JP3891841B2 - 伝送システム - Google Patents

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  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は伝送システムに関し、特に並列伝送を行う伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、分散コンピューティングなどのコンピュータシステム、または通信システムなどでは、大容量高速化が求められており、データ伝送としては並列伝送(複数の信号線を用いての信号伝送)が一般に行われている。並列伝送システムに対する、伝送品質を左右する要因のひとつに、スキュー(skew:伝送遅延の差)がある。
【0003】
このスキューが大きい場合、正常な信号処理が行えなくなってくるため、何らかのタイミング調整が必要であるが、従来のシステムでは、遅延回路を用いて、スキューの調整を行い、データの並びをそろえていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の高速ディジタルシステムでは、信号の立ち上がり時間は大幅に短くなり、伝送速度の値が大きくなるにつれ、立ち上がり及び立ち下がりのわずかな変化が大きな意味を持つようになってきている。このため、信号波形におけるわずかなスキューの振る舞いが、セット・アップやホールド・タイムに大きく悪影響を与えることになり、システム性能に劣化をもたらしてしまう。
【0005】
したがって、従来技術として、上記のような単純な遅延回路だけでは、スキューを完全に調整することが困難になってきており、スキュー変動による伝送劣化を効率よく抑制する技術の必要性が高まっている。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、スキュー変動による伝送劣化を改善して、伝送品質の向上を図った伝送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、並列伝送を行う伝送システム1において、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部11と、同期パターンを発生し、パラレルデータに同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部12と、から構成される送信装置10と、伝送遅延差が生じている、複数の同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部21と、同期パターンに対応するパルス信号の生成及び乗り換えデータの同期確立の検出を行う同期確立検出部22と、パルス信号にもとづいて伝送遅延差を検出し、位相調整を行って伝送遅延差をなくす位相調整部23と、から構成される受信装置20と、を有することを特徴とする伝送システム1が提供される。
【0008】
ここで、シリアル/パラレル変換部11は、シリアルデータをパラレルデータに変換する。同期パターン挿入部12は、同期パターンを発生し、パラレルデータに同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する。データ乗り換え部21は、伝送遅延差が生じている、複数の同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成する。同期確立検出部22は、同期パターンに対応するパルス信号の生成及び乗り換えデータの同期確立の検出を行う。位相調整部23は、パルス信号にもとづいて伝送遅延差を検出し、位相調整を行って伝送遅延差をなくす。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の伝送システムの原理図である。伝送システム1は、送信装置10と受信装置20から構成され、並列伝送を行うシステムである。
【0010】
送信装置10に対し、シリアル/パラレル変換部(以下、S/P変換部)11は、シリアルデータをパラレルデータに変換する。同期パターン挿入部12は、同期パターン(あらかじめ設定した固定値からなる固定パターン)を発生し、パラレルデータに同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する。
【0011】
受信装置20に対し、データ乗り換え部21は、伝送遅延差が生じている(スキューが生じている)、複数の同期パターン挿入データを受信し、この同期パターン挿入データの中の1つから、基準クロックを抽出し、その基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成する。
【0012】
同期確立検出部22は、同期パターンに対応するパルス信号の生成及び乗り換えデータの同期確立の検出を行う。位相調整部23は、パルス信号にもとづいて伝送遅延差(スキュー)を検出し、位相調整を行って伝送遅延差をなくす。
【0013】
次に本発明の伝送システム1の構成及び動作について詳しく説明する(第1の実施の形態とする)。最初、図2〜図4を用いて送信装置10の構成及び動作について説明する。図2は送信装置10の構成を示す図である。送信装置10は、S/P変換部11と同期パターン挿入部12を有し、同期パターン挿入部12は、同期パターン発生部12a、セレクタ12b、フリップフロップ(FF)12cから構成される。
【0014】
図3はS/P変換のタイムチャートを示す図である。S/P変換部11は、1:NのS/P変換を行い、高速シリアルデータDaを受信して、N本のパラレルデータDbを生成する。
【0015】
図4は同期パターン挿入データを生成する際のタイムチャートを示す図である。パラレルデータDbのそれぞれのデータに対して、4クロック分(4ビット分)の同期パターンを挿入(上書き)する場合のタイムチャートを示している。なお、図2のセレクタ12bは、入力するセレクト信号Dcが“H”の場合には、同期パターンを選択出力し、“L”の場合には、パラレルデータDbを選択出力するものとする。
【0016】
図4では、パラレルデータDbのA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、…、N1〜N4に対して、セレクト信号Dcが“H”となり、同期パターンのデータda1〜da4、db1〜db4、dc1〜dc4、…、dn1〜dn4が挿入されて、同期パターン挿入データDdが生成されている。
【0017】
また、図2から、同期パターン挿入データDdは、クロックck0の変化エッジでデータを保持するフリップフロップ12cを通じて送信装置10から送出される。
【0018】
次に図5〜図7を用いて受信装置20の構成及び動作について説明する。図5は受信装置20の構成を示す図である。受信装置20は、データ乗り換え部21と同期確立検出部22と位相調整部23を有し、データ乗り換え部21は、DCR(Digital Clock Recovery)21a−1〜21a−nとビット乗り換え部21bから構成される。
【0019】
図6はデータ乗り換えのタイムチャートを示す図である。送信装置10から送信されたデータは、受信装置20の到達時には伝送遅延差が発生しており(このときのデータを同期パターン挿入データDeとする)、図に示すようなずれが生じているものとする。また、図中の上向き矢印は、各データのクロック成分を示している。
【0020】
図5のDCR21a−1〜21a−nは、同期パターン挿入データDeのそれぞれからクロック成分を抽出し、データと共にビット乗り換え部21bへ送信する。ビット乗り換え部21bは、抽出されたクロックの1つを基準クロックとし、この基準クロックを用いて、全データに対してビット単位の乗り換えを行って(1つの基準クロックにすべてのデータを同期させる)、乗り換えデータDfを生成する。図6では、同期パターン挿入データDeの中のデータDe−Aのクロック成分を、基準クロックとしている。
【0021】
図7はデータの位相合わせのタイムチャートを示す図である。同期確立検出部22は、乗り換えデータDfの同期を確立して(同期確立検出部22内部には、同期保護段が設けられており、あらかじめ設定してある保護段数を満たした場合に同期が確立したと認識する)、同期確立データDg(図的には乗り換えデータDfと同じ形)を出力する。
【0022】
また、図5の同期確立検出部22では、同期確立データDgの各データの同期パターンに対応するパルス信号Dhが生成されている。パルス信号Dhは、同期パターンの存在区間を示す信号であり、例えば図では、同期パターンデータda1〜da4、db1〜db4、dc1〜dc4、…、dn1〜dn4の区間が“H”となり、それ以外では“L”となる信号で表されている。パルス信号Dhのそれぞれの信号を、パルスDh−a、Dh−b、Dh−c、…、Dh−nとする。
【0023】
図5の位相調整部23は、パルスDh−a、Dh−b、Dh−c、…、Dh−nから、同期確立データDgの伝送遅延差を認識できるので、例えば、パルス信号Dh−aを基準にして、他の同期確立データの位相を合わせ、伝送遅延差をなくした位相調整信号Diを生成する。
【0024】
以上説明したように、本発明の伝送システム1は、送信装置10側では、パラレルデータに同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する。受信装置20側では、基準クロックによるデータ乗り換えを行って、乗り換えデータを生成し、同期パターンに対応するパルス信号を生成して、パルス信号にもとづき位相調整を行う構成とした。これにより、スキュー変動による伝送劣化を改善して、伝送品質の向上を図ることが可能になる。
【0025】
次に第2の実施の形態について説明する。図8は第2の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。第2の実施の形態である伝送システム1aに対し、送信装置10aは、アラーム情報収集部13を含む。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0026】
アラーム情報収集部13は、送信側でのアラーム情報を収集する。そして、異常状態が発生し、その後に異常状態から復帰したことを、アラーム情報により認識した場合は、その旨を知らせるための異常状態復帰通知信号を同期パターン挿入部12へ送信する。
【0027】
同期パターン挿入部12では、異常状態復帰通知信号を受信すると、異常状態復帰直後の一定時間内だけ、同期パターンを正常時よりも高密度に挿入する。
例えば、正常時には100クロックおきに同期パターンを挿入していた場合、異常状態復帰直後の一定時間内では、20クロックおきに同期パターンを挿入するようにする。このような制御を行うことで、第2の実施の形態では、受信装置20側での同期確立検出部22において、同期外れから同期確立までの時間を短くでき、異常状態復帰直後には同期を早く確立させることが可能になる(位相調整部23での位相合わせ時間も短くなる)。
【0028】
次に第3の実施の形態について説明する。図9は第3の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。第3の実施の形態である伝送システム1bに対し、送信装置10bは、初期状態検出部14を含む。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0029】
初期状態検出部14は、運用開始時の初期状態を検出する。そして、初期状態が検出された場合は、その旨を知らせるための初期状態検出信号を同期パターン挿入部12へ送信する。
【0030】
同期パターン挿入部12では、初期状態検出信号を受信すると、初期状態直後の一定時間内だけ、同期パターンを正常時よりも高密度に挿入する。このような制御を行うことで、第3の実施の形態では、受信装置20側での同期確立検出部22において、同期外れから同期確立までの時間を短くでき、初期状態直後には同期を早く確立させることが可能になる。
【0031】
次に第4の実施の形態について説明する。図10は第4の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。第4の実施の形態である伝送システム1cに対し、受信装置20c内部の同期確立検出部22は、同期確立または同期外れの状態を示す同期状態通知信号を送信装置10c内部の同期パターン挿入部12へ送信する。そして、同期パターン挿入部12は、受信した同期状態通知信号にもとづき、同期パターンの挿入密度を変化させる。
【0032】
具体的には、同期パターン挿入部12は、同期状態通知信号により、同期確立を認識した場合には、同期パターンを低密度に挿入し(例えば、20クロックおきから100クロックおきに同期パターンを挿入)、同期外れを認識した場合には、同期パターンを高密度に挿入する(例えば、100クロックおきから20クロックおきに同期パターンを挿入)。
【0033】
このように、第4の実施の形態では、同期確立時には低密度、同期外れの時は高密度に同期パターンを挿入することで、より柔軟性が高い位相調整制御を行うことが可能になる。
【0034】
次に第5の実施の形態について説明する。図11は第5の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。第5の実施の形態である伝送システム1dに対し、受信装置20d内部の同期確立検出部22は、同期確立または同期外れの状態を示す同期状態通知信号を、送信装置10d内部の同期パターン挿入部12と、位相調整部23へ送信する。
【0035】
同期パターン挿入部12及び位相調整部23は、受信した同期状態通知信号により、同期が確立されたことを認識すると、同期パターン挿入部12(同期パターン発生部12d)では同期パターンの挿入を停止し、位相調整部23では位相調整制御を停止する。
【0036】
このように、第5の実施の形態では、伝送路間で一度同期が確立して、受信側で位相調整が行われた後には、同期パターン挿入部12及び位相調整部23での制御動作を停止する。これにより、消費電力を抑制することが可能になる。
【0037】
次に本発明を応用した伝送システムについて説明する。図12は伝送システムの構成を示す図である。伝送システム1−1は、送信装置100と受信装置200から構成される。
【0038】
送信装置100に対し、S/P変換部101は、シリアルデータをパラレルデータに変換する。誤り訂正演算部102は、パラレルデータに対して、誤り訂正演算(FEC:Forward Error Collection)を施す。同期パターン挿入部103は、誤り訂正の演算結果と、同期パターンとをパラレルデータに挿入して、同期パターン挿入データを生成する。
【0039】
受信装置200に対して、データ乗り換え部201は、伝送遅延差が生じている、複数の同期パターン挿入データの1つから基準クロックを抽出し、その基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成する。
【0040】
検出タイミング信号生成部202は、同期パターンを検出するための検出タイミング信号を発生する。同期保護カウンタ203−1〜203−mは、同期パターンと検出タイミング信号との位相が、設定回数連続して一致した場合には、同期確立と認識して、同期フラグをイネーブルにする。
【0041】
セレクタ204は、同期フラグをイネーブルにした同期保護カウンタの組み合わせからデータ選択信号を生成する。シフトレジスタ205−1〜205−nは、乗り換えデータの位相をシフトして複数のシフトデータを出力する。
【0042】
再生部206は、データ選択信号にもとづいて、シフトデータの中から、互いに伝送遅延差のないデータを選択し、選択したデータに対して、誤り訂正演算を施して誤り検出・訂正を行い、元のパラレルデータを再生する。
【0043】
次に伝送システム1−1を、2パラレルデータを対象にした3ビット以上の誤りを訂正できるシステムとして動作について詳しく説明する。最初、図13〜図15を用いて送信装置100の動作について説明する。
【0044】
図13は送信装置100の構成を示す図であり(図12で示した構成要素と同じ)、図14、図15は同期パターン挿入データを生成する際のタイムチャートを示す図である。図のA1、B1、C1及びA2、B2、C2は、データのビットを表す。
【0045】
図13のS/P変換部101は、1:2のS/P変換を行い、シリアルデータから2本のパラレルデータ(A)、(B)を生成する。また、誤り訂正演算部102は、パラレルデータ(A)の誤り訂正の演算範囲をA1、B1、C1の3ビットとし、パラレルデータ(B)の誤り訂正の演算範囲をA2、B2、C2の3ビットとする。
【0046】
そして、この範囲で誤り訂正演算を行い、誤り訂正の演算結果をD1、D2として、図14、図15に示す位置に付加する(ただし、ビットを付加する分、クロック速度を上げる等の処理は必要である)。
【0047】
さらに、図13の同期パターン挿入部103は、1つの演算範囲の中に1ビットだけ、同期パターンを挿入する。この場合、同期パターンを3つの演算範囲に渡って、“1”、“0”、“1”を順に挿入していく(ここの例では、B1とB2に上書きする)。このような処理が行われて、同期パターン挿入データ(C)、(D)が生成され、送信装置100から出力される。
【0048】
なお、同期パターンを挿入する場合、ビットずれを起す範囲より、同期パターン挿入間隔が小さいと、誤同期の可能性が高くなるため、同期パターンの挿入間隔は、ビットずれを起す範囲より大きくすることが必要である(ここの例では“101”を挿入する際に、最初の“1”から最後の“1”まで9クロック要している)。
【0049】
次に図16〜図22を用いて受信装置200の動作について説明する。図16は受信装置200の構成を示す図であり(図12で示した構成要素と同じ)、図17、図18は同期パターン挿入データと検出タイミング信号を示すタイムチャートである。
【0050】
送信装置100から送信されたデータは、受信装置200の到達時には伝送遅延差が発生してビットずれを起している。データ乗り換え部201は、これらのデータを受信して、第1の実施の形態で上述したような乗り換え処理を行って、乗り換えデータ(E)、(F)を生成する。
【0051】
一方、図16の検出タイミング信号生成部202では、同期パターンを検出するための検出タイミング信号を出力する。この場合、必要な検出タイミング信号の本数は、パラレル数×(演算範囲ビット数+演算範囲結果付加ビット数)の算出式から求める。ここでは、2×(3+1)=8となり、8本の検出タイミング信号を出力することになる。
【0052】
図17、図18では、乗り換えデータ(E)の同期パターン“101”を検出するために、検出タイミング信号(G)〜(J)が出力し、乗り換えデータ(F)の同期パターン“101”を検出するために、検出タイミング信号(K)〜(N)が出力する。
【0053】
なお、ここでは検出タイミング信号(H)が、乗り換えデータ(E)の同期パターン“101”の位相と一致し、検出タイミング信号(M)が乗り換えデータ(F)の同期パターン“101”の位相と一致している。
【0054】
図19、図20は同期保護カウンタによる同期確立状態を示すタイムチャートである。図中の(O)〜(V)は同期保護カウンタ203−1〜203−8それぞれの同期確立状態を示すものである。タイミング関係がわかりやすいように、検出タイミング信号(G)〜(N)も合わせて示す。
【0055】
同期保護カウンタ203−1〜203−8は、検出タイミング信号毎に設置され、図16に示すように、乗り換えデータ(E)は、同期保護カウンタ203−1〜203−4に入力し、検出タイミング信号(G)〜(J)のそれぞれは、同期保護カウンタ203−1〜203−4に1:1に対応して入力する。
【0056】
また、乗り換えデータ(F)は、同期保護カウンタ203−5〜203−8に入力し、検出タイミング信号(K)〜(N)のそれぞれは、同期保護カウンタ203−5〜203−8に1:1に対応して入力する。
【0057】
同期保護カウンタ203−1〜203−8はそれぞれ、乗り換えデータ(E)、(F)中の同期パターンと検出タイミング信号との位相が、設定回数連続して一致するか否かを検出する。そして、同期確立を検出した場合には、その旨を示す同期フラグをイネーブルにする(“H”にする)。なお、ここでは2回連続して一致した場合に、同期確立とみなすことにする。
【0058】
上述したように、検出タイミング信号(H)が乗り換えデータ(E)の“101”の位相と一致し、検出タイミング信号(M)が乗り換えデータ(F)の“101”の位相と一致している。
【0059】
したがって、これらが2回連続して位相が一致したときには、同期保護カウンタ203−2(乗り換えデータ(E)と検出タイミング信号(H)が入力)及び同期保護カウンタ203−7(乗り換えデータ(F)と検出タイミング信号(M)が入力)により、同期確立が検出されて、同期フラグがイネーブルになる。
【0060】
図19、図20に示すように、同期保護カウンタ203−2、203−7は、同期確立の検出時、それぞれの同期フラグFL2、FL7を“H”に設定している。
【0061】
図21、図22はシフトデータからパラレルデータ再生までのタイムチャートを示す図である。図16のシフトレジスタ205−1、205−2は、誤り訂正演算範囲+演算結果挿入ビット数分のシフトデータを出力する。ここの例では、3+1=4により、それぞれ4つのシフトデータを出力する。
【0062】
したがって、シフトレジスタ205−1は、乗り換えデータ(E)を受信して、乗り換えデータ(E)の位相をシフトし、図21、図22に示すような1ビットづつシフトした1段目〜4段目の4つのシフトデータを出力する。
【0063】
シフトレジスタ205−2は、乗り換えデータ(F)を受信して、乗り換えデータ(F)の位相をシフトし、図21、図22に示すような1ビットづつシフトした1段目〜4段目の4つのシフトデータを出力する。
【0064】
一方、図16のセレクタ204は、同期保護カウンタ203−2からのフラグFL2と、同期保護カウンタ203−7からのフラグFL7とから、データ選択信号を生成する。データ選択信号は、再生部206において、シフトデータの中から、互いに伝送遅延差のないデータを選択するための信号である。
【0065】
再生部206の内部では、このデータ選択信号にもとづき、受信したシフトデータの中からどのデータを選択するかを決める。ここの例では、シフトレジスタ205−1の4段目からの出力シフトデータと、シフトレジスタ205−2の3段目からの出力シフトデータを選択する。この2つのデータは、互いに伝送遅延差のない乗り換えデータ(W)、(X)である。
【0066】
その後、再生部206は、乗り換えデータ(W)、(X)に対して、D1、D2により、その前方にあるA1〜C1、A2〜C2(D1、D2の演算範囲であったデータ)のビット誤りを検出・訂正し(例えば、A1〜C1まで誤り訂正演算を行い、結果をD1と比較することで、同期パターン“1”の部分の誤りを検出し、B1に訂正する)、図21、図22に示すようなパラレルデータ(Y)、(Z)を再生する。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、スキュー変動による伝送劣化を改善して、伝送品質の向上を図ることができる。また、ユニット間のデータの配線遅延を考慮せずにすむので、柔軟度の高いユニットの実装設計やバックボードの配線設計を行うことが可能になる。
【0068】
なお、上記で説明した伝送システム1−1に対して、第2の実施の形態で上述したアラーム情報収集部13や、第3の実施の形態で上述した初期状態検出部14を、送信装置100に設けて、同期パターン挿入部103に対して、同期パターンの挿入密度を変化させることもできる(異常状態復帰直後または初期状態直後の一定時間内では同期パターンを高密度に挿入させる)。
【0069】
また、伝送システム1−1に対して、第4の実施の形態で上述したような動作を行うために、同期保護カウンタ203からの同期フラグ(またはセレクタ204からのデータ選択信号)を同期状態通知信号として、同期パターン挿入部103へ送信し、同期パターン挿入部103がこの通知信号から、同期確立を認識した場合には、同期パターンを低密度に挿入し、同期外れを認識した場合には、同期パターンを高密度に挿入することもできる。
【0070】
さらに、伝送システム1−1に対して、第5の実施の形態で上述したような動作を行うために、同期保護カウンタ203からの同期フラグ(またはセレクタ204からのデータ選択信号)を同期状態通知信号として、同期パターン挿入部103や検出タイミング信号生成部202へ送信し、この通知信号から同期確立が認識された場合には、同期パターン挿入部103、検出タイミング信号生成部202及び同期保護カウンタ203の制御動作を停止して消費電力を低減することもできる。
【0071】
(付記1) 並列伝送を行う伝送システムにおいて、
シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、同期パターンを発生し、前記パラレルデータに前記同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、から構成される送信装置と、
伝送遅延差が生じている、複数の前記同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、前記同期パターンに対応するパルス信号の生成及び前記乗り換えデータの同期確立の検出を行う同期確立検出部と、前記パルス信号にもとづいて前記伝送遅延差を検出し、位相調整を行って前記伝送遅延差をなくす位相調整部と、から構成される受信装置と、
を有することを特徴とする伝送システム。
【0072】
(付記2) 送信側でのアラーム情報を収集するアラーム情報収集部をさらに有し、前記アラーム情報から異常状態の復帰が認識された場合は、前記同期パターン挿入部は、異常状態復帰直後の一定時間内では、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記1記載の伝送システム。
【0073】
(付記3) 運用開始時の初期状態を検出する初期状態検出部をさらに有し、前記初期状態が検出された場合、前記同期パターン挿入部は、初期状態直後の一定時間内に、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記1記載の伝送システム。
【0074】
(付記4) 前記同期確立検出部は、同期確立または同期外れの状態を示す同期状態通知信号を出力し、前記同期パターン挿入部は、前記同期状態通知信号により、同期確立を認識した場合、前記同期パターンを低密度に挿入し、同期外れを認識した場合、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記1記載の伝送システム。
【0075】
(付記5) 前記同期確立検出部は、同期外れまたは同期確立の状態を示す同期状態通知信号を出力し、前記同期パターン挿入部及び前記位相調整部は、前記同期状態通知信号により、同期確立を認識した場合には、制御動作を停止することを特徴とする付記1記載の伝送システム。
【0076】
(付記6) 並列データの送信を行う送信装置において、
シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、
同期パターンを発生し、前記パラレルデータに前記同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、
を有することを特徴とする送信装置。
【0077】
(付記7) 並列データの受信を行う受信装置において、
同期パターンが挿入され、伝送遅延差が生じている、複数の同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、
前記同期パターンに対応するパルス信号の生成及び前記乗り換えデータの同期確立の検出を行う同期確立検出部と、
前記パルス信号にもとづいて伝送遅延差を検出し、位相調整を行って前記伝送遅延差をなくす位相調整部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【0078】
(付記8) 並列伝送を行う伝送システムにおいて、
シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、前記パラレルデータに対して、誤り訂正演算を施す誤り訂正演算部と、誤り訂正演算結果と同期パターンとを前記パラレルデータに挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、から構成される送信装置と、
伝送遅延差が生じている、複数の前記同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、前記同期パターンを検出するための検出タイミング信号を発生する検出タイミング信号生成部と、前記同期パターンと前記検出タイミング信号との位相が、設定回数連続して一致した場合には、同期確立と認識して、同期フラグをイネーブルにする同期保護カウンタと、前記同期フラグをイネーブルにした同期保護カウンタの組み合わせからデータ選択信号を生成するセレクタと、前記乗り換えデータの位相をシフトして複数のシフトデータを出力するシフトレジスタと、前記データ選択信号にもとづいて、前記シフトデータの中から、互いに伝送遅延差のないデータを選択し、誤り訂正演算を施して誤り検出・訂正を行い、前記パラレルデータを再生する再生部と、から構成される受信装置と、
を有することを特徴とする伝送システム。
【0079】
(付記9) 送信側でのアラーム情報を収集するアラーム情報収集部をさらに有し、前記アラーム情報から異常状態の復帰が認識された場合は、前記同期パターン挿入部は、異常状態復帰直後の一定時間内では、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記8記載の伝送システム。
【0080】
(付記10) 運用開始時の初期状態を検出する初期状態検出部をさらに有し、前記初期状態が検出された場合、前記同期パターン挿入部は、初期状態直後の一定時間内に、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記8記載の伝送システム。
【0081】
(付記11) 前記同期パターン挿入部は、同期確立を認識した場合には、前記同期パターンを低密度に挿入し、同期外れを認識した場合には、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする付記8記載の伝送システム。
【0082】
(付記12) 前記同期パターン挿入部、前記同期保護カウンタ及び検出タイミング信号生成部は、同期確立を認識した場合には、制御動作を停止することを特徴とする付記8記載の伝送システム。
【0083】
(付記13) 並列データの送信を行う送信装置において、
シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、
前記パラレルデータに対して、誤り訂正演算を施す誤り訂正演算部と、
誤り訂正演算結果と同期パターンとを前記パラレルデータに挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、
を有することを特徴とする送信装置。
【0084】
(付記14) 並列データの受信を行う受信装置において、
誤り訂正演算結果と同期パターンとが挿入され、伝送遅延差が生じている、複数の前記同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、
前記同期パターンを検出するための検出タイミング信号を発生する検出タイミング信号生成部と、
前記同期パターンと前記検出タイミング信号との位相が、設定回数連続して一致した場合には、同期確立と認識して、同期フラグをイネーブルにする同期保護カウンタと、
前記同期フラグをイネーブルにした前記同期保護カウンタの組み合わせからデータ選択信号を生成するセレクタと、
前記乗り換えデータの位相をシフトして複数のシフトデータを出力するシフトレジスタと、
前記データ選択信号にもとづいて、前記シフトデータの中から、互いに伝送遅延差のないデータを選択し、誤り訂正演算を施して誤り検出・訂正を行い、前記パラレルデータを再生する再生部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の伝送システムは、送信装置側では、パラレルデータに同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する。受信装置側では、複数の同期パターン挿入データの1つから基準クロックを抽出して、全データを乗り換え、乗り換えデータを生成して同期を確立し、同期パターンに対応するパルス信号を生成して、パルス信号にもとづき位相調整を行う構成とした。これにより、スキュー変動による伝送劣化を改善して、伝送品質の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝送システムの原理図である。
【図2】送信装置の構成を示す図である。
【図3】S/P変換のタイムチャートを示す図である。
【図4】同期パターン挿入データを生成する際のタイムチャートを示す図である。
【図5】受信装置の構成を示す図である。
【図6】データ乗り換えのタイムチャートを示す図である。
【図7】データの位相合わせのタイムチャートを示す図である。
【図8】第2の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図9】第3の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図10】第4の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図11】第5の実施の形態の伝送システムの構成を示す図である。
【図12】伝送システムの構成を示す図である。
【図13】送信装置の構成を示す図である。
【図14】同期パターン挿入データを生成する際のタイムチャートを示す図である。
【図15】同期パターン挿入データを生成する際のタイムチャートを示す図である。
【図16】受信装置の構成を示す図である。
【図17】同期パターン挿入データと検出タイミング信号を示すタイムチャートである。
【図18】同期パターン挿入データと検出タイミング信号を示すタイムチャートである。
【図19】同期保護カウンタによる同期確立状態を示すタイムチャートである。
【図20】同期保護カウンタによる同期確立状態を示すタイムチャートである。
【図21】シフトデータからパラレルデータ再生までのタイムチャートを示す図である。
【図22】シフトデータからパラレルデータ再生までのタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 伝送システム
10 送信装置
11 S/P変換部
12 同期パターン挿入部
20 受信装置
21 データ乗り換え部
22 同期確立検出部
23 位相調整部

Claims (5)

  1. 並列伝送を行う伝送システムにおいて、
    シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、同期パターンを発生し、前記パラレルデータに前記同期パターンを挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、から構成される送信装置と、
    伝送遅延差が生じている、複数の前記同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、前記同期パターンに対応するパルス信号の生成及び前記乗り換えデータの同期確立の検出を行う同期確立検出部と、前記パルス信号にもとづいて前記伝送遅延差を検出し、位相調整を行って前記伝送遅延差をなくす位相調整部と、から構成される受信装置と、
    を有することを特徴とする伝送システム。
  2. 送信側でのアラーム情報を収集するアラーム情報収集部をさらに有し、前記アラーム情報から異常状態の復帰が認識された場合は、前記同期パターン挿入部は、異常状態復帰直後の一定時間内では、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする請求項1記載の伝送システム。
  3. 運用開始時の初期状態を検出する初期状態検出部をさらに有し、前記初期状態が検出された場合、前記同期パターン挿入部は、初期状態直後の一定時間内に、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする請求項1記載の伝送システム。
  4. 前記同期確立検出部は、同期確立または同期外れの状態を示す同期状態通知信号を出力し、前記同期パターン挿入部は、前記同期状態通知信号により、同期確立を認識した場合、前記同期パターンを低密度に挿入し、同期外れを認識した場合、前記同期パターンを高密度に挿入することを特徴とする請求項1記載の伝送システム。
  5. 並列伝送を行う伝送システムにおいて、
    シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル/パラレル変換部と、前記パラレルデータに対して、誤り訂正演算を施す誤り訂正演算部と、誤り訂正演算結果と同期パターンとを前記パラレルデータに挿入して、同期パターン挿入データを生成する同期パターン挿入部と、から構成される送信装置と、
    伝送遅延差が生じている、複数の前記同期パターン挿入データの1つから、基準クロックを抽出し、前記基準クロックに対して、全データを乗り換えて、乗り換えデータを生成するデータ乗り換え部と、前記同期パターンを検出するための検出タイミング信号を発生する検出タイミング信号生成部と、前記同期パターンと前記検出タイミング信号との位相が、設定回数連続して一致した場合には、同期確立と認識して、同期フラグをイネーブルにする同期保護カウンタと、前記同期フラグをイネーブルにした同期保護カウンタの組み合わせからデータ選択信号を生成するセレクタと、前記乗り換えデータの位相をシフトして複数のシフトデータを出力するシフトレジスタと、前記データ選択信号にもとづいて、前記シフトデータの中から、互いに伝送遅延差のないデータを選択し、誤り訂正演算を施して誤り検出・訂正を行い、前記パラレルデータを再生する再生部と、から構成される受信装置と、
    を有することを特徴とする伝送システム。
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