JP3886226B2 - 開封取出線を有する紙おむつ包装袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮状態で多数の紙おむつを収容する開封取出線を有する紙おむつ包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数枚の紙おむつの包装形態として、ガゼット袋が一般に使用されている。さらに、近年においては、一袋単位の紙おむつの収納枚数を多くするために、紙おむつを圧縮状態で包装するいわゆる圧縮(コンパクション)包装が汎用されている。また、持ち運びに便利なように、把手部を形成したり、手提げバンドを別に付けたものも市販されている。
【0003】
現在市販の代表的な包装形態を図6および図7に示す。図6に示す先行例1のものは、多数の紙おむつを圧縮状態でかつ縦向きに重ね合わせた状態で収容した紙おむつの包装袋の前面3に破断用ミシン目51を縦向きを形成したものである。
【0004】
図7に示す先行例2のものは、天面5から前後面3,4に連続して破断用ミシン目52を形成したものである。この図7に示す先行例2の変形例としては、特開平7−187197号および特開平7−187198号に示すように、把手を形成したり、手提げバンドを設けたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行例1では、破断用ミシン目51を破断して開口させたときの開口部面積が小さく、取り出しを行い難い。
【0006】
先行例2(変形例も含めて)は、取り出し性は先行例1のものより容易であるが、アコーディオンの上側を開いたように、紙おむつ群の上部において紙おむつ相互の接触面が緩み、紙おむつを摘み易いものの、下部においては、圧縮状態のままであり、相変わらず密に接触しているために、一つの紙おむつを取り出す際に隣接する紙おむつも引き出されがちとなり、全体の型崩れが生じ易い。また、誤って破断用ミシン目52を大きく開いてしまった場合には、圧縮状態が解放されて端部からばらけ出ることがある。しかも、整列させた紙おむつの途中のものから取り出すこととなり、複数枚を取り出した状態では、全体の一方のはじの紙おむつ群と他方のはじ側の紙おむつ群が破断用ミシン目52部分に向かって倒れ込み、型崩れが生じる。
【0007】
したがって、本発明の主たる課題は、包装袋の開封性に優れ、かつ、紙おむつを一枚ごと取り出し易い包装形態を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の請求項1記載の発明は、プラスチックフィルムによる、天地面、前後面および両側面を有するほぼ直方体の袋体を形成し、その内部に前記一方の側面から他方の側面にわたって、多数の紙おむつを圧縮状態でかつ縦向きに重ね合わせた状態で収容した紙おむつの包装袋において、
前記一方の側面から前後面の一方の面に繋がり、その前後面の一方の面の裾に向かって、前記紙おむつの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目または切れ目が形成されおり、前記ミシン目または切れ目が、前記一方の側面と前後面の一方の面との境界稜部分において、前記アーチの基本線から膨出する指入れ切離し用部分が形成されていることを特徴とする開封取出線を有する紙おむつ包装袋である。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記天面に、側面近傍からその側面の裾に向かって、前記紙おむつの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目または切れ目が形成されている請求項1記載の開封取出線を有する紙おむつ包装袋である。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記天地面がまち部分とされている請求項2記載の開封取出線を有する紙おむつ包装袋である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明をさらに詳説する。
【0012】
天地面、前後面および両側面
(第1の参考の形態)
図1および図2に本発明の第1の参考の形態を示す。第1の参考の形態に係るガゼット包装袋1は、たとえばポリエチレンなどの筒状プラスチックチューブの両側を各々谷折りしてまちを形成し、かつ所定長に切断した上下端部をヒートシールしてほぼ直方体形状としたものである。これにより左右側面2,2、前面3、後面4、天面5および下面6が形成される。
【0013】
本発明に従って、一方の側面2から前後面の一方の面、図示例では前面3に繋がり、その前面3の裾に向かって、紙おむつPの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目7が形成されている。
【0014】
紙おむつPとしては、図2に示されているように、たとえばパンツ型紙おむつであり、腰回り部分を下にして、一方の側面2から他方の側面2にわたって、多数の紙おむつP,P…を圧縮状態でかつ縦向きに重ね合わせた状態で収納されている。
【0015】
第1の参考の形態に限らず全ての形態においてミシン目に代えて使用者の操作により破断可能な切れ目であってもよい。アーチ状のミシン目7の具体例としては、図示されているように、アーチの天部に膨出する指入れ切離し用部分7aと、これに繋がるゆるやかな裾拡がり天部7b,7bと、これに繋がって水平稜8A,8Aに平行に前面3に形成された開き部7c,7cとを有する。
【0016】
ここで、開き部7c,7c間の離間幅Wは、紙おむつPの軸線方向長さHに対して、70%〜95%であるのが望ましい。70%未満では、取り出し性が劣り、95%を超えると残余部分が少なくなるので、一枚の紙おむつPを取り出す際に、隣接する紙おむつも同伴して取り出されがちとなる。
【0017】
開封に際しては、たとえば指先を指入れ切離し用部分7aで囲まれる部分に強く押し込み、指入れ切離し用部分7aを破断した後、そこを摘みながら、側面2から前面3に沿って引き剥がす。この過程で、天部7b,7bおよび開き部7c,7cが順次破断する。
【0018】
たとえば、図2に示されているように、前面3の水平長さの1/2程度まで破断した後、はじの紙おむつPから順次取り出す。この場合、紙おむつPの軸線方向長さ方向のほぼ全体が隣接する紙おむつPに対して緩むので、取り出しがきわめて容易であることが知見されている。また、先行例2のように、整列した紙おむつ群の途中のものから取り出すのではなく、ミシン目7が側面2から繋がっているので、はじの紙おむつから順次取り出すことができる。
【0019】
開き部7c,7cの長さとしては、前面3の水平長さの1/5〜3/5が好適であることを知見している。開き部7c,7cの長さが短いと、紙おむつの取り出し性が悪化し、過度に長いと、残余の紙おむつ群の型崩れがし易い。
【0020】
(第2の参考の形態)
図3は第2の参考の形態を示したもので、天面5および下面6をまち部分とし、かつ、天面5に、側面2近傍からその側面の裾に向かって、紙おむつPの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目70または切れ目を形成し、この補助用ミシン目70を開封しても、紙おむつPを取り出すことができるようにしたものである。
【0021】
(第3の参考の形態)
図4は第3の参考の形態を示したもので、上部シール部に適宜の形状の把手部11を切欠したものである。また、図示されているように、上部シール部の上下に補強用部材10,10を介在させて一体化することもできる。
【0022】
(第1の実施の形態)
図5は第1の実施の形態を示したもので、天面5側に縦面(両側面2,2および前後面3,4)から延びるリブ部22を形成し、この前後リブ部22,22に、手提げループ20,20の各両端部を適宜の結合手段21,21により取付けたものである。
【0023】
他方、ミシン目7Aの形状として、一方の側面2と前面3との境界稜、すなわち縦稜8B部分において、アーチの基本線から膨出する指入れ切離し用部分7aを形成してある。
【0024】
他の形態においては、側面2の中央に指入れ切離し用部分7aを形成してあるが、紙おむつP,P…は圧縮状態で収納されているので、その抵抗により、指入れ切離し用部分7aを破断することに若干の困難性を伴うのに対して、この第4の実施の形態のようにミシン目7Aを形成すると、指入れ切離し用部分7aが存在する箇所においては、紙おむつP,P…の圧縮状態が弱いために、指入れ切離し用部分7aの破断が容易である。
【0025】
(その他)
紙おむつPは腰バンド側を上にしてもよい。紙おむつとして、パンツ型のものに限らず、テープ式紙おむつであってもよく、本発明の効果に相違はない。本発明のアーチ形状とは、例示のものに限定されることなく、たとえば逆U字状のものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、包装袋の開封性に優れ、かつ、紙おむつを一枚ごと取り出し易い、さらにはじの紙おむつから順次取り出すことが可能であり、収納状態の型崩れがし難いなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考の形態を示す斜視図である。
【図2】 紙おむつの開封取り出し状態斜視図である。
【図3】 本発明の第2の参考の形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第3の参考の形態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】 先行例1の概要斜視図である。
【図7】 先行例2の概要斜視図である。
【符号の説明】
1…包装袋、2…側面、3…前面、4…後面、5…天面、6…下面、7,7A…ミシン目、7a…指入れ切離し用部分、7b…裾拡がり天部、7c…開き部、8A…水平稜、8B…縦稜。
Claims (3)
- プラスチックフィルムによる、天地面、前後面および両側面を有するほぼ直方体の袋体を形成し、その内部に前記一方の側面から他方の側面にわたって、多数の紙おむつを圧縮状態でかつ縦向きに重ね合わせた状態で収容した紙おむつの包装袋において、
前記一方の側面から前後面の一方の面に繋がり、その前後面の一方の面の裾に向かって、前記紙おむつの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目または切れ目が形成されており、前記ミシン目または切れ目が、前記一方の側面と前後面の一方の面との境界稜部分において、前記アーチの基本線から膨出する指入れ切離し用部分が形成されていることを特徴とする開封取出線を有する紙おむつ包装袋。 - 前記天面に、前記側面近傍からその側面の裾に向かって、前記紙おむつの取り出し用のほぼアーチ状のミシン目または切れ目が形成されている請求項1記載の開封取出線を有する紙おむつ包装袋。
- 前記天地面がまち部分とされている請求項2又は請求項3記載の開封取出線を有する紙おむつ包装袋。
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