筒体内に圧入したときには、該コア筒の大径圧入部を磁性筒体の中径部に対して圧入することができる。また、コア筒の小径スリーブ部は、磁性筒体の小径部に挿入されても、該小径部と離間しているから、コア筒の圧入によって磁性筒体の小径部が変形するのを防止することができる。この結果、弁座部材、弁体の組付け精度を向上することができる。
【0064】
請求項4の発明によれば、磁性筒体の大径部には流入口側に位置してフィルタを設ける構成としているので、磁性筒体の大径部を利用してフィルタを取付けることができる。そして、フィルタは燃料通路に流入する燃料を清浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される燃料噴射弁を示す縦断面図である。
【図2】燃料噴射弁の先端側(他側)を拡大して示す部分拡大縦断面図である。
【図3】磁性筒体を単体で示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 磁性筒体
3 大径部
4 中径部
5 小径部
5A 厚肉筒部
5B 薄肉筒部
6 燃料通路
7 燃料フィルタ
8 コア筒
8A 大径圧入部
8B 小径スリーブ部
9 弁座部材
9A 噴射口
9B 弁座
11 弁体
14 弁ばね
16 ヨーク
18 電磁コイル

Claims (4)

  1. 磁性材料により筒状に形成され内部が燃料通路となった磁性筒体と、磁性材料によって筒状に形成され該磁性筒体内に挿嵌して設けられたコア筒と、該コア筒よりも下流側に位置して前記磁性筒体内に設けられ噴射口を囲んで弁座が形成された弁座部材と、前記コア筒と該弁座部材との間に位置して前記磁性筒体内に変位可能に設けられ該弁座部材の弁座に離着座する弁体と、該弁体を閉弁方向に付勢するため前記コア筒内に挿嵌されたばね受と弁体との間に設けられた弁ばねと、前記磁性筒体の外周側に設けられた磁性材料からなるヨークと、前記磁性筒体の外周側で該ヨークとの間に設けられ通電されたとき前記コア筒、弁体およびヨークを通じて閉磁路を形成することにより前記弁ばねに抗して前記弁体を弁座部材の弁座から離座させる電磁コイルとを備えてなる燃料噴射弁において、
    前記磁性筒体は、軸方向の一側部位が大径部、中間部位が該大径部よりも小径な中径部、軸方向の他側部位が該中径部よりも小径な小径部となる段付の段付筒体として形成し
    記中径部の内側には、軸方向の一側である前記大径部側から前記コア筒を圧入して設け、
    記小径部の内側には、軸方向の他側から前記弁座部材を圧入して設けると共に前記弁体を摺動可能に設け
    記小径部の外側には、軸方向の他側から前記ヨークを圧入して設ける構成としたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記磁性筒体の小径部は、軸方向の一側から途中位置まで厚肉に形成された厚肉筒部と、該厚肉筒部の先端側に位置して該厚肉筒部よりも小さな外径寸法をもって薄肉に形成された薄肉筒部とからなり、前記小径部の厚肉筒部の外周側には前記ヨークを圧入し、前記薄肉筒部の内周側には前記弁座部材を圧入する構成としてなる請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記コア筒は、前記磁性筒体の中径部に圧入される大径圧入部と、該大径圧入部から前記磁性筒体の小径部側に延び該小径部の内径寸法よりも小さな外径寸法の小径スリーブ部とによって形成してなる請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記磁性筒体の大径部には流入口側に位置してフィルタを設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の燃料噴射弁。
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