JP3884466B1 - 室内便器収納構造および居室 - Google Patents

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【課題】 車輪付き家具を移動することで簡単にトイレスペースを確保し、この家具の移動跡に現れる洋式水洗便器を使用可能にすると共に、普段は遮蔽されて洋式水洗便器が見えず、また、前記トイレスペースが地震時における避難スペースにもなり、狭いスペースを有効活用可能である室内便器収納方法および室内便器収納構造ならびに居室を提供すること。
【解決手段】 室内1の隅部1aに配置した洋式水洗便器2を、床上1dを移動可能な車輪付き家具8における少なくとも背面側および/または一側面側に開口状の前記洋式水洗便器2が収納可能な大きさの便器収納部9内に遮蔽状に収納し、この家具8を正面側あるいは他側面側に移動することで前記洋式水洗便器2が使用可能に露呈し且つ家具8の移動跡のトイレスペースSが形成されるようにした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、室内の隅部に配置された洋式水洗便器の収納構造ならびに居室に関する。
特許文献1に掲載されている家具調圧送便器がある。これの構成は、少なくとも洗浄水を貯留するロータンクと、排水を溜める汚水タンク及び排水を圧送する圧送ポンプを隠蔽状に内装させ、家具調に外装仕上げしたものである。また、底側に移動可能に車輪を設けたことが記載され、さらに、前記圧送ポンプに接続された排水用ホースを、内部に隠蔽状に収納可能に構成したことが記載されている。
そして、外観が家具調に形成されて室内に設置しても不潔感がなく、他の家具と一体感をなして室内に良好に設置することができるものとなる。また、容易に設置場所を移動させて移設することができるものとなる。また、排水用ホースをも内部に隠蔽させて良好な家具調に仕上げることができ、所定場所に設置後に容易に排水用ホースを取り出して排水管等に接続し、室内に容易に家具調圧送便器の設置が可能となる効果があるとしている。
ところが、かかる家具調圧送便器では、洗浄水を貯留するロータンクと、排水を溜める汚水タンク及び排水を圧送する圧送ポンプを内装した一体型であるために、各タンクは一定以上の容量のものになって大型化し、しかも、ロータンクへの洗浄水の給水作業や排水用ホースを取り出して排水管等に接続する作業を要し、衛生面からも慎重な作業になるし、また、排水用ホースが屋内を這うことになって見た目の印象が悪い。
特開平10−259634
解決しようとする課題は、第1には、車輪付き家具を移動することで簡単にトイレスペースを確保し、この家具の移動跡に現れる洋式水洗便器を該便器の前および/または前横の手摺り部を掴んだり肘を置く等して、洋式水洗便器に座ったり立ち上がったりする際に体力的な負担が大きい高齢者や肥満の人等でも比較的にたやすく動いて使用可能にすると共に、洋式水洗便器前部と手摺り部との間の間隔を体の大きさに応じて調整して、もっとも使い易いように手摺り部位置を調整可能にし、普段は遮蔽されて洋式水洗便器が見えず、また、前記トイレスペースが地震時における避難スペースにもなり、狭いスペースを有効活用可能である室内便器収納構造を、第2には、さらに、洋式水洗便器前部と手摺り部との間の間隔調整を、家具におけるレバーを回し操作するだけでたやすく行える室内便器収納構造を、第3には、さらに、家具における操作レバーにより車輪付き家具の移動が容易に行える室内便器収納構造を、第4には、家具そしてトイレスペースさらに避難スペースを共有し、日常生活を支障なく送ることが可能であると共に地震等の緊急時に備えがある居室を提供することにある。
本発明は前記した課題を達成するため、以下の構成にしたことを特徴とする。
1.室内に、該室内の隅部に配置した洋式水洗便器と、前記洋式水洗便器が収納可能な大きさの便器収納部を底面側と背面側と一側面側のうちの少なくとも背面側に開口して形成してある車輪付き家具を有し、この車輪付き家具を洋式水洗便器に対して接離する方向に室内の天井部におけるガイドレールに沿い床上を移動および停止状態にロック可能に形成すると共に、該家具における背面側および/または一側面側に手摺り部を配設し、家具に設けられた間隔調整手段により手摺り部と洋式水洗便器前部との間の間隔を拡縮調整可能に移動自在に形成し、車輪付き家具がガイドレールに沿い移動した跡の水洗便器が現れた状態で、当該家具により地震等で落ちる天井を受け止めて壁面部との間に避難空間を確保し得るように形成してあることを特徴とする。
2.前記した1において、間隔調整手段は、レバーを回して締めつけることで、手摺り部を洋式水洗便器の前部の適宜間隔をおいた前位置にロック自在であると共に、レバーを逆回しして緩めることで、手摺り部と洋式水洗便器の前部との間隔を調整自在に形成してあることを特徴とする。
3.前記した1または2において、家具における左右側面の操作レバーを操作することでコントロールケーブルを経て車輪をロックおよびロック解除して移動および停止可能にしてあることを特徴とする。
本発明の居室では以下の構成にしたことを特徴とする。
4.前記した1〜3のいずれか1記載の室内便器収納構造を有していることを特徴とする。
本発明における室内の隅部に配置される洋式水洗便器は、床据え付けタイプのものであってもよいし、壁に取り付け固定される壁取付タイプのものでもよい。また、局部洗浄乾燥装置付きのものでもよいし、便座が加温可能なものであってもよい。
家具は、車輪付きのものになり、洋箪笥,和箪笥,整理箪笥等の各種の箪笥、戸棚、書棚等が挙げられ、上からの荷重に強い構造にしてあるものが望ましい。車輪は、家具の移動方向が自由である旋回可能なキャスタータイプあるいは移動方向が一方向に規制されるコロタイプのもの等が挙げられる。この車輪による家具の移動および停止は、各車輪に備えられているブレーキを個別に操作して行なうタイプのものであってもよいし、家具あるいは手摺り部に備えられているレバー等でコントロールケーブルを経て遠隔操作して行なうタイプのものでもよく、この場合は取り扱い操作しやすくなる。たとえば、車輪がロックされた状態を、レバーを引く等の操作をすることでロック解除し得るようにしてもよいし、また、車輪のロックピンをソレノイドで駆動させてロック解除するようにしてある電動タイプのものでもよい。
かかる家具における便器収納部は、少なくとも洋式水洗便器を収納可能な大きさに開口されるが、さらに、洋式水洗便器に接続する給水管等の配管、洋式水洗便器における局部洗浄乾燥装置の洗浄・乾燥等の各種スイッチ類がある操作盤等を含めて遮蔽可能に開口形成していてもよい。また便器収納部は、洋式水洗便器が床据え付けタイプのものである場合、少なくとも底面側を含めて背面側に開口形成されることになり、洋式水洗便器が壁取付タイプのものである場合には、少なくとも背面側に開口形成されていればよく、底面側は開口してもしなくともよい。
また、家具における手摺り部は、箪笥等の背面側あるいは側面側に棒状体あるいは板状体等を配設して形成するようにしてもよい。また、手摺り部は、洋式水洗便器前方に向けて引き出しあるいは揺動可能なものでもよいし、洋式水洗便器前部との間の間隔を調整可能に形成してあるものになる。かかる手摺り部の間隔調整手段は、体の大きさに応じて洋式水洗便器前部との間の間隔を調整可能なものであればよい。
ガイドレールは、洋式水洗便器に対して家具を接離可能な方向に誘導可能であればよく、天井に配設される。
居室とは、寝室を含む屋内の全ての居住空間を指す。
A.請求項1により、車輪付き家具を移動することで簡単にトイレスペースが確保でき、この家具の移動跡に現れる洋式水洗便器を該便器の前および/または前横の手摺り部を掴んだり肘を置く等して、洋式水洗便器に座ったり立ち上がったりする際に体力的な負担が大きい高齢者や肥満の人等でも比較的にたやすく動いて使用できる。そして、使用後には家具を戻すことにより、洋式水洗便器が家具で遮蔽されて見えなくなるので、訪問者は洋式水洗便器があることさえ気付かず違和感がない。また、前記トイレスペースは移動させた家具と壁面との間に確保されるので、地震時における避難スペースとしても有用であり、狭いスペースを有効活用できる。
洋式水洗便器前部と手摺り部との間の間隔を体の大きさに応じて調整することができ、老若男女を問わず各人がもっとも使い易いように調整できる。
車輪付き家具が予期せぬ方向に動くようなことがなく、動きが方向づけられていて移動が容易である。
B.請求項2により、さらに、洋式水洗便器前部と手摺り部との間の間隔調整を、レバーを回し操作するだけでたやすく行える。
C.請求項3により、さらに、操作が簡単で車輪付き家具の移動が容易である。
D.請求項4により、家具そしてトイレスペースさらに避難スペースを共有していることで、日常生活を支障なく送ることができると共に地震等の緊急時にも有用である。
図1〜図5には本発明の室内便器収納構造における実施の1形態を例示しており、寝室1の隅部1aに洋式水洗便器2を正面の壁面部1bに沿うように横向きに据え付けてある。また、洋式水洗便器2近くの壁面部1bには換気扇18を備えて臭気等が抜け易くしてある。
洋式水洗便器2は、局部洗浄乾燥機能付きの据え置きタイプのもので、正面の壁面部1bの給水管3から吐水レバー付き洗浄水タンク2aを経てボール面2bに給水可能にしてある。この洋式水洗便器2脇の正面の壁面部1bにはペーパーホルダー4および略L字状手摺り杆5ならびに局部洗浄乾燥装置(図示セズ)における洗浄・乾燥等の各種スイッチ類がある操作盤6を使い易い位置関係に適宜配設してある。
そして、洋式水洗便器2の直上の天井部1cには左右一対のガイドレール7を正面の壁面部1b際から手前に向けて前後方向に垂設し、この左右平行状のガイドレール7に沿い床部1d上の洋箪笥8を正面側および背面側(前後方向)に移動可能に配設してある。
洋箪笥8は、上面側の左右側縁に断面略L状の凹部8aを設け、この左右の凹部8aにそれぞれ遊合状のガイドレール7に誘導されて前後方向に移動可能に形成してある。また、洋箪笥8における底面側の四隅には車輪8bを固設して床部1d上を移動しやすくしてあると共に、左右側面の操作レバー8vを操作することでコントロールケーブルを経て車輪8bをロックおよびロック解除して移動および停止可能にしてあり、背面側には便器収納部8cを底面側を含めて開口して形成してある。便器収納部8cは、隅部1aの洋式水洗便器2及び壁面部1bのペーパーホルダー4,略L字状手摺り杆5,操作盤6を収納して遮蔽可能な大きさに形成してある。
便器収納部8c内におけるほぼ中間の床上60cm程度の高さに横棒状手摺り杆8iを備えてある。この横棒状手摺り杆8iはホルダー8j内すなわち便器収納部8c内から洋式水洗便器2の前部2cの前側すなわち同便器の使用時に手あるいは腕を掛けやすい位置にまで引き出しおよび押し戻し可能に設けてある。そして、横棒状手摺り杆8iは洋式水洗便器2の前部2cとの間の間隔を拡縮調整可能に形成してある。具体的には、ベース部8kにホルダー8jを配設して間隔調整手段8mにより左右方向に移動およびロック可能に配設してある。また、便器収納部8c内におけるホルダー8j後端近くに縦棒状手摺り杆8uを配設してある。
間隔調整手段8mは、ホルダー8jのアーム部8nにおける左右方向の長孔8pにレバー8rのネジ部8sを通し、該ネジ部8sをベース部8kのネジ孔8tに螺合してあり、このレバー8rを回して締めつけてベース部8kにアーム部8nを固定することで、横棒状手摺り杆8iを洋式水洗便器2の前部2cの適宜間隔をおいた前位置にロック自在であると共に、レバー8rを逆回しして緩めてホルダー8jを左右に移動させることで、横棒状手摺り杆8iと洋式水洗便器2の前部2cとの間隔を調整自在にしてある。
また、洋箪笥8の正面側には、観音開きの扉8dを開閉することで洋服等を出し入れ可能な収納部8e、引き違いの戸8fを開閉することで小物等を出し入れ可能な収納部8g、引出し8hを設けてある。
かかる洋箪笥8は、上からの荷重に強いように構造化し、地震等で天井が落ちた場合でも該天井を受け止めて正面の壁面部1bとの間に避難空間9を確保し得るように形成してある。
これにより、洋箪笥8がガイドレール7に案内されて後方へ移動して、背面側が正面の壁面部1bに添接した状態では、便器収納部8c内に洋式水洗便器2,ペーパーホルダー4,略L字状手摺り杆5,操作盤6が収納されて外から見えないように遮蔽されることになる(図4参照)。
そして、洋箪笥8がガイドレール7に案内されて前方へ移動して、背面側が正面の壁面部1bから離れて洋式水洗便器2がこれを使用可能なまでに現れた状態では、洋式水洗便器2,ペーパーホルダー4,略L字状手摺り杆5,操作盤6が全て使用可能に見えるように現れてトイレスペースSが形成され且つ避難空間9が確保されることになる(図3参照)。また、略L字状手摺り杆5に左手を、縦棒状手摺り杆8uに右手を、それぞれ掛けることにより、洋式水洗便器2に対する立ち座り動作がし易くなる。また、横棒状手摺り杆8iを引き出して両手あるいは両腕を掛けることにより、洋式水洗便器2に対する立ち座り動作がし易くなる。さらに、レバー8r操作により、洋式水洗便器2の前部2cと横棒状手摺り杆8iとの間の間隔を体の大きさに応じて使いやすく調整可能である。
本発明の室内便器収納構造における実施の1形態を例示し、洋箪笥を前に出した状態の平面図。 正面図。 側面図。 洋箪笥を後側に動かして洋式水洗便器を遮蔽した状態の縦断面図。 間隔調整手段の部分拡大縦断面図。
符号の説明
1 寝室(室内)
1a 隅部
1b 壁面部
1c 天井部
1d 床部
2 洋式水洗便器
2a 洗浄水タンク
2b ボール面
2c 前部
3 給水管
4 ペーパーホルダー
5 手摺り杆
6 操作盤
7 ガイドレール
8 洋箪笥(家具)
8a 凹部
8b 車輪
8c 便器収納部
8d 扉
8e 収納部
8f 戸
8g 収納部
8h 引出し
8i 横棒状手摺り杆
8j ホルダー
8k ベース部
8n アーム部
8m 間隔調整手段
8p 長孔
8r レバー
8s ネジ部
8t ネジ孔
8u 縦棒状手摺り杆
8v 操作レバー
9 避難空間
S トイレスペース

Claims (4)

  1. 室内に、該室内の隅部に配置した洋式水洗便器と、前記洋式水洗便器が収納可能な大きさの便器収納部を底面側と背面側と一側面側のうちの少なくとも背面側に開口して形成してある車輪付き家具を有し、この車輪付き家具を洋式水洗便器に対して接離する方向に室内の天井部におけるガイドレールに沿い床上を移動および停止状態にロック可能に形成すると共に、該家具における背面側および/または一側面側に手摺り部を配設し、家具に設けられた間隔調整手段により手摺り部と洋式水洗便器前部との間の間隔を拡縮調整可能に移動自在に形成し、車輪付き家具がガイドレールに沿い移動した跡の水洗便器が現れた状態で、当該家具により地震等で落ちる天井を受け止めて壁面部との間に避難空間を確保し得るように形成してあることを特徴とする室内便器収納構造。
  2. 間隔調整手段は、レバーを回して締めつけることで、手摺り部を洋式水洗便器の前部の適宜間隔をおいた前位置にロック自在であると共に、レバーを逆回しして緩めることで、手摺り部と洋式水洗便器の前部との間隔を調整自在に形成してあることを特徴とする請求項1記載の室内便器収納構造。
  3. 家具における左右側面の操作レバーを操作することでコントロールケーブルを経て車輪をロックおよびロック解除して移動および停止可能にしてあることを特徴とする請求項1または2記載の室内便器収納構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の室内便器収納構造を有することを特徴とする居室。
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