JP3888930B2 - 無線通信装置、及びアンテナ装置の支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ装置を設置用部材に取り付けるための支持装置を備えた無線通信装置、及びアンテナ装置の支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,この種のアンテナ装置においては,図10に例示するように,柱状のポールや塔状の構造物等からなる設置用部材5に,アンテナ方向調整用の取付部材111,112を介して,アンテナ部102を設置し,このアンテナ部102と通信機103とを高周波信号伝送用のケーブル104を介して接続するようにされていた。また通信機103は,アンテナ部102の設置場所から離れた室内に設置される場合もあるが,ケーブル104による伝送損失を押えたい場合は,通信機103を設置用部材10に取り付け,ケーブル104が短くなるように配慮していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,ケーブル104は,アンテナ部102の方向調整時の可動範囲内でケーブル104の長さが足らなくならないよう,ある程度長くしておく必要が生じるため,上記のような構成でも,アンテナ部102と通信機103との間で通信信号の損失を充分抑制できず,例えば,ケーブルでの伝送損失が大きいUHF〜SHF帯の信号をアンテナから送信させる送信装置では,アンテナ部102からの送信電力を確保するのが難しいと言う問題があった。
【0004】
つまり,例えば,従来より,ラジオやテレビの放送を行う地上局若しくは人工衛星から送信されてくる放送電波を直接受信のできない地域(山間部や高層ビルが建ち並ぶ都心部,或いはトンネル内等)では,その地域内に放送電波を再送信するための送信アンテナを設置し,放送電波が受信可能な場所に設置された受信アンテナからの受信信号を,この送信アンテナまで伝送することにより,放送電波を送信アンテナから再送信するシステムが知られている。
【0005】
そして,この種のシステムでは,送信アンテナからの送信電波が届く範囲(サービスエリア)を広げるために,通信機として使用される送信機の出力を大きくして,送信アンテナから大電力の電波を送信するようにしている。
しかし,従来では,送信機と送信アンテナとの間で生じる送信信号の損失を充分抑制することができず,送信アンテナからの送信電力が低下するために充分なサービスエリアをカバーすることはできなかったのである。
【0006】
こうしたシステムにおいて,送信アンテナからの送信電力を確保するするために,送信機の出力自体を,ケーブルでの損失分を見込んで大きくすれば良いが,このような対策では,送信器を構成する信号出力用の素子に出力電力の大きな物を使用しなければならず,また,送信機での消費電力,つまりは発熱量が増加するため,冷却用にフィンを大きくする必要があるため,送信機の大型化,コストアップにつながると言った問題がある。また,送信機が大型化すると,送信機の設置・保守の容易性も阻害されることになる。
【0007】
また,このような問題を防止するためには,アンテナの給電部に通信機(送信機・受信機等)の機能を組み込み,アンテナと通信機とを一体化することも考えられるが,このような対策では,アンテナ単体を設置する場合に比べ重くなるとともに,上側用と下側用である2つのアンテナ方向調整用の取付部材111,l12への設置が必要であり,設置作業の容易性を阻害することに成る。更にまた,前記取付部材が2つあることで,より高い場所での設置作業が必要となることも問題であった。
【0008】
更にまた,アンテナの方向調整用の取付部材は,アンテナの方向調整とアンテナの固定を兼ねており,例えば保守等で取り外し,その後再び設置する場合,改めてアンテナの方向調整を行う必要がありこの点においても設置・保守の容易性が問題であった。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アンテナと通信機とを一体化したアンテナ装置を備えた無線通信装置において、支持装置を介してアンテナ装置を設置用部材に容易に取り付けることができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、アンテナ部と通信機とを一体化したアンテナ装置と、該アンテナ装置を設置用部材に取り付けるための支持装置とを備えた無線通信装置であって、
前記アンテナ装置の外側面には、少なくとも一箇所にリベット状の柱状体が突設され、底面側には、前記支持装置に固定するための底面側止着部が形成されており、
前記支持装置の前記柱状体と相対向する位置には、前記柱状体を係止する係止孔が配置され、
前記支持装置の下方端には、前記柱状体を前記係止孔に係止させた状態で前記アンテナ装置の底面側止着部が当接されることにより、前記アンテナ装置を仮置き可能な止着部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は,前記支持装置は,前記設置用部材に固定する際,前記設置用部材に対する前記アンテナの向きを調整可能に構成される。
【0012】
一方、請求項3に記載の発明は、外側面の少なくとも一箇所にリベット状の柱状体が突設され、底面側には底面側止着部が形成されたアンテナ装置を、設置用部材に取り付けるための支持装置であって、
前記アンテナ装置の柱状体と相対向する位置には、前記柱状体を係止する係止孔が配置され、その下方端には、前記柱状体を前記係止孔に係止させた状態で前記アンテナ装置の底面側止着部が当接されることにより、前記アンテナ装置を仮置き可能な止着部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,本願アンテナ装置の支持装置について,無線通信装置の送信用のアンテナにおける実施例を図面を基に説明する。図1に示される無線通信装置1はアンテナ部3と通信機4とから成るアンテナ装置2と,設置用部材5と,アンテナ装置2を設置用部材5に取り付ける為の支持装置13とから成っている。上記設置用部材5として例示するものにおいて,中空管状の支柱である。
次に,アンテナ装置2について説明する。このアンテナ装置2はアンテナ部3と通信機4からなる。本願の無線通信装置1を構成するアンテナ装置2は,他の無線通信装置から送信されてきた送信電波(例えば地上局若しくは人工衛星からの)を受信アンテナにて受信し,当該受信信号を伝送線を介して当該送信電波が届かない地域(山間部や高層ビルが建ち並ぶ都心部,或いはトンネル内等)に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して前記アンテナ装置から送信するの使用されるもので,本願で例示するものにおいて,ギャップフィラーに用いられているアンテナ装置である。尚,本願のアンテナ部は実施例であり,アンテナの種類は問わない。また,通信機として例示されている送信機に限定されず,例えば前置増幅器のような電子機器であってもよい。
【0014】
次に,通信機4について図1及び図2に基づいて説明する。通信機4には前記受信信号がケーブル6を介し入力端子7に入力される。入力された信号は適宜処理されて,前記アンテナ部3から送信される。また,前記通信機4の動作電源は,前記ケーブル6を介して電源供給される。
前記通信機4のケース8は略直方体形状をしており,例えばアルミニウム材で形成されている。前記ケース8の1側面8aであって,側面8aの下方側には,頭部9aと軸部9bと当接部9cとから成る略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,側面8aの上方側には,前記柱状体9の当接部9cと同じ高さで形成された支持柱10が少なくとも2つ突設させてある。また,前記ケース8の側面8aと長手方向に接している前記ケースの上面側8bと底面側8cには,支持装置の止部18,19(後で詳細に説明する)と止着ねじ11a,12aで止着できるよう止着穴が備えられた止着部11,12が形成されている。
【0015】
次に,支持装置13について図2,3,4,5を参考に説明する。支持装置13は断面コ字状で両側板14a,14aを有した基体14と,当該基体14に設けた枢着点に枢着された固定板15と,ボルトの締め付け操作で押付け可能に組み付けられた前記設置用部材5に対する押え板16とから成る。
前記基体14の底板部14bには,前記アンテナ装置2に形成された前記柱状体9と相対向する位置にダルマ孔17が設けられている。また,前記底板部14bの上方端と下方端には止部18,19が前記基体14の開口側と反対方向に形成されている。当該上方端の止部18には前記通信機4のケース8の上面側8bに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔18aが設けられている。更に前記下方端の止部19には前記通信機4のケース8の底面側8cに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔19aが設けられると共に,前記下方端止部の周縁には止辺19bが形成されている。
【0016】
次に,前記基体14には,M状に折り曲げ形成された固定板15が,前記基体14の開口側と対向するように組み付けられている。固定板15における両側板部15a,15aの上部には1つ及び下部には2つ,夫々ねじ孔20が設けられていると共に,基体14における両側板14a,14aの上部及び下部には,前記ねじ孔20に対応した位置にボルト挿通孔21,22,23が穿設され,前記ボルト挿通孔21,23は下部に穿設された2つのボルト挿通孔の内,中央寄りのボルト挿通孔22を中心点とした円弧状の長溝になっている。
そして固定板15は,基体14に対して各ねじ孔を合致させ,ボルトで固定でき,その固定板15は,ボルトの締め付けを緩めることにより,基体14に対して前記枢着点を中心点として,相対的に回転させて仰角の調整をすることができる。前記固定板15の両側板部15a,15aの折り曲げ部分には水平面15b,15bが形成され,その各水平面には上下にねじ孔24,24・・が形成されている。
尚,前記ねじ孔20の他の例として,ねじ孔20をボルト挿通孔として,前記ボルトとナットの組合せで前記固定板15と前記基体14を固定し,ボルトとナットの締め付けを緩めることで仰角調整する方法でも良い。
【0017】
次に,上述の仰角の調整方法について図2,6,7,8に基づいて詳細に説明する。図において25は前記基体14の側板14aに設けた第1の角度調整孔である。当該第1の角度調整孔25は,ボルト挿通孔(長溝)21,23における仰角の可動範囲を,一定角度に分割した数(N)から1つ少ない数(N−1)だけ設けてある。本願の実施例では例えば支持装置13の仰角の調整範囲が0〜−10°(指向性が水平方向に向いたときを基準の0°とする)とし,当該調整範囲を1°ステップに分割する場合,前記第1の角度調整孔25は9個(10−1)設けられ,前記枢着点を中心点として配置されている。これは,後述の仰角調整時における前記基体14の位置決めの役割をするものであり,当該第1の角度調整孔の近傍には,仰角調整目盛りが刻印で表示されたり,ラベルで表示されたりしている。
【0018】
また,前記第1の角度調整孔25を設けた側板14aと当接する前記固定板15の側板15aには,前記第1の角度調整孔25と同じ数,同じ径の第2の角度調整孔26が,前記固定板15の側板部15aの折り曲げ部にたいして長手方向に平行に形成されている。
前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の位置関係は,前記基体14の仰角を角度調整するため前記基体14を傾けていくと,一定角度毎に前記第1の角度調整孔25の何れか1つと前記第2の角度調整孔26の何れか1つの一組が,夫々の孔の軸線を共通として相対向すると共に,残りの第1の角度調整孔25と第2の角度調整孔26は,孔の軸線がずれて配置されるように構成されている。
【0019】
つまり,上述の例では,仰角調整範囲が0〜−10°で分割数を1°ステップと成るよう第1の角度調整孔25が設けてあることから,図6に示すように,前記第1の角度調整孔25は前記基体14の側板14aにおける前記枢着点の中心点に近い方から,基準(0°)に対して25aは−1°,25bは−2°…25iは−9°(段々と指向性が水平方向から下方に向く)を示すようになっている。また第2の角度調整孔26も前記第1の角度調整孔と同じ数だけ設けられており,前記固定板15の側板部15aにおける前記枢着点の中心点に近い方から,26a,26b,…26iが設けられている。そこで,図7の如く前記基体14を例えば−4°傾けたい場合,前記基体14を動かすことで,前記第1の角度調整孔25dの軸線と,前記第2の角度調整孔の軸線が合致する位置に動かす(この結果,合致した第2の角度調整孔は26dとなる)だけで簡単に,且つ,正確に仰角を−4°に調整することができるのである。基準(0°)は図6に,仰角の最大調整範囲(−10°)は図8に示すように夫々前記ボルトの軸部と,前記ボルト挿通孔(長溝)21,23の遥動方向の端部と当接させることで角度調整できるように構成されている。
【0020】
更にまた,前記基体14における前記第1の角度調整孔25の近傍には,図9に示すように止部材27が備えられている。止部材27は止金具27aと連結手段27bとからなり,前記基体14に締着具27dを止着ねじ27cで取り付けている。止金具27aは軸部の径を前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の径よりやや小さくなるよう形成されており,上述の如く前記基体14の角度調整時に,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の軸線が合致したところに挿通することで前記アンテナ装置2の仰角を正確に且つ簡単に仮止めできる。また,この止金具27aによって,前記アンテナ装置2は正確な仰角を保ったまま前記ボルトを締め付けることができるだけでなく,当該アンテナ装置2を取り付ける前でも支持装置13だけで仰角の調整ができ,取り付けの効率も良くなる。
【0021】
尚,本願の実施例では仰角調整範囲を0〜−10°,調整ステップを1°としたが,必要に応じて適宜変更しても良い。また,角度調整孔25,26の設ける数を,仰角調整可能範囲を必要なステップに等分に分割した数から1つ少なくする例を示したが,この例に限定されるものではない。また,本願の例では,第1の角度調整孔25若しくは第2の角度調整孔26何れか一方には雌ねじを形成すると共に,前記止金具27aの軸部には雄ねじを形成し,止金具27aをねじ止めする方法でも,より安全な作業ができる。
【0022】
16は前記固定板15と対になって支柱5を挟持する押え板であり,図3,5に示すように,周囲を固定板15方向に屈曲させて剛性を持たせている。上下の屈曲部16aは三角形の頂部を半円状に切り欠いた形状で,その切り欠き面が鋸歯状形成されている。そして基板面16bには前記固定板15のねじ孔24,24・・に対応したボルト挿通孔28,28・・が穿設されていて,そのボルト挿通孔28,28・・へ挿通したボルト29を前記ねじ孔24,24・・に螺合させることにより,押え板16を固定板15に取り付けることができる。そしてボルト29のねじ込みにより押え板16を固定板15に押付けると,押え板の上下屈曲部16aにおける両サイドの傾斜面が固定板15のV状面に合致し,固定板15の水平面15bと押え板16との間に間隙Pが確保される。
【0023】
間隙Pにはハンガー30が組み込まれている。ハンガー30は図5に示すように,係止バー30aの両端に支持腕30bが垂下形成され,それら支持腕30bの下端に,ボルト遊挿部であるボルト遊挿孔31を備えていて,係止バー30aは水平方向へ弓状に屈曲し,金属性材料(例えば)にて一体成形されている。
このように形成されたハンガー30を,固定板15と押え板16との間に配置し,ボルト挿通孔31へボルト29を遊挿させることにより,ボルトのねじ込みにより押え板を固定板に押付けた場合,支持腕が固定板の水平面と押え板との間に確保される間隙P内に収まり,僅かに係止バーのみが押え板の屈曲部の上面に沿って露出した状態となる。
【0024】
次に,支柱5への取り付け例を図2,3,5を基に説明する。
先ず4本のボルト29を緩め,固定板15と押え板16間に支柱5を挿通可能なスペースを確保する。そしてそのスペース内へ支柱5を挿通させるが,支柱5の上端に固定させる場合は,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の上端に引っ掛かる位置にして前記アンテナ装置2を係止させる。このようにすれば,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,アンテナ装置2の取付作業が容易に可能となる。
【0025】
支柱5の中途位置に取り付ける場合には,図4に示す如く固定板15と押え板16の間に支柱5を挿通可能なスペースを確保すれば,ハンガー30がボルト29に沿って移動できるようになるから,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の挿通の邪魔にならないように,指を支持腕30bに当てがって押え板16側にずらせ,支柱5が貫通できるようにすれば,ハンガー30を利用しない取り付けも可能となる。従って引っ越し,設置場所の移動等により支柱5の上端から途中,或いはその逆に変更するときでもハンガー30の位置調整で自由に選択できると言った汎用性を備えている。
【0026】
本願の実施例のハンガー30は金属性材料(例えば,鉄板に溶融亜鉛メッキを施したもの)で,係止バー30aを弓状に湾曲させたものとなっているが,係止バー30aはハンガー30をずらした際に支柱5の邪魔にならなければ湾曲させる必要が無い。また,ハンガー30の材料は上記実施例に限定されるものではなく,例えば合成樹脂材料で形成されても良い。
次に,こうして取り付けられた支持装置13は,両手にて慎重に方位の調整が可能であり,その姿勢を維持したままボルト29を軽く締め付けることで仮止めして次の作業を行うか,方位角が正確に分かるのならばボルト29を締着し,支柱5へ強固に固定しても良い。
【0027】
次に,仰角の方向調整を行う。仰角の調整は前記基体14を遥動させることで,上述の如く基体14の側面14aに設けた第1の角度調整孔25の内,希望する仰角が表示された前記調整孔の軸線と,前記第2の角度調整孔26であって,前記第1の角度調整孔と軸線が合致する調整孔とを揃える事で簡単に可能である。また,この時,前記止部材27の前記止金具27aを,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26に挿通させることで仰角が正確に維持できる。そして,次にボルトを軽く締め付けて基体を仮止めして次の作業を行っても良いし,仰角が正確に分かるのならばボルトを締着し,固定板15へ強固に固定しても良い。
【0028】
次に,アンテナ装置2を前記支持装置13に取り付ける方法について図2及び図11に基づいて説明する。
装置2を構成する通信機4のケース8の1側面8aであって,支持装置13の基体14の底板部14bに相対向した面側には,前述のように略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,前記柱状体9は頭部9aと軸部挿通部9bと当接部9cとから成る。次に,前記基体14の底板部14bの前記柱状体9と相対向する位置に設けられたダルマ孔17に前記柱状体9の頭部9aを挿入し,前記アンテナ装置2を前記底板部14bに沿って下方に押し下げる。この時,前記ダルマ孔17は,細径の孔の方が底板部14bの長手方向に対して下方になるように形成されているので,前記柱状体9の軸部9bが前記ダルマ孔17の細径の孔に係止されると共に,前記柱状体9の頭部9aの径は,前記ダルマ孔17の細径の孔よりやや大きく形成されているので,当該アンテナ装置は基体14の底板部14bに確実に係止される。また同時に前記ケース1に設けられた底面側止着部12と,前記底板部14bに設けられた下方端止部19とが当接するよう構成されていると共に,当該下方端止部19の周縁には止辺19bが形成されていることから,前記アンテナ装置2は前記支持装置13に簡単に仮置きできることから,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,安全な取付作業が実現できる。
【0029】
次に,前記下方端止部19に設けられた止着孔19aと前記底面側止着部12に設けられた止着穴に止着ねじ12aを取り付ける。更に,前記上方端止部18に設けられた止着孔18aと前記上面側止着部11に設けられた止着穴に止着ねじ11aを取り付けた後に,前記止着ねじ11a,12aを完全に締着し,前記アンテナ装置2は前記当接部9cと前記支持柱10を介して前記支持装置13の基体14に強固に固定される。
こうして支持装置13に取り付けられたアンテナ装置2は,前述の如くアンテナ装置の方向調整がなされた後,仮止めされていた各部のボルトを締着することで,簡単に,正確に,且つ,安全に支持装置13もアンテナ装置2も強固に固定することが可能である。また,本願の特徴として,アンテナ装置を支持装置に固定する前に仰角の調整をしておくことで,アンテナ装置を取り付ければ直ちに運用が開始できる。
更にまた,仰角の細かい調整が必要な場合,先ず,上述の如く角度調整孔で目的の角度に設定し,その後微調整を行えば,効率よく設置作業ができると言ったメリットもある。
【0030】
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や配置等を適宜に変更して実施することも可能である。また,本願の支持装置に対するアンテナの使用例としては,使用例としてあげた無線通信用装置に限定されるばかりでなく,他のアンテナに使用しても良い。更にまた,アンテナ部と一体に備えられた通信機は,受信用のプリアンプのような電子機器を備えても良いことは言うまでも無い。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の無線通信装置によれば、アンテナ装置の外側面にリベット状の柱状体を突設し、支持装置には、その柱状体を係止する係止孔を設けているので、アンテナ装置を支持装置に取り付ける際に、柱状体を係止孔に係止させることでアンテナ装置を支持装置に仮固定できる。
また、支持装置の下方端には、柱状体を係止孔に係止させた状態でアンテナ装置の底面側止着部を当接させることで、アンテナ装置を仮置き可能な止着部が形成されているので、柱状体を係止孔に挿通させてアンテナ装置を支持装置に仮固定した際、手を離してもアンテナ装置は落下せず、安全な取り付け作業が実現できる。
【0032】
次に請求項2に記載の無線通信装置によれば、支持装置が、設置用部材に対するアンテナの向きを調整可能に構成されているので、支持装置を操作することで方向調整ができる。このため、アンテナの向きを簡単且つ安全に調整することができる。
【0033】
また次に、請求項3に記載の支持装置によれば、請求項1に記載の無線通信装置の支持装置と同様に構成されているので、アンテナ装置を支持装置に取り付ける際に、アンテナ装置の柱状体を係止孔に係止させることでアンテナ装置を支持装置に仮固定できる。また、その仮固定時には、支持装置の下方端に設けられた止着部にアンテナ装置の底面側止着部を当接させて、アンテナ装置を仮置きできるので、手を離してもアンテナ装置は落下せず、安全な取り付け作業が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信装置の実施形態の1例を示す。
【図2】アンテナ装置を支持装置に取り付ける手順を示す要部破断図面である。
【図3】支柱の先端に支持装置を取り付けたときの上面図を示す。
【図4】支柱の途中に支持装置を取り付けたときの側面図を示す。
【図5】支持装置を分解して示す説明図である。
【図6】支持装置の仰角を0°に設定したときの,第1の角度調整孔と第2の角度調整孔との位置関係を示す概略図である。
【図7】支持装置の仰角を−4°に設定したときの,第1の角度調整孔と第2の角度調整孔との位置関係を示す概略図である。
【図8】支持装置の仰角を−10°に設定したときの,第1の角度調整孔と第2の角度調整孔との位置関係を示す概略図である。
【図9】止部材の詳細説明図である。
【図10】従来の無線通信装置を示す概略図を示す。
【図11】図2における詳細説明図であり,(a)は柱状体の係止部分の要部拡大図,(b)は柱状体とダルマ孔が係止する動きを説明する概略拡大図を示す。
【符号の説明】
1…無線通信装置,2…アンテナ装置,3…アンテナ部,4…通信機,5…設置用部材(例えば支柱),6…ケーブル,7…入力端子,8…ケース,8a…側面,8b…上面側,8c…底面側,9…柱状体,9a…頭部,9b…軸部,9c…当接部,10…支持柱,11…上面側止着部,11a…止着ねじ,12…底面側止着部,12a…止着ねじ,12b…止着穴,13…支持装置,14…基体,14a…側板,14b…底板部,15…固定板,15a…側板,15b…水平面,16…押え板,16a…屈曲部,16b…基板面,17…ダルマ孔,18…上方端止部,18a…止着孔,19…下方端止部,19a…止着孔,19b…止片,20…ねじ孔,21…ボルト挿通孔(長溝),22…ボルト挿通孔,23…ボルト挿通孔(長溝),24…ねじ孔,25…第1の角度調整孔(25a,25b,……25n),26…第2の角度調整孔(26a,26b,……26n),27…止部材,27a…止金具,27b…連結手段,27c…止着ねじ,27d…締着具,28…ボルト挿通孔,29…ボルト,30…ハンガー,30a…係止バー,30b…支持腕,31…ボルト遊挿孔,102…アンテナ部,103…通信機,104…ケーブル,111,112…アンテナ方向調整用の取付部材,P…間隙
Claims (3)
- アンテナ部と通信機とを一体化したアンテナ装置と、
該アンテナ装置を設置用部材に取り付けるための支持装置と、
を備えた無線通信装置であって、
前記アンテナ装置の外側面には、少なくとも一箇所にリベット状の柱状体が突設され、底面側には、前記支持装置に固定するための底面側止着部が形成されており、
前記支持装置の前記柱状体と相対向する位置には、前記柱状体を係止する係止孔が配置され、
前記支持装置の下方端には、前記柱状体を前記係止孔に係止させた状態で前記アンテナ装置の底面側止着部が当接されることにより、前記アンテナ装置を仮置き可能な止着部が形成されていることを特徴とする無線通信装置。 - 前記支持装置は、前記設置用部材に固定する際、前記設置用部材に対する前記アンテナの向きを調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 外側面の少なくとも一箇所にリベット状の柱状体が突設され、底面側には底面側止着部が形成されたアンテナ装置を、設置用部材に取り付けるための支持装置であって、
前記アンテナ装置の柱状体と相対向する位置には、前記柱状体を係止する係止孔が配置され、その下方端には、前記柱状体を前記係止孔に係止させた状態で前記アンテナ装置の底面側止着部が当接されることにより、前記アンテナ装置を仮置き可能な止着部が形成されていることを特徴とするアンテナ装置の支持装置。
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