JP3891495B2 - 橋梁床版打設用打継ぎ目機構及びその堰板 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁の床版のコンクリートの打設工事において打継ぎ目を形成するための橋梁床版打設用打継ぎ目機構とこの打継ぎ目機構を構成するための堰板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の床版は、型枠で囲まれる空間内に鉄筋を縦横に配列したのち、この型枠内にコンクリートを打設することによって形成される。すなわち、図10の縦断面図と、そのB─B横断面図である図11とに示されるように、上下方向と橋梁の幅方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら橋梁の長手方向に配力鉄筋7が延長されると共に、上下方向と橋梁の長手方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら配力鉄筋7と直角の方向に主鉄筋8が延長される。そして、これら配力鉄筋7と主鉄筋8とを囲む底面と側面とから成る橋梁床版型枠9が形成され、その内部にコンクリート6が打設される。典型的には、配力鉄筋7の直径は16mm程度、主鉄筋8の直径は19mm程度である。さらに、配力鉄筋7相互や主鉄筋8相互の間隔は中心間で10cm〜30cmであり、床版の厚みは20cm〜25cm程度の範囲である。
【0003】
上述のような構造の橋梁床版を形成するためのコンクリートの打設工事は、橋梁の全長にわたって1回で終了することが望ましい。しかしながら、コンクリートの打設施行能力に限界があるため、実際には、橋梁の全長を複数の区間に分割し、各区間について順次、複数回に分けて打設している。この場合、打設対象区間の端部は打継ぎ目と称され、この打継ぎ目には打設された流動性のコンクリートを固化するまで堰止めておくために、打継ぎ目型枠と称される堰止め機構が形成される。
【0004】
従来の橋梁床版打設用打継ぎ目型枠は、上述したように、図10と図11とに示すような構成となっている。橋梁の幅方向に複数分割された木製の堰板21を桟木22によって床版型枠9上に直立させて固定すると共に、桟木22を介在させながら木製の支保工材24で補強する。そして、堰板21間の空隙を塞ぐために、橋梁の幅方向に連続した木製の薄板23を上下の配力鉄筋7の間と、主鉄筋8と床版型枠9との間に配置している。配力鉄筋7の最上部には、堰板21の固定と、打継ぎ面を合いじゃくりの階段状に形成することとを兼ねた木製のバタ角型枠材2が固定される。上記堰板21、桟木22、薄板23、支保工材24、床版型枠9相互間の結合は釘打ちによって行われる。
【0005】
また、本出願人が先に行った「橋梁床版打設用打継ぎ目機構」と題する特許出願(特開平9ー273122号公報) によれば、従来の堰板の代わりに、チューブ型枠を用いた打継ぎ目機構が開示されている。この打継ぎ目機構では、配力鉄筋7の間に、橋梁の幅方向に連続する長いチューブ型枠と、これら上下のチューブ型枠の間に介在せしめられるパッキンとが配置され、各チューブ型枠に圧縮空気が注入され膨張せしめられることにより堰止めが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図10と図11に例示した従来の橋梁床版打設用打継ぎ目型枠では、堰板21や、薄板23などを始めとする各木製部材を釘打ちによって固定している。このため、比較的小型の構築物であるにも係わらず、これを設置したり除去したりするための作業に多大な労力と時間を要するという問題がある。また、鉄筋が錯綜した狭隘な空間内に型枠を設置しなければならないため、熟練した型枠工が必要になり、工費がかさむという問題もある。
【0007】
また、従来の打継ぎ目機構では、配力鉄筋7によって囲まれる幅方向の各領域を堰止めるために、矩形状の堰板21と、同じく矩形状の薄板23とを直角に組合せている。このため、円形断面の配力鉄筋7の周辺に形成される窓の形状は円に外接する矩形状となり、打設直後の流動性に富むコンクリートが各窓の四隅から漏洩し易くなるという問題がある。
【0008】
更に、上記従来の打継ぎ目型枠では、多数の堰板が必要になるという問題もある。例えば、全長200 メートル、横幅12メートル程度の橋梁については、1箇所の打継ぎ目の必要枚数を85枚、打継ぎ目箇所を8箇所と見積もると、680 枚という多数の堰板が必要になり、型枠設置費用が高騰するという問題もある。
【0009】
また、上記本出願人の先願に係わるチューブ型枠を用いた橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、反復使用が可能という利点を有するが、チューブ型枠の前面にこの前面を平面状に保てる程度の剛性を備えた板状体が付加されるため、チューブ型枠を上下の配力鉄筋の間に設置するのに手間がかかり、打継ぎ目機構の組み立てと撤去のための作業が煩雑になるなどの問題がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、設置や撤去の作業が容易で、しかも反復使用が可能な構成要素を用いた橋梁床版打設用打継ぎ目機構を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の問題点を解決する本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、橋梁の長手方向に延長される配力鉄筋群のうち橋梁の幅方向に隣接するものの間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接するものの間を堰止める矩形状の板状体であって、その設置の際の幅方向の両端部が隣接する配力鉄筋群のそれぞれに対して押圧された際に縮小して配力鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成されると共に、その設置の際に水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えた堰板と、これらの堰板を、橋梁の長手方向に固定する長手方向固定機構とを備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態によれば、上記長手方向固定機構は、上記堰板の前方において配力鉄筋群の最上部に固定され幅方向に延長される第1の柱状体と、上記堰板の後方において配力鉄筋群の最上部に固定され幅方向に延長される第2の柱状体(バックアップ材)と、第2の柱状体と堰板との間に圧入される楔状体とを備えている。
【0013】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、第1の柱状体は、打継ぎ目部に階段状の合いじゃくり断面を形成することを兼ねたバタ角型枠材である。
【0014】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、第2の柱状体を配力鉄筋の最上部に固定する機構は、先端部に配力鉄筋群への係止機構が形成された第1のアームと、この第1のアームの根元部から折り曲げられると共に先端部にネジ溝が形成された水平アームとから成るL字状部材と、このL字状部材の水平アームの先端部のネジ溝に螺合せしめられ回転によって下方に移動することによりその先端面によって第2の柱状体を配力鉄筋群の頂面に押圧する螺子溝を有する棒状体とを備える。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図、図2は図1のA─A断面図、図3は平面図である。図1乃至図3において、1は堰板、2はバタ角型枠材、3はバックアップ材、4は楔、5はL形クランプ、6は打設されたコンクリート、7は配力鉄筋、8は主鉄筋、9は床版型枠である。
【0016】
まず、この打継ぎ目機構が形成されるコンクリート打設前の橋梁床版では、上下方向と橋梁の幅方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら橋梁の長手方向に配力鉄筋7が延長されると共に、上下方向と橋梁の長手方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら配力鉄筋7とほぼ直角の方向に主鉄筋8が延長されている。そして、上記配力鉄筋7と主鉄筋8の組み立てと前後して、これらの鉄筋7,8を囲む底面と側面とから成る橋梁床版型枠9が形成され、この型枠9の内部にコンクリート6が打設される。
【0017】
堰板1は、図1乃至図3を参照すれば、橋梁の幅方向に隣接する配力鉄筋7の間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接する配力鉄筋7の間を堰止める矩形状の板状体から成る。堰板1は、図4の正面図と図5、図6の平面図とを参照すれば、適当な強度、剛性及びコンクリートへの対腐食性を備えた樹脂などを素材とする板状体1aが、その中央部に形成されている。設置の際に橋梁の幅方向に配列される板状体1aの両端部には、適当に柔らかな弾性とコンクリートへの耐腐食性とを備えた発泡ゴムなどを素材とするパッキン1cが接着などの適宜な固定機構によって固定されている。
【0018】
このパッキン1cは、図2に示すように、この橋梁床版打設用打継ぎ目機構を組み立てる際に、配力鉄筋7に対する押圧力によって縮み、この配力鉄筋7の少なくとも幅方向の半分の進入を許容すると共に、この打継ぎ目機構の撤去に伴う押圧力の消滅後には、塑性変形を残すことなく膨張して原形に復帰できる程度の弾性と厚みとを備えている。
【0019】
この実施例では、堰板1の平面図の図5と図6とに示すように、パッキン1cの横方向の幅が配力鉄筋7の直径の1乃至2倍程度であると共に、パッキン1cの横方向の幅のほぼ半分ないし3分の1程度が板状体1aの端部によって覆われている。パッキン1cを取付ける板状体1aの両端部がL字形状を呈するため、幅方向への取付け位置の再現性が向上する。この打継ぎ目機構の組み立て時に、配力鉄筋7の最も外側に突出した部分によって押圧されるパッキン1cの厚みが0.7 〜0.5 倍程度に縮小することにより、この配力鉄筋7の横幅の半分を受け入れる。これに伴い、図2に示すように、隣接して設置される堰板1の板状体1aの端部が配力鉄筋7の最も外側に突出した箇所に接触する。
【0020】
堰板1の板状体1aの幅方向の中央部には上下方向にV字断面形状の溝1dが形成され、これに伴い曲げに対する剛性が小さな薄肉部1dが形成されている。図5と図6の平面図を参照すれば、この堰板1は、打継ぎ目機構内への設置時など必要な場合には、曲げ剛性の小さな薄肉部1dを境にして水平面内においてV字状に屈曲される。
【0021】
上述のように、上下方向に配列される複数の配力鉄筋7で左右両側が囲まれる領域を単一の堰板で堰止める構成であるから、配力鉄筋7の上下方向の間隔が異なる種々の橋梁床版に対しても同一の堰板を共通使用できるという利点がある。なお、各種の橋梁床版の配力鉄筋7の幅方向の間隔は、20cm、25cm、30cmなどであり、この点を考慮して、それぞれの間隔に合った幅の堰板を用意しておくことにより、種々の橋梁床版にそれぞれの堰板を使用できる。
【0022】
次に、図1乃至図3に示す橋梁床版打設用打継ぎ目機構の組み立て方法と共に他の構成要素について説明する。まず、バタ角型枠材2をその長手方向が橋梁の幅方向になるように最上部の配力鉄筋7の上に載置し、針金による緊縛などの適宜な方法でこの最上部の配力鉄筋7の上に固定する。この後、図7の平面図の区分(A)に例示するように、堰板1をV字状に屈曲させた状態で隣接する配力鉄筋7の間に挿入する。続いて、矢印Yで示すように堰板1の中央部分をバタ角型枠材2に向けて押圧すると、堰板1の左右両端部が外側に移動し、左右両端部のパッキン1cが配力鉄筋7によって圧縮される。この結果、同図中の区分(B)に示すように、堰板1はその左右両端部のパッキン1c内に配力鉄筋7を受け入れながら平坦になる。
【0023】
上述のようにして堰板1の挿入が終了すると、図1乃至図3に示すように、堰板1との間に楔を圧入するための適当な空隙を形成しながら堰板1の背後の配力鉄筋7上にバックアップ材3が載置される。続いて、このバックアップ材3を配力鉄筋7上に固定するためのL形クランプ5が配力鉄筋7上に取り付けられる。このL形クランプ5は、図8と図9に示すように、L形フレーム5aを備えており、このL形フレーム5bの一方の先端部にはこのL形クランプ5を配力鉄筋7に係止するための切り欠き5bが形成されている。L形フレーム5bの他方の先端部にはネジ棒5cを螺合させるためのネジ溝が形成されており、このネジ棒5cの先端部にはスイベルボタンが形成されている。
【0024】
ネジ棒5cがその根元側端部に取付けられたハンドル5eの回転によって下方に移動せしめられると、その先端部に形成されたスイベルボタン5dがバックアップ材3の上面に接触せしめられる。L形フレーム5aの上方への移動は、切り欠き5bによる配力鉄筋7への係止機構によって禁止されているため、ハンドル5eの回転に伴うスイベルボタン5dの下降に伴いバックアップ材3が配力鉄筋7上に強固に押圧される。この結果、バックアップ材3の下面と配力鉄筋7の頂面との間の押圧力と摩擦係数とによって、バックアップ材3が配力鉄筋7上に強固に固定される。
【0025】
最後に、配力鉄筋7上に固定されたバックアップ材3の先端部と、堰板1の幅方向の中央部との間に形成された空隙内に、傾斜面を有する柱状の楔4が打撃によって圧入される。この結果、堰板1が、楔4を介して、バタ角型枠材2とバックアップ材3との間に直立状態で強固に固定される。なお、バックアップ材3の先端面は、楔4のテーパー形状に応じた傾斜面が付与されている。
【0026】
打設されたコンクリートの固化後、あるいは、さらに必要な養生期間の経過後に、この打設用打継ぎ目機構が撤去される。この撤去に際しては、まず、L形クランプ5のハンドル5eが固定時とは逆向きに回転され、L形クランプ5によるバックアップ材3の固定が解除される。続いてL形クランプ5、バックアップ材3、楔4が配力鉄筋7上から撤去され、続いて堰板1とバタ角型枠材2が撤去される。
【0027】
以上、階段状の合いじゃくり断面の形成を兼ねてバタ角型枠材を使用する構成を例示した。しかしながら、そのような階段状の合いじゃくり断面を形成しないような場合には、バタ角型枠材の代わりに堰板に対する他の適宜な固定手段を使用することができる。
【0028】
また、設置時などに堰板に対して水平面内におけるV字状の屈曲を許容するための屈曲許容機構として、この堰板の素材を樹脂とし、その幅方向の中央部においてこの幅方向と直角の向きに薄肉部分を形成する場合を例示した。しかしながら、この屈曲許容機構としては、幅方向に分割した同一形状の2枚の板状体を蝶番やゴムなどの液密性の薄板などで連結する構造など、他の適宜な構造を採用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、幅方向の両端部が配力鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成され、かつ水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えた堰板を橋梁の長手方向に固定する構成であるから、設置や撤去の作業が容易で、しかも反復使用が可能な構成要素を用いた打継ぎ目機構の提供が可能になる。
【0030】
また、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構によれば、配力鉄筋の周囲が弾性体によって密着して囲まれるため、その周辺部からのコンクリートの漏れが有効に防止され、良好な仕上がりの打継ぎ面を形成できるという利点もある。
【0031】
また、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、上下方向に配列される複数の配力鉄筋で左右両側が囲まれる領域を単一の堰板によって堰止める構成であるから、配力鉄筋の上下方向の間隔が異なる各種の仕様の橋梁床版に対しても堰板を共通に使用でき、汎用性の増大に伴い工費が低減されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図2】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図3】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す平面図である。
【図4】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す正面図である。
【図5】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す平面図である。
【図6】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す平面図である。
【図7】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の組み立て手順を説明するための平面図である。
【図8】上記実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素であるL形クランプの構成を示す断面図である。
【図9】上記実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素であるL形クランプの構成を示す部分断面図である。
【図10】従来技術の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図11】上記従来技術の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 堰板
2 バタ角型枠材
3 バックアップ材
4 楔
5 L形クランプ
6 打設されたコンクリート
7 配力鉄筋
8 主鉄筋
9 床版型枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋梁の床版のコンクリートの打設工事において打継ぎ目を形成するための橋梁床版打設用打継ぎ目機構とこの打継ぎ目機構を構成するための堰板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁の床版は、型枠で囲まれる空間内に鉄筋を縦横に配列したのち、この型枠内にコンクリートを打設することによって形成される。すなわち、図10の縦断面図と、そのB─B横断面図である図11とに示されるように、上下方向と橋梁の幅方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら橋梁の長手方向に配力鉄筋7が延長されると共に、上下方向と橋梁の長手方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら配力鉄筋7と直角の方向に主鉄筋8が延長される。そして、これら配力鉄筋7と主鉄筋8とを囲む底面と側面とから成る橋梁床版型枠9が形成され、その内部にコンクリート6が打設される。典型的には、配力鉄筋7の直径は16mm程度、主鉄筋8の直径は19mm程度である。さらに、配力鉄筋7相互や主鉄筋8相互の間隔は中心間で10cm〜30cmであり、床版の厚みは20cm〜25cm程度の範囲である。
【0003】
上述のような構造の橋梁床版を形成するためのコンクリートの打設工事は、橋梁の全長にわたって1回で終了することが望ましい。しかしながら、コンクリートの打設施行能力に限界があるため、実際には、橋梁の全長を複数の区間に分割し、各区間について順次、複数回に分けて打設している。この場合、打設対象区間の端部は打継ぎ目と称され、この打継ぎ目には打設された流動性のコンクリートを固化するまで堰止めておくために、打継ぎ目型枠と称される堰止め機構が形成される。
【0004】
従来の橋梁床版打設用打継ぎ目型枠は、上述したように、図10と図11とに示すような構成となっている。橋梁の幅方向に複数分割された木製の堰板21を桟木22によって床版型枠9上に直立させて固定すると共に、桟木22を介在させながら木製の支保工材24で補強する。そして、堰板21間の空隙を塞ぐために、橋梁の幅方向に連続した木製の薄板23を上下の配力鉄筋7の間と、主鉄筋8と床版型枠9との間に配置している。配力鉄筋7の最上部には、堰板21の固定と、打継ぎ面を合いじゃくりの階段状に形成することとを兼ねた木製のバタ角型枠材2が固定される。上記堰板21、桟木22、薄板23、支保工材24、床版型枠9相互間の結合は釘打ちによって行われる。
【0005】
また、本出願人が先に行った「橋梁床版打設用打継ぎ目機構」と題する特許出願(特開平9ー273122号公報) によれば、従来の堰板の代わりに、チューブ型枠を用いた打継ぎ目機構が開示されている。この打継ぎ目機構では、配力鉄筋7の間に、橋梁の幅方向に連続する長いチューブ型枠と、これら上下のチューブ型枠の間に介在せしめられるパッキンとが配置され、各チューブ型枠に圧縮空気が注入され膨張せしめられることにより堰止めが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図10と図11に例示した従来の橋梁床版打設用打継ぎ目型枠では、堰板21や、薄板23などを始めとする各木製部材を釘打ちによって固定している。このため、比較的小型の構築物であるにも係わらず、これを設置したり除去したりするための作業に多大な労力と時間を要するという問題がある。また、鉄筋が錯綜した狭隘な空間内に型枠を設置しなければならないため、熟練した型枠工が必要になり、工費がかさむという問題もある。
【0007】
また、従来の打継ぎ目機構では、配力鉄筋7によって囲まれる幅方向の各領域を堰止めるために、矩形状の堰板21と、同じく矩形状の薄板23とを直角に組合せている。このため、円形断面の配力鉄筋7の周辺に形成される窓の形状は円に外接する矩形状となり、打設直後の流動性に富むコンクリートが各窓の四隅から漏洩し易くなるという問題がある。
【0008】
更に、上記従来の打継ぎ目型枠では、多数の堰板が必要になるという問題もある。例えば、全長200 メートル、横幅12メートル程度の橋梁については、1箇所の打継ぎ目の必要枚数を85枚、打継ぎ目箇所を8箇所と見積もると、680 枚という多数の堰板が必要になり、型枠設置費用が高騰するという問題もある。
【0009】
また、上記本出願人の先願に係わるチューブ型枠を用いた橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、反復使用が可能という利点を有するが、チューブ型枠の前面にこの前面を平面状に保てる程度の剛性を備えた板状体が付加されるため、チューブ型枠を上下の配力鉄筋の間に設置するのに手間がかかり、打継ぎ目機構の組み立てと撤去のための作業が煩雑になるなどの問題がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、設置や撤去の作業が容易で、しかも反復使用が可能な構成要素を用いた橋梁床版打設用打継ぎ目機構を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の問題点を解決する本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、橋梁の長手方向に延長される配力鉄筋群のうち橋梁の幅方向に隣接するものの間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接するものの間を堰止める矩形状の板状体であって、その設置の際の幅方向の両端部が隣接する配力鉄筋群のそれぞれに対して押圧された際に縮小して配力鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成されると共に、その設置の際に水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えた堰板と、これらの堰板を、橋梁の長手方向に固定する長手方向固定機構とを備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態によれば、上記長手方向固定機構は、上記堰板の前方において配力鉄筋群の最上部に固定され幅方向に延長される第1の柱状体と、上記堰板の後方において配力鉄筋群の最上部に固定され幅方向に延長される第2の柱状体(バックアップ材)と、第2の柱状体と堰板との間に圧入される楔状体とを備えている。
【0013】
本発明の他の好適な実施の形態によれば、第1の柱状体は、打継ぎ目部に階段状の合いじゃくり断面を形成することを兼ねたバタ角型枠材である。
【0014】
本発明の更に他の好適な実施の形態によれば、第2の柱状体を配力鉄筋の最上部に固定する機構は、先端部に配力鉄筋群への係止機構が形成された第1のアームと、この第1のアームの根元部から折り曲げられると共に先端部にネジ溝が形成された水平アームとから成るL字状部材と、このL字状部材の水平アームの先端部のネジ溝に螺合せしめられ回転によって下方に移動することによりその先端面によって第2の柱状体を配力鉄筋群の頂面に押圧する螺子溝を有する棒状体とを備える。
【0015】
【実施例】
図1は本発明の一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図、図2は図1のA─A断面図、図3は平面図である。図1乃至図3において、1は堰板、2はバタ角型枠材、3はバックアップ材、4は楔、5はL形クランプ、6は打設されたコンクリート、7は配力鉄筋、8は主鉄筋、9は床版型枠である。
【0016】
まず、この打継ぎ目機構が形成されるコンクリート打設前の橋梁床版では、上下方向と橋梁の幅方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら橋梁の長手方向に配力鉄筋7が延長されると共に、上下方向と橋梁の長手方向とにほぼ一定の間隔を保ちながら配力鉄筋7とほぼ直角の方向に主鉄筋8が延長されている。そして、上記配力鉄筋7と主鉄筋8の組み立てと前後して、これらの鉄筋7,8を囲む底面と側面とから成る橋梁床版型枠9が形成され、この型枠9の内部にコンクリート6が打設される。
【0017】
堰板1は、図1乃至図3を参照すれば、橋梁の幅方向に隣接する配力鉄筋7の間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接する配力鉄筋7の間を堰止める矩形状の板状体から成る。堰板1は、図4の正面図と図5、図6の平面図とを参照すれば、適当な強度、剛性及びコンクリートへの対腐食性を備えた樹脂などを素材とする板状体1aが、その中央部に形成されている。設置の際に橋梁の幅方向に配列される板状体1aの両端部には、適当に柔らかな弾性とコンクリートへの耐腐食性とを備えた発泡ゴムなどを素材とするパッキン1cが接着などの適宜な固定機構によって固定されている。
【0018】
このパッキン1cは、図2に示すように、この橋梁床版打設用打継ぎ目機構を組み立てる際に、配力鉄筋7に対する押圧力によって縮み、この配力鉄筋7の少なくとも幅方向の半分の進入を許容すると共に、この打継ぎ目機構の撤去に伴う押圧力の消滅後には、塑性変形を残すことなく膨張して原形に復帰できる程度の弾性と厚みとを備えている。
【0019】
この実施例では、堰板1の平面図の図5と図6とに示すように、パッキン1cの横方向の幅が配力鉄筋7の直径の1乃至2倍程度であると共に、パッキン1cの横方向の幅のほぼ半分ないし3分の1程度が板状体1aの端部によって覆われている。パッキン1cを取付ける板状体1aの両端部がL字形状を呈するため、幅方向への取付け位置の再現性が向上する。この打継ぎ目機構の組み立て時に、配力鉄筋7の最も外側に突出した部分によって押圧されるパッキン1cの厚みが0.7 〜0.5 倍程度に縮小することにより、この配力鉄筋7の横幅の半分を受け入れる。これに伴い、図2に示すように、隣接して設置される堰板1の板状体1aの端部が配力鉄筋7の最も外側に突出した箇所に接触する。
【0020】
堰板1の板状体1aの幅方向の中央部には上下方向にV字断面形状の溝1dが形成され、これに伴い曲げに対する剛性が小さな薄肉部1dが形成されている。図5と図6の平面図を参照すれば、この堰板1は、打継ぎ目機構内への設置時など必要な場合には、曲げ剛性の小さな薄肉部1dを境にして水平面内においてV字状に屈曲される。
【0021】
上述のように、上下方向に配列される複数の配力鉄筋7で左右両側が囲まれる領域を単一の堰板で堰止める構成であるから、配力鉄筋7の上下方向の間隔が異なる種々の橋梁床版に対しても同一の堰板を共通使用できるという利点がある。なお、各種の橋梁床版の配力鉄筋7の幅方向の間隔は、20cm、25cm、30cmなどであり、この点を考慮して、それぞれの間隔に合った幅の堰板を用意しておくことにより、種々の橋梁床版にそれぞれの堰板を使用できる。
【0022】
次に、図1乃至図3に示す橋梁床版打設用打継ぎ目機構の組み立て方法と共に他の構成要素について説明する。まず、バタ角型枠材2をその長手方向が橋梁の幅方向になるように最上部の配力鉄筋7の上に載置し、針金による緊縛などの適宜な方法でこの最上部の配力鉄筋7の上に固定する。この後、図7の平面図の区分(A)に例示するように、堰板1をV字状に屈曲させた状態で隣接する配力鉄筋7の間に挿入する。続いて、矢印Yで示すように堰板1の中央部分をバタ角型枠材2に向けて押圧すると、堰板1の左右両端部が外側に移動し、左右両端部のパッキン1cが配力鉄筋7によって圧縮される。この結果、同図中の区分(B)に示すように、堰板1はその左右両端部のパッキン1c内に配力鉄筋7を受け入れながら平坦になる。
【0023】
上述のようにして堰板1の挿入が終了すると、図1乃至図3に示すように、堰板1との間に楔を圧入するための適当な空隙を形成しながら堰板1の背後の配力鉄筋7上にバックアップ材3が載置される。続いて、このバックアップ材3を配力鉄筋7上に固定するためのL形クランプ5が配力鉄筋7上に取り付けられる。このL形クランプ5は、図8と図9に示すように、L形フレーム5aを備えており、このL形フレーム5bの一方の先端部にはこのL形クランプ5を配力鉄筋7に係止するための切り欠き5bが形成されている。L形フレーム5bの他方の先端部にはネジ棒5cを螺合させるためのネジ溝が形成されており、このネジ棒5cの先端部にはスイベルボタンが形成されている。
【0024】
ネジ棒5cがその根元側端部に取付けられたハンドル5eの回転によって下方に移動せしめられると、その先端部に形成されたスイベルボタン5dがバックアップ材3の上面に接触せしめられる。L形フレーム5aの上方への移動は、切り欠き5bによる配力鉄筋7への係止機構によって禁止されているため、ハンドル5eの回転に伴うスイベルボタン5dの下降に伴いバックアップ材3が配力鉄筋7上に強固に押圧される。この結果、バックアップ材3の下面と配力鉄筋7の頂面との間の押圧力と摩擦係数とによって、バックアップ材3が配力鉄筋7上に強固に固定される。
【0025】
最後に、配力鉄筋7上に固定されたバックアップ材3の先端部と、堰板1の幅方向の中央部との間に形成された空隙内に、傾斜面を有する柱状の楔4が打撃によって圧入される。この結果、堰板1が、楔4を介して、バタ角型枠材2とバックアップ材3との間に直立状態で強固に固定される。なお、バックアップ材3の先端面は、楔4のテーパー形状に応じた傾斜面が付与されている。
【0026】
打設されたコンクリートの固化後、あるいは、さらに必要な養生期間の経過後に、この打設用打継ぎ目機構が撤去される。この撤去に際しては、まず、L形クランプ5のハンドル5eが固定時とは逆向きに回転され、L形クランプ5によるバックアップ材3の固定が解除される。続いてL形クランプ5、バックアップ材3、楔4が配力鉄筋7上から撤去され、続いて堰板1とバタ角型枠材2が撤去される。
【0027】
以上、階段状の合いじゃくり断面の形成を兼ねてバタ角型枠材を使用する構成を例示した。しかしながら、そのような階段状の合いじゃくり断面を形成しないような場合には、バタ角型枠材の代わりに堰板に対する他の適宜な固定手段を使用することができる。
【0028】
また、設置時などに堰板に対して水平面内におけるV字状の屈曲を許容するための屈曲許容機構として、この堰板の素材を樹脂とし、その幅方向の中央部においてこの幅方向と直角の向きに薄肉部分を形成する場合を例示した。しかしながら、この屈曲許容機構としては、幅方向に分割した同一形状の2枚の板状体を蝶番やゴムなどの液密性の薄板などで連結する構造など、他の適宜な構造を採用できる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、幅方向の両端部が配力鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成され、かつ水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えた堰板を橋梁の長手方向に固定する構成であるから、設置や撤去の作業が容易で、しかも反復使用が可能な構成要素を用いた打継ぎ目機構の提供が可能になる。
【0030】
また、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構によれば、配力鉄筋の周囲が弾性体によって密着して囲まれるため、その周辺部からのコンクリートの漏れが有効に防止され、良好な仕上がりの打継ぎ面を形成できるという利点もある。
【0031】
また、本発明の橋梁床版打設用打継ぎ目機構は、上下方向に配列される複数の配力鉄筋で左右両側が囲まれる領域を単一の堰板によって堰止める構成であるから、配力鉄筋の上下方向の間隔が異なる各種の仕様の橋梁床版に対しても堰板を共通に使用でき、汎用性の増大に伴い工費が低減されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図2】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図3】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す平面図である。
【図4】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す正面図である。
【図5】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す平面図である。
【図6】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素である堰板の構成を示す平面図である。
【図7】上記一実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の組み立て手順を説明するための平面図である。
【図8】上記実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素であるL形クランプの構成を示す断面図である。
【図9】上記実施例の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成要素であるL形クランプの構成を示す部分断面図である。
【図10】従来技術の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【図11】上記従来技術の橋梁床版打設用打継ぎ目機構の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 堰板
2 バタ角型枠材
3 バックアップ材
4 楔
5 L形クランプ
6 打設されたコンクリート
7 配力鉄筋
8 主鉄筋
9 床版型枠
Claims (6)
- 上下方向と橋梁の幅方向(以下、単に「幅方向」という)とにほぼ一定の間隔を保って橋梁の長手方向(以下、単に「長手方向」という)に延長される第1の鉄筋群(7)と、上下方向と橋梁の長さ方向とにほぼ一定の間隔を保ちかつ前記第1の鉄筋群とほぼ直交して延長される第2の鉄筋群(8)とを囲んで形成される橋梁床版型枠(9)の内部にコンクリートを打設する際に、打設されたコンクリートを前記長手方向に堰止めることにより打設対象領域を前記長手方向に区切る打継ぎ目機構であって、
前記第1の鉄筋群のうち前記幅方向に隣接するものの間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接するものの間を堰止める矩形状の板状体であって、前記設置の際の前記幅方向の両端部は前記幅方向に隣接する第1の鉄筋群のそれぞれに対して押圧された際に縮小して前記第1の鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成されると共に、前記設置の際に水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えた堰板と、
これらの堰板を、前記長手方向に固定する長手方向固定機構と
を備えたことを特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構。 - 請求項1において、
前記長手方向固定機構は、
前記堰板の前方において前記第1の鉄筋群の最上部に固定され前記幅方向に延長される第1の柱状体と、
前記堰板の後方において前記第1の鉄筋群の最上部に固定され前記幅方向に延長される第2の柱状体(バックアップ材)と、
前記第2の柱状体と前記堰板との間に圧入される楔状体と
を備えたことを特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構。 - 請求項2において、
前記第1の柱状体は、前記打継ぎ目部に階段状の合いじゃくり断面を形成する機能を兼ね備えたバタ角型枠材であることを特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構。 - 請求項2又は3において、
前記第2の柱状体を前記第1の鉄筋群の最上部に固定する機構は、
先端部に前記第1の鉄筋群への係止機構が形成された第1のアームと、この第1のアームの根元部から折り曲げられると共に先端部にネジ溝が形成された水平アームとから成るL字状部材と、
このL字状部材の前記水平アームの先端部のネジ溝に螺合せしめられ回転によって下方に移動することによりその先端面によって前記第2の柱状体を前記第1の鉄筋群の頂面に押圧する螺子溝を有する棒状体と
を備えたことを特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構。 - 上下方向と橋梁の幅方向(以下、単に「幅方向」という)とにほぼ一定の間隔を保って橋梁の長手方向(以下、単に「長手方向」という)に延長される第1の鉄筋群(7)と、上下方向と前記長手方向とにほぼ一定の間隔を保ちかつ前記第1の鉄筋群とほぼ直交して延長される第2の鉄筋群(8)とを囲んで形成される橋梁床版型枠内にコンクリートを打設する際に、打設されたコンクリートを堰止めることにより打設対象領域を前記長手方向に区切る打継ぎ目機構を構成するための堰板であって、
前記第1の鉄筋群のうち前記幅方向に隣接するものの間にほぼ直立状態で設置され、これら隣接するものの間を堰止める矩形状の板状体であること、
前記設置の際の前記幅方向の両端部は、前記幅方向に隣接する第1の鉄筋群のそれぞれに対して押圧された際に縮小して前記第1の鉄筋群の進入を許容する弾性部材で構成されたこと、及び、
この堰板の設置の際に、この堰板に対して水平面内におけるV字状の屈曲を許容する屈曲許容機構を備えたこと
を特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構の堰板。 - 請求項5において、
前記堰板は樹脂を素材としており、前記屈曲許容機構は前記堰板の前記設置の際の幅方向の中央部においてこの幅方向と直角の向きに形成された薄肉部分であることを特徴とする橋梁床版打設用打継ぎ目機構の堰板。
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