JP3887208B2 - カメラモジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的に撮像装置に係り、特に撮像素子と撮像用レンズとを備えた撮像装置であるカメラモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、撮像用レンズと撮像素子とを一体化したカメラモジュールは、信号処理系統を含むカメラシステムとして、パーソナルコンピュータや携帯型テレビ電話機などの小型情報端末に搭載する用途が求められている。これに伴い、カメラモジュールの一層の小型化への要求が強まっている。
【0003】
小型化が可能なカメラモジュールとして、受光用の貫通孔を有する樹脂成型体の一方の面に撮像素子を実装し、他方の面側に撮像用レンズを取り付けて一体化したカメラモジュールが知られている。ここで、撮像素子は、樹脂成型体の貫通孔を通過してきた光を、受光部やマイクロレンズが設けられた素子表面において検知し、検知した光を光電変換して得られた画像信号を信号処理回路に供給する。信号処理回路は、画像信号を処理してディスプレイ等の画面上に画像表示を行う。
【0004】
撮像用レンズと撮像素子の受光部との間の距離は、撮像用レンズの焦点距離に基づいて正確に決定する必要がある。すなわち、撮像用レンズは、撮像素子の受光面に対して正確に位置決めする必要がある。このため、撮像用レンズの取り付け構造は、撮像素子に対して近接あるいは離間可能に構成される。例えば、撮像用レンズは、撮像素子が実装された樹脂成型体に対してネジ接続され、撮像用レンズを回転することにより、撮像素子との間の距離が微調整できる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ネジ接続等により撮像用レンズの位置を微調整する方法は、樹脂成型体の構造が複雑化し、組み立て工程においてレンズ位置調節工程も必要なため、撮像用レンズを微調整しなくても、撮像用レンズと撮像素子との距離が精密に設定可能なカメラモジュールの開発が求められている。
【0006】
そこで、撮像用レンズをレンズホルダに取り付け、撮像素子を樹脂モールド成型体に実装し、レンズホルダと樹脂モールド成型体とを接着剤で固定する構造が提案されている。
【0007】
しかし、レンズホルダと樹脂モールド成型体との間の接着剤の厚みは、撮像用レンズと撮像素子との間の距離に影響し、接着剤の厚みにバラツキが生じると、撮像用レンズと撮像素子との間の距離を設計値に正確に設定することが難しくなり、画像品質を低下させる原因となる。また、同一のカメラモジュールにおいて接着剤の厚みに部分的なバラツキが生じると、レンズホルダと樹脂モールド成型体とが僅かに傾斜した状態で固定されることとなり、この場合も画像品質の低下を招いてしまうという問題もある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、レンズホルダと樹脂モールド成型体とを接着剤により接合しても、安定した歩留まりで製造できるカメラモジュールとその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1記載の発明は、撮像素子が取り付けられた樹脂成型体と、撮像用レンズを保持した状態で該樹脂成型体に取り付けられたレンズホルダとを有するカメラモジュールであって、前記レンズホルダの上面の少なくとも一部に、底面に達し前記樹脂成型体の上面の一部が露出する切り欠き部が設けられ、該切り欠き部に塗布された接着剤のみを介して前記レンズホルダと前記樹脂成型体とが接合され、該切り欠き部は該接着剤で覆われ、
さらに、前記レンズホルダ及び前記樹脂成型体の互いに対向する面の一方に位置決め突起が形成され、他方に該位置決め突起が嵌合する位置決め穴が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、切り欠き部の側面と切り欠き部により露出した樹脂成型体の上面とにまたがって接着剤を塗布することができ、これによりレンズホルダを樹脂成型体に接合することができる。したがって、接着剤の厚みが撮像用レンズと撮像素子との間の距離に影響を及ぼすことは無い。また、樹脂成型体に対するレンズホルダの位置決めを容易に行うことができ、接着剤による接合工程においてレンズホルダがずれることは無い。また、レンズホルダが誤った方向で組み付けられることを防止することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、撮像素子が取り付けられた樹脂成型体と、撮像用レンズを保持した状態で該樹脂成型体に取り付けられたレンズホルダとを有するカメラモジュールの製造方法であって、前記レンズホルダ及び前記樹脂成型体の互いに対向する面の一方に形成された位置決め突起を、他方に形成された位置決め穴に嵌合させて前記レンズホルダを前記樹脂成型体の上に載置し、前記レンズホルダを前記樹脂成型体に対して押圧した状態で、前記レンズホルダの切り欠き部に接着剤を塗布し、前記レンズホルダを前記樹脂成型体に対して押圧した状態で、前記接着剤を硬化させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、接着剤による接合工程においてレンズホルダの底面が樹脂成型体の上面に当接した状態が維持されるため、撮像用レンズと撮像素子との間の距離を精度よく設定することができる。また、樹脂成型体に対するレンズホルダの位置決めを容易に行うことができ、接着剤による接合工程においてレンズホルダがずれることは無い。また、レンズホルダが誤った方向で組み付けられることを防止することができる。
【0030】
本発明の第1実施例によるカメラモジュールは、撮像用レンズ2が取り付けられたレンズホルダ4と、レンズホルダ4が固定される樹脂製のモールド成型体(樹脂成型体)6と、モールド成型体6が取り付けられる基板8とを有する。基板8のモールド成型体6が実装される部分には開口8aが形成されており、撮像素子10が開口8a内に配置された状態でモールド成型体6に取り付けられる。
【0031】
モールド成型体6の底面6aには樹脂突起部6bが形成され、樹脂突起部6bの表面面には金属膜12が形成される。樹脂突起部6bと金属膜12とは突起電極として機能し、これを介してモールド成型体6を基板8に実装する。また、モールド成型体6の底面6aには、金属膜12に接続された電極パッドが表面に露出した状態で形成されている。撮像素子10は、金属バンプ10aを電極パッドに接合することにより、モールド成型体6に対してフリップチップ実装される。
【0032】
基板8は、ベースとしてのポリイミドフィルム8Aとその上に形成された配線パターン8Bとよりなる。基板8Bの厚さは、撮像素子10の厚さより十分小さく、図1に示すカメラモジュール全体の厚さ、すなわちレンズホルダ4とモールド成型体6と撮像素子10との全体の厚みに影響を及ぼさない。したがって、本実施例によるカメラモジュールの厚さには、基板8の厚さが含まれないこととなり、薄型化が達成されている。
【0033】
以上のような構成のカメラモジュールにおいて、レンズホルダ4は接着剤14を介してモールド成型体6に固定される。本実施例では、レンズホルダ4は長方形の平面形状を有しており、長方形の4辺に対して切り欠き部4aが設けられる。切り欠き部4aは、接着剤14の塗布を容易にするために設けられる。
【0034】
図2はレンズホルダ4を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。なお、レンズホルダ4の内部には撮像用レンズ2が組み込まれ、撮像用レンズの下側にはIRフィルタ16が予め取り付けられる。
【0035】
レンズホルダ4とモールド成型体6との間に接着剤14を供給するには、予めモールド成型体6の面に液体状の接着剤4を塗布してからレンズホルダ4を取り付ける方法と、レンズホルダ4をモールド成型体6に取り付けてから、液体状の接着剤14をレンズホルダ4とモールド成型体6との隙間に側面から供給して充填する方法とがある。
【0036】
予め接着剤14を塗布しておく方法では、接着剤がモールド成型体の外側や内側にはみ出したりして、撮像素子10の受光面に影響を及ぼすおそれがある。このため、接着剤を後から流し込む方法のほうが好ましい。しかし、接着剤14を側面の隙間から流し込む場合、接着剤が接合面の全面に行き渡らないことがあり、接着力不足を招くおそれがある。
【0037】
そこで、本実施例では、レンズホルダ4に切り欠き部4aを設けて、レンズホルダ4がモールド成型体6に組み込まれた際に、モールド成型体6の上面の一部が切り欠き部4a内で露出する構成としている。接着剤14を供給するには、適量の液状の接着剤14を切り欠き部4a内に露出したモールド成型体6の上面に供給すればよい。液状の接着剤14は、毛細管現象によりレンズホルダ4とモールド成型体6との間の間隙に流れ込み、間隙全体に充填される。
【0038】
毛細管現象を利用しているので、供給した接着剤の量が多すぎても、接着剤が間隙を通ってモールド成型体6の外部あるいは内部にはみ出ることはない。余分な接着剤は切り欠き部4a内に残ることとなり、切り欠き部4a内にて硬化する。
【0039】
図3はレンズホルダ4の変形例を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。図3に示す変形例では、切り欠き部4aは円弧状に形成される。また、図4はレンズホルダ4の他の変形例を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。図4に示す変形例では、切り欠き部4aは長方形のレンズホルダ4のコーナー4箇所に形成される。
【0040】
次に、本発明の第2実施例によるカメラモジュールについて図5を参照しながら説明する。図5は本発明の第2実施例によるカメラモジュールの断面図である。図5において、図1に示す構成部品と同等な部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0041】
本発明の第2実施例によるカメラモジュールは、上述の第1実施例によるカメラモジュールと基本的に同様な構成であるが、レンズホルダ4Aの底面に突起部4Aaを有する点が異なる。突起部4Aaは、レンズホルダ4Aaとモールド成型体6との間に接着剤14を充填する間隙を形成するために設けられる。
【0042】
図6はレンズホルダ4Aを示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)は底面図である。図4(b)に示すように、突起部4Aaはレンズホルダ4Aaの底面の3箇所に形成された小さな円柱状の突起である。突起部4Aaの突出高さにより、接着剤14が充填される間隙が設定されるので、突起部4Aaの突出高さは、例えば30μm〜50μmであるが、用いる接着剤14の特性に基づいて決定されるが、例えば30μm〜50μmであることが好ましい。ここで、突起部4Aaの数は3個以上であればよいが、レンズホルダ4Aをモールド成型体6上にがたつきが無く安定して載置するには、図6(b)に示すように互いに距離をなるべく離して3箇所に形成することが好ましい。
【0043】
なお、本実施例において、レンズホルダ4Aは上述の第1実施例によるレンズホルダ4と同様に切り欠き部4aを有しているが、切り欠き部4aと突起部4Aaとを同時に設ける必要はなく、切り欠き部4aが設けられていなくても、突起部4Aaの効果は変わらない。
【0044】
図7はレンズホルダ4Aの変形例を示す底面図である。図7(a)に示す変形例において、突起部4Ab(図中、斜線を施した部分)はレンズホルダ4Aの底面の四隅に形成される。図7(b)に示す変形例では、突起部4Ac(図中、斜線を施した部分)は、レンズホルダ4Aの中央の開口を包囲するように形成される。また、図7(c)に示す変形例では、レンズホルダ4Aの底面のコーナー4箇所を除いた部分が突起部4Ad(図中、斜線を施した部分)となっている。
【0045】
本実施例のように、突起部により接着剤14が充填される間隙を設定することにより、接着剤14の厚みが常に均一となるため、安定した接着力を得ることができる。また、接着剤14の厚みにばらつきが無くなるため、撮像用レンズ2と撮像素子との間の距離を精確に設定することができ、画像の劣化を防止することができる。また、接着剤の厚さを考慮する必要が無くなるため、カメラモジュールの設計が容易となる。
【0046】
次に、本発明の第3実施例によるカメラモジュールについて図8を参照しながら説明する。図8は本発明の第3実施例によるカメラモジュールの断面図である。図8において、図1及び図5に示す構成部品と同等な部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0047】
本発明の第3実施例によるカメラモジュールは、上述の第1及び第2実施例によるカメラモジュールと基本的に同様な構成であるが、レンズホルダ4Bの底面に位置決め突起4Baを有し且つモールド成型体6Aの上面に位置決め穴6Aaを有する点が異なる。位置決め突起4Baを位置決め穴6Aaに嵌合することにより、モールド成型体6に対するレンズホルダ4Bの水平方向の位置決めが行われる。
【0048】
図9はレンズホルダ4Bの断面図であり、図10はレンズホルダの底面図である。位置決め突起4Baは円柱状のピンであり、レンズホルダの底面の2箇所に形成される。
【0049】
位置決め突起4Baのレンズホルダ4Bの底面からの突出高さは、突起部4Aaの突出高さより高く、例えば、100μm程度とする。図11はモールド成型体の平面図である。図11に示すように、モールド成型体の上面にはレンズホルダ4Bの位置決め突起4Baに対応する位置に位置決め穴6Aaが設けられる。すなわち、レンズホルダ4Bがモールド成型体6Aに取り付けられた状態で、位置決め突起4Baは位置決め穴6Aaに嵌合する。これにより、レンズホルダ4Bはモールド成型体6Aに対して精度よく位置決めされ、レンズホルダ4Bに取り付けられている撮像用レンズ2を、モールド成型体6Aに実装される撮像素子10に対して精度よく位置決めすることができる。
【0050】
また、位置決め突起4Baはレンズホルダ4Bの片側に設けられており、レンズホルダ4Bの左右を反対にしてモールド成型体6Aに取り付けようとしても、位置決め突起4Baが位置決め穴6Aaに嵌合しないため、うまく取り付けることはできない。したがって、レンズホルダ4Bの方向を間違えて組み立てることを防止することができる。
【0051】
本実施例において、位置決め突起4Baが位置決め穴6Aaに嵌合した状態で、レンズホルダ4Bとモールド成型体6Aとの間の間隙に接着剤14が充填される。したがって、接着剤14の充填工程において、レンズホルダ4Bとモールド成型体6Aとの位置がずれるおそれがなく、確実に接着剤14を充填することができる。
【0052】
なお、位置決め突起4Baの数は2個に限ることなく、3個以上でもよく、また後述のように1個であってもよい。位置決め突起4Baを複数個設ける場合は、なるべく互いに離れた位置とすることが、位置決め精度を高くするためには好ましい。
【0053】
図12はレンズホルダ4Bの変形例を示す底面図であり、図13は図12に示すレンズホルダに対応したモールド成型体の平面図である。図12に示す変形例では、位置決め突起4Bbは一つだけ設けられ、その形状は水平断面が正方形である。したがって、図13に示すモールド成型体6Aには水平断面が正方形の位置決め穴6Abが設けられる。このように、水平断面が正方形の位置決め突起4Bbであれば、回転方向の位置決めも1個の位置決め突起により行うことができる。なお、水平断面の形状は正方形に限ることなく、三角形や五角形等の他の多角形を採用することとしてもよい。
【0054】
また、上述の実施例では、位置決め突起をレンズホルダに形成し、位置決め穴をモールド成型体に設けているが、これとは反対に、位置決め突起をモールド成型体に形成し、位置決め穴をレンズホルダに設けることとしてもよい。
【0055】
また、本実施例における位置決め突起と位置決め穴とによる位置決め機構は、上述の第1及び第2実施例に適用してもよく、また後述の各実施例に対しても用いるこおとができる。
【0056】
次に、本発明の第4実施例によるカメラモジュールについて図14を参照しながら説明する。図14は本発明の第4実施例によるカメラモジュールのモールド成型体の平面図である。本発明の第4実施例によるカメラモジュールの構成は、モールド成型体以外の部分は図1に示すカメラモジュールと同じであり、その説明は省略する。
【0057】
図14に示すモールド成型体6Bは、上面に溝部6Ba(図中、斜線が施された部分)を有することを特徴とする。溝部6Baは接着剤14が充填される凹部として機能し、例えば溝部6Baの深さは30μm〜50μmである。溝部6Baの一部は、モールド成型体6Bの側面にまで延在しており、レンズホルダ4が取り付けられた際にモールド成型体6Bとレンズホルダとの間に開口部6Bbが形成される。この開放部6Bbから接着剤14を溝部6Baに供給することができる。
【0058】
本実施例において、レンズホルダ4の底面はモールド成型体6Bの上面に接触した状態で取り付けられ、接着剤14は溝部6Ba及び開口部6Bbにのみ充填される。したがって、接着剤14の厚みが撮像用レンズ2と撮像素子10との間の距離に影響を及ぼすことは無い。また、溝部6Baの面積は一定であるため、接着面積を常に一定にすることができ。均一な接着面積及び均一な接着力を得ることができる。
【0059】
次に、本発明の第5実施例によるカメラモジュールについて図15を参照しながら説明する。図15は本発明の第5実施例によるカメラモジュールの断面図である。図15において、図1に示す構成部品と同等な部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
本発明の第5実施例によるカメラモジュールは、基本的に上述の第1実施例によるカメラモジュールと同じ構成を有しているが、レンズホルダ4Cの底面の形状が異なる。
【0061】
レンズホルダ4Cの底面は、外周部が高く中央部に向かって低くなるような傾斜面となっている。したがって、レンズホルダ4Cをモールド成型体6に取り付けた状態で、レンズホルダ4cの底面の外周部だけが、モールド成型体6の上面に接触し、その内側には空間(間隙)が形成される。本実施例では、このように形成された空間に接着剤14を充填し、レンズホルダ4Cをモールド成型体6に固定する。したがって、接着剤14は、レンズホルダ4Cをモールド成型体6に取り付ける前に供給される。
【0062】
図16はレンズホルダ4Cをモールド成型体に取り付ける工程を説明するための図である。まず、図16(a)に示すように、撮像素子10が実装され且つ基板8に実装されたモールド成型体6の上面に、適量の接着剤14を塗布する。接着剤の塗布はディスペンサ20等を用いて行う。あるいは、接着剤を印刷塗布することとしてもよい。次に、図16(b)に示すように、モールド成型体6の上にレンズホルダ4Cを搭載する。塗布された接着剤14はレンズホルダ4Cの底面とモールド成型体6の上面との間に形成された空間に閉じ込められて充填される。
【0063】
この際、接着剤14が硬化するまでレンズホルダ4Cに圧力を加えてモールド成型体6に対して押圧することが好ましい。レンズホルダ4Cの押圧はクランプ治具等を用いて行う。レンズホルダ4Cを押圧することにより、レンズホルダ4Cの底面の外周部がモールド成型体6の上面に接触した状態でレンズホルダ4Cをモールド成型体6に固定することができる。したがって、接着剤14の厚みが撮像用レンズ2と撮像素子10との間の距離に影響を及ぼすことは無い。また、レンズホルダ4Cの底面の外周部がモールド成型体6の上面に接触した状態であるため、接着剤14がモールド成型体6の外部にはみ出すことがない。
【0064】
次に、本発明の第6実施例によるカメラモジュールについて説明する。図17は本発明の第6実施例によるカメラモジュールの平面図であり、図18は本発明の第6実施例によるカメラモジュールの製造工程を説明するための図である。図17及び18において、図1に示す構成部品と同等な部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0065】
本発明の第6実施例によるカメラモジュールは、基本的に上述の第1実施例によるカメラモジュールと同じ構成を有しているが、接着剤14をレンズホルダ4とモールド成型体6との間に充填するのではなく、レンズホルダの外周部とモールド成型体6の上面とに接触した状態で硬化させる点が異なる。
【0066】
具体的には、図18(a)に示すように、接着剤14はレンズホルダ4の切り欠き部4aに供給され、切り欠き部4aの内側面とモールド成型体6の上面とに接触付着した状態で保持される。したがって、本実施例で用いられる接着剤は、上述の第1実施例で用いられる接着剤のように毛細管現象でレンズホルダ4とモールド成型体6との間に入り込むような低い粘度ではなく、比較的高い粘度を有している。
【0067】
接着剤14によりレンズホルダ4をモールド成型体6に接合する工程は、接着剤14を切り欠き部4aに供給する工程及び接着剤14を硬化させる工程を含む。この接合工程の間は、図18(b)に示すように、レンズホルダ4をモールド成型体6に対して押圧しておくことが好ましい。図19はレンズホルダ4をモールド成型体6に対して押圧する押圧機構の一例を示す図である。押圧機構は、モールド成型体6が実装された基板8を載置するためのステージ22と、レンズホルダ4に押圧力を加えるための押圧ツール24とよりなる。ステージ22には、撮像素子10を収容するための凹部が設けてある。
【0068】
本実施例によれば、接着剤14がレンズホルダ4とモールド成型体6との間に介在しないため、接着剤14の厚みが撮像用レンズ2と撮像素子10との間の距離に影響を及ぼすことは無い。
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
【0069】
請求項1記載の発明によれば、切り欠き部の側面と切り欠き部により露出した樹脂成型体の上面とにまたがって接着剤を塗布することができ、これによりレンズホルダを樹脂成型体に固定することができる。したがって、接着剤の厚みが撮像用レンズと撮像素子との間の距離に影響を及ぼすことは無い。また、樹脂成型体に対するレンズホルダの位置決めを容易に行うことができ、接着剤による接合工程においてレンズホルダがずれることは無い。また、レンズホルダが誤った方向で組み付けられることを防止することができる。
【0070】
請求項2記載の発明によれば、接着剤による接合工程においてレンズホルダの底面が樹脂成型体の上面に当接した状態が維持されるため、撮像用レンズと撮像素子との間の距離を精度よく設定することができる。また、樹脂成型体に対するレンズホルダの位置決めを容易に行うことができ、接着剤による接合工程においてレンズホルダがずれることは無い。また、レンズホルダが誤った方向で組み付けられることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるカメラモジュールを示す図であり、(a)はその平面図、(b)は断面図である。
【図2】図1に示すレンズホルダを示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。
【図3】レンズホルダの変形例を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。
【図4】レンズホルダの他の変形例を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は底面図である。
【図5】本発明の第2実施例によるカメラモジュールの断面図である。
【図6】図5に示すレンズホルダ示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)は底面図である。
【図7】図5に示すレンズホルダの変形例を示す底面図である。
【図8】本発明の第3実施例によるカメラモジュールの断面図である。
【図9】図8に示すレンズホルダの断面図である。
【図10】図8に示すレンズホルダの底面図である。
【図11】図8に示すモールド成型体の平面図である。
【図12】レンズホルダ変形例を示す底面図である。
【図13】図12に示すレンズホルダに対応したモールド成型体の平面図である。
【図14】本発明の第4実施例によるカメラモジュールのモールド成型体を示す平面図である。
【図15】本発明の第5実施例によるカメラモジュールの断面図である。
【図16】図15に示すレンズホルダをモールド成型体に取り付ける工程を説明するための図である。
【図17】本発明の第6実施例によるカメラモジュールの平面図である。
【図18】本発明の第6実施例によるカメラモジュールの製造工程を説明するための図である。
【図19】レンズホルダをモールド成型体に対して押圧する押圧機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 撮像用レンズ
4,4A,4B,4C レンズホルダ
4a 切り欠き部
4Aa,4Ab,4Ac,4Ad 突起部
4Ba,4Bb 位置決め突起
6,6A、6B モールド成型体
6Aa,6Ab 位置決め穴
6a 底面
8 基板
8A ポリイミドフィルム
8B 配線パターン
10 撮像素子
10a 金属バンプ
12 金属膜
14 接着剤
16 IRフィルタ
Claims (2)
- 撮像素子が取り付けられた樹脂成型体と、
撮像用レンズを保持した状態で該樹脂成型体に取り付けられたレンズホルダと
を有するカメラモジュールであって、
前記レンズホルダの上面の少なくとも一部に、底面に達し前記樹脂成型体の上面の一部が露出する切り欠き部が設けられ、該切り欠き部に塗布された接着剤のみを介して前記レンズホルダと前記樹脂成型体とが接合され、該切り欠き部は該接着剤で覆われ、
さらに、前記レンズホルダ及び前記樹脂成型体の互いに対向する面の一方に位置決め突起が形成され、他方に該位置決め突起が嵌合する位置決め穴が形成されていることを特徴とするカメラモジュール。 - 撮像素子が取り付けられた樹脂成型体と、撮像用レンズを保持した状態で該樹脂成型体に取り付けられたレンズホルダとを有するカメラモジュールの製造方法であって、
前記レンズホルダ及び前記樹脂成型体の互いに対向する面の一方に形成された位置決め突起を、他方に形成された位置決め穴に嵌合させて前記レンズホルダを前記樹脂成型体の上に載置し、
前記レンズホルダを前記樹脂成型体に対して押圧した状態で、前記レンズホルダの切り欠き部に接着剤を塗布し、
前記レンズホルダを前記樹脂成型体に対して押圧した状態で、前記接着剤を硬化させる
ことを特徴とするカメラモジュールの製造方法。
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