JP3887138B2 - 振動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固有振動数が低くまた振動振幅の大きい、例えば超高層ビル、橋梁、鉄塔、展望台、管制塔など構造物、或いは観覧車のゴンドラ、スキーリフト、作業用リフト、ロープウェイ、船などの移動体、又は環境振動や地震など非常時の振動からの絶縁を目的とする、例えば建物、機器、床などに設置される免震装置、更には顕微鏡や半導体装置、レーザ装置などを搭載する除振装置に有効な振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の振動制御装置(B)としては、図17に示すように振動体(30)[これは振動制御装置(B)のフレーム及び該フレームが固定されているものである。]に配設した、車輪(34)によって直線にて往復移動する質量体(31)に、互いに引っ張り合う一対の長尺ばね(32a)(32b)を取り付け且つ質量体(31)と振動体(30)との間にダンパ(35)を設置して外部からの振動により振動体(30)が揺れた場合、前記ばね(32a)(32b)で揺れを抑制すると共にダンパ(35)で振動エネルギを吸収し、短時間で揺れを静定させるようにしていた。(33a)(33b)はストッパで、大きく動き過ぎた質量体(31)が衝突するものである。
【0003】
処が、前記観覧車のゴンドラやスキーリフトなど振動体(30)の揺れの波長は非常に長く大きいため、制振用のばね(32a)(32b)のばね定数は小さく且つ前記ばね(32a)(32b)は非常に長いものを使用しなければならず、勢い振動制御装置(B)全体が大きくなってしまうという構造上の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来例の問題点に鑑みてなされたもので、装置全体をコンパクトに出来るにも拘わらず、前述のような長い波長の大きな揺れを効果的且つ急速に静定させる事の出来る新規な振動制御装置の開発をその解決課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
「請求項1」は、本発明にかかる受動動吸振器としての振動制御装置(A)の基本概念を示し、(a)外部からの振動を受けて振動する振動体(1)に対して所定方向に往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共に移動し且つ質量体(2)に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体(3)と、(c)振動体(1)に取り付けられ、前記質量体(2)の移動に合わせて大径同軸回転体(3b)を回転させる回転ガイド(4)と、(d)前記同軸の小径同軸回転体(3a)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられている制振紐体(5)と、(e)振動体(1)と小径同軸回転体(3a)或いは大径同軸回転体(3b)との間の、少なくとも振動体(1)と小径同軸回転体(3a)との間にそれぞれ配設されている弾性体(7a)(7b)とで構成されている事を特徴とする。
【0006】
この作用を図1に従って説明する。振動体(1)に低周波の揺れが入力すると、その揺れに対応して同軸回転体(3)と共に質量体(2)が振動体(1)に対して受動的にて相対的に移動する。振動体(1)に取り付けられている回転ガイド(4)は、同軸回転体(3)の大径同軸回転体(3b)に巻着されているので、その移動に相当する量だけ大径同軸回転体(3b)を回転させる。この事は大径同軸回転体(3b)は、移動側の回転ガイド(4)を回転角度(θ)に応じた量だけ巻き取り、離間側の回転ガイド(4)を回転角度(θ)に応じた量だけ繰り出す事を意味する。
【0007】
一方、小径同軸回転体(3a)は大径同軸回転体(3b)と同軸で一体的に回転するから、大径同軸回転体(3b)と同じ角度(θ)だけ回転し、前記回転角度(θ)に応じた量だけ制振紐体(5)を繰り出し或いは巻き取る事になるが、その繰り出し量及び巻き取り量は大径同軸回転体(3b)に比べて小さい。即ち、小径同軸回転体(3a)にあっては移動側の弾性体(7b)は縮み、離間側の弾性体(7a)は引き伸ばされる事になる。ただし、その縮み量や引き伸ばし量は質量体(2)の移動量よりは遙かに小さい。
【0008】
なお、回転ガイド(4)及び制振紐体(5)は、張力によって伸びない或いは伸びが無視できる程度のもので、小径同軸回転体(3a)と大径同軸回転体(3b)との間で実質的にスリップ(スリップが発生しないか或いはスリップを無視出来る程度)が発生しないように取り付けられる。この点は明細書全体を通じて共通する。
【0009】
この時の弾性体(7a)又は(7b)の伸びを(X)とすると、後述するように伸び(X)は質量体(2)の実際の移動量(u)より小さく、従って、弾性体(7a)(7b)にばね定数[(1/2)k]の大きいものをそれぞれ使用しても見掛けのばね定数[(1/2)k']は小さくなり、従来例のように長くて柔らかく、ばね定数[(1/2)k']の小さい弾性体(32a)(32b)を使用した場合と同じ作用を得る事が出来る。その結果、振制装置(A)をコンパクトに形成する事が出来る。
【0010】
ここで質量体(2)の移動方向は、図1〜3に示すような直線運動でもよいし、図示していないが曲線運動でもよいし、或いは図4に示すような水平XYの2方向又は図11〜16に示すような垂直方向でもよい。また、回転ガイド(4)は前記質量体(2)の移動に合わせて大径同軸回転体(3b)を回転させる事が出来るものであれば足り、大径同軸回転体(3b)にスリップしないように巻き付けられた紐、ロープ或いはワイヤなどでもよいし、大径同軸回転体(3b)と回転ガイド(4)をラック・アンド・ピニヨン形式としてもよい。また、弾性体(7a)(7b)はあるばね定数[(1/2)k]を有し、伸縮可能であれば足り、ゴム、エラストマ、空気ばね或いは皿ばねのようなものも考えられるが、本実施例ではコイルバネをその代表例として使用している。
【0011】
また、弾性体は、制振紐体(5)だけに設けられている場合を中心に説明したが、図3のように制振紐体(5)のみならず、回転ガイド(4)にも設ける場合もある。この場合を簡単に説明する。前述同様、低周波の揺れによって質量体(2)が振動体(1)に対して受動的にて相対的に移動すると、回転ガイド(4)がその移動に相当する量だけ大径同軸回転体(3b)を回転させようとする。しかし、この場合質量体(2)が図中右方向に移動すると、図中左側の弾性体(4a)が引っ張られて伸び、逆に右側の弾性体(4b)は縮む。その結果、質量体(2)の移動量より大径同軸回転体(3b)の回転ガイド(4)の巻き取り量と繰り出し量が減少する。同様に小径同軸回転体(3a)の繰り出し量と巻き取り量も減少する事になる。
【0012】
その結果、質量体(2)の実際の移動量(u)を図1の場合と図3の場合と同じとし、図3の場合の弾性体(7a)又は(7b)の伸びを(X')とすると、伸び(X')は図1の場合の伸び(X)より更に小さく、従って、弾性体(7a)(7b)にばね定数[(1/2)k]の大きいものをそれぞれ使用しても見掛けのばね定数[(1/2)k'']は更に小さくなり、振制装置(A)を更にコンパクトに形成する事が出来る。以上の点も本明細書全体を通じていえる事である。
【0013】
「請求項2」は、図1、3に示す振動制御装置(A)の第1実施例(A1)で、回転ガイド(41)がロープ或いはワイヤなど紐状のものであり、振動体(1)が直線運動する場合で、(a)外部からの振動を受けて振動する振動体(1)に対して所定の方向に直線運動により往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共に移動し且つ質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体(3)と、(c)前記同軸の大径同軸回転体(3b)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられた紐状の回転ガイド(41)と、(d)前記同軸の小径同軸回転体(3a)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられている制振紐体(5)と、(e)振動体(1)と小径同軸回転体(3a)或いは大径同軸回転体(3b)との間の、少なくとも振動体(1)と小径同軸回転体(3a)との間に配設されている弾性体(7a)(7b)とで構成されている事を特徴とする。
【0014】
「請求項3」は、図2に示す振動制御装置(A)の第2実施例(A2)で、回転ガイド(42)がラックで構成され、質量体(2)が直線運動を行う場合で、(a)外部からの振動を受けて振動する振動体(1)に対して所定の方向に直線運動により往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共に移動し且つ質量体(2)に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体(3)と、(c)外周に歯(3b1)が刻設されている同軸回転体(3)の大径同軸回転体(3b)に噛合し、振動体(1)に取り付けられた棒状の回転ガイド(42)と、(d)前記同軸回転体(3)の小径同軸回転体(3a)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられ、振動体(1)と小径同軸回転体(3a)との間に弾性体(7a)(7b)が配設されている制振紐体(5)とで構成されている事を特徴とする。
【0015】
「請求項4」は、図10に示す水平平面のX−Y2軸における振装置(A4)に関し、(a)外部からの振動を受けて振動する振動体(1)に対して直交るX−Yの水平2方向に往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共にY方向に移動し、X方向には質量体(2)に対して自由に往復移動可能に取り付けられ且つ質量体(2)に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対のY方向同軸回転体(3Y)と、(c)質量体(2)と共にX方向に移動し、Y方向には質量体(2)に対して自由に往復移動可能に取り付けられ且つ質量体(2)に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対のX方向同軸回転体(3X)と、(d)振動体(1)に取り付けられ、前記質量体(2)のX方向への移動に合わせてX方向同軸回転体(3X)のX方向大径同軸回転体(3bX)を回転させるX方向回転ガイド(4X)と、(e)振動体(1)に取り付けられ、前記質量体(2)のY方向への移動に合わせてY方向同軸回転体(3Y)のY方向大径同軸回転体(3bY)を回転させるY方向回転ガイド(4Y)と、)前記X方向同軸回転体(3X)のX方向小径同軸回転体(3aX)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられているX方向制振紐体(5X)と(g)前記Y方向同軸回転体(3Y)のY方向小径同軸回転体(3aY)に巻着され、その両端が振動体(1)に取り付けられているY方向制振紐体(5Y)と、)振動体(1)とX方向小径同軸回転体(3aX)或いはX方向大径同軸回転体(3bX)との間の、少なくとも振動体(1)とX方向小径同軸回転体(3aX)との間に配設されたX方向弾性体(7aX)(7bX)と、(i)振動体(1)とY方向小径同軸回転体(3aY)或いはY方向大径同軸回転体(3bY)との間の、少なくとも振動体(1)とY方向小径同軸回転体(3aY)との間に配設されたY方向弾性体(7aY)(7bY)とで構成されている事を特徴とする。
【0016】
「請求項5」は、図11〜14に示す重力方向の振動制御装置(A)の実施例(A5〜8)に関し、(a)外部からの振動を受けて重力方向に振動する振動体(1)に対して重力方向に往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共に移動し且つ質量体(2)に対して回転可能に配設された半径の異なる一対の同軸回転体(3)と、(c)前記一対の同軸回転体(3)の小径同軸回転体(3a)に対称に巻着され、その端部が少なくとも巻着交差位置(P3)より上部において振動体(1)に取り付けられた制振紐体(5)と、(d)その端部が少なくとも巻着交差位置(P4)の上方或いは下方の何れか一方において振動体(1)に取り付けられ、前記質量体(2)の移動に合わせて大径同軸回転体(3b)を回転させる回転ガイド(4)と、(e)振動体(1)と小径同軸回転体(3a)或いは大径同軸回転体(3b)との間の、少なくとも振動体(1)と小径同軸回転体(3a)の間に配設されている弾性体(7a)(7b)とで構成されている事を特徴とする。
【0017】
「請求項6」は、図1516に示す重力方向の振動制御装置(A)の実施例(A9、10)に関し、(a)外部からの振動を受けて重力方向に振動する振動体(1)に対して重力方向に往復移動可能に設けられた質量体(2)と、(b)質量体(2)と共に移動し且つ質量体(2)に対して回転可能に配設された半径の異なる一対の同軸回転体(3)と、(c)前記同軸回転体(3)の小径同軸回転体(3a)に巻着され、その端部が少なくとも巻着交差位置(P3)の上部において振動体(1)に取り付けられている制振紐体(5)と、(d)振動体(1)と小径同軸回転体(3a)との間にて制振紐体(5)に配設されている弾性体(7a)と、(e)その端部が巻着交差位置(P4)の少なくとも上方或いは下方の何れか一方において振動体(1)に取り付けられ、質量体(2)の移動に合わせて大径同軸回転体(3b)を回転させる回転ガイド(4)と、(f)振動体(1)と質量体(2)との間にて回転ガイド(4)に配設されている弾性体(8b)とで構成されている事を特徴とする。
【0018】
「請求項7」は、請求項1〜6の何れかに記載の振動制御装置(A)に関し、「振動体(1)と質量体(2)との間、或いは同軸回転体(3)と質量体(2)との間にダンパ(6)が配設されている」事を特徴とするもので、該ダンパ(6)により質量体(2)の振動エネルギを急速に吸収して、被制振体が振動体(1)である場合、或いは被制振体が質量体(2)である場合、これら被制振体の振動を急速に静定させる。前記ダンパ(6)の種類として、振動体(1)と質量体(2)との間に設けるものとして後述するダッシュポット形式のもの、磁石を利用するものがあり、同軸回転体(3)と質量体(2)との間に設けるものとして、粘性体と接触しているドラムを回転軸(9)に接続する場合や渦電損を起こさせる方法などが考えられる。この点も明細書全体を通じて共通する。
【0019】
「請求項8」は、請求項1〜7の何れかに記載の振動制御装置(A)に使用される弾性体(7a)(7b)(4a)(4b)の一例に関し、「弾性体(7a)(7b)が、コイルバネである」事を特徴とする。
【0020】
「請求項9」は、請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動動吸振器として使用する場合の第1実施例(A3-1)で、(a)振動体(1)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b)制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて制振紐体(5)を牽引する紐体牽引機構部(12)とを具備する事を特徴とする。
【0021】
「請求項10」は請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動動吸振器として使用する場合の第2実施例(A3-2)で、
(a) 振動体(1)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b) 制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて回転ガイド(4)の牽引を行う回転ガイド牽引機構部(12イ)とを具備する事を特徴とする。
【0022】
請求項9及び10の何れの場合でも、制振紐体(5)或いは回転ガイド(4)を低周波振動に合わせて僅かに牽引すると質量体(2)が大きく往復移動し、揺れている振動体(1)を速やかに静止させる事が出来るようになる。
【0023】
「請求項11」は請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動動吸振器として使用する場合の第3実施例(A3-3)で、(a)振動体(1)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b)制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて同軸回転体(3)を回転させる同軸回転体駆動機構部(12ロ)とを具備する事を特徴とする。
【0024】
これによれば、振動に応じて同軸回転体(3)を直接回転させる事が出来、優れた応答性を持つ能動動吸振効果を得る事が出来る。
【0025】
「請求項12」は請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合の第1実施例(A3-4)で、(a)質量体(2)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b)制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて制振紐体(5)を牽引する紐体牽引機構部(12)とを具備する事を特徴とする。
【0026】
「請求項13」は請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合の第2実施例(A3-5)で、(a)質量体(2)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b)制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて回転ガイド(4)の牽引を行う回転ガイド牽引機構部(12イ)とを具備する事を特徴とする。
【0027】
請求項9及び10の何れの場合でも、制振紐体(5)或いは回転ガイド(4)を低周波振動に合わせて僅かに牽引すると、振動体(1)の大きな揺れに対応して質量体(2)を振動体(1)に対して大きく相対的な往復移動をさせる事が出来、揺れている振動体(1)に対して質量体(2)を能動的に静止させておく事が出来るようになる。
【0028】
「請求項14」は請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合の第3実施例(A3-6)で、(a)質量体(2)の振動を検出して制御装置(cont)に出力する振動検出器(10)と、(b)制御装置(cont)からの出力を受け、振動に応じて同軸回転体(3)を回転させる同軸回転体駆動機構部(12ロ)とを具備する事を特徴とする。
【0029】
これによれば、振動体(1)に入力した揺れに対して同軸回転体(3)を能動的に回転させて振動体(1)の揺れに対して質量体(2)を相対的に往復移動させる事が出来、制振対象である質量体(2)を能動的に制振して静止状態を保持させる事が出来るようになる。
【0030】
以上の例で、前述のように固有振動数が低くまた振動振幅の大きい、例えば超高層ビル、橋梁、鉄塔、展望台、管制塔など構造物、或いは観覧車のゴンドラ、スキーリフト、作業用リフト、ロープウェイ、船などの移動体、又は環境振動や地震など非常時の振動からの絶縁を目的とする、例えば建物、機器、床などに設置される免震装置など、振動体(1)が制振対象の場合、質量体(2)の運動によって振動体(1)の揺れが抑制される。これに対して顕微鏡や半導体装置、レーザ装置などを搭載する除振装置のようなものにあっては、振動体(1)の揺れに対して質量体(2)が相対的に移動して質量体(2)を静止状態に保持する事が出来、この上に載置された精密機器など被制振機器(13)を外部からの振動或いは自ら発生させた振動に対して自らを静定させるように働く。
【0031】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。本発明に係る振動制御装置(A)は、(イ)振動体(1)の一部を構成する架台(1a)が、例えば、観覧車のゴンドラ、スキーリフト、作業用リフト、ロープウェイ或いは建物など振動体(1)の大部分を構成する制振対象位置(1c)に取り付けられ、該振動体(1)が外部から伝達してきた低周波振動によってゆっくり揺れ、その振動体(1)の振動周期に、ある同調則をもって同調した質量体(2)が受動的に往復運動し、前記振動体(1)の低周波振動を抑制する受動動吸振器として働く場合と、(ロ)外部から伝達してきた低周波振動を検出し、これに合わせて前記質量体(2)を能動的に移動させ、前記振動体(1)の振動を能動的に抑制する能動動吸振器として働かせる場合と、(ハ)質量体(2)自体が除振台のように受動的な被制振体となる場合、即ち、外部から伝達して来た低周波振動によって架台(1a)を含む振動体(1)がゆっくりと揺れた時、精密機器などの被制振機器(13)を載置した質量体(2)それ自体が、振動体(1)の揺れに対して絶縁された質量体(2)として受動的に静定状態を保つ場合と、(ニ)外部から伝達してきた低周波振動或いは質量体(2)に載置された機器類によって質量体(2)に生じた低周波振動を検出し、これに合わせて前記質量体(2)を振動体(1)に対して能動的に相対的に移動させ、質量体(2)自らが能動的に静定状態を保つ場合とがある。
【0032】
本発明装置(A)は前述のように受動或いは能動動吸振器、又は受動或いは能動制振装置として働くものであるから、質量体(2)は揺れを打ち消す対象である振動体(1)の固有振動周波数に対して十分同調されている。また、振動には水平方向の水平振動と縦方向の鉛直振動とがあり、本装置(A)の図1〜10迄は水平振動用であり、図11〜16は鉛直振動用である。勿論、両者を複合する事で何れの場合にも対処出来るようにする事もできる。以下、順次説明する。
【0033】
図1は本発明装置(A)の第1実施例(A1)で、水平1軸で質量体(2)が振動体(1)の動吸振用として働く場合に付いて説明する。振動体(1)は、本装置(A1)が設置される建物やゴンドラなど外部からの低周波振動によりゆっくりと振動する制振対象物(1c)と、前記制振対象物に固定される本装置(A1)の架台(1a)とで構成される。架台(1a)には制振方向に合わせてレール(1b)が敷設されており、車輪(2a)を介して質量体(2)がレール(2a)に沿って往復できるようになっている。
【0034】
質量体(2)には、半径の異なる一対の大径同軸回転体(3b)と小径同軸回転体(3a)とで構成されている同軸回転体(3)が回転軸(9)によって回転可能に取り付けられており、大径同軸回転体(3b)と小径同軸回転体(3a)とは一体となって回転するように構成されている。従って、前記同軸回転体(3)は質量体(2)と共に移動する事になる。
【0035】
前記同軸回転体(3)の大径同軸回転体(3b)には回転ガイド(4)が巻着されており、その両端が振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に固定されている。第1実施例の場合、回転ガイド(4)及び後述する制振紐体(5)は、張力によって伸びない或いは伸びが無視できる程度の所謂可撓性を有するもの(例えばワイヤ、ロープ或いはピアノ線)で、小径同軸回転体(3a)と大径同軸回転体(3b)との間で実質的にスリップ(スリップが発生しないか或いはスリップを無視出来る程度)が発生しないように取り付けられる。
【0036】
また、小径同軸回転体(3a)には、制振紐体(5)が巻着されており、その両端が振動体(1)に取り付けられており、振動体(1)と小径同軸回転体(3a)との間に弾性体(7a)(7b)がそれぞれ配設されている。前記弾性体(7a)(7b)は、あるばね定数を有する弾性材料(ゴム、エラストマ、空気ばね或いは皿ばねなど弾性を示すもの)であればどのようなものでもよいが、本実施例(A1)とてしては「コイルばね」がその例として使用されている。
【0037】
また、前記小径同軸回転体(3a)と制振紐体(5)との間、及び大径同軸回転体(3b)と回転ガイド(4)との間のスリップ防止策としては、同軸回転体(3)の回転量が180°以下であるならば、両者をそれぞれが小径同軸回転体(3a)及び大径同軸回転体(3b)上の制振紐体(5)及び回転ガイド(4)の交差点以外の位置点(P1)及び(P2)で固定するようにしてもよい。
【0038】
更に、振動体(1)と質量体(2)との間、或いは同軸回転体(3)と質量体(2)との間にダンパ(6)が配設されており、振動体(1)の低周波運動エネルギを吸収して急速に振動体(1)を静定させるようになっている。ダンパ(6)としては、ピストン(6a)の動きに対して小孔(6c)を設ける事で、或る粘性抵抗を持たせたシリンダ(6b)のようなもの或いは振動体(1)と質量体(2)とに互いに引き合う異極の磁石或いは渦電損を利用する方法などが挙げられる。最後者の例として、同軸回転体(3)の周囲に或いは振動体(1)の質量体(2)との対向面に1乃至複数の永久磁石(図示せず)を取り付け、その周囲或いは対向面に固定したアルミニウム板(図示せず、)を質量体(2)に設ける事で、同軸回転体(3)の回転の回転速度或いは振動体(1)の振動速度に比例して渦電損が発生し、ダンパ(6)の役割を果たす。ダンパ(6)は本実施例の何れの場合でも設置される。また、明細書の実施例図において小孔(6c)の記載がない場合があるが、これは単なる省略に過ぎない。
【0039】
次に本発明装置(A1)の受動動吸振作用に付いて説明する。本作用は受動動吸振作用をする全実施例を通じて共通である。外部から伝達して来た低周波の揺れが振動体(1)に入力すると、その揺れに対応して質量体(2)が振動体(1)に対して相対的にレール(1b)に沿って移動する。従って、同軸回転体(3)も質量体(2)と共に移動する。前記同軸回転体(3)の大径同軸回転体(3b)の外周にはスリップなしで回転ガイド(4)が巻着されているので、質量体(2)の移動と共に大径同軸回転体(3b)は、移動方向に付いては回転ガイド(4)を巻き取り、離間側には回転ガイド(4)を繰り出して回転ガイド(4)の作用により回転していく。大径同軸回転体(3b)のこの回転角度を(θ)とする。
【0040】
一方、小径同軸回転体(3a)は大径同軸回転体(3b)に同軸にて固定されているので、大径同軸回転体(3b)の回転角度(θ)と同じ角度だけ回転する。そして、大径同軸回転体(3b)の移動量と同じ距離だけ移動する。しかしながら、小径同軸回転体(3a)は大径同軸回転体(3b)より半径(r)が小さいので、小径同軸回転体(3a)の回転に伴ってなされる巻き取り・繰り出し量は、大径同軸回転体(3b)の巻き取り・繰り出し量より小さい。
【0041】
今、図1の右側に質量体(2)が移動していると仮定した場合、小径同軸回転体(3a)の移動側(右側)では制振紐体(5)が弛み、弾性体(7b)が縮む事でその弛みが吸収され、離間側(左側)では制振紐体(5)が張られ、弾性体(7b)が伸びる。この弾性体(7b)の伸び(X)は、質量体(2)の移動量(u)に比べて小さく、硬い弾性体(7b)を使用しても見掛けは柔らかい弾性体(7b)を使用しているのと同じ効果を得る事が出来る。この点は、質量体(2)の移動方向を逆にすれば、弾性体(7a)の場合も全く同一である。
【0042】
この点を、数式を使用して説明する。
(u):質量体(2)の移動量
(X):弾性体(7a)又は(7b)[=コイルばね]の変位量[=伸び]
(θ):同軸回転体の回転角度
(R):大径同軸回転体(3b)の半径
(r):小径同軸回転体(3a)の半径
(m):質量体(2)の質量
(k/2):弾性体(7a)又は(7b)[=コイルばね]のばね定数
(k'/2):弾性体(7a)又は(7b)[=コイルばね]の見掛け上のばね定数
(f):回転軸(9)に働く力
(f1):大径同軸回転体(3b)に働く力
(f2):小径同軸回転体(3a)に働く力
(y1):能動動吸振或いは能動制振の場合で回転ガイドを牽引した時の回転ガイドの移動量
(y2):能動動吸振或いは能動制振の場合で制振紐体を牽引し時の弾性体の移動量とする。
【0043】
第1実施例(A1)は、受動動吸振作用を利用するもので、後述するように回転ガイド(4)及び制振紐体(5)を牽引しないので、回転ガイド(4)及び制振紐体(5)は移動しない。従って、(y1)=(y2)=0となる。一方、大径同軸回転体(3b)と小径同軸回転体(3a)及びモーメントの釣合いは、次の(1)及び(2)式で表される。
f+f1+f2=0・・・・・・・・・・・・(1)
R×f1+r×f2=0・・・・・・・・・(2)
弾性体(7a)(7b)の釣合いは、次の(3)式で表される。
f2+2×(k÷2)×X=0・・・・・(3)
大径同軸回転体(3b)と小径同軸回転体(3a)の変位の関係は(4)及び(5)式で表される。
u−R×θ=0・・・・・・・・・・・・・(4)
u−r×θ―X=0・・・・・・・・・・(5)
上記(1)〜(5)式より、2本の弾性体(7a)(7b)の見掛け上のばね定数(k')は(6)式で得られる。
k'=f÷u=[(R−r)÷R]2×k・・・・(6)
回転ガイド(4)及び制振紐体(5)の張力は、次の(7)及び(8)式で表される。
f1=[r÷(R−r)]f・・・・・・・・・(7)
f2=[R÷(R−r)]f・・・・・・・・・(8)
以上から、弾性体(7a)又は(7b)[=コイルばね]の変位量(X)[=伸び]は(9)式で表される。
X=(R−r)÷R×u・・・・・・・・・・(9)
(9)式より次の事が言える。即ち、
(a) 硬いばね定数(k/2)の弾性体(7a)(7b)を使用しても、見掛けのばね定数(k'/2)は柔らかくなり、柔らかくて長いばねを使用した場合と同じ作用を得る。従って、硬い弾性体(7a)(7b)を使用しても、本装置(A1)の個有振動数を低いものする事が出来、特に低周波振動に対応する事が出来る。
(b) 質量体(2)の移動量に対して弾性体(7a)(7b)の伸縮量(X)は小さくなるので、装置全体をコンパクトにする事が出来る。大径同軸回転体(3b)と小径同軸回転体(3a)との半径差が小さくなる程、質量体(2)の移動量に対する弾性体(7a)(7b)の伸縮量(X)はより小さくなる。
【0044】
第2実施例(A2)は、回転ガイド(41)が棒状ラックで構成されている場合で、回転ガイド(41)には大径同軸回転体(3b)の外周に刻設されている歯(3b1)に噛合するラック部(421)が形成されており、質量体(2)の往復移動に合わせてスリップなく同軸回転体(3)が回転するようになっている。前記回転ガイド(41)の少なくとも一端は振動体(1)に取り付けられている。本実施例(A2)ではその両端が振動体(1)に取り付けられている場合である。勿論、回転ガイド(41)全体を振動体(1)に取り付けてもよい。その他の内容は、第1実施例(A1)と同一である。
【0045】
図3の第3実施例(A3)では、回転ガイド(4)に弾性体(4a)(4b)がそれぞれ配設されている場合で、前述同様、低周波の揺れによって質量体(2)が振動体(1)に対して受動的にて相対的に移動する。すると、回転ガイド(4)がその移動に相当する量だけ大径同軸回転体(3b)を回転させようとする。しかし、この場合質量体(2)が図中右方向に移動すると、図中左側の弾性体(4a)が引っ張られて伸び、逆に右側の弾性体(4b)は縮む。その結果、質量体(2)の移動量より大径同軸回転体(3b)の回転ガイド(4)の巻き取り量と繰り出し量が減少する。同様に小径同軸回転体(3a)の繰り出し量と巻き取り量も減少する事になる。
【0046】
これにより質量体(2)の実際の移動量(u)を図1の場合と図3の場合と同じとし、図3の場合の弾性体(7a)又は(7b)の伸びを(X')とすると、伸び(X')は図1の場合の伸び(X)より更に小さく、従って、弾性体(7a)(7b)にばね定数[(1/2)k]の大きいものをそれぞれ使用しても見掛けのばね定数[(1/2)k'']は更に小さくなり、振制装置(A3)を更にコンパクトに形成する事が出来る。
【0047】
次に、質量体(2)を受動の被制振体として利用する場合に付いて簡単に説明する。この場合、本装置(A1〜3)は前記と作用効果において同一であるが、質量体(2)の役割が若干異なるので、その相違部分を中心に説明する。この場合は、本装置(A1〜3)が設置されている建物が被制振対象物でなく、建物から伝わってくる低周波振動或いは質量体(2)上に載置された被制振機器(13)から伝達してきた低周波振動に対して質量体(2)自体の揺れを抑制するものである。
【0048】
この場合、前記と顕著に相違する点は、大径同軸回転体(3b)の半径(R)と小径同軸回転体(3a)の半径(r)が僅かに小さい方が好ましいと言うことである。即ち、両者の半径差がわずかである場合、(6)式から見かけのバネ定数(k')が弾性体(7a)(7b)のバネ定数の和(k)対して極めて大きな値を取ることになる。これは極めて長く柔らかいバネを弾性体(7a)(7b)を使用した場合と同じ作用を生じる事になり、振動体(1)に外部から振動が入力して揺れたとしても、質量体(2)は殆ど動かない事を意味する。従って、質量体(2)の上に載置した精密機器は外部からの振動に対して殆ど影響を受けなくなる。即ち、優れた受動制振作用を発揮する事になる。
【0049】
次に、本発明装置(A)の第3実施例(A4)を図10に従って説明する。図中、必要があればX方向の制御に関係する部材には、(・・X)の添え字を、Y方向の制御に関係する部材には、(・・Y)の添え字を付してその関係を明確にする。
【0050】
この場合は、1つの質量体(2)で水平平面のX−Y2軸の受動動吸振或いは受動制振を同時に行う場合で、2組の同軸回転体(3X)(3Y)が質量体(2)に取り付けられている。同軸回転体(3X)(3Y)の構造並びに作用は第1実施例(A1)と全く同じであるが、同軸回転体(3X)(3Y)の質量体(2)への取付方及び作用方向が異なる。即ち、Y方向同軸回転体(3Y)は、質量体(2)のX方向に形成された長溝(2Y)内にその回転軸(9Y)が往復移動可能且つ回転可能に嵌り込んでおり、これに対して、X方向同軸回転体(3X)は質量体(2)のY方向に形成された長溝(2X)内にその回転軸(9X)が往復移動可能且つ回転可能に嵌り込んでいる。また、第1実施例(A1)の車輪(2a)とレール(1b)に代えて、球(2b)とこれを受ける座(1b1)とを有する。そして、この場合も直交するX−Y2軸において第1実施例(A1)の作用と同一の作用が得られる。
【0051】
即ち、振動体(1)がX方向に低周波振動した場合、質量体(2)がX方向にゆっくりと移動するので、X方向同軸回転体(3X)が作動して振動体(1)のX方向の低周波振動を受動的に制振し、Y方向であればY方向同軸回転体(3Y)が作動して振動体(1)のY方向の低周波振動を受動的に制振し、X−Y軸に対して傾斜する方向であれば、両者が(3X)(3Y)がその持ち分に合わせて作動し、振動体(1)を抑制する事になる。また、質量体(2)の上に被制振機器(13)を設置する事で、質量体(2)自体を被制振体に出来る事は前述の通りである。
【0052】
次に、本装置(A)を能動動吸振器とした場合に付いて説明する。図4は、図1の架台(1a)に振動検出器(10)を設置し且つ制振紐体(5)の一端に紐体牽引機構部(12)を設け、紐体牽引機構部(12)を制御装置(cont)にてコントロールするようにしたものである。本実施例(A3-1)の紐体牽引機構部(12)は、制振紐体(5)を巻き取り・巻き戻しを行うための円板(12a)と、円板(12a)の回転駆動を行うモータ(12b)とで構成されているが、牽引機構としては空気バネのようなものでもよく、制振紐体(5)を牽引出来るようなものであればどのようなものでもよい。この点は他の実施例でも共通する。
【0053】
しかして、振動検出器(10)で振動体(1)に入力した低周波振動を検出し、これを制御装置(cont)に入力して演算し、演算結果をモータ(12b)の制御信号に代えてモータ(12b)に入力し、前記低周波振動に対応してモータ(12b)を制御する。この点を数式を利用して説明すると、制振紐体(5)を紐体牽引機構部(12)にてコントロールするのであるから、(y1)=0、(y2)≠0となる。本装置(A3-1)の揺れによる質量体(2)の移動量(u)と小径及び大径同軸回転体(3a)(3b)並びに紐体牽引機構部(12)の関係は以下の式で表される。
u−R×θ=0・・・・・・・・・・・・・・・(10)
u−r×θ=y2・・・・・・・・・・・・・・(11)
(10)(11)式より、下記式が得られる。
u=R÷(R−r)×y2・・・・・・・・(12)
θ=−1÷(R−r)×y2・・・・・・(13)
以上により、紐体牽引機構部(12)を僅か(y2)だけ動かすことで、質量体(2)を大きく動かす事が出来、効果的な能動動吸振効果を得る事が出来る。
【0054】
図5も能動動吸振器とした場合で、この場合は図1の架台(1a)に振動検出器(10)を設置し且つ回転ガイド(4)の一端に回転ガイド牽引機構部(12イ)を設け、回転ガイド牽引機構部(12イ)を制御装置(cont)にてコントロールするようにしたものである。本実施例(A3-2)の回転ガイド牽引機構部(12イ)も、回転ガイド(4)を巻き取り・巻き戻しを行うための円板(12イa)と、円板(12イa)の回転駆動を行うモータ(12イb)とで構成されているが、牽引機構としては空気バネのようなものでもよく、回転ガイド(4)を牽引出来るようなものであればどのようなものでもよい。この点は他の実施例でも共通する。また、回転ガイド(4)の巻き取り・巻き戻しに対応する事が出来るようにコイルバネのような弾性体(4X)が円板(12イa)の巻き取り側と反対の位置にて架台(1a)への取付端と巻着交差位置(P4)との間に配設されている。
【0055】
このように構成することによって、振動体(1)に入力した低周波振動を振動センサ(10)が検出し、これを制御装置(cont)に入力して演算し、その演算結果をモータ(12イb)の制御信号に代えてモータ(12イb)に入力し、前記振動に対応してモータ(12イb)を制御する。即ち、該振動に合わせて回転ガイド(4)を巻き取ると、同軸回転体(3)が回転し、質量体(2)が巻き取り方向に移動する。逆に巻き戻すと弾性体(7a)の作用で質量体(2)を弾性体(7a)側に移動させる事が出来る。この場合も従って、回転ガイド(4)の巻き取り・巻き戻しによる質量体(2)の往復運動により、振動体(1)に入力した揺れを能動的に動吸振する事が出来るようになる。
【0056】
この点を数式を利用して説明すると、回転ガイド(4)を回転ガイド牽引機構部(12イ)コントロールするのであるから、(y1)≠0、(y2)=0となる。本装置(A3-2)の揺れによる質量体(2)の移動量(u)と小径及び大径同軸回転体(3a)(3b)並びに紐体牽引機構部(12)の関係は以下の式で表される。
u−R×θ=y1・・・・・・・・・・・・・・・(14)
u−r×θ=0・・・・・・・・・・・・・・・・(15)
(14)(15)式より、下記式が得られる。
u=−r÷(R−r)×y1・・・・・・・(16)
θ=1÷(R−r)×y1・・・・・・・・・(17)
以上により、回転ガイド牽引機構部(12イ)を僅か(y1)だけ動かすことで、質量体(2)を大きく動かす事が出来、効果的な能動動吸振効果を得る事が出来る。
【0057】
図6も、能動動吸振器として使用する場合の第3実施例(A3-3)で、振動検出器(10)が架台(1a)に取り付けられており、同軸回転体駆動機構部(12ロ)が同軸回転体(3)の回転軸(9)に連結されており、制御装置(cont)にて同軸回転体駆動機構部(12ロ)をコントロールするようになっている。
【0058】
このように構成することによって、振動体(1)に入力した低周波振動を振動センサ(10)が検出し、これを制御装置(cont)に入力して演算し、その演算結果をモータ(12ロ)の制御信号に代えてモータ(12ロ)に入力し、前記振動に対応してモータ(12ロ)を制御する。即ち、該振動に合わせて同軸回転体(3)を正転・逆転させると、同軸回転体(3)が回転ガイド(4)を進行方向に対してはこれを巻き取り、後退方向に対してはこれを繰り出して移動する。従って、質量体(2)の往復運動により、振動体(1)に入力した揺れに対して能動的に動吸振する事が出来るようになる。
【0059】
これに対して、図7の例(A3-4)は図4の例(A3-1)の変形例で、振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合である。即ち、振動検出器(10)を質量体(2)に取り付け、振動体(1)に入力した低周波振動によって揺れを生じた質量体(2)の低周波振動を検出して制御装置(cont)に出力して演算し、その演算結果をモータ(12b)の制御信号に代えてモータ(12b)に入力し、前記低周波振動に対応してモータ(12b)を制御する。
【0060】
即ち、制御紐体(5)を巻き取ると、巻き取り量に対して同軸回転体(3)の回転角度(θ)は拡大されて回転し、振動体(1)の揺れに対して質量体(2)を大きく相対的に往復運動させる。その結果、質量体(2)は能動的に静定状態が保たれ大きな制振効果を得る事が出来る。この場合、制振効果を高めるために大径同軸回転体(3b)に対して小径同軸回転体(3a)の半径をやや小さい位にしておくことが好ましい。この点は図7〜9の実施例(A3-4〜A3-6)に付いて共通する。
【0061】
図8も本振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合の第2実施例(A3-5)で図5の変形例である。即ち、振動検出器(10)が質量体(2)に装着されており、回転ガイド(4)の一端に回転ガイド牽引機構部(12イ)を設け、回転ガイド牽引機構部(12イ)を制御装置(cont)にてコントロールするようにしたものである。本実施例(A3-2)の回転ガイド牽引機構部(12イ)も一例として回転ガイド(4)を巻き取り・巻き戻しを行うための円板(12イa)と、円板(12イa)の回転駆動を行うモータ(12イb)とで構成されている。また、回転ガイド(4)の巻き取り・巻き戻しに対応する事が出来るようにコイルバネのような弾性体(4X)が円板(12イa)の巻き取り側と反対の位置にて架台(1a)への取付端と巻着交差位置(P4)との間に配設されている。
【0062】
このように構成することによって、振動体(1)に入力した低周波振動によって揺れを生じた質量体(2)の低周波振動を振動センサ(10)が検出し、これを制御装置(cont)に入力して演算し、その演算結果をモータ(12ロb)の制御信号に代えてモータ(12ロb)に入力し、前記振動に対応してモータ(12ロb)を制御する。即ち、該振動に合わせて回転ガイド(4)を巻き取ると、同軸回転体(3)が回転し、質量体(2)が巻き取り方向に移動する。逆に巻き戻すと弾性体(7a)の作用で質量体(2)を弾性体(7a)側に移動させる事が出来る。従って、回転ガイド(4)の巻き取り・巻き戻しによる質量体(2)の振動体(1)に対する相対的且つ拡大された往復運動により、振動体(1)に入力した揺れに対して振動体(1)を能動的且つ速やかに静定する事が出来る。
【0063】
図9も前述同様、本振動制御装置(A)を能動制振装置として使用する場合の第3実施例(A3-6)で、図6の例(A3-3)の変形例である。即ち、振動検出器(10)を質量体(2)に設置し、且つ同軸回転体駆動機構部(12ロ)が同軸回転体(3)の回転軸(9)に連結されており、制御装置(cont)にて同軸回転体駆動機構部(12ロ)をコントロールするようになっている。
【0064】
このように構成することによって、振動体(1)に入力した低周波振動にて揺れを生じた質量体(2)の低周波振動を振動センサ(10)が検出し、これを制御装置(cont)に入力して演算し、その演算結果をモータ(12ロ)の制御信号に代えてモータ(12ロ)に入力し、前記振動に対応してモータ(12ロ)を制御する。即ち、該振動に合わせて同軸回転体(3)を正転・逆転させると、同軸回転体(3)が回転ガイド(4)を進行方向に対してはこれを巻き取り、後退方向に対してはこれを繰り出し、振動体(1)に入力した揺れに質量体(2)を相対的且つ能動的往復運動させるにより、質量体(2)を静定させる事が出来る。
【0065】
次に、図11〜16により、重力方向の振動に対する動吸振作用及び制振作用に付いて説明する。重力方向の振動制御装置の各実施例を(A5〜8)とする。また、図では受動形式のもののみ記載されているが、勿論これに限られず、紐体牽引機構部(12)或いは回転ガイド牽引機構部(12イ)又は同軸回転体駆動機構部(12ロ)を設け制御装置(cont)にてコントロール出来るようにする事も可能である。作用は既述の実施例(A1〜4)が水平方向のものであるのに対して、以下に述べる場合(A5〜8)は重力方向である点で相違する他は同じである。なお、図中、同軸回転体(3)が質量体(2)の左右に取り付けられており、左右一対の制振紐体(5)により吊り下げられている状態になる。図5〜8において、必要があれば右側の部材は(・・L)の添え字を付し、左側の部材は(・・r)を付して区別する。
【0066】
図11、12の場合、回転ガイド(4)は第1実施例(A1)と同様、大径同軸回転体(3b)に巻着し、(或いは図示していないが第2実施例(A2)のように噛合し)、その両端が巻着交差位置(P3)の上下にて振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に固定されている。図13、14の場合、回転ガイド(4)は大径同軸回転体(3b)にその一端が巻着され且つその端部が固定されており、他端が巻着交差位置(P4)の下方において振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に取り付けられている。図15、16の場合、回転ガイド(4)は前記同様大径同軸回転体(3b)にその一端が巻着され且つその端部が固定されており、他端が巻着交差位置(P4)の下方において振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に取り付けられ、且つ弾性体(8b)が回転ガイド(4)に取り付けられている。
【0067】
一方、制振紐体(5)も、図11、12の場合、第1実施例(A1)と同様、小径同軸回転体(3a)に巻着し、その両端が巻着交差位置(P3)の上下にて振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に固定されている。図13、14の場合、制振紐体(5)は小径同軸回転体(3a)にその一端が巻着され且つその端部が固定されており、他端が巻着交差位置(P3)の上方において振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に取り付けられている。図15、16の場合、制振紐体(5)は前記同様小径同軸回転体(3a)にその一端が巻着され且つその端部が固定されており、他端が巻着交差位置(P3)の上方において振動体(1)の一部を構成する架台(1a)に取り付けられ、且つ弾性体(8b)が回転ガイド(4)に取り付けられている。
【0068】
また、図11と図12、図13と図14及び図15と図16とは、小径同軸回転体(3a)及び大径同軸回転体(3b)に対する制振紐体(5)及び回転ガイド(4)の巻方向が逆の場合である。また、各図において、左右の小径同軸回転体(3a)及び大径同軸回転体(3b)に対する制振紐体(5)及び回転ガイド(4)の巻方向は対称になっている。また、質量体(2)と振動体(1)との間には前記ダンパ(6)が必要に応じて配設され、低周波振動のエネルギを吸収して急速な静定を実現するようになっている。
【0069】
次に、前記実施例(A5〜8)の場合の作用について説明する。基本的には前記(1)〜(9)式で説明できるが、質量体(2)に静加重としてf=mgの力が加わる。その時の質量体(2)の変位(u)は、u=(1÷k)×[R÷(R−r)]2×m×g・・・・(9a)で表され、バランスする。一方、弾性体(7a)(7b)又は(7a)の伸びは、次式で表される。
X=(1÷k)×(R−r)÷R×m×g・・・・・・・・(9b)
(9b)式を(9a)式に代入すると、(9)式が得られる。
【0070】
従って、低周波鉛直振動が振動体(1)に入力すると、振動体(1)の縦揺れに対して質量体(2)がゆっくりと昇降し、受動的に振動体(1)に対して動吸振作用を及ぼして振動体(1)を急速に静定させる。
【0071】
実施例(A9〜10)の場合はこれと若干異なり、回転ガイド(4)に弾性体(8)がそれぞれ設置されている場合で、弾性体(8)による張力が重力に加わる事になる。この場合は図3に類似し、制御紐体(5)の弾性体(7a)の伸びを(X')とすると、伸び(X')は図11〜14の場合の伸び(X)より更に小さく、従って、弾性体(7a)(7b)にばね定数[(1/2)k]の大きいものをそれぞれ使用しても見掛けのばね定数[(1/2)k'']は更に小さくなり、振制装置(A)を更にコンパクトに形成する事が出来る。
【0072】
前記重力方向の動吸振或いは制振に関し、同軸回転体(3)を質量体(2)の左右に設置した例を示したが、勿論、これに限られず、質量体(2)の重力方向に設置したガイド(図示せず)を取り付け、ガイドに沿って昇降させるようにしてもよい。この場合では同軸回転体(3)、回転ガイド(4)及び制振紐体(5)は1組で足る。
【0073】
【発明の効果】
本発明は、半径の異なる一対の同軸回転体を質量体に取り付け、入力した低周波振動に合わせて移動する質量体の大径同軸回転体を回転ガイドにて回転させ、弾性体が設置されている制振紐体を同軸の小径同軸回転体で巻き取るようにしているので、質量体の移動量に対して弾性体の伸縮量は極めて小さくて足る事になり、弾性体にばね定数の大きいものをそれぞれ使用しても見掛けのばね定数は小さくなり、長くて柔らかく、ばね定数の小さい弾性体を使用した場合と同じ作用を得る事が出来、振制装置をコンパクトに形成する事が出来る。
【0074】
また、弾性体を制振紐体と回転ガイドとに設けた場合には、回転ガイドの弾性体が質量体の移動に致して伸縮するので、質量体の移動量より同軸回転体の回転量が前記の場合と比べて減少する事になる。その結果、見掛けのばね定数は更に小さくなり、振制装置を更にコンパクトに形成する事が出来る。
【0075】
前記構成は水平平面のX−Y2軸にも適用する事が出来、その場合はX−Y2軸おける同時動吸振或いは振制が可能となる。また、重力方向の動吸振或いは制振にも適用出来る。
【0076】
本構成に、振動検出器、制御装置、振動に応じて制振紐体を牽引する紐体牽引機構部或いは回転ガイドの牽引を行う回転ガイド牽引機構部又は同軸回転体を回転させる同軸回転体駆動機構部を設置することで、能動動吸振効果或いは能動制振効果を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明受動装置の第1実施例の原理を説明するための正面図
【図2】本発明受動装置の第2実施例の原理を説明するための正面図
【図3】本発明受動装置の第3実施例の原理を説明するための正面図
【図4】本発明能動動吸振装置の第1実施例の原理を説明するための正面図
【図5】本発明能動動吸振装置の第2実施例の原理を説明するための正面図
【図6】本発明能動動吸振装置の第3実施例の原理を説明するための正面図
【図7】本発明能動制振装置の第1実施例の原理を説明するための正面図
【図8】本発明能動制振装置の第2実施例の原理を説明するための正面図
【図9】本発明能動制振装置の第3実施例の原理を説明するための正面図
【図10】本発明の2軸同時動吸振或いは制振を行う場合の原理を説明するための正面図
【図11】本発明の重力方向受動装置の第1実施例の原理を説明するための正面図
【図12】本発明の重力方向受動装置の第2実施例の原理を説明するための正面図
【図13】本発明の重力方向受動装置の第3実施例の原理を説明するための正面図
【図14】本発明の重力方向受動装置の第4実施例の原理を説明するための正面図
【図15】本発明の重力方向受動装置の第5実施例の原理を説明するための正面図
【図16】本発明の重力方向受動装置の第6実施例の原理を説明するための正面図
【図17】従来例の受動動吸振器の平面図
【記号の説明】
(1) 振動体
(2) 質量体
(3) 同軸回転体
(3a) 小径同軸回転体
(3b) 大径同軸回転体
(4) 回転ガイド
(5) 制振紐体
(6) ダンパ
(7a)(7b) 弾性体

Claims (14)

  1. 外部からの振動を受けて振動する振動体に対して所定方向に往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共に移動し且つ前記質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体と、
    前記振動体に取り付けられ、前記質量体の移動に合わせて前記同軸回転体の大径同軸回転体を回転させる回転ガイドと、
    前記同軸回転体の小径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられている制振紐体と、
    前記振動体と前記小径同軸回転体或いは前記大径同軸回転体との間の、少なくとも前記振動体と前記小径同軸回転体との間に配設された弾性体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  2. 外部からの振動を受けて振動する振動体に対して所定の方向に直線運動により往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共に移動し且つ前記質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体と、
    前記同軸回転体の大径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられた紐状の回転ガイドと、
    前記同軸回転体の小径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられている制振紐体と、
    前記振動体と前記小径同軸回転体或いは前記大径同軸回転体との間の、少なくとも前記振動体と前記小径同軸回転体との間に配設された弾性体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  3. 外部からの振動を受けて振動する振動体に対して所定の方向に直線運動により往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共に移動し且つ前記質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対の同軸回転体と、
    外周に歯が刻設されている前記同軸回転体の大径同軸回転体に噛合し、前記振動体に取り付けられた棒状の回転ガイドと、
    前記同軸回転体の小径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられ、前記振動体と前記小径同軸回転体との間に弾性体が配設されている制振紐体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  4. 外部からの振動を受けて振動する振動体に対して直交するX−Yの水平2方向に往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共にY方向に移動し、X方向には前記質量体に対して自由に往復移動可能に取り付けられ且つ前記質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対のY方向同軸回転体と、
    前記質量体と共にX方向に移動し、Y方向には前記質量体に対して自由に往復移動可能に取り付けられ且つ前記質量体に対して回転可能に取り付けられた半径の異なる一対のX方向同軸回転体と、
    前記振動体に取り付けられ、前記質量体のX方向への移動に合わせて前記X方向同軸回転体のX方向大径同軸回転体を回転させるX方向回転ガイドと、
    前記振動体に取り付けられ、前記質量体のY方向への移動に合わせて前記Y方向同軸回転体のY方向大径同軸回転体を回転させるY方向回転ガイドと、
    前記X方向同軸回転体のX方向小径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられているX方向制振紐体と、
    前記Y方向同軸回転体のY方向小径同軸回転体に巻着され、その両端が前記振動体に取り付けられているY方向制振紐体と、
    前記振動体と前記X方向小径同軸回転体或いは前記X方向大径同軸回転体との間の、少なくとも前記振動体と前記X方向小径同軸回転体との間に配設されたX方向弾性体と、
    前記振動体と前記Y方向小径同軸回転体或いは前記Y方向大径同軸回転体との間の、少なくとも前記振動体と前記Y方向小径同軸回転体との間に配設されたY方向弾性体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  5. 外部からの振動を受けて重力方向に振動する振動体に対して重力方向に往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共に移動し且つ前記質量体に対して回転可能に配設された半径の異なる一対の同軸回転体と、
    前記同軸回転体の小径同軸回転体に巻着され、その端部が少なくとも前記質量体の上部或いは下部の何れかにおいて前記振動体に取り付けられている制振紐体と
    その端部が少なくとも巻着交差位置の上方或いは下方の何れか一方において前記振動体に取り付けられ、前記質量体の移動に合わせて大径同軸回転体を回転させる回転ガイドと、
    前記振動体と前記小径同軸回転体或いは前記大径同軸回転体との間の、少なくとも前記振動体と前記小径同軸回転体との間に配設されている弾性体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  6. 外部からの振動を受けて重力方向に振動する振動体に対して重力方向に往復移動可能に設けられた質量体と、
    前記質量体と共に移動し且つ前記質量体に対して回転可能に配設された半径の異なる一対の同軸回転体と、
    前記同軸回転体の小径同軸回転体に巻着され、その端部が巻着交差位置の上部或いは下部の少なくとも何れか一方において前記振動体に取り付けられている制振紐体と、
    前記振動体と前記小径同軸回転体との間において前記制振紐体に配設された弾性体と、
    その端部が巻着交差位置の上方或いは下方の少なくとも何れか一方において前記振動体に取り付けられ、前記質量体の移動に合わせて大径同軸回転体を回転させる回転ガイドと、
    前記振動体と前記質量体との間にて前記回転ガイドに配設された弾性体とで構成されている事を特徴とする振動制御装置。
  7. 前記振動体と前記質量体との間、或いは前記同軸回転体と前記質量体との間にダンパが配設されている事を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の振動制御装置。
  8. 前記弾性体が、コイルバネである事を特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の振動制御装置。
  9. 前記振動体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記制振紐体を牽引する紐体牽引機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
  10. 前記振動体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記回転ガイドの牽引を行う回転ガイド牽引機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
  11. 前記振動体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記同軸回転体を回転させる同軸回転体駆動機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
  12. 前記質量体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記制振紐体を牽引する紐体牽引機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
  13. 前記質量体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記回転ガイドの牽引を行う回転ガイド牽引機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
  14. 前記質量体の振動を検出して制御装置に出力する振動検出器と、
    前記制御装置からの出力を受け、振動に応じて前記同軸回転体を回転させる同軸回転体駆動機構部とを具備する請求項1〜8の何れかに記載の振動制御装置。
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