JP3884510B2 - 固定化免疫学的活性物質の保存時安定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定化免疫学的活性物質の保存時安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床診断薬等の分野で広く使用されているイムノメトリックアッセイは、一般的にはtwo−site法(サンドイッチ測定法)による固相法が使われている。この測定方法は、測定すべき物質(被検物質;Ag)のエピトープを異にする2種類の抗体(Ab1,Ab2)を用いる。
まず、合成高分子等からなる固相(SP)の表面にAb1を固定した後、これにAgを加えて結合させる。次いで、標識した抗体(Ab2*)を反応させた後、洗浄して遊離Ab2*を除去し、固相に結合したAb2*(結合型,B)の標準活性を測定する。この場合Ag量に応じてBが増加し、両者間に標準曲線が得られる。この標準曲線より検体中の抗原量を測定する。また、抗原と抗体とを逆にして、つまり標識抗原を用いて検体中の抗体量を測定する方法も用いられている(Ag1,Ag2*およびAbを用いて測定する)。
これらの標識物質には、アイソトープ、酵素、蛍光物質あるいは発光物質等が用いられている。
【0003】
これらサンドイッチ法の感度を左右する主な要因の1つは標識抗体の抗体結合固相への非特異的吸着あるいは標識抗原の抗原結合固相への非特異的吸着にある。こうした非特異的吸着は、標識に用いた標識物質の性質に依存し、例えば、酵素標識抗体の非特異的吸着の場合、アルカリフォスファターゼ標識抗体、グルコースオキシダーゼ標識抗体、ペルオキシダーゼ標識抗体の非特異的吸着は、いずれも加えた量の30000万分の1であり、β−D−ガラクトシダーゼ標識抗体の非特異的吸着は2000分の1である(医学書院「酵素免疫測定法」第158〜〜頁、1989年)。これらの非特異的吸着はサンドイッチ法における感度の低下および再現性の低下を起こしている。
【0004】
従来、これら非特異的吸着を防止するために、次の(1)〜(3)の方法が知られている。
(1)イムノアッセイをpH5〜6の弱酸性の緩衝液で行なう方法、
(2)Ab1を吸着させた後で、固相の余分な蛋白質結合部位を卵白アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、正常血清等を用いてブロックする方法、
(3)有機酸を主成分とする緩衝液に乳蛋白質を溶解し、減菌処理した非特異的吸着防止剤を用いる方法(特開平01−217266号公報)。
しかしながら、(1)の弱酸性での操作や(2)や(3)の各種蛋白質でのブロッキングでは、その蛋白質非特異的吸着防止能は十分ではなく、臨床診断等の分野ではより優れた蛋白質非特異的吸着防止剤の開発および蛋白質非特異的吸着防止処理を施した、免疫学的活性物質固定化固相の開発が望まれている。
また、市販の卵白アルブミン、ウシ血清アルブミン、ウシ胎児血清、乳蛋白質等の蛋白質にはしばしば免疫グロブリン、酵素あるいはホルモン等の混入があり、反応に影響をあたえ分析値に誤差を生じさせるため問題となっている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、免疫学的活性物質固定化固相に固定化された免疫学的活性物質を経時的に安定化しうる固定化免疫学的活性物質の保存時安定化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、免疫学的活性物質固定化固相に固定化された免疫学的活性物質を安定化させるにあたり、担体に免疫学的活性物質を固定化させた後、2−メタクリロイルオキシエチル−2 ' −(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートを含む重合成分を重合させたホスホリルコリン基含有重合体を、免疫学的活性物質固定化固相に吸着させることを特徴とする固定化免疫学的活性物質の保存時安定化方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、免疫学的活性物質固定化固相に固定化される免疫学的活性物質は特に限定されるものではないが、例えば次の(a) 〜 (g)のもの等が挙げられる。
(a)C反応性蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)、トランスフェリン等の血漿蛋白質あるいはこれら血漿蛋白質に対する抗体、
(b)甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)、チロキシン結合蛋白質(TBG)、サイログロブリン、インスリン、エストリオール(E3)、絨毛性ゴナドトロビン(HCG)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)等のホルモンあるいはこれらホルモンに対する抗体、
(c)癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブリン、α−フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物質あるいはこれら腫瘍関連物質に対する抗体、
(d)HBS抗原、HBS抗体、HBe抗原、HBe抗体等のウイルス肝炎の抗原または抗体あるいは、これらウイルス肝炎の抗原または抗体に対する抗体または抗原、
(e)ムンプス、ヘルペス、麻疹、風疹、サイトメガロ等のウイルス、抗エイズ抗体等の各種生体成分に対する抗体または抗原、
(f)フェノバルビタール、アセトアミノフェノン、サリチル酸、シクロスポリン等の各種薬剤に対する抗体、
(g)酵素あるいは酵素に対する抗体。
なお、固定化される抗体に対する抗原、または固定化される抗原に対する抗体が、測定対象の免疫学的活性物質(被検物質)として使用できる。
【0010】
本発明において、免疫学的活性物質固定化固相における担体の材質及び形状は特に限定されるものではないが、例えば材質としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート等の合成樹脂;ニトロセルロース、セルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;金属、セラミック、ガラス、シリコンラバー等の無機物を挙げることができる。また、形状としては、例えば、試験管状、タイタープレート状、ラテックス状、フィルター状、フィルム状、微粒子状等を挙げることができる。
【0011】
本発明において、免疫学的活性物質固定化固相に吸着させるホスホリルコリン(以下、PCと略す)基含有重合体は、2−メタクリロイルオキシエチル−2 ' −(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(以下、MPCと略す)を含む重合成分を重合させた重合体である。
本発明で用いるPC基含有重合体は、MPCの単独重合体であっても、MPCと他の共重合可能なビニル単量体との共重合体でもよい。PC基含有重合体中のPC基含有割合は、PC基含有重合体に対し、1〜100モル%が好ましく、特に5〜10モル%が好ましい。含有割合が1モル%未満の場合には、非特異的吸着を防止することが困難になるので好ましくない。またPC基含有重合体は、重合温度、重合開始剤使用量、重合度調整剤の使用等によっても異なるが、好ましくは数平均分子量(Mn)1,000〜1,000,000、特に好ましくは2,000〜500,000の重合体である。
【0012】
前記MPCと共重合可能な他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、メチル核置換スチレン、クロロ核置換スチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の置換、もしくは無置換炭化水素系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ジエチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネート等が挙げられる。特に好ましくは、メタクリル酸エステル、スチレン等を好ましく挙げることができる。
【0013】
PC基含有重合体を調製するには、前述のMPCを含む重合成分を、例えば重合開始剤を用いたラジカル重合等の通常の重合方法により重合させることにより得ることができる。
【0014】
重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に限定されず、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過硫酸塩、過硫酸−亜硫酸水素塩等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、用いる全単量体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜5重量部である。
【0015】
重合条件は、好ましくは30〜80℃、特に好ましくは40〜70℃において2〜72時間重合させるのが望ましい。この際、重合反応をより円滑に行なうために溶媒を用いてもよく、該溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルムおよびこれらの混合物等を挙げることができる。
【0016】
本発明において、重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相は、前記担体に免疫学的活性物質を、例えばインキュベート等により固定化させた免疫学的活性物質固定化固相に、前記PC基含有重合体を含む溶液を添加等して、PC基含有重合体を吸着させる方法等によりえることができる。
PC基含有重合体を含む溶液は、懸濁液であっても溶液であってもよく、好ましくはリン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、各種生理食塩水等の溶解液あるいは懸濁液が挙げられる。これらの液にジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を0.01〜20重量%添加することもできる。特に好ましくはリン酸緩衝液、各種生理食塩水等の溶解液が挙げられる。PC基含有重合体を含む溶液中のPC基含有重合体の濃度は、好ましくは0.00001〜10重量%であり、特に、蛋白質の固相への非特異的吸着を防止し、且つ固定化免疫学的活性物質の安定化能を著しく向上させうるように、0.0001〜5重量%が好ましい。
PC基含有重合体を免疫学的活性物質固定化固相に吸着させるには、担体表面に免疫学的活性物質を結合させた後、前記PC基含有重合体を含む溶液を添加してそのまま保持あるいは、添加後にある所定の時間インキュベートし、続いて残存のPC基含有重合体を含む溶液を除去することにより行うことができる。PC基含有重合体を含む溶液を添加してから除去するまでのインキュベート時間は、PC基含有重合体を含む溶液の濃度あるいはインキュベート温度等にもよるが、1分間〜72時間が好ましい。特に、固相化された免疫学的活性物質の安定化効果を向上させるために、30分間〜48時間が好ましい。インキュベート時間が1分未満では、所望の効果が得られない恐れがある。インキュベート温度は、好ましくは0〜55℃、特に、固定化免疫学的活性物質の免疫学的活性に影響のない、4〜40℃が好ましい。
PC基含有重合体の固相への吸着量は、特に限定されるものではないが、好ましくは10ng/48ウェル〜10000ng/48ウェル、特に好ましくは、固定化免疫学的活性物質の安定化に寄与し、添加する重合体溶液の粘性も低く扱い易い、100ng/48ウェル〜1000ng/48ウェルが挙げられる。10ng/48ウェル未満では、固定化免疫学的活性物質の安定化が不十分になる恐れがあり、10000ng/48ウェルを超えると、添加する重合体溶液の濃度を高くするか、或いは重合体溶液を添加してから除去するまでの時間を長くする必要がある。重合体溶液の濃度を高くすると粘性も高くなり扱い難くなり、時間を長くすると迅速な測定が困難になり好ましくない。
【0017】
本発明において、重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相は、PC基含有重合体が吸着されているので、保存時の固定化された免疫学的活性物質の安定性が良好である。このようにして調製された重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相の保存方法は特に限定されないが、好ましくは、そのまま放置、密封、凍結、あるいは凍結乾燥後に密封等が挙げられ、特に好ましくは、固定化免疫学的活性物質の安定化効果を更に向上させるために、密封あるいは凍結乾燥後に密封して保存するのが望ましい。
【0018】
本発明に用いる重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相は、あらゆる分野、方法で利用可能であり、例えば臨床検査、免疫学、生化学、分子生物学等の研究分野で利用可能であり、特に、酵素免疫測定法(ELISA)、放射線免疫測定法(RIA)、あるいはウエスタンブロッティング法等の免疫学的測定方法に多用することができる。
【0019】
本発明の方法を、例えば、担体としてポリスチレン製タイタープレートを用いた場合について以下に説明する。
【0020】
(1)まず最初に、測定対象物と特異的に反応する抗体を含む溶液をポリスチレン製タイタープレートに加え、4℃、12時間等の所望条件でインキュベートした後、生理食塩水で数回洗浄し、免疫学的活性物質固定化固相を調製する。
(2)次に、MPC重合体等のPC基含有重合体を0.01重量%含む溶液を前記免疫学的活性物質固定化固相に添加し、4℃、12時間等の所望条件でインキュベートした後、PC基含有重合体を含む溶液を除去し、重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相を調製する。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、酵素、ホルモン等の混入がないPC基含有重合体が吸着されているので、固定化された免疫学的活性物質が長期間安定であり、高感度で精度の高い分析の実施が可能となる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
合成例1:MPC重合体の合成
総単量体濃度が1.0mol/lおよび重合開始剤量が単量体に対して1mol%となるように、MPC5.905g(0.02mol)を重合用ガラス反応管に秤取し、これに重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略す)0.0328g(0.2mmol)、並びに重合溶媒としてメタノール20mlを加えた。反応管内を充分にアルゴン置換した後、密封した。次いで、24時間、50℃に加温することにより重合反応を行なった。反応混合物を氷冷した後、400mlのジエチルエーテルに滴下することにより重合物を沈澱させた。沈澱物を濾別し、充分にジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末状の重合物(重合体Aと称す)を3.691g得た。重合体の収率は62.5%であった。
分子量は重合物のリン酸緩衝溶液液をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて分析することにより測定した結果、ポリエチレングリコール換算で68000であった。
【0023】
合成例2:MPC−メタクリル酸−n−ブチル(以下BMAと略す)共重合体の合成
MPCとBMAとのモノマー仕込みモル比がMPC/BMA=40/60、総単量体濃度が1.0mol/l、並びに重合開始剤量が単量体に対して1mol%となるように、MPC1.435g(4.9mmol)、BMA2.153g(15.1mmol)を重合用ガラス反応管に秤取し、これに重合開始剤としてAIBN0.0328g(0.2mmol)、並びに重合溶媒としてメタノール20mlを加えた。反応管内を充分にアルゴン置換した後、密封した。次いで、24時間、60℃に加温することにより、重合反応を行なった。反応混合物を氷冷した後、400mlのジエチルエーテルに滴下することにより重合物を沈澱させた。沈澱物を濾別し、充分にジエチルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末状の重合物(以下重合体Bと称す)を2.019g得た。重合体の収率は、65.3%であった。
分子量は重合物のテトラヒドロフラン溶液をGPCを用いて分析することにより測定した結果、ポリスチレン換算で32000であった。
モル組成比は元素分析の結果より、MPC/BMA=38.5/61.5であった。
【0024】
合成例3
BMAの代わりにメチルメタクリレート(MMAと略す)を用い、合成例2に準じて共重合体(以下重合体Cと称す)を合成した。得られた共重合体のモル組成および分子量は、MPC/MMA=34.4/65.6、Mn=69000であった。
【0025】
合成例4
BMAの代わりにスチレン(以下Stと略す)を用い、合成例2に準じて共重合体(重合体Dとする)を合成した。得られた共重合体のモル組成および分子量は、MPC/St=38.5/61.5、Mn=26000であった。
【0026】
合成例5
BMAの代わりに2−ヒドロキシエチルメチルメタクリレート(以下HEMAと略す)を用い、合成例2に準じて共重合体(以下重合体Eと称す)を合成した。得られた共重合体のモル組成および分子量は、MPC/HEMA=21.5/78.5、Mn=32000であった。
【0027】
合成例1〜5に用いた単量体、得られた共重合体の重合体の収率、モル組成及び分子量を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1−1
10μl/mlの抗マウス抗体生理食塩水溶液(和光純薬工業(株)製)をポリスチレン製タイタープレートに100μl/ウェルで加え、4℃、一晩インキュベートして物理的に吸着させた後に、生理食塩水溶液で4回洗浄を行った。次いで、合成例2で合成した重合体B0.001重量%添加した生理食塩水溶液を300μl/ウェルで加え、4℃、一晩インキュベートした後に、共重合体溶液を除去し、免疫学的活性物質固定化固相を調製した。
調製した免疫学的活性物質固定化固相をアルミラミネートポリエチレン袋に密封した後に、40℃で保存した。0日後(試験開始日)、1週間後、2週間後、3週間後及び、4週間後に、1μg/mlのマウス抗体生理食塩水溶液を50μl/ウェル添加し、25℃、2時間インキュベートした後、生理食塩水で4回洗浄した。次いで、パーオキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体(和光純薬工業(株)製)を生理食塩水で10000倍に希釈し、100μl/ウェル添加した後、25℃、2時間インキュベートし、続いて生理食塩水で4回洗浄した。次に和光純薬工業(株)製の商品名「OPD錠」1錠を0.006%の過酸化水素を含むリン酸/クエン酸緩衝液12mlに溶解した溶液を、100μl/ウェル添加した後、25℃、10分間インキュベートした。次いで、2Nの硫酸溶液を100μl/ウェル加えた後に、東ソー社製マイクロプレートリーダー「MPR−A41」(商品名)を用いて、各ウェルの492nmの吸光度を測定し、0日後の吸光度を100%として、各週間後の%を求めた。測定結果を表1に示す。
【0030】
実施例1−2及び1−3
合成例2で合成した重合体Bの代わりに、合成例3及び4で合成した重合体C及びDを用いた以外は実施例1−1と同様に免疫学的活性物質固定化固相を得、各測定を行った。結果を表1に示す。
【0031】
比較例1−1
合成例2で合成した重合体Bの代わりに、1重量%のウシ血清アルブミンを用いた以外は実施例1−1と同様に免疫学的活性物質固定化固相を得、各測定を行った。結果を表1に示す。
【0032】
実施例1−4
ガラス試験管(径;12mm、高さ;75mm)に3−アミノプロピルトリエトキシシランを0.5ml加え、室温で20分間インキュベートした後に、生理食塩水で4回洗浄した。次に、2.5重量%−グルタルアルデヒドを含む生理食塩水を0.5ml加え、室温で2時間インキュベートした後に、生理食塩水で2回洗浄した。次に、10μl/mlの抗マウス抗体(和光純薬工業(株)製)の生理食塩水溶液を0.5ml加え、室温で2時間インキュベートした後に、生理食塩水溶液で4回洗浄を行った。次いで合成例1で合成した重合体Aを0.01重量%添加した生理食塩水溶液を1ml加え、室温で30分間インキュベートした後に、重合体溶液を除去し、免疫学的活性物質固定化固相を得た。
調製した重合体吸着免疫学的活性物質固定化固相を密封した後に、40℃で保存した。0日後(試験開始日)、1週間後、2週間後、3週間後及び4週間後に、1μg/mlのマウス抗体生理食塩水溶液(和光純薬工業(株)製)0.5mlを試験管に添加した後、25℃、2時間インキュベートし、続いて生理食塩水で4回洗浄した。次いで、パーオキシダーゼ標識−抗マウス抗体−抗体(和光純薬工業(株)製)を生理食塩水で20000倍に希釈し、0.5mlを試験管に添加した後、25℃、2時間インキュベートし、続いて、生理食塩水で4回洗浄した。和光純薬工業(株)製の商品名「OPD錠」1錠を0.006%の過酸化水素を含むリン酸/クエン酸緩衝液12mlに溶解した溶液0.5mlを試験管に添加した後、25℃、10分間インキュベートして、2Nの硫酸溶液0.5mlを試験管に添加した後、日本分光社製分光光度計、商品名「Ubest−50」を用いて、各試験管の492nmの吸光度を測定し、0日後の吸光度を100%として、各週間後の%を求めた。測定結果を表1に示す。
【0033】
実施例1−5
実施例1−4で用いた重合体Aの代わりに、合成例5で合成した重合体Eを用いた以外は実施例1−4と同様に免疫学的活性物質固定化固相を得、各測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0034】
比較例1−2
実施例1−4で用いた重合体Aの代わりに、1重量%のウシ血清アルブミンを用いた以外は実施例1−4と同様に免疫学的活性物質固定化固相を得、各測定を行った。測定結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
以上の結果、本発明の場合、固定化された免疫学的活性物質の安定性が優れていることが判る。
Claims (1)
- 免疫学的活性物質固定化固相に固定化された免疫学的活性物質を安定化させるにあたり、担体に免疫学的活性物質を固定化させた後、2−メタクリロイルオキシエチル−2 ' −(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートを含む重合成分を重合させたホスホリルコリン基含有重合体を、免疫学的活性物質固定化固相に吸着させることを特徴とする固定化免疫学的活性物質の保存時安定化方法。
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