JP3891331B2 - 建築用ガラスブロックの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、建築材料として使用され、特に優れた防火性能を有することを特徴とするガラスブロックの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラスブロックは、ガラスで作られた中空状の箱型形状をした建築材料であり、断熱性、遮音性、透光性に優れているため、例えば採光性壁材や内装の装飾材として広く使用されている。
【0003】
通常、ガラスブロックは、30〜750℃の温度範囲における熱膨張係数が70〜100×10-7/℃のソーダ石灰ガラスから作製されており、比較的良好な防火性能を有するため、これらを多数使用して作られた壁は、乙種防火戸、すなわち建設省告示第1125号に規定されている耐火加熱曲線による20分間の加熱に耐え、さらに重量3kgの砂袋を50cmの高さから落下させる衝撃試験に耐える防火戸として認められている。また、特許文献1、2には一対の有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体の開放端縁を加熱して軟化させた後、互いに融着させるガラスブロックの製造方法が開示されている。さらに、特許文献3には非常に小さな熱膨張係数と優れた透明性を有する低膨張結晶化ガラスが記載されている。また、特許文献4、5にはコージエライトの組成物を粉砕した後に結晶化させる方法とガラスブロック体の形成を行った後に結晶化を行う方法が開示されている。
特許文献1:特開平3−146431号公報
特許文献2:特許第140455号公報
特許文献3:特開平3−37135号公報
特許文献4:特開平2−111659号公報
特許文献5:特開平2−255566号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、建築物のデザインの多様化に伴い、採光性の壁面が要求されることが多くなるにつれて、ガラスブロックを長時間の防火性能が必要な箇所にも使用する要求が増しているが、従来のガラスブロックは、火災等によって長時間に亙って加熱されると、膨張して周囲の目地や壁等から応力を受けたり、全体が均一に加熱されないため膨張差が生じて破損するという問題を有している。
【0005】
さらに火災時に消火用水を受けて、急冷されると熱衝撃により破損するという問題も有している。
【0006】
本発明の目的は、長時間の防火性能を有し、加熱後に急冷されても破損することがないガラスブロックの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の建築用ガラスブロックの製造方法は、加熱することによってガラスマトリックス中にβ−石英固溶体結晶粒子を多数析出する結晶性ガラスの組成になるようにガラス原料を調製し、溶融した後、成形して有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体を作製し、一対の透明ガラス成形体の開放端縁を加熱して軟化させた後、互いに融着させることによって結晶性ガラスからなるガラスブロックを形成し、該ガラスブロックを加熱することによって、ガラスマトリックス中に負の熱膨張係数をもつβ−石英固溶体結晶粒子を多数析出させ、30〜750℃の温度範囲において−20〜20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスからなるガラスブロックを得ることを特徴とする。
【0008】
また本発明のガラスブロックの製造方法は、結晶化ガラスが透明であることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明のガラスブロックの製造方法は、一対の有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体の開放端縁を加熱して軟化させた後、互いに融着させることによって作製した結晶性ガラスからなるガラスブロックを加熱するため、高い接着強度を有し、また、ガラスマトリックス中に負の熱膨張係数をもつ微細な結晶粒子が多数析出し、全体として−20〜20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスからなるガラスブロックが得られる。このガラスブロックは、火災によって長時間に亙って高温下に曝されても熱による歪みがほとんど発生せず、また消火用水で急冷されても熱衝撃で破損することがなく、優れた防火性能を有する。
【0010】
尚、一対の有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体を加熱処理して結晶化ガラスからなるガラス成形体を得た後、その開放端縁を加熱して互いに融着させてガラスブロックを作製しようとしても、開放端縁が軟化しにくく、融着しにくいため、十分な接着強度は得られない。
【0011】
また、本発明のガラスブロックは、例えば重量百分率で、Li2 O 3〜5%、Al2 O3 20〜35%、SiO2 55〜70%、TiO2 1〜3%、ZrO2 1〜4%、P2 O5 1〜5%、Na2 O 0〜4%、K2 O 0〜4%、Na2 O+K2 O 0.5〜4%の組成を有し、β−石英固溶体結晶を析出し、−10〜15×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスからなると好ましい。
【0012】
また本発明においては、結晶化ガラスが透明であると、ガラスブロックを透過した光が室内を明るく照らすことになり、優れた採光性が得られるため好ましい。尚、本発明における透明な結晶化ガラスとは、波長400〜700nmにおける平均透過率が、肉厚10mmで50%以上のものをいう。
【0013】
【実施例】
以下、本発明のガラスブロックの製造方法を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の方法によって得られるガラスブロック10の斜視図を示すものであり、有底無蓋の箱型形状を有する2つのガラス成形体10a、10bの開放端縁が融着一体化され、且つ、結晶化したものであり、190×190×95mmの寸法を有しており、表面の平均肉厚は、8mmである。
【0015】
このガラスブロック10は、以下のようにして作製した。
【0016】
まず重量百分率で、SiO2 64.2%、Al2 O3 23.0%、Li2 O 4.6%、P2 O5 2.8%、ZrO2 3.0%、TiO2 1.5%、K2 O 0.9%の組成になるようにガラス原料を調製し、溶融した後、成形して有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体を2個作製した。次いでこれらの開放端縁を加熱して軟化させた後、互いに融着させることによって透明のガラスブロックを形成した。
【0017】
その後、このガラスブロックを750℃で1時間加熱した後、850℃で1時間加熱することによって、ガラスマトリックス中に多数のβ−石英固溶体結晶が析出し、−4×10-7/℃の熱膨張係数を有する透明の結晶化ガラスからなるガラスブロック10を得た。
【0018】
こうして作製したガラスブロック10の片面に対し、火災を模したバーナーの火炎を当てて加熱したところ、2時間後でも破損することがなく、さらに水をかけて急冷しても破損することがなかった。
【0019】
一方、90×10-7/℃の熱膨張係数を有するソーダ石灰ガラスからなり、上記結晶化ガラスブロック10と同一の形状を有する透明のガラスブロックを作製し、同様に加熱したところ、しばらくして破損が発生し、さらに水をかけて急冷すると、細かく割れた。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明の方法によって製造されるガラスブロックは、−20〜20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスからなるため、特に防火性能に優れており、このガラスブロックによって壁を作ると、従来のガラスブロックから作られた壁に比べて、はるかに防火性能に優れたものとなる。
【0021】
また結晶化ガラスが透明であると、優れた採光性が得られるため好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって得られるガラスブロックの斜視図である。
【符号の説明】
10 ガラスブロック
10a ガラス成形体
10b ガラス成形体
Claims (2)
- 加熱することによってガラスマトリックス中にβ−石英固溶体結晶粒子を多数析出する結晶性ガラスの組成になるようにガラス原料を調製し、溶融した後、成形して有底無蓋の箱型形状を有する透明ガラス成形体を作製し、一対の透明ガラス成形体の開放端縁を加熱して軟化させた後、互いに融着させることによって結晶性ガラスからなるガラスブロックを形成し、該ガラスブロックを加熱することによってガラスマトリックス中に負の熱膨張係数をもつβ−石英固溶体結晶粒子を多数析出させ、30〜750℃の温度範囲において−20〜20×10-7/℃の熱膨張係数を有する結晶化ガラスからなるガラスブロックを得ることを特徴とする建築用ガラスブロックの製造方法。
- 結晶化ガラスが、透明であることを特徴とする請求項1の建築用ガラスブロックの製造方法。
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