JP3884277B2 - ブロックイソシアネート基含有樹脂組成物及びこれを含む熱硬化性組成物 - Google Patents

ブロックイソシアネート基含有樹脂組成物及びこれを含む熱硬化性組成物 Download PDF

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    • C09D175/04Polyurethanes
    • C09D175/06Polyurethanes from polyesters

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロックイソシアネート基含有樹脂組成物に関し、詳しくは低温硬化性に優れ、且つ塗料用基体樹脂との相溶性に優れた、硬化剤成分として有用なブロックイソシアネート基含有樹脂組成物及びこれを含む熱硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】
近年、環境保全の観点から塗料焼付工程時のエネルギー使用量の削減が求められており、また一方で、被塗物の多様化のため低耐熱性素材への焼付塗料の適用も求められている。これらの要求に対し、アセト酢酸エステルやマロン酸ジエステルなどの活性メチレン化合物でブロックされたイソシアネート基をもつ樹脂を硬化剤として用いた塗料は、比較的低温で硬化するため有望である。この活性メチレン化合物でブロックされたイソシアネート基をもつ樹脂については、例えば特開昭60−149572号公報、特開昭57−121065号公報、特開平8−319332号公報、特開平10−231347号公報、特開平10−231348号公報などに種々開示されている。
しかしながら、上記活性メチレン化合物でブロックされたイソシアネート基をもつ樹脂は、低温で結晶化する場合があったり、また一般の塗料用樹脂に対する相溶性が低いため、使用する基体樹脂成分によっては得られる塗膜が海島構造に相分離して不均一になったり白濁したりしやすいという不具合があった。このため、使用できる樹脂種等が制限され、塗料設計の自由度が限られてしまうという問題点を抱えていた。この対策として、特開平6−16769号公報には活性メチレン化合物でブロックしたイソシアネート基以外のイソシアネート基にモノアルコールを反応させることが開示されているが、記載されている方法では上記欠点をある程度改善するものの、塗料用樹脂との相溶性ではまだ不十分なレベルにあった。
一方、さらなる環境保全の観点から、塗料の水性化の要求もあるが、上記の活性メチレン化合物でブロックされたイソシアネート基をもつ樹脂を硬化剤として水性塗料に用いた場合、得られた水系塗料は貯蔵時の粘度安定性が悪く、経時で大幅に塗料粘度が減少し塗装作業性が著しく低下するという問題があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造のブロックイソシアネート基を有する樹脂に特定のアルコールを加えて変性し、変性前よりも低い溶解性パラメータ値を有する樹脂が、各種の塗料用基体樹脂成分と相溶性に優れ、硬化剤として有用であることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明は、
「1. 下記式(I)もしくは(II)
【0004】
【化3】
Figure 0003884277
【0005】
(式中、R1、R2、R3及びR4は同一もしくは異なって、炭素数1〜10の置換基を夫々示す)
で表されるブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上有し、数平均分子量500〜20,000である樹脂(A)を、下記式(III)
5OH …(III)
(式中、R5は炭素数3〜18の置換基を示す)
で表される1官能アルコール(B)を用いて変性し、該樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上がR5に置換された樹脂であって、樹脂(A)よりも溶解性パラメータ値が低下し、数平均分子量600〜30,000である樹脂(C)を含み、該樹脂(C)が樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR 1 、R 2 及びR 3 から選ばれる少なくとも1つ以上に由来するアルコールの一部あるいは全部を除去することによって得られる樹脂である、ブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
2. 樹脂(A)が、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基に活性メチレン化合物(b)を反応させて得られる、請求項1に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
3. ポリイソシアネート化合物(a)中の一部のイソシアネート基に1官能アルコールを反応させてなる、請求項2に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
4. 樹脂(A)が式(I)もしくは式(II)
【0006】
【化4】
Figure 0003884277
【0007】
で表わされるブロックイソシアネート基を含有するビニル系モノマーを単独重合または他のビニル系モノマーを共重合されて得られる樹脂である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
5. 1官能アルコール(B)におけるRが、ヘテロ原子を含まない炭素数5〜18の置換基である、請求項1に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
6. 1官能アルコール(B)が、炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類及び炭素数4〜10の脂肪族アルコール類から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
7. 1官能アルコール(B)におけるRが樹脂(A)のR、R及びRの少なくとも1個の基の炭素数より、炭素数の大きい基である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
8. 樹脂(A)を変性する1官能アルコール(B)の使用量が樹脂(A)の固形分100重量部に対し5〜500重量部である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
9. 樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR、R及びRから選ばれる少なくとも1つ以上に由来するアルコールの一部あるいは全部を加熱及び減圧操作によって除去するものである、請求項1に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
10. 樹脂(C)が、溶解性パラメータ値が8.0〜11.0である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物と、ポリオール(D)とを含有する熱硬化性組成物。
12. ポリオール(D)が、数平均分子量1,000〜80,000で、水酸基価5〜220mgKOH/gである、請求項11に記載された熱硬化性組成物。
13. 樹脂(C)とポリオール(D)の使用比が両成分の固形分重量に基づいて1:0.5〜1:20である、請求項11または12に記載された熱硬化性組成物。」に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において樹脂(A)は、上記式(I)もしくは(II)で表されるブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上有するものであり、通常、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基に活性メチレン化合物(b)を反応させて得られるものである。上記式(I)及び(II)中の、R1、R2、R3及びR4は、同一もしくは異なって、炭素数1〜10の置換基を夫々示すものであり、該置換基はヘテロ原子を含むものであってもよく、特に炭素数1〜8 の置換基が好適である。
【0009】
上記ポリイソシアネート化合物(a)としては、例えばジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ジイソシアネートペンタン(MPDI)、1,6−ジイソシアネートヘキサン(HDI)、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート、1−イソシアネート−3,5,5−トリメチル−3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート(HMDI)、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジイソシアネートノルボルナン、ジ(イソシアネートメチル)ノルボルナンなどの炭素数4〜25のジイソシアネート類、2−(イソシアネートエチル)−2,6−ジイソシアネートカプロエ−ト(LTI)などの炭素数6〜30のトリイソシアネート類、これらジまたはトリイソシアネート類と多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水等との付加物;これらジまたはトリイソシアネート類、またはその付加物から誘導される、ウレタン構造含有ポリイソシアネート、ビウレット構造含有ポリイソシアネート、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、アロファネート構造含有ポリイソシアネート、ウレトジオン構造含有ポリイソシアネートなどであって、数平均分子量が300〜20,000で、1分子中の平均イソシアネート官能基数が2〜100であるポリイソシアネート; (メタ)アクリロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α´−ジメチルベンジルイソシアネート、水酸基含有ビニル系モノマーと前記ジイソシアネート類との1:1付加物などのイソシアネート基含有ビニル系モノマーを単独重合、もしくは該イソシアネート基含有ビニル系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルやビニル芳香化合物などの他のビニル系モノマーと共重合させて得られる、数平均分子量が1,000〜20,000で、1分子中の平均イソシアネート官能基数が2〜100であるポリイソシアネートなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用してもよい。また、これらの各種のポリイソシアネートと、多官能水酸基含有化合物、水及び分子量32〜400の1官能アルコールから選ばれる少なくとも1種以上を用いて誘導される、数平均分子量が300〜20,000で、1分子中の平均イソシアネート官能基数が2〜100であるポリイソシアネートもポリイソシアネート化合物(a)として使用可能である。
【0010】
これらポリイソシアネートのうち、特にジイソシアネート類のイソシアヌレート型ポリイソシアネート、あるいはジイソシアネート類と多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水等との付加物のイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好適である。多官能水酸基含有化合物や1官能アルコールもしくは水による変性は、イソシアネート基とのウレタン化反応であって、ポリイソシアネートをイソシアヌレート化反応する前又は反応後いずれでも行なうことができる。イソシアヌレート化反応には、触媒を用いても良い。触媒としては、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセトネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩などの塩基性化合物や有機スズ化合物などのルイス酸が良い。オニウム塩としてはアンモニウム塩、ホスホニウム塩やスルホニウム塩が好適である。触媒量は、通常、イソシアネート化合物に対して10〜10,000ppm、特に20〜5,000ppmの範囲内が適当である。反応は0℃〜150℃で行うことができる。反応が目的どおり進行したならば酸を添加することで触媒の塩基性化合物を中和し、反応を停止させてもよい。未反応のイソシアネート類は、イソシアヌレート化反応終了後に除去してもよい。
【0011】
また上記多官能水酸基含有化合物は、数平均分子量が60〜10,000で、1分子中に2個以上の水酸基をもつポリオールであり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、メチルプロパンジオール、ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸-ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、 1分子中に2個以上の水酸基をもつ化合物;これら化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ラクトン及びシクロカーボネートから選ばれる少なくとも1種の開環付加物; 1分子中にアミノ基と水酸基の両方をもつ化合物とエポキシ基含有化合物の反応生成物、 1分子中にアミノ基と水酸基の両方をもつ化合物とポリイソシアネートの反応生成物、水酸基含有ポリエステル、水酸基含有ポリウレタン、水酸基基含有ビニル系共重合体、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0012】
樹脂(A)は、通常、上記ポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基に活性メチレン化合物(b)を反応させて得られるものであるが、予め上記式(I)もしくは(II)で表されるブロックイソシアネート基を含有するビニル系モノマーを単独重合、あるいは他のビニル系モノマーと共重合させて得ることもできる。該ブロックイソシアネート基を含有するビニル系モノマーは、前記イソシアネート基含有ビニル系モノマーを活性メチレン化合物でブロック化する、あるいは前記ジイソシアネート類の片末端のイソシアネート基を活性メチレン化合物でブロックした後に残りのイソシアネート基を水酸基含有ビニル系モノマーと反応させる、等の方法によって得られるものであり、特に収率の点から後者の方法によって得られるものが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基をブロック化する活性メチレン化合物(b)としては、例えばマロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、マロン酸ジt−ブチル、マロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、マロン酸メチルイソプロピル、マロン酸エチルイソプロピル、、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルイソブチル、マロン酸エチルイソブチル、マロン酸メチルsec−ブチル、マロン酸エチルsec−ブチルなどのマロン酸ジエステル類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、 アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチルなどのアセト酢酸エステル類;アセチルアセトンなどのβ−ジケトン等が挙げられ、これらは1種または2種以上併用して使用することができる。これらのうち、特にマロン酸ジエチルやアセト酢酸エチルが好ましい。
【0013】
上記活性メチレン化合物(b)によるイソシアネート基のブロック化反応は、必要に応じて反応触媒を用いることができる。該反応触媒としては、例えば金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類などの塩基性化合物が良い。これらのうち、オニウム塩としてはアンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩が好適である。触媒量は、通常、イソシアネート化合物と活性メチレン化合物の合計量に対し10〜10,000ppm、特に20〜5,000ppmの範囲内が適当である。上記反応は0℃〜150℃で行うことができ、溶媒を用いても良い。この場合、溶媒としては非プロトン性溶剤が好ましく、特に、エステル、エーテル、N−アルキルアミド、ケトンなどが好ましい。反応が目的どおり進行したならば酸成分を添加することで、触媒である塩基性化合物を中和し、反応を停止させてもよい。
上記活性メチレン化合物(b)の使用量は、特には限定されないが、ポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基1当量に対して0.1〜3当量、好ましくは0.2〜2当量用いるのが好ましく、未反応の活性メチレン化合物は、ブロック反応終了後に除去することができる。
また上記活性メチレン化合物(b)以外に、例えば、アルコール系、フェノール系、オキシム系、アミン系、酸アミド系、イミダゾール系、ピリジン系、メルカプタン系などのブロック剤を低温硬化性を阻害しない範囲内で併用してもよい。
【0014】
また上記ポリイソシアネート化合物(a)中の一部のイソシアネート基に、前述の多官能水酸基含有化合物、水及び1官能アルコールから選ばれる少なくとも1種を反応させてもよく、特に1官能アルコールを反応させることが基体樹脂成分との相溶性の点から好適である。活性メチレン化合物(b)との反応の順序は、活性メチレン化合物(b)でイソシアネート基の必要量をブロックした後、残りのイソシアネート基に1官能アルコールを反応させる、あるいはその逆、もしくは活性メチレン化合物(b)及び1官能アルコールを同時にイソシアネート基に反応させてもよい。該1官能アルコールとしては、例えばプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、ステアリルアルコールおよびこれらの異性体、 モノ(オリゴもしくはポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類、 モノ(オリゴもしくはポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類などが挙げられる。該1官能アルコールの使用量は、多く用いると硬化性が低下する場合があるのでポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基1当量に対して0.6当量以下、好ましくは0.4当量以下が適当である。
【0015】
以上の通り得られる、前記式(I)もしくは(II)で表されるブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上もっている樹脂(A)は、通常、数平均分子量が500〜20,000、好ましくは800〜18,000の範囲内であることが適当である。該分子量が500未満になると得られる塗膜の硬化性が低下し、一方20,000を超えると塗膜の仕上がり性が低下するので望ましくない。また樹脂(A)は、溶解性パラメータ値が8.2〜11.5、好ましくは8.3〜11.3の範囲内であることが望ましい。ここで、溶解性パラメータ値(以下、「SP値」と略すことがある。)は、相溶性の尺度となるものであり、これが低すぎたり高すぎたりすると一般の塗料用基体樹脂への相溶性が低下することが多く、本発明においては以下に示す濁点滴定法で実測して得られる数値である。
濁点滴定法では、樹脂を良溶媒に溶解させ、これに貧溶媒を滴下し、白濁を生じるまでに要した貧溶媒の量を測定する。これを、SP値の小さい貧溶媒(n−ヘキサンなど)とSP値の大きい貧溶媒(脱イオン水など)の2種類について別々に行う。具体的には、まず測定する樹脂0.5gを100mlビーカーに計り取り、これをアセトン10mlで溶解させる。これを2個準備する。次に、一方を攪拌しながら、これに貧溶媒であるn−ヘキサンをビュレットを用いて滴下していき白濁するまでに要するn−ヘキサン量を測定する(これをH(ml)とする)。もう一方については、同様にして、貧溶媒である脱イオン水を用いて同様の実験を行い白濁するまでに要する脱イオン水量を測定する(これをW(ml)とする)。滴定は20℃の恒温室で行う。SP値は以下の式に、H及びWを代入して求められる。
SP値=((9.75×(1−α)+7.24×α)×(√α)+(9.75×(1−β)+23.43×β)×(√β)) /((√α)+(√β))
但し、α=H/(H+10),β=W/(W+10)である。
なお、9.75はアセトンのSP値、7.24はn−ヘキサンのSP値、23.43は脱イオン水のSP値に由来するものである。
【0016】
本発明では、上記樹脂(A)を、前記式(III)で表される1官能アルコール(B)を用いて変性し、該樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上がR5に置換された樹脂(C)を得る。該樹脂(C)は、前記樹脂(A)よりもSP値が低下するものである。
上記1官能アルコール(B)は、前記式(III)中のR5が炭素数3〜18の置換基を示すものであり、該置換基はヘテロ原子を含まないものであっても、含むものであってもよく、ヘテロ原子を含む場合は特に炭素数4〜15 の置換基が好適である。ヘテロ原子を含まない場合は、炭素数5〜18の置換基が好適であり、特に炭素数6〜18の置換基が好ましい。該炭素数が1あるいは2では、樹脂(C)のSP値が低下しないことが多く、一方炭素数が18を超えると、樹脂(A)の溶解力が低下する場合があるので好ましくない。
【0017】
該1官能アルコール(B)としては、例えばプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノールおよびこれらの異性体アルコールなどの脂肪族アルコール類;エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテル類などのモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、テトラプロピレングリコールモノアルキルエーテル類などのモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノエステル類、ジエチレングリコールモノエステル類、トリエチレングリコールモノエステル類、テトラエチレングリコールモノエステル類などのモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノエステル類;プロピレングリコールモノエステル類、ジプロピレングリコールモノエステル類、トリプロピレングリコールモノエステル類、テトラプロピレングリコールモノエステル類などのモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノエステル類などが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用してもよい。該1官能アルコール(B)は、樹脂(A) のR1、R2及びR3に応じて適切なものが選択される。
【0018】
これら例示のうち、特に水系塗料における貯蔵安定性を確保する点からは、R5がヘテロ原子を含まない炭素数5〜18、好ましくは6〜15の置換基であるような1官能アルコールが好適であり、特に炭素数6〜15の脂肪族アルコール類が溶解力の点からも好適である。炭素数が4以下では、得られる水性塗料の貯蔵時に大きく減粘することがあるので好ましくない。
一方、上記例示のうち、特に有機溶剤系塗料に用いる場合には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルなどの炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類、炭素数4〜10の脂肪族アルコール類が溶解力の点から好適である。
【0019】
前記式(III)中のR5の炭素数は、また、樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2およびR3の炭素数に応じて適宜選択してよい。特に効率的にSP値を低くするためには、R5の炭素数を、R1、R2およびR3のいずれかの炭素数よりも多くすることが好ましい。 R5の炭素数がR1、R2およびR3のいずれの炭素数よりも少ない場合は、 変性してもSP値が低くならないことが多く好ましくない。
【0020】
本発明において、樹脂(A)を1官能アルコール(B)で変性する手法は、樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上をR5に置換できる手法であれば特に制限はなく採用可能であるが、望ましくは加熱及び減圧等により、樹脂(A)中のR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上に由来するアルコールの一部あるいは全部を系外に留去するなどして除去することによって樹脂(C)を得る手法がよい。その条件は、20〜180℃、好ましくは40〜130℃の温度で、必要に応じて減圧条件下、5分〜十数時間、好ましくは10分〜10時間をかけて上記アルコールの一部あるいは全部を除去するのが適当である。該温度が低すぎるとアルコキシ基の交換が遅すぎるためか、得られる樹脂(C)のSP値が低くなりにくく、また高すぎると着色の原因となるので望ましくない。また樹脂(C)の分子量をコントロールするために、1官能アルコール(B)だけでなく前記の多官能水酸基含有化合物を樹脂(A)に加えてから上記除去操作を行ってもよい。
変性に使用する1官能アルコール(B)の量は、樹脂(A)の固形分100重量部に対し5〜500重量部、好ましくは10〜200重量部である。該使用量が5重量部未満では、変性効果が少なく得られる樹脂(C)のSP値が低くなりにくく、一方500重量部を超えるとコストの面から経済的に不利になるので望ましくない。
【0021】
上記の通り得られる樹脂(C)は、ブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上有する樹脂であって、樹脂(A)よりも低いSP値を有するものであり、そのSP値は8.0〜11.0、好ましくは8.1〜10.8の範囲内であることが望ましい。また樹脂(C)の数平均分子量は、600〜30,000、好ましくは900〜25,000の範囲内であることが望ましい。該分子量が600未満になると得られる塗膜の硬化性が低下し、30,000を超えると塗膜の仕上がり性が低下するので望ましくない。このようにして得られた樹脂(C)は、一般の塗料用樹脂に対する相溶性が大幅に改良され、また水系塗料に用いた場合の貯蔵安定性も大幅に改良されたものである。
【0022】
本発明では、上記の通り得られた樹脂(C)とポリオール(D)とを含有する熱硬化性組成物をも提供するものであり、該熱硬化性組成物は、通常、樹脂(C)を硬化剤成分とし、ポリオール(D)を基体樹脂成分とする組成物である。
上記ポリオール(D)には、塗料用基体樹脂として使用される従来公知のものが特に制限なく適用可能であるが、通常、数平均分子量1,000〜80,000、好ましくは1,200〜60,000で、水酸基価5〜220mgKOH/g(固形分)、好ましくは10〜200mgKOH/gである、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタンポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂などが使用でき、これらは1種又は2種以上を併用することができる。該ポリオール(D)の数平均分子量が1,000より小さいと、得られる塗膜の硬化性が低下し、一方80,000を超える塗膜の仕上がり性が低下するので好ましくない。また水酸基価が5mgKOH/gより小さくなると、得られる塗膜の硬化性が低下し、200mgKOH/gを超えると塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
【0023】
上記ポリオール(D)は、有機溶剤可溶形又は分散形などの形態で使用可能であり、水酸基以外に、必要に応じてカルボキシル基、カルボニル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を含有していても良く、またスルホン酸基、リン酸基、金属カルボキシレート基、金属スルホネート基、金属ホスフェート基、オニウムカルボキシレート基、オニウムスルホネート基、オニウムホスフェート基、ポリ(エチレンオキシド)基、ポリ(プロピレンオキシド)基、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)基などの水溶性官能基を含有していてもよい。かかるオニウムとしては、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウムが好ましい。また該ポリオール(D)が該水溶性官能基を有する場合には、そのまま、あるいは中和剤等を用いて水性化することができる。該水溶性官能基の含有量は特には限定されないが、耐水性の観点から、ポリオール中に2.0ミリモル/g(固形分)以下が好ましい。
【0024】
上記ポリオール(D)のうち、ビニル系樹脂としては、それ自体既知のものが使用でき、例えば水酸基含有モノマー及びその他の重合性モノマーを共重合して得られるアクリル樹脂やビニル樹脂をあげることができる。これらは、溶液重合や乳化重合あるいは懸濁重合によって得ることができる。水酸基含有モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、およびこれら化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ラクトン及びシクロカーボネートから選ばれる少なくとも1種の開環付加物などの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類などが挙げられ、その他の重合性モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド誘導体;(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上併用することができる。
【0025】
また上記ポリオール(D)のうち、ポリエステル樹脂としては、それ自体既知のものが使用でき、例えば、多価アルコールと多塩基酸とのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂をあげることができる。多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなど、多塩基酸として無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが使用でき、さらに必要に応じて安息香酸やt−ブチル安息香酸などの一塩基酸やヒマシ油、桐油、サフラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油及びこれらの脂肪酸の油成分、また、ネオデカン酸グリシジルエステルなどのエポキシ化合物を用いることができる。
本発明の熱硬化性組成物において、樹脂(C)及びポリオール(D)の使用比は、両成分の固形分にもとづいて、1:0.5〜1:20の範囲内であることが好適である。この範囲外では 硬化性が低下することが多いので望ましくない。
【0026】
本発明の熱硬化性組成物には、前記樹脂(C)以外に、ポリオール(D)中の架橋性官能基と反応しうる硬化剤、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ基含有化合物または樹脂、カルボキシル基含有化合物または樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物または樹脂、ヒドラジド化合物などを必要に応じて配合してもよい。
本発明の熱硬化性組成物は、溶剤型、水性などいずれの形態であってもよい。いずれの場合でも、60〜160℃で数分から数時間保つことで硬化させることができる。この際、必要に応じて硬化触媒を加えて硬化を促進させてもよい。該硬化触媒としては、例えば金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、オニウム塩のハロゲン化物、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類などの塩基性化合物や、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物などのルイス酸性化合物が挙げられる。オニウム塩としてはアンモニウム塩、ホスホニウム塩やスルホニウム塩が好適である。
本発明の熱硬化性組成物には、さらに必要に応じて、例えば体質顔料、着色顔料、メタリック顔料等の顔料類;紫外線吸収剤、光安定剤、ラジカル安定剤、焼付工程時の着色を抑える黄変防止剤、塗面調整剤、流動調整剤、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤などの塗料用添加剤等を適宜配合することができる。
本発明の熱硬化性組成物は、クリヤーとして、あるいはエナメルとして使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は実施例のものに限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
ブロックイソシアネート基含有樹脂(A)の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ等を備え付けた2Lフラスコに、「スミジュールN−3300」(住友バイエルウレタン社製、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、数平均分子量約600、イソシアネート含量21.6%)605g、マロン酸ジエチル413g、酢酸エチル181gを配合し、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保温した。その後、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。これに酢酸エチル99gを加え、樹脂(A−1)溶液を得た。該樹脂(A−1)のSP値は10.8であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0028】
製造例2
製造例1と同様の5Lフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート4,000g、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール32gを加え窒素気流下で100℃で1時間保持した。その後、イソシアネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムラウリレートを60℃で加え、収率が23.0%になったところでジブチルリン酸を加えイソシアヌレート化反応を停止させた。こののち薄膜蒸留装置を用いて未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去したところ、イソシアネート含有量22.8%、数平均分子量約600のポリイソシアネートが得られた。2Lフラスコに、このポリイソシアネート605g、マロン酸ジエチル413g、酢酸エチル181gを配合し、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を8.0g加え、60℃で12時間保温した。そののち、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.1%であった。これに酢酸エチル99gを加え、(A−2)溶液を得た。樹脂(A−2) のSP値は10.8であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0029】
製造例3
製造例1と同様の2Lフラスコに、「デュラネートTPA−100」(旭化成製、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、数平均分子量約600、イソシアネート含量23.1%)605gおよび酢酸エチル120gを入れ100℃に昇温し、窒素気流下で2−エチルヘキサノール52gを加え100℃で2時間保持した。そののちマロン酸ジエチル345g、酢酸エチル60gを加えて60℃に保持したのち、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で10時間保温した。そののち、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。これに酢酸エチル109gを加え、樹脂(A−3)溶液を得た。樹脂(A−3)のSP値は10.3であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0030】
製造例4
製造例1と同様の2Lフラスコに、「スミジュールN−3300」605gおよび酢酸エチル120gを入れ100℃に昇温し、窒素気流下で2−エチルヘキサノール104gを加え100℃で2時間保持した。そののちマロン酸ジエチル270g、酢酸エチル60gを加えて60℃に保持したのち、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を9.0g加え、60℃で12時間保温した。そののち、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。これに酢酸エチル110gを加え、樹脂(A−4)溶液を得た。樹脂(A−4)のSP値は10.0であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0031】
製造例5
製造例1と同様の2Lフラスコに、「スミジュールN−3300」605g、アセト酢酸エチル17g、マロン酸ジエチル392g、酢酸エチル181gを配合し、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保温した。そののち、NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。これに酢酸エチル99gを加え、樹脂(A−5)溶液を得た。樹脂(A−5)のSP値は10.7であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0032】
製造例6
製造例1と同様の2Lフラスコに、「デュラネートTPA−100」605gおよび酢酸エチル120gを入れ100℃に昇温し、窒素気流下で「オキソコールC13」(協和油化社製、トリデカノールの構造異性体)80gを加え100℃で2時間保持した。そののちマロン酸ジエチル345g、酢酸エチル60gを加えて60℃に保持したのち、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保温し、樹脂(A−6)溶液を得た。NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.1%であった。該樹脂(A−6)のSP値は10.2であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0033】
製造例7
製造例1と同様の2Lフラスコに、「スミジュールN−3300」605g、マロン酸ジエチル413g、酢酸エチル181gを配合し、窒素気流下でナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を7.0g加え、60℃で12時間保温し、樹脂(A−7)溶液を得た。NCO価を測定したところ、イソシアネート含有量は0.2%であった。該樹脂(A−7)のSP値は10.8であり、数平均分子量は約3,000であった。
ブロックイソシアネート基含有樹脂(C)の製造
【0034】
実施例1
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ、除去溶媒簡易トラップ等を備え付けた2Lフラスコに、製造例1で得た樹脂(A−1)溶液505gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル450gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−1)溶液642gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが42g含まれていた。樹脂(C−1)のSP値は10.1であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0035】
実施例2
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例2で得た樹脂(A−2)溶液505gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル450gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−2)溶液630gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが43g含まれていた。樹脂(C−2)のSP値は10.1であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0036】
実施例3
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例3で得た樹脂(A−3)溶液800gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル550gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件にし、系の温度を80〜90℃に保ちながら3時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−3)溶液987gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが40g含まれていた。樹脂(C−3)のSP値は9.9であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0037】
実施例4
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例4で得た樹脂(A−4)溶液800gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル550gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件にし、系の温度を80〜90℃に保ちながら4時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−4)溶液885gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが35g含まれていた。樹脂(C−4)のSP値は9.6であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0038】
実施例5
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例5で得た樹脂(A−5)の溶液505gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル430gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−5)溶液623gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが35g含まれていた。樹脂(C−5)のSP値は10.0であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0039】
実施例6
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例6で得た樹脂(A−6)の溶液605gおよび2−エチルヘキサノール488gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を90〜110℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−6)溶液872gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが43g含まれていた。樹脂(C−6)のSP値は8.7であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0040】
実施例7
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例6で得た樹脂(A−6)の溶液605gおよび4−メチル−2−ペンタノール330gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−7)溶液765gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが40g含まれていた。樹脂(C−7)のSP値は9.3であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0041】
実施例8
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例7で得た樹脂(A−7)の溶液600gおよび4−メチル−2−ペンタノール400gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−8)溶液780gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが41g含まれていた。樹脂(C−8)のSP値は9.5であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0042】
実施例9
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例6で得た樹脂(A−6)の溶液605gおよびn−ブタノール386gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を80〜90℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−9)溶液720gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが40g含まれていた。樹脂(C−9)のSP値は9.7であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0043】
実施例10
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例6で得た樹脂(A−6)の溶液605gおよびプロピレングリコールモノプロピルエーテル500gを入れ、90℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を90℃に保ちながら約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−10)溶液840gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが40g含まれていた。樹脂(C−10)のSP値は9.7であり、数平均分子量は約3,500であった。
【0044】
比較例1
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例1で得た樹脂(A−1)溶液505gおよびエタノール450gを入れ、75℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を75〜90℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−11)溶液550gを得た。樹脂(C−11)のSP値は10.8であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0045】」
比較例2
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例1で得た樹脂(A−1)の溶液505g、エタノール300g、メタノール150gを入れ、75℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を75〜85℃に保ちながら2時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−12)溶液560gを得た。樹脂(C−12)のSP値は10.9であり、数平均分子量は約3,000であった。
【0046】
比較例3
実施例1と同様の2Lフラスコに、製造例6で得た樹脂(A−6)溶液605gおよびエタノール550gを入れ、75℃に昇温した。これを減圧条件下で、系の温度を75〜90℃に保ちながら、約1.5時間かけて溶剤を留出・除去し、樹脂(C−13)溶液650gを得た。除去溶媒簡易トラップには、エタノールが40g含まれていた。樹脂(C−13)のSP値は10.2であり、数平均分子量は約3,000であった。
上記の通り得られた各樹脂(A)及び(C)溶液を10℃で1ヶ月貯蔵したところ、樹脂(A−1)溶液、樹脂(A−2)溶液および樹脂(A−3)溶液は結晶性があるためか固化し塗料用硬化剤としての配合作業性に劣っていた。一方、これらを夫々変性して得られた樹脂(C−1)溶液、樹脂(C−2)溶液および樹脂(C−3)溶液は結晶性が抑えられたためか10℃で1ヶ月貯蔵しても液状を保ったままであり良好な配合作業性を有するものであった。
【0047】
ポリオール(D)の作成
作成例1
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ、溶媒トラップ等を備え付けた2Lフラスコに、ネオペンチルグリコール361g、トリメチロールプロパン156g、アジピン酸445g、イソフタル酸180gを入れ240℃で脱水縮合したのち、無水トリメリット酸52gを加え反応させ、さらにエチレングリコールモノブチルエーテルを690gを加えて、ポリオール(D−1)溶液を得た。ポリオール(D−1)の水酸基価は約100mgKOH/g、酸価約30mgKOH/gであり、数平均分子量は約2,000であった。
【0048】
作成例2
作成例1と同様の2Lフラスコに、ネオペンチルグリコール210g、トリメチロールプロパン152g、1,6−ヘキサンジオール158g、アジピン酸289g、イソフタル酸333gを入れ、240℃で脱水縮合したのち、無水トリメリット酸22gを加え反応させ、さらにプロピレングリコールモノプロピルエーテルを680g加えて、ポリオール(D−2)溶液を得た。ポリオール(D−2)の水酸基価は約110mgKOH/g、酸価約20mgKOH/gであり、数平均分子量は約2,000であった。
【0049】
作成例3
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器、滴下ポンプ等を備え付けた5Lフラスコに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル500gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル400gを加え、80℃に昇温した。これに、2−ヒドロキシエチルアクリレート200g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート90g、アクリル酸175g、メチルメタクリレート660g、イソブチルアクリレート300g、n−ブチルアクリレート400g、2−エチルヘキシルメタクリレート300g、プロピレングリコールモノプロピルエーテル400gおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)60gの混合液を窒素気流下で滴下し、さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテル450gを加え、ポリオール(D−3)溶液を得た。ポリオール(D−3)の水酸基価は約60mgKOH/g、酸価約60mgKOH/gであり、数平均分子量は約15,000であった。
【0050】
作成例4
作成例1と同様の5Lフラスコに、ネオペンチルグリコール563g、トリメチロールプロパン314g、イソフタル酸127g、ヘキサヒドロフタル酸無水物737g、「EMPOL1061」(コグニス・ジャパン社製のダイマー酸)750gを入れ、240℃で脱水縮合したのち、無水トリメリット酸170gを加え反応させ、さらにエチレングリコールモノブチルエーテルを1660gを加えて、ポリオール(D−4)溶液を得た。ポリオール(D−4)の水酸基価は約70mgKOH/g、酸価約45mgKOH/gであり、数平均分子量は約2,500であった。
【0051】
作成例5
作成例1と同様の2Lフラスコに、ネオペンチルグリコール218g、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール222g、トリメチロールプロパン158g、アジピン酸135g、ヘキサヒドロフタル酸無水物498gを入れ、240℃で脱水縮合したのち、無水トリメリット酸61gを加え反応させ、さらにプロピレングリコールモノプロピルエーテル120gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル300gを加えて、ポリオール(D−5)溶液を得た。ポリオール(D−5)の水酸基価は約80mgKOH/g、酸価約30mgKOH/gであり、数平均分子量は約2,500であった。
熱硬化性組成物の作成
【0052】
実施例11
硬化剤成分として上記ブロックイソシアネート基含有樹脂(C−1)溶液60部、基体樹脂成分としてポリオール(D−1)溶液100部、及びイソプロパノール40部を混合攪拌して、熱硬化性組成物を作成した。
【0053】
実施例12〜18および比較例4〜13
実施例11において、配合組成を表1及び表2に示す通りとする以外は実施例9と同様にして各熱硬化性組成物を作成した。
【0054】
比較例14
硬化剤成分として上記ブロックイソシアネート基含有樹脂(C−4)溶液35部、基体樹脂成分としてポリオール(D−3)溶液100部、及びジメチルアミノエタノ−ル5.5部を混合攪拌した後、脱イオン水100部を加えてさらに混合攪拌して、熱硬化性水性組成物を作成した。
【0055】
実施例19
硬化剤成分として上記ブロックイソシアネート基含有樹脂(C−6)溶液46部、基体樹脂成分としてポリオール(D−5)溶液100部、及びジメチルアミノエタノ−ル3.4部を混合攪拌した後、脱イオン水128部を加えてさらに混合攪拌し、さらにジメチルアミノエタノ−ルを適宜加えることでpH8.5の熱硬化性水性組成物を作成した。
【0056】
実施例20〜23および比較例15
実施例19において、配合組成を表3に示す通りとする以外は実施例19と同様にして各熱硬化性水性組成物を作成した。
【0057】
性能試験
上記の通り得られた各熱硬化性組成物を、アプリケータ(400μm)でブリキ板上に塗装し、100℃で30分保持し、各塗膜を得た。次に、得られた塗膜の状態を目視で観察し、良好な場合にはさらに硬化性を評価した。結果を表1〜表3に示す。
(*1)塗膜状態: 評価基準は次の通りである。
○:透明で均一
×:海島構造の相分離で不均一、もしくは白濁
(*2)硬化性:塗膜をアセトン中に浸して5時間煮沸したのち、130℃で30分乾燥させ、アセトン不溶分を測定し、下記の通り評価した。
○:アセトン不溶分75%以上
×:アセトン不溶分75%未満
(*3)貯蔵時の粘度安定性:上記の通り得られた実施例19〜23及び比較例15の各熱硬化性水性組成物の粘度を測定した後、夫々を30℃恒温室で密閉条件下で1週間貯蔵したのち、再度粘度を測定し、貯蔵前の粘度と比較することにより、貯蔵時の粘度安定性を下記式で示される粘度変化率R(%)で評価した。Rが小さいほど粘度安定性が良いことを示す。粘度(Pa・s)は「ビスメトロン粘度計」(芝浦システム社製)を用いて測定した。
粘度変化率R(%)=|{(貯蔵後の粘度/貯蔵前の粘度)−1}|×100
Figure 0003884277
【0058】
【表1】
Figure 0003884277
【0059】
【表2】
Figure 0003884277
【0060】
【表3】
Figure 0003884277
【0061】
【発明の効果】
本発明では、樹脂(A)を1官能アルコール(B)によって変性するものであり、この際、系に応じて適切な1官能アルコールを選択することにより、もとの変性前の樹脂(A)よりも低い溶解性パラメータ値をもつ樹脂(C)が得られる。この樹脂(C)は、結晶化などの不具合なく貯蔵可能であり、樹脂(A)に比べて一般の塗料用基体樹脂に対する相溶性が大幅に向上する優れた効果を奏する。この相溶性の向上の学問的な理由は必ずしも明らかではないが、単純に相溶性パラメータ値の低下だけに起因するものではなく、樹脂(A)中のブロックイソシアネート基に含まれる活性メチレン化合物に由来するアルコキシ基部位と、基体樹脂に応じて適宜選択された1官能アルコール(B)のアルコキシ基部位との交換が加熱及び減圧などの操作によって促進され、それに伴う樹脂(A)の変性も効果を奏する要因の1つである。
また樹脂(C)を水系組成物において使用する場合にも、適切な1官能アルコールを選択することにより、貯蔵時の粘度安定性を確保することができる。
このようにして得られた樹脂(C)を硬化剤として含有する1液型の熱硬化性組成物は、基体樹脂成分と相分離などの不具合が生じることなく、低温硬化性に優れた塗膜が形成できる効果を奏する。

Claims (13)

  1. 下記式(I)もしくは(II)
    Figure 0003884277
    (式中、R1、R2、R3及びR4は同一もしくは異なって、炭素数1〜10の置換基を夫々示す)で表されるブロックイソシアネート基を1分子中に2個以上有し、数平均分子量500〜20,000である樹脂(A)を、下記式(III)
    5OH …(III)
    (式中、R5は炭素数3〜18の置換基を示す)で表される1官能アルコール(B)を用いて変性し、該樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上がR5に置換された樹脂であって、樹脂(A)よりも溶解性パラメータ値が低下し、数平均分子量600〜30,000である樹脂(C)を含み、該樹脂(C)が樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR 1 、R 2 及びR 3 から選ばれる少なくとも1つ以上に由来するアルコールの一部あるいは全部を除去することによって得られる樹脂である、ブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  2. 樹脂(A)が、1分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)中のイソシアネート基に活性メチレン化合物(b)を反応させて得られる、請求項1に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  3. ポリイソシアネート化合物(a)中の一部のイソシアネート基に1官能アルコールを反応させてなる、請求項2に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  4. 樹脂(A)が式(I)もしくは式(II)
    Figure 0003884277
    で表わされるブロックイソシアネート基を含有するビニル系モノマーを単独重合または他のビニル系モノマーを共重合されて得られる樹脂である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  5. 1官能アルコール(B)におけるR5が、ヘテロ原子を含まない炭素数5〜18の置換基である、請求項1に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  6. 1官能アルコール(B)が、炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、炭素数4〜10のモノ(もしくはオリゴ)エチレングリコールモノアルキルエーテル類及び炭素数4〜10の脂肪族アルコール類から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  7. 1官能アルコール(B)におけるR5が樹脂(A)のR1、R2及びR3の少なくとも1個の基の炭素数より、炭素数の大きい基である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  8. 樹脂(A)を変性する1官能アルコール(B)の使用量が樹脂(A)の固形分100重量部に対し5〜500重量部である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  9. 樹脂(A)中のブロックイソシアネート基におけるR1、R2及びR3から選ばれる少なくとも1つ以上に由来するアルコールの一部あるいは全部を加熱及び減圧操作によって除去するものである、請求項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  10. 樹脂(C)が溶解性パラメータ値が8.0〜11.0である、請求項1ないしのいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載されたブロックイソシアネート基含有樹脂組成物と、ポリオール(D)とを含有する熱硬化性組成物。
  12. ポリオール(D)が、数平均分子量1,000〜80,000で、水酸基価5〜220mgKOH/gである、請求項11に記載された熱硬化性組成物。
  13. 樹脂(C)とポリオール(D)の使用比が両成分の固形分重量に基づいて1:0.5〜1:20である、請求項11または12に記載された熱硬化性組成物。
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