JP3884128B2 - サイドエアバッグの折り畳み方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車内側におけるドア等の開口の周縁に折り畳まれて収納され、膨張時、乗員の頭部を保護できるように、ドア等の開口を覆うような略平行四辺形の板状に膨張するサイドエアバッグの折り畳み方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、この種のサイドエアバッグ装置M0のエアバッグ1では、図16に示すように、車両の車内側におけるドアの開口Wの周縁の上縁と上縁から斜め下方に鈍角状に連なる斜縁との部位に取り付けられていた。
【0003】
エアバッグ1は、複数の袋状に膨らんだ膨張室2と、膨張室2における車両の前方側と後方側とに配置されて、膨らまない平部4・4と、を備えるとともに、インフレーター7からの膨張用ガスを供給するためのパイプ6を挿入するパイプ挿入部5を備えて構成されていた。
【0004】
膨張室2は、袋状のエアバッグ1の車内側壁部と車外側壁部とを、上縁側から下縁側までの略上下方向で縫合した結合部3で区画されていた。
【0005】
このエアバッグ1の膨張時には、インフレーター7からの膨張用ガスが、パイプ6を通り、パイプ6の図示しない貫通孔を経て、各膨張室2に入り、各膨張室2を膨張させていた。そして、各膨張室2が膨張することにより、エアバッグ1における開口Wの周縁における下部側から斜め上方の上部側にかける線Lに張力が発生し、このテンションラインLによって、エアバッグ1に乗員の頭部が当接しても、確実に乗員頭部を拘束できることとなっていた。ちなみに、このようなエアバッグ1では、開口Wの周縁における上縁とこの上縁から鈍角状に連なる斜縁との略L字状の部位に取り付けられており、膨張時にテンションラインLに張力が発揮されないと、乗員頭部が干渉しても、エアバッグ1が移動するだけで、乗員頭部を適確に拘束できなくなってしまうことから、好ましくない。
【0006】
しかし、従来のエアバッグ1は、開口Wの周縁における上縁と斜縁との側に折り畳んで収納しておくこととなるが、収納して取り付ける部位が、曲がっている部位であることから、容易に機械化して折り畳めず、また、取り付ける部位が狭いことから、コンパクトに折り畳むことも必要となる。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、容易に機械化してコンパクトに折り畳むことができるとともに、折り畳んだ後の折り崩れも防止できるサイドエアバッグの折り畳み方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサイドエアバッグの折り畳み方法は、膨張時の形状を、車内側の開口の周縁にそれぞれ取付可能な取付片を有した上辺部と該上辺部から斜め下方に鈍角状に連なる斜辺部との2辺を有した略平行四辺形の板状の袋状として、
前記開口の周縁に折り畳まれて収納されるサイドエアバッグの折り畳み方法であって、
前記上辺部と平行な折目として、前記上辺部側若しくは前記上辺部と対向する下辺部側から、山折り・谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りするように、
複数の折り板を有した一対の折り板群を、展開状態の前記エアバッグの表裏で対向するように配置させて、前記一対の折り板群の各折り板を、前記上辺部若しくは下辺部の一方側における谷折り側に順次配置させて、前記各折り板の先端で谷折りして蛇腹折りし、
さらに、折目に対して加圧するくせ付けを行なって折り畳むことを特徴とする。
【0013】
そして、前記一対の折り板群としては、展開状態の前記エアバッグを間にして、相互に対向するように配置させ、前記一対の折り板群の各折り板を、それぞれ先端相互でヒンジ結合させた二枚一組の押板で構成するとともに、前記各押板の元部側を隣の各折り板の押板の元部側にヒンジ結合させて、循環駆動するように構成し、
前記一対の折り板群の各折り板を、展開状態の前記エアバッグを間にして、対向する折り板相互を半ピッチずらして循環駆動させるとともに、前記各折り板における二枚の押板の先端相互を、相互に噛み合うように、前記エアバッグ側に押圧させて、前記エアバッグとともに前記一対の折り板群の各折り板を折り畳んで、前記エアバッグを蛇腹折りし、さらに、前記各折り板の折り畳んだ状態を一定時間維持して、くせ付けするようにする。
【0014】
また、くせ付け時、圧力を加えて折目にくせ付けを行なう際、同時に、加熱しても良い。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係るサイドエアバッグの折り畳み方法では、上辺部と平行な折目として、上辺部側若しくは上辺部と対向する下辺部側から、山折り・谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りするように、複数の折り板を有した一対の折り板群を、展開状態のエアバッグの表裏で対向するように配置させて、一対の折り板群の各折り板を、上辺部若しくは下辺部の一方側における谷折り側に順次配置させて、各折り板の先端で谷折りして蛇腹折りし、さらに、折目に対して加圧するくせ付けを行なえば、サイドエアバッグを折り畳むことができる。
【0016】
すなわち、本発明の折り畳み方法では、一対の折り板群の所定の折り板の各先端を押し付け、展開状態のエアバッグを谷折りして、折目を上辺部と平行にして、蛇腹折りするものである。このような折り畳み状態では、車両開口の周縁に沿わせるように単に曲げつつ、上辺部側の取付片や斜辺部側の取付片を利用して、簡単に折り畳んだエアバッグを開口周縁に取り付けることができる。そしてまた、このような折り畳み状態では、所定数の折り板を有した一対の折り板群を利用して、エアバッグを折り畳むことができるため、容易に機械化して折り畳むことが可能となる。さらに、折り畳んだエアバッグは、折目が加圧されてくせ付けされているため、コンパクトに折り畳まれて、嵩張らず、また、折り崩れし難く、仮に折り崩れしても、くせ付けされた折目を利用して、簡単に直すことができ、車両開口周縁への取り付けまでのエアバッグの取り扱いが容易になる。
【0017】
したがって、本発明のサイドエアバッグの折り畳み方法では、容易に機械化してコンパクトに折り畳むことができるとともに、折り畳んだ後の折り崩れも防止できる。
【0026】
そして、本発明に係る折り畳み方法では、対向して循環駆動する一対の折り板群の間にエアバッグを配置させれば、順次、折りと同時にくせ付けも行なえることとなって、エアバッグの折り畳みサイクルを一層短縮することができるとともに、多数のエアバッグを連続的に折り畳むことができて、エアバッグの折り畳み作業を効率的に行なうことができる。また、折り板自体が蛇腹折りの態様で折り畳まれて、エアバッグを折り畳んでいくことから、折り品質を安定させるために、別途、エアバッグを引っ張る引張手段を設けなくとも、折り品質を安定させて、エアバッグを折り畳むことができる。
【0027】
また、くせ付け時、圧力を加えて折目にくせ付けを行なう際、同時に、加熱すれば、一層、強くくせ付けすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
第1実施形態で折り畳まれるエアバッグ11は、図1・4に示すように、車内側におけるドアの開口Wの周縁のフロントピラーからルーフサイドレールの後部側まで配置されるサイドエアバッグ装置M1に使用されるものであり、サイドエアバッグ装置M1は、フロントピラーからルーフサイドレールの後部側までの略L字状の部位に折り畳まれて収納されるエアバッグ11の他、エアバッグ11に膨張用ガスを供給するインフレーター24を備えて構成されている。
【0030】
このエアバッグ11は、図4〜8に示すように、車内側壁部12と車外側壁部13とを備えて、膨張時の形状を、上辺部14と、上辺部14から斜め下方に鈍角状に連なる斜辺部15と、斜辺部15から連なって上辺部14と略平行に対向する下辺部16と、上辺部14と下辺部16との後端部相互を連結する後辺部17と、の4辺を備えた略平行四辺形の板状の袋状とし、下部側に膨張用ガスを流入させる円筒状のガス流入部19を備えて構成されている。
【0031】
そして、このエアバッグ11は、図5・9に示すように、車内側壁部12と車外側壁部13との下縁側である下辺部16を折目9aとした略矢羽根形状の布材9から形成され、その布材9の中央の折目9aで折るとともに、1つの膨張室18を形成可能な膨張室構成用の結合部20を設けるように、所定の周縁にシリコン系・ウレタン系・エポキシ系等の熱硬化型接着剤やホットメルト接着剤等の接着剤10を塗布し、塗布した部位で接合させて袋状に形成している。布材9は、ポリアミドやポリエステル等の織布から形成されて、可撓性を有している。
【0032】
膨張室構成用の結合部20は、上辺部14からガス流入部19を含めた斜辺部15までの取付側結合部20aと、後辺部17側の突出側結合部20bと、ガス流入部19の近傍のガス流入用結合部20cと、から構成されている。取付側結合部20a側の上辺部14と斜辺部15とには、それぞれ、開口Wの周縁に取り付けるための、取付孔14b・15bを備えた所定数の取付片14a・15aが形成されている。また、突出側結合部20b側の後辺部17は、下辺部16とともに、収納時に折り畳まれて膨張時に突出することとなる。ガス流入用結合部20cは、ガス流入部19からの膨張用ガスが膨張室18内に円滑に流入できるように形成されている。
【0033】
なお、取付側結合部20aを結合させた際、ガス流入部19は、下辺部16の延長上に配置される態様となるが、布材9が可撓性を有しているため、開口Wの周縁へ取り付ける際、容易に曲げて、斜辺部15の延長上に配置させることができる。
【0034】
また、布材9を折目9aで折って結合部20を結合させる際には、後述する張力発揮用結合部22も結合させて、膨張室18を形成する。各取付片14a・15aの取付孔14b・15bは、取付側結合部20aを結合させた後、穿設すれば良い。
【0035】
そして、膨張時のエアバッグ11にテンションラインLを形成する張力発揮用の結合部22は、図4〜7に示すように、接着剤10により、ガス流入部19側に膨らむ湾曲形状として、車内側壁部12と車外側壁部13とを接合して構成されている。実施形態の場合、3個の結合部22が、膨張室18内における上下方向の中間部位で、テンションラインLに沿うように、並設されて配置されている。
【0036】
このエアバッグ11は、図2・3に示すように、開口Wの周縁に対して、山折りと谷折りとを順次繰り返して折るように、蛇腹折りして収納され、フロントピラー側では、ガーニッシュ33に覆われ、ルーフサイドレール側では、ルーフ内装材35に覆われている。
【0037】
ガーニッシュ33は、図1・2に示すように、ABS樹脂・ポリプロピレン等の合成樹脂から取付基部33a・ベース33b・表皮33cを備えて構成されて、エアバッグ11の膨張時に、エアバッグ11に押されて開くように、インテグラルヒンジ33eを配置させたドア部33dを備え、ボディ31にクリップ27あるいはボルトで止められている。なお、クリップ27等は、後述する取付ベルト29とともにエアバッグ11の所定の取付孔15bを挿通して、エアバッグ11をボディ31に取り付ける役目を兼用している。
【0038】
ルーフ内装材35は、図1・3に示すように、ウレタンまたはポリプロピレン等の合成樹脂から取付基部35a・ベース35b・表皮35cを備えて構成されて、ボディ31にクリップ27あるいはボルトで止められ、先端35dをボディ31に連結されたドアトリム36に係止させている。そして、エアバッグ11の膨張時には、エアバッグ11に押されて先端35dがドアトリム36から外れることとなる。
【0039】
折り畳まれたエアバッグ11をくるむ取付ベルト29は、エアバッグ11の膨張時に破断する薄肉の破断予定部29aを備え、エアバッグ11をボディ31に取り付けるためのクリップ27やボルトによって、共締めされている。なお、図2・3で図示したエアバッグ11は、図5に図示したエアバッグ11も同様であるが、実際には、さらに多くの折目Cを配置させて、蛇腹折りされている。
【0040】
また、エアバッグ11の前端側では、円筒状のガス流入部19がインフレーター24の上部に外装され、さらに、ボディ31に取り付けられる取付装置25でインフレーター24の外周面に押圧されて、取付装置25を利用して、ボディ31に取り付けられている。
【0041】
インフレーター24は、上端に膨張用ガスを吐出させるガス吐出口24bを備えた略円柱状の本体24aと、ガス吐出口24bの周囲を覆う図示しない円筒状の板金製のディフューザーとを備えて構成され、ディフューザーの周囲にエアバッグ11のガス流入部19を外装させて、ガス流入部19をディフューザー外周面に押圧する取付装置25を利用して、ボディ31に取り付けられている。なお、ガス流入部19の周囲の取付側結合部20aは、ディフューザー外周面に折り曲げられることとなる。
【0042】
そして、このエアバッグ11の蛇腹折り時の折り畳み方向Dは、図5に示すように、上辺部14と平行な折目Cを設けて、上辺部14と直交方向に上辺部14側へ折り畳むものであり、第1実施形態の場合には、図10に示すような折り装置40を利用してエアバッグ11を折り畳む。
【0043】
折り装置40は、基台41の上面側に、一対の折り板群43・45と把持具47とを配置させて構成されている。基台41には、上辺部14の各取付片14aの取付孔14bに挿入されて周縁を係止する係止ピン42が配置されている。
【0044】
一対の折り板群43・45は、展開状態で上下方向に配置されるエアバッグ11を間にして、それぞれ、4枚ずつの折り板44・46を備えて構成されている。さらに、一対の折り板群43・45は、各折り板44(44A・44B・44C・44D)・46(46A・46B・46C・46D)を相互に上下方向に少しずらして水平方向で対向するように配置させるとともに、各折り板44・46の元部44b・46b側を折目Cと平行な回動軸で回動可能に保持して、構成されている。各折り板44は、基台41に近い折り板44A側から順に、先端44a側を基台41の上方位置で一致させるように、所定間隔を空けて上方に配置されるとともに、元部44b側を外方にずらして配置されている。同様に、各折り板46も、基台41に近い折り板46A側から順に、先端46a側を基台41の上方位置で一致させるように、所定間隔を空けて上方に配置されるとともに、元部46b側を外方にずらして配置されている。各折り板44・46を回動させる手段は、図示しないモータ等のロータリアクチュエータやクランク機構を利用したエアシリンダ等で構成されている。
【0045】
なお、各折り板44(44A・44B・44C・44D)・46(46A・46B・46C・46D)は、上方に向かうにしたがって、元部側44b・46bを外方にずらして、長さを長くしているが、元部側44b・46bが回動時に各群内で相互に干渉しなければ、同じ長さで構成しても良い。勿論、各折り板44・46は、エアバッグ11の折り幅Bを確保できるように、所定長さ重なることができる長さが必要となる。
【0046】
また、各折り板44(44A・44B・44C・44D)・46(46A・46B・46C・46D)の上下方向の間隔は、蛇腹折り時における図10のBに示すように、対向する折り板44・46が交互に順に倒れても、各折り板44・46が基台41の上面と平行となるように、折り板44・46やエアバッグ11の厚さを考慮して、設定されている。
【0047】
把持具47は、図示しないコイルばね等の付勢手段で基台41から離隔する方向に付勢されて、エアバッグ11の下辺部16側を複数箇所で把持できるように、所定数配設されている。
【0048】
折り装置40を利用した第1実施形態の折り畳み方法を説明すると、まず、一対の折り板群43・45の各折り板44・46を、基台41と直交するように、先端44a・46a側を元部44b・46b側から上方へ垂設させて、待機させておく。また、展開状態のエアバッグ11の各取付片14aを係止ピン42に係止させておくとともに、下辺部16側を各把持具47に把持させて、エアバッグ11を展開状態に引っ張りつつ上下方向に配置させておく。
【0049】
そして、図10のAに示すように、折り板44A・46A・44B・46B・44C・46C・44D・46Dを、順に、先端44a・46a側がエアバッグ11に当接しつつ、基台41の上面と平行となるまで、倒して、図10のBに示すようにする。
【0050】
すると、各折り板44・46の先端44a・46aによって、エアバッグ11が谷折りされて蛇腹折りされる。なお、各折り板44A・46A・44B・46B・44C・46C・44D・46Dが倒れる際には、エアバッグ11の把持具47側が、図示しない付勢力に抗して、順次、基台41側に接近することとなる。また、折り板46Dが倒れる前には、各把持部47による下辺部16の把持は、解除しておく。
【0051】
その後、各係止ピン42を下方へ移動させて取付孔14bから抜き、各係止ピン42の取付片14aへの係止を解除して、図10のCに示すように、蛇腹折りされたエアバッグ11を折り板群43・45から離脱させるとともに、破断可能な粘着テープ48で複数箇所を包み、折目Cに圧力を加えてくせ付けする。
【0052】
その後、折り畳み時に折り込まれた取付片15aがあれば、それを引っ張り出しておき、エアバッグ11の取付片14a・15aの部位を取付ベルト29でくるむとともに、ガス流入部19に取付装置25を利用してインフレーター24を組み付けておき、ガーニッシュ33やルーフ内装材35とともに、取付ベルト29と取付装置25とを、クリップ27等を利用して、ボディ31に取り付けて、エアバッグ装置M1を車両に装着すれば良い。
【0053】
この開口Wの周縁へのエアバッグ11の取付作業は、エアバッグ11が膨張しておらず、テンションラインLが形成されていないため、エアバッグ11が撓み易く、容易に取り付けることができる。
【0054】
エアバッグ装置M1の車両への装着後、インフレーター24のガス吐出口24bから膨張用ガスが吐出されると、折り畳まれていたエアバッグ11は、粘着テープ48と各取付ベルト29の破断予定部29aとを破断させて、ガーニッシュ33のドア部33dを押して開かせるとともに、ルーフ内装材35の先端35d側を押して開かせ、図4に示すように、開口Wを塞ぐように、膨張することとなる。
【0055】
その際、このエアバッグ11では、張力発揮用の結合部22が配置されているため、斜辺部15の下部側から上辺部14の後部側へ斜め方向に張力を生じさせるテンションラインLを形成することができる。
【0056】
そして、第1実施形態の折り畳み方法では、上辺部14と平行な折目Cとして、上辺部14側から、山折り・谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りするように、複数の折り板44・46を有した一対の折り板群43・45を、展開状態のエアバッグ11の表裏で対向するように配置させ、一対の折り板群43・45の各折り板44・46を、倒すように回動させて、上辺部14側における谷折り側に順次配置させ、各折り板44・46の先端44a・46aで谷折りして蛇腹折りし、さらに、折目Cに対して粘着テープ48を利用して加圧してくせ付けすることによって、サイドエアバッグ11を折り畳んでいる。
【0057】
このような折り畳み状態では、車両開口Wの周縁に沿わせるように単に曲げつつ、上辺部14側の取付片14aや斜辺部15側の取付片15aを取り出し、それらの取付片14a・15aを利用して、簡単に折り畳んだエアバッグ11を開口Wの周縁に取り付けることができる。そしてまた、このような折り畳み状態では、所定数の折り板44・46を有した一対の折り板群43・45を利用して、エアバッグ11を折り畳むことができるため、容易に機械化して折り畳むことが可能となる。さらに、折り畳んだエアバッグ11は、折目Cが加圧されてくせ付けされているため、コンパクトに折り畳まれて、嵩張らず、また、折り崩れし難く、仮に折り崩れしても、くせ付けされた折目Cを利用して、簡単に直すことができ、車両開口Wの周縁への取り付けまでのエアバッグ11の取り扱いが容易になる。
【0058】
したがって、第1実施形態のサイドエアバッグ11の折り畳み方法では、容易に機械化してコンパクトに折り畳むことができるとともに、折り畳んだ後の折り崩れも防止できる。
【0059】
さらに、第1実施形態の折り畳み方法では、使用する折り装置40の一対の折り板群43・45が、各折り板44・46の元部44b・46b側を折目Cと平行な回動軸で回動可能に保持して構成されており、当初、一対の折り板群43・45の各折り板44・46を展開状態のエアバッグ11と略平行に待機させ、蛇腹折り時、一対の折り板群43・45における各折り板44・46の先端44a・46a側を順次かつ交互にエアバッグ11側に倒して、エアバッグ11を谷折りして蛇腹折りしている。そのため、第1実施形態では、各折り板44・46の移動の軌跡がシンプルであり、手動により、折り板44・46を簡単に操作することもできる。また、各折り板44・46がエアバッグ11側に順次倒れて、エアバッグ11が蛇腹折りされるため、各折り板44・46の先端44a・46aとエアバッグ11との摩擦が小さく、エアバッグの損傷を抑えることができる。さらに、各折り板44・46の移動の軌跡がシンプルであり、各折り板44・46の駆動や支持の構造を簡素化できるため、折り装置40の設備費を安価にすることができる。
【0060】
つぎに、第2実施形態の折り畳み方法を図11を用いて説明すると、この第2実施形態に使用する折り装置50は、折り装置40と同様に、基台51の上面側に、一対の折り板群53・55と把持具57とを配置させて構成されている。基台51には、上辺部14の各取付片14aの取付孔14bに挿入されて周縁を係止する係止ピン52が配置されている。
【0061】
一対の折り板群53・55は、展開状態のエアバッグ11を間にして、それぞれ、4枚ずつの折り板54・56を備えて構成されている。さらに、一対の折り板群53・55は、各折り板54(54A・54B・54C・54D)・56(56A・56B・56C・56D)を相互に上下方向に少しずらして水平方向で対向するように配置させるとともに、各折り板54・56の元部54c・56c側を折目Cと平行な回動軸で回動可能に保持して、構成されている。そして、各折り板群53・55は、図11のC〜Eに示すように、各折り板54・56の先端54a・56a側に、複数の凹部54b・56bが設けられており、また、相互の折り板群53・54が外方に移動できるように構成されている他、把持具57とともに、折り装置40と同様に構成されている。なお、各折り板54・56に設けられた凹部54b・56bは、エアバッグ11の折り幅Bの寸法より深く(先端54a・56a側から深く)形成されている。
【0062】
折り装置50を利用した第2実施形態の折り畳み方法を説明すると、まず、一対の折り板群53・55の各折り板54・56を、第1実施形態と同様に、基台51と直交するように、先端54a・56a側を元部54c・56c側から上方へ垂設させて、待機させておく。また、展開状態のエアバッグ11の各取付片14aを係止ピン52に係止させておくとともに、下辺部16側を各把持具57に把持させて、エアバッグ11を展開状態に引っ張りつつ上下方向に配置させておく。
【0063】
そして、図11のAに示すように、折り板54A・56A・54B・56B・54C・56C・54D・56Dを、順に、先端54a・56a側がエアバッグ11に当接するように、基台51と平行となるまで、倒して、図11のB・Cに示すようにする。
【0064】
すると、各折り板54・56の先端54a・56aによって、折り装置40を使用したのと同様に、エアバッグ11が谷折りされて蛇腹折りされる。なお、折り板56Dが倒れる前には、各把持部57による下辺部16の把持を解除しておく。
【0065】
その後、図11のD・Eに示すように、各折り板54・56の各凹部54b・56bを利用して、折られたエアバッグ11を破断可能な粘着テープ58で包んだり、あるいは、折られたエアバッグ11に逆U字形状の錘り59を乗せたりして、折目Cに圧力を加えてくせ付けするとともに、折り板群53・55を相互に離隔させるように外方へ移動させ、折られたエアバッグ11から各折り板54・56を離脱させる。
【0066】
その後、所定時間経過後、錘り59を乗せている場合には、錘り59を外して、基台51から蛇腹折りされたエアバッグ11を取り出し、さらに、折り畳み時に折り込まれた取付片15aがあれば、それを引っ張り出しておき、第1実施形態の場合と同様に、エアバッグ11の取付片14a・15aの部位を取付ベルト29でくるむとともに、ガス流入部19に取付装置25を利用してインフレーター24を組み付けておき、ガーニッシュ33やルーフ内装材35とともに、エアバッグ装置M1を車両に装着すれば良い。
【0067】
この第2実施形態の折り畳み方法でも、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができるとともに、各折り板54・56の凹部54b・56bを利用して、折り板54・56からエアバッグ11を離脱させる前に、折目Cにくせ付けすることができることから、蛇腹折りしたエアバッグ11を折り装置50から取り出す際の折り崩れを防止することができる。
【0068】
なお、折目Cのくせ付けに関し、粘着テープ58と錘り59とを併用しても良い。
【0069】
また、第1・2実施形態において、粘着テープ48・58や錘り59を利用することなく、蛇腹折りした直後の折り板46D・56Dの上方から圧力を加えたり、あるいは、さらに熱を加えて、くせ付けしても良い。
【0070】
つぎに、第3実施形態の折り畳み方法について説明すると、第3実施形態では、図12に示す折り装置60を使用するものであり、この折り装置60は、基台61の上面側に、一対の折り板群63・66、把持具69、及び、プッシャ70を配置させて構成されている。
【0071】
基台61には、折り装置40・50の係止ピン42・52と同様に、上辺部14の各取付片14aの取付孔14bに挿入されて周縁を係止する係止ピン62が配置されている。
【0072】
一対の折り板群63・66は、展開状態で上下方向に配置されるエアバッグ11を間にして、それぞれ、4枚ずつの折り板65・68を備えて構成されている。さらに、一対の折り板群63・66は、各折り板65(65A・65B・65C・65D)・68(68A・68B・68C・68D)を、相互に上下方向に少しずらして水平方向で対向させるとともに、展開状態のエアバッグ11と直交方向となる基台61の上面に沿う水平方向に移動可能に、フレーム64・67に保持させて、構成されている。各折り板65・68を移動させる手段は、図示しないエアシリンダ等で構成されている。
【0073】
また、折り板群63・66は、基台61上で水平方向にそれぞれ移動可能に配設されている。
【0074】
なお、フレーム64・67の相互の離隔距離は、エアバッグ11の蛇腹折り時、その折り幅Bと略等しくなるように配置されることとなる。
【0075】
また、各折り板65(65A・65B・65C・65D)・68(68A・68B・68C・68D)の上下方向の間隔は、蛇腹折り時における図11のBに示すように、エアバッグ11の厚さを隔てて、対向する折り板44・46が交互に基台41の上面と平行に配置されるように、設定されている。
【0076】
把持具69は、折り装置40・50の把持具47・57と同様に、図示しないコイルばね等の付勢手段で基台61から離隔する方向に付勢されて、エアバッグ11の下辺部16側を複数箇所で把持できるように、所定数配設されている。
【0077】
また、プッシャ70は、内部にヒータ等の発熱体を配置させて構成されるとともに、フレーム64・67間に挿入可能として構成されている。
【0078】
折り装置60を利用した第3実施形態の折り畳み方法を説明すると、まず、展開状態のエアバッグ11の各取付片14aを係止ピン62に係止させておくとともに、下辺部16側を各把持具69に把持させて、エアバッグ11を展開状態に引っ張りつつ上下方向に配置させておく。そして、一対の折り板群63・66の各折り板65・68を、各フレーム64・67間に先端65a・68aを突出させないように、後退させて待機させておくとともに、フレーム64・67間を折り幅Bに対応する距離離隔させて、折り板群63・66を所定位置に配置させておく。
【0079】
そして、図12のAに示すように、折り板65A・68A・65B・68B・65C・68C・65D・68Dを、順に、先端65a・68aがエアバッグ11を介在させて対向するフレーム67・64に当接する付近まで、基台61の上面に沿わせて移動させ、図12のBに示すようにする。
【0080】
すると、各折り板65・68の先端65a・68aによって、エアバッグ11が谷折りされて蛇腹折りされる。
【0081】
なお、各折り板65A・68A・65B・68B・65C・68C・65D・68Dが移動する際には、エアバッグ11の把持具69側が、図示しない付勢力に抗して、順次、基台61側に接近することとなる。また、折り板68Dが前進する前には、各把持部69による下辺部16の把持を解除しておく。
【0082】
その後、図12のCに示すように、順次、上方の折り板68D・65D・68C・65C・68B・65B・68A・65Aを後退させつつ、上方から加熱したプッシャ70をフレーム64・67間に挿入させて、蛇腹折りした折目Cに、熱を加えつつ圧力を加えてくせ付けする。
【0083】
その後、折り板群63・66を相互に離隔するように外方へ移動させ、係止ピン62を下方へ移動させて係止ピン62による取付片14aの係止を解除するとともに、折り装置60から折り畳まれたエアバッグ11を取り外す。
【0084】
そして、折り畳み時に折り込まれた取付片15aがあれば、それを引っ張り出しておき、エアバッグ11の取付片14a・15aの部位を取付ベルト29でくるむとともに、ガス流入部19に取付装置25を利用してインフレーター24を組み付けておき、ガーニッシュ33やルーフ内装材35とともに、取付ベルト29と取付装置25とを、クリップ27等を利用して、ボディ31に取り付けて、エアバッグ装置M1を車両に装着すれば良い。
【0085】
この第3実施形態の折り畳み方法では、請求項1の作用・効果の他に、使用する折り装置60の一対の折り板群63・66が、展開状態のエアバッグ11を間にして、相互に対向するように配置されるとともに、各折り板65・68を展開状態のエアバッグ11と直交方向に移動可能に保持して、構成され、蛇腹折り時、一対の折り板群63・66の各折り板65・68の先端65a・68a側を、順次かつ交互に、エアバッグ11側に移動させて、エアバッグ11を谷折りして蛇腹折りするものである。そのため、第3実施形態でも、各折り板65・68の移動の軌跡がシンプルであることから、手動により、折り板65・68を簡単に操作することもでき、また、各折り板65・68の駆動や支持の構造を簡素化できて、折り装置60の設備費を安価にできる。さらに、各折り板65・68は、移動軌跡を展開状態のエアバッグ11と直交させており、相互に干渉しないため、各折り板65・68を順次外して、プッシャ70等により、円滑に素早く折目Cにくせ付けを行なうことができる。
【0086】
勿論、第3実施形態では、折目Cのくせ付けとして、折り板65・68を取り外した状態で、プッシャ70で加圧しているため、強くくせ付けすることができ、さらに、そのプッシャ70が加熱されているため、一層強く、くせ付けすることができる。なお、プッシャ70は、加熱せずに折目Cに圧力を加えるように構成しても良い。
【0087】
つぎに、第4実施形態の折り畳み方法について説明すると、第4実施形態に使用する折り装置80は、図13に示すように、一対の折り板群81・84と、フレーム87に保持させた受け板88と、を備えて構成されている。
【0088】
一対の折り板群81・84は、展開状態で水平方向に配置されるエアバッグ11を間にして、相互に上下方向で対向しかつ相互に接近可能に配置されている。一対の折り板群81・84は、多数の折り板83・86を折目Cと平行な水平方向の回転軸を有した回転体82・85の外周面に保持させたような、歯車状に形成されている。
【0089】
受け板88は、折り板群81・84のエアバッグ11の送り出し方向に、フレーム87に保持されて配設されている。受け板88は、送り出し方向と逆方向に付勢され、かつ、回転時の折り板群81・84の各折り板83・86と干渉しない程度に、接近可能に、フレーム87に保持されている。また、フレーム87内には、図示しない発熱体が内蔵されている。
【0090】
なお、各折り板83・86の回転体82・85からの突出高さは、エアバッグの折り幅Bと略等しく設定されている。
【0091】
また、各折り板群81・84は、図示しないモータ等のロータリアクチュエータにより、少なくとも一方が回転駆動されるように構成されるとともに、図示しないエアシリンダ等により、折り板群84が上下動して折り板群81側に接近可能に構成されている。
【0092】
この第4実施形態の折り畳み方法を説明すると、まず、図13のAに示すように、折り板群84を折り板群81の上方に待機させておき、折り板群81上に、折る際の折目Cを各回転体82・85の回転軸と平行とするとともに、上辺部14若しくは下辺部16側を受け板88側に配置させるようにして、展開状態のエアバッグ11を水平方向に配置させる。なお、フレーム87内の図示しない発熱体は予め発熱させておく。
【0093】
その後、図13のBに示すように、折り板群84を下降させて、折り板群81・84の各折り板82・85を噛み合わせるように、折り板群81に接近させる。
【0094】
ついで、図示しないロータリーアクチュエータを作動させて、折り板群81・84を送り出し方向に回転させる。すると、エアバッグ11は、各折り板群81・84の折り板82・85の先端82a・85aで谷折りされつつ、折り板群81・84から送り出されて、先端側が受け板88に当接され、以下、順次、折り板群81・84から送り出されるにつれて、蛇腹折りされることとなる。また、その際、受け板88は、順次、図示しない付勢手段に抗して、送り出し方向に移動することから、蛇腹折りされているエアバッグ11の折目Cは、圧力を加えられるとともに、フレーム87からの熱を受けて、くせ付けされることとなる。
【0095】
そして、エアバッグ11の全てが、折り板群81・84から送り出されて受け板88上に移行したならば、エアバッグ11を折り装置80から取り出して、車両に装着すれば良い。
【0096】
この第4実施形態の折り畳み方法では、使用する一対の折り板群81・84が、展開状態のエアバッグ11を間にして、相互に対向しかつ相互に接近可能に配置されるとともに、各折り板83・86を折目Cと平行な回転軸を有した回転体82・85の外周面に保持させて、構成されて、蛇腹折り時、一対の折り板群81・84の各折り板83・86の相互を噛み合わせるように接近させるとともに回転させて、エアバッグ11を蛇腹折りしつつ、受け板88側に押し付けて、くせ付けするものである。そのため、請求項1の作用・効果の他に、回転体82・85の接近と回転とによって、エアバッグ11の折り畳み作業を行なえることから、エアバッグ11の折り畳みサイクルを短縮することができる。
【0097】
なお、第4実施形態に使用した折り装置80では、フレーム87を発熱できるように構成したものを示したが、勿論、ヒータ等を設けないフレーム87を使用しても良い。
【0098】
つぎに、第5実施形態の折り畳み方法について説明すると、第5実施形態の折り畳み方法は、図14に示す折り装置90を使用するものである。折り装置90は、一対の折り板群91・98、曲げ部材104・105、及び、ヒータ板107・108、を備えて構成されている。
【0099】
折り板群91・98は、展開状態の水平方向に配置されるエアバッグ11を間にして、相互に上下方向で対向するように配置され、それぞれ、多数の折り板92・99を連結用ヒンジ95・102で連結させて、各折り板92・99をフリーローラ(図符号省略)で案内させて循環させるように構成されている。各折り板92・99は、それぞれ先端93a・100a相互を折曲用ヒンジ94・101でヒンジ結合させた二枚一組の押板93・100によって構成されるとともに、各押板93・100の元部93b・100b側を隣の各折り板92・99の押板93・100の元部93b・100b側に対して連結用ヒンジ95・102によってヒンジ結合させて、構成されている。各押板93のヒンジ94・95間や各押板100のヒンジ101・102間の距離は、エアバッグ11の折り幅B(図15のA参照)より若干長く設定されている。また、折曲用ヒンジ94・101は、エアバッグ11の谷折りの折目Cを形成するため、連結用ヒンジ95・102より小さいものが使用されている。
【0100】
また、一対の折り板群91・98は、折り板92・99が半ピッチ分ずれて循環駆動するように(折曲用ヒンジ94と連結用ヒンジ102とが一致して循環駆動するように)構成されている。
【0101】
ヒータ板107・108は、図14に示すように、折り板群91・98の各折り板92・99を重ねてヒンジ94・95・101・102で折り曲げた際のヒンジ95・102間の高さと略等しい間隔を有して上下に対向して配設され、内部に、図示しない発熱体を備えて構成されている。ヒータ板107・108間の間隔は、屈曲させた折り板92・99を摩擦抵抗等の抵抗を与えて、折目Cのくせ付けができる寸法に設定され、また、ヒータ板107・108の長さは、折目Cのくせ付けが完了できる時間を十分確保できるように、所定長さに設定されている。
【0102】
曲げ部材104・105は、各折り板群91・98の折曲用ヒンジ94・101を内側から外側へ押圧できように、上下動と回動とを重ねた揺動運動ができるるように配設されて、各折り板群91・98の折り板92・99を循環駆動させる駆動源となるものである。
【0103】
これらの曲げ部材104・105の動作を説明すると、まず、図15のAに示す状態であれば、その後、図15のBに示すように、曲げ部材104が、ヒータ板107側に接近するように揺動しつつ、さらに、図15のCに示すように、曲げ部材105が上昇する。すると、1個の連結用ヒンジ95の厚さ寸法分、折り板92・99が折り曲げられてヒータ板107・108間に挿入されることとなる。
【0104】
その後、図15のD・Eに示すように、曲げ部材104が下降するとともに、曲げ部材105が、ヒータ板108に接近するように揺動すれば、1個の連結用ヒンジ102の厚さ寸法分、折り板92・99が折り曲げられてヒータ板107・108間に挿入されることとなり、以下、既述の図15のA〜Eが繰り返されて、各折り板92・99が、ヒータ板107・108間で折り畳まれた状態となって、循環駆動されることとなる。
【0105】
また、実施形態の場合には、折り板群91側の各折り板92が、曲げ部材104・105の手前側で、水平方向に展開する距離を長くできるように構成されており、さらに、所定の連結用ヒンジ95には、エアバッグ11の取付孔14bに挿入係止される係止ピン96が配設されている。
【0106】
第5実施形態の折り畳み方法を説明すると、まず、取付孔14bを利用してエアバッグ11の各取付片14を係止ピン96に係止させ、曲げ部材104・105を作動させれば、順次、ヒータ板107・108間に、ヒンジ94・95・101・102を屈曲させて、各折り板92・99が折り曲げられて挿入され、折り板92・99間のエアバッグ11が、折り板92・99を構成する押板93・100の先端93a・100aで谷折りされて蛇腹折りされる。そして、ヒータ板107・108間を通過する間に、順次、折り曲げられてヒータ板107・108間に挿入される折り板92・99で押されるとともに加熱され、折目Cがくせ付けされて、ヒータ板107・108間から排出されることとなる。
【0107】
この第5実施形態では、使用する一対の折り板群91・98が、展開状態のエアバッグ11を間にして、相互に対向するように配置されるとともに、各折り板92・99を、それぞれ先端93a・100a相互でヒンジ94・101結合させた二枚一組の押板93・100で構成し、かつ、各押板93・100の元部93b・100b側を隣の各折り板92・99の押板93・100の元部93b・100b側にヒンジ95・102結合させて、循環駆動させるように保持して、構成されている。そして、折る際には、展開状態のエアバッグ11を間にして、対向する折り板92・99相互を半ピッチずらして循環駆動させるとともに、各折り板92・99における二枚の押板93・100の先端93a・100a相互を、相互に噛み合うように、エアバッグ11側に押圧させて、エアバッグ11とともに一対の折り板群91・98の各折り板92・99を折り畳んで、エアバッグ11を蛇腹折りし、さらに、各折り板92・99の折り畳んだ状態を一定時間維持して、くせ付けするものである。そのため、請求項1の作用・効果の他に、対応して循環駆動する一対の折り板群91・98の間にエアバッグ11を配置させれば、順次、折りと同時にくせ付けも行なえることとなって、エアバッグ11の折り畳みサイクルを一層短縮できるとともに、多数のエアバッグ11を連続的に折り畳むことができて、エアバッグ11の折り畳み作業を効率的に行なうことができる。また、折り板92・99自体が蛇腹折りの態様で折り畳まれて、エアバッグ11を折り畳んでいくことから、折り品質を安定させるために、別途、エアバッグ11を引っ張る引張手段を設けなくとも、折り品質を安定させて、エアバッグ11を折り畳むことができる。
【0108】
なお、第5実施形態に使用する折り装置90として、屈曲させた折り板92・99を摩擦抵抗等の抵抗を与えて排出できれば、折目Cに圧力を加えてくせ付けを行なえることから、ヒータ板107・108の代わりに、発熱体を内蔵させない単なるガイド板を使用しても良い。
【0109】
また、各実施形態で折り畳んだエアバッグ11では、フロントピラーからルーフサイドレールにかけて配置されるエアバッグ11について説明したが、車内側における車両の後部側のクォータピラーやセンターピラーからルーフサイドレールにかけるドアの開口Wの周縁の逆略L字状の部位に配置されるエアバッグに、本発明を応用しても良く、その場合には、クォータピラーやセンターピラーの下部に、インフレーター24が配置されて、ガス流入部19が配置されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態で折り畳まれるエアバッグが使用されるサイドエアバッグ装置を示す図である。
【図2】図1のII−II部位の要部拡大断面図である。
【図3】図1のIII −III 部位の要部拡大断面図である。
【図4】同実施形態のエアバッグが使用されたサイドエアバッグ装置の作動時の状態を示す図である。
【図5】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す正面図である。
【図6】図5のVI−VI部位の拡大断面図である。
【図7】図5のVII −VII 部位の拡大断面図である。
【図8】図5のVIII−VIII部位の拡大断面図である。
【図9】同実施形態のエアバッグを製造するための布材を示す平面図である。
【図10】同実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図11】第2実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図12】第3実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図13】第4実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図14】第5実施形態のエアバッグの折り畳み工程を説明する図である。
【図15】同実施形態で使用する折り装置の折り板の循環駆動を説明する図である。
【図16】従来のエアバッグを示す図である。
【符号の説明】
1・11…エアバッグ、
14…上辺部、
14a・15a…取付片、
15…斜辺部、
16…下辺部、
43・45・53・55・63・66・81・84・91・98…折り板群、
44・46・54・56・65・68・83・86・92・99…折り板、
44a・46a・54a・56a・65a・68a・83a・86a・93a・100a…先端、
82・85…回転体、
88…受け板、
93・100…押板、
94・95・101・102…ヒンジ、
C…折目、
W…開口、
M0・M1…サイドエアバッグ装置。
Claims (2)
- 膨張時の形状を、車内側の開口の周縁に取付可能な取付片をそれぞれ有した上辺部と該上辺部から斜め下方に鈍角状に連なる斜辺部との2辺を有した略平行四辺形の板状の袋状として、
前記開口の周縁に折り畳まれて収納されるサイドエアバッグの折り畳み方法であって、
前記上辺部と平行な折目として、前記上辺部側若しくは前記上辺部と対向する下辺部側から、山折り・谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りするように、
複数の折り板を有した一対の折り板群を、展開状態の前記エアバッグの表裏で対向するように配置させ、前記一対の折り板群の各折り板を、前記上辺部若しくは下辺部の一方側における谷折り側に順次配置させて、前記各折り板の先端で谷折りして蛇腹折りし、
さらに、折目に対して加圧するくせ付けを行なって折り畳み可能に、
前記一対の折り板群が、展開状態の前記エアバッグを間にして、相互に対向するように配置され、前記一対の折り板群の各折り板が、それぞれ先端相互でヒンジ結合させた二枚一組の押板で構成されるとともに、前記各押板の元部側を隣の各折り板の押板の元部側にヒンジ結合させて、循環駆動するように構成され、
前記一対の折り板群の各折り板を、展開状態の前記エアバッグを間にして、対向する折り板相互を半ピッチずらして循環駆動させるとともに、前記各折り板における二枚の押板の先端相互を、相互に噛み合うように、前記エアバッグ側に押圧させて、前記エアバッグとともに前記一対の折り板群の各折り板を折り畳んで、前記エアバッグを蛇腹折りし、さらに、前記各折り板の折り畳んだ状態を一定時間維持して、くせ付けすることを特徴とするサイドエアバッグの折り畳み方法。 - くせ付け時、折目を加熱することを特徴とする請求項1に記載のサイドエアバッグの折り畳み方法。
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