JP2002187515A - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

助手席用エアバッグ装置

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JP2002187515A
JP2002187515A JP2000386072A JP2000386072A JP2002187515A JP 2002187515 A JP2002187515 A JP 2002187515A JP 2000386072 A JP2000386072 A JP 2000386072A JP 2000386072 A JP2000386072 A JP 2000386072A JP 2002187515 A JP2002187515 A JP 2002187515A
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耕 田島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インパネ上面とウインドシールドとの間で、エ
アバッグが、広い面積を確保して、乗員側へ展開膨張可
能な助手席用エアバッグ装置を提供すること。 【解決手段】助手席用エアバッグ装置のエアバッグ10
は、ガス流入口12を有した開口側壁部24と、展開膨
張時に乗員と対向する乗員側壁部25と、を備える。エ
アバッグは、まず、ガス流入口12を前方側に配置させ
た開口側壁部24に乗員側壁部25を平らに重ねて、後
端27を開口側壁部側Dに巻いて、横折りする。つい
で、左右の縁30・31を、ガス流入口12側に接近さ
せるように、縦折りする。その後、縦折り工程後の後方
側部位33を、開口側壁部側Dへ巻くように、横折りし
て、乗員側壁部側Uの上に載せるとともに、ガス流入口
の前方側部位37を、乗員側壁部側Uでガス流入口に接
近させるように、横折りして、ケースに収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、助手席前方のイン
ストルメントパネル(以下、インパネと略す)に配置さ
れる助手席用エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、助手席用エアバッグ装
置では、エアバッグが、膨張用ガスを流入させるガス流
入口を有した開口側壁部と、展開膨張時に乗員と対向す
る乗員側壁部と、を備えて構成されていた。そして、エ
アバッグは、助手席前方のインパネの内部に配置された
ケースに、折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入
時に、インパネの上面側の開口から突出して車両後方側
へ展開膨張していた(特開平11−278172号公報
参照)。
【0003】このエアバッグの展開膨張時には、乗員側
へ部分的な押圧力を作用させないように、広く開いた状
態で、かつ、移動速度を抑えた状態で、乗員側へ突出す
ることが望ましい。
【0004】この場合、特開平9−263195号公報
に記載されているように、エアバッグの折り畳み工程に
おいて、横折り(車両の左右方向に折目をつける折り
方)と縦折り(車両の前後方向に折目をつける折り方)
との二工程だけで折り畳むのではなく、折目を直交交差
させるように、三段階で折り畳むことが考えられる。例
えば、第一工程で、横折りを行い、第二工程で、縦折り
を行い、第三工程で、再度、横折りを行って、折り畳み
工程を完了させることが考えられる。このようなエアバ
ッグでは、展開膨張時に、折り畳み工程と略逆に、第三
工程の横折りを解消しつつ、第二工程の縦折りを解消
し、さらに、第一工程の横折りを解消することから、前
後左右(若しくは上下左右)に広く展開しつつ、乗員側
に移動し、かつ、直交した折目を解く抵抗により、乗員
側への突出速度が低減されて、乗員側へ膨張することと
なる。
【0005】しかし、助手席用のエアバッグは、展開膨
張時、収納されたインパネの上面とウインドシールドと
の間で、乗員側壁部を広い面積として、車両後方側へ展
開させる必要があることから、好適に三段階で折り畳む
点に、課題があった。
【0006】本発明は、上述の課題を解決するものであ
り、インパネ上面とウインドシールドとの間で、エアバ
ッグが、広い面積を確保して、乗員側へ展開膨張可能な
助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る助手席用エ
アバッグ装置は、助手席前方のインパネの内部に配置さ
れたケースに、折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの
流入時に、前記インパネの上面側の開口から突出して車
両後方側へ展開膨張するエアバッグを、備え、該エアバ
ッグが、膨張用ガスを流入させるガス流入口を有した開
口側壁部(開口側の壁部)と、展開膨張時に乗員と対向
する乗員側壁部(乗員側の壁部)と、を備えて構成され
る助手席用エアバッグ装置であって、前記エアバッグ
が、第一横折り工程を経た後、縦折り工程を行い、さら
に、第二横折り工程を経て、折り畳み工程を完了させ、
前記ケースに収納されるように構成され、前記第一横折
り工程が、前記ガス流入口を前方側に配置させた前記開
口側壁部に、前記乗員側壁部を重ねて平らにし、つい
で、前記ガス流入口の後方側について、重ねた後端を前
記開口側壁部側(開口側の壁部側)へ巻く横折りを行っ
て、折り畳み部位を前記ガス流入口より後方側に配置さ
せる工程を、具備し、前記縦折り工程が、第一横折り工
程後の左右の縁を、前記ガス流入口側に接近させるよう
に、縦折りする工程とし、前記第二横折り工程が、前記
縦折り工程後における前記ガス流入口の後方側部位を、
後端側を前記開口側壁部側へ巻くように、横折りして、
前記乗員側壁部側(乗員側の壁部側)の上に載せるとと
もに、前記縦折り工程後における前記ガス流入口の前方
側部位を、前記乗員側壁部側で前記ガス流入口に接近さ
せるように、横折りして折り畳む工程としていることを
特徴とする。
【0008】そして、第二横折り工程の前記縦折り工程
後における前記ガス流入口の前方側部位は、横折りされ
た前記ガス流入口の後方側部位の折り畳み部位における
上方側に、配置されるように折り畳むことが望ましい。
【0009】さらに、前記第二横折り工程の前記縦折り
工程後における前記ガス流入口の前方側部位は、前端を
前記乗員側壁部側へ巻いて、横折りすることが望まし
い。
【0010】さらにまた、前記第二横折り工程で横折り
された前記ガス流入口の後方側部位の折り畳み部位は、
重心を、前記ガス流入口から前記エアバッグ内に上向き
に流入する膨張用ガスの主流の位置より、後方側に配置
させて、前記乗員側壁部側の上に載せることが望まし
い。
【0011】なお、本明細書での前後左右は、直進状態
の車両に助手席用エアバッグ装置を搭載した状態を基準
に、その車両の前後左右に対応する方向としている。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る助手席用エアバッグ装置で
は、エアバッグの展開膨張時、折り畳み工程と略逆に折
りを解消して、展開膨張することとなる。そのため、展
開膨張初期時には、第二横折り工程で折り畳んだ折目が
解消され、展開膨張途中では、縦折りを解消しつつ、第
一横折り工程で折り畳んだ折目が解消されることとな
る。
【0013】そして、第二横折り工程において、縦折り
工程後におけるガス流入口の後方側部位は、後端側を開
口側壁部側(開口側の壁部側)へ巻くように、横折りし
て、乗員側壁部側(乗員側の壁部側)の上に載せている
ため、エアバッグ展開膨張初期時における第二横折り工
程の折目の解消時、縦折り工程後におけるガス流入口の
後方側部位は、後端側の巻きを解きつつ、開口側壁部側
に引っ張られるように、インパネ上面に沿って車両後方
側に展開する。また、第二横折り工程において、縦折り
工程後におけるガス流入口の前方側部位は、乗員側壁部
側でガス流入口に接近させるように、横折りされている
ため、車両の前方側若しくは上方側に展開する。すなわ
ち、展開膨張初期時には、車両の前後方向にエアバッグ
が広く展開膨張する。
【0014】なお、巻いた状態の折り畳み部位が膨張用
ガスを流入させて折りを解消する際には、折り畳み部位
が巻いた状態を解きつつ折りを解消するため、折りを解
消した部位は、折りの未解消部位の回転する慣性力によ
って、巻いていた側に引っ張られ、その状態で、折り畳
み部位が、折りを解消することから、上記のガス流入口
の後方側部位では、折りの解消時、開口側壁部側に湾曲
するように、折りが解消され、その結果、インパネ上面
に沿って車両後方側へ展開することとなる。
【0015】そして、第二横折り工程で折り畳んだ折目
の解消後には、縦折り工程で折り畳んだ折目を解消させ
るため、エアバッグは、車両の左右方向に展開膨張す
る。すなわち、第二横折り工程での折目の解消に伴って
エアバッグが既に前後方向に広がっており、この縦折り
工程での折目の解消に伴って、エアバッグが左右方向に
広がることから、この時点で、エアバッグの乗員側壁部
が、広く広がる態様となる。
【0016】と同時に、エアバッグは、第一横折り工程
で折り畳んだ折目を解消させることとなる。その際、第
一横折り工程では、開口側壁部に乗員側壁部を重ねた状
態におけるガス流入口の後方側が、その後端を開口側壁
部側へ巻く横折りを行っていることから、巻きを解きつ
つ、インパネの上面側から後面側に沿って折りを解消さ
せることとなる。そして、この時の折りを解消する部位
は、ガス流入口を前方側に配置させた状態としている開
口側壁部に対して、乗員側壁部を重ねて平らに展開させ
た状態での、ガス流入口の後方側部位であることから、
前後方向に長い部位であり、その部位が、インパネの上
面側から後面側に沿って、折りを解消させることから、
極力、エアバッグの乗員側壁部の車両後方側へ移動する
速度が抑えられ、その結果、エアバッグの乗員側壁部
が、左右方向に広がって、一層、広い面積で、車両後方
側へ移動することとなる。
【0017】したがって、本発明に係る助手席用エアバ
ッグ装置では、インパネ上面とウインドシールドとの間
で、エアバッグを、広い面積を確保して、乗員側へ展開
膨張させることができ、エアバッグにおける乗員側壁部
の乗員側への移動速度を低減させることができる。
【0018】そして、請求項2に記載したように、第二
横折り工程の縦折り工程後におけるガス流入口の前方側
部位を、横折りされたガス流入口の後方側部位の折り畳
み部位における上方側に、配置させて、折り畳む構成と
すれば、ケースを覆ってエアバッグの展開膨張時に開く
エアバッグカバーの扉部を、前縁側にヒンジ部を設けた
片開きタイプとした助手席用エアバッグ装置に、好適と
なる。
【0019】さらに、請求項3に記載したように、第二
横折り工程の縦折り工程後におけるガス流入口の前方側
部位を、前端を乗員側壁部側へ巻いて、横折りする構成
とすれば、ガス流入口の前方側部位は、折りを解消する
際、ウインドシールドに当接しても、巻きを解くように
折りを解消できるため、ウインドシールドへの押圧力を
低く抑えることができる。
【0020】さらにまた、請求項4に記載したように、
第二横折り工程で横折りされたガス流入口の後方側部位
の折り畳み部位が、重心を、ガス流入口からエアバッグ
内に上向きに流入する膨張用ガスの主流の位置より、後
方側に配置させて、乗員側壁部側の上に載せられておれ
ば、つぎのような作用・効果を得ることができる。
【0021】すなわち、後方側部位の折り畳み部位が折
目を解消する際の初期段階では、後方側部位の折り畳み
部位が、膨張用ガスの主流によって、後方側へ押される
分力を与えられ、その状態で、折目を解消する態様とな
る。そのため、後方側部位の折り畳み部位は、後端側の
巻きを解きつつ、開口側壁部側に引っ張られるように、
インパネ上面に沿って車両後方側に展開する際、後方側
へ押される分力によって、素早く、インパネ上面に沿う
ように展開することとなって、一層、エアバッグの乗員
側壁部が、後方側への突出を抑えられて、上下方向に広
く展開することとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】第1実施形態の助手席用エアバッグ装置M
1は、図1・2に示すように、インパネ(インストルメ
ントパネル)1の表面における上面1a側の内部に配置
されるトップマウントタイプである。このエアバッグ装
置M1は、折り畳まれたエアバッグ10と、エアバッグ
10に膨張用ガスを供給するインフレーター44と、エ
アバッグ10及びインフレーター44を収納保持するケ
ース46と、エアバッグ10をケース46に取り付ける
ためのリテーナ41と、折り畳まれたエアバッグ10を
覆うエアバッグカバー57と、エアバッグカバー57を
ケース46に強固に連結するための二つの押え板55
と、を備えて構成されている。
【0024】エアバッグ10をケース46に取り付ける
リテーナ41は、四角環状の板金製として、所定位置に
下方へ延びる複数のボルト41aを備えて構成されてい
る。リテーナ41は、各ボルト41aをエアバッグ10
の後述する取付孔14に挿通させるとともに、ケース4
6や押え板55の後述する底壁部49や横板部55aに
挿通させて、各ボルト41aにナット41bを螺合させ
ることにより、ケース46に取り付けられることとな
る。
【0025】インフレーター44は、シリンダタイプと
して、ケース46の後述する下部室51内に収納保持さ
れている。
【0026】エアバッグカバー57は、オレフィン系や
エステル系等の熱可塑性エラストマー等から形成され
て、インパネ1の長方形状に開口する開口2を塞ぐよう
に配置される天井壁部58と、天井壁部58の下面から
下方へ延びる略四角筒形状の側壁部61と、から構成さ
れている。天井壁部58は、側壁部61に囲まれた内側
に、周囲に薄肉の破断予定部60を配置させて、一つの
扉部59を配設させている。破断予定部60は、天井壁
部58の上方から見て、略U字形状に配置されている。
扉部59は、膨張時のエアバッグ10に押されて破断し
た際、図2・10のBの二点鎖線で示すように、前縁側
をヒンジ部59aとして、車両の前方側に開くこととな
る。また、天井壁部58の車両の前後の縁には、下方へ
突出する複数の係止脚58aが形成されている。各係止
脚58aは、インパネ1の開口2の周縁に段差を有して
設けられたフランジ部3の下面側に、係止されている。
側壁部61には、車両の前後方向の部位に、車両の前後
方向に貫通する複数の係止孔61aが、形成されてお
り、これらの係止孔61aと押え板55とを使用して、
側壁部61がケース46の後述する上部室47に連結さ
れている。
【0027】押え板55は、板金から形成されるととも
に、横板部55aと横板部55aの端部から上方へ延び
る縦板部55bとを備えた断面L字形として、ケース4
6の車両の前後方向の部位に、それぞれ、配置されてい
る。そして、各横板部55aには、リテーナ41の各ボ
ルト41aを挿通させる貫通孔(図符号省略)が形成さ
れ、各縦板部55bの上端は、ケース46の後述する係
止突起48aに挿通可能に形成されている。
【0028】ケース46は、板金製として、上方を開口
させた直方体形状の上部室47と、上部室47と連通す
るように、ケース46の下部側に配置される下部室51
と、から構成されている。
【0029】上部室47は、略四角筒形状の周壁部48
と、周壁部48の下部に配置される底壁部49と、から
構成されている。周壁部48には、エアバッグカバー側
壁部61の各係止孔61aに挿入される係止突起48a
が、外側に突出するように複数形成されている。底壁部
49には、リテーナ41の各ボルト41aを挿通させる
ための貫通孔(図符号省略)が形成され、車両の前後方
向の部位の下面には、それぞれ、押え板55の横板部5
5aが当接して配置されることとなる。
【0030】下部室51は、底壁部49の内側端部から
下方へ延びるような略四角筒形状の周壁部52と、周壁
部52の下端を塞ぐ底壁部53と、を備えて構成されて
いる。底壁部53には、ケース46をボディ5に取り付
けるためのナット53aが取り付けられている。底壁部
53は、ボディ5側のリンフォース5aから延びるブラ
ケット5bに取り付けられるものであり、ボルト6を、
ブラケット5bに設けられた連結孔(図符号省略)を経
て、ナット53aに螺合させることにより、ブラケット
5bに取り付けられている。
【0031】エアバッグ10は、図3・4・図12のB
に示すように、展開膨張時の形状を、車両の左右方向に
軸心を有した略三角柱の袋状として、前方側へ下降する
上面10aと、上面10aの下端から後方へ延びる下面
10bと、上面10aの上端と下面10bの後端とを連
結する乗員側面10cと、上面10a・下面10b・乗
員側面10cを連結してエアバッグ10の左右を塞ぐ左
・右側面10d・10eと、を備えて構成されている。
そして、エアバッグ10の内部には、エアバッグ10内
に流入する膨張用ガスG(図4参照)の流れを変える整
流布19を配設させている。
【0032】エアバッグ10には、下面10bの車両の
前方側に、膨張用ガスGを流入させる長方形状に開口し
たガス流入口12が、配設されている。ガス流入口12
の周縁には、複数の取付孔14が貫通されており、これ
らの取付孔14には、リテーナ41の各ボルト41aが
挿通されて、エアバッグ10が、ケース46の底壁部4
9に保持されることとなる。また、エアバッグ10の左
・右側面10d・10eには、余剰の膨張用ガスを排気
するベントホール15・15が設けられている。さら
に、エアバッグ10の内周面側におけるガス流入口12
周縁の取付孔14付近には、略四角環状のポリエステル
やポリアミド等の糸から織成された補強布17が配設さ
れている。
【0033】そして、エアバッグ10がリテーナ41に
よってケース底壁部49に保持され、ケース46がボデ
ィ5に取り付けられて、エアバッグ装置M1が車両に搭
載された際には、ガス流入口12の開口面は、開口周縁
13の前縁13a側が後縁13b側より若干高くなっ
て、略水平面に沿うように、配置されることとなる(図
10参照)。
【0034】さらに、エアバッグ10は、図5・6に示
すように、ポリエステルやポリアミド等の糸から織成さ
れた第1・2基布11・16を縫合して製造されてお
り、第1基布11は、略正六角形状の布材を二つ(上側
部11aと下側部11e)連結させた形状として、中央
付近の左右両縁を凹ませた瓢箪形に形成され、第2基布
16は、略正六角形状に形成されている。これらの基布
11・16は、平面的な縫合作業によって立体的なエア
バッグ10を縫製できるように、設定されている。
【0035】なお、第2基布16は、エアバッグ10の
乗員側面10c付近に配置され、第1基布11は、エア
バッグ10の他の上面10a・下面10b・左・右側面
10d・10e付近に配置されることとなる。そして、
実施形態の場合には、第一横折り工程でのエアバッグ1
0の折り畳み時における平らに重ねる際、後述する開口
側壁部24は、エアバッグ10の下面10bの部位が略
対応し、後述する乗員側壁部25は、エアバッグ10の
乗員側面10cの部位が略対応することとなる。
【0036】整流布19は、図3・4に示すように、エ
アバッグ10内でガス流入口12を覆い可能に、ガス流
入口12の前後左右の寸法より大きな形状として、か
つ、エアバッグ10の展開膨張時に、ガス流入口12の
中央付近と対向する前後方向の断面形状を、ガス流入口
12から離れる上方向へ膨らむ円弧状の曲線状としてい
る。
【0037】実施形態の場合、整流布19は、図5に示
すように、エアバッグ10に取り付ける前の状態では、
ポリエステルやポリアミド等の糸から織成された整流布
素材18として構成されており、整流布素材18は、ガ
ス流入口12に対応した開口18aを備えるとともに、
開口18aの車両左右方向両側から延びる帯部18b・
18bを備え、帯部18b・18b先端相互を縫合し
て、整流布19が形成されている。なお、整流布素材1
8には、取付孔14に対応する孔(図符号省略)も配設
されている。
【0038】このエアバッグ10の製造について述べる
と、まず、図5・6のAに示すように、第1基布11に
おけるエアバッグ10の内周面側となるガス流入口12
の開口周縁13に、縫合糸Sを利用して、補強布17と
整流布素材18とを縫合する。ついで、図6のBに示す
ように、整流布素材18の帯部18bの端部相互を、縫
合糸Sを利用して円弧状に縫合し、整流布19を所定形
状に形成する。
【0039】その後、第1基布11におけるガス流入口
12の近傍の左右両縁において、図6のB・Cに示すよ
うに、上側部11aと下側部11eとの間で左右方向に
延びる第1基準線L1で折り返し、縫合糸Sを利用し
て、基準線L1の近傍の上側・下側部11a・11eの
一方の直線状の片縁部11b・11f相互を縫合すると
ともに、他方の直線状の片縁部11c・11g相互を縫
合する。
【0040】ついで、図6のC・Dに示すように、上側
部11aの左右方向に膨出した位置の左右方向に延びる
第2基準線L2で折り曲げて、上側・下側部11a・1
1eの縫合していない残部周縁11d・11hを相互に
離隔するように広げる。これらの残部周縁11d・11
hを広げた外形形状は、第2基布16の外形形状と同形
状としている。
【0041】そして、第2基布16を重ね、図6のD・
Eに示すように、縫合糸Sを利用して、重ねた外周縁相
互を縫合すれば、エアバッグ10を袋状に形成すること
ができる。
【0042】さらに、各部位を縫合した縫い代が、エア
バッグ10の外周面側に露出しないように、エアバッグ
10を袋状に形成した後には、ガス流入口12を利用し
て、エアバッグ10を裏返す。
【0043】なお、ガス流入口12を利用して裏返す作
業が困難な場合には、整流布素材18の帯部18bの端
部相互を縫合する作業を、エアバッグ10を裏返した後
に、帯部18bをガス流入口12から引き出して、行う
ようにしても良い。
【0044】上記のように製造したエアバッグ10の車
両への搭載を説明すると、まず、各取付孔14からボル
ト41aを突出させるように、内部にリテーナ41を配
設させた状態で、エアバッグ10を折り畳み、さらに、
折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ10を破
断可能な図示しないラッピングシートでくるんでおく。
【0045】そして、このエアバッグ10の折り畳み
は、第一横折り工程、縦折り工程、第二横折り工程の順
序でエアバッグ10を折り畳む。
【0046】第一横折り工程では、まず、エアバッグ1
0を予備折りして、図7に示すように、予備折りエアバ
ッグ20を形成する。この予備折りでは、エアバッグ1
0の上面10a側と左・右側面10d・10e側とに、
蛇腹状の折目21・22・23を設けて、エアバッグ下
面10b側に乗員側面10cを重ねるように、平らにす
る。すなわち、エアバッグ下面10bと乗員側面10c
との境界10f付近からガス流入口12の周縁付近まで
の開口側壁部24を、平らにするとともに、その開口側
壁部24に対し、乗員側面10cの境界10f付近まで
延びる乗員側壁部25を平らにして重ねて、ガス流入口
12を開口側壁部24の前方側に配置させた状態を確保
しつつ、予備折りエアバッグ20の前縁20a側と左右
の両縁20b・20c側とを、蛇腹折りして、折目21
・22・23を付けることとなる。
【0047】そして、ガス流入口12の後方側部位26
について、図7・8のAに示すように、予備折りエアバ
ッグ20の後端27を開口側壁部24の側Dに巻いて、
横折りを行う。この折り畳み部位28は、第二横折り工
程で横折りできるように、ガス流入口12の位置より後
方側に配置させておく。
【0048】ついで、縦折り工程において、図8のBに
示すように、第一横折り工程後の左右の縁30・31を
ガス流入口12側に接近させるように、縦折りして、折
り畳んだエアバッグ10をケース上部室47の周壁部4
8内に収納できるように、折り畳んだ横幅寸法Xを、ケ
ース上部室47の周壁部48内における車両左右方向の
横幅寸法より小さくする。なお、実施形態の場合、この
縦折りは、左右両縁30・31側をそれぞれ乗員側壁部
25の側Uで折り返した蛇腹折りとしている。
【0049】第二横折り工程では、図8のB・図9のA
に示すように、縦折り工程後におけるガス流入口12の
後方側部位33を、後端34側を開口側壁部側Dへ巻く
ように、横折りして、その折り畳み部位35をガス流入
口12の上方位置における乗員側壁部側Uの上に載せ
る。また、図9のA・Bに示すように、縦折り工程後に
おけるガス流入口12の前方側部位37を、乗員側壁部
側Uでガス流入口12に接近させるように、横折りして
折り畳む。この折り畳み完了時には、折り畳んだエアバ
ッグ10をケース周壁部48内に収納できるように、折
り畳んだ前後方向の長さ寸法Yを、ケース周壁部48内
における車両前後方向の長さ寸法より小さくする。そし
て、第1実施形態の場合には、この前方側部位37の折
り畳み部位39は、横折りされたガス流入口12の後方
側部位33の折り畳み部位35の上方に、配置させてい
る。さらに、この前方側部位37は、前端38を乗員側
壁部側Uへ巻いて横折りし、折り畳み部位35の上に配
置させている。
【0050】エアバッグ10の折り畳みが完了したなら
ば、既述したように、折り崩れしないように、折り畳ん
だエアバッグ10を破断可能な図示しないラッピングシ
ートでくるんでおく。
【0051】そして、ケース46の下部室51内にイン
フレーター44を収納させておくとともに、リテーナ4
1の各ボルト41aをケース46の各底壁部49から突
出させるように、折り畳んだエアバッグ10を上部室4
7内に収納させるとともに、さらに、上方から、エアバ
ッグカバー57の側壁部61を上部室47に外装し、側
壁部61の各係止孔61aに周壁部48の係止突起48
aを挿入させる。
【0052】ついで、各縦板部55bの上端を、側壁部
61から突出している係止突起48aに挿通させるとと
もに、各横板部55aにボルト41aを挿通させて、ケ
ース46の前後部位に押え板55・55を配置させて、
さらに、各ボルト41aにナット41bを螺合させれ
ば、エアバッグ装置M1を組み立てることができる。
【0053】そして、このように組み立てた助手席用エ
アバッグ装置M1は、車両に組み付けた状態のインパネ
1の開口2から挿入させて、各係止脚58aをフランジ
部3に係止させるとともに、ブラケット5bを経て、ナ
ット53aにボルト6を螺合させ、ケース46をボディ
5に連結すれば、車両に搭載することができる。
【0054】エアバッグ装置M1の車両への搭載後、イ
ンフレーター44から膨張用ガスGが吐出されれば、エ
アバッグ10が、膨張して、図示しないラッピングシー
トを破断するとともに、エアバッグカバー57の破断予
定部60を破断させて扉部59を図2・図10のBの二
点鎖線に示すように開かせることにより、ケース上部室
47から、大きく突出することとなる。
【0055】この時、第1実施形態のエアバッグ装置M
1では、エアバッグ10の展開膨張時、折り畳み工程と
略逆に折りを解消して、展開膨張することとなる。その
ため、展開膨張初期時には、第二横折り工程で折り畳ん
だ折目が解消され、展開膨張途中では、縦折りを解消し
つつ、第一横折り工程で折り畳んだ折目が解消されるこ
ととなる。
【0056】そして、第二横折り工程において、縦折り
工程後におけるガス流入口12の後方側部位33は、後
端34側を開口側壁部側Dへ巻くように、横折りして、
折り畳み部位35を形成して、その折り畳み部位35を
乗員側壁部側Uの上に載せているため、エアバッグ10
の展開膨張初期時における第二横折り工程の折目の解消
時には、縦折り工程後におけるガス流入口12の後方側
部位33、すなわち、折り畳み部位35は、図10のA
・B・図11のAに示すように、後端34側の巻きを解
きつつ、開口側壁部24側に引っ張られるように、イン
パネ上面1aに沿って車両後方側に展開する。また、第
二横折り工程において、縦折り工程後におけるガス流入
口12の前方側部位37は、乗員側壁部側Uでガス流入
口12に接近させるように、横折りされて、折り畳み部
位39を形成しているため、その折り畳み部位39は、
折りを解消して、車両の斜め上前方向側に展開する。す
なわち、展開膨張初期時には、車両の前後方向にエアバ
ッグ10が広く展開膨張する。
【0057】なお、巻いた状態の折り畳み部位35が膨
張用ガスを流入させて折りを解消する際には、折り畳み
部位35が巻いた状態を解きつつ折りを解消するため、
折りを解消した部位35aは、折りの未解消部位35b
の回転する慣性力によって、巻いていた側となる下側に
引っ張られ、その状態で、折り畳み部位35が、折りを
解消することから、上記のガス流入口12の後方側部位
33の折り畳み部位35では、折りの解消時、開口側壁
部側Dに湾曲するように、折りが解消され、その結果、
インパネ上面1aに沿って車両後方側へ展開することと
なる。
【0058】そして、第二横折り工程で折り畳んだ折目
の解消後には、縦折り工程で折り畳んだ折目を解消させ
るため、エアバッグ10は、図11のA・図13に示す
ように、車両の左右方向に展開膨張する。すなわち、第
二横折り工程での折目の解消に伴ってエアバッグ10が
既に前後方向に広がっており、この縦折り工程での折目
の解消に伴って、エアバッグ10が左右方向に広がるこ
とから、この時点で、エアバッグ10の乗員側壁部25
が、広く広がる態様となる。
【0059】と同時に、エアバッグ10は、第一横折り
工程で折り畳んだ折目を解消させることとなる。その
際、第一横折り工程では、開口側壁部24に乗員側壁部
25を重ねた状態におけるガス流入口12の後方側の折
り畳み部位28が、その後端27を開口側壁部側Dへ巻
く横折りにより、形成されていることから、巻きを解き
つつ、図11のB・図12のA・図13に示すように、
インパネ1の上面1a側から後面1b側に沿って折りを
解消させることとなる。そして、この時の折りを解消す
る部位は、ガス流入口12を前方側に配置させた状態と
している開口側壁部24に対して、乗員側壁部25を重
ねて平らにした状態での、ガス流入口12の後方側部位
26であることから、前後方向に長い部位であり、その
部位26が、インパネ1の上面1a側から後面1b側に
沿って、折りを解消させることから、極力、エアバッグ
10の乗員側壁部25の車両後方側へ移動する速度が抑
えられ、その結果、エアバッグ10の乗員側壁部25
が、左右方向に広がって、一層、広い面積で、車両後方
側へ移動して、図12のB・図13に示すようにエアバ
ッグ10が展開膨張を完了させることとなる。
【0060】したがって、第1実施形態の助手席用エア
バッグ装置M1では、インパネ上面1aとウインドシー
ルドWとの間で、エアバッグ10を、広い面積を確保し
て、乗員P側へ展開膨張させることができ、エアバッグ
10における乗員側壁部25の乗員P側への移動速度を
低減させることができる。
【0061】ちなみに、図7に示す予備折りの状態か
ら、まず、後方側部位26を、ガス流入口12の上方
(U側)まで横折りして、ガス流入口12の前方側部位
29(図7参照)をその後方側部位26の上方に重ねる
ように横折りし、横折り完了後に左右の縁をガス流入口
12側に接近させるように縦折りして折り畳みを完了さ
せるように、横折りと縦折りとの二工程だけで、エアバ
ッグ10を折り畳み、そのエアバッグ10を備えたエア
バッグ装置を車両に搭載した場合には、そのエアバッグ
10の展開膨張時、図14に示すように、乗員側壁部2
5が、後方側に移動して、その後、左右方向に広がる態
様であった。しかし、第1実施形態の場合には、図13
に示すように、乗員側壁部25が左右方向に広がった状
態で、後方側に移動する態様となっており、実施形態の
場合には、エアバッグ10における乗員側壁部25の乗
員P側への移動速度が、低減されていることが解る。
【0062】また、第1実施形態の場合には、第二横折
り工程の縦折り工程後におけるガス流入口12の前方側
部位37を、横折りされたガス流入口12の後方側部位
33の折り畳み部位35における上方側に、配置させ
て、折り畳む構成として、最終工程で形成した折り畳み
部位35・37を上下方向に略一列に配置させて、ケー
ス上部室47内に収納している。そのため、エアバッグ
10の膨張用ガスの流入時に、折り畳み部位35・37
が一つの塊となって、ケース上部室47から突出するこ
ととなって、エアバッグ10によって押し開かれる扉部
59が、前縁側にヒンジ部59aを設けた片開きタイプ
として、上方から見てコンパクトとなる助手席用エアバ
ッグ装置M1に、好適となる。
【0063】勿論、この点を考慮しなければ、図19・
20に示す第3実施形態の助手席用エアバッグ装置M3
のように、折り畳み部位35・37を前後方向に配置さ
せて、ケース46Aに収納させてもよい。この場合のエ
アバッグ装置M3では、エアバッグ10によって押し開
かれる扉部59・59は、二つ設けて、前後方向に開く
両開きタイプとすることが望ましい。
【0064】さらに、第1実施形態では、第二横折り工
程の縦折り工程後におけるガス流入口12の前方側部位
37を、前端38を乗員側壁部側Uへ巻いて、横折りす
る構成としている。そのため、この前方側部位37(折
り畳み部位39)は、折りを解消する際、ウインドシー
ルドWに当接しても、巻きを解くように折りを解消でき
るため、ウインドシールドWへの押圧力を低く抑えるこ
とができる。なお、第3実施形態も、前方側部位37の
折り畳み部位39を、同様に横折りしており、第1実施
形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0065】ちなみに、この点を考慮しなければ、第3
実施形態を含めて、前方側部位37を蛇腹折りで横折り
してもよい。
【0066】さらにまた、第1実施形態のエアバッグ1
0では、展開膨張初期に、膨張用ガスGがガス流入口1
2から流入すると、膨張用ガスGは、整流布19と干渉
して、車両の前方側へ流れるガスGFと後方側へ流れる
ガスGBとに分岐される(図4参照)。その際、整流布
19が、膨張用ガスGの流入時におけるガス流入口12
と対向する車両前後方向の断面形状を、ガス流入口12
から離れる方向へ膨らむ曲線状としている。そのため、
ガス流入口12から流入した膨張用ガスGが、整流布1
9のガス流入口12と対向する部位と干渉して、車両後
方側へ流れる膨張用ガスGBは、整流布19の曲線に沿
って、インパネ上面1aと平行ではなく、インパネ1の
上面1a側に向かう方向へ変えられて、エアバッグ10
を展開させることとなる。その結果、エアバッグ10の
折り畳み部位35・28が、極力、インパネ1の上面1
aから後面1bにかけての表面に沿って、後方側へ向か
うこととなり、一層、乗員側壁部25を広くすることが
できる。
【0067】なお、第1実施形態のエアバッグ10で
は、第二横折り工程において横折りした後方側部位33
の折り畳み部位35を、ガス流入口12の略真上に配置
させた場合を示した。しかし、図15に示す第2実施形
態のエアバッグ装置M2や図19・20に示す第3実施
形態のエアバッグ装置M3のように、折り畳み部位35
の重心Cを、ガス流入口12の中心Oにおけるガス流入
口12の軸方向に沿った上方位置より後方側に配置させ
て、すなわち、重心Cを、ガス流入口12からエアバッ
グ10内に上向きに流入する膨張用ガスGの主流GMの
位置より、後方側に配置させて、折り畳んだエアバッグ
10を、ケース46・46Aの上部室47内に収納させ
てもよい。
【0068】ちなみに、第2実施形態のエアバッグ10
では、第1実施形態のエアバッグ10の第二横折り工程
における図9のA・Bにおいて、縦折り工程後における
ガス流入口12の後方側部位33を、後端34側を開口
側壁部側Dへ巻くように、横折りして、折り畳み部位3
5を形成し、折り畳み部位35の重心Cを、ガス流入口
12の中心Oにおけるガス流入口12の軸方向に沿った
上方位置より後方側に、配置させて、折り畳み部位35
を乗員側壁部側Uの上に載せ、ついで、縦折り工程後に
おけるガス流入口12の前方側部位37を、乗員側壁部
側Uでガス流入口12に接近させるように、横折りして
折り畳み、この前方側部位37の折り畳み部位39を、
折り畳み部位35の上方に、配置させて、ケース上部室
47内にエアバッグ10を収納させている。
【0069】この第2実施形態のエアバッグ装置M2で
は、エアバッグ10の折り畳み部位35の配置位置が相
違する他、第1実施形態と同一の部材を使用し、第1実
施形態と同様に、折り畳み、かつ、組み付けて、車両に
搭載している。
【0070】この第2実施形態では、作動時における膨
張用ガスGがガス流入口12からエアバッグ10内に流
入する際、膨張用ガスGの主流GMが、ガス流入口12
の中心O付近からガス流入口12の軸方向に沿って上方
に向かってエアバッグ10内に流入する。この時、この
第2実施形態では、後方側部位33の折り畳み部位35
が折目を解消する際の初期段階では、折り畳み部位35
の重心Cが、主流GMの位置より後方側に配置されてい
るため、折り畳み部位35が、膨張用ガスの主流GMに
よって、後方側へ押される分力FYを与えられ、その状
態で、折目を解消する態様となる。そのため、この第2
実施形態では、膨張用ガスのエアバッグ10内への流入
初期段階で、折り畳み部位35が、後端34側の巻きを
解きつつ、開口側壁部側Dに引っ張られるように、イン
パネ上面1aに沿って車両後方側に展開する際、図16
のA・B・図17のA・B・図18のA・Bに順に示す
ように、分力FYによって、素早く、インパネ上面1a
に沿うように展開することとなって、一層、エアバッグ
10の乗員側壁部25が、後方側への突出を抑えられ
て、上下方向に広く展開することとなる。
【0071】なお、折り畳み部位35を後方側へ押し出
す分力FYは、詳しく述べれば、ガス流入口12から流
入する主流GMが、ガス流入口12に接近して平らにな
っている整流布19(図示せず)を介在させて、乗員側
壁部25におけるガス流入口12と対向する部位の略中
央を押し上げることから、発生し、折り畳み部位35
は、前方側を乗員側壁部25の押し上げ部位に押し上げ
られて、弾き飛ばされるように、後方側に押し出される
こととなる。
【0072】第3実施形態のエアバッグ10では、第1
実施形態のエアバッグ10の第二横折り工程における図
9のA・Bにおいて、縦折り工程後におけるガス流入口
12の後方側部位33を、後端34側を開口側壁部側D
へ巻くように、横折りして、折り畳み部位35を形成
し、折り畳み部位35の重心Cを、ガス流入口12の中
心Oにおけるガス流入口12の軸方向に沿った上方位置
より後方側に、配置させて、すなわち、重心Cを、ガス
流入口12からエアバッグ10内に上向きに流入する膨
張用ガスGの主流GMの位置より、後方側に配置させ
て、折り畳み部位35を乗員側壁部側Uの上に載せ、つ
いで、縦折り工程後におけるガス流入口12の前方側部
位37を、乗員側壁部側Uでガス流入口12に接近させ
るように、横折りして折り畳み、この前方側部位37の
折り畳み部位39を、折り畳み部位35の前方側に、配
置させて、ケース46Aの上部室47内にエアバッグ1
0を収納させている。
【0073】この第3実施形態のエアバッグ装置M3で
は、エアバッグ10の折り畳み部位35・39の配置位
置が相違し、また、ケース46Aの上部室47が前後方
向に若干長く構成され、さらに、エアバッグカバー57
Aが既述したように2つの扉部59・59を備えて構成
される他、第1実施形態と同一の部材を使用し、第1実
施形態と同様に、折り畳み、かつ、組み付けて、車両に
搭載している。
【0074】この第3実施形態でも、作動時、後方側部
位33の折り畳み部位35が折目を解消する際の初期段
階では、折り畳み部位35の重心Cが、膨張用ガスの主
流GMの位置より後方側に、配置されているため、折り
畳み部位35が、膨張用ガスの主流GMによって、後方
側へ押される分力FYを与えられ、その状態で、折目を
解消する態様となることから、後端34側の巻きを解き
つつ、開口側壁部側Dに引っ張られるように、インパネ
上面1aに沿って車両後方側に展開する際、素早く、イ
ンパネ上面1aに沿うように展開することとなって、一
層、エアバッグ10の乗員側壁部25が、後方側への突
出を抑えられて、上下方向に広く展開することとなる。
【0075】なお、第2・3実施形態では、後方側部位
33の折り畳み部位35の重心Cを、ガス流入口12の
中心Oにおけるガス流入口12の軸方向に沿った上方位
置より後方側に、配置させた場合を示した。しかし、折
り畳み部位35の重心Cは、ガス流入口12からエアバ
ッグ10内に上向きに流入する膨張用ガスGの主流GM
の位置より、後方側に配置されればよいことから、例え
ば、第1実施形態の構成であっても、図2に二点鎖線で
示すように、ケース上部室47の底壁部49における下
部室51との連通部位の前側部位だけに、膨張用ガスG
(GM)を流して、膨張用ガスの主流GMが折り畳み部
位35の重心Cより前方側に配置されるように、前部側
だけにガス通路を設けたガス案内部材を設けて、構成し
てもよい。あるいは、折り畳み部位35の重心Cより、
エアバッグ10内に流入する膨張用ガスの主流が、前方
側に配置されるように、第1実施形態のケース下部室5
1を前方側に配置させて、ケース上部室47の底壁部4
9における下部室51との連通部位を、図示している位
置より、前方側に配置させるように、構成してもよい。
【0076】また、各実施形態では、立体的なエアバッ
グ10について説明したが、インフレーター44側と乗
員P側との二枚の基布の周縁相互を縫合等で結合させて
エアバッグを形成する平面バッグに、本発明を適用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の助手席用エアバッグ装
置が搭載されたインパネを示す斜視図である。
【図2】同実施形態の使用態様を示す車両前後方向の断
面図である。
【図3】同実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張
させた状態の斜視図である。
【図4】同実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張
させた状態の車両前後方向の断面図である。
【図5】同実施形態に使用するエアバッグを構成する部
材を示す平面図である。
【図6】同実施形態に使用するエアバッグの製造工程を
示す図である。
【図7】同実施形態に使用するエアバッグの折り畳み工
程を示す図であり、予備折りした状態を示す。
【図8】同実施形態に使用するエアバッグの折り畳み工
程を示す図であり、図7の後の工程を示す。
【図9】同実施形態に使用するエアバッグの折り畳み工
程を示す図であり、図8の後の工程を示す。
【図10】同実施形態の作動時を説明する図であり、車
両の側方から見た状態を示す。
【図11】同実施形態の作動時を説明する図であり、図
10の後の状態を示す。
【図12】同実施形態の作動時を説明する図であり、図
11の後の状態を示す。
【図13】同実施形態の作動時を説明する図であり、車
両の上方から見た状態を示す。
【図14】比較例の作動時を説明する図であり、車両の
上方から見た状態を示す。
【図15】第2実施形態の使用態様を示す車両前後方向
の断面図である。
【図16】同実施形態の作動時を説明する図であり、車
両の側方から見た状態を示す。
【図17】同実施形態の作動時を説明する図であり、図
16の後の状態を示す。
【図18】同実施形態の作動時を説明する図であり、図
17の後の状態を示す。
【図19】第3実施形態の使用態様を示す車両前後方向
の断面図である。
【図20】実施形態の助手席用エアバッグ装置が搭載さ
れたインパネを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…(インストルメントパネル)インパネ、 1a…上面、 2…開口、 10…エアバッグ、 12…ガス流入口、 24…開口側壁部、 25…乗員側壁部、 26…後方側部位、 27…後端、 30…左縁、 31…右縁、 33…後方側部位、 34…後端、 35・39…折り畳み部位、 38…前縁、 46・46A…ケース、 D…開口側壁部側、 U…乗員側壁部側、 C…(折り畳み部位35の)重心、 G…膨張用ガス、 GM…(膨張用ガスの)主流、 P…乗員、 W…ウインドシールド、 M1・M2・M3…助手席用エアバッグ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA03 AA14 BB10 BB12 BB16 CC10 CC15 CC29 CC30 CC34 CC42 CC43 FF13 FF17 FF20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 助手席前方のインストルメントパネルの
    内部に配置されたケースに、折り畳まれて収納されて、
    膨張用ガスの流入時に、前記インストルメントパネルの
    上面側の開口から突出して車両後方側へ展開膨張するエ
    アバッグを、備え、 該エアバッグが、膨張用ガスを流入させるガス流入口を
    有した開口側壁部と、展開膨張時に乗員と対向する乗員
    側壁部と、を備えて構成される助手席用エアバッグ装置
    であって、 前記エアバッグが、第一横折り工程を経た後、縦折り工
    程を行い、さらに、第二横折り工程を経て、折り畳み工
    程を完了させ、前記ケースに収納されるように構成さ
    れ、 前記第一横折り工程が、前記ガス流入口を前方側に配置
    させた前記開口側壁部に、前記乗員側壁部を重ねて平ら
    にし、ついで、前記ガス流入口の後方側について、重ね
    た後端を前記開口側壁部側へ巻く横折りを行って、折り
    畳み部位を前記ガス流入口より後方側に配置させる工程
    を、具備し、 前記縦折り工程が、第一横折り工程後の左右の縁を、前
    記ガス流入口側に接近させるように、縦折りする工程と
    し、 前記第二横折り工程が、前記縦折り工程後における前記
    ガス流入口の後方側部位を、後端側を前記開口側壁部側
    へ巻くように、横折りして、前記乗員側壁部側の上に載
    せるとともに、前記縦折り工程後における前記ガス流入
    口の前方側部位を、前記乗員側壁部側で前記ガス流入口
    に接近させるように、横折りして折り畳む工程としてい
    ることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 第二横折り工程の前記縦折り工程後にお
    ける前記ガス流入口の前方側部位が、横折りされた前記
    ガス流入口の後方側部位の折り畳み部位における上方側
    に、配置されるように折り畳まれていることを特徴とす
    る請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記第二横折り工程の前記縦折り工程後
    における前記ガス流入口の前方側部位が、前端を前記乗
    員側壁部側へ巻いて、横折りしていることを特徴とする
    請求項1若しくは請求項2に記載の助手席用エアバッグ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第二横折り工程で横折りされた前記
    ガス流入口の後方側部位の折り畳み部位が、重心を、前
    記ガス流入口から前記エアバッグ内に上向きに流入する
    膨張用ガスの主流の位置より、後方側に配置させて、前
    記乗員側壁部側の上に載せられていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の助手席用エア
    バッグ装置。
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