JP3622236B2 - 貯留ビンの混合攪拌乾燥方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、貯留ビンの混合撹拌乾燥方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、多数の貯留ビンを用いて被乾燥物が搬入された貯留ビンから空の貯留ビンに対し被乾燥物の移し換えを所定のロ−テ−ションで自動的に行いながら移し換えを行う。
そして、荷受から半乾まではロ−テ−ションのみによって処理するが、この半乾が終了して混合攪拌乾燥に移行する場合には、例えば、半乾が終了したビンを攪拌乾燥に移行する。
なお、攪拌貯留ビンでは水分の高いものを上に追加していくので、下からの通風の場合には速やかな攪拌によって水分の高いものを下へ下へと送らないと品質劣化等を招く問題がある。
【0003】
この発明によるシステムでは、異なる水分域の穀物を混合する場合に、ビン内の穀層を投入時の水分域によって投入順序を決定し、攪拌のみではなく、水分値の異なる堆積層の重ね方まで考慮することによって、乾燥の効果を引き出すことにある。かかる目的達成のため、本発明は次のような技術的手段を講じた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明にかかる技術的手段は、底部をフラットなスイープフロア形態としその下方に通気空間を形成した複数の貯留ビンに撹拌装置を備え、これら複数の貯留ビンに振分けられた荷受穀物を半乾水分までローテーションのみによって処理し、この後各貯留ビンの穀物を所定の貯留ビンに集合して混合撹拌乾燥に移行する乾燥方法において、水分値の異なる堆積層の重ね方を、水分の最も高いものを最初に投入し、その次に予め設定された許容範囲内の水分値を減じた水分値に最も近いものを投入し、更に、この水分に許容水分値を加えた水分値に最も近いものを投入すべく、予め設定された許容範囲内の水分差の穀物を順次投入して撹拌乾燥する構成とした貯留ビンのである。
【0005】
【発明の作用及び効果】
ローテーションによって半乾水分値に達した穀物を所定のビンに積み重ねるとき、水分の最も高い穀物を最初に投入し、次いで予め設定された許容範囲内の水分値を減じた水分値に最も近いものを次に投入し、更に、この水分に許容水分値を加えた水分値に最も近いものを投入する。そしてこれを繰返し行うと隣合う穀層の水分差によって乾燥が進むことになる。
なお、半乾水分、例えば、18%になった時点で、各ビンの穀物を堆積するように設定すれば、ビンを効率的に利用することができたのである。
【0006】
【0007】
【実施例】
この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。荷受ホッパ1,1…を備える荷受場2は、搬送トラックの出入りし易いように該荷受ホッパ1,1…の両側方向に通路を構成するようにその他の主たる設備群とは離れて構成される。
【0008】
上記荷受ホッパ1に搬送機構や粗選機用エレベ−タ1Aを介して、粗選機3や穀物を荷受計量する荷受計量機4を接続可能に設ける。これらは乾燥済穀物を受けて精選する精選機5や籾摺プラント6とともに互いに近接して設備され、操作室7,自主検査室8,製品置場9等と同一建家10内に構成されている。上記建家10に直列的に貯留乾燥用のビン11,11…を配設する。本実施例では1基50t程度のビンを左右2系列×10ビンを左右の建家12a,12bに夫々収容して、合計40ビンとしている。
【0009】
貯留ビン11,11…は、図1に示すように、角型のビンを採用し、外側壁11aは断熱材としてグラスウール等を利用したものとし、ビン同志の中間仕切11b,11cは通常の壁材を使用している。ビン11の底部はフラットなスイープフロワ13形態とされ、その下方は通気空間14を形成している。上記ビン11の建家12上方側にはフライトコンベア形態の張込用コンベア15,15を平行して設け、これらのコンベア15を配設するビン上方空間は断面において中央及び左右に空間を形成するよう封印用隔壁16,16を断熱材によって設け、これによって形成された中央の隔室17にはビン11上端面と一致して床材18が張設されてあり、当該隔室17は点検用通路として利用できる構成である。封印用隔壁16,16には各ビン11,11…宛に張込シュート19,19…が配設されている。15Aは張込エレベ−タ、20は排塵ファンである。
【0010】
前記各ビン11,11…には夫々2個の撹拌用スクリュー21,21を設ける。これらスクリュー21,21は撹拌装置としての一例であり、各別に駆動モータ22,22を備え、該スクリュー21,21の支持枠23はビン11上端に設けるレール24,24に沿って前後に往復移動すべく構成され、更にこの支持枠23に沿う方向において左右のスクリュー間隔を保ったまま往復動する構成とされ、四角いビンを左右に分けてジグザグ状に移動しながら全面を撹拌できる構成としている。
【0011】
25,25は排出並びにローテーション用の排出コンベアで、ベルトコンベア形態とし、前記左右の通気空間14,14間に隔てて設けられる排出室22内において各系列毎に設けられる構成である。25Aは排出ロ−テ−ションエレベ−タ、26は中継タンクである。ビン11,11用建家12a,12bに接続する状態に送風機室が設けられ、各系列毎に通気空間14入り口に接続して送風機27,27…を配設している。28,28は加熱装置であり、これの運転により送風機27は熱風を通気空間14に供給できる。
【0012】
前記操作室7には運転制御部を備え、各部運転制御機構、設定入力機構を有している。例えば上記ビン11,11…においては、荷受計量機4からの情報を得て各ビン11毎の張込量を供給時間あるいは張込量検出によって任意に設定可能に設けられている。これらビン11では、張込量を薄層にして乾燥主体とする形態や、乾燥が進み仕上げ水分に至った又はこれに接近した穀物と新たな荷受穀物とを混合撹拌して乾燥を進める形態、及び乾燥仕上がり穀物を籾摺出荷までの短期貯留あるいは長期貯蔵する貯留・貯蔵を行なう形態に任意に設定し実行できる構成としている。
【0013】
なお、29は各貯留ビンに設けられたレベル計、30は水分計で、排出ロ−テ−ションエレベ−タ25Aに設置されている。貯留ビンのロ−テ−ション自動制御について以下その作用を説明する。各ビンへの投入量をレベル計29で検知し、堆積高さ毎に予め入力された乾減率(例えば乾減率0.3%/H)を記憶して水分を予測する。
【0014】
そして、投入時の水分から、例えば1.5%(0.3%/H×5H)の水分が減った時に排出するように設定しておく。すると、演算装置により設定された水分になるまでの時間が算出されと共に、この算出された時間により排出の優先順位(例えばA3(25%)>A1(24%)>A2(20%))が決定される。そして、この優先順位に従って投入時の水分(例えば25%)から例えば仕上げ水分(16%)になるまで自動的にロ−テ−ションが繰返し行われる。
【0015】
なお、攪拌貯留ビンでは水分の高いものを上に追加していくので、下からの通風の場合には速やかな攪拌によって水分の高いものを下へ下へと送らないと品質劣化等を招く問題がある。この実施例によるシステムでは、荷受水分を除いた異なる水分域の穀物を混合する場合に、ビン内の穀層を投入時の水分域によって投入順序を決定し、攪拌のみではなく、水分値の異なる堆積層の重ね方まで考慮することによって、更なる乾燥の効果を引き出すことにある。
【0016】
すなわち、荷受から半乾まではロ−テ−ションのみによって処理するが、この半乾が終了して混合攪拌乾燥に移行する場合には、例えば、半乾が終了したA1〜A4のビンを攪拌乾燥に移行するとする。ここで、A1=18%, A2=18.9%, A3=17%, A4=17.5%とすると、投入順序を決定するプロセスとしては、
(イ)ノ−マルモ−ド(水分値の高いものから順に下方より積層する。)貯留ビンに対して下から通風する場合に、最下層の攪拌効果が作用しない領域については水分値の高い順に投入する。従って、A2⇒A1⇒A4⇒A3の順となる。
(ロ)交互モ−ド(水分値の異なる穀層を交互に投入する。)
水分の最も高いものを最初に投入して、その次に予め設
定された許容範囲内の水分差の穀物を投入する。
【0017】
まず、最も水分の高いA2を投入し、許容範囲2%を設定すると、A2−2%=16.9%、ここでは、A3を投入、次にA3+2%=19%、ここではA1を投入、A1−2%=16%でA4を投入する。選択基準としては、最も水分の高いものを最初に投入し、この水分から許容水分値を減じた水分値に最も近いものを次に投入し、更に、この水分に許容水分値を加えた水分値に最も近いものを投入する。そして、これを繰返し行うと隣合う穀層の水分差によって乾燥が進むことになる。
【0018】
なお、半乾水分、例えば、18%になった時点で、各ビンの穀物を堆積するように設定すれば、ビンを効率的に利用することができる。即ち、例えば18%で堆積高さ3m、16%で4mとし、仕上水分でビンが満量となるように各ビンの穀物を一つのビンに集中していくことによってビンの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施設概要平面図である。
【図2】その一部の拡大側断面図である。
【図3】施設要部の概要側面図である。
【図4】貯留ビン概要平面図である。
【符号の説明】
1 荷受ホッパ 2 荷受場
3 粗選機 4 荷受計量機
5 精選機 6 籾摺プラント
7 操作室 8 自主検査室
9 製品置場 10 建家
11 ビン 11a 外側壁
11b,11c 中間仕切 12a,12b 建家
13 スイープフロワ 14 通気空間
15 張込用コンベア 15A 張込エレベ−タ
16 封印用隔壁
17 隔室 18 床材
19 張込シュート 20 排塵ファン
21 撹拌用スクリュー 22 駆動モータ
23 支持枠 24 レール
25 排出コンベア 25A 排出ロ−テ−シ
ョンエレベ−タ
26 中継タンク
27 送風機 28 加熱装置
29 レベル計 30 水分計
Claims (1)
- 底部をフラットなスイープフロア形態としその下方に通気空間を形成した複数の貯留ビンに撹拌装置を備え、これら複数の貯留ビンに振分けられた荷受穀物を半乾水分までローテーションのみによって処理し、この後各貯留ビンの穀物を所定の貯留ビンに集合して混合撹拌乾燥に移行する乾燥方法において、水分値の異なる堆積層の重ね方を、水分の最も高いものを最初に投入し、その次に予め設定された許容範囲内の水分値を減じた水分値に最も近いものを投入し、更に、この水分に許容水分値を加えた水分値に最も近いものを投入すべく、予め設定された許容範囲内の水分差の穀物を順次投入して撹拌乾燥する構成とした貯留ビンの混合撹拌乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20889494A JP3622236B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 貯留ビンの混合攪拌乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20889494A JP3622236B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 貯留ビンの混合攪拌乾燥方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0875353A JPH0875353A (ja) | 1996-03-19 |
JP3622236B2 true JP3622236B2 (ja) | 2005-02-23 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20889494A Expired - Fee Related JP3622236B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 貯留ビンの混合攪拌乾燥方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3622236B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-01 JP JP20889494A patent/JP3622236B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0875353A (ja) | 1996-03-19 |
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