JP3890462B2 - 設備の動作制御装置およびその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばロボットの教示中でもロボットハンド等、ロボットの他の作動部材を動作させることができる設備の動作制御装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、生産ラインでは種々のロボットやNC(数値制御)工作機械が用いられている。生産ラインではロボットやNC工作機械のステップ制御に必要なパラメータ(アクチュエータ、溶接、車種検知、ロボット、ロボットハンド、NC工作機械など)をPLC(プログラマブルロジックコントローラ)と称される制御装置によって一括して管理している。PLCは、図3に示すようなパラメータ表を記憶しており、生産ラインに設けられているロボットやNC工作機械などの設備を動作させる際に、記憶しているパラメータ表のどれか1つを選択し、任意のステップで各設備に動作条件を出力している。
【0003】
たとえば、図4に示すように、パラメータ表No.1を使用してステップ1を実行させる場合には、ロボットコントローラにはロボットの動作として条件1−1−1が出力され、ロボットハンドの動作として条件1−1−2が出力され、アクチュエータの動作として条件1−1−3が出力され、溶接の動作として条件1−1−4が出力され、このような条件を与えられた各設備は、出力された条件に基づいて動作する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようにパラメータ表で各設備の動作を管理する従来の設備の動作制御装置にあっては、各設備の動作がステップごとに一括して書き込まれたパラメータ表を用いて各設備の動作を管理しているので、たとえば、ロボットの教示中にロボットハンド用パラメータを参照することができず、ロボットハンドを操作することができないという問題がある。これは、制御の方式上、パラメータ表においてロボットハンドのパラメータとアクチュータ等のパラメータが区別されていないことが原因である。
【0005】
また、図5に示すように、ロボットの動作ステップが変更(1から3に変更)になった場合には、パラメータ表のロボットの条件を書き替え、また、パラメータ表のロボットハンドの条件を書き替え、合計2つの条件を書き替える必要があり、書き替え作業が繁雑であった。
【0006】
本発明は、このような従来の設備の動作制御装置の問題点を解消するためになされたものであり、たとえばロボットの教示中でもロボットハンド等、ロボットの他の作動部材を動作させることができる設備の動作制御装置およびその方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、次のように構成される。
【0008】
請求項1に記載の発明は、各設備の動作がステップごとに記述された表に基づいて前記各設備の動作を制御する設備の動作制御装置であって、前記各設備の動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ内で、前記表をロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とに分けて相互に独立させて記憶する表記憶手段と、前記表記憶手段に記憶されているラインパラメータ表とロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御する設備動作制御手段と、を有し、前記設備動作制御手段は、ロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択するロボットハンドパラメータ表選択部と、当該ロボットハンドパラメータ表選択部によって選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択するロボットステップ選択部と、を有し、前記ロボットハンドからなる設備の動作を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の設備の動作制御装置において、さらに、前記表記憶手段に記憶されているラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替える書替手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、各設備の動作がステップごとに記述された表に基づいて前記各設備の動作を制御する設備の動作制御方法であって、前記各設備の動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ内に、ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とを独立して設け、前記ラインパラメータ表と前記ロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御し、前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラにロボットハンドパラメータ表選択部とロボットステップ選択部とを設け、ロボットハンドパラメータ表選択部は前記ロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択し、ロボットステップ選択部は前記ロボットハンドパラメータ表選択部によって選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択し、前記ロボットハンドを動作させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の設備の動作制御方法において、前記ラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替えることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は、次のような効果を奏する。
【0012】
請求項1に記載の発明にあっては、表をロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とに分けて相互に独立させて記憶させ、記憶されているラインパラメータ表とロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し、前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御し、ロボットハンドパラメータ表選択部によってロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択させ、ロボットステップ選択部によって当該ロボットハンドパラメータ表選択部により選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択するようにしたので、ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備とを独立して動作させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明にあっては、表記憶手段に記憶されているラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替えるようにしたので、ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備またはロボットハンドからなる設備の動作が変更になった場合でも、それらの設備の動作の変更に伴って全ての表の書き替えを行なう必要がなく、書き替え作業が簡略化できる。
【0014】
請求項に記載の発明にあっては、表をロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とに分けて相互に独立させて記憶させ、記憶されているラインパラメータ表とロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し、前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御し、ロボットハンドパラメータ表選択部によってロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択させ、ロボットステップ選択部によって当該ロボットハンドパラメータ表選択部により選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択するようにしたので、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備とを独立して動作させることができる。
請求項4に記載の発明にあっては、記憶されているラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替えるようにしたので、ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備またはロボットハンドからなる設備の動作が変更になった場合でも、それらの設備の動作の変更に伴って全ての表の書き替えを行なう必要がなく、書き替え作業が簡略化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる設備の動作制御装置の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。本発明にかかる設備の動作制御装置は、図1に示すように、設備の動作を制御するためのPLC10と、ロボットの動作を制御するためのロボットコントローラ20とを有している。PLC10は、各設備の動作がステップごとに記述されたパラメータ表(表)を設備のグループ別に分割して記憶する記憶装置を有している。図1では、ロボット、アクチュエータ、溶接が1つの設備のグループとされ、ロボットハンドが1つの設備のグループとされる。したがって、ロボット、アクチュエータ、溶接の設備に関する動作条件は、同一のパラメータ表に記述され、ロボットハンドの設備に関する動作条件は、これとは異なるパラメータ表に記述される。
【0016】
ロボットコントローラ20は、PLC10の記憶装置に記憶されているラインパラメータ表を選択する図示しないラインパラメータ表選択部と、ロボットハンドパラメータ表を選択するロボットハンドパラメータ表選択部25と、ロボットステップを選択するロボットステップ選択部30とを有している。ラインパラメータ表選択部は、ラインパラメータ表の各ステップの条件をロボット、アクチュエータ、溶接の全てについて選択し、ロボットハンドパラメータ表選択部25は、ロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択する。ロボットステップ選択部30は、ラインパラメータ表選択部またはロボットハンドパラメータ表選択部25によって選択されたパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択する。選択された各設備の条件は、ロボットコントローラ20の入力部35を介して入力され、その条件に基づく演算結果が出力部40を介してロボットに出力される。ロボットは出力された演算結果に基づいて動作する。
【0017】
このように、各設備の動作がステップごとに記述されたパラメータ表を設備のグループごとに分割し、各パラメータ表を選択して任意のステップの条件を取り出せるようにすると、グループ別に設備を動作させることができ、たとえば、図1の場合では、ロボットの教示中でもロボットハンドを独自に動かすことができるようになる。このようなことができるのは、ロボットハンドのパラメータ表を独立して設けているからである。
【0018】
また、図2に示すように、ロボットの動作に変更が生じ、ラインパラメータ表のステップ2の条件を書き替えなければならなくなった場合には、このラインパラメータ表のステップ2の条件だけを書き替えれば良く、図5に示したようなロボットハンドの条件までをも書き替える必要はなくなる。この書き替えは、ロボットコントローラ20の図示されていないペンダントの釦操作によって行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる設備の動作制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 パラメータ表の構成を示す図である。
【図3】 従来のPLCが有するパラメータ表の構成を示す図である。
【図4】 従来の設備の動作制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 従来のパラメータ表の構成を示す図である。
【符号の説明】
10…PLC、
20…ロボットコントローラ、
25…ロボットハンドパラメータ表選択部、
30…ロボットステップ選択部、
35…入力部、
40…出力部。

Claims (4)

  1. 各設備の動作がステップごとに記述された表に基づいて前記各設備の動作を制御する設備の動作制御装置であって、
    前記各設備の動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ内で、前記表をロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とに分けて相互に独立させて記憶する表記憶手段と、
    前記表記憶手段に記憶されているラインパラメータ表とロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御する設備動作制御手段と、を有し、
    前記設備動作制御手段は、ロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択するロボットハンドパラメータ表選択部と、当該ロボットハンドパラメータ表選択部によって選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択するロボットステップ選択部と、を有し、前記ロボットハンドからなる設備の動作を制御することを特徴とする設備の動作制御装置。
  2. 請求項1に記載の設備の動作制御装置において、
    さらに、前記表記憶手段に記憶されているラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替える書替手段を有することを特徴とする。
  3. 各設備の動作がステップごとに記述された表に基づいて前記各設備の動作を制御する設備の動作制御方法であって、
    前記各設備の動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ内に、ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備に対するラインパラメータ表とロボットハンドからなる設備に対するロボットハンドパラメータ表とを独立して設け、
    前記ラインパラメータ表と前記ロボットハンドパラメータ表とを別々に取り出してステップごとに参照し前記ロボット、アクチュエータ、溶接からなる設備とロボットハンドからなる設備の動作を制御し、
    前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラにロボットハンドパラメータ表選択部とロボットステップ選択部とを設け、
    ロボットハンドパラメータ表選択部は前記ロボットハンドパラメータ表の各ステップの条件を選択し、ロボットステップ選択部は前記ロボットハンドパラメータ表選択部によって選択されたロボットハンドパラメータ表から読み出すべき条件のステップを選択し、前記ロボットハンドを動作させることを特徴とする設備の動作制御方法。
  4. 請求項3に記載の設備の動作制御方法において、
    前記ラインパラメータ表を前記ロボットハンドパラメータ表に対して独立して書き替えることを特徴とする。
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