JP3888175B2 - 光学的情報読取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明な保護層を表面に有した読取対象に関し、二次元コードやバーコード等の情報コードをその保護層を透過して読取ることを可能とした光学的情報読取装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
光学的情報読取装置例えばハンディタイプの二次元コードリーダは、筐体の先端部に矩形状の読取口が設けられると共に、その筐体内に、エリアセンサ及び結像光学系(結像レンズや反射鏡、鏡筒など)、更には照明光源となる複数個のLED等を備えて構成されている。これにて、例えばQRコード等の二次元コードが記録された読取対象に対し、読取口を近付けた(読取の面が結像光学系の合焦点距離付近にある)状態で、LEDにより照明光を照射し、その反射光を結像光学系を介してエリアセンサにより撮像するようになっている。
【0003】
ところで、従来の光学的情報読取装置にあっては、情報コードが印刷された紙(ラベル)を読取対象とすることが一般的であったが、近年では、例えば携帯電話機やPDA等における表示装置(LCD)の画面上に表示された情報コードを読取るといった使い方(システム)が考えられてきている。ところが、このようなLCD画面を読取対象とする場合、その表面に透明な保護層(プラスチックやガラス)が設けられているため、紙(ラベル)に印刷されたものを読取る場合にはなかった新たな不具合が生じ、従来のものでは確実な読取りが困難となることが明らかとなった。
【0004】
即ち、LCDは、表面の透明な保護層の裏面側に情報コードが構成される液晶層が配置され、さらにその裏面側に反射層(又はバックライト層)を配して構成され、情報コードを読取るには、照明光源からの照射光が、液晶層更に反射層まで到達してその面で反射した反射光を、結像光学系を介して受光センサに入射させる必要がある。しかし、保護層の存在により、照明光源から照射された照射光が、保護層面で反射してしまい、液晶層ひいては反射層にまで到達する照明光が減少し、十分な反射光量が得られないことがあった。また、保護層で反射した光が、受光センサに投影(入射)されてしまい、情報コードの正規の画像が読取れなくなってしまうことがあった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、透明な保護層を表面に有した読取対象にあっても、照明光がその保護層表面で反射することに起因する不具合を解消でき、良好な読取りを可能とする光学的情報読取装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
光学的情報読取装置により表面に透明な保護層を有する読取対象の情報コードを読取る場合、第1に、照明光源から照射された照明光が保護層表面で極力反射しないようにする、第2に、照明光が保護層表面で反射してもその光が受光センサに投影(入射)されないようにする、という条件を満足させることによって、上記目的を達成することができる。本発明者は、照明光源を、適当な位置及び向き(光軸の角度)に配置することにより、上記2つの条件を満たすことができることを知見し、本発明を成し遂げたのである。
【0007】
ただしこの場合、装置により読取りが可能となる読取対象の距離は、結像光学系の合焦点距離を基準距離として、その前後にある程度の幅(例えば±10mm)を有しており、保護層がその範囲のいずれの距離に位置していても、つまり、保護層が合焦点距離よりもある程度近い位置にあっても遠い位置にあっても、それら条件を満たすようにすることが必要となってくる。
【0008】
本発明は、図1に概念的に示すように、結像光学系Sの合焦点距離Lよりも近い位置に該結像光学系Sの光軸Oと直交する第1の仮想保護層面P1を設定すると共に、それよりも遠い位置にそれと平行な第2の仮想保護層面P2を設定し、照明光源を、第1の仮想保護層面P1に対する入射角θ1が、保護層に関するブリュースター角(Brewster's Angle)以下となり(第1の仮想保護層面P1と光軸Oとの交点に対する入射角θ1がブリュースター角となる線をIで示す)、且つ、受光センサEの最大視野Vの外縁が第2の仮想保護層面P2で反射した(入射角(=反射角)をθ2とする)仮想反射線Rの外側から第2の仮想保護層面P2に対して入射される範囲A(斜線を付して示す)に配設するようにしたものである(請求項1,5の発明)。
【0009】
ここで、周知のように、ブリュースター角は、光の表面反射においてp偏波成分が全く反射しない特異な角度であり、光の入射角がその角度を越えると、p偏波,s偏波ともに反射率が急激に大きくなり、その角度以下であれば表面の反射率が十分に低いことが知られている。
【0010】
上記手段によれば、照明光の第1の仮想保護層面P1に対する入射角θ1が、ブリュースター角以下であり、この際、必然的に、それより遠い第2の仮想保護層面P2に対する入射角はブリュースター角より小さくなるので、保護層がそれら第1の仮想保護層面P1と第2の仮想保護層面P2との間のいずれの距離に位置している場合でも、保護層表面の照明光の反射率を小さくして、十分な照明光を読取対象の情報コードが記録された層まで到達させることができる。尚、一般的な保護層を構成する部材(透明プラスチックなど)のブリュースター角は、50〜60度である。
【0011】
一方、第2の仮想保護層面P2で反射した光が受光センサEに投影されるには、第2の仮想保護層面P2に対する最大視野Vの投影範囲(図で最大視野Vの外縁が第2の仮想保護層面P2に交わる点r1と点r2との間の範囲)で入射光が反射し、且つ、その入射角が上記角度θ2以下であることが条件となる。同様に、第1の仮想保護層面P1で反射した光が受光センサEに投影されるには、第1の仮想保護層面P1に対する最大視野Vの投影範囲(図で点r3と点r4との間の範囲)で入射光が反射し、且つ、その入射角が上記角度θ2以下であることが条件となる。
【0012】
これに対し、上記手段によれば、照明光は、仮想反射線Rの外側から第2の仮想保護層面P2に対して入射されるので、その照明光が点r1と点r2との間の範囲で反射した場合でも、その入射角は角度θ2を越えることになり、この際、それより近く投影範囲が狭くなる第1の仮想保護層面P1に関しても、必然的に、仮想反射線Rの外側から入射された照明光が点r3と点r4との間の範囲で反射した場合には、その入射角は角度θ2を越えることになる。従って、保護層がそれら第1の仮想保護層面P1と第2の仮想保護層面P2との間のいずれの距離に位置している場合でも、反射した照明光が、受光センサEに投影されることがなくなる。
【0013】
この結果、本発明によれば、透明な保護層を表面に有した読取対象にあって、保護層が結像光学系の合焦点距離の前後ある程度の幅の距離に位置していても、保護層表面の照明光の反射率を小さくして、十分な照明光を読取対象の情報コードが記録された層まで到達させることができ、且つ、保護層表面を反射した光が受光センサに投影されることがなくなるので、照明光がその保護層表面で反射することに起因する不具合を解消でき、良好な読取りが可能となるという優れた効果を得ることができる。
【0014】
しかもこのとき、第1の仮想保護層面P1を、情報コードの読取可能な距離のうち最も近距離に位置されるように設定し、第2の仮想保護層面P2を、その距離のうち最も遠距離に位置されるように設定することにより、読取対象が情報コードの読取可能な距離のうちどの位置にあっても、上記した作用,効果を得ることができ、照明光源を必要且つ十分な位置に配設することができる。尚、保護層には厚みがあり、その上下両面で反射することが考えられるので、実際には、第2の仮想保護層面P2は、保護層の上面で考え、第1の仮想保護層面P1は、保護層の下面について設定することが望ましい。
【0015】
また、照明光源を、実質的に上記した範囲A(線Iと仮想反射線Rとの間)の中央部に位置させるようにしたり(請求項2,6の発明)、その照明光源の光軸を、線Iと仮想反射線Rとのなす角の二等分線上に位置させたりすることが望ましく(請求項3,7の発明)、これにより、保護層表面における照明光の反射抑制と、反射した光の受光センサへの投影防止の双方の効果を共にバランス良く且つ確実に得ることができる。さらには、照明光源を拡散面を備える拡散照明光源とすることにより(請求項4,8の発明)、読取対象(情報コード)の比較的広い範囲を均等に照明することができる。
【0016】
ところで、照明光源を上記のように範囲A内に配置するものでは、従来の紙等を読取対象としたものに比べて、照明光源の位置がより外側に来るので、例えばハンディタイプの装置として構成する場合、装置としての大形化(読取口部分が周囲方向に拡がる)を伴う傾向がある。この場合、少なくともLCD等の透明な保護層を有する読取対象を読取る場合についてのみ、照明光源が上記のように配置されていれば済む。
【0017】
そこで、装置を、読取装置本体と、その読取装置本体が着脱可能に載置されると共に所定の読取位置に透明な保護層を表面に有した読取対象がセットされる載置台とに分離し、そのうち載置台に、上記したと同様の配置で外部照明光源を設ける構成とすることができる(請求項5の発明)。これによれば、透明な保護層を表面に有した読取対象を読取る場合には、載置台にその読取対象をセットして外部照明光源を用いることにより、載置台に載置された読取装置本体により、良好な読取りが可能となり、このとき、読取対象の位置合わせを容易に行うこともできるようになる。これに加えて、例えば紙やラベルのような読取対象に対しては、読取装置本体を載置台から取外して単独で使用することも可能となり、この場合、読取装置本体自体を小形のもので済ませることができる。
【0018】
このとき、載置台に設けられた検出手段により、読取装置本体の載置状態を検出していることを条件に、外部照明光源を作動させるように構成すれば(請求項9の発明)、外部照明光源が必要なときにのみ作動させることができる。
【0019】
そして、読取装置本体に、載置台から取外した単独使用時に読取対象に照明光を照射するための内部照明光源を設けるようにすれば(請求項10の発明)、例えば紙やラベルのような一般的な読取対象に対して、内部照明光源により照明光を照射しながらその読取対象に記録された情報コードを読取ることができる。
【0020】
この場合、読取装置本体に、載置台に載置されて使用されるか単独で使用されるかを判断する使用モード判断手段を設け、載置使用モードであると判断したときに内部照明光源の作動を禁止する構成とすることができ(請求項11の発明)、これにより、載置使用モードにおいて内部照明光源が作動してしまうことに伴う不具合を未然に防止することができる。また、その使用モード判断手段を、使用者のモード設定操作に基づいて使用モードを判断するようにすれば(請求項12の発明)、使用モードの判断のための構成を簡単に済ませることができる。
【0021】
さらに、載置台に読取装置本体が載置されていることを検出するための検出手段を備えるものにあっては、その検出に応じた信号を読取装置本体に通知する検出信号通知手段を設け、請求項11における使用モード判断手段を、その通知信号に基づいて載置使用モードであるかどうかを判断するように構成することもできる(請求項13の発明)。これによれは、載置台側の検出手段の検出に応じて、読取装置本体側において、載置使用モードであるときに内部照明光源の作動を禁止し、単独使用モードであるときに内部照明光源を作動させるといった使用モードに応じた制御を確実に行うことができる。
【0022】
あるいは、読取装置本体側における使用者のモード設定操作に基づいて使用モードを判断するものにあっては、その判断に応じた信号を載置台に通知する使用モード通知手段を設け、載置台側において、その信号に基づいて、読取装置本体の載置使用モードにあるときには外部照明光源を作動させ、単独使用モードにあるときには外部照明光源の作動を禁止するように構成すれば(請求項14の発明)、載置台側において、読取装置本体の使用モードに応じた外部照明光源の制御を確実に行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施例
以下、本発明の第1の実施例(請求項1〜4に対応)について、図2ないし図6を参照しながら説明する。尚、この実施例では、ハンディタイプの二次元コード(QRコード)リーダに本発明を適用しており、また、読取対象として、携帯電話機の表示装置(LCD)に表示されたQRコードを読取る場合を具体例としている。
【0024】
まず、図2は、本実施例に係る光学的情報読取装置たる二次元コードリーダ1の構成を概略的に示している。この二次元コードリーダ1は、使用者が片手で持って操作可能なケース2内に、情報コード例えば二次元コードの一種であるQRコードC(図5参照)を読取るための読取機構3、全体の制御等を行う制御部4、二次電池等からなる電源部5、外部の管理コンピュータ等との間でのデータ通信を行うための図示しない通信部等を配設して構成されている。
【0025】
前記ケース2は、図で左右に長い縦長形状に構成されると共に、その先端側(図で左側)が外側方に膨らむと共に下方に凸となる形状をなし、その先端部下面には、矩形状の読取口2aが設けられている。また、前記制御部4は、全体の制御に加えて、前記読取機構3により読取られた画像データの処理やデコード等も行うようになっている。尚、図示はしていないが、前記ケース2の上面部には、表示部やキー操作部が設けられており、ケース2の側面部にはトリガスイッチが設けられている。
【0026】
そして、前記読取機構3は、読取対象(後述する携帯電話機の表示装置)に対し、照明光を斜め外側から前記読取口2aを通して照射する照明光源6、読取対象にて反射して読取口2aから入射した反射光を折曲げる反射鏡7、この反射鏡7により曲げられた反射光を結像光学系(結像レンズ)8を介して受光するこの場合CCDエリアセンサからなる受光センサ9、図示しない鏡筒等を備えて構成されている。前記照明光源6の詳細については、後述する。
【0027】
これにて、使用者が、ケース2の読取口2aを、情報コードが記録された読取対象に近接させた状態で、読取操作(トリガスイッチのオン操作)を行うことにより、照明光源6により読取対象に照明がなされ、その反射光が反射鏡7,結像光学系8を介して受光センサ9により受光(撮像)され、情報コードが読取られるようになっているのである。尚、このとき、読取りが可能となる読取対象の読取口2aからの距離は、結像光学系8の合焦点距離L(図4参照)を基準距離として、その前後にある程度の幅(例えば±10mm)を有している。
【0028】
ここで、本実施例においては、図5にも示すように、携帯電話機10の表示装置(LCD)11を読取対象とし、表示装置11の画面に、情報コードたるQRコードCが表示された状態で、そのQRコードCを読取る場合を想定している。このとき、図6に概略的に示すように、表示装置(LCD)11は、一般に、表面に透明な保護層12を有し、その裏面側に透明電極13,13で挟まれた液晶層14を有し、その裏面側に反射層(又はバックライト層)15を有して構成されている。従って、表示装置11を読取対象とする場合、前記保護層12を透過して液晶層14に形成されたQRコードCを読取ることになる。
【0029】
さて、前記照明光源6は、図3に示すように、光源となるLED16と、その前面側に配置されそのLDE16からの光を拡散させる板状の光拡散体17とを備えて構成され、拡散面を備える拡散照明光源とされている。この場合、前記光拡散体17は、前記読取口2aの周囲に板面を斜め方向に向けた矩形枠状(額縁状)に構成され、LED16はその四辺部に各複数個ずつ配置されている。尚、これら複数のLED16は、読取対象が均一に照明されるように配置され、必ずしも等間隔に設けられるとは限らない。
【0030】
そして、この照明光源6(LED16)のケース2内における配設位置(及び向き)は、以下のように設定される。即ち、図4に反射鏡7を省略して示すように、結像光学系8の合焦点距離Lよりも近い位置に該結像光学系8の光軸Oと直交する第1の仮想保護層面P1が設定(仮想)されると共に、それよりも遠い位置にそれと平行な第2の仮想保護層面P2が設定され、照明光源6は、第1の仮想保護層面P1に対する入射角θ1が、保護層12に関するブリュースター角(例えば50〜60度)以下となり(第1の仮想保護層面P1と光軸Oとの交点に対する入射角θ1がブリュースター角となる線をIで示す)、且つ、受光センサ9の最大視野Vの外縁が第2の仮想保護層面P2で反射した(入射角(=反射角)をθ2とする)仮想反射線Rの外側から第2の仮想保護層面P2に対して入射される範囲A(斜線を付して示す)に配設されるようになっている。
【0031】
このとき、本実施例では、前記第1の仮想保護層面P1は、読取機構3により読取りが可能な距離のうち最も近距離に読取対象(表示装置11)が位置されたときの、前記保護層12の下面に相当する位置に設定され、前記第2の仮想保護層面P2は、読取りが可能な距離のうち最も遠距離に読取対象(表示装置11)が位置されたときの、前記保護層12の上面に相当する位置に設定されるようになっている。
【0032】
さらに、本実施例では、照明光源6(LED16)は、より具体的には、上記した範囲A(線Iと仮想反射線Rとの間)の中央部に実質的に位置されると共に、その照明光源6(LED16)の光軸が、線Iと仮想反射線Rとのなす角の二等分線B上に実質的に位置されるように配置されている。
【0033】
次に、上記構成の作用について述べる。今、読取対象としての携帯電話機10の表示装置11の画面上に表示された二次元コードCを読取る場合には、図2に示すように、使用者は、表示装置11の画面に読取口2aを読取可能な距離に近接させた状態で、トリガスイッチをオン操作することにより、照明光源6により表示装置11に照明がなされ、その反射光が反射鏡7,結像光学系8を介して受光センサ9により受光(撮像)され、二次元コードCが読取られる。
【0034】
ここで、表示装置11は、表面の透明な保護層12の裏面側に二次元コードCが構成される液晶層14が配置され、さらにその裏面側に反射層(又はバックライト層)15を配して構成されるので、二次元コードCを読取るには、照明光源6からの照射光が、液晶層14更に反射層15まで到達してその面で反射した反射光を、結像光学系8を介して受光センサ9に入射させる必要がある。
【0035】
このとき、保護層12の存在により、照明光源6から照射された照射光が、その保護層12の表面(上面及び下面)で反射してしまうと、液晶層14ひいては反射層15にまで到達する照明光が減少し、十分な反射光量が得られない虞があり、保護層12の表面で反射した光が、受光センサ9に投影(入射)されてしまうと、二次元コードCの正規の画像が読取れなくなる事態を招いてしまう。
【0036】
ところが、本実施例では、照明光源6を、適当な位置及び向き(光軸の角度)に配置したことにより、照明光源6から照射された照明光が保護層12の表面で極力反射しないようにすることができ、且つ、照明光が保護層12の表面で反射してもその光が受光センサ9に投影(入射)されないようにすることができたのである。
【0037】
即ち、図4に示すように、照明光源6からの照明光の第1の仮想保護層面P1つまり読取可能な距離のうち最も近距離に保護層12が位置しているときの入射角θ1が、ブリュースター角以下となるようにされ、この際、必然的に、それより遠くに位置する保護層12面に対する入射角はブリュースター角より小さくなるので、読取可能な範囲のうちのいずれの距離に保護層12が位置している場合でも、保護層12の表面に対する入射角θ1はブリュースター角以下となる。
【0038】
ここで、周知のように、ブリュースター角は、光の表面反射においてp偏波成分が全く反射しない特異な角度であり、光の入射角がその角度を越えると、p偏波,s偏波ともに反射率が急激に大きくなり、その角度以下であれば表面の反射率が十分に低くなる。従って、保護層12の表面の照明光の反射率を小さくすることができ、十分な照明光を液晶層14ひいては反射層15にまで到達させることができるのである。
【0039】
一方、保護層12の表面で反射した光が受光センサ9に投影されるには、最大視野Vの投影範囲で入射光が反射し、且つ、その入射角が上記角度θ2以下であることが条件となる。これに対し、照明光源6からの照明光は、第2の仮想保護層面P2つまり読取可能な距離のうち最も遠距離に保護層12が位置していると仮想した面に対して仮想反射線Rの外側から対して入射されるので、その照明光が最大視野Vの投影範囲(図4で点r1と点r2との間の範囲)で反射した場合でも、その入射角は角度θ2を越えることになり、この際、反射面がそれより近くなる場合には、必然的に、仮想反射線Rの外側から入射された照明光が最大視野Vの投影範囲で反射した場合、その入射角は角度θ2を越えることになる。従って、読取可能な範囲のうちのいずれの距離に保護層12が位置している場合でも、保護層12の表面で反射した照明光が、受光センサ9に投影されることがなくなるのである。
【0040】
このように本実施例によれば、透明な保護層12を表面に有した表示装置11を読取対象とし、その保護層12が読取可能な範囲のうちのいずれの距離に位置していても、保護層12の表面の照明光の反射率を小さくして、十分な照明光を表示装置11の液晶層14にまで到達させることができ、且つ、保護層12の表面を反射した光が受光センサ9に投影されることがなくなるので、照明光が保護層12の表面で反射することに起因する不具合を解消でき、良好な読取りが可能となるという優れた効果を得ることができるのである。
【0041】
また、特に本実施例では、照明光源6を、実質的に上記した範囲A(線Iと仮想反射線Rとの間)の中央部に位置させ、その照明光源6の光軸を、線Iと仮想反射線Rとのなす角の二等分線B上に実質的に位置させたので、保護層12の表面における照明光の反射抑制と、反射した光の受光センサ9への投影防止の双方の効果を共にバランス良く且つ確実に得ることができる。さらには、照明光源6を拡散照明光源としたので、表示装置11の比較的広い範囲を均等に照明することができるといったメリットも得ることができる。
【0042】
(2)第2の実施例
次に、本発明の第2の実施例(請求項5〜12に対応)について、図7及び図8を参照しながら説明する。尚、上記第1の実施例と同一部分については、同一符号を付して新たな図示及び詳しい説明を省略し、以下、異なる点についてのみ述べることとする。
【0043】
図7は、本実施例に係る光学的情報読取装置(二次元コードリーダ)21の全体構成を概略的に示しており、この光学的情報読取装置21は、読取装置本体たるコードリーダ本体22と、このコードリーダ本体22が着脱自在に載置される載置台23とを備えて構成される。そのうちコードリーダ本体22は、図8にも示すように、ケース24内に、読取機構25、制御部4、電源部5、通信部等を配設して構成されている。
【0044】
このとき、前記ケース24は、使用者が片手で持って操作可能な図で左右に長い縦長形状に構成されると共に、その先端側(図で左側)が下方に凸となる折曲り形状をなし、その先端部下面には、矩形状の読取口24aが設けられている。尚、詳しく図示はしないが、このケース24の先端の凸状部分の外壁部(後述する外部照明光源の照明光が透過する部分)は、透明部材から構成されている。
【0045】
そして、前記読取機構25は、反射鏡7、結像光学系(結像レンズ)8、受光センサ9等を備えると共に、LED等からなる内部照明光源26を備えて構成されている。この内部照明光源26は、受光センサ9の最大視野Vの外側に位置され、読取対象(二次元コードが記録されたラベル27等)に対し、読取口24aを通して斜め外側から読取り用の照明光を照射するようになっている。この場合、内部照明光源26は、読取対象に対する入射角が比較的鋭角となるように照明光を照射するように設けられ、従って、前記ケース24の先端部分は、上記第1の実施例におけるケース2と比べて細幅(小形)となっている。
【0046】
これにて、コードリーダ本体22は、載置台23から取外した単独状態でも使用可能とされているのである。このとき、ケース24の上面部に設けられた図示しないキー操作部において、使用者が、コードリーダ本体22を載置台23に載置して使用する載置使用モードと、単独で使用する単独使用モードとのモード設定(モード切替)操作を行うようになっている。前記制御部4は、そのモード設定操作に基づいて、使用モードを判断し、単独使用モードであるときにのみ前記内部照明光源26を作動(オン)させ、載置使用モードであるときには、内部照明光源26の作動を禁止するようになっている。
【0047】
これに対し、前記載置台23は、図7に示すように、ほぼ矩形箱状をなし、その上面に前記コードリーダ本体22が下向きに載置されるようになっている。この載置台23の上面側の図で左寄り部分には、載置された前記コードリーダ本体22のケース24先端の下方に凸となった部分が嵌り込む嵌合穴23aが形成されている。また、この載置台23には、前記嵌合穴23aの下端部に連続して、図で左側面に開口し右方向に延びる差込穴23bが形成されており、コードリーダ本体22の載置状態では、ケース24の読取口24aがこの差込穴23bに臨むようになっている。
【0048】
前記差込穴23bには、携帯電話機10が表示装置11を上向きとして挿脱自在に差込まれてセットされるようになっており、このとき、図示しないストッパ等により携帯電話機10の差込位置が規制され、もって所定の読取位置、つまり前記嵌合穴23aの下端部分(読取口24aの真下部分)に、読取対象である表示装置11が位置されるようになっている。
【0049】
そして、この載置台23の前記嵌合穴23aの周囲部分には、外部照明光源28が配設されている。この外部照明光源28も、上記第1の実施例における照明光源6と同様に、複数個のLED16及び光拡散体17を備えて構成され、拡散面を備える拡散照明光源とされている。この外部照明光源28は、やはり上記第1の実施例と同様に、コードリーダ本体22が載置されている状態で、第1の仮想保護層面P1に対する入射角θ1が、保護層12に関するブリュースター角以下となり、且つ、受光センサ9の最大視野Vの外縁が第2の仮想保護層面P2で反射した仮想反射線Rの外側から第2の仮想保護層面P2に対して入射される範囲Aに配置されるようになっている。
【0050】
さらに、この載置台23の上面部分には、前記コードリーダ本体22が載置されていることを検出するための検出手段たる載置センサ29が設けられている。この載置センサ29としては、マイクロスイッチや、光センサ、磁気センサなど各種のものを採用することができる。このとき、図示はしないが、載置台23には、前記外部照明光源28のオン,オフを行うための通電回路が設けられており、前記載置センサ29によりコードリーダ本体22の載置状態が検出されているときにのみ、外部照明光源28が作動(オン)されるようになっている。
【0051】
上記構成においては、携帯電話機10の表示装置11のような、表面に透明な保護層12を有する読取対象の二次元コードCを読取る場合には、図7に示すように、載置台23にコードリーダ本体22を載置し、携帯電話機10を差込穴23bに差込んでセットした状態とする。これにより、外部照明光源28からの照明光が表示装置11に照射され、コードリーダ本体22の読取機構25により液晶層14の二次元コードCが読取られる。
【0052】
このとき、外部照明光源28は、上記第1の実施例と同様に、保護層12の表面の照明光の反射率を小さくし、且つ、保護層12の表面を反射した光が受光センサ9に投影されることのない位置に配設されているので、照明光が保護層12の表面で反射することに起因する不具合を解消でき、良好な読取りを行うことができる。また、この場合には、コードリーダ本体22は載置使用モードとされるので、内部照明光源26が作動されることはなく、不要な反射光が生ずることもない。さらには、読取対象(表示装置11)と読取り口24aとの位置合わせを容易に行うこともできるようになる。
【0053】
一方、二次元コードCが記録されたラベル27のような一般的な読取対象の場合には、図8に示すように、コードリーダ本体22を載置台23から取外して単独で使用することができる。このとき、コードリーダ本体22が単独使用モードとされることにより、トリガスイッチが操作されると、内部照明光源26によりラベル27に対して照明光が照射され、読取機構25により二次元コードCが読取られる。この場合には、保護層12の表面での光の反射に起因する不具合の発生はないので、内部照明光源26からの照射光のラベル27に対する入射角がかなり小さくても、良好な読取りが可能となる。
【0054】
そして、上記第1の実施例では、照明光源6をケース2内に内蔵させたことにより、装置としての大形化(読取口2a部分が周囲方向に拡がる)を伴うものとなっていたが、上記のように、外部照明光源28を分離した形態としたので、例えば紙やラベルのような読取対象に対しては、コードリーダ本体22を載置台23から取外して単独で使用することが容易となり、この場合、コードリーダ本体22(ケース24)を小形のもので済ませることができ、ひいては持運び性や操作性をより良好とすることができるのである。
【0055】
(3)第3,第4の実施例、その他の実施例
図9は、本発明の第3の実施例(請求項13に対応)を示すものである。この第3の実施例は、上記第2の実施例の変形例ともいうべきものであってコードリーダ本体22や載置台23の基本的構成などについては共通するので、上記第2の実施例と共通する部分については、同一符号を付して図示及び詳しい説明を省略することとし、以下、異なる点について述べる。
【0056】
この第3の実施例に係る光学的情報読取装置(二次元コードリーダ)は、やはり読取装置本体たるコードリーダ本体22と、このコードリーダ本体22が着脱自在に載置される載置台23とを備え、図示はしないが、これと共に、それらが夫々通信線を介してデコーダを備えたホストシステム(外部の管理コンピュータ)に接続されている。
【0057】
このとき、前記載置台23には、前記コードリーダ本体22が載置されていることを検出するための検出手段たる載置センサ29が設けられている。このとき、図示はしないが、載置台23には、前記外部照明光源28を制御するための制御回路が設けられており、前記載置センサ29によりコードリーダ本体22の載置状態(載置使用モード)が検出されているときにのみ、外部照明光源28の作動(オン)を許容し、検出されていないとき(コードリーダ本体22の単独使用モード)には、外部照明光源28の作動を禁止するようになっている。
【0058】
そして、この載置台23の制御回路は、前記載置センサ29の検出に応じた信号(この場合、検出時にはH(ハイ)、非検出時にはL(ロウ)の信号)を、前記通信線(制御線)を介してホストシステムに送信するようになっている。また、この制御回路には、ホストシステムから通信線を介して後述するトリガオン信号が入力されるようになっており、載置センサ29によりコードリーダ本体22の載置状態が検出されている状態で、そのトリガオン信号が入力されると、前記外部照明光源28を作動(オン)させるようになっている。
【0059】
これに対し、前記コードリーダ本体22の制御部4には、前記ホストシステムから通信線(制御線)を介して前記載置台23の載置センサ29の検出信号(H又はL)が入力されるようになっており、もって検出信号通知手段が構成されている。そして、制御部4は、使用モード判断手段としての機能を備え、その通知信号に基づいて、コードリーダ本体22自らが、載置使用モードにあるか単独使用モードにあるかを判断するようになっている。従って、本実施例では、使用者によるモード設定(モード切替)の操作が不要とされている。
【0060】
また、コードリーダ本体22の制御部4は、トリガスイッチがオン操作された際に、載置使用モードにあると判断されているときには、内部照明光源26の作動を禁止し、単独使用モードにあると判断されているときには、内部照明光源26を作動(オン)させるようになっている。さらに、この制御部4は、前記トリガスイッチがオン操作された際に、トリガオン信号を通信線を介してホストシステムに送信し、ホストシステムから通信線を介して前記載置台23にそのトリガオン信号が入力されるようになっている。
【0061】
このような構成においては、図9のフローチャートに示すように、コードリーダ本体22の内部照明光源26及び、載置台23の外部照明光源28が制御される。即ち、コードリーダ本体22のトリガスイッチがオン操作されると(ステップS1)、次のステップS2にて、制御線の信号が「H」かどうか、つまり載置台23の載置センサ29がコードリーダ本体22の載置状態(載置使用モード)を検出しているかどうかが判断される。
【0062】
そして、コードリーダ本体22が載置使用モードにあるとき(検出信号が「H」のとき)には(ステップS2にてYes)、ステップS3にて、コードリーダ本体22の内部照明光源26の作動が禁止され、これと共に、ステップS4にて、載置台23の外部照明光源28が作動(オン)される。一方、コードリーダ本体22が単独使用モードにあるとき(検出信号が「L」のとき)には(ステップS2にてNo)、ステップS5にて、コードリーダ本体22の内部照明光源26が作動(オン)され、これと共に、ステップS6にて、載置台23の外部照明光源28の作動が禁止されるのである。
【0063】
このような第3の実施例によれば、載置台23の使用により、携帯電話機10の表示装置11に表示された二次元コードCを容易に位置合せして良好に読取ることができ、また、小形のコードリーダ本体22を単独でも使用することができる等、上記第2の実施例と同様の効果が得られることに加え、載置センサ29の検出に基づいて、コードリーダ本体22の使用モードを判断して、コードリーダ本体22の内部照明光源26及び載置台23の外部照明光源28の双方を制御する構成としたので、それら内部照明光源26及び外部照明光源28を使用モードに応じて誤動作なく確実に制御することができる。また、この場合、コードリーダ本体22のモード設定の操作が不要となるので、使用者に面倒な操作を強いる必要がなくなり、誤った使用モードに設定されてしまう虞もなくなるといったメリットを得ることができる。
【0064】
さらに、特に別途に図示はしないが、やはり上記第2の実施例の変形例ともいうべき本発明の第4の実施例(請求項14に対応)として、次のように構成することができる。即ち、この第4の実施例においても、読取装置本体たるコードリーダ本体22と、このコードリーダ本体22が着脱自在に載置される載置台23とは、夫々通信線を介してデコーダを備えたホストシステムに接続されている。また、この実施例では、コードリーダ本体22において、使用者が、キー操作部の操作により、コードリーダ本体22を載置台23に載置して使用する載置使用モードと、単独で使用する単独使用モードとのいずれかのモード設定を行うようになっている。
【0065】
そして、コードリーダ本体22の制御部4は、そのモード設定操作に基づいて使用モードを判断するのであるが、トリガスイッチがオン操作された際に、載置使用モードにあると判断されているときには、内部照明光源26の作動を禁止し、単独使用モードにあると判断されているときには、内部照明光源26を作動(オン)させるようになっている。
【0066】
これと共に、制御部4は、設定されているモードに応じた信号を、通信線を介してホストシステムに送信し、ホストシステムから通信線を介して載置台23にその信号(通知信号)が入力されるようになっており、もって使用モード通知手段が構成されるようになっている。さらに、上記第3の実施例と同様に、コードリーダ本体22のトリガスイッチがオン操作されると、通信線及びホストシステムを介して、載置台23にトリガオン信号が入力されるようになっている。
【0067】
これに対し、載置台23の制御回路は、トリガオン信号が入力された際に、前記通知信号に基づいて、コードリーダ本体22が載置使用モードにあるときには、外部照明光源28を作動(オン)させ、単独使用モードにあるときには、外部照明光源28の作動を禁止するようになっている。
【0068】
この第4の実施例によっても、上記第3の実施例と同様に、コードリーダ本体22の内部照明光源26及び載置台23の外部照明光源28を、コードリーダ本体22の使用モードに応じて誤動作なく確実に制御することができる等の効果を得ることができる。また、載置台23における載置センサ29が不要となって構成が簡単になるといったメリットも得ることができる。
【0069】
上記した第3及び第4の実施例においては、コードリーダ本体22及び載置台23を夫々ホストシステムに接続する通信線を用いて、各信号を通知するように構成したが、電源線を介して信号を送るように構成することができる。また、ケーブルを用いずに、電波や光(赤外線等)を用いて通信を行う構成とすることもでき、さらには、ホストシステム(管理コンピュータ)を介さずに、コードリーダ本体22と載置台23との間で直接的に通信を行う構成としても良い。
【0070】
尚、上記各実施例では、照明光源6を、範囲A(線Iと仮想反射線Rとの間)の中央部に配設するようにしたが、範囲A内であれば良く、さらには、その光軸を、線Iと仮想反射線Rとのなす角の二等分線Bに一致させるようにしたが、多少ずれていても構わない。
【0071】
また、表面に保護層を有した読取対象として、携帯電話機の表示装置を例としたが、読取対象としてそれ以外にも各種のものに適用できる。情報コードとしても、二次元コード(QRコード)に限定されるものではなく、他の二次元コードやバーコード、さらにはOCR読取り用の文字,記号等であっても、本発明を適用することが可能である。さらには、上記第2の実施例では、使用者のモード設定により、モード判断を行うようにしたが、読取装置本体側にも、載置台に載置されているかどうかを検出する手段(センサやスイッチ等)を設け、それに基づいてモード判断を行うようにしても良い。載置台の構成としても、様々な変形例が考えられる。
【0072】
その他、装置のハードウエア的構成、例えば光拡散体等の構成としても種々の変形が可能であり、また、ハンディタイプのコードリーダに限らず、据付けタイプの装置にも本発明を適用することができ、さらには読取機構の構成としても、反射鏡を用いない構成としたり、全体をユニット化してケースに組付けるように構成しても良い等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための図
【図2】本発明の第1の実施例を示すもので、二次元コードリーダの構成を示す概略的縦断面図
【図3】照明光源の平面図(a)及びそのX−X線に沿う縦断面図(b)
【図4】照明光源の配置位置を概念的に示す図
【図5】携帯電話機の平面図
【図6】表示装置の層構成を示す縦断面図
【図7】本発明の第2の実施例を示すもので、コードリーダ本体を載置台に載置した様子を示す概略的縦断面図
【図8】コードリーダ本体を単独使用する様子を示す概略的縦断面図
【図9】本発明の第3の実施例を示すもので、外部照明光源及び内部照明光源の制御の様子を示すフローチャート
【符号の説明】
図面中、1は二次元コードリーダ(光学的情報読取装置)、2,24はケース、2a,24aは読取口、3,25は読取機構、4は制御部、6は照明光源、8は結像光学系、9は受光センサ、11は表示装置(読取対象)、12は保護層、14は液晶層、15は反射層、16はLED、17は光拡散体、21は光学的情報読取装置、22はコードリーダ本体(読取装置本体)、23は載置台、26は内部照明光源、27はラベル(読取対象)、28は外部照明光源、29は載置センサ(検出手段)、Cは二次元コード(情報コード)、Oは光軸、Lは合焦点距離、P1は第1の仮想保護層面、P2は第2の仮想保護層面を示す。
Claims (14)
- 情報コードが記録された読取対象に斜め外側から照明光を照射する照明光源と、前記読取対象からの反射光を結像光学系を介して受光する受光センサとを備え、透明な保護層を表面に有した読取対象に関し、前記保護層を透過して情報コードを読取ることを可能とした光学的情報読取装置であって、
前記結像光学系の合焦点距離よりも近く且つ前記情報コードの読取可能な距離のうち最も近距離に位置して該結像光学系の光軸と直交する第1の仮想保護層面を設定すると共に、該情報コードの読取可能な距離のうち最も遠距離に位置してそれと平行な第2の仮想保護層面を設定し、
前記照明光源を、前記第1の仮想保護層面に対する入射角が、前記保護層に関するブリュースター角以下となり、且つ、前記受光センサの最大視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線の外側から該第2の仮想保護層面に対して入射される範囲に配設したことを特徴とする光学的情報読取装置。 - 前記照明光源は、前記第1の仮想保護層面上の前記結像光学系の光軸との交点に対する入射角が前記ブリュースター角以下となり、且つ、前記受光センサの読取視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線よりも外側となる範囲の中央部に実質的に位置されることを特徴とする請求項1記載の光学的情報読取装置。
- 前記照明光源の光軸が、前記第1の仮想保護層面上の前記結像光学系の光軸との交点に対する入射角が前記ブリュースター角となる線と、前記受光センサの読取視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線とのなす角の二等分線上に実質的に位置されることを特徴とする請求項1又は2記載の光学的情報読取装置。
- 前記照明光源は、拡散面を備える拡散照明光源であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
- 結像光学系及び受光センサを有し読取対象に記録された情報コードを読取る読取装置本体と、この読取装置本体が着脱可能に載置され、所定の読取位置に前記読取対象がセットされた状態で該読取対象に斜め外側から読取り用の照明光を照射する外部照明光源を有する載置台とを備えてなり、前記読取装置本体を前記載置台に載置した状態で、透明な保護層を表面に有した読取対象に関し、前記保護層を透過して情報コードを読取ることを可能とした光学的情報読取装置であって、
前記読取装置本体を前記載置台に載置した状態で、前記結像光学系の合焦点距離よりも近く且つ前記情報コードの読取可能な距離のうち最も近距離に位置して該結像光学系の光軸と直交する第1の仮想保護層面を設定すると共に、該情報コードの読取可能な距離のうち最も遠距離に位置してそれと平行な第2の仮想保護層面を設定し、
前記外部照明光源を、前記第1の仮想保護層面に対する入射角が、前記保護層に関するブリュースター角以下となり、且つ、前記受光センサの最大視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線の外側から該第2の仮想保護層面に対して入射される範囲に配設したことを特徴とする光学的情報読取装置。 - 前記外部照明光源は、前記第1の仮想保護層面上の前記結像光学系の光軸との交点に対する入射角が前記ブリュースター角以下となり、且つ、前記受光センサの読取視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線よりも外側となる範囲の中央部に実質的に位置されることを特徴とする請求項5記載の光学的情報読取装置。
- 前記外部照明光源の光軸が、前記第1の仮想保護層面上の前記結像光学系の光軸との交点に対する入射角が前記ブリュースター角となる線と、前記受光センサの読取視野の外縁が前記第2の仮想保護層面で反射した仮想反射線とのなす角の二等分線上に実質的に位置されることを特徴とする請求項5又は6記載の光学的情報読取装置。
- 前記外部照明光源は、拡散面を備える拡散照明光源であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
- 前記載置台は、前記読取装置本体が載置されていることを検出するための検出手段を備え、その検出手段が前記読取装置本体の載置状態を検出していることを条件に前記外部照明光源が作動されることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記 載の光学的情報読取装置。
- 前記読取装置本体は、前記載置台から取外した状態で単独使用可能に構成されると共に、その単独使用時に読取対象に照明光を照射する内部照明光源を備えることを特徴とする請求項5ないし9のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
- 前記読取装置本体は、前記載置台に載置されて使用されるか単独で使用されるかを判断する使用モード判断手段を備え、その使用モード判断手段が載置使用モードであると判断したときには、前記内部照明光源の作動が禁止されることを特徴とする請求項10記載の光学的情報読取装置。
- 前記使用モード判断手段は、使用者のモード設定操作に基づいて使用モードを判断することを特徴とする請求項11記載の光学的情報読取装置。
- 前記載置台に設けられ前記読取装置本体が載置されていることを検出するための検出手段の検出に応じた信号を、前記読取装置本体に通知する検出信号通知手段を備え、前記使用モード判断手段は、その通知信号に基づいて載置使用モードであるかどうかを判断することを特徴とする請求項11記載の光学的情報読取装置。
- 前記使用モード判断手段の判断に応じた信号を、前記載置台に通知する使用モード通知手段を備え、前記載置台においては、その通知信号に基づいて、前記読取装置本体の載置使用モードにあるときには前記外部照明光源が作動され、単独使用モードにあるときには前記外部照明光源の作動が禁止されるように構成されていることを特徴とする請求項12記載の光学的情報読取装置。
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