JP3889131B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ナビゲーション機能とクルーズコントロール機能とを備えた車両用走行制御装置に係り、詳しくは、オートクルーズの設定用にハンドルの周囲に設けられた操作部を用いて目的地の設定やオートクルーズ運転を行なう区間を設定できるようにした車両用走行制御装置に関する。
また、この発明は、オートクルーズ運転中に、ハンドルの周囲に設けられた車両の減速度合を大きくさせるための操作部を操作することによって、車両の減速度合や車間距離を調節できるようにした車両用走行制御装置に関する。
また、この発明は、ミリ波レーダ等、車両の前部に搭載されたレーダにより車間距離を維持してオートクルーズ運転を行う、いわゆるACC(アダプティブクルーズコントロール)に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特開平7−125565号公報で、オートクルーズ装置による設定車速での定速走行中に、ナビゲーション装置によって走行経路の前方にコーナーが検出されると、そのコーナーを的確に通過し得る最大速度である目標車速を演算し、現在の車速が目標車速以上で減速が必要な場合には、コーナーを通過すべく自動減速が行なわれるようにしたオートクルーズ制御装置を提案している。
【0003】
また、本出願人は、特開平7−234991号公報で、地図情報に基づいて道路形状を判定し、判定した道路形状に基づいて操舵角を制御することにより車両の走行制御を行なうようにした車両制御装置を提案している。
【0004】
特開昭62−265037号公報には、車間距離を保つように速度制御指令を出力する演算処理手段と設け、車間距離が断続的に変化したときに演算処理手段の作動を禁止することにより、早期に減速制御を行なえるようにした車両用オートクルーズ装置が記載されている。
【0005】
特開平4−232130号公報には、自車から発したレーザ光が前車で反射して戻ってくるまでの時間を検出して車間距離を求め、車間距離が自車の制動距離,空走距離をもとに定めた安全車間距離より小さくなった場合に警報を発するようにし、安全車間距離を自車速度のみならず前車速度をも勘案して算出すると共に、警報の発生時にオートクルーズを解除するようにした車間距離検知・警報装置が記載されている。
【0006】
特開平8−11579号公報には、スタートスイッチをオンするとコンピュータはROMの運動方程式に従い、設定値もしくは既定値のパラメータと車速センサおよびレーダからA/D変換器を経て入力した自車の実速度および前方車両までの距離から、RAMの自車加速度演算およびRAMの前方車両速度演算により自車両加速度および前方車両速度を求め、そして、刻々と自車両の目標値となる速度および加速度の演算結果をリアルタイムで得、これをD/A変換器によりアナログ値に変換した後、アクチュエータのクルーズコントロール部およびブレーキコントロール部へ出力する構成とすることで、前方に車両が存在しない場合は一定速度で、存在する場合は前方車両までの距離および前方車両の速度に応じた速度で走行させ、前方車両に近づいた時、適切な車間距離を保持させるようにした車両の運転制御装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ナビゲーション装置とクルーズコントロール装置とはそれぞれ独立しているため、各装置毎に設定用のスイッチや操作部が設けられている。
このため、操作部の箇所が多くなり、操作部を配置するためにより多くの配置スペースが必要となるともに、操作性が低下する虞れがある。
オートクルーズ運転を開始させるための操作部やオートクルーズ運転を終了させるための操作部は、ハンドルの近傍に設けられている場合が多いので、このクルーズコントロール装置用の操作部を利用してナビゲーションの目的地の設定ができれば便利である。
また、ナビゲーション装置は地図情報を備えているので、この地図情報を利用してオートクルーズ運転を行なう区間を設定できれば便利である。
【0008】
オートクルーズ運転中は、レーダ装置によって前車と自車との距離を検出し、前車に対して所定の車間距離を保つように自車の速度制御がなされているが、前車と自車との間に他車が割り込んできた場合や前車が減速した場合は、クルーズコントロール装置によって減速がなされる。
従来のクルーズコントロール装置は、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて自車両の減速度を求め、求めた減速度に基づいて車両を減速させている。
しかしながら、運転手によっては、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて自動設定された減速度合では不充分と感ずることがある。
そこで、減速度合を運転手の好みによって変更できるようした車両用走行制御装置が望まれる。
【0009】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、オートクルーズの設定用にハンドルの周囲に設けられた操作部を用いて目的地の設定やオートクルーズ運転を行なう区間を設定できるようにした車両用走行制御装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、オートクルーズ運転中に、ハンドルの周囲に設けられた操作部を操作することによって、車両の減速度合または車間距離を調節できるようにした車両用走行制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、車両の現在走行位置を検出する機能を有すると共に車両の走行速度を制御するクルーズコントロール機能を有する車両用走行制御装置において、車両の走行制御の設定を行うスイッチと走行制御の目的地を設定するスイッチとを共用したことを特徴とする。
【0011】
請求項2では、請求項1記載の車両用走行制御装置において、前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて目的地を推定し、該推定目的地を走行制御の目的地として設定する
ことを特徴とする。
【0012】
請求項3では、請求項2記載の車両用走行制御装置において、前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて推定目的地を表示する表示器を備え、表示された推定目的地から走行制御の目的地を前記スイッチにより選択する構成からなることを特徴とする。
【0013】
請求項4では、請求項2記載の車両用走行制御装置において、前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて複数の推定目的地を一覧表にして表示する表示器を備え、表示された複数の推定目的地から走行制御の目的地を前記スイッチにより選択する構成からなることを特徴とする。
【0014】
請求項5の車両用走行制御装置は、請求項1記載の車両用走行制御装置において、ハンドルに車両の減速度合または車間距離を大きくさせるための操作部を設けたことを特徴とする。
例えば、操作部の出力信号に基づいてブレーキアクチュエータを駆動する構成とする。
【0015】
請求項6では、請求項5記載の車両用走行制御装置において、操作部は、ハンドルに組み込まれた圧力センサを用いて構成し、車両用走行制御装置は、運転手がハンドルを握る圧力に基づいて車両の減速度合または車間距離を大きくさせることを特徴とする。
例えば、ハンドルが強く握られた場合は、これを圧力センサで検出してブレーキアクチュエータを駆動し、車両を減速させて車両の減速度合または車間距離を大きくさせる。
【0016】
請求項7では、請求項6記載の車両用走行制御装置において、車両用走行制御装置は、ハンドルの舵角または操舵トルクを検出するセンサを備え、ハンドルの舵角または操舵トルクと、運転手がハンドルを握る圧力と、に基づいて車両の減速度合または車間距離を大きくさせることを特徴とする。
ハンドルの舵角や操舵トルクにより運転手がハンドルを握る圧力(ハンドル圧力)が変化するので、このことを加味して車両の減速度合または車間距離を制御することができる。
例えば、ハンドルの舵角又は操舵トルクと、ハンドル圧力と、加速度(減速度)のデータテーブルをROMに記憶しておき、随時データテーブルを参照する構成としてもよい。ハンドルの舵角と操舵トルクの何れか一方または双方としてもよい。
【0017】
この発明に係る車両用走行制御装置は、車両の走行制御の車間距離又は車速の設定を行うスイッチと、オートクルーズの目的地を設定するスイッチとを共用している。
この発明に係る車両用走行制御装置は、車両の走行制御の開始地点と目的地点の入力により、その区間を走行制御区間として決定し、クルーズコントロール装置に指示を出すようにしてもよい。
【0018】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの近傍にオートクルーズ運転のための各種の設定を行なう操作部を設けるとともに、この操作部を利用してオートクルーズの目的地を設定できるようにしてもよい。
ナビゲーション機能は、操作部から目的地設定の要求が入力された場合、車両の現在位置から車両に進行方向に向って現在位置から近い順に目的地の候補となる地点を順次選び出す構成としてもよい。
ここで、目的地の候補となる地点は、インターチェンジ、交差点、又はランドマーク等である。
【0019】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドル及びその近傍にオートクルーズ運転のための各種の設定を行なう操作部を設けるとともに、この操作部を利用してオートクルーズ運転を行なう区間を設定できるようにしてもよい。
ナビゲーション機能は、操作部からオートクルーズ運転を行なう区間の設定要求が入力された場合、車両の現在位置から車両に進行方向に向って現在位置から近い順にオートクルーズ運転を終了させる地点を順次選び出す構成としてもよい。このようにして現在の走行位置及び進行方向に基づいて目的地を推定する構成としてもよい。
ここで、オートクルーズ運転を終了させる地点は、インターチェンジ、交差点、又はランドマーク等である。
なお、ナビゲーション機能は、前記操作部からオートクルーズ運転を行なう区間の設定要求が入力された場合、オートクルーズ運転を行なう区間の距離を前記設定要求が入力された回数に応じて増加させるようにしてもよい。
【0020】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの周囲に車両の減速度合または車間距離を調節するための操作部を設けるとともに、オートクルーズ運転中に減速度合または車間距離を大きくさせるための操作部が操作された場合は、減速度合を大きく設定するよう構成してもよい。
減速度合を大きくさせるための操作部は、ハンドルに組み込まれた圧力センサを用いて構成するのが望ましい。
この場合は、圧力センサで検出されたハンドルを握る圧力の大きさに応じて減速度合または車間距離を大きく設定する構成とするのが望ましい。
また、操作部の操作に基づいて減速度合を大きく設定した際には、その時の車速、車間距離、前車との相対速度等の走行条件を記憶し、複数の走行条件に基づいて減速を開始する車間距離や減速度合を学習し、学習して得た減速を開始する車間距離や減速度合に基づいて減速を行なうようにしてもよい。
【0021】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの近傍に設けたオートクルーズ運転設定用の操作部を利用して、オートクルーズの目的地やオートクルーズ運転を行なう区間を設定することができる。
操作部を共用する構成としたので、スイッチ等の数量を減少させることができ、一連の設定操作が同一のスイッチで行うことができる。
また、ハンドル近傍の操作部で目的地やオートクルーズ運転区間を設定できるので、操作性がよい。
また、ナビゲーション機能部の道路地図情報による表示を参照して、例えばインターチェンジ、交差点、ランドマーク等を目的地やオートクルーズ運転の終了地点として設定することができるので、設定が容易である。
【0022】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの周囲に車両の減速度合または車間距離を大きくさせるための操作部を設けたので、オートクルーズ運転中にクルーズコントロール装置が演算によって求めた減速度合または車間距離よりも大きな減速度合を設定することができる。
なお、減速度合を大きくさせるための操作部を圧力センサを用いて構成することによって、ハンドルを強く握ることで減速度合または車間距離を大きくすることができる。
また、ハンドルを握る圧力の大きさに応じて、減速度合または車間距離を大きく設定することができる。これらを簡単な操作で行うことができる。
さらに、減速度合または車間距離を大きくさせるための操作部の操作に基づいて減速度合または車間距離を大きく設定した際には、その時の車速、車間距離、前車との相対速度等の走行条件を記憶し、複数の走行条件に基づいて減速を開始する車間距離や減速度合を学習することで、運転手の運転感覚に適した減速を行なうことが可能となる。
【0023】
なお、表示器の一覧表又は経路上で推定目的地を表示している時は、目的地の候補をハンドル圧力の強弱で順次明示し、例えばリバース表示し又は高輝度表示するよう構成してもよい。例えば、ハンドル圧力の強弱により、パソコンのキーボードの「↓」の矢印キーの操作時の働きをさせてもよい。
しきい値以上のハンドル圧力が継続する継続時間が、所定時間以下(例えば0.5秒以下)の場合は目的地の候補を順次明示し、それよりも長い所定時間以上(例えば1秒以上)の場合は当該候補を選択して設定する構成としてもよい。
継続時間が0.5秒〜1秒の分離帯(不感帯)に含まれる場合は、音声で再度操作を促すよう案内してもよい。これにより、順次明示する操作と設定操作とを明確に区別することができる。
同様に表示器の一覧表等で車間距離又は車速を表示している時は、ハンドル圧力の強弱により運転手に順次明示して選択させる構成としてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1はこの発明に係る車両用走行制御装置の簡易ブロック構成図である。
この発明に係る車両用走行制御装置1は、ナビゲーション機能部2とクルーズコントロール機能部3とを備えてなる。
【0025】
ナビゲーション機能部2は、距離検出器4,方位検出器5,GPS受信機6,無線通信機7の各出力に基づいて車両の現在位置を検出する現在位置検出装置8と、ナビゲーション制御装置9と、音声合成装置10と、スピーカ11と、画像表示装置12と、操作装置13と、地図データベース14と、を備えてなる。
【0026】
ナビゲーション制御装置9は、ナビゲーション機能部2の全体動作を制御するもので、マイクロコンピュータシステムを利用して構成している。
ナビゲーション制御装置9は、誘導経路設定部15と、経路誘導制御部16と、地図表示制御部17と、目的地設定部18と、クルーズ区間設定部19と、を備える。
【0027】
地図データベース14は、道路地図情報が記録されたCD−ROM(コンパクトディスク−ROM)20とその再生装置21とを備えてなる。
CD−ROM20には、広域,中域,詳細等の各種の縮尺の道路地図を生成するための地図データが格納されている。
CD−ROM20には、都道府県群市町村名とその領域データと、高速道路,国道,地方道等の名称データと、ランドマーク(目印)となる主要施設,建物,湖等と、鉄道,河川等の位置ならびに属性とその表示データ(漢字等を含む文字データ)と、各交差点毎に設定された進入禁止や右左折禁止等の通行方向規則に関するデータと、主要な交差点間の標準的な走行時間データとが、所定のデータベース構造に基づいて予め格納されている。
CD−ROM20には、インターチェンジ,サービスエリア,パーキングエリア,交差点ならびにランドマークとなる主要施設,建物,湖等の名称データ(読み方データ:例えばひらかな等のデータ)が格納されている。
【0028】
現在位置検出装置8は、ジャイロや地磁気センサ等を用いて構成された方位検出器5からの方位信号と、車輪回転センサ等を用いて構成された距離検出器4から例えば所定の単位走行距離毎に出力されるパルス信号等の距離信号とに基づいて車両の位置を順次演算する推測航法装置(図示しない)を備え、GPS衛星からの電波が受信不可能な場合でも現在位置を推測できる構成としている。
【0029】
現在位置検出装置8は、推測航法装置から順次出力される車両位置データに基づいて走行軌跡を求める走行軌跡演算手段(図示しない)と、この走行軌跡演算手段から出力される走行軌跡データと地図データベース14から読み出された道路データとを比較し、交差点や屈折点等の走行軌跡の特徴部分に着目して車両の現在位置を道路上に修正するマップマッチング手段(図示しない)を備える。
【0030】
現在位置検出装置8内の車両位置検出制御手段(図示しない)は、車両の現在位置(初期位置)の設定操作がなされていない場合は、GPS受信機6から出力された位置データを初期位置もしくは暫定位置データとして推測航法装置へ供給するとともに、それを自車位置データ(現在位置データ)として出力するよう構成している。
また、この車両位置検出制御手段は、マップマッチング手段から出力される位置修正データを推測航法装置へ供給して車両の現在位置データを修正させ、さらに、推測航法装置から順次出力される最新の車両位置データを自車位置データとしてナビゲーション制御装置9へ供給する構成としている。
【0031】
現在位置検出装置8は、路側ビーコン装置等から送信されている交差点名称や交差点位置に係るデータを無線通信機7を介して受信した場合は、受信した交差点名称や交差点位置に係るデータに基づいて車両の現在位置を修正できる構成としている。
【0032】
操作装置13は、画像表示装置12の画面の周囲等に配置したスイッチ群と、画像表示装置12の画面に配設した透明タッチパネルスイッチとから構成している。
画像表示装置12の画面上に表示される各種のメニューに従って所望の項目を選択したり、画面に表示された地図に対してカーソルを移動させて位置指定を行なうことができるようにしている。
そして、画面上に表示された各種のメニューと透明タッチパネルスイッチとを組み合わせることで、表示する地図の縮尺を変更したり,表示地図をスクロールしたりして、目的地や経由地の設定を行なえるようにしている。
【0033】
画像表示装置12は、CRTディスプレイ装置や液晶表示装置を用いて構成している。また、プルアップディスプレイを用いてもよい。
音声合成装置10は、ナビゲーション制御装置9から供給されるメッセージデータに基づいて音声信号を生成し、スピーカ11を介して右折,左折,直進等の進路案内の音声メッセージを出力する。
また、音声合成装置10は、目的地の設定やオートクルーズ運転区間の設定に際して、入力モードや設定地点に関する案内の音声メッセージを出力する。
【0034】
誘導経路設定部15は、目的地が設定されると車両の現在位置から目的地へ至る最適経路を設定する。
誘導経路設定部15は、経由地が指定されている場合は、経由地を経由して目的地へ至る経路を設定する。
誘導経路設定部15は、出発地が設定されている場合、その出発地から目的地へ至る経路を設定する。
【0035】
経路誘導制御部16は、地図表示制御部17を介して現在位置を含む地図を画像表示装置12の画面上に表示させるとともに、車両の進行方向表示を含む現在位置マーク(自車位置マーク)を地図上に表示させる。
経路誘導制御部16は、誘導経路設定部15で設定された誘導経路を地図上に表示させるとともに、誘導経路に基づいて進路変更地点の手前で進路変更方向を示す画像表示を行なったり、交差点部分の拡大を表示させたりして表示画面上での進路案内を行なう。
また、経路誘導制御部15は、音声合成装置10を介して音声メッセージによる経路案内を行なう。
【0036】
地図表示制御部17は、現在位置を含む道路地図を表示させるに際して、目的地方向が上方になる道路地図を生成し、生成した道路地図を画像表示装置12に表示させる。
地図表示制御部17は、現在位置が表示画面内の下方を位置するよう表示させることで、目的地方向の地図をより広く表示させる。
【0037】
目的地設定部18は、操作装置13からの操作入力に基づいて目的地,経由地の設定を行なうとともに、クルーズコントロール機能部3側の操作部34からの操作入力に基づいて目的地の設定を行なえるようにしている。
目的地設定部18は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34から目的地設定の要求が入力されると、車両の現在位置とその進行方向とに基づいて、次の交差点(高速道路等においてはインターチェンジ,サービスエリア等)やランドマークを特定して、その地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)の名称を音声合成装置10を介して可聴表示させるとともに、画像表示装置12の画面上に表示された地図上で該当位置が判明しやすいように表示させる。
目的地設定部18は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34から目的地設定の要求が入力される度に、先に特定した地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)の次の地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)を特定する。
このようにして、目的地設定部18は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34から目的地設定の要求回数に応じて、順次遠方の地点を特定する。
そして、目的地設定部18は、特定した地点を目的地として設定する。
【0038】
目的地設定部18は、既に誘導経路が決定されている場合は、その誘導経路に沿って次の地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)を特定していく。
これにより、先に設定した誘導経路内の任意の地点を新たな目的地として設定することができる。
目的地設定部18は、誘導経路が設定されていない場合は、現在走行している道路が主要道路(国道,地方道)であるか否かを判断する。
目的地設定部18は、現在走行している道路が主要道路である場合、その主要道路に沿って次なる地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)を順次特定していく。
目的地設定部18は、現在走行している道路が主要道路でなく次の交差点から先の進路を一義的に推定することが困難な場合は、次の交差点よりも遠方の地点を設定することができない旨を音声メッセージで出力させる。
【0039】
クルーズ区間設定部19は、操作装置13からの操作入力に基づいてオートクルーズ運転区間の設定を行なうとともに、クルーズコントロール機能部3側の操作部34からの操作入力に基づいてオートクルーズ運転区間の設定を行なえるようにしている。
クルーズ区間設定部19は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34からクルーズ区間設定の要求が入力されると、車両の現在位置とその進行方向とに基づいて、次の地点(交差点,ランドマーク、高速道路等においてはインターチェンジ,サービスエリア等)を特定して、その地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)の名称を音声合成装置10を介して可聴表示させるとともに、画像表示装置12の画面上に表示された地図上で該当地点が判明しやすいように表示させる。
クルーズ区間設定部19は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34からクルーズ区間設定(開始地点、経由地点、終了地点)の要求が入力される度に、先に特定した地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)の次の地点(交差点,インターチェンジ,ランドマーク等)を特定する。
このようにして、クルーズ区間設定部19は、クルーズコントロール機能部3側の操作部34からクルーズ区間設定の要求回数に応じて、順次遠方の地点を特定する。
そして、クルーズ区間設定部19は、特定した地点をクルーズ運転の終了地点として設定する。
【0040】
クルーズ区間設定部19は、既に誘導経路が決定されている場合は、その誘導経路に沿って次の交差点を特定していく。
これにより、先に設定した誘導経路内の任意の地点をクルーズ運転の終了地点として設定することができる。
クルーズ区間設定部19は、誘導経路が設定されていない場合は、現在走行している道路が主要道路(国道,地方道)であるか否かを判断する。
クルーズ区間設定部19は、現在走行している道路が主要道路である場合、その主要道路に沿って次なる地点(交差点,ランドマーク等)を順次特定していく。
クルーズ区間設定部19は、現在走行している道路が主要道路でなく次の交差点から先の進路を一義的に推定することが困難な場合は、次の交差点よりも遠方の地点を設定することができない旨を音声メッセージで出力させる。
【0041】
クルーズコントロール機能部3は、車速センサ31と、レーダ装置32と、オートクルーズ制御装置33と、操作部34と、ハンドル圧力センサ35と、スロットルアクチュエータ36と、ブレーキアクチュエータ37と、表示部38と、を備えてなる。
オートクルーズ制御装置33は、クルーズ制御部39と、減速度合変更部40と、減速度合学習部41と、を備える。
【0042】
車速センサ31は、車速に応じたパルス間隔の車速パルスを出力する。
なお、ナビゲーション機能部2側の距離検出器4の出力信号に基づいて車速を検出する構成としてもよい。
【0043】
レーダ装置32は、レーダ光または電波を発射し、その反射信号が得られるまでの時間に基づいて先行車までの距離を検出する。
レーダ装置32は、FM−CW方式のレーダを用いて構成してもよい。
【0044】
図2は操作部の一例ならびにハンドル圧力センサの一例を示す説明図である。
操作部34は、ハンドル4の近傍に設けている。
操作部34は、ハンドル4と一体的に回動する構造であってもよい。
操作部34は、アクセルスイッチ42と、リジュームスイッチ43と、セットスイッチ44と、リセットスイッチ45とを備える。
各スイッチ42〜45は、ノンロック型のスイッチを用いて構成している。
各スイッチ42〜45の操作情報は、オートクルーズ制御装置33だけでなく、ナビゲーション制御装置9へも供給されるよう構成している。
【0045】
ハンドル圧力センサ35は、ハンドル4の握り部に組み込んでおり、ハンドル圧力センサ35は車両用走行制御装置の操作部の一部をなしている。
図2では、ハンドル圧力センサ35を2時から4時の範囲と7時から9時の範囲にわたって設ける例を示したが、ハンドル圧力センサ35はハンドル4の全周に組み込むようにしてもよい。
【0046】
図1に示すクルーズコントロール機能部3は、図示しない車両用走行制御装置のメインスイッチが操作されると図示しない電源部からクルーズコントロール機能部3に電源が供給されて、クルーズコントロール機能部3が待機状態になる。
【0047】
クルーズコントロール機能部3が待機状態にある場合、運転手は希望する車速にあるときにセットスイッチ44を操作することで、その車速をセットするとともに、セットした車速での定速走行制御状態(オートクルーズ運転状態)へ移行させることができる。
オートクルーズ制御装置33には、図示しないブレーキランプスイッチ,シフトポジションスイッチ,パーキングブレーキ作動スイッチ等のスイッチ情報が供給されている。
オートクルーズ制御装置33は、定速走行制御状態(オートクルーズ運転状態)で、ブレーキペダルが踏み込まれたり、パーキングブレーキが操作されたり、トランスミッションシフトレバー位置がドライブ位置以外になったりしたり、リセットスイッチの操作を検出すると、定速走行制御状態(オートクルーズ運転状態)を一時的に解除するよう構成している。
【0048】
定速走行制御状態(オートクルーズ運転状態)が解除された状態で、リジュームスイッチ43が操作されると、オートクルーズ制御装置33は前回セットされていた車速を再度セットし、定速走行制御状態(オートクルーズ運転状態)に回復する。
なお、車速がセットされている状態で、アクセルスイッチ42を押し続けると、車速が増速され、アクセルスイッチ42を離した時の車速がセットされる。
【0049】
クルーズ制御部39は、オートクルーズ運転がセットされると、現在の車速とセットされた車速とを比較し、その差がなくなるようにスロットルアクチュエータ36を駆動してスロットルバルブの開度を制御する。
クルーズ制御部39は、先行車がある場合は、車速に応じて設定される車間距離を保つように、スロットルアクチュエータ36を駆動してスロットルバルブの開度を制御する。
クルーズ制御部39は、必要に応じてブレーキアクチュエータ37を駆動して、減速を行なう。
クルーズ制御部39は、オートクルーズ運転状態にあることを表示部38に表示させる。
クルーズ制御部39は、セットされた車速や車間距離等を表示部38に表示させるようにしてもよい。
【0050】
クルーズ制御部39は、レーダ装置32の前車と自車との間に他車が割り込んできたり前車が減速したりする等で車間距離が狭くなった場合、予め登録してある運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて自車両の減速度を求め、求めた減速度に基づいて車両を減速させ、割込み車両と自車両との車間距離を所定の距離に維持する。
【0051】
減速度合変更部40は、ハンドル圧力センサ35の検出出力に基づいて、運転手のハンドルを握る圧力を継続的に測定して、ハンドルを握る圧力の変化を監視している。
減速度合変更部40は、通常運転状態ならびにオートクルーズ運転状態で加速,減速等を行なっていない定速走行状態において、運転手のハンドルを握る圧力の平均値を求め、それを平常運転時の圧力値として記憶している。
【0052】
減速度合変更部40は、オートクルーズ運転状態で減速を行なった際に、ハンドル圧力センサ35によって検出された圧力が、平常運転時の圧力値に対して所定値以上大きくなった場合は、その時のハンドルを握る圧力の大きさに応じて、減速加速度(減速度合)がさらに大きくなるよう減速加速度を変更させる。
【0053】
減速度合変更部40は、クルーズ制御部39が予め登録してある運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度に対して、その減速加速度に加算する減速加速度αを、次式にて求める。
α=K(P−a) …… 式(1)
ここで、Kは圧力に応じて減速度合を設定する変換係数、Pは減速時に検出されたハンドルを握る圧力、aは平常運転時のハンドルを握る圧力である。
クルーズ制御部が設定した減速加速度に加算する減速加速度αは、クルーズ制御部39へ供給される。
クルーズ制御部39は、減速度合変更部40から加算する減速加速度αが供給されると、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度に対して加算する減速加速度αを加算して得た減速加速度に基づいて、減速加速度αを加算して得た減速加速度となるように各アクチュエータ36,37を駆動する。
【0054】
減速度合学習部41は、減速度合変更部40によって加算する減速加速度αの供給がなされる度に、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度、加算した減速加速度α、ハンドルを握る圧力P、自車両の車速、先行車との距離を対応付けてを記憶する。
先行車の速度または先行車と自車との速度差のデータを記憶するようにしてもよい。
減速度合学習部41は、複数の記憶データが蓄積されると、それらの蓄積データに基づいて運転手の運転感覚に適した減速度合を求める。
運転手の運転感覚に適した減速度合は、クルーズ制御部39へ供給される。
【0055】
クルーズ制御部39は、減速度合学習部41から運転手の運転感覚に適した減速度合が供給されると、その減速度合に基づいて次回から減速加速度の設定を行なう。
減速度合学習部41からクルーズ制御部39へ運転手の運転感覚に適した減速度合が供給された後も、減速度合変更部40ならびに減速度合学習部41は動作を継続するので、先に供給した運転手の運転感覚に適した減速度合に対してさらに減速度合の学習が継続され、さらなる学習結果に基づいて運転手の運転感覚にさらに適した減速度合を供給することができる。
【0056】
次に、クルーズコントロール機能部3の操作部34を用いてナビゲーションの目的地を設定する動作について説明する。
クルーズコントロール機能部3は、クルーズコントロール機能部3の動作状態(動作停止状態,待機状態,オートクルーズ運転状態)をナビゲーション機能部9側へ供給するよう構成している。
また、前述したように、ハンドルに設置された操作部34の各スイッチ42〜45の操作情報は、ナビゲーション制御装置9側へ供給する構成としている。
【0057】
クルーズコントロール機能部3が動作停止状態にあるときに、図示しないメインスイッチがオンされセットスイッチ44が操作されると、ナビゲーション機能部9内の目的地設定部18はコントロール装置3側の操作部34からの操作よって目的地を設定する動作モードとなる。
クルーズコントロール機能部3が動作停止状態にあるときに、セットスイッチ44が操作されると、目的地設定部18は、音声合成装置10を介して、例えば「目的設定モードです。」との音声メッセージを発生して、目的地設定モードに移行したことを報知する。
そして、目的地設定部18は、誘導経路が既に設定されている場合は例えば「誘導経路が設定されています。」等の音声メッセージを、誘導経路が設定されていない場合は例えば「誘導経路は設定されていません。」等の音声メッセージを発生させる。
【0058】
誘導経路が設定されている場合、目的地設定部18は、「誘導経路に沿って目的地を設定する場合は、セットスイッチを操作して下さい。誘導経路の設定を解除する場合は、リセットスイッチを操作して下さい。」との音声メッセージを出力させる。
セットスイッチ44が操作されると、目的地設定部18は、車両の現在位置から誘導経路に沿って次の交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力するとともに、地図表示制御部17を介してその交差点位置が判明しやすくなるようマークを表示したり、その交差点位置を点滅表示させたり、その交差点位置の表示色を変更させたりさせる。
目的地設定部18は、アクセルスイッチ42が操作される度に、次なる交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力することを繰り返す。
これにより、誘導経路に沿って順次遠方の交差点が選択されることになる。
目的地設定部18は、セットスイッチ44の操作が一定時間なされない場合は、その時点で選択されている交差点を目的地とするとともに、例えば「××交差点を目的地として設定します。」の音声メッセージを出力させて目的地の設定動作を終了させる。
なお、目的地設定部18は、高速道路の区間に対しては、インターチェンジの名称やサービスエリアの名称,パーキングエリアの名称を音声メッセージで出力する。
【0059】
誘導経路の設定を解除するためにリセットスイッチ45が操作されると、目的地設定部18は、「誘導経路の設定を解除しました。」または「誘導経路は設定されていません。」等の音声メッセージを出力させる。
誘導経路が設定されていない場合、ならびに、誘導経路の設定が解除された場合、目的地設定部18は、車両が現在走行している道路が高速道路または国道,地方道であるか否かを認識し、高速道路または国道,地方道である場合は、例えば「△△高速(国道○○号線)を××方面へ走行中です。この道路に沿って目的地を設定する場合は、セットスイッチを操作して下さい。」等の音声メッセージを出力させる。
【0060】
セットスイッチ44が操作されると、目的地設定部18は、車両の現在位置から現在走行している道路に沿って次の交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力するとともに、地図表示制御部17を介してその交差点位置が判明しやすくなるようマークを表示したり、その交差点位置を点滅表示させたり、その交差点位置の表示色を変更させたりさせる。
目的地設定部18は、アクセルスイッチ42が操作される度に、次なる交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力することを繰り返す。これにより、現在走行している道路に沿って順次遠方の交差点が選択されることになる。
目的地設定部18は、セットスイッチ44の操作が一定時間なされない場合は、その時点で選択されている交差点を目的地とするとともに、例えば「××交差点を目的地として設定します。」の音声メッセージを出力させて目的地の設定動作を終了させる。
なお、目的地設定部18は、高速道路の区間に対しては、インターチェンジの名称やサービスエリアの名称,パーキングエリアの名称を音声メッセージで出力する。
【0061】
誘導経路が設定されていない場合、ならびに、誘導経路の設定が解除された場合であって、車両が現在走行している道路が高速道路または国道,地方道等の主要道路でない場合、目的地設定部18は、例えば「現在走行している道路は主要道路でないので、現在走行している道路に沿って目的地を設定することはできません。」との音声メッセージを出力する。
なお、目的地設定部18は、この音声メッセージを出力した時点から所定時間以内に車両が主要道路を走行するようになった場合は、例えば「○○道路を××方面へ走行中です。この道路に沿って目的地を設定する場合は、セットスイッチを操作して下さい。」等の音声メッセージを出力させて、目的地の設定入力を促すようにしてもよい。
【0062】
また、目的地設定部18は、アクセルスイッチ42が操作される度により遠方の地点を目的地候補とするだけでなく、リセットスイッチ45が操作された場合は先に目的地候補として地点よりも手前側の地点(交差点,インターチェンジ等)を目的地候補とするようにしてもよい。
なお、ここでは、アクセルスイッチ42を利用して目的地を順次選択する例を示したが、セットスイッチ44を用いて目的地を順次選択するようにしてもよい。
【0063】
次に、クルーズコントロール機能部3の操作部34を用いてオートクルーズ運転を終了させる地点を設定する動作について説明する。
リセットスイッチ45が操作されるとクルーズコントロール機能部3は待機状態となる。
また、ブレーキシフトレバー、ハンドルの急激な操作によってもクルーズコントロールが待機状態となる。
クルーズコントロール機能部3が待機状態にあることは、ナビゲーション機能部9側へ供給される。
【0064】
クルーズコントロール機能部3が待機またはオートクルーズ運転状態にあるときに、リセットスイッチ44が操作されると、ナビゲーション機能部9内のクルーズ区間設定部19は、オートクルーズ区間を設定する動作モードとなり、音声合成装置10を介して、例えば「クルーズ運転区間設定モードです。」との音声メッセージを発生して、クルーズ運転区間設定モードに移行したことを報知する。
そして、クルーズ区間設定部18は、「オートクルーズ運転区間を設定する場合は、オンスイッチの操作して下さい。」との音声メッセージを出力させる。
【0065】
クルーズ区間設定部19は、誘導経路が設定されている場合、セットスイッチ44が操作されると、車両の現在位置から誘導経路に沿って次の交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力するとともに、地図表示制御部17を介してその交差点位置が判明し易くなるようマークを表示したり、その交差点位置を点滅表示させたり、その交差点位置の表示色を変更させたりさせる。
クルーズ区間設定部19は、アクセルスイッチ42が操作される度に、次なる交差点を検出して、その交差点の名称を音声メッセージで出力することを繰り返す。
これにより、誘導経路に沿って順次遠方の交差点が選択されることになる。
【0066】
クルーズ区間設定部19は、セットスイッチ44の操作が一定時間なされない場合は、その時点で選択されている交差点を目的地とするとともに、例えば「××交差点をオートクルーズ運転の終了地点として設定します。」の音声メッセージを出力させてオートクルーズ運転区間の設定動作を終了させる。
なお、クルーズ区間設定部19は、高速道路の区間に対しては、インターチェンジの名称やサービスエリアの名称,パーキングエリアの名称を音声メッセージで出力する。
また、クルーズ区間設定部18は、誘導経路が設定されていない場合、セットスイッチ44が操作されると現在地から一番近い交差点または高速道路にあってはインターチェンジ等をオートクルーズ運転の終了地点とする。
【0067】
クルーズ区間設定部19は、車両の現在位置を監視しており、車両の現在位置がオートクルーズ運転の終了地点に達すると、例えば「オートクルーズ運転を終了します。」等の音声メッセージを発生させるとともに、オートクルーズ運転の終了を要求する信号をオートクルーズ制御装置33へ供給して、オートクルーズ運転を終了させる。
【0068】
図3はオートクルーズの終了地点の設定動作を示すフローチャートである。
ステップS1で車両用走行制御装置のメインスイッチが操作されると、クルーズコントロール機能部3は待機状態となる(ステップS2)。
クルーズコントロール機能部3が待機状態となっている状態で、セットスイッチ44が再度操作されると(ステップS3)、クルーズ区間設定部19はクルーズ区間の設定モードとなる。
クルーズ区間設定部19は、ステップS4で目的地が既に設定されその目的地に対する誘導経路が既に設定されているか否かを判定する。
目的地が設定されかつ誘導経路が設定されている場合、クルーズ区間設定部19は、アクセルスイッチ42の操作回数をカウントアップし(ステップS5)、現在地からカウントアップされたカウンタ値(n)番目の地点をオートクルーズ運転の終了地点に設定する(ステップS6)。
アクセルスイッチ42がさらに操作されると、カウンタ値が歩進(+1)され、歩進されたカウンタ値(n+1)番目の地点がオートクルーズ運転の終了地点に設定される。
目的地ならびに誘導経路が設定されていない場合、クルーズ区間設定部19は、現在地から一番近い地点をオートクルーズの終了地点に設定する(ステップS7)。
クルーズコントロール機能部3は、クルーズコントロール機能部の待機状態において、メインスイッチが操作されると(ステップS8)、クローズコントロール装置を動作停止状態となる(ステップS9)。
【0069】
図4は、高速道路におけるオートクルーズ運転区間の設定例を示す説明図である。
図4(b)に示すようにメインスイッチが最初に操作されると、図4(c)に示すようにクルーズコントロール機能部3は速度セット待ちの待機状態となる。この待機状態で、図4(b)に示すようにセットスイッチ44が操作されると、クルーズ区間設定部19は、車両の現在位置から進行方向に向って一番近いインターチェンジ,サービスエリアまたはパーキングエリアをオートクルーズ運転の終了地点として設定する。
アクセルスイッチ42がさらに操作されると、先に設定した地点の次のインターチェンジ,サービスエリアまたはパーキングエリアを、オートクルーズ運転の終了地点として設定する。
そして、図4(a)に示すように、クルーズ区間設定部19は、アクセルスイッチ42が操作される度に、順次次なるインターチェンジ,サービスエリアまたはパーキングエリアを、オートクルーズ運転の終了地点として設定していく。
図4(d)に示すようにメインスイッチが操作されると、図4(c)に示すようにクルーズコントロール機能部3は動作停止状態となる。
【0070】
図5はオートクルーズ運転区間の設定状況の画面表示例を示す説明図である。クルーズ区間設定部19は、クルーズ運転区間設定モードになると、画像表示装置12の画面上に、図5に示すように、現在走行している高速道路51と車両の現在位置を示すマーク52を表示させるとともに、進行方向にあるインターチェンジ,サービスエリア,パーキングエリア等を表示させる。
そして、クルーズ区間設定部19は、アクセルスイッチ42が操作される度に、オートクルーズ運転の終了地点をAインターチェンジ,Bサービスエリア,Cパーキングエリア,Dインターチェンジの順に順次遠方に設定するとともに、設定されたオートクルーズ区間の表示色を変更させる等して、オートクルーズ運転区間を地図上に表示させる。
なお、図5では、Cパーキングエリアがオートクルーズ運転の終了地点として設定され、現在位置52からCパーキングエリアまでの道路区間(ハッチングを施した区間)がオートクルーズ運転区間として表示された例を示している。
【0071】
図6は誘導経路が設定されている場合のオートクルーズ運転区間の設定状況の画面表示例を示す説明図である。
目的地までの誘導経路が設定されている場合、オートクルーズ運転の終了地点の設定は誘導経路に沿ってなされる。
したがって、図6に示すように、高速道路に分岐点がある場合でも、目的地が設定されているので誘導経路に沿ってオートクルーズ運転の終了地点を設定することができる。
なお、図6は目的地の手前にあるインターチェンジをオートクルーズ運転の終了地点として設定した例を示している。
目的地が設定されていない場合は、目的方向が2つ推定できるので、運転手に選択させてもよいし、主通路を優先させてもよいし、操作が煩雑になる場合は分岐してから再度設定するようにしてもよい。
【0072】
図7はオートクルーズ運転区間の設定状況の他の画面表示例を示す説明図である。
この表示は、先に述べたようにダッシュボード内のCRT、液晶表示装置またはフロントウィンドウのヘッドアップディスプレイを用いることができる。
クルーズ区間設定部19は、運転区間設定モードになると、図7に示すように、画像表示装置12の画面上に、進行方向にある各インターチェンジ等の名称を各インターチェンジ等の順に表示させ、アクセルスイッチ42の操作回数に対応して、オートクルーズ運転の終了地点となるインターチェンジ等の設定状況を表示するようにしてもよい。
選択指定されたインターチェンジ等の名称を点滅表示させたり、その表示色を変更させる等して選択指定されたインターチェンジ等を表示させる。
さらに、表示画面上に例えばアップ,ダウンのソフトスイッチを表示させ、表示画面上に配設した透明タッチパネルスイッチを用いてオートクルーズ運転の終了地点を設定できるようにしてもよい。
アクセルスイッチ42の操作またはソフトスイッチの操作に応じて各インターチェンジ等の名称表示をスクロールさせることで、より遠方の地点に対してもオートクルーズ運転の終了地点を設定することができる。
【0073】
図8ならびに図9はオートクルーズ運転区間を距離で設定する際の画面表示例を示す説明図である。
オートクルーズ運転区間の設定は、交差点やインターチェンジ等の特定の地点ではなく、現在位置から距離で設定するようにしてもよい。
クルーズ区間設定部19は、運転区間設定モードになると、図8に示すように、車両の現在位置を含む地図を画面上に表示させるとともに、アクセルスイッチ42が操作される度に、予め設定した距離間隔(例えば20キロメートル)でオートクルーズ運転の終了地点を設定して、設定したオートクルーズ運転区間を画面上に表示させる。
また、図9に示すように、アクセルスイッチ42の操作回数が多くなるにしたがって、設定する距離を順次増加させるようにしてもよい。
【0074】
なお、クルーズ区間設定部19は、運転区間設定モードにおいてアクセルスイッチ42の操作時間を監視し、その操作時間が予め設定した時間(例えば1秒)を越えた場合は、特定地点を対象とする運転区間設定と距離による運転区間設定とを交互に切り替えるようにし、特定地点を対象とする運転区間設定であるか距離による運転区間設定であるかを音声メッセージによって表示するようにしてもよい。
また、距離による運転区間設定の際に、クルーズ区間設定部19は、アクセルスイッチ42の操作時間が長さに応じてより長い距離を設定するようにしてもよい。
【0075】
次に、クルーズコントロール機能部の減速度合変更動作について説明する。
クルーズコントロール機能部3が待機状態にあるときに、所定の車速でアクセルスイッチが操作されるとその時の車間距離及び車速を維持するようオートクルーズ運転が開始される。
オートクルーズ運転を行なっているときに、レーダ装置32の出力より前車と自車との間に他車が割り込んできたり前車が減速したりする等で車間距離が狭くなった場合、クルーズ制御部39は予め登録してある運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて自車両の減速度を求め、求めた減速度に基づいて車両を減速させる。
運転手は、クルーズ制御部39による減速が心理的に不充分であると感じた場合は、ハンドル4を通常の運転状態よりも強い力で握ることで、減速度合を増加させ、車間距離を大きくすることができる。
【0076】
図10はオートクルーズ運転による減速時にハンドルを強く握った際の減速度合(減速加速度)の変化を示すグラフである。横軸はハンドルを握る圧力Pを、縦軸は減速加速度を示している。
ハンドル圧力センサ35によって検出された圧力が平常運転時の圧力値の範囲内であれば、クルーズ制御部39が予め登録してある運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度αAUTOで減速がなされる。
【0077】
減速度合変更部40は、ハンドル圧力センサ35によって検出された圧力が、平常運転時の圧力値に対して所定値以上大きくなった場合は、その時のハンドルを握る圧力の大きさに応じて前述の式(1)に基づいて演算して得た加算する減速加速度αを出力する。
クルーズ制御部39は、加算する減速加速度αが供給されると、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度αAUTOに加算する減速加速度αを加算し得た減速加速度に基づいて減速を行なう。
よって、図10に示すように、ハンドル4を通常の運転状態よりも強い力で握ることで、ハンドルを握る圧力の大きさに応じて減速度合(減速加速度)が増加される。
【0078】
減速度合学習部41は、減速度合変更部40によって加算する減速加速度αの供給がなされる度に、運動力学的な考え方や標準的な運転モデルに基づいて求めた減速加速度、加算した減速加速度α、ハンドルを握る圧力P、自車両の車速、先行車との距離を対応付けてを記憶し、複数の記憶データが蓄積されると、それらの蓄積データに基づいて運転手の運転感覚に適した減速度合を求め、運転手の運転感覚に適した減速度合をクルーズ制御部39へ供給するので、減速度合の学習が進むにつれて運転手の運転感覚に適した減速度合での減速がなされるようになる。
尚、ハンドルを握る圧力は、カーブの半径(R)や舵角、ハンドルトルクに応じて変化するので、これらのドライバの操作を検知し減速度合を補正することが望ましい。
【0079】
ハンドル圧力と減速加速度とのデータテーブルをROMに記憶しておき、またはCPUとROMとRAMを用いて学習する構成としてもよい。
ハンドル圧力は所定値までは不感帯としておき、走行制御装置は、前記所定値を超えた場合にハンドル圧力により自車両の減速度合または車間距離を大きくする構成としてもよい。
ハンドル圧力から前記所定値を差し引いた値が正の値の場合に、ハンドル圧力から前記所定値を差し引いた値に比例して(又は差し引いた値の増加に伴って)減速度合が増加するようにしてもよい。
他の自動車が前方に割り込んできた場合に、ハンドルを強く握ることで減速度合または車間距離を大きくすることができ、運転手がブレーキ操作をしたのと同様にすることができる。
前記所定値(しきい値)は、ハンドルの舵角または操舵トルクに基づいて変化するよう構成してもよい。これによりハンドルの舵角または操舵トルクによってハンドル圧力が変化することに対応した車両走行制御を行うことができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの近傍に設けたオートクルーズ運転設定用の操作部を利用して、ナビゲーションの目的地やオートクルーズ運転を行なう区間を設定することができる。
操作部を共用する構成としたので、スイッチ等の数量を減少させることができる。
また、ハンドル近傍の操作部で設定車速、設定車間距離のみならず目的地やオートクルーズ運転区間を設定できるので、運転中に視線を大きく移動させる必要がなく、操作性がよい。
また、ナビゲーション機能部側の道路地図情報を利用して、例えばインターチェンジ,交差点,ランドマーク等を目的地やオートクルーズ運転の終了地点として設定することができるので、設定が容易である。
【0081】
この発明に係る車両用走行制御装置は、ハンドルの周囲に車両の減速度合を大きくさせるための操作部を設けたので、オートクルーズ運転中にクルーズコントロール機能部が演算によって求めた減速度合よりも大きな減速度合を設定することができる。
なお、減速度合を大きくさせるための操作部を圧力センサを用いて構成することによって、ハンドルを強く握ることで減速度合を大きくすることができる。
また、ハンドルを握る圧力の大きさに応じて、減速度合を大きく設定することができる。
さらに、減速度合を大きくさせるための操作部の操作に基づいて減速度合を大きく設定した際には、その時の車速、車間距離、前車との相対速度等の走行条件を記憶し、複数の走行条件に基づいて減速を開始する車間距離や減速度合を学習することで、運転手の運転感覚に適した減速を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用走行制御装置のブロック構成図
【図2】操作部の一例ならびにハンドル圧力センサの一例を示す説明図
【図3】オートクルーズの終了地点の設定動作を示すフローチャート
【図4】高速道路におけるオートクルーズ運転区間の設定例を示す説明図
【図5】オートクルーズ運転区間の設定状況の画面表示例を示す説明図
【図6】誘導経路が設定されている場合のオートクルーズ運転区間の設定状況の画面表示例を示す説明図
【図7】オートクルーズ運転区間の設定状況の他の画面表示例を示す説明図
【図8】オートクルーズ運転区間を距離で設定する際の画面表示例を示す説明図
【図9】オートクルーズ運転区間を距離で設定する際の他の画面表示例を示す説明図
【図10】オートクルーズ運転による減速時にハンドルを強く握った際の減速度合(減速加速度)の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1…車両用走行制御装置、2…ナビゲーション機能部、3…クルーズコントロール機能部、4…ハンドル、8…現在位置検出装置、9…ナビゲーション制御装置、10…音声合成装置、12…画像表示装置、14…地図データベース、18…目的地設定部、19…クルーズ区間設定部、32…レーダ装置、34…操作部、35…ハンドル圧力センサ、36…スロットルアクチュエータ、37…ブレーキアクチュエータ、39…クルーズ制御部、40…減速度合変更部、41…減速度合学習部、42…オンスイッチ(アクセルスイッチ)、43…オフスイッチ(リジュームスイッチ)、44…セットスイッチ、45…リセットスイッチ。
Claims (7)
- 車両の現在走行位置を検出する機能を有すると共に車両の走行速度を制御するクルーズコントロール機能を有する車両用走行制御装置において、
車両の走行制御の車間距離又は車速の設定を行うスイッチと走行制御の目的地を設定するスイッチとを共用したことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて目的地を推定し、該推定目的地を走行制御の目的地として設定することを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
- 前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて推定目的地を表示する表示器を備え、
表示された推定目的地から走行制御の目的地を前記スイッチにより選択する構成からなることを特徴とする請求項2記載の車両用走行制御装置。 - 前記車両用走行制御装置は、現在の走行位置及び進行方向に基づいて複数の推定目的地を一覧表にして表示する表示器を備え、
表示された複数の推定目的地から走行制御の目的地を前記スイッチにより選択する構成からなることを特徴とする請求項2記載の車両用走行制御装置。 - ハンドルに車両の減速度合または車間距離を大きくさせるための操作部を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用走行制御装置。
- 前記操作部は、前記ハンドルに組み込まれた圧力センサを用いて構成し、
車両用走行制御装置は、運転手が前記ハンドルを握る圧力に基づいて車両の減速度合または車間距離を大きくさせることを特徴とする請求項5記載の車両用走行制御装置。 - 車両用走行制御装置は、前記ハンドルの舵角または操舵トルクを検出するセンサを備え、
前記ハンドルの舵角または操舵トルクと、運転手が前記ハンドルを握る圧力と、に基づいて車両の減速度合または車間距離を大きくさせることを特徴とする請求項6記載の車両用走行制御装置。
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