JP2004023618A - アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 - Google Patents
アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004023618A JP2004023618A JP2002178348A JP2002178348A JP2004023618A JP 2004023618 A JP2004023618 A JP 2004023618A JP 2002178348 A JP2002178348 A JP 2002178348A JP 2002178348 A JP2002178348 A JP 2002178348A JP 2004023618 A JP2004023618 A JP 2004023618A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antenna
- lightning arrester
- reflector
- communication device
- reflectors
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Details Of Aerials (AREA)
- Support Of Aerials (AREA)
Abstract
【課題】設置・保守の容易性を合わせ持った,アンテナ装置の避雷構造を提供する。
【解決手段】電波を放射する棒状の放射器70と,当該放射器70に略平行に設けられ,電波を反射および吸収する複数本の導電性材料で形成された反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなるアンテナ装置2のアンテナ部3において,前記反射器72のうち少なくとも一本が,前記アンテナ部3における反射器と,前記アンテナ装置2の避雷素子とを兼用するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】電波を放射する棒状の放射器70と,当該放射器70に略平行に設けられ,電波を反射および吸収する複数本の導電性材料で形成された反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなるアンテナ装置2のアンテナ部3において,前記反射器72のうち少なくとも一本が,前記アンテナ部3における反射器と,前記アンテナ装置2の避雷素子とを兼用するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主に高層建築物や山間部等に設置されるアンテナに関し,詳しくはそのアンテナの避雷構造と,当該避雷構造を備えたアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,ラジオやテレビの放送を行う地上局若しくは人工衛星から送信されてくる放送電波を直接受信することのできない地域(高層ビルが建ち並ぶ都心部や山間部等)では,その地域内に放送電波を再送信するための送信アンテナを設置し,放送電波を受信可能な場所に設置された受信アンテナからの受信信号をこの送信アンテナまで伝送することにより,放送電波を送信アンテナから再送信するシステムが知られている。
【0003】
この種の無線通信装置1においては,図10に例示するように,高層建築物の屋上や山間部の見晴らしの良い頂等に,柱状のポールや搭状の構造物等からなる設置用部材5に,アンテナ方向調整用の取付部材111,112を介して,アンテナ102を設置し,このアンテナ102と通信機103とを通信信号伝送用のケーブル104を介して接続するようにされている。この時,通信機4はアンテナ102の設置場所から離れた室内に設置される場合もあるが,ケーブル6による伝送損失を押えたい場合は,通信機103を設置用部材に取り付け,ケーブルが短くなるように配慮していた。
そして,これらのアンテナ102並びに通信機103の場所は,高層建築物の屋上や山間部の見晴らしの良い頂等にあるため,当該アンテナ102並びに通信機103を雷の被害から防護するために,避雷針等の避雷装置50を前記アンテナ102とは個別に建築物64等に設置し,導線56でアースに接続していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記アンテナ装置を雷の被害から防護するためには,避雷針等の避雷装置を前記アンテナ装置の近傍に別個に設置する必要がり,この場合,前記避雷装置を設置する場所や高さが制限され,新たに,より高所での取り付け作業が必要となり,この点において設置の容易性が問題であった。また,避雷針等の設置部材もアンテナ以外に必用となり,設置工事の長期化,コストアップとなるといった問題もあった。
本発明は,こうした問題に鑑みてなされたものであり,
その目的は,アンテナ装置に避雷装置が一体に備えられたアンテナ装置の避雷構造を提供することにある。
他の目的は,アンテナ装置の構成要素と避雷装置を共通化したアンテナ装置に避雷構造を提供することにある。
他の目的は,他のアンテナ装置から送信されてきた送信信号を受信アンテナで受信し,当該受信信号を当該受信信号が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信アンテナから送信するのに使用されるアンテナ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう構成される。
【0006】
請求項2の発明は,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は複数本備えられ,当該反射器の内少なくとも一本が,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう構成される。
【0007】
請求項3の発明は,請求項1乃至請求項2のそれぞれに記載の避雷装置において,当該避雷装置の先端から下方を見たときに,当該避雷装置の軸線となす角度が60°となる上記避雷装置の周方向の範囲内に,上記アンテナ素子を配置するよう構成される。
【0008】
請求項4の発明は,請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の前記避雷構造を有したアンテナは,他から送信されてきた送信電波を受信アンテナで受信し,当該受信信号を前記送信電波が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信する無線通信装置用であるよう構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下,本願アンテナ装置の実施例として,無線通信装置の送信用のアンテナにおける実施例について図面を基に説明する。図1に示される無線通信装置1はアンテナ部3と通信機4とから成るアンテナ装置2と,設置用部材5と,アンテナ装置2を設置用部材5に取り付ける為の支持装置13と避雷装置50から成っている。上記設置用部材5として例示するものにおいて,中空管状の支柱である。
【0010】
次に,アンテナ装置2の実施例について説明する。このアンテナ装置2はアンテナ部3と通信機4からなる。本願の無線通信装置1を構成するアンテナ装置2は,他の無線通信装置から送信されてきた送信電波(例えば地上局若しくは人工衛星からの)を受信アンテナにて受信し,当該受信信号を伝送線を介して当該送信電波が届かない地域(山間部や高層ビルが建ち並ぶ都心部,或いはトンネル内等)に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号がケーブル6を介して入力端子7より上記通信機4に入力され,当該通信機4において上記受信信号を処理して前記アンテナ装置2から送信するの使用されるもので,本願で例示するものにおいて,ギャップフィラーに用いられているアンテナ装置2である。尚,本願に示すアンテナ部3は実施例であり,上記避雷装置50を備えたアンテナの種類は上記実施例に限定されるものではない。また,通信機4として例示されているもの実施例であり,例えば前置増幅器のような電子機器であってもよいし,無くても(アンテナ部3だけの構成でも)良いことは言うまでもない。
【0011】
次に,アンテナ部3の第1の実施例について図2を用いて詳細に説明する。アンテナ部3は電波を放射する放射器70と電波を反射および吸収する複数本(本実施例の場合3本。1本は図示されていない。)の反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなる。
【0012】
放射器70は,本願においては長尺状のコリニアアンテナ70aからなり,その一端は下側保持金具74に連結金具75を介してネジ76で固定されると共に,上記連結金具の一端と通信機4とは,連結部86でもって高周波的に結合するように形成されている。
71は,前記コリニアアンテナ70aを保護する放射器用保護カバーであり,電波を反射および吸収しない非導電性材料(例えば,AES)で形成され,軽量で適度な強度を有し,当該コリニアアンテナ70aの特性の安定化と強度を保持するために設けられている。更に,当該放射器用保護カバー71の先端部は,上側保持金具78に当接されネジ85で固着されている。
尚,本願の実施例においては放射器70をコリニアアンテナ70aで形成しているが,このアンテナに限定されるものでなく,例えばスリーブアンテナ等で構成しても良い。
【0013】
前記放射器70に略平行に設けられた反射器72(72a,72b,72c。72cは図示されていない。)は長尺状の導電性材料からなり,第1の実施例では,放射器70と同様に下側の一端が下側保持金具74にネジ77で結合されている。また,反射器72a,72cの上側の一端はねじ77で,反射器72bの中間部は上側保持金具78に形成された挿通孔78aに結合されている。
以上のように構成されたアンテナ部3の要素は,上記下側保持金具74がネジ84でもって通信機4と固着されアンテナ装置2が構成される。
【0014】
反射器72a,72b,72cは放射器70を囲む配置に成っている。反射器72a,72b,72cは電波を反射および吸収するため,反射器72a,72b,72cに囲まれた側には放射器70からの電波は放射されなくなり,アンテナ部3は反射器72a,72b,72cのない方向にのみ放射器70からの電波を放射する指向性に成っている。
【0015】
保護カバー73は,アンテナ部3全体を覆うことができるよう筒状体73aと蓋体73bとキャップ73cとから成っている。保護カバー73は,アンテナ部3からの電波を反射および吸収しない非導電性材料とする必要があり,また軽量で適度な強度を有することが望ましい。このため本願の実施例ではその材料にAESを採用している。上記筒状体73aは,アンテナ部3を構成する各要素を覆うように被せ,上記筒状体73aの一方の開口部を上記通信機4の受部4aに挿着させる。挿着された上記筒状体73aは止ビス4bで上記受部4aに固着されると共に,防水対策を兼ねたシリコンシール材若しくはシリコン接着剤79で更に固定される。
上記筒状体73aの他端の開口部には蓋体73bを被せる。蓋体73bにはシリコンゴム等でできたOリング73dが設けられており防水性を保っている。一方,前記反射器72bの避雷装置50は,前記蓋体73bの前記反射器72bと相対抗する位置に設けられた挿通部73eに挿通される。前記挿通部73eには,シリコンシール材若しくはシリコン接着剤79等を充填させた後,キャップ73cを被せ,アンテナ部3の防水性を保つ。尚,上記挿通部73eの構造は一例であり,防水性・耐久性が保てれば,形状やシール材の種類等を適宜変更しても良い。
【0016】
次に,本願における避雷装置に付いて図2を用いて更に詳細に説明する。
上述のように反射器72は長尺状の導電性材料で形成されている。そこで本願における避雷装置の特徴は,反射器72は反射器としての役割だけではなく,上記アンテナ部3の電気的特性への影響なしに避雷装置50としても利用することにある。
【0017】
まず,第1の実施例について説明する。反射器72bは図2に示す如く,一端に尖端部が形成され,避雷装置50を構成している。前記反射器72bは上述のように中間部を上側保持金具78に結合されているが,この時図2に示すように,他の反射器72a,72cと同様に,上側保持金具78と電気的にも構造的にも結合するよう形成されている。また,反射器72bのもう一端も他の反射器72a,72cと同様に,上側保持金具74と電気的にも構造的にも結合するよう形成されている。
更に,上記避雷装置50の先端から下方を見たときに,当該避雷装置50の軸線となす角度が60°となる当該避雷装置50の周方向の範囲内に,上記放射器70が配置されるように,上記反射器72bの長さを決めている。
これによって避雷装置50と前記上側保持金具78と下側保持金具74とは,通信装置4のケースと電気的に接続されると共に,ケーブルの外部導体を介して別途設けられたアースに接地されることで,アンテナ部3は雷による被害を防止できるのである。
【0018】
次に,アンテナ部3の第2の実施例について図3を基に詳細に説明する。この実施例は,アンテナ部3と通信装置4とがケーブル6を介して,離れて接続されている場合や,通信装置4を持たないアンテナ部3だけの構成の場合に有効な方法である。尚,以下の説明では,上記第1の実施形態の実施例と同様の構成要素については同一符号を付与し,詳細な説明は省略する。
【0019】
アンテナ部3は電波を放射する放射器70と電波を反射および吸収する複数本(本実施例の場合3本)の反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなる。
放射器70は,本願においては長尺状のコリニアアンテナ70aからなり,その一端は下側保持金具74に連結金具75を介してネジ76で固定されると共に,上記連結金具の一端には,ケーブル6を介して高周波信号を伝送するためのコネクター6aと結合するよう雌ネジが形成された端子を備えている。
71は前記コリニアアンテナ70aを保護する放射器用保護カバーであり,当該コリニアアンテナ70aの特性の安定化と強度を保持するために設けられている。材料については第1の実施例と同じであるので省略する。
更に,当該放射器用保護カバー71の先端部は,上側保持金具78に当接されネジ85で固着されている。
【0020】
前記放射器70に略平行に設けられた反射器72(72a,72b,72c,72cは図示されていない。)は長尺状の導電性材料からなり,第2の実施例では,反射器72a,72cは放射器70と同様に下側の一端が下側保持金具74にネジ77で結合されているが,反射器72bは下側保持金具74に備えられた絶縁体81を介して結合されている。反射器72a,72cの上側の一端も上側保持金具74にネジ77で結合されているが,反射器72bのもう一端側は上側保持金具78の挿通孔78aに備えられた絶縁体80を介して結合されている。以上のように構成されたアンテナ部3の要素は,上記下側保持金具74がネジ84でもって支持金具60と固着されアンテナ装置2が構成される。
【0021】
保護カバー73は,アンテナ部3全体を覆うことができるよう筒状体73aと蓋体73bとキャップ73cとから成っている。保護カバー73は,アンテナ部3からの電波を反射および吸収しない非導電性材料とする必要があり,また軽量で適度な強度を有することが望ましい。このため本願の実施例ではその材料にAESを採用している。上記筒状体73aは,アンテナ部3を構成する各要素を覆うように被せ,上記筒状体73aの一方の開口部をアンテナ部の支持金具60の受部4aに挿着させる。挿着された上記筒状体73aは止ビス4bで上記受部4aに固着されると共に,防水対策を兼ねたシリコンシール材若しくはシリコン接着剤79で更に固定される。
上記筒状体73aの他端の開口部には蓋体73bを被せる。蓋体73bにはシリコンゴム等でできたOリング73dが設けられており防水性を保っている。一方,前記反射器72bの避雷装置50は,前記蓋体73bの前記反射器72bと相対抗する位置に設けられた挿通部73eに挿通される。前記挿通部73eには,シリコンシール材若しくはシリコン接着剤79等を充填させた後,キャップ73cを被せ,アンテナ部3の防水性を保つ。
【0022】
次に,本願の第2の実施例における避雷装置について,図3を用いて更に詳細に説明する。第1の実施例と同様に,反射器72bの一端には尖端部が形成され避雷装置50を構成している。前記反射器72bは上述のように中間部を上側保持金具78に結合されているが,この時図3に示すように,他の反射器72a,72cとは異なり,上側保持金具78とは絶縁体80を介して結合され,上側保持金具78と反射器72bとは電気的には絶縁され,構造的にのみ結合するよう形成されている。また,反射器72bのもう一端の近傍も他の反射器72a,72cとは異なり,下側保持金具74とは絶縁体81を介することで電気的には絶縁され,構造的にのみ結合するよう形成されている。
更に,上記避雷装置50の先端から下方を見たときに,当該避雷装置50の軸線となす角度が60°となる当該避雷装置50の周方向の範囲内に,上記放射器70が配置されるように,上記反射器72bの長さを決めている。
反射器72bのもう一端側には接続部82が形成されており,当該接続部82には導線83が接続され,当該導線83をアースに接地することで雷による被害を防止している。
このように第2の実施例の避雷装置は,アンテナ部3とは絶縁されているところが特徴であり,上述のようにアンテナ部3と通信装置4とがケーブルを介して,離れて接続されている場合や,通信装置を持たないアンテナ部3だけの構成の場合に有効な方法である。
【0023】
次に通信機4について図1,図4,図11に基づいて説明する。通信機4には前記受信信号がケーブル6を介し入力端子7に入力される。入力された信号は適宜処理されて,前記アンテナ部3から送信される。また,前記通信機4の動作電源は,前記ケーブル6を介して電源供給される。
前記通信機4のケース8は略直方体形状をしており,例えばアルミニウム材で形成されている。前記ケース8の1側面8aであって,側面8aの下方側には,頭部9aと軸部9bと当接部9cとから成る略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,側面8aの上方側には,前記柱状体9の当接部9cと同じ高さで形成された支持柱10が少なくとも2つ突設させてある。また,前記ケース8の側面8aと長手方向に接している前記ケースの上面側8bと底面側8cには,支持装置の止部18,19(後で詳細に説明する)と止着ねじ11a,12aで止着できるよう止着穴が備えられた止着部11,12が形成されている。
【0024】
次に,支持装置13について図4,5,6,7を参考に説明する。支持装置13は断面コ字状で両側板14a,14aを有した基体14と,当該基体14に設けた枢着点に枢着された固定板15と,ボルトの締め付け操作で押付け可能に組み付けられた前記設置用部材5に対する押え板16とから成る。
前記基体14の底板部14bには,前記アンテナ装置2に形成された前記柱状体9と相対向する位置にダルマ孔17が設けられている。また,前記底板部14bの上方端と下方端には止部18,19が前記基体14の開口側と反対方向に形成されている。当該上方端の止部18には前記通信機4のケース8の上面側8bに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔18aが設けられている。更に前記下方端の止部19には前記通信機4のケース8の底面側8cに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔19aが設けられると共に,前記下方端止部の周縁には止辺19bが形成されている。
【0025】
次に,前記基体14には,M状に折り曲げ形成された固定板15が,前記基体14の開口側と対向するように組み付けられている。固定板15における両側板部15a,15aの上部には1つ及び下部には2つ,夫々ねじ孔20が設けられていると共に,基体14における両側板14a,14aの上部及び下部には,前記ねじ孔20に対応した位置にボルト挿通孔21,22,23が穿設され,前記ボルト挿通孔21,23は下部に穿設された2つのボルト挿通孔の内,中央寄りのボルト挿通孔22を中心点とした円弧状の長溝になっている。
そして固定板15は,基体14に対して各ねじ孔を合致させ,ボルトで固定でき,その固定板15は,ボルトの締め付けを緩めることにより,基体14に対して前記枢着点を中心点として,相対的に回転させて仰角の調整をすることができる。前記固定板15の両側板部15a,15aの折り曲げ部分には水平面15b,15bが形成され,その各水平面には上下にねじ孔24,24・・が形成されている。
尚,前記ねじ孔20の他の例として,ねじ孔20をボルト挿通孔として,前記ボルトとナットの組合せで前記固定板15と前記基体14を固定し,ボルトとナットの締め付けを緩めることで仰角調整する方法でも良い。
【0026】
16は前記固定板15と対になって支柱5を挟持する押え板であり,図5,7に示すように,周囲を固定板15方向に屈曲させて剛性を持たせている。上下の屈曲部16aは三角形の頂部を半円状に切り欠いた形状で,その切り欠き面が鋸歯状形成されている。そして基板面16bには前記固定板15のねじ孔24,24・・に対応したボルト挿通孔28,28・・が穿設されていて,そのボルト挿通孔28,28・・へ挿通したボルト29を前記ねじ孔24,24・・に螺合させることにより,押え板16を固定板15に取り付けることができる。そしてボルト29のねじ込みにより押え板16を固定板15に押付けると,押え板の上下屈曲部16aにおける両サイドの傾斜面が固定板15のV状面に合致し,固定板15の水平面15bと押え板16との間に間隙Pが確保される。
【0027】
間隙Pには,ハンガー30が組み込まれている。ハンガー30は図7に示すように,係止バー30aの両端に支持腕30bが垂下形成され,それら支持腕30bの下端に,ボルト遊挿部であるボルト遊挿孔31を備えていて,係止バー30aは水平方向へ弓状に屈曲し,金属性材料(例えば)にて一体成形されている。
このように形成されたハンガー30を,固定板15と押え板16との間に配置し,ボルト挿通孔31へボルト29を遊挿させることにより,ボルトのねじ込みにより押え板を固定板に押付けた場合,支持腕が固定板の水平面と押え板との間に確保される間隙P内に収まり,僅かに係止バーのみが押え板の屈曲部の上面に沿って露出した状態となる。
【0028】
次に,支柱5への取り付け例を図4,5,7を基に説明する。
先ず4本のボルト29を緩め,固定板15と押え板16間に支柱5を挿通可能なスペースを確保する。そしてそのスペース内へ支柱5を挿通させるが,支柱5の上端に固定させる場合は,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の上端に引っ掛かる位置にして前記アンテナ装置2を係止させる。このようにすれば,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,アンテナ装置2の取付作業が容易に可能となる。
【0029】
支柱5の中途位置に取り付ける場合には,図6に示す如く固定板15と押え板16の間に支柱5を挿通可能なスペースを確保すれば,ハンガー30がボルト29に沿って移動できるようになるから,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の挿通の邪魔にならないように,指を支持腕30bに当てがって押え板16側にずらせ,支柱5が貫通できるようにすれば,ハンガー30を利用しない取り付けも可能となる。従って引っ越し,設置場所の移動等により支柱5の上端から途中,或いはその逆に変更するときでもハンガー30の位置調整で自由に選択できると言った汎用性を備えている。
【0030】
本願の実施例のハンガー30は金属性材料(例えば,鉄板に溶融亜鉛メッキを施したもの)で,係止バー30aを弓状に湾曲させたものとなっているが,係止バー30aはハンガー30をずらした際に支柱5の邪魔にならなければ湾曲させる必要が無い。また,ハンガー30の材料は上記実施例に限定されるものではなく,例えば合成樹脂材料で形成されても良い。
次に,こうして取り付けられた支持装置13は,両手にて慎重に方位の調整が可能であり,その姿勢を維持したままボルト29を軽く締め付けることで仮止めして次の作業を行うか,方位角が正確に分かるのならばボルト29を締着し,支柱5へ強固に固定しても良い。
【0031】
次に,仰角の方向調整について図7及び図8を用いて説明する。先ず,仰角の調整は前記基体14を遥動させること事からはじめる。この時,基体14の側面14aに設けた第1の角度調整孔25の内,希望する仰角が表示された前記調整孔の軸線(例示では仰角が−4°としたい場合が示されており,第1の調整孔の25dを選択する)と,前記第2の角度調整孔26であって,前記第1の角度調整孔と軸線が合致する調整孔(必ず一つしか合致しないよう構成されており,例示では26dである。)とを揃える事で簡単に調整できるよう構成されている。また,この時,前記基体14の側板14aに備えさせた,後述する止部材27の止金具27aを,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26に挿通させることで仰角が正確に維持できる。
【0032】
次に,前記止部材27について説明する。前記基体14における前記第1の角度調整孔25の近傍には,図9に示すように止部材27が備えられている。止部材27は止金具27aと連結手段27bとからなり,前記基体14に締着具27dを止着ねじ27cで取り付けている。止金具27aは軸部の径を前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の径よりやや小さくなるよう形成されており,上述の如く前記基体14の角度調整時に,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の軸線が合致したところに挿通することで前記アンテナ装置2の仰角を正確に且つ簡単に仮止めできる。また,この止金具27aによって,前記アンテナ装置2は正確な仰角を保ったまま前記ボルトを締め付けることができるだけでなく,当該アンテナ装置2を取り付ける前でも支持装置13だけで仰角の調整ができ,取り付けの効率も良くなる。
【0033】
次に,アンテナ装置2を前記支持装置13に取り付ける方法について図4及び図11に基づいて説明する。
アンテナ装置2を構成する通信機4のケース8の1側面8aであって,支持装置13の基体14の底板部14bに相対向した面側には,前述のように略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,前記柱状体9は頭部9aと軸部挿通部9bと当接部9cとから成る。次に,前記基体14の底板部14bの前記柱状体9と相対向する位置に設けられたダルマ孔17に前記柱状体9の頭部9aを挿入し,前記アンテナ装置2を前記底板部14bに沿って下方に押し下げる。この時,前記ダルマ孔17は,細径の孔の方が底板部14bの長手方向に対して下方になるように形成されているので,前記柱状体9の軸部9bが前記ダルマ孔17の細径の孔に係止されると共に,前記柱状体9の頭部9aの径は,前記ダルマ孔17の細径の孔よりやや大きく形成されているので,当該アンテナ装置は基体14の底板部14bに確実に係止される。また同時に前記ケース1に設けられた底面側止着部12と,前記底板部14bに設けられた下方端止部19とが当接するよう構成されていると共に,当該下方端止部19の周縁には止辺19bが形成されていることから,前記アンテナ装置2は前記支持装置13に簡単に仮置きできることから,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,安全な取付作業が実現できる。
【0034】
次に,前記下方端止部19に設けられた止着孔19aと前記底面側止着部12に設けられた止着穴に止着ねじ12aを取り付ける。更に,前記上方端止部18に設けられた止着孔18aと前記上面側止着部11に設けられた止着穴に止着ねじ11aを取り付けた後に,前記止着ねじ11a,12aを完全に締着し,前記アンテナ装置2は前記当接部9cと前記支持柱10を介して前記支持装置13の基体14に強固に固定される。
こうして支持装置13に取り付けられたアンテナ装置2は,アンテナ装置の方向調整がなされた後,仮止めされていた各部のボルトを締着することで,簡単に,正確に,且つ,安全に支持装置13もアンテナ装置2も強固に固定することが可能である。また,本願の特徴として,アンテナ装置を支持装置に固定する前に仰角の調整をしておくことで,アンテナ装置を取り付ければ直ちに運用が開始できるし,避雷装置も同時に設置できることから接地工事の短縮化が可能である。
【0035】
本願の避雷装置に対するアンテナの実施例としては,実施例としてあげた無線通信用装置1に限定されるばかりでなく,他のアンテナに使用しても良い。
また,反射器72は,その形状が例示したように棒状に限定されるものでもなく,設置数も例示した3本に限定されるものでもなく,適宜形状や本数を変更して実施しても良い事は言うまでもない。
更にまた,アンテナ部3と一体に備えられた通信機4は,受信用のプリアンプのような電子機器を備えても良いことは言うまでも無く,アンテナ部3と通信機4とが離れて接地されるアンテナ装置でも良いし,アンテナ部3だけでもよいことは言うまでもない。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や配置等を適宜に変更して実施することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように,請求項1の発明によれば,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるように構成したので,余分な部材が必要なく,安価で設置が容易なアンテナの避雷装置を提供できる。
【0037】
請求項2の発明によれば,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は複数本備えられ,当該反射器の内少なくとも一本が,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるように構成したので,反射器の形状に合わせて最適なアンテナの避雷構造を提供できる。
【0038】
請求項3の発明によれば,請求項1乃至請求項2のそれぞれに記載の避雷装置において,当該避雷装置の先端から下方を見たときに,当該避雷装置の軸線となす角度が60°となる上記避雷装置の周方向の範囲内に,上記アンテナ素子を配置するよう構成したので,簡単な構造でアンテナ装置を雷の被害から守ることができるアンテナの避雷装置を提供できる。
【0039】
請求項4の発明によれば,請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の避雷構造を有したアンテナは,他から送信されてきた送信電波を受信アンテナで受信し,当該受信信号を前記送信電波が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信する無線通信装置用であることを特徴としたアンテナ装置であることから,当該アンテナ装置の設置場所である,高層ビル等の高層建築物での設置作業に対して,アンテナの設置と同時に避雷装置の設置も完了することから,設置の容易性と安全性を合わせ持ったアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナ装置の実施形態の1例を示す。
【図2】第1実施例におけるアンテナ装置の要部破断図面を示す。
【図3】第2実施例におけるアンテナ装置の要部破断図面を示す。
【図4】支柱の先端に支持装置を取り付けたときの側面図を示す。
【図5】支柱の先端に支持装置を取り付けたときの上面図を示す。
【図6】支柱の途中に支持装置を取り付けたときの側面図を示す。
【図7】支持装置を分解して示す説明図である。
【図8】支持装置の仰角を−4°に設定したときの,第1の角度調整孔と第2の角度調整孔との位置関係を示す概略図である。
【図9】止部材の詳細説明図を示す。
【図10】従来のアンテナ装置を示す概略図を示す。
【図11】図2における詳細説明図であり,(a)は柱状体の係止部分の一部破断・要部拡大図,(b)は柱状体とダルマ孔が係止する動きを説明する要部拡大図を示す。
【符号の説明】
1…無線通信装置,2…アンテナ装置,3…アンテナ部,4…通信機,4a…受部,4b…止ビス,5…設置用部材(例えば支柱),6…ケーブル,6a…コネクター,7…入力端子,8…ケース,8a…側面,8b…上面側,8c…底面側,9…柱状体,9a…頭部,9b…軸部,9c…当接部,10…支持柱,11…上面側止着部,11a…止着ねじ,12…底面側止着部,12a…止着ねじ,12b…止着穴,13…支持装置,14…基体,14a…側板,14b…底板部,15…固定板,15a…側板,15b…水平面,16…押え板,16a…屈曲部,16b…基板面,17…ダルマ孔,18…上方端止部,18a…止着孔,19…下方端止部,19a…止着孔,19b…止片,20…ねじ孔,21…ボルト挿通孔(長溝),22…ボルト挿通孔,23…ボルト挿通孔(長溝),24…ねじ孔,25…第1の角度調整孔(25a,25b,……25n),26…第2の角度調整孔(26a,26b,……26n),27…止部材,27a…止金具,27b…連結手段,27c…止着ねじ,27d…締着具,28…ボルト挿通孔,29…ボルト,30…ハンガー,30a…係止バー,30b…支持腕,31…ボルト遊挿孔,50…避雷装置,56…導線,64…設置物(例えば,建築物)70…放射器,70a…コリニアアンテナ,71…放射器用保護カバー,72…反射器(72a,72b,72c),73…保護カバー,73a…筒状体,73b…蓋体,73c…キャップ,73d…Oリング,73e…挿通部,74…下側保持金具,75…連結金具,76…ネジ,77…ネジ,78…上側保持金具,78a…挿通孔,79…接着剤,80…絶縁体,81…絶縁体,82…接続部,83…導線,84…ネジ,85…ネジ,86…連結部,102…アンテナ部,103…通信機,104…ケーブル,111,112…アンテナ方向調整用の取付部材,113…ボルト,P…間隙導線
【発明の属する技術分野】
本発明は,主に高層建築物や山間部等に設置されるアンテナに関し,詳しくはそのアンテナの避雷構造と,当該避雷構造を備えたアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,ラジオやテレビの放送を行う地上局若しくは人工衛星から送信されてくる放送電波を直接受信することのできない地域(高層ビルが建ち並ぶ都心部や山間部等)では,その地域内に放送電波を再送信するための送信アンテナを設置し,放送電波を受信可能な場所に設置された受信アンテナからの受信信号をこの送信アンテナまで伝送することにより,放送電波を送信アンテナから再送信するシステムが知られている。
【0003】
この種の無線通信装置1においては,図10に例示するように,高層建築物の屋上や山間部の見晴らしの良い頂等に,柱状のポールや搭状の構造物等からなる設置用部材5に,アンテナ方向調整用の取付部材111,112を介して,アンテナ102を設置し,このアンテナ102と通信機103とを通信信号伝送用のケーブル104を介して接続するようにされている。この時,通信機4はアンテナ102の設置場所から離れた室内に設置される場合もあるが,ケーブル6による伝送損失を押えたい場合は,通信機103を設置用部材に取り付け,ケーブルが短くなるように配慮していた。
そして,これらのアンテナ102並びに通信機103の場所は,高層建築物の屋上や山間部の見晴らしの良い頂等にあるため,当該アンテナ102並びに通信機103を雷の被害から防護するために,避雷針等の避雷装置50を前記アンテナ102とは個別に建築物64等に設置し,導線56でアースに接続していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記アンテナ装置を雷の被害から防護するためには,避雷針等の避雷装置を前記アンテナ装置の近傍に別個に設置する必要がり,この場合,前記避雷装置を設置する場所や高さが制限され,新たに,より高所での取り付け作業が必要となり,この点において設置の容易性が問題であった。また,避雷針等の設置部材もアンテナ以外に必用となり,設置工事の長期化,コストアップとなるといった問題もあった。
本発明は,こうした問題に鑑みてなされたものであり,
その目的は,アンテナ装置に避雷装置が一体に備えられたアンテナ装置の避雷構造を提供することにある。
他の目的は,アンテナ装置の構成要素と避雷装置を共通化したアンテナ装置に避雷構造を提供することにある。
他の目的は,他のアンテナ装置から送信されてきた送信信号を受信アンテナで受信し,当該受信信号を当該受信信号が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信アンテナから送信するのに使用されるアンテナ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう構成される。
【0006】
請求項2の発明は,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は複数本備えられ,当該反射器の内少なくとも一本が,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう構成される。
【0007】
請求項3の発明は,請求項1乃至請求項2のそれぞれに記載の避雷装置において,当該避雷装置の先端から下方を見たときに,当該避雷装置の軸線となす角度が60°となる上記避雷装置の周方向の範囲内に,上記アンテナ素子を配置するよう構成される。
【0008】
請求項4の発明は,請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の前記避雷構造を有したアンテナは,他から送信されてきた送信電波を受信アンテナで受信し,当該受信信号を前記送信電波が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信する無線通信装置用であるよう構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下,本願アンテナ装置の実施例として,無線通信装置の送信用のアンテナにおける実施例について図面を基に説明する。図1に示される無線通信装置1はアンテナ部3と通信機4とから成るアンテナ装置2と,設置用部材5と,アンテナ装置2を設置用部材5に取り付ける為の支持装置13と避雷装置50から成っている。上記設置用部材5として例示するものにおいて,中空管状の支柱である。
【0010】
次に,アンテナ装置2の実施例について説明する。このアンテナ装置2はアンテナ部3と通信機4からなる。本願の無線通信装置1を構成するアンテナ装置2は,他の無線通信装置から送信されてきた送信電波(例えば地上局若しくは人工衛星からの)を受信アンテナにて受信し,当該受信信号を伝送線を介して当該送信電波が届かない地域(山間部や高層ビルが建ち並ぶ都心部,或いはトンネル内等)に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号がケーブル6を介して入力端子7より上記通信機4に入力され,当該通信機4において上記受信信号を処理して前記アンテナ装置2から送信するの使用されるもので,本願で例示するものにおいて,ギャップフィラーに用いられているアンテナ装置2である。尚,本願に示すアンテナ部3は実施例であり,上記避雷装置50を備えたアンテナの種類は上記実施例に限定されるものではない。また,通信機4として例示されているもの実施例であり,例えば前置増幅器のような電子機器であってもよいし,無くても(アンテナ部3だけの構成でも)良いことは言うまでもない。
【0011】
次に,アンテナ部3の第1の実施例について図2を用いて詳細に説明する。アンテナ部3は電波を放射する放射器70と電波を反射および吸収する複数本(本実施例の場合3本。1本は図示されていない。)の反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなる。
【0012】
放射器70は,本願においては長尺状のコリニアアンテナ70aからなり,その一端は下側保持金具74に連結金具75を介してネジ76で固定されると共に,上記連結金具の一端と通信機4とは,連結部86でもって高周波的に結合するように形成されている。
71は,前記コリニアアンテナ70aを保護する放射器用保護カバーであり,電波を反射および吸収しない非導電性材料(例えば,AES)で形成され,軽量で適度な強度を有し,当該コリニアアンテナ70aの特性の安定化と強度を保持するために設けられている。更に,当該放射器用保護カバー71の先端部は,上側保持金具78に当接されネジ85で固着されている。
尚,本願の実施例においては放射器70をコリニアアンテナ70aで形成しているが,このアンテナに限定されるものでなく,例えばスリーブアンテナ等で構成しても良い。
【0013】
前記放射器70に略平行に設けられた反射器72(72a,72b,72c。72cは図示されていない。)は長尺状の導電性材料からなり,第1の実施例では,放射器70と同様に下側の一端が下側保持金具74にネジ77で結合されている。また,反射器72a,72cの上側の一端はねじ77で,反射器72bの中間部は上側保持金具78に形成された挿通孔78aに結合されている。
以上のように構成されたアンテナ部3の要素は,上記下側保持金具74がネジ84でもって通信機4と固着されアンテナ装置2が構成される。
【0014】
反射器72a,72b,72cは放射器70を囲む配置に成っている。反射器72a,72b,72cは電波を反射および吸収するため,反射器72a,72b,72cに囲まれた側には放射器70からの電波は放射されなくなり,アンテナ部3は反射器72a,72b,72cのない方向にのみ放射器70からの電波を放射する指向性に成っている。
【0015】
保護カバー73は,アンテナ部3全体を覆うことができるよう筒状体73aと蓋体73bとキャップ73cとから成っている。保護カバー73は,アンテナ部3からの電波を反射および吸収しない非導電性材料とする必要があり,また軽量で適度な強度を有することが望ましい。このため本願の実施例ではその材料にAESを採用している。上記筒状体73aは,アンテナ部3を構成する各要素を覆うように被せ,上記筒状体73aの一方の開口部を上記通信機4の受部4aに挿着させる。挿着された上記筒状体73aは止ビス4bで上記受部4aに固着されると共に,防水対策を兼ねたシリコンシール材若しくはシリコン接着剤79で更に固定される。
上記筒状体73aの他端の開口部には蓋体73bを被せる。蓋体73bにはシリコンゴム等でできたOリング73dが設けられており防水性を保っている。一方,前記反射器72bの避雷装置50は,前記蓋体73bの前記反射器72bと相対抗する位置に設けられた挿通部73eに挿通される。前記挿通部73eには,シリコンシール材若しくはシリコン接着剤79等を充填させた後,キャップ73cを被せ,アンテナ部3の防水性を保つ。尚,上記挿通部73eの構造は一例であり,防水性・耐久性が保てれば,形状やシール材の種類等を適宜変更しても良い。
【0016】
次に,本願における避雷装置に付いて図2を用いて更に詳細に説明する。
上述のように反射器72は長尺状の導電性材料で形成されている。そこで本願における避雷装置の特徴は,反射器72は反射器としての役割だけではなく,上記アンテナ部3の電気的特性への影響なしに避雷装置50としても利用することにある。
【0017】
まず,第1の実施例について説明する。反射器72bは図2に示す如く,一端に尖端部が形成され,避雷装置50を構成している。前記反射器72bは上述のように中間部を上側保持金具78に結合されているが,この時図2に示すように,他の反射器72a,72cと同様に,上側保持金具78と電気的にも構造的にも結合するよう形成されている。また,反射器72bのもう一端も他の反射器72a,72cと同様に,上側保持金具74と電気的にも構造的にも結合するよう形成されている。
更に,上記避雷装置50の先端から下方を見たときに,当該避雷装置50の軸線となす角度が60°となる当該避雷装置50の周方向の範囲内に,上記放射器70が配置されるように,上記反射器72bの長さを決めている。
これによって避雷装置50と前記上側保持金具78と下側保持金具74とは,通信装置4のケースと電気的に接続されると共に,ケーブルの外部導体を介して別途設けられたアースに接地されることで,アンテナ部3は雷による被害を防止できるのである。
【0018】
次に,アンテナ部3の第2の実施例について図3を基に詳細に説明する。この実施例は,アンテナ部3と通信装置4とがケーブル6を介して,離れて接続されている場合や,通信装置4を持たないアンテナ部3だけの構成の場合に有効な方法である。尚,以下の説明では,上記第1の実施形態の実施例と同様の構成要素については同一符号を付与し,詳細な説明は省略する。
【0019】
アンテナ部3は電波を放射する放射器70と電波を反射および吸収する複数本(本実施例の場合3本)の反射器72と,アンテナ全体を覆って外部から保護する非導電性材料で形成された保護カバー73とからなる。
放射器70は,本願においては長尺状のコリニアアンテナ70aからなり,その一端は下側保持金具74に連結金具75を介してネジ76で固定されると共に,上記連結金具の一端には,ケーブル6を介して高周波信号を伝送するためのコネクター6aと結合するよう雌ネジが形成された端子を備えている。
71は前記コリニアアンテナ70aを保護する放射器用保護カバーであり,当該コリニアアンテナ70aの特性の安定化と強度を保持するために設けられている。材料については第1の実施例と同じであるので省略する。
更に,当該放射器用保護カバー71の先端部は,上側保持金具78に当接されネジ85で固着されている。
【0020】
前記放射器70に略平行に設けられた反射器72(72a,72b,72c,72cは図示されていない。)は長尺状の導電性材料からなり,第2の実施例では,反射器72a,72cは放射器70と同様に下側の一端が下側保持金具74にネジ77で結合されているが,反射器72bは下側保持金具74に備えられた絶縁体81を介して結合されている。反射器72a,72cの上側の一端も上側保持金具74にネジ77で結合されているが,反射器72bのもう一端側は上側保持金具78の挿通孔78aに備えられた絶縁体80を介して結合されている。以上のように構成されたアンテナ部3の要素は,上記下側保持金具74がネジ84でもって支持金具60と固着されアンテナ装置2が構成される。
【0021】
保護カバー73は,アンテナ部3全体を覆うことができるよう筒状体73aと蓋体73bとキャップ73cとから成っている。保護カバー73は,アンテナ部3からの電波を反射および吸収しない非導電性材料とする必要があり,また軽量で適度な強度を有することが望ましい。このため本願の実施例ではその材料にAESを採用している。上記筒状体73aは,アンテナ部3を構成する各要素を覆うように被せ,上記筒状体73aの一方の開口部をアンテナ部の支持金具60の受部4aに挿着させる。挿着された上記筒状体73aは止ビス4bで上記受部4aに固着されると共に,防水対策を兼ねたシリコンシール材若しくはシリコン接着剤79で更に固定される。
上記筒状体73aの他端の開口部には蓋体73bを被せる。蓋体73bにはシリコンゴム等でできたOリング73dが設けられており防水性を保っている。一方,前記反射器72bの避雷装置50は,前記蓋体73bの前記反射器72bと相対抗する位置に設けられた挿通部73eに挿通される。前記挿通部73eには,シリコンシール材若しくはシリコン接着剤79等を充填させた後,キャップ73cを被せ,アンテナ部3の防水性を保つ。
【0022】
次に,本願の第2の実施例における避雷装置について,図3を用いて更に詳細に説明する。第1の実施例と同様に,反射器72bの一端には尖端部が形成され避雷装置50を構成している。前記反射器72bは上述のように中間部を上側保持金具78に結合されているが,この時図3に示すように,他の反射器72a,72cとは異なり,上側保持金具78とは絶縁体80を介して結合され,上側保持金具78と反射器72bとは電気的には絶縁され,構造的にのみ結合するよう形成されている。また,反射器72bのもう一端の近傍も他の反射器72a,72cとは異なり,下側保持金具74とは絶縁体81を介することで電気的には絶縁され,構造的にのみ結合するよう形成されている。
更に,上記避雷装置50の先端から下方を見たときに,当該避雷装置50の軸線となす角度が60°となる当該避雷装置50の周方向の範囲内に,上記放射器70が配置されるように,上記反射器72bの長さを決めている。
反射器72bのもう一端側には接続部82が形成されており,当該接続部82には導線83が接続され,当該導線83をアースに接地することで雷による被害を防止している。
このように第2の実施例の避雷装置は,アンテナ部3とは絶縁されているところが特徴であり,上述のようにアンテナ部3と通信装置4とがケーブルを介して,離れて接続されている場合や,通信装置を持たないアンテナ部3だけの構成の場合に有効な方法である。
【0023】
次に通信機4について図1,図4,図11に基づいて説明する。通信機4には前記受信信号がケーブル6を介し入力端子7に入力される。入力された信号は適宜処理されて,前記アンテナ部3から送信される。また,前記通信機4の動作電源は,前記ケーブル6を介して電源供給される。
前記通信機4のケース8は略直方体形状をしており,例えばアルミニウム材で形成されている。前記ケース8の1側面8aであって,側面8aの下方側には,頭部9aと軸部9bと当接部9cとから成る略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,側面8aの上方側には,前記柱状体9の当接部9cと同じ高さで形成された支持柱10が少なくとも2つ突設させてある。また,前記ケース8の側面8aと長手方向に接している前記ケースの上面側8bと底面側8cには,支持装置の止部18,19(後で詳細に説明する)と止着ねじ11a,12aで止着できるよう止着穴が備えられた止着部11,12が形成されている。
【0024】
次に,支持装置13について図4,5,6,7を参考に説明する。支持装置13は断面コ字状で両側板14a,14aを有した基体14と,当該基体14に設けた枢着点に枢着された固定板15と,ボルトの締め付け操作で押付け可能に組み付けられた前記設置用部材5に対する押え板16とから成る。
前記基体14の底板部14bには,前記アンテナ装置2に形成された前記柱状体9と相対向する位置にダルマ孔17が設けられている。また,前記底板部14bの上方端と下方端には止部18,19が前記基体14の開口側と反対方向に形成されている。当該上方端の止部18には前記通信機4のケース8の上面側8bに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔18aが設けられている。更に前記下方端の止部19には前記通信機4のケース8の底面側8cに設けられた止着穴と相対向する位置に止着孔19aが設けられると共に,前記下方端止部の周縁には止辺19bが形成されている。
【0025】
次に,前記基体14には,M状に折り曲げ形成された固定板15が,前記基体14の開口側と対向するように組み付けられている。固定板15における両側板部15a,15aの上部には1つ及び下部には2つ,夫々ねじ孔20が設けられていると共に,基体14における両側板14a,14aの上部及び下部には,前記ねじ孔20に対応した位置にボルト挿通孔21,22,23が穿設され,前記ボルト挿通孔21,23は下部に穿設された2つのボルト挿通孔の内,中央寄りのボルト挿通孔22を中心点とした円弧状の長溝になっている。
そして固定板15は,基体14に対して各ねじ孔を合致させ,ボルトで固定でき,その固定板15は,ボルトの締め付けを緩めることにより,基体14に対して前記枢着点を中心点として,相対的に回転させて仰角の調整をすることができる。前記固定板15の両側板部15a,15aの折り曲げ部分には水平面15b,15bが形成され,その各水平面には上下にねじ孔24,24・・が形成されている。
尚,前記ねじ孔20の他の例として,ねじ孔20をボルト挿通孔として,前記ボルトとナットの組合せで前記固定板15と前記基体14を固定し,ボルトとナットの締め付けを緩めることで仰角調整する方法でも良い。
【0026】
16は前記固定板15と対になって支柱5を挟持する押え板であり,図5,7に示すように,周囲を固定板15方向に屈曲させて剛性を持たせている。上下の屈曲部16aは三角形の頂部を半円状に切り欠いた形状で,その切り欠き面が鋸歯状形成されている。そして基板面16bには前記固定板15のねじ孔24,24・・に対応したボルト挿通孔28,28・・が穿設されていて,そのボルト挿通孔28,28・・へ挿通したボルト29を前記ねじ孔24,24・・に螺合させることにより,押え板16を固定板15に取り付けることができる。そしてボルト29のねじ込みにより押え板16を固定板15に押付けると,押え板の上下屈曲部16aにおける両サイドの傾斜面が固定板15のV状面に合致し,固定板15の水平面15bと押え板16との間に間隙Pが確保される。
【0027】
間隙Pには,ハンガー30が組み込まれている。ハンガー30は図7に示すように,係止バー30aの両端に支持腕30bが垂下形成され,それら支持腕30bの下端に,ボルト遊挿部であるボルト遊挿孔31を備えていて,係止バー30aは水平方向へ弓状に屈曲し,金属性材料(例えば)にて一体成形されている。
このように形成されたハンガー30を,固定板15と押え板16との間に配置し,ボルト挿通孔31へボルト29を遊挿させることにより,ボルトのねじ込みにより押え板を固定板に押付けた場合,支持腕が固定板の水平面と押え板との間に確保される間隙P内に収まり,僅かに係止バーのみが押え板の屈曲部の上面に沿って露出した状態となる。
【0028】
次に,支柱5への取り付け例を図4,5,7を基に説明する。
先ず4本のボルト29を緩め,固定板15と押え板16間に支柱5を挿通可能なスペースを確保する。そしてそのスペース内へ支柱5を挿通させるが,支柱5の上端に固定させる場合は,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の上端に引っ掛かる位置にして前記アンテナ装置2を係止させる。このようにすれば,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,アンテナ装置2の取付作業が容易に可能となる。
【0029】
支柱5の中途位置に取り付ける場合には,図6に示す如く固定板15と押え板16の間に支柱5を挿通可能なスペースを確保すれば,ハンガー30がボルト29に沿って移動できるようになるから,ハンガー30の係止バー30aが支柱5の挿通の邪魔にならないように,指を支持腕30bに当てがって押え板16側にずらせ,支柱5が貫通できるようにすれば,ハンガー30を利用しない取り付けも可能となる。従って引っ越し,設置場所の移動等により支柱5の上端から途中,或いはその逆に変更するときでもハンガー30の位置調整で自由に選択できると言った汎用性を備えている。
【0030】
本願の実施例のハンガー30は金属性材料(例えば,鉄板に溶融亜鉛メッキを施したもの)で,係止バー30aを弓状に湾曲させたものとなっているが,係止バー30aはハンガー30をずらした際に支柱5の邪魔にならなければ湾曲させる必要が無い。また,ハンガー30の材料は上記実施例に限定されるものではなく,例えば合成樹脂材料で形成されても良い。
次に,こうして取り付けられた支持装置13は,両手にて慎重に方位の調整が可能であり,その姿勢を維持したままボルト29を軽く締め付けることで仮止めして次の作業を行うか,方位角が正確に分かるのならばボルト29を締着し,支柱5へ強固に固定しても良い。
【0031】
次に,仰角の方向調整について図7及び図8を用いて説明する。先ず,仰角の調整は前記基体14を遥動させること事からはじめる。この時,基体14の側面14aに設けた第1の角度調整孔25の内,希望する仰角が表示された前記調整孔の軸線(例示では仰角が−4°としたい場合が示されており,第1の調整孔の25dを選択する)と,前記第2の角度調整孔26であって,前記第1の角度調整孔と軸線が合致する調整孔(必ず一つしか合致しないよう構成されており,例示では26dである。)とを揃える事で簡単に調整できるよう構成されている。また,この時,前記基体14の側板14aに備えさせた,後述する止部材27の止金具27aを,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26に挿通させることで仰角が正確に維持できる。
【0032】
次に,前記止部材27について説明する。前記基体14における前記第1の角度調整孔25の近傍には,図9に示すように止部材27が備えられている。止部材27は止金具27aと連結手段27bとからなり,前記基体14に締着具27dを止着ねじ27cで取り付けている。止金具27aは軸部の径を前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の径よりやや小さくなるよう形成されており,上述の如く前記基体14の角度調整時に,前記第1の角度調整孔25と前記第2の角度調整孔26の軸線が合致したところに挿通することで前記アンテナ装置2の仰角を正確に且つ簡単に仮止めできる。また,この止金具27aによって,前記アンテナ装置2は正確な仰角を保ったまま前記ボルトを締め付けることができるだけでなく,当該アンテナ装置2を取り付ける前でも支持装置13だけで仰角の調整ができ,取り付けの効率も良くなる。
【0033】
次に,アンテナ装置2を前記支持装置13に取り付ける方法について図4及び図11に基づいて説明する。
アンテナ装置2を構成する通信機4のケース8の1側面8aであって,支持装置13の基体14の底板部14bに相対向した面側には,前述のように略リベット状の柱状体9が少なくとも1つ突設させてあり,前記柱状体9は頭部9aと軸部挿通部9bと当接部9cとから成る。次に,前記基体14の底板部14bの前記柱状体9と相対向する位置に設けられたダルマ孔17に前記柱状体9の頭部9aを挿入し,前記アンテナ装置2を前記底板部14bに沿って下方に押し下げる。この時,前記ダルマ孔17は,細径の孔の方が底板部14bの長手方向に対して下方になるように形成されているので,前記柱状体9の軸部9bが前記ダルマ孔17の細径の孔に係止されると共に,前記柱状体9の頭部9aの径は,前記ダルマ孔17の細径の孔よりやや大きく形成されているので,当該アンテナ装置は基体14の底板部14bに確実に係止される。また同時に前記ケース1に設けられた底面側止着部12と,前記底板部14bに設けられた下方端止部19とが当接するよう構成されていると共に,当該下方端止部19の周縁には止辺19bが形成されていることから,前記アンテナ装置2は前記支持装置13に簡単に仮置きできることから,手を離してもアンテナ装置2は落下せず,安全な取付作業が実現できる。
【0034】
次に,前記下方端止部19に設けられた止着孔19aと前記底面側止着部12に設けられた止着穴に止着ねじ12aを取り付ける。更に,前記上方端止部18に設けられた止着孔18aと前記上面側止着部11に設けられた止着穴に止着ねじ11aを取り付けた後に,前記止着ねじ11a,12aを完全に締着し,前記アンテナ装置2は前記当接部9cと前記支持柱10を介して前記支持装置13の基体14に強固に固定される。
こうして支持装置13に取り付けられたアンテナ装置2は,アンテナ装置の方向調整がなされた後,仮止めされていた各部のボルトを締着することで,簡単に,正確に,且つ,安全に支持装置13もアンテナ装置2も強固に固定することが可能である。また,本願の特徴として,アンテナ装置を支持装置に固定する前に仰角の調整をしておくことで,アンテナ装置を取り付ければ直ちに運用が開始できるし,避雷装置も同時に設置できることから接地工事の短縮化が可能である。
【0035】
本願の避雷装置に対するアンテナの実施例としては,実施例としてあげた無線通信用装置1に限定されるばかりでなく,他のアンテナに使用しても良い。
また,反射器72は,その形状が例示したように棒状に限定されるものでもなく,設置数も例示した3本に限定されるものでもなく,適宜形状や本数を変更して実施しても良い事は言うまでもない。
更にまた,アンテナ部3と一体に備えられた通信機4は,受信用のプリアンプのような電子機器を備えても良いことは言うまでも無く,アンテナ部3と通信機4とが離れて接地されるアンテナ装置でも良いし,アンテナ部3だけでもよいことは言うまでもない。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や配置等を適宜に変更して実施することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように,請求項1の発明によれば,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるように構成したので,余分な部材が必要なく,安価で設置が容易なアンテナの避雷装置を提供できる。
【0037】
請求項2の発明によれば,棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は複数本備えられ,当該反射器の内少なくとも一本が,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるように構成したので,反射器の形状に合わせて最適なアンテナの避雷構造を提供できる。
【0038】
請求項3の発明によれば,請求項1乃至請求項2のそれぞれに記載の避雷装置において,当該避雷装置の先端から下方を見たときに,当該避雷装置の軸線となす角度が60°となる上記避雷装置の周方向の範囲内に,上記アンテナ素子を配置するよう構成したので,簡単な構造でアンテナ装置を雷の被害から守ることができるアンテナの避雷装置を提供できる。
【0039】
請求項4の発明によれば,請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の避雷構造を有したアンテナは,他から送信されてきた送信電波を受信アンテナで受信し,当該受信信号を前記送信電波が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信する無線通信装置用であることを特徴としたアンテナ装置であることから,当該アンテナ装置の設置場所である,高層ビル等の高層建築物での設置作業に対して,アンテナの設置と同時に避雷装置の設置も完了することから,設置の容易性と安全性を合わせ持ったアンテナ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンテナ装置の実施形態の1例を示す。
【図2】第1実施例におけるアンテナ装置の要部破断図面を示す。
【図3】第2実施例におけるアンテナ装置の要部破断図面を示す。
【図4】支柱の先端に支持装置を取り付けたときの側面図を示す。
【図5】支柱の先端に支持装置を取り付けたときの上面図を示す。
【図6】支柱の途中に支持装置を取り付けたときの側面図を示す。
【図7】支持装置を分解して示す説明図である。
【図8】支持装置の仰角を−4°に設定したときの,第1の角度調整孔と第2の角度調整孔との位置関係を示す概略図である。
【図9】止部材の詳細説明図を示す。
【図10】従来のアンテナ装置を示す概略図を示す。
【図11】図2における詳細説明図であり,(a)は柱状体の係止部分の一部破断・要部拡大図,(b)は柱状体とダルマ孔が係止する動きを説明する要部拡大図を示す。
【符号の説明】
1…無線通信装置,2…アンテナ装置,3…アンテナ部,4…通信機,4a…受部,4b…止ビス,5…設置用部材(例えば支柱),6…ケーブル,6a…コネクター,7…入力端子,8…ケース,8a…側面,8b…上面側,8c…底面側,9…柱状体,9a…頭部,9b…軸部,9c…当接部,10…支持柱,11…上面側止着部,11a…止着ねじ,12…底面側止着部,12a…止着ねじ,12b…止着穴,13…支持装置,14…基体,14a…側板,14b…底板部,15…固定板,15a…側板,15b…水平面,16…押え板,16a…屈曲部,16b…基板面,17…ダルマ孔,18…上方端止部,18a…止着孔,19…下方端止部,19a…止着孔,19b…止片,20…ねじ孔,21…ボルト挿通孔(長溝),22…ボルト挿通孔,23…ボルト挿通孔(長溝),24…ねじ孔,25…第1の角度調整孔(25a,25b,……25n),26…第2の角度調整孔(26a,26b,……26n),27…止部材,27a…止金具,27b…連結手段,27c…止着ねじ,27d…締着具,28…ボルト挿通孔,29…ボルト,30…ハンガー,30a…係止バー,30b…支持腕,31…ボルト遊挿孔,50…避雷装置,56…導線,64…設置物(例えば,建築物)70…放射器,70a…コリニアアンテナ,71…放射器用保護カバー,72…反射器(72a,72b,72c),73…保護カバー,73a…筒状体,73b…蓋体,73c…キャップ,73d…Oリング,73e…挿通部,74…下側保持金具,75…連結金具,76…ネジ,77…ネジ,78…上側保持金具,78a…挿通孔,79…接着剤,80…絶縁体,81…絶縁体,82…接続部,83…導線,84…ネジ,85…ネジ,86…連結部,102…アンテナ部,103…通信機,104…ケーブル,111,112…アンテナ方向調整用の取付部材,113…ボルト,P…間隙導線
Claims (4)
- 棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう形成されたことを特徴としたアンテナの避雷構造。 - 棒状のアンテナ素子と,当該アンテナ素子に対して略平行に長尺状の反射器を備えたアンテナにおいて,
前記反射器は複数本備えられ,当該反射器の内少なくとも一本が,前記アンテナにおける反射器と避雷素子とを兼用する避雷装置を構成すると共に,
当該避雷装置の先端部は,前記アンテナ素子より高い位置に配置されるよう形成されたことを特徴としたアンテナの避雷構造。 - 請求項1乃至請求項2のそれぞれに記載の避雷装置において,当該避雷装置の先端から下方を見たときに,当該避雷装置の軸線となす角度が60°となる上記避雷装置の周方向の範囲内に,上記アンテナ素子を配置したことを特徴としたアンテナの避雷装置。
- 請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の避雷構造を有したアンテナは,
他から送信されてきた送信電波を受信アンテナで受信し,当該受信信号を前記送信電波が届かない地域に再送信するシステムにおいて,前記受信アンテナからの受信信号を処理して送信する無線通信装置用であることを特徴としたアンテナ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178348A JP2004023618A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178348A JP2004023618A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004023618A true JP2004023618A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31176094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002178348A Pending JP2004023618A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004023618A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008104106A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | 作業機械のアンテナ格納装置 |
JP2009005167A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-01-08 | N H K Itec:Kk | アンテナ装置及び水平偏波用水平面無指向性アンテナ |
JP2010193422A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-09-02 | ▲啓▼碁科技股▲分▼有限公司 | アンテナ |
JP2010278695A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Dx Antenna Co Ltd | アンテナ装置 |
JP2013031067A (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-07 | Toshiba Tec Corp | 無線通信システム |
CN110838611A (zh) * | 2019-11-20 | 2020-02-25 | 中通服咨询设计研究院有限公司 | 一种多自由度定向5g天线的通信杆 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178348A patent/JP2004023618A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008104106A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd | 作業機械のアンテナ格納装置 |
JP2009005167A (ja) * | 2007-06-22 | 2009-01-08 | N H K Itec:Kk | アンテナ装置及び水平偏波用水平面無指向性アンテナ |
JP2010193422A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-09-02 | ▲啓▼碁科技股▲分▼有限公司 | アンテナ |
JP2010278695A (ja) * | 2009-05-28 | 2010-12-09 | Dx Antenna Co Ltd | アンテナ装置 |
JP2013031067A (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-07 | Toshiba Tec Corp | 無線通信システム |
CN110838611A (zh) * | 2019-11-20 | 2020-02-25 | 中通服咨询设计研究院有限公司 | 一种多自由度定向5g天线的通信杆 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100347625B1 (ko) | 송수신호온을위성용접시형안테나에장착하는장치 | |
ES2275103T3 (es) | Antena para un dispositivo receptor y/o transmisor, especialmente antena de techo para vehiculos. | |
JP3181923B2 (ja) | 調整可能な設置および整列機構を有するマイクロ波トランシーバ、アンテナシステム | |
US5453756A (en) | Antenna mounting apparatus | |
JP4838102B2 (ja) | アンテナ装置 | |
JP2004023618A (ja) | アンテナの避雷構造及びアンテナ装置 | |
US20070273598A1 (en) | Luneberg Lens Antenna Device | |
KR100422324B1 (ko) | 이동통신 기지국용 섹터 통합형 안테나 | |
JP5005229B2 (ja) | 双方向ビームアンテナ及び伝送システム | |
JP4018934B2 (ja) | アンテナ装置 | |
KR100958815B1 (ko) | 이상전류 흡수가 용이한 내진동 피뢰기 지지체 | |
JP4105025B2 (ja) | アンテナ装置 | |
JP4426043B2 (ja) | アンテナ支持装置 | |
CN112436471A (zh) | 一种绑扎工具及街码组件 | |
JP3794612B2 (ja) | アンテナ取付装置 | |
JP2010050791A (ja) | 可変指向性アンテナ | |
JP3978063B2 (ja) | 無線通信装置 | |
CN212517541U (zh) | 一种5g室内基站天线 | |
JP3857634B2 (ja) | 通信用アンテナ | |
JP3888930B2 (ja) | 無線通信装置、及びアンテナ装置の支持装置 | |
JP2581714Y2 (ja) | アンテナ取付装置 | |
KR20070019854A (ko) | 야기 안테나의 클램핑 장치 | |
JP3177456U (ja) | 指向性アンテナの仰角設定取付け装置 | |
JP4528848B2 (ja) | アンテナ素子と同軸コネクタの接続構造 | |
JP2001127509A (ja) | アンテナ装置 |