JP3885216B2 - 水分散性ポリイソシアネート組成物及び水性接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は水分散性接着剤に関する。特に、プラスチック、金属箔、紙等のラミネート用接着に優れた接着性を有する水分散性接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
接着剤の分野で特にラミネート用は溶剤型の接着剤が主に用いられているが、有機溶剤を含有する接着剤は、人体への悪影響、爆発火災などの安全衛生上の問題、さらに大気汚染など公害問題を有している。これらの問題点を改善するため、接着剤の水系化が検討されている。水系化には従来から水溶性樹脂や水性エマルジョンが知られているが、耐熱性、耐水性などの要求性能が得られないことが多い。また、接着性向上のため架橋剤を用いる場合、二液型では可使時間、接着剤調製液が調製直後と同じ接着性能を発現できる時間が短いなどの問題点を有している。これらの中で接着性と可使時間を改善した接着剤として、水分散型ポリイソシアートを使用した、特開平7−48429号公報、特開平7−113005号公報に開示の技術が挙げられ、ノニオン性の界面活性剤と脂肪族炭化水素を導入した水分散型ポリイソシアネートが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの水性接着剤においても、耐熱性、耐水性、硬化速度、フィルム適性等の性能面及び可使時間が不十分であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
これら課題を解決すべく鋭意検討した結果、水性ポリエステル樹脂と水分散性ポリイソシアネート組成物とを組合せて用いることで、完全水系でかつ耐熱性、耐水性及び硬化速度に優れた可使時間の長い水性接着剤が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明はNCO官能基を2以上もち且つ、NCO同士の結合を1つ以上含む環を有するポリイソシアネートに親水性基と疎水性基とをバランスよく導入することにより完成されたものである。
本発明は、下記▲1▼、▲2▼、▲3▼を反応してなる組成物であって、その組成物のNCO含有量が7〜17重量%であることを特徴とする水分散性ポリイソシアネート組成物である。
▲1▼NCO官能基を2以上もち且つ、NCO同士の結合を1つ以上含む環を有するポリイソシアネートの少なくとも1種
▲2▼イソシアネート基と反応しうる活性水素基を少なくとも1個以上有する親水性化合物
▲3▼{RO(CH2 CH2 O)n H}の一般式からなる疎水性化合物、但し、n=1〜5の整数を表し、R=炭素数8〜30の炭化水素基を表す。
【0006】
また、上記水分散性ポリイソシアネート組成物と水分散性ポリエステル樹脂からなる水性接着剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の、NCO官能基を2以上もち且つ、NCO同士の結合を1つ以上含む環を有するポリイソシアネートのうち好ましいものは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート又は、イソホロンジイソシアネート由来の多量化ポリイソシアネートであり、それらは、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基含有ポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを挙げることが出来る。特に好ましくは耐熱性、耐水性、架橋性に優れるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートであり、さらに好ましくは1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
ポリイソシアネートとしては、これらの1種を使用することができるが、好ましくはこれらの混合物を用いる。
【0008】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物を得るためのNCO基と反応しうる親水性化合物としては、ノニオン性化合物のポリアルキレンエーテルモノアルコール、ポリオキシアルキレンエステルモノアルコールが挙げられる。該ポリアルキレンエーテルアルコール、ポリオキシアルキレンエステルのアルキレンオキシドユニットは5〜40個で好ましくは5〜10個である。アルキレンオキシドのうち好ましいものはエチレンオキシドであり、5〜40個のエチレンオキシドユニットからなるノニオン性の常温液体の親水性化合物を使用する事により、水分散性ポリイソシアネート組成物が低温で流動することになり好ましい。
【0009】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物を得るためのNCO基と反応しうる疎水性化合物としては、一般式{RO(CH2 CH2 O)n H}で表され、nは1〜5であり、特に好ましくは1〜3である。Rは炭素数8〜30の脂肪族炭化水素化合物であり、特に12〜20が好ましい。例えばRは、オクチル、カプリル、ノニル、デシル、ラウリル、オレイル、イソステアリル等が挙げられる。又、Rが炭素数13以上の直鎖の飽和脂肪族化合物では水分散性ポリイソシアネート組成物を製造した場合、常温で凝固するため、Rは不飽和及び分岐タイプが望ましい。
【0010】
該疎水性化合物でn=6以上の物は、親水性が増し接着剤としての耐水性が低下する。また、凝固温度の高い疎水性化合物で変性した場合、疎水性化合物の影響をうけポリイソシアネート組成物の凝固温度が高くなり、常温での分散性、作業性が悪くなるため好ましくない。該疎水性化合物は常温で液体の物が好ましい。
【0011】
疎水性化合物として、エチレングリコール鎖を有さない物(式中のn=0)を使用した場合には、ポリイソシアネート組成物としての水分散性が低下し、水分散性ポリエステル樹脂との混合が不均一になったりするので好ましくない。エチレングリコール鎖のnは1〜5の範囲が好ましい。
【0012】
該疎水性化合物は、ポリイソシアネートと反応した後、疎水性鎖部分により、付近に存在する未反応のNCO基とその周りに存在している水分子との、反応を立体障害物あるいはその疎水基に基づいて界面化学的に抑制しているものと考えられる。疎水性基とNCO基の間にエチレングリコール鎖を導入することによって、前述の効果がより有効に働いているものと思われる。
【0013】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物の製造に於いて、該親水性化合物は、該ポリイソシアネートのNCO含有量を基準として、5.0〜40mol%となる量を用いるのが望ましい。親水性化合物の導入量が少なすぎる場合は、これにより変性されたポリイソシアネート組成物の水分散性が悪くなり、沈降等起こし好ましくない。逆に親水性化合物の導入量が多すぎる場合は、水中でのイソシアネート基の安定性が低下してしまい、水中におけるNCO基の残存時間が短くなる。
【0014】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物の製造に於いて、該疎水性化合物は、該ポリイソシアネートのNCO含有量を基準として、5.0〜20mol%となる量を用いるのが望ましい。該疎水性化合物の、導入量が少なすぎる場合は、これにより変性されたポリイソシアネート組成物の接着性において耐水性が得られない。逆に疎水性化合物の導入量が多すぎる場合は、ポリイソシアネート組成物の水分散性及びぬれ性が低下してしまう。
【0015】
親水性化合物、疎水性化合物による、ポリイソシアネートの変性量は、平均NCO官能基数2.0〜3.0が望ましい。本発明の水分散性ポリイソシアネートは、親水基を導入する事により水分散性を向上させ、疎水基を導入する事で水中でのNCO基を安定させる。親水基と疎水基のバランスを考慮して導入したことにより、同時に水中でのNCO基と水との反応を抑制している。
【0016】
ここで平均NCO官能基数2.0〜3.0とは、親水性化合物、疎水性化合物による変性後の組成物中の含有NCO重量%が5〜20重量%、好ましくは7〜17重量%にすることである。
【0017】
NCOの含有量は次の分析によって求めることができる。
試料3〜4gを三角フラスコにとり、1/2規定ジ−n−ブチルアミン溶液(ジ−n−ブチルアミン26mlをトルエンに溶解し、全容を300mlとしたもの)を20ml加えて溶解する。
イソプロピルアルコール100mlを加え、BCG(ブロムクレゾールグリーン)を指示薬として1/2規定塩酸で滴定する。
同様に空試験を行う。NCOの含有量は次式によって求めることが出来る。
NCO(%)=(B−A)×F×0.02101×100÷W
ここでBは空試験の1/2規定塩酸滴定量(ml)
Aは本試験の1/2規定塩酸滴定量(ml)
Fは1/2規定塩酸のファクター
Wは試料重量(g)
【0018】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物と水分散性ポリエステル樹脂を配合して各種のプラスチックフィルム、金属箔の接着剤としての使用が可能である。これは、従来品と比べて優れた耐水性、耐熱性が得られる。また本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物は、適度な長さの疎水基と親水基とのバランスを考慮して導入することで、水中でのNCO基と水との反応が抑制されているため、長時間にわたり安定した接着性が継続する。
【0019】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物と反応し得る水溶性及び水分散性樹脂として、ポリエステル樹脂が挙げられる。例えば、バイロナールMD−1200,1400(東洋紡績(株)製)、WD3652,WJL6342(イーストマンケミカル社製)、ペスレジンA−515G,A−210、エヌレジンR−1978(高松油脂(株)製)が挙げられる。
【0020】
該水分散性ポリイソシアネート組成物と該水分散性ポリエステル樹脂を用いた接着剤のNCO基とNCO基と反応し得る官能基の混合比は10:1〜10:40であり、好ましくは10:5〜10:30である。
【0021】
該水分散性ポリイソシアネート組成物と該水分散性ポリエステル樹脂を用いた接着剤の希釈剤には水の使用が可能である。ラミネート用途では基材に対するぬれ性及び乾燥性を考慮して、希釈剤にアルコールを添加することができる。使用するアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが挙げられれ、添加量としては希釈剤の5〜50%であり、好ましくは10〜30%である。
【0022】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物と水分散性ポリエステル樹脂を用いて調製した接着剤の可使時間が切れた調製液は、次回の調製時の希釈剤として使用可能であり、資源の有効利用及び産業廃棄物の減少に寄与する。
【0023】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物を接着剤に使用する場合、用途に応じて硬化及び反応を速めるための促進剤の添加が可能である。促進剤としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、第三級アミン類、有機酸の金属塩などが挙げられる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例及び比較例をあげ、本発明を詳細に説明する。特にことわりのない限り、実施例中の部及び%はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
【0025】
〔水分散性ポリイソシアネートの製造〕
実施例1
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、HDI三量体(HDIは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの略、三量体とはHDIイソシアヌレート体を表す、NCO% 21.9、住友バイエルウレタン(株)製スミジュールN−3500、以下、N−3500と称す)65部とHDI二量体(HDIウレトジオン、NCO% 21.7、住友バイエルウレタン(株)製ディスモジュールN−3400、以下、N−3400と称す)35部にポリオキシエチレンモノメチルエーテル(水酸基価140、日本油脂(株)製、以下、ユニオックスM−400と称す)20部を加え、昇温し、75℃2時間反応した後、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル(水酸基価150、試薬、以下、PEG(2) モノオレイルエーテルと称す)10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.4%、粘度1750cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(B−1)を得た。
【0026】
実施例2
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を100部にユニオックスM−400を20部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、PEG(2) モノオレイルエーテル10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.5%、粘度2500cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(B−2)を得た。
【0027】
実施例3
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を100部にユニオックスM−400を20部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、PEG(3) モノオレイルエーテル10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.5%、粘度2600cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(B−3)を得た。
【0028】
実施例4
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を100部にユニオックスM−400を25部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、PEG(4) モノオレイルエーテル10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.5%、粘度2500cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(B−4)を得た。
【0029】
実施例5
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、HDI変性体(HDIイソシアヌレート体、NCO% 22.5、武田薬品工業(株)製、タケネートD−170HN、以下D−170HNと称す)100部にM−400を25部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、PEG(2) モノオレイルエーテル10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量15.0%、粘度2400cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(B−5)を得た。
【0030】
比較例1
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を65部と、N−3400を35部にユニオックスM−400を加え、昇温し、75℃2時間反応した後、トリデシルアルコール10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量13.3%、粘度1750cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(H−1)を得た。
【0031】
比較例2
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を100部にユニオックスM−400を20部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、PEG(7) モノオレイルエーテル10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.1%、粘度2600cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(H−2)を得た。
【0032】
比較例3
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を65部と、N−3400を35部にユニオックスM−400を20部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、オレイルアルコール10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.0%、粘度2100cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(H−3)を得た。
【0033】
比較例4
攪拌機、温度計、窒素シール管、冷却管のついた反応器に、N−3500を100部にユニオックスM−400を20部加え、昇温し、75℃2時間反応した後、トリデシルアルコール10部を加え、75℃保持しながら2時間反応させ、NCO含有量14.9%、粘度4050cP/25℃の淡黄色透明液体の水分散性ポリイソシアネート組成物(H−4)を得た。
【0034】
表1、表2に評価結果を示した。
ここで、分散安定性の評価方法では均一性を、ぬれ性の評価方法は、樹脂分10%の水分散液をアルミ箔、PETフィルムに塗布した時の弾き性を評価した。
【0035】
【表1】
Figure 0003885216
【0036】
【表2】
Figure 0003885216
【0037】
実施例6
水分散性ポリイソシアネート組成物(B−1)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0038】
実施例7
水分散性ポリイソシアネート組成物(B−2)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0039】
実施例8
水分散性ポリイソシアネート組成物(B−3)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0040】
実施例9
水分散性ポリイソシアネート組成物(B−4)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0041】
比較例4
水分散性ポリイソシアネート組成物(H−1)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0042】
比較例5
水分散性ポリイソシアネート組成物(H−2)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0043】
比較例6
水分散性ポリイソシアネート組成物(H−3)と水分散性ポリエステル樹脂A−1(高松油脂製、ペスレジンA−210)を3部/10部の割合で、樹脂濃度が10%になる量の水を加えて十分に攪拌、混合し、水性接着剤組成物を調整した。これを押し出しラミネートし、各フィルム間の接着強度を測定した。
【0044】
接着剤強度の評価方法
常態強度:ラミネート後、40℃×24時間エージングした後、15mm巾のテストピースをラミネートフィルムより切り出し、180°T剥離強度を万能引張試験機を用いて測定した。
耐水強度:40℃×24時間エージングしたラミネートフィルムを15mm巾のテストピースをラミネートフィルムより切り出し、室温24時間水に浸漬後、同様の測定を行った。
測定した数値を表3、表4に示した。尚、表中のBFはベースフィルムが切れた事を示す。
【0045】
フィルム構成
耐水:室温24時間水に浸漬後、測定した。
▲1▼PET12μ/接着剤/PE30μ
▲2▼PET12μ/Al7 μ/接着剤/PE30μ
【0046】
【表3】
Figure 0003885216
【0047】
【表4】
Figure 0003885216
【0048】
表1、2の結果より、水分散性ポリイソシアネート組成物は水分散安定性と基材に対する優れたぬれ性を有し、接着剤の塗布量が均一となり、表3、4より、接着性に於いて、常態強度及び耐水性に優れたバランスの良い接着剤が提供できることがわかる。
【0049】
【本発明の効果】
本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネートに親水基を導入する事で水分散が可能になり、疎水基をバランス良く導入する事により、優れた分散安定性と分散後のNCO基の安定性を得ることができた。さらに水分散性ポリイソシアネート組成物と水分散性ポリエステル樹脂で調整した水性接着剤においても、本発明の水分散性ポリイソシアネート組成物は分散状態で安定した使用が長時間可能となった。さらに接着剤のぬれ性を良くすることで接着面の塗布むらをなくし基材と基材の密着性が良好となり、接着性を向上させることが可能となった。また、本発明の水性接着剤は、水分散性ポリイソシアネート組成物と水分散性ポリエステル樹脂が水中で均一な分散が可能となり、水性接着剤でありながら優れた耐水性が得られ、得られ接着剤調製後の使用において長時間安定した接着性を得ることが可能となった。

Claims (4)

  1. 下記、(1)、(2)、(3)を反応してなる組成物であって、その組成物のNCO含有量が7〜17重量%であることを特徴とする水分散性ポリイソシアネート組成物。
    (1) NCO官能基を2以上もち且つ、NCO同士の結合を1つ以上含む環を有するポリイソシアネートの少なくとも1種
    (2)アルキレンオキシドユニットを5〜40個有するポリアルキレンエーテルモノアルコール、またはポリオキシアルキレンエステルモノアルコールからなる親水性化合物
    (3){RO(CH2CH2O)nH}の一般式からなる疎水性化合物、但し、n=1〜5の整数を表し、R=炭素数8〜30の炭化水素基を表す。
  2. 成分(1)のポリイソシアネートとして、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート又は、イソホロンジイソシアネート由来の多量化ポリイソシアネートを用いることを特徴とする請求項1記載の水分散性ポリイソシアネート組成物。
  3. 成分(1)のポリイソシアネートとして、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基含有ポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、から選ばれる1種以上を使用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の水分散性ポリイソシアネート組成物。
  4. 水溶性または水分散性ポリエステル樹脂と請求項1〜3記載の水分散性ポリイソシアネート組成物からなる水性接着剤。
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