JP3887540B2 - 円筒形状プラスチック成形品及びその製造方法 - Google Patents

円筒形状プラスチック成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、歯車、プーリーなどの動力駆動用成形品をはじめとする円筒形状を有する高精度なプラスチック成形品の形状構造及びその製造方法に関するものであり、成形品の微細な歪みを確実に抑制しつつ転写面にヒケが生じることを確実に防止できるものである。
【0002】
【従来技術】
動力駆動用部品の1つであるプラスチック歯車は金属歯車と比較して自己潤滑性、低騒音、軽量、耐腐食性、量産性等に優れているため、複写機、プリンター等の精密機械の動力伝達部に使用されている。通常の射出成形機にてこれらの歯車を成形した場合、歯面中央部と側端部では冷却固化速度に差があり、このために冷却収縮差を生じ、その結果、図1に示すように、歯面中央部にヒケが発生してしまう問題がある。この歯面中央のヒケが仮に微小であっても、伝動面のヒケであるから伝動特性(円滑性)に大きな影響を与え、複写機などの光学機器の場合、その性能に大きな影響を与えることになる。
上記ヒケによる問題を解決する方法として、移動駒をキャビティ内に突出させてキャビティ内に圧縮力をかけ、これにより歯面の密度分布を高める圧縮成形が知られている(特開昭63−114614号公報)。しかしこの従来方法においては、圧縮力を歯面に均一にかけることが難しいため、樹脂の急冷固化による温度分布、圧力分布の影響が大きく、圧縮時に圧縮方向と直行する方向に圧力の偏りが存在し、また圧縮力を外周方向に均一に動かすことは難しいため、高精度の成形品は得られない。
また、最近ではガスアシスト成形法を用いて、歯面中央部にヒケが生じるのを防止しようとする方法が提案されている(特開平6−182821号公報、特開平8−25520号公報)。この方法においては成形品内部に中空部が形成されるため、成形品が強度不足になるとともに、中空部を形成するために成形品形状を必要以上に大きくしなくてはならないといった問題がある。
【0003】
【解決しようとする課題】
そこで、この発明は、成形品形状の制約を受けることなく、寸法精度が高く、強度に優れた円筒形状プラスチック成形品が得られるような成形品の形状構造を工夫することをその課題とするものである。
【0004】
【課題解決のために講じた手段】
上記課題解決のために講じた手段は次のとおりである。
【解決手段1】
外周部に転写面を備えるリム部を有する円筒形状プラスチック成形品において、前記リム部の裏側に不完全転写部を形成し、さらに、前記リム部の転写面に隣接する側面に段差部を設けることである。
なお、「リム部の転写面に隣接する側面」とは、リム部の外周部である転写面と略直交する側面のことであり、具体的には図2又は図6等において、厚さ「T」で示されている範囲の側面を指す。以下の説明において、「リム部の側面」と略称する場合もある。
【0005】
【作用】
リム部の転写面に隣接する側面(リム部の側面)に幅方向の段差部が設けられ、この段差部が金型内で半径方向に保持された状態で成形される。
リム部の外周部の転写面が冷却固化した状態でヒケが誘導される他の部分の冷却固化に伴う収縮力によって、リム部の側面が半径方向内方に引っ張られて変形する傾向を生じるが、リム部の側面の段差部が金型に半径方向に保持されているので、上記の半径方向内方への引っ張り力によって変形することが金型によって阻止され、この状態で成形される。したがって、円筒形状プラスチック成形品の外周部の転写面は高い形状精度で成形される。
【0006】
【解決手段2】
請求項1に対応)
解決手段1における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部の薄肉部が、前記転写面と対向するリム部裏側に設けられた切り欠きによって形成されていることである。
解決手段3】
(請求項2に対応
解決手段1における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部の薄肉部が、前記リム部の転写面に隣接する側面に凹部を設けることによって形成されていることである
【0007】
解決手段4】
(請求項3に対応
解決手段2又は解決手段3における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部の薄肉部の厚みtと前記転写面の幅wの割合が0 . 01≦t/w≦0 . 2である領域の幅方向の長さhが、前記リム部の転写面に隣接する側面から幅方向内方に0 . 5mm以上あるようにしたことである
【作用】
前記段差部の薄肉部の厚みtと前記転写面の幅wの割合t/wが、0.01≦t/w≦0.2であるとき、金型によってリム部の転写面の変形を阻止する効果が最も顕著であることが実験的に確認された。
また、上記領域の幅方向の長さhが、リム部の側面から幅方向内方に0.5mm未満であるときは、厚さtの薄肉部による、上記のリム部の転写面の半径方向内方への変形に対する金型による上記保持が必ずしも十分ではないが、領域の幅方向の長さhがリム部の側面から幅方向内方に0.5mm以上であるとき、解決手段1の上記作用を確実に生じる。
【0008】
【解決手段5】
解決手段1における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部の薄肉部が、前記リム部の転写面に隣接する側面に凸部を設けることによって形成されていることである。
【解決手段6】
解決手段1乃至解決手段5における円筒形状プラスチック成形品において、前記リム部の転写面に隣接する側面の厚みの幅方向における変化が緩やかで急激にならないようにしたことである。
【解決手段7】
解決手段1乃至解決手段6における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部に成形品抜け方向と順方向に抜き勾配が設けられていることである。
【解決手段8】
解決手段1乃至解決手段7における円筒形状プラスチック成形品において、前記段差部が、前記リム部の転写面と対向するリム部裏側に設けられた切り欠きと、前記リム部の転写面に隣接する側面に設けられた凸部もしくは凹部によって形成されていることである。
【0009】
【解決手段9】
請求項4に対応)
解決手段1乃至解決手段8の円筒形状プラスチック成形品の製造方法において、前記不完全転写部を形成するために、金型外部からキャビティ内に圧縮気体を導入することである。
【0010】
【解決手段10】
請求項5に対応)
解決手段1乃至解決手段8の円筒形状プラスチック成形品の製造方法において、前記転写面と対向する位置にあるリム部の裏側とウエブ部との境界に不完全転写部を形成する方法として、成形中にキャビティの一部(可動駒等)を樹脂から離反させることである。
【0011】
【解決手段11】
請求項6に対応)
解決手段1乃至解決手段8における円筒形状プラスチック成形品がプラスチック歯車であることである。
なお、上記解決手段2、解決手段3、及び解決手段5乃至解決手段11の作用は次の実施の形態の説明及び発明の効果の説明において明らかにする。
【0012】
【実施の形態】
次いで、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。
図2に示す実施例1の円筒形状プラスチック成形品の基本形状は図1に示すものと同じである。そして、この円筒形状プラスチック成形品の円筒状の外周部の転写面の幅wと、当該転写面に隣接する側面に設けた段差部の薄肉部の厚さtとの割合t/wが、0.01乃至0.2になるように、リム部の転写面に隣接する側面(リム部の側面)の内周部が切り欠かれている。さらに、リム部の転写面の反対側に位置するリム部裏面及びウエブ部のつけ根にまたがって、成形金型の不完全転写によって形成されたヒケが存在する。これにより、不完全転写部によってヒケがリム部裏側に優先的に発生させられるので、その分の樹脂が転写面側に引っ張られて補充されるので、図1に示すように転写面中央部にヒケを発生せることが防止される。しかし、図3に示すように、金型内に成形品があることを想定する場合、このままでは前記非転写部に形成されるヒケ部は金型と接していない空隙となり、成形品の冷却過程ではその空隙部に成形品から供給される熱がこもるため温度が上昇する。このため、成形品の特にリム部での空隙に近い部分と遠い部分とでその熱収縮量に差が生じ、熱収縮量の差によりリム部に歪みが生じ、その結果、図4に示すようにリム部の側面が半径方向内方に図示のΔだけ変形する。そして種々検討を重ねた結果、前記変形量Δは歯幅wが長いほど少なく、またリム部の側面における薄肉部の厚さtが薄いほど成形品リム部の急冷固化が速くて変形量Δは少なくなり、薄肉部の厚さtと歯幅wの割合t/wと変形量Δとが相関することが判明した(図5)。そして、0.01≦t/w≦0.2とすることで変形量Δを30μm以下に抑制することができ、さらに、t/wが0.01≦t/w≦0.2となる領域の幅方向の長さ(図2におけるh:実施例1においては切り欠きの長さに相当する)がリム部の側面から幅方向内方に0.5mm以上あれば、リム部の変形抑制効果が顕著であることが判明した。このことを勘案すれば、リム部全体の厚さ(図2における厚さT)を、リム部の上記変形抑制とは関わりなく肉厚にすることが可能であり、したがって、高強度の円筒形状の成形品を製造することが可能となる。
図6に示す実施例2の場合は、リム部の側面にU形のへこみ部(凹部)を設け、この凹部と外周部の転写面との間(薄肉部)の肉厚tを0.01≦t/w≦0.2の範囲のものとし、上記凹部の深さhをh≧0.5mmとすることで、上記のとおりのリム部の変形を防ぐことができる。
【0013】
なお、図2においてリム部における厚さtの薄肉部から厚さTの厚肉部へ、その厚さが階段状に急激に変化すると、厚さtの薄肉部分と厚さTの厚肉部との間での熱収縮量に著しい差が生じる。このため、上記薄肉部と厚肉部との境界における形状精度が低下する。その場合は、図7(切り欠きによる場合)、図8(リム部の側面の凹部による場合)に示すようにリム部の肉厚tの薄肉部から肉厚Tの厚肉部へ肉厚が変化するところをテーパ形状として、薄肉部と厚肉部との境界における肉厚変化を可及的に緩やかにすることで上記の熱収縮量の差に起因する面精度の低下を防ぐことができる。
また、上記の境界における肉厚の変化を可及的に緩やかにする方法として、上記のテーパ構造に限らず図9に示すようにR形状としたり、あるいは段階的な複数のテーパで構成したりする方法も可能である。
さらに、図10に示すように、外周部の転写面に隣接するリム部の側面からリム部の幅方向にh≧0.5mmの範囲でt/w≦0.2を満たすのであれば、リム部の内周面を1つのテーパ面で構成したものでもよい。
【0014】
図11に示す実施例3の場合は、リム部の側面に凸形状となる部分を設け、その凸部の肉厚tと外周部の転写面の幅wの割合を0.01≦t/w≦0.2とし、その凸部の高さhをh≧0.5mmとすることで上記のようなリム部の変形を防ぐことができる。この場合、肉厚tの凸部と肉厚Tの部分との間に急激な肉厚変化があってそのために熱収縮量に差を生じるとしても、肉厚tの凸部には転写面が存在しないので、図7、図8、図9に示したテーパ形状の場合のような考慮をする必要はない。
さらに、実施例1、実施例2、実施例3において切り欠き部、凹部、凸部を形成した場合、肉厚が小さくなるため、成形品離型時の金型へのいわゆる「とられ」によって変形する場合がある。この場合は、図12に示すように成形品抜け方向に勾配を設けることでこの問題を防ぐことができる。
なお、図13に示す実施例4のように、切り欠き部と凸部もしくは凹部を設けることを併用してもよく、それにより転写面の変形を抑制する効果を一層向上させることができる。
【0015】
図14、図15は成形品の製造方法にかかるこの発明の実施例である。
図14に本発明の製造方法の実施例1のプラスチック成形金型の断面構成概略図を示している。所定容積の円筒形状キャビティを画成する外周部に転写面を有し、前記キャビティ内の成形品リム部もしくはウエブ部の任意の場所に金型外部に連通された連通口が設けられおり、金型外に設置させられた気体発生源と連結されている。
次いでこの実施例1の作動について説明する。
図14に示したキャビティ内に溶融樹脂が図示しないゲートを介して射出充填され、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって転写面が成形品に転写され、冷却固化して成形品が成形される。成形品が冷却固化する過程で、樹脂圧力が所定の圧力になった時、気体供給源を作動させて、成形品ウエブ部に開口している連通口より圧縮気体を樹脂に吹き付けることにより、樹脂とキャビティ壁面の間に強制的に空隙を形成し、この空隙によって当該空隙に面する位置にヒケを誘導して形成させる。このようにヒケを誘導することによって、上記のように成形品の上記非転写部の樹脂が引っ張られて、その分、外周部の転写面に補充されるので、図1に示すようにリム中央部にヒケが生じることが防止される。
【0016】
図15に本発明の製造方法にかかる実施例2のプラスチック成形金型の断面構成概略図を示している。所定容積の円筒形状キャビティを画成する外周部に転写面を有し、前記キャビティ内の成形品リム部もしくはウエブ部の任意の場所に移動可能な可動駒を設けている。可動駒には金型外に設けられた圧力制御装置と連結されている。
次いで、この実施例2の作動について説明する。
図15に示したキャビティ内に溶融樹脂がゲート(図示なし)を介して射出充填され、キャビティ内に発生する樹脂圧力によって転写面が成形品に転写され、冷却固化して成形品が成形される。前記可動駒は前記圧力制御装置と連結されており、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際にキャビティ内に発生する最大樹脂圧力以上の圧力が前記可動駒に付与され、前記樹脂圧力によって可動駒が移動しないように固定されている。キャビティ内に射出充填された樹脂の冷却固化が進み、樹脂圧力が所定圧力になった時点で可動駒を後退させて(図15における矢印方向)成形面から離間させ、可動駒と成形品キャビティ面との間に強制的に空隙を形成させる。成形品の上記空隙に接する部分はキャビティ面に拘束されることのない自由面となるので、その部分に優先的にヒケが形成される。これにより、上記のように成形品の非未転写部の樹脂が引かれて、その分、外周部の転写面に補充されるので、図1に示すようにリム中央部にヒケが生じることが防止される。なお、図15では右半分が可動駒の移動前形態、左半分が可動駒移動後の形態を示している。
【0017】
リム部の変形を阻止するためにリム部の側面に凸部、凹部を複数設けてよく、そうすることにより、その高さ、深さを、凸部、凹部が一つの場合に比して低減できる。しかし、この場合は金型の構造が複雑になるので、凸部、凹部がいずれか一つの場合に比して実用上の格別の利点はない。
【0018】
なお、この発明における円筒形状プラスチック成形品がプラスチック歯車であるとき、この発明により回転伝達特性に優れ、高強度な歯車を製造することができる。
また、歯車の場合のリム部の厚さは、図16に示すように歯底からの寸法である。
【0019】
【発明の効果】
この発明の効果を請求項に係る発明毎に整理すれば次のとおりである。
(1)請求項1に係る発明の効果
請求項1に係る発明によれば、円筒形状プラスチック成形品のリム部裏側に不完全転写部を設けることで、リム部の外周部における転写面の幅方向中央にヒケが生じることを防止でき、また、リム部の転写面に隣接する側面(リム部の側面)に段差部を設けると共にこの段差部の薄肉部をリム部裏側に設けた切り欠きにより形成しているので、成形品がリム部で変形してその形状精度が低下することを防ぐことができる。
【0020】
(2)請求項2に係る発明の効果
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明と同様に、リム部の外周部における転写面の幅方向中央にヒケが生じることを防止でき、また、リム部の転写面に隣接す る側面に段差部を設けると共に、この段差部の薄肉部を前記リム部の側面に設けた凹部により形成しているので、成形品がリム部で変形してその形状精度が低下することを防ぐことができる
【0021】
(3)請求項3に係る発明の効果
請求項3に係る発明によれば、リム部の側面に設けた段差部の薄肉部の厚みを規制することで、成形品がリム部で変形してその形状精度が低下することを防ぐことができる。また、リム部の側面より0.5mmの部分を除く他のリム部の厚さを厚くすることができるので、円筒形状プラスチック成形品の形状精度を維持したままでその強度を向上させることができる
【0022】
(4)請求項4に係る発明の効果
請求項4に係る発明によると、金型外部から圧縮気体をキャビティ内に導入することによって、所定の場所に不完全転写部を比較的簡単容易に形成することができ、これにより、リム部の転写面の中央にヒケが生じることを確実に防止することができる
【0023】
(5)請求項5に係る発明の効果
請求項5に係る発明によれば、円筒形状プラスチック成形品の成形中にキャビティの一部を樹脂から離反させることで、所定の正確な領域に不完全転写部を形成することができ、リム部の転写面の中央にヒケが生じるのをより確実に防止することができる
【0024】
(6)請求項6に係る発明の効果
請求項6に係る発明によれば、本発明をプラスチック歯車に適用することによって、回転伝達特性に優れ、高強度な歯車を製造することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来技術における円筒形状プラスチック成形品の平面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
【図2】は円筒形状プラスチック成形品の実施例1の断面図である。
【図3】は円筒形状プラスチック成形品のヒケをリム部内周とウエブ外周端との境界に誘導する成形金型の一例の断面図である。
【図4】は図3の金型による円筒形状プラスチック成形品のリム部の変形状態を模式的に拡大した断面図である。
【図5】はt/wの大きさと変形量Δの大きさとの相関グラフを示す図である。
【図6】は円筒形状プラスチック成形品の実施例2の断面図である。
【図7】は実施例1の変形例の要部拡大断面図である。
【図8】は実施例2の変形例の要部拡大断面図である。
【図9】は実施例1及び実施例2のさらに他の種々の変形例の要部拡大断面図である。
【図10】は実施例1のさらに他の変形例の要部拡大断面図である。
【図11】は円筒形状プラスチック成形品の実施例3の断面図である。
【図12】は実施例1乃至実施例3の変形例における抜き勾配をつけた変形例の要部拡大断面図である。
【図13】は円筒形状プラスチック成形品の実施例4の要部拡大断面図である。
【図14】は円筒形状プラスチック成形品の製造方法の実施例1を示す模式図である。
【図15】は円筒形状プラスチック成形品の製造方法の実施例2を示す模式図である。
【図16】は解決手段11(請求項11に対応)によるプラスチック成形品(歯車)の平面図である。
【符号の説明】
h:切り欠きの幅方向の長さ、凹部の深さ
t:薄肉部の厚さ
T:リム部の厚肉部(全体)の厚さ
w:外周部の転写面の幅

Claims (6)

  1. 外周部に転写面を備えるリム部を有する円筒形状プラスチック成形品において、
    前記リム部の裏側に不完全転写部を形成し、さらに、前記リム部の転写面に隣接する側面に段差部を設けると共に、この段差部の薄肉部が、前記転写面と対向するリム部裏側に設けられた切り欠きによって形成されていることを特徴とする円筒形状プラスチック成形品。
  2. 外周部に転写面を備えるリム部を有する円筒形状プラスチック成形品において、
    前記リム部の裏側に不完全転写部を形成し、さらに、前記リム部の転写面に隣接する側面に段差部を設けると共に、この段差部の薄肉部が、前記リム部の転写面に隣接する側面に凹部を設けることによって形成されていることを特徴とする円筒形状プラスチック成形品。
  3. 前記段差部の薄肉部の厚みtと前記転写面の幅wの割合が0.01≦t/w≦0.2である領域の幅方向の長さhが、前記リム部の転写面に隣接する側面より幅方向内方に0.5mm以上あることを特徴とする請求項1又は請求項2の円筒形状プラスチック成形品。
  4. 前記不完全転写部を形成するために、金型外部からキャビティ内に圧縮気体を導入することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの円筒形状プラスチック成形品の製造方法。
  5. 前記転写面と対向する位置にあるリム部の裏側とウエブ部との境界に不完全転写部を形成する方法として、成形中にキャビティの一部を樹脂から離反させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの円筒形状プラスチック成形品の製造方法。
  6. 前記円筒形状プラスチック成形品がプラスチック歯車であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかのプラスチック成形品。
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