JP3890725B2 - 穀物乾燥貯蔵方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、穀物乾燥貯蔵方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来荷受穀物を受けて貯留ビンで乾燥する形態では、乾減率が低いために乾燥仕上げが長時間にわたり、施設の計画的荷受運営が行なえないと荷受中止などの事態に陥る。すなわち、同一貯留ビンへ異なる水分値の穀物が追加投入されて乾燥されるため、当初の予想水分と異なり、後に投入される穀物の水分値が予想水分より高いと穀物の乾燥が遅れ、以後の荷受予定に支障を生じる。
【0003】
また、一挙に多量の高水分穀物を追加投入すると品質劣化の原因となり大量処理を行いつつも、品質確保のための精度が要求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記欠点を解消しようとし次の技術的手段を講じた。即ち、請求項1に記載の手段は穀物を荷受する荷受けホッパ1と、荷受けされた穀物の重量と水分値を計量する荷受計量機4と、穀物を受けて貯留し又は貯蔵する複数のビン11,11と、ビン11,11…の穀物を再度ビン11,11…にローテーションするための排出コンベア25及び排出兼ローテーション用昇降機29と、ローテーション中の穀物の重量と水分を検出す るローテーション用計量機と、荷受計量機4で計量した穀物の荷受け水分値及び重量を入力する演算制御装置31とを設け、ビン11,11…には乾燥用空気を供給すべく構成し、順次供給される穀物を乾燥途中または乾燥済みの穀物と混合して撹拌装置21,21で撹拌しながら徐々に乾燥し、一荷口毎の荷受水分と重量とによりビン11内の穀物の重量および加重平均水分を常時更新し、撹拌混合された後に水分測定を行ない、荷受完了後乾燥されたビン11内穀物の加重平均水分を基に荷受可能重量を計算するものであって、演算制御装置31は荷受計量機4からの計量信号に基づき、荷受作業中か否かと荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11の有無を検出し、演算制御装置31が荷受け作業の終了と荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11を検出すると、自動的に撹拌装置21,21に駆動信号を出力し、攪拌装置21,21が当該ビン11内を攪拌運転する一工程分の時間を攪拌し、該攪拌作業の終了後にビン11内の穀物を排出コンベア2及び排出兼ローテーション用昇降機29を経由して再度ビン11に戻すローテーションを行い、該ローテーション中に前記ローテーション用計量機で穀物の水分値と重量を検出し、該ローテーション用計量機で検出した水分値を前記荷受予定重量の張込を終了した時点の水分値と書き換え、演算制御装置31は前記ローテーションにより水分測定が終了すると前記荷受可能重量の再計算を行い、ビン11内の穀物が荷受可能重量を超えていると判定すると警報出力すると共に空ビンの有無を検出し、空ビン有りを検出すると当該ビンに向けて搬送を開始し、空ビン無しを検出すると再度ローテーションを開始することを特徴とする穀物乾燥貯蔵方法とする。
【0005】
【0006】
【0007】
【発明の作用及び効果】
請求項1の方法によると、荷受後直ちに撹拌装置21,21に駆動信号を出力し、撹拌運転を実行し、撹拌混合された後に水分測定を行ない、荷受完了後乾燥されたビン11内穀物の加重平均水分を基に荷受可能重量を計算する。
演算制御装置31が荷受け作業の終了と荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11を検出すると、自動的に撹拌装置21,21に駆動信号を出力し、攪拌装置21,21が当該ビン11内を攪拌運転する一工程分の時間を攪拌し、該攪拌作業の終了後にビン11,11内の穀物を排出コンベア2及び排出兼ローテーション用昇降機29を経由して再度ビン11に戻すローテーションを行い、該ローテーション中に前記ローテーション用計量機で穀物の水分値と重量を検出し、該ローテーション用計量機で検出した水分値を前記荷受予定重量の張込を終了した時点の水分値と書き換える。
撹拌混合乾燥後の穀物を対象に改めて水分測定することとなるから、前日の荷受が完了した時点の水分を基に推定乾減率を用いて計算した水分値よりも精度が向上し後の各種演算を正確化することができる。
【0008】
特に、上記のように、設定時間経過後の水分測定値を優先させ書き換える構成とする場合には、昼間の荷受に対して、夜間を利用して水分測定を実行できるため、翌日の乾燥運転の精度を向上できると共に、翌日荷受できる穀物重量を正確に把握しうることにより、荷受穀物の投入過多による品質劣化を妨げることができる。
【0009】
また、演算制御装置31は前記ローテーションにより水分測定が終了すると前記荷受可能重量の再計算を行い、ビン11内の穀物が荷受可能重量を超えていると判定すると警報出力すると共に空ビンの有無を検出し、空ビン有りを検出すると当該ビンに向けて搬送を開始し、空ビン無しを検出すると再度ローテーションを開始することで、送風機,各ビン毎に設ける風量シャッタ,撹拌装置の故障、前回の荷受時投入可能なビンがなくてやむを得ず無理な投入をした場合において、現在の張込状況が適当でない旨を表示でき、穀物品質を損なうことを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。荷受ホッパ1,1…を備える荷受場2は、搬送トラックの出入りし易いように該荷受ホッパ1,1…の両側方向に通路を構成するようにその他の主たる設備群とは離れて構成される。上記荷受ホッパ1に搬送機構を介して、粗選機3や穀物を荷受計量する荷受計量機4を接続する。これらは乾燥済穀物を受けて精選する精選機5や籾摺プラント6とともに互いに近接して設備され、操作室7,自主検査室8,製品置場9等と同一建家10内に構成されている。
【0011】
上記建家10に直交状に貯留乾燥用のビン11,11…を配設する。本実施例では1基50t程度のビンを左右4系列×12ビンを左右の建家12a,12bに夫々収容して、合計48ビンとしている。ビン11,11…は、図2に示すように、角型のビンを採用し、外側壁11aは断熱材としてグラスウール等を利用したものとし、ビン同志の中間仕切11b,11cは通常の壁材を使用している。ビン11の底部はフラットなスイープフロワ13形態とされ、その下方は通気空間14を形成している。上記ビン11の建家12上方側にはフライトコンベア形態の張込用コンベア15,15を平行して設け、これらのコンベア15を配設するビン上方空間は断面において中央及び左右に空間を形成するよう封印用隔壁16,16を断熱材によって設け、これによって形成された中央の隔室17にはビン11上端面と一致して床材18が張設されてあり、当該隔室17は点検用通路として利用できる構成である。
【0012】
封印用隔壁16,16には各ビン11,11…宛に張込シュート19,19…が配設されている。20は排塵ファンである。前記各ビン11,11…には夫々2個の撹拌用スクリュー21,21を設ける。これらスクリュー21,21は撹拌装置としての一例であり、各別に駆動モータ22,22を備え、該スクリュー21,21の支持枠23はビン11上端に設けるレール24,24に沿って前後に往復移動すべく構成され、更にこの支持枠23に沿う方向において左右のスクリュー間隔を保ったまま往復動する構成とされ、四角いビンを左右に分けてジグザグ状に移動しながら、全面を撹拌できる構成としている。
【0013】
25,25は排出並びにローテーション用の排出コンベアで、ベルトコンベア形態とし、前記左右の通気空間14,14間に隔てて設けられる排出室22内において各系列毎に設けられる構成である。ビン11,11用建家12a,12bに接続する状態に送風機室26が設けられ、各系列毎に通気空間14入り口に接続して送風機27,27…を配設している。28,28は加熱装置であり、これの運転により送風機27は熱風を通気空間14に供給できる。前記操作室7には運転制御部を備え、各部運転制御機構、設定入力機構を有している。例えば上記ビン11,11…においては、荷受計量機4からの情報を得て各ビン11毎の張込量を供給時間あるいは張込量検出によって任意に設定可能に設けられている。これらビン11では、張込量を薄層にして乾燥主体とする形態や、乾燥が進み仕上げ水分に至った又はこれに接近した穀物と新たな荷受穀物とを混合撹拌して乾燥を進める形態、及び乾燥仕上がり穀物を籾摺出荷までの短期貯留あるいは長期貯蔵する貯留・貯蔵を行なう形態に任意に設定し実行できる構成としている。
【0014】
運転状況の概要を説明すると、同じ品種の穀物をビン容量が満量になるまで順次荷受けし、通風運転を継続することにより所定の仕上水分値を得るものである。1日目に荷受水分24%の穀物を10トン荷受けして乾燥する。風量や堆積高さ等によって決定される乾減率を4%/日とすると、最終水分が19.6%になり、2日目に同品種で荷受水分24%の穀物を10トン追加すると、加重平均水分は21.8%となり乾減率2.2%/日となるから、最終水分は19.6%となる。3日目は荷受予定がないため、乾燥を継続する。乾減率1.8%/日となるから最終水分は18.1%となる。以下4日目,5日目…と乾燥,追加荷受を繰り返し、満量となると、以後は仕上水分値、例えば15.5%になるまで乾燥を継続するものとなる(図3)。なお、各最終水分値の確認は、一部穀物を排出し、排出兼ローテーション用昇降機29に付設した水分計30によるものである。
【0015】
上記の乾燥中には前記撹拌装置21,21を駆動し、異なる水分値の穀物を上下の撹拌混合するものである。図4は運転制御部の概要を示し、演算制御装置31には荷受計量機4からの計量情報,及び当該荷受計量機4のホッパ部に設ける荷受用水分計32検出情報あるいは情報管理装置33からの情報を受けつつ、後記の演算制御を行ない、出力制御回路34を経由して、各駆動モータ35,各制御機器36,情報表示装置37への表示信号,水分計30制御回路38への起動信号出力等を行なう。39はビン情報設定器であり、荷受穀物の品種、荷受日、仕上水分などの初期情報等を入力できる。
【0016】
上記演算制御装置31は、所定のビン11に供給される風量(m3/分)と堆積重量(トン)とから算出される風量比(m3/秒・100kg)と初期水分(%)との関係から割り出される乾減率曲線を記憶する手段を含み、上記堆積穀物量情報から算出される堆積高さ、荷受水分や混合後の累積水分などの初期水分、などを情報として乾減率を予測し、仕上水分に至る日数を予測算出することができる。
【0017】
図5は情報表示装置37の出力一例を示し、10月6日午前8時で、最上段にはビンNO.1の日付毎の最終水分値を表示し、中段には乾燥完了のビンNO.と仕上水分到達予測日付との関係、下段には精選完了のビンNO.と作業完了予測日付との関係を示している。なお、精選作業については1日の処理量と仕上がり量との関係で同日に複数が重複しないように表示出力している。
【0018】
また、画面左側部表示内容はビンNO.1の諸条件を表示している。この主たる表示対象のビンは別途変更入力によって異なるビンに変更できる。次いで、撹拌制御と水分検出制御について説明する。演算制御装置31は、ビン11,11…の荷受穀物を撹拌装置の駆動信号を出力することによって撹拌混合する。前記演算制御装置31は、荷受穀物の荷受水分値・重量を荷受計量機4から自動または手動にて入力し記憶する機能を持ち、一荷口毎の荷受水分と重量とによりビン11内の穀物の重量および加重平均水分(=重量1×水分1+重量2×水分2+…+重量n×水分n/(重量1+重量2+…+重量n);符号1,2…nは荷受単位を表す)を常時更新し、前記情報表示装置37に出力する。ビン11への荷受穀物の投入が終了すると自動的に撹拌装置21,21に駆動信号を出力し、十分に撹拌混合された後に水分測定を行ない、荷受完了後乾燥されたビン内穀物の加重平均水分の水分値を基に後記の荷受可能重量を計算させたり、仕上予測日の予測精度を向上させようとするものである。
【0019】
図6は、水分値書換えの手順を示す一例である。先ず演算制御装置31は荷受計量機4からの計量信号に基づいて、荷受中か否か判定し(ステップ10)、さらに荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11の有無を確認する(ステップ20)。このステップ20で荷受完了ビンがあると判定されると、水分測定開始タイマがセットされる(ステップ30,40)。水分測定開始タイマの設定時間は、撹拌装置が各ビン11を撹拌運転され一工程が完了する時間とされる。ここで、その時間は穀物堆積高さ、つまり荷受重量に基づいて変更設定される構成でもよく、実際に撹拌運転の一行程が終了した時点でもよい。例えば12時間のタイマ設定時間とされ、この設定時間が経過すると(ステップ50)、ビン内穀物が、水分測定搬送経路、即ちビン11下方にのぞむ排出コンベア25、この排出コンベア25に接続する排出兼ローテーション用昇降機29に向け搬送される(ステップ60)。ここで、当該昇降機29に付設される水分計30にてサンプル穀粒の水分測定が行われる(ステップ70)。水分測定が完了し(ステップ80)、水分値が検出される。水分値の検出は、水分測定搬送経路を切り替えてローテーション兼用の荷受計量機(図示せず)を使用してもよいし、あるいはローテーション用計量機を水分測定搬送経路中に設けて、それにより水分値と併せて重量の検出を行なってもよい。ローテーション用計量機の代わりにローテーション兼用荷受計量機を使用し、水分・重量の検出を行なってもよい。予め記憶された前記加重平均水分値の代わりに当該検出値が置き換えられる(ステップ90)。この書換えられた修正水分値をもとに荷受可能重量を再計算処理し(ステップ100)、荷受完了フラグ及び水分測定開始タイマリセットする(ステップ110)。
【0020】
このように、荷受後直ちに撹拌運転を実行し、この運転に要する時間を予め設定して制御装置に入力しておき(例えば12時間)、撹拌混合乾燥後の穀物を対象に改めて水分測定することとなるから、前日の荷受が完了した時点の水分を基に推定乾減率を用いて計算した水分値よりも精度が向上し後の各種演算を正確化するものであるが、特に、上記のように、設定時間経過後の水分測定値を優先させ書き換える構成とする場合には、昼間の荷受に対して、夜間を利用して水分測定を実行できるため、翌日の乾燥運転の精度を向上できると共に、翌日荷受できる穀物重量を正確に把握しうることにより、荷受穀物の投入過多による品質劣化を妨げる。
【0021】
前記ステップ100の荷受可能重量の計算処理の方法について以下詳述する。規定した荷受水分を有する荷受穀物(以下数値例では生籾)を、品質の劣化がなく、ビンに堆積できる最大の重量を荷受可能重量と定義すると、ビンが空のときほど可能重量が多く、満了に近いほど、また水分値が高いほど可能重量は少となる。
【0022】
一般に、対象とするビンに吹き込む風の風量比F(m3/s・100kg;穀物100kg当りの毎秒風量)、堆積重量W(トン)、ビンの床面積S(m2)、及び堆積中の籾の間を通り抜ける風の速度V(以下、空塔速度)(m/s)との間には、
V(m/s)×S(m2)÷W(トン)÷10=F(m3/s・100kg)…(1)
の関係が成立つ。
【0023】
ここで、空塔速度V(m/s)は、堆積高さ(堆積重量)が高くなればなるほど抵抗が大きくなって下がり、また同じ堆積高さであっても通風ビン数が減少すると、吹き込む風が多くなって上がる性質にあり、送風機性能曲線−静圧−空塔速度関係図(図8)のごとくである。また、風量比F(m3/s・100kg)は、毎秒100kg当りの風量で、生籾の場合にその品質を損なうことなく維持するに必要な最低の風量は図9のように定められている。
【0024】
まず、新たに空ビンに張り込む場合の荷受可能重量Wa(トン)を算出する。上記式の堆積重量Wの最大が荷受可能重量ということとなるが、まず仮に荷受予想水分から図9に基づいて風量比Fを求め、既知の床面積Sとより、V/Wとの比を算出しておく。一方予め上記送風機性能曲線−静圧−空塔速度関係図(図8)より空塔速度−堆積重量の関係表(図10)を作成しておき、この関係表より、
空塔速度V/堆積重量W≧風量比F×10/床面積S…(2)
を満足する堆積重量、即ち荷受可能重量Waを求めるものである。
【0025】
仮に、床面積Sを16m2、堆積高さ1mの堆積密度を0.63トン/m3とすると、
堆積高さ1mの堆積重量W’=0.63×16×1=10.08(トン)となり、堆積高さの略10倍を堆積重量として置き換えるものとすることができる。今荷受予想水分24%、通風ビン数12ビンとすると、風量比Fが0.015m3/s・1
00kgとなって、(2)式より、
空塔速度V/堆積重量W≧0.015×10÷16
≧0.0094
となり、この関係を満足する条件を図10より見い出すと、空塔速度/堆積重量の欄のうち、数値0.0097が最近値として該当し、堆積重量20トンが導き出される。新たに荷受するものであるから、荷受可能重量Wa=堆積重量Wとなり、荷受可能重量は20トンとなる。
【0026】
次いで、既に前日あるいは前々日に穀物が張り込まれているビンへ追加する場合の荷受張込重量について説明する。この場合には、既に張り込まれている穀物と新たに張り込まれる穀物を合わせたものにつき、前記(2)式が成り立つようにするとよい。既に張り込まれている穀物の水分値が自己ローテーション等によるなどして水分測定を実施して求まるまでの間は荷受完了時の前記加重平均水分から推定乾減率を用いて計算した所定時間乾燥後の最終水分を使用する。既張込の穀物の想定される時間後の最終水分値は、その時の風量比と水分値とにより実験的に求める風量比−乾減水分関係グラフ(図示せず)などによって算出できる。
【0027】
既に張り込まれている穀物に新たに穀物を追加する場合には、一般的には既張込穀物は乾燥が進んでおり、新たに追加する穀物よりは水分が低くなっているために混合後の加重平均水分は既張込穀物の水分値よりは高くなる。そこで、既張込穀物の水分値より高くなる加重平均水分を複数想定して、混合後の穀物の加重平均水分が予め想定した水分(以下、予想水分という)となるのに必要な追加重量を求める。新たに追加する穀物の方が既張込穀物の水分より低い場合は、既張込穀物の水分値より低くなる加重平均水分を想定すればよい。例えば、予想水分M1(%)となるのに必要な追加重量wa1を算出する。
【0028】
次に、予想水分M1の風量比を図9から読み取り、この値を床面積で徐して10倍することにより、空塔速度V/堆積重量W1の値を求め、この値と、図10の関係から堆積重量W1を求める。この堆積重量W1から累積重量W0を差し引いた値を追加重量Wa1とする。ここで、算出されたWa1と上記予想水分となるのに必要な追加重量水分wa1と比較し、いずれか小さい方の重量が採用の対象となる。Wa1≦wa1なれば、荷受可能重量はWa1となる。Wa1>wa1のときは、追加可能重量はwa1となるが、前記予想水分をプラス1してM2(=M1+1(%))とし、同様の算出作業を繰り返す。複数の水分を予想して各水分値毎に荷受可能重量を算出する。その結果最大重量を選択して最終の荷受可能重量とする。
【0029】
実際乾燥が進むと水分ばかりでなく、重量も減少するので、重量の減少分を見込む必要があるが、ここでは乾籾換算を行なわず、荷受予想水分時の重量に換算して処理を行なっている。一例を示せば、既張込穀物の重量20トン、張込時の平均水分を24%とすると、1日乾燥後の最終水分は、風量比0.0155m3/s・100kgにおける乾減率が水分22%までは0.149%/時、22%〜18%までが0.119%/時であるから、1日20時間運転として、21.3%(=M0)となる。
【0030】
ここで新たに追加する穀物の荷受予想水分を24%、通風ビン数12ビンとするとし、第1番目の予想水分M1を22%とする。先ず始めに予想水分22%を確保するに必要な追加重量は、上記最終水分を採用して、必要な追加重量wa1=7トンを得る。水分22%の時に必要な風量比は図9より、0.006m3/s・100kgであり、このときの空塔速度V/堆積重量W1は、(2)式より、
空塔速度V/堆積重量W≧0.006×10÷16
≧0.00375
となり、この関係を満足する条件を図10より見い出すと、空塔速度/堆積重量の欄のうち、数値0.0038m/s・トンが該当し、堆積重量41トンが導き出される。従って追加重量Wa1=41−20=21トンとなる。
【0031】
水分調整の側からみた追加重量wa1と、風量比から求めた追加重量Wa1とを比較するとWa1<wa1であるから、結局予想水分22%における追加可能重量は7トンとなる。同様に、予想水分M2=23%について求めると、水分調整の側からの追加重量wa2=34トン、風量比からみた追加重量Wa2=W2−20トン=8トンとなる。従って、Wa2<wa2であるから、追加可能重量はWa2が採用され、8トンとなる。
【0032】
更に、予想水分M3=24%について、荷受仮想水分と等しいから、無限大となる一方、風量比から算出する堆積重量は既張込穀物の重量と同じとなり、追加重量としては0トンとなる。上記予想水分M1,M2,M3における荷受可能重量は夫々7トン、8トン、0トンとなり、もっとも大きい8トンがこの場合の荷受可能重量となる。このような荷受可能重量の算出結果に基づいて新たな穀物を荷受管理することができる。
【0033】
上記内容は演算制御装置31内で予想水分の設定も含めて自動的に行なわれるが、荷受重量・水分、測定水分、予想水分及び可能重量計算に必要な項目の入力の一部又は全部を手動で行ないながら、荷受可能重量の演算をパソコンなどの計算機で行ない、演算制御装置とは独立的に荷受可能重量を算出し荷受管理を行なう構成としてもよい。
【0034】
以上のように、荷受可能重量を各ビン毎の状況に対応して荷受予想水分の入力に基づき、更新するものであるから、荷受時対応が容易となって便利である。即ち、従来荷受可能重量については、厳密な管理ができていなかったが、穀物の品質を損なうことのない限界の風量比に着目して、空塔速度/堆積重量の関係を見い出すことにより、限界となるべき堆積重量を予測できるものとなって、大量処理でありながらも品質を重視した乾燥調製処理作業につながるものである。
【0035】
なお、上記の荷受可能重量の算出に当っては、既張込穀物の水分を計算により予測する形態としたが、前記のとおり夜間の自己ローテーション中に水分測定を行いこのデータに置き換えることにより、更に厳密な管理ができる。ところで、上記の荷受可能重量の算出結果に基づいて荷受処理するものとなる。即ち、穀物荷受があると、各ビン11,11…に関する表示出力を確認し、それらの荷受重量を知り、投入先を指定する。演算制御装置31は搬送系駆動部に出力し穀物は所定のビンに投入される。ところで、荷受予定重量が上記荷受可能重量より少ない場合には支障ないが、荷受予定重量の方が多いときには、下記(3)式の計算を行ない、その値が負になった時点で当該ビン11への荷受は終了する。
【0036】
荷受可能重量×荷受予想水分≦荷口1重量×水分+荷口2重量×水分+… +荷口n重量×水分 …(3) (符号1,2…nは荷受単位を表す)
なお、追加投入によって、既に張り込まれた穀物品質が不測に損なわれる虞れがある場合には警報を発するべく前記出力制御回路34に警報装置40(例えばブザー、警告灯など)を接続している。警報出力は図11の手順で出力される。
【0037】
なお、自己ローテーションにより水分測定が終了したか否かが判定され(ステップ200)、終了したとき荷受可能重量が再度計算される(ステップ210)。この算出値がマイナスであると判断されると(ステップ220)、情報表示装置37にはマイナス出力とともに、図12中の符号(イ)(ロ)のように白黒反転出力し(ステップ230)、警報出力する(ステップ240)。この警報出力とともに空ビンの有無を捜し(ステップ250)、空ビンがあればそのビンに向け搬送を開始し(ステップ260)、なければ自己ローテーションを開始する(ステップ270)。
【0038】
このように荷受可能重量の算出がマイナス値を示すときは、現在の張込状況が適当でない旨を表示でき、穀物品質を損なうことを防止できる。なお、マイナス値を示す原因としては、送風機,各ビン毎に設ける風量シャッタ,撹拌装置の故障、前回の荷受時投入可能なビンがなくてやむを得ず無理な投入をした場合等がある。
【0039】
なお、上記実施例では、撹拌装置を有するビン11について説明したが、撹拌装置を伴わないビンについても同様であり、また除湿乾燥システムを構成する施設に応用してもよい。又、ビンについて、上記実施例では床面が矩形の所謂角ビンについて説明したが、この床面が円形の所謂丸ビンでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 施設概要平面図である。
【図2】 その一部の拡大側断面図である。
【図3】 ビンの堆積重量と水分変化一例を示す概念図である。
【図4】 制御ブロック図である。
【図5】 情報表示一例を示す図である。
【図6】 フローチャートである。
【図7】 タイムチャートである。
【図8】 送風機性能曲線−静圧−空塔速度関係図である。
【図9】 品質を保持するために必要な推定風量比を示す表である。
【図10】 空塔速度−堆積重量関係表である。
【図11】 フローチャートである。
【図12】 他の情報表示一例を示す図である。
【符号の説明】
1 荷受ホッパ 2 荷受場
3 粗選機 4 荷受計量機
5 精選機 6 籾摺プラント
7 操作室 8 自主検査室
9 製品置場 10 建家
11 ビン 11a 外側壁
11b,11c 中間仕切 12a,12b 建家
13 スイープフロワ 14 通気空間
15 張込用コンベア 16 封印用隔壁
17 隔室 18 床材
19 張込シュート 20 排塵ファン
21 撹拌用スクリュー 22 駆動モータ
23 支持枠 24 レール
25 排出コンベア 26 送風機室
27 送風機 28 加熱装置
29 排出兼ローテーション用昇降機
30 水分計 31 演算制御装置
32 荷受用水分計 33 情報管理装置
34 出力制御回路 35 動力モータ
36 制御機器 37 情報表示装置
38 水分計制御回路 39 ビン情報設定器
40 警報装置

Claims (1)

  1. 穀物を荷受する荷受けホッパ1と、荷受けされた穀物の重量と水分値を計量する荷受計量機4と、穀物を受けて貯留し又は貯蔵する複数のビン11,11と、ビン11,11…の穀物を再度ビン11,11…にローテーションするための排出コンベア25及び排出兼ローテーション用昇降機29と、ローテーション中の穀物の重量と水分を検出するローテーション用計量機と、荷受計量機4で計量した穀物の荷受け水分値及び重量を入力する演算制御装置31とを設け、
    ビン11,11…には乾燥用空気を供給すべく構成し、順次供給される穀物を乾燥途中または乾燥済みの穀物と混合して撹拌装置21,21で撹拌しながら徐々に乾燥し、
    一荷口毎の荷受水分と重量とによりビン11内の穀物の重量および加重平均水分を常時更新し、撹拌混合された後に水分測定を行ない、荷受完了後乾燥されたビン11内穀物の加重平均水分を基に荷受可能重量を計算するものであって、
    演算制御装置31は荷受計量機4からの計量信号に基づき、荷受作業中か否かと荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11の有無を検出し、演算制御装置31が荷受け作業の終了と荷受予定重量の張込を終了した荷受完了ビン11を検出すると、自動的に撹拌装置21,21に駆動信号を出力し、攪拌装置21,21が当該ビン11内を攪拌運転する一工程分の時間を攪拌し、該攪拌作業の終了後にビン11内の穀物を排出コンベア2及び排出兼ローテーション用昇降機29を経由して再度ビン11に戻すローテーションを行い、該ローテーション中に前記ローテーション用計量機で穀物の水分値と重量を検出し、該ローテーション用計量機で検出した水分値を前記荷受予定重量の張込を終了した時点の水分値と書き換え、
    演算制御装置31は前記ローテーションにより水分測定が終了すると前記荷受可能重量の再計算を行い、ビン11内の穀物が荷受可能重量を超えていると判定すると警報出力すると共に空ビンの有無を検出し、空ビン有りを検出すると当該ビンに向けて搬送を開始し、空ビン無しを検出すると再度ローテーションを開始することを特徴とする穀物乾燥貯蔵方法。
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