JP3887305B2 - 無洗米用炊飯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無洗米の炊飯に適した炊飯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、米を洗うことなく炊飯することができる無洗米が注目を浴びつつあり、一般家庭はもとより外食産業においても作業の省力化の観点から重要視されている。また、無洗米を炊飯可能とした炊飯装置も種々提案されるに至っている。
その一つとして、下記特許文献には、一釜分量の無洗米と炊飯用水とを炊飯釜に投入して炊飯を行う炊飯装置が開示されており、詳しくは、貯米タンクの下方に炊飯器を備え、この貯米タンク下部の排米口から炊飯器の内釜に米を投入し、この排米口の近傍に設けた給水手段により内釜に炊飯用水(水加減水)を投入し、その後炊飯を行うものとなっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−194320号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような無洗米は、洗米が不要であるといっても米の表面には糠、澱粉質等の溶質固形分が残存しており、これが浸し工程中に内釜内で水加減水に溶け出すことがある。溶け出した糠等は内釜の底部に沈殿するため、そのまま炊飯を行うと糠等が加熱されて固まり、これが壁となって内釜底部の温度が局所的に上昇し逆に内部の米に充分熱が伝わり難くなることがあった。
このような現象を生じると、内釜の底部が所定の炊飯完了温度に達したことを感熱センサーで検知したときに内釜内の米は生煮え状態であるのに炊飯完了と判断し、早期に加熱を終えてしまうという「早切れ」の原因になる。
【0005】
また、内釜内に米を投入したあとに水加減水を投入すると、所々に吸水ブロック(乾いた米の周りを吸水した米が取り囲み塊状となる現象)が生じることがあり、これは炊きムラの原因になるため、従来はこの吸水ブロックを手でつぶすという煩わしい作業が必要であり、これが作業能率を著しく下げる要因となっていた。
本発明は、内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜることにより、上記のような問題が生じることなく良好に無洗米を炊飯することができる無洗米用炊飯装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
本発明にかかる無洗米用炊飯装置は、炊飯器を搭載する載置台を有したベース部材に装置ボックスを設け、この装置ボックスの上部に支持アームの一端部を支軸回りに揺動自在に支持し、炊飯器の内釜を閉鎖する蓋体を前記支持アームの自由端部に取り付けて該支持アームの揺動により蓋体を開閉自在に構成し、前記支持アームの自由端部に内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部材を設け、前記支持アームの内部に、内釜に対して水加減水を投入する給水部の配水管と攪拌部材に動力を伝達する連動体とを配設しており、前記配水管は、装置ボックスから支持アームにわたるように設けられていると共に、その中途部に前記支軸と同軸心回りに回動自在な回動継手を備えているものである。
【0007】
かかる構成によれば、攪拌部材によって内釜内に収納した無洗米及び水加減水をかき混ぜることで、糠やでんぷん質等が内釜底に沈殿するようなことを防止でき、吸水ブロックも崩すことが可能となる。したがって、早切れや炊飯ムラを防止でき、おいしいご飯が炊けるようになる。
また、支持アーム内に配水管や連動体を設けることで外観が良好となり、配水管や連動体を支持アームにより保護することが可能となる。また、支持アームの揺動により蓋体を簡単に開閉することができ、蓋を閉じることで内釜内に攪拌部材をセットすることができる。
【0008】
また、無洗米用炊飯装置は、内釜に対する水加減水の供給から炊飯完了までを自動的に行うように構成したものとなっており、そして、攪拌部の作動時期を水加減水の供給中に設定可能としている。
また、作動時期は、水加減水の供給中、浸し中、炊飯中のいずれか一つ又は複数の時期に選択的に設定可能としてもよい。
水加減水の供給中に攪拌部の作動時期を設定した場合、吸水ブロックの発生自体を防止することができ、浸し中に攪拌部の作動時期を設定する場合は、特に浸し工程の終了間際(炊飯の直前)とするのが好ましく、この場合、拡散した糠等が再度沈殿するまえに炊飯工程に移行することができる。炊飯中に作動時期を設定した場合、ある程度炊飯温度が上昇していることから吸水ブロックを崩しやすくなり、また崩れた吸水ブロック内の乾いた米が水を吸いやすくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図5及び図6は、本発明にかかる無洗米用炊飯装置1を示している。この炊飯装置1は、装置フレーム2と、炊飯器3と、給水部4と、攪拌部5とを備えて主構成され、装置フレーム2は下部にベース部材6を備えると共に、ベース部材6の一側部に箱形の装置ボックス7を立設したものとなっている。
ベース部材6上は炊飯器3を載せるための載置台8とされており、この載置台8に載せた炊飯器3と装置ボックス7とが左右に横並び状に配設されている。載置台8は固定式としてもよいし、前後方向又は左右方向に水平引き出し式に構成してもよい。引き出し式とした場合には、載置台8に把手(ハンドル)を立設するのが好ましい。
【0010】
炊飯器3は、外釜10の内部に内釜11を着脱自在に装着し、この内釜11の上部開口を蓋体12によって開閉自在に閉鎖するようにしたものとなっている。この炊飯器3の外釜10には、ガスコンロ又は電気コンロ(ヒーター)等の加熱手段や内釜11の温度を測る感熱センサ等が備わっている。
装置ボックス7の上部には、前後方向の支軸14回りに一端部(基端部)が枢支された支持アーム(支持体)15が設けられており、この支持アーム15の他端部(自由端部)に前記蓋体12が取り付けられている。そして、支持アーム15を下方に揺動することで蓋体12により内釜11を閉じ、支持アーム15を上方に揺動することで内釜11を開放するようになっている。支持アーム15の上面には、この揺動操作を行うための把手16が取り付けられている。
【0011】
なお、支持アーム15は、平面視がL字形で、中空の箱形に形成されており、この内部には給水部4や攪拌部5の構成部材(配水管18,連動体29)が収容されている。
給水部4は、炊飯器3の内釜11内に炊飯用の水(水加減水)を供給するためのものであって、炊飯器3への水の供給路を形成する配水管18を備え、この配水管18の一端は水道等の圧力水源に接続され、他端には炊飯器3の蓋体12に連結されたノズル20を備えている。配水管18の中途部は、装置ボックス7内及び支持アーム15内に配設され、開閉バルブや流量センサー等が付設されている。
【0012】
配水管18は、支持アーム15の揺動に追従可能となるようにその中途部に支軸14と同軸心回りに回動自在な回動継手19を備えている。
装置ボックス7の前面には操作パネル21が設けられ、内部には制御装置が設けられており、操作パネル21は、スタートスイッチの他、炊飯量を設定する設定スイッチや水加減を増減調整する調整スイッチ、浸し時間、むらし時間を設定する設定スイッチ等を適宜備えたものとされ、これらスイッチにて設定された内容で、水加減水の給水から炊飯完了までを自動的に行うように炊飯器3、給水部4、攪拌部5が制御装置により制御されている。
【0013】
つまり、この炊飯装置1の動作を図3を参照して説明すると、まず支持アーム15を介して蓋体12を開き、内釜11内に所望の無洗米を手作業により投入する。そして、蓋体12を閉じたあと、操作パネル21のスタートスイッチをONする。
すると、制御手段からの命令で給水部の開閉弁が開き、配水管18を介してノズル20から内釜11へ水加減水が供給される。
流量センサによって所定の水加減水が供給されたことが検知されると、開閉弁を閉じることによって給水が停止され、その後、所定時間浸し工程が行われる。
【0014】
浸し工程終了後、炊飯器3の加熱手段が作動(着火)して炊飯を開始し、炊飯が終了(加熱手段を消火)した後、所定時間のむらし工程を経て炊きあがりとなる。
なお、上記炊飯工程においては、蓋体12を閉鎖したことを検知して自動的にスタートスイッチをONする構成としてもよい。
攪拌部5は、図3に示した工程のなかで、内釜11に対する水加減水の投入中又はその後に内釜11内をかき混ぜ、内釜11の底に糠やでんぷん質が沈殿するのを防止したり吸水ブロックを崩すためのものであり、これによって炊飯の早切れや炊きムラを防止するようになっている。
【0015】
攪拌部5は、内釜11内に配設される攪拌部材25と、この攪拌部材25を駆動する駆動手段26とを備えている。
攪拌部材25は、内釜11の中心(蓋体12の中心)位置に配設される縦軸27に対して放射状に複数設けられたものとなっており、各攪拌部材25は、横向き部25Aと縦向き部25Bとによって逆L字形を呈している。縦向き部25Bは、蓋体12を開閉するときに内釜11と衝突しないよう下端が縦軸27側(内釜11の中心側)に向くように傾斜した配置となっている。
【0016】
上記縦軸27は、支持アーム15に対して軸受け等を介して回転自在に支持されている。
駆動手段26は、モータ等の駆動体28と、前記縦軸27と、これらを連動連結する連動体29とを備え、駆動体28は、支持アーム15の基部又は装置ボックス7内の、炊飯器3の上方から離れた位置に配設され、炊飯器3からの蒸気で故障することがないように配慮されている。
連動体29は支持アーム15内に配設され、例えば、図3(a)に示すように、縦軸27と駆動体28とを接続する連動軸30やギヤ機構31,32等を有し、連動軸30の一端と駆動体28とをベベルギヤ等のギヤ機構31で接続し、連動軸30の他端と縦軸とをベベルギヤ等のギヤ機構32で接続したものとなっており、この連動体29でもって駆動体28の回転動力を縦軸27に伝達する。
【0017】
駆動手段26の作動によって縦軸27を回動すると、攪拌部材25が縦軸27の軸心回りに旋回し、内釜11内の無洗米及び水加減水を攪拌するようになっている。
連動体29の他の例として、図3(b)には、連動軸30の一端を駆動体28に直結したものを示し、図3(c)には、連動軸30の各端部をユニバーサルジョイント33を介して駆動体28及び縦軸27に接続したものを示しており、この連動体29の態様はこれら各例に特に限定されることなく、駆動体28の配置等に応じて適宜設計変更できるものである。
【0018】
上記攪拌部5は、米及び水加減水の投入から炊飯が完了するまでの間で所定の時期に必要な時間だけ作動するように制御されている。具体的に、その作動時期は、水加減水の供給中、浸し中、炊飯中等のいずれか又は複数時期に設定されている。
また、本発明では、オペレータの好みや米の種類等に応じて上記作動(攪拌)時期を設定変更できるように制御装置を構成しており、この設定変更の方法としては、例えば、操作パネル21のスイッチ操作で行ったり、メンテナンス員のみが設定できるように操作パネル21の隠し操作(例えば、複数スイッチの同時ON等)により行うことができる。
【0019】
水加減水の供給中に攪拌部5を作動する場合、吸水ブロックの発生自体を防止できる点で有利であり、浸し工程中に攪拌部5を作動する場合には、特に浸し工程の終了間際(炊飯工程に入る直前)とするのが好ましく、この場合、内釜11の底部に沈殿した糠等を拡散した直後に炊飯が行われるので、この糠等による熱の遮蔽を確実に防止できるものとなる。
炊飯中に攪拌部5を作動する場合、炊飯器3が着火(加熱を開始)したあと沸点に達するまでの間に作動時期を設定するのが好ましい。より詳しくは、着火後、炊飯温度が約60度に達するまでの間に作動時期を設定するのが好ましい。
【0020】
これは、ある程度温度上昇した方が吸水ブロックを崩し易く、また崩れたブロック内の乾いた米が迅速に吸水し易くなるからであり、温度の上限を約60度とするのは、一般にこの温度が米がα化(糊化)する温度であることから、これに達する前に攪拌を行うことで攪拌部材25を円滑に動かすことができ、糠等の拡散や吸水ブロックの破壊も好適に行うことができるようになるからである。
また、攪拌部5の作動時間や作動速度(攪拌部材25の回転速度)についても変更可能に構成してもよく、このようにすれば、使用する無洗米の種類(糠等の残存程度)や好みの炊きあがり等に応じて適切な攪拌が行えるようになる。この作動時間や作動速度の変更についても操作パネル21に設定スイッチを設けて行うことができる。攪拌部5の作動速度は、駆動体28としてのモータを変速したり、連動体29に変速機構等を介在させることにより変更可能であるが、その他の周知技術を用いて構成してもよい。
【0021】
攪拌部5は、予め設定された時期に自動的に作動するだけなく、手動スイッチを付加的に設けることで必要に応じてオペレータの判断で作動させるようにしてもよい。
図4及び図5に示すように、本実施形態の炊飯装置1では、内釜11に排水機能を持たせたものとなっており、給水部4から供給した水を排出することによって無洗米を軽く洗い流し、最終的に水加減水を供給したときに糠等が内釜11底部に沈殿するのを予防できるようにしている。
【0022】
図4において、内釜11の底部には排水口70が形成されており、この排水口70には弁箱71が接続され、該弁箱71内の弁体72により排水口70を開閉できるようにしている。弁体72は弁箱71内に摺動自在に支持され、排水口70を開く方向に付勢されており、モータ等により回転されるカム73によって排水口70を閉じる構成とされている。
弁箱71に接続された排水ホース74は、装置ボックス7の内部を通って機外に配設されている。
【0023】
また、内釜11内には、排水口70からの米の流出を防止するために把手78を有する網篭79が配設され、この把手78は炊飯中には内釜11内に倒すことによって蓋体12で内釜11を閉鎖可能とし、炊飯後、把手78を介して網篭79ごとご飯を取り出すことも可能となっている。
また、図5に2点差線で示すように、装置ボックス7内に吸引ポンプ75を設け、この吸引ポンプ75の入側に吸引ホース76を、出側に排水ホース77を接続し、吸引ホース76を支持アーム15内を通して内釜11内に配設し、排水ホース77を装置ボックス7内から外部へ配設し、ポンプ75の作動により内釜11内の水を排水できるように構成してもよい。
【0024】
このような水の排出は、一回だけ行っても良いし数回行ってもよく、この回数を米の種類等に応じてユーザー側で設定変更可能に構成してもよい。なお、本発明は、この内釜11の排水機能の有無によって何ら限定されるものではない。
以下、攪拌部5にかかる他の実施形態について説明する。
図7に示す攪拌部5は、縦軸27に対して取付アーム35を設け、この取付アーム35の適宜箇所に攪拌部材25を取り付けたものであり、この攪拌部材25は、上部25Cがコイルバネ、板バネ等の弾性体により構成され、下部25Dが棒体により構成されている。
【0025】
取付アーム35は、縦軸27から放射状に4本(2本のアームを十字状に交差してもよい)設けられ、各取付アーム35に1つずつ攪拌部材25を取り付けたものとしている。また、攪拌部材25は、それぞれ縦軸27からの距離が異なる配置となっている。
本実施形態では、攪拌部材25の上部25Cを弾性体により構成したので、米に対する衝突が和らげられ、米に対して過度な負荷がかからないようにしており、これによって米割れが防止されるようになっている。
【0026】
また、蓋体12を開閉するときに攪拌部材25が内釜11に当たったとしても弾性体25Cの弾性変形により逃れることができるため、攪拌部材25の攪拌範囲を可及的に広く設定することが可能となっている。
図8に示す他の実施形態にかかる攪拌部5は、縦軸27をパイプ材によって形成するとともに配水管18を回動継手を介して接続し、攪拌部材25も同様にパイプ材により形成して縦軸27に連通させ、攪拌部材25の適所に水加減水の吐出孔36を形成したものとなっている。また、吐出孔36は、攪拌部材25の旋回方向の後側面に形成されている。
【0027】
本実施形態の場合、水加減水を吐出孔36から投入したあとに攪拌部材25を旋回させるようにしてもよいが、水加減水の投入中に攪拌部材25を回転させると、水を吹き出す勢いが攪拌部材25の旋回を補助するようになり、より円滑な攪拌が可能となる。
図9及び図10に示す他の実施形態にかかる攪拌部5は、攪拌部材25が内釜11内に配置され、駆動手段26が蓋体12側に設けられており、この蓋体12の開閉によって両者の動力伝達を断接可能としている。つまり、蓋体12を閉じたときに攪拌部材25と駆動手段26とを接続し、蓋体12を開いたときに切り離す構成としている。
【0028】
具体的に、攪拌部材25は、炊飯ネット38を支持するネットスタンド39に対して装着、支持されるようになっており、この炊飯ネット38はポリエステル、ナイロン、布帛等よりなり、炊飯後、ご飯をネット38に包んだ状態でまとめて取り出すことができるように予め内釜11内面に沿うように装着されるものであり、ネットスタンド39は、炊飯ネット38を所定の装着状態に支持するものとなっている。
このネットスタンド39は、屈曲又は湾曲加工された金属製の棒材を組み合わせて接合することにより構成されており、上部に外周リング40と内周リング41とを備え、この内外リング40,41の間に略四角形の支持リング42を多数備え、この支持リング42の外側部に多数の脚部43を下方へ延設したものとなっており、この脚部43の下端部を内釜11底面(炊飯ネット38上)に載せるとともに、炊飯ネット38の裾を支持リング42に通すことによって炊飯ネット38を内釜11に装着できるようにしている。
【0029】
上記ネットスタンド39には、攪拌部材25を支持する支持体44が一体的に設けられており、この支持体44は、内周リング41の更に内側に配設された輪状受け具45と、この輪状受け具45と内周リング41とを接続する下側受け具46とからなり、この下側受け具46は、上方に開放したコの字形に屈曲形成され、その両端部が内周リング41と輪状受け具45とにそれぞれ接続されている。
一方、攪拌部材25は、上記下側受け具46のコの字内に挿入される装着リング(装着具)47を備え、この装着リング47の周方向複数箇所に係合具48と攪拌具49とを設けたものとなっている。
【0030】
係合具48は、装着リング47から立設する縦向き部分48aと、該部分の上端から内側に屈曲する横向き部分48bとでL字形に形成された棒材よりなり、攪拌具49は、係合具48の横向き部分の中途から下方に延設された棒材よりなる。
かかる構成の攪拌部材25は、装着リング47を下側受け具46に嵌めるようにして装着することで、この下側受け具46上で周方向に旋回可能となっている。
【0031】
駆動手段26は、縦軸27の下端部に水平方向のアーム50を設け、このアーム50の先端部に前記係合具48に係合する被係合具51を設けたものとしている。縦軸27は、上記実施形態と同様にモータ等の駆動体28や連動体29により軸心回りに回転する。
駆動手段26の作動によって縦軸27を回転させ、被係合具51を縦軸心回りに旋回させると、この被係合具51が攪拌部材25の係合具48に係合し、攪拌部材25を同行回転させる。この攪拌部材25の回転により攪拌具49でもって内釜11内の無洗米及び水加減水を攪拌するようになっている。
【0032】
また、支持アーム15を介して蓋体12を開くと、係合具48と被係合具51との係合が解かれ、攪拌部材25と駆動手段26との動力伝達が絶たれるようになっている。
このような構成を採用することにより、炊飯後蓋体12を開くときに、ご飯のなかに入り込んだ攪拌部材25は一緒に持ち上げられないため、蓋体12を開く動作の抵抗を少なくすることができ、ご飯を持ち上げてしまうこともなくなる。また、攪拌部材25をネットスタンド39を利用して装着しているので、この攪拌部材25を支持する部材を別途設ける必要もなく、コストを抑制することができる。
【0033】
ただし、攪拌部材25は、ネットスタンド39を利用せずに別途専用のスタンドによりセットすることもでき、この場合、ネットスタンド39や炊飯ネット38は省略することも可能である。
図11〜図13に示す実施形態では、ネットスタンド39の内周リング41に対して攪拌具49の上端を揺動自在に枢支し、その上側に2股形状の係合具48A,48Bを取り付けている。
駆動手段26は、縦軸27に設けた水平なアーム50に、上記係合具48に係合する被係合具51A,51Bを取り付けたものとなっており、この被係合具51A,51Bは、アーム50の各先端部に対し、径方向及び周方向にずれた位置に2つずつ設けられていて、それぞれ略三角形の板状で傾斜したカム面52を有しており、その一方の被係合具51Aのカム面52が2股の一方の係合具48Aに係合し、他方の被係合具51Bのカム面52が他方の係合具48Bに係合するようになっている。
【0034】
そして、縦軸27を回転すると、一方の被係合具51Aが一方の係合具48Aに当接し、攪拌具49を内周リング41を支点として上方に揺動させ、その直後に他方の被係合具51Bが他方の係合具48Bに当接し、攪拌具49が下方に揺動させるようになっており、これの繰り返しにより米及び水加減水をかき混ぜるものとなっている。
したがって、本実施形態の攪拌部5は、攪拌部材25を旋回させるのではなく、一定の位置で揺動運動させる点で上記実施形態とは異なるものとなっている。
【0035】
図14及び図15は、炊飯装置1の他の実施形態であり、これは、複数の炊飯装置1を横並べに配設し、その上側に作業台(調理台)81を設けたものとなっている。また、作業台81には収納スペース82を形成している。
ベース部材6の載置台8は前後に引き出し自在とされ、この載置台8には引き出し操作のための把手83が設けられている。
支持アーム15は装置ボックス7又は作業台81側に対して上下昇降自在に支持され、この昇降により蓋体12を開閉するようになっている。
【0036】
図15において、攪拌部材25は折り畳み自在に構成されており、支持アーム15の上昇で蓋体12を開いたときに攪拌部材25を折り畳むようにすることで、蓋体12の上昇量が小さくても攪拌部材25に干渉することなく炊飯器3を前方に引き出せるようにしている。
具体的には、縦軸27の下端部には取付具85が設けられ、この取付具85に攪拌部材25の上端が枢支されている。また、攪拌部材25は上端部に屈曲部86が形成され、全体として略L字状を呈したものとしている。また、攪拌部材25は、その先端(下端)が外方へ揺動する方向にバネ等によって付勢されている。
【0037】
縦軸27は筒軸とされていてその内部にガイド棒87が上下摺動自在に挿通され、このガイド棒87の下端部には屈曲部86の先端に当接する操作具88が設けられている。
ガイド棒87の上端部は、装置フレーム2側又は作業台81側に固定の基台89に固定され、この基台89と縦軸27との間には圧縮バネ90が介装されている。
蓋体12の上面には連結具を介して支持アーム15が連結され、この支持アームの一端部には、これを上下昇降操作するための操作レバー91が設けられている。また、蓋体12の上面にはガイドレール92が立設され、このガイドレール92の上部は基台89に摺動自在に挿通されている。
【0038】
操作レバー91を介して支持アーム15を持ち上げ、蓋体12を上昇させると、この蓋体12に相対して基台89に固定されたガイド棒87及び操作具88が下方に移動する。すると、この操作具88に当接している屈曲部86が操作具88に追従して下方に揺動し、逆に攪拌部材25が跳ね上げられ、折り畳み状態となる。
この状態で、攪拌部材25は蓋体12内に収まるか僅かに突出する程度となり、少なくとも内釜11から完全に離脱するようになっている。このため攪拌部材25に干渉することなく炊飯器3(外釜10及び内釜11)を引き出すことが可能となる。
【0039】
図16は、攪拌部材25を折り畳み自在に構成した場合の他の実施形態を示しており、この実施形態では、支持アーム15を第1実施形態と同様に上下揺動自在に支持したものとなっている。
支持アーム15内には、軸94を介してカム部材93が回動自在に設けられ、この軸94には従動ピニオン95が設けられている。支持アーム15内には、ラック96が長手方向移動自在として設けられ、このラック96の一端側に従動ピニオン95が咬合している。
【0040】
ラック96の他端部には駆動ピニオン97が咬合しており、この駆動ピニオン97の軸98を回動することによりラック96を介して従動ピニオン95及びカム部材93を回動し、このカム部材93に当接しているガイド棒87を押し下げ、攪拌部材25を折り畳む(上方に揺動する)ようになっている。
上記駆動ピニオン97を回動させる構成としては、例えば、装置ボックス7側に軸14と同軸状として固定した図示しない固定ギヤに駆動ピニオン97を咬合し、支持アーム15の揺動により駆動ピニオン97を固定ギヤ上で回転させるようにすることができる。また、手動又はモータ等により自動で駆動ピニオン97を回転させるようにすることもできる。
【0041】
本実施形態の場合、蓋体12を開くときに攪拌部材25が内釜11に干渉するようなことを防止でき、また、支持アーム15を立ち上げたときに攪拌部材25が大きく突出しないので、内釜11に対する無洗米の投入作業等の邪魔にならないという利点がある。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更可能である。
例えば、攪拌部材25は、板状若しくは羽根状に形成することができ、装置ボックス7と炊飯器3とを前後に並べて配設することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、内釜内で無洗米及び水加減水をかき混ぜることにより、良好に無洗米を炊飯することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる攪拌部の正面図である。
【図2】 駆動手段の概略図である。
【図3】 炊飯装置の工程図である。
【図4】 内釜底部の部分断面図である。
【図5】 炊飯装置の全体正面図である。
【図6】 炊飯装置の全体平面図である。
【図7】 (a)は他の実施形態にかかる攪拌部材の正面図、(b)は同平面図である。
【図8】 (a)は他の実施形態にかかる攪拌部材の正面図、(b)は同平面図である。
【図9】 他の実施形態にかかる攪拌部の正面図である。
【図10】 攪拌部材の斜視図である。
【図11】 他の実施形態にかかる攪拌部の正面図である。
【図12】 攪拌部材の平面図である。
【図13】 (a)は被係合具の側面図、(b)は底面図である。
【図14】 他の実施形態にかかる炊飯装置の正面図である。
【図15】 攪拌部材を示す正面図であり、(a)は攪拌部材を拡げた状態、(b)は攪拌部材を折り畳んだ状態である。
【図16】 他の実施形態にかかる攪拌部材を示す正面図であり、(a)は攪拌部材を拡げた状態、(b)は攪拌部材を折り畳んだ状態である。
【符号の説明】
1 無洗米用炊飯装置
3 炊飯器
4 給水部
5 攪拌部
6 ベース部材
7 装置ボックス
8 載置台
11 内釜
12 蓋体
15 支持アーム
18 配水管
25 攪拌部材
26 駆動手段
29 連動体
Claims (3)
- 炊飯器(3)を搭載する載置台(8)を有したベース部材(6)に装置ボックス(7)を設け、この装置ボックス(7)の上部に支持アーム(15)の一端部を支軸(14)回りに揺動自在に支持し、炊飯器(3)の内釜(11)を閉鎖する蓋体(12)を前記支持アーム(15)の自由端部に取り付けて該支持アーム(15)の揺動により蓋体(12)を開閉自在に構成し、前記支持アーム(15)の自由端部に内釜(11)内で無洗米及び水加減水をかき混ぜる攪拌部材(25)を設け、前記支持アーム(15)の内部に、内釜(11)に対して水加減水を投入する給水部(4)の配水管(18)と攪拌部材(25)に動力を伝達する連動体(29)とを配設しており、前記配水管(18)は、装置ボックス(7)から支持アーム(15)にわたるように設けられていると共に、その中途部に前記支軸(14)と同軸心回りに回動自在な回動継手(19)を備えていることを特徴とする無洗米用炊飯装置。
- 内釜(11)に対する水加減水の供給から炊飯完了までを自動的に行うように構成しており、その過程のなかで攪拌部(5)の作動時期を水加減水の供給中に設定可能としていることを特徴とする請求項1記載の無洗米用炊飯装置。
- 内釜(11)に対する水加減水の供給から炊飯完了までを自動的に行うように構成しており、攪拌部(5)の作動時期を、水加減水の供給中、浸し中、炊飯中のいずれか一つ又は複数の時期に選択的に設定可能としていることを特徴とする請求項1記載の無洗米用炊飯装置。
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