JP3884126B2 - 化粧料容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯容易に化粧料を収納する化粧料容器に関し、とりわけ、収納した揮発性化粧料の品質を長期に亘って維持することができる化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、化粧料の携帯用にコンパクトと称される化粧料容器が用いられるが、このコンパクトは容器本体内に化粧料を収納すると共に、容器本体の後端部に開閉自在に蝶着される蓋体で容器本体上側を全体的に覆うようになっている。そして、容器本体と蓋体との前端部間に設けられるフック機構によって蓋体の閉止状態が保持されるのが一般的な構造となっている。
【0003】
また、上記コンパクトには、上記容器本体内にレフィル容器と称される一回り小さな容器を着脱可能に収納し、該レフィル容器に化粧料を収納するようになったものがある。上記レフィル容器は上記コンパクトと同様に、容器本体と、これに蝶着されて容器本体を密閉する蓋体とを備え、該容器本体内に化粧料が装填されるようになっている。そして、それぞれ色とか材料の異なる化粧料を収納した上記レフィル容器を複数用意し、その日の化粧に合った化粧料が収納されたレフィル容器を交換してコンパクトにセットすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の化粧料容器にあっては、コンパクトの容器本体および蓋体がポリプロピレン,塩化ビニル等の一般的な合成樹脂材で形成されている。また、レフィル容器の容器本体および蓋体にあっても同様に一般的な合成樹脂材で形成されている。
【0005】
ところが、一般的な合成樹脂材で形成された容器本体および蓋体からなるコンパクトまたはレフィル容器に化粧料、特に揮発性化粧料を収納した場合には、化粧料中の水分,油分等の揮発性成分が容器本体および蓋体を徐々に透過し、比較的短期間のうちに化粧料が劣化して品質が低下してしまうという課題があった。
【0006】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、一般的な合成樹脂材で形成されたコンパクトやレフィル容器内に揮発性化粧料を長期に亘って収納した状態にあっても、該化粧料中の揮発性成分が該容器等を透過して発散するのを防止できる化粧料容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に示す化粧料容器は、揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体に圧接されるとともに、上記容器本体の外側面および上記蓋体の外側面に上記凹部を取り囲んでガスバリヤー層を一体的に設けることにより構成する。
【0008】
また、本発明の請求項2に示す化粧料容器は、揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の内側面に当該凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に、上記凹部のガスバリヤー層の外側に適宜間隔を隔てて、当該凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることにより構成される。
【0009】
更に、本発明の請求項3に示す化粧料容器は、揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の外側面に当該凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に、上記凹部のガスバリヤー層の外側に適宜間隔を隔てて、当該凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体に圧接されることにより構成される。
【0010】
更にまた、本発明の請求項4に示す化粧料容器は、揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の内側面に当該凹部を取り囲んで、上記容器本体および該蓋体に二重成形により一体的にガスバリヤー層を設け、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることにより構成される。
【0011】
また、本発明の請求項5に示す化粧料容器は、揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面に当該凹部を取り囲んで、上記容器本体に二重成形により一体的にガスバリヤー層を設け、上記蓋体の内側面に上記凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることにより構成される。
【0012】
更に、本発明の請求項6に示す化粧料容器は、前記蓋体の外側に前記容器本体を開閉する外蓋が備えられ、該外蓋に鏡が取り付けられる構成とする。
【0013】
かかる構成になる本発明の化粧料容器の作用を以下述べると、蓋体を閉止して上記凹部を密閉した状態では、該ガスバリヤー層によって揮発性化粧料を封じ込め、該揮発性化粧料の水分,油分等の揮発性成分が発散されてしまうのを防止し、もって揮発性化粧料の品質を長期間に亘って保つことができる。
【0014】
更に、上記凹部の内側面および上記蓋体の内側面または外側面に当該凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設けたので、蓋体を閉止した状態では上記フィルム化したガスバリヤー層によって、容器本体の凹部に収納した揮発性化粧料の揮発性成分が、容器本体および蓋体を透過するのを遮断することができる。
【0015】
上記ガスバリヤー層をフィルムで形成して固着する場合には、接着剤を用いることにより、また、容器本体および蓋体を射出成形する際に、上記フィルムを予めセットしてインサート成形することにより、簡単に固着して製造することができる。
【0016】
更にまた、蓋体を閉止した状態では二重成形したガスバリヤー層によって、容器本体の凹部に収納した揮発性化粧料の揮発性成分が、容器本体および蓋体を透過するのを遮断することができる。
【0017】
上記ガスバリヤー層は二重成形により設けられる場合には、容器本体および蓋体と一体化されてその製造性を著しく向上することができる。
【0018】
更に、蓋体の内側面に設けたガスバリヤー層が、それらの閉止状態で上記凹部の開口周縁部を囲繞して配置した環状のシール部材に圧接される場合、該凹部の開口周縁部はシール部材とガスバリヤー層によって高精度に密閉されることになる。このため、上記凹部内の揮発性化粧料の揮発性成分が凹部の開口周縁部から発散することを確実に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1,図2は本発明の化粧料容器の第1実施形態を示し、図1は化粧料容器から蓋体を取外した状態の斜視図、図2は蓋体を取付けて外蓋を開放した状態の拡大断面図である。
【0020】
即ち、本実施形態の化粧料容器10は、図1,図2に示すように容器本体12と、この容器本体12の後端部に第1蝶番14を介して回動可能に蝶着される外蓋16とを備え、更には容器本体12と外蓋16との間に蓋体18が設けられるようになっている。容器本体12は上面12aが平坦面として形成され、その前半部には揮発性化粧料Mを収納するための2つの第1,第2凹部20,22が左右に形成されると共に、容器本体12の後半部には前記第1,第2凹部20,22に対して仕切壁24で隔成された凹設部26が設けられ、該凹設部26には筆等の図外の化粧具が収納される。
【0021】
前記外蓋16には開閉側端部16aの中央部に第1爪部28aが突設される一方、容器本体12の前端部中央に形成された凹所12bに位置して、前記第1爪部28aに係合可能な第1凸部28bが突設され、これら第1爪部28aと第1凸部28bとによって第1フック機構28が構成される。また、前記外蓋16の裏面16bには、バニティミラー30が該裏面16bと面一となるように取付けられる。
【0022】
容器本体12と外蓋16との間に配置され第1,第2凹部20,22を開閉可能な前記蓋体18は、その回動基端部18aに設けられる第2蝶番32,32を介して仕切壁24位置に回動可能に取付けられる。第2蝶番32,32は、上記仕切壁24の両端部に形成した切欠部24a,24b内に取付けられる蝶番ピン32a,32bと、上記蓋体18の回動基端部18aの両端部に、上記蝶番ピン32a,32bに対応してU字状に突設される二股状凸部32c,32dとによって構成される。
【0023】
前記二股状凸部32c,32dは、前記蝶番ピン32a,32bの径と等しい間隔をもって対峙される一対の挟持片32e,32eを備え、これら挟持片32e,32eの先端部内側には鉤部32f,32fが突設される。そして、前記二股状凸部32c,32dは、挟持片32e,32e間に蝶番ピン32a,32bが着脱可能に嵌合される。該二股状凸部32c,32dは該蝶番ピン32a,32bを中心として回動可能となり、かつ、挟持片32e,32eの内側に沿って蝶番ピン32a,32bと二股状凸部32c,32dとは相対移動が可能となっている。また、前記鉤部32f,32fによって蝶番ピン32a,32bから二股状凸部32c,32dが脱落するのが防止される。
【0024】
前記蓋体18の開閉側端部18bには第2爪部34aが突設されると共に、容器本体12の前記凹所12bの後方に位置して形成した穴部12cに、前記第2爪部34aに係合可能な第2凸部34bが形成され、これら第2爪部34aと第2凸部34bとによって第2フック機構34が構成される。
【0025】
前記蓋体18の外側面18cの中央部には、一対の凸部36,36が適宜間隔をもって上方に突設される。該凸部36,36は蓋体18および外蓋16を閉止した状態で、該外蓋16の裏面16b(本実施形態ではバニティミラー30の表面)が圧接されるようになっている。従って、外蓋16の閉止力が、一対の凸部36を介して蓋体18に伝達され、該蓋体18を後述のパッキング40に強く圧接させることができる。
【0026】
前記第1,第2凹部20,22の周縁部には、これら凹部20,22から適宜間隔を隔ててこれらを全体的に囲繞して溝部38が形成され、該溝部38にシール部材としての連続した環状のパッキング40が嵌着される。前記溝部38は下段部38aが幅狭となり、上段部38bが幅広となる段差状に形成される。そして、前記パッキング40は前記下段部38aに圧入される固定部40aと、前記上段部38bに若干の隙間δをもって遊嵌される圧縮変形部40bとで形成される。上記圧縮変形部40bの上端部は、容器本体12の上面12aから若干突出して配置され、この突出した先端部が上記蓋体18の内側面18dに圧接されるようになっている。
【0027】
ここで、本実施形態にあっては上記蓋体18の内側面18dの略全域に亘って合成樹脂材で形成されるガスバリヤー層42を設けてある。このガスバリヤー層42としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)をフィルム状に形成し、これにシリカ系物質を蒸着したものが好ましい。
【0028】
ところで、上記フィルム化したガスバリヤー層42を蓋体18の内側面18dに設けるにあたって、該ガスバリヤー層42を蓋体18の成形型にセットした後、蓋体18の素材となる合成樹脂材を成形型内に射出するようにしたインサート成形によって一体化させることができる。また、このインサート成形以外にも接着剤を用いてガスバリヤー層42を蓋体18に接着することもできる。また、揮発性化粧料Mを収納した第1,第2凹部20,22の内側にも、同様なフィルム化したガスバリヤー層44が設けられ、その内部に揮発性化粧料Mが装填されるようになっている。
【0029】
以上の構成により本実施形態の化粧料容器10にあっては、外蓋16は第1蝶番14を中心に開閉されると共に、蓋体18は第2蝶番32を中心に開閉されるようになっており、蓋体18で第1,第2凹部20,22を閉止した後、容器本体12を開閉する、蓋体18外側の外蓋16が容器本体12を全体的に覆って閉止される。
【0030】
蓋体18は開閉側端部18bを押下げることにより、第2フック機構34の第2爪部34aが第2凸部34bに係合して、該蓋体18の閉止状態が保持される。このとき、前記第2フック機構34が係合される前段階で、蓋体18の押下げにより、蓋体18の内側面18dがパッキング40の後方部分の上端に当接される。すると、その当接部分を支点として回動基端部18aに作用する上方への持上げ力によって、二股状凸部32c,32dが蝶番ピン32a,32bに対して上方に移動して持上がるため、前記第2フック機構34が係合された状態では、蓋体18はパッキング40の全周に亘って均等に接触される。
【0031】
そして、上記外蓋16を閉止する際には、開閉側端部16aを押下げることにより、第1フック機構28の第1爪部28aが第1凸部28bに係合して、外蓋16の閉止状態が保持される。このように外蓋16の閉止状態では、裏面16bに設けたバニティミラー30の鏡面で、蓋体18の外側面18cの凸部36,36を押圧する。従って、外蓋16の閉止力が前記凸部36,36を介して蓋体18に伝達されることになり、蓋体18は二股状凸部32c,32dの下方移動を伴って全体的に押下げられる。これによって蓋体18の内側面18dでパッキング40の上端部を強く押付けることになる。
【0032】
このとき、上記蓋体18の内側面18dにはガスバリヤー層42が設けられているので、上記パッキング40には該ガスバリヤー層42が直接接触されて、第1,第2凹部20,22の開口部を気密に密閉する。そしてこれらガスバリヤー層42と第1,第2凹部20,22に対する密閉作用とにより、第1,第2凹部20,22内の揮発性化粧料Mから発散する水分,油分等の揮発性成分が蓋体18から透過されるのを防止、若しくは著しく低減することができる。このため、揮発性化粧料Mの品質低下を防止することができる。
【0033】
また、上記第1,第2凹部20,22の内側にガスバリヤー層44を設けて揮発性化粧料Mを収納するようにしたので、この構成からも揮発性化粧料Mの揮発性成分が透過されるのを著しい遮断性能をもって防止することができる。このため、ガスバリヤー層42,44によって第1,第2凹部20,22内を確実に密閉し、揮発性化粧料Mの品質を長期に亘って保持することができる。このとき、上述したPETのフィルムで形成された蓋体18の上記ガスバリヤー層42は、着色樹脂または透明樹脂を用いて装飾することができる。
【0034】
ところで、上記実施形態ではガスバリヤー層42を蓋体18の内側面18dに設けた場合を開示したが、これに限ることなく図3に示すように該ガスバリヤー層42を蓋体18の外側面18cに設けることもできる。この場合にあってもガスバリヤー層42はインサート成形若しくは接着剤を介して蓋体18に固着することができる。
【0035】
従って、この実施形態にあっても第1,第2凹部20,22内の揮発性化粧料Mから発散される揮発性成分は蓋体18の外側面18cのガスバリヤー層42で遮断することができる。また、上記第1,第2凹部20,22の内側部分はガスバリヤー層44によって、揮発性化粧料Mの揮発性成分の透過を確実に防止することができる。
【0036】
ところで、図2に示したようように蓋体18の内側面18dにガスバリヤー層42を設けた場合は、該ガスバリヤー層42が直接パッキング40に接触されるため、図3のように蓋体18の外側面18cにガスバリヤー層42を設けた場合に比較して、蓋体18とパッキング40との間からの揮発性成分の発散に対する遮断性能をより向上することができる。
【0037】
図4は本発明の第2実施形態を示し、同図は本実施形態の化粧料容器の断面図である。即ち、この実施形態の化粧料容器10aでは、揮発性化粧料Mを収納するための凹部50aを形成した容器本体50は、外蓋52および容器本体50と外蓋52との間に挟み込んで配置される蓋体54を介して開閉される。これら外蓋52および蓋体54は共通の蝶番56を介して開閉可能に容器本体50の後端部に取付けられる。容器本体50と外蓋52の前端部間には爪部58aおよび凸部58bからなるフック機構58が設けられ、該フック機構58の係合により外蓋52の閉止状態が維持される。
【0038】
上記外蓋52と上記蓋体54との間には所定の間隔が設けられ、この空間部にはパフ60が収納される。上記外蓋52の内側面52aには上記実施形態と同様にバニティミラー62が取付けられる。上記凹部50aの周縁部には、連続した環状のシール部材としてのパッキング64が設けられ、該パッキング64の上端部は容器本体50の上面50bから突出される。そして、上記蓋体54の閉止状態で該蓋体54は上記パッキング64の上端部に圧接されるようになっている。
【0039】
ここで、上記蓋体54の内側面54aに合成樹脂製のガスバリヤー層66を設け、該蓋体54の閉止状態で該ガスバリヤー層66が上記パッキング64に直接圧接される。上記ガスバリヤー層66は上記実施形態と同様であって、これをインサート成形または接着剤を介して固着することができる。また、上記凹部50aの内側には同様なガスバリヤー層68が設けられ、その内部に上記揮発性化粧料Mが充填される。
【0040】
従って、この実施形態にあっても容器本体50に形成された凹部50aは、これの開口部が蓋体54およびパッキング64を介して気密に密閉される。このとき、蓋体54の内側面54aに設けたガスバリヤー層66および凹部50aに設けたガスバリヤー層68によって、揮発性化粧料Mの揮発性成分が外方へ透過するのを防止することができる。この実施形態にあっては上記蓋体54の内側面54aにガスバリヤー層66を設けた場合を開示したが、このガスバリヤー層66を蓋体54の外側面54bに設けても良い。
【0041】
図5,図6は本発明の第3実施形態を示し、図5は外蓋を開放してレフィル容器を取出した状態の斜視図、図6は図5中A−A線からの拡大断面図である。この実施形態の化粧料容器10bはレフィル容器70を備えたタイプで、該レフィル容器70内に揮発性化粧料Mが収納されるようになっている。即ち、上記化粧料容器10bは主容器本体72と、該主容器本体72の後端部に主蝶番74を介して開閉自在に蝶着される外蓋76とを備え、主容器本体72内には仕切り壁78を境に前後方向に2つの第1,第2凹部80,82が形成される。そして、第1凹部80内に上記レフィル容器70が着脱可能に嵌合される一方、第2凹部82内に図外の化粧用具が収納される。
【0042】
また、上記主容器本体72の前端中央部に形成された凸部84aと、上記外蓋76の開閉側先端76aの中央部に形成された爪部84bとによって主フック機構84が構成され、該主フック機構84が係合されることにより、外蓋76の閉止状態が維持される。上記外蓋76の内側面76bにはバニティミラー86が取り付けられる。
【0043】
上記レフィル容器70は、図6に示すように揮発性化粧料Mを収納するための凹部88aが形成された容器本体88と、該容器本体88の後端部に副蝶番90を介して開閉自在に蝶着される蓋体92とを備える。容器本体88と蓋体92の前端部間には凸部94aと爪部94bとでフック機構94が構成され、該フック機構94の係合によって蓋体92の閉止状態が維持される。また、上記凹部88aの周縁部には連続する環状のパッキング96が設けられ、該パッキング96の上端部に閉止状態にある上記蓋体92の内側面92aが圧接される。
【0044】
ここで、図6に示すように上記容器本体88の外側面88bおよび上記蓋体92の外側面92bにそれぞれガスバリヤー層98を設けてある。該ガスバリヤー層98は上記各実施形態と同様であって、容器本体88および蓋体92を成形する際にインサート成形するか、または容器本体88および蓋体92の成形後に接着剤を介して固着される。
【0045】
従って、この実施形態にあってはレフィル容器70を主容器本体72の第1凹部80に収容した状態で外蓋76を閉止する。レフィル容器70が第1凹部80に収容される際、容器本体88から突出される副蝶番90は、仕切り壁78の中央部に形成された切欠き部78aに嵌合される。そして、上記容器本体88の凹部88aに収納された揮発性化粧料Mは、蓋体92とパッキング96によって気密に密閉され、かつ、ガスバリヤー層98によって揮発性化粧料Mの揮発性成分が容器本体88および蓋体92を透過するのを防止することができる。
【0046】
ところで、この実施形態では上記ガスバリヤー層98を容器本体88および蓋体92の外側面88b,92bに設けた場合を開示したが、これに限ることなく図7に示すように、該ガスバリヤー層98を容器本体88の内側面88aおよび蓋体92の内側面92aに設けた場合にあっても、同様の機能を確保することができる。
【0047】
更に、上記レフィル容器70は図8に示すように凹部88aの内側に二重成形でガスバリヤー層100を設け、このガスバリヤー層100内に揮発性化粧料Mを収納することができる。この場合も、凹部88aの内側から容器本体88を透過して揮発性化粧料Mの揮発性成分が発散するのを確実に防止することができる。また、この実施形態では蓋体92の内側面92aにガスバリヤー層98を設け、該ガスバリヤー層98を上記パッキング96に直接圧接される場合を示したが、これに限ることなく図6に示したように蓋体92の外側面92bにガスバリヤー層98を設けても良い。
【0048】
更にまた、図9に示すレフィル容器70は合成樹脂材で形成したガスバリヤー層102を二重成形により設けたもので、該ガスバリヤー層102を上記容器本体88の凹部88aの内側面と、上記蓋体92の内側面92aとに設けてある。この場合にあっても、上記ガスバリヤー層102は上述のPETを用いて射出成形により形成される。
【0049】
従って、この実施形態にあってもガスバリヤー層102によって、揮発性化粧料Mを収納した凹部88aの内側および開口部を遮断することができるため、該揮発性化粧料Mの揮発性成分が容器本体88および蓋体92を透過するのが遮断される。このとき、上記ガスバリヤー層102は二重成形により設けられるため、容器本体88および蓋体92と一体化されてその製造性を著しく向上することができる。
【0050】
また、上記ガスバリヤー層102は凹部88aの内側面および蓋体92の内側面92aに設けた場合を開示したが、これに限ることなく該ガスバリヤー層102を容器本体88の外側面88bおよび蓋体92の外側面92bに設けることもできる。
【0051】
ところで、上記図6から図9に示したレフィル容器70は、図5に示した主容器本体72の第1凹部80に収容される場合を開示したが、これらレフィル容器70を単体の化粧料容器として考慮することもできる。また、上記レフィル容器70にガスバリヤー層98または102を設けると同時に、該レフィル容器70を収容する上記主容器本体72および外蓋76の内側面または外側面にも、上記ガスバリヤー層98または102を設けることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の化粧料容器にあっては、蓋体を閉止して容器本体に形成した揮発性化粧料を収納する凹部を密閉した状態では、容器本体および蓋体に該凹部を取り囲んで設けたガスバリヤー層によって揮発性化粧料を封じ込めることができる。従って、揮発性化粧料が上記ガスバリヤー層で封じ込められることにより、該揮発性化粧料中の水分,油分等の揮発性成分が発散されてしまうのを防止でき、もって揮発性化粧料の品質を長期間に亘って保つことができる。
【0053】
また、上記蓋体を覆って更に外蓋が閉止されるため、上記揮発性化粧料の揮発性成分をさらに確実に封止することができる。
【0054】
更に、上記ガスバリヤー層をフィルムで形成して固着するようにした場合には、接着剤を用いることにより、あるいは容器本体および蓋体を射出成形する際に上記フィルムを予めセットして行うインサート成形等によって、簡単に製造することができ、特に後者のインサート成形ではその結合強度をより高めることができる。
【0055】
更にまた、上記ガスバリヤー層が二重成形により設けられる場合には、容器本体および蓋体と一体化されてその製造性を著しく向上することができる。
【0056】
更に、蓋体の内側面に設けたガスバリヤー層が、それらの閉止状態で上記凹部の開口周縁部を囲繞して配置した環状のシール部材に圧接する場合には、該凹部の開口周縁部は揮発性成分の発散防止という点でシール部材とガスバリヤー層とによって高精度に密閉されることになる。このため、上記凹部内の揮発性化粧料の揮発性成分が当該凹部の開口周縁部から発散することを著しく高い遮蔽性能をもって防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す化粧料容器で、蓋体を取外した状態の斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の蓋体を取付けて外蓋を開放した状態の拡大断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態の他の実施形態を示す図2に対応する拡大断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示す化粧料容器の断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態を示す化粧料容器で、外蓋を開放してレフィル容器を取出した状態の斜視図である。
【図6】 図5中A−A線からの拡大断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態の他の実施形態を示す図6に対応した拡大断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態の他の実施形態を示す図6に対応した拡大断面図である。
【図9】 本発明の第3実施形態の他の実施形態を示す図6に対応した拡大断面図である。
【符号の説明】
10 化粧料容器
12,50,88 容器本体
16,52,76 外蓋
18,92 蓋体
20,22 凹部
32 第2蝶番
40,64,96 パッキング(シール部材)
42,44,66,68,98,100,102 ガスバリヤー層
56 蝶番
70 レフィル容器
72 主容器本体
90 副蝶番
M 揮発性化粧料
Claims (6)
- 揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体に圧接されるとともに、上記容器本体の外側面および上記蓋体の外側面に上記凹部を取り囲んでガスバリヤー層を一体的に設けたことを特徴とする化粧料容器。
- 揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の内側面に当該凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に、上記凹部のガスバリヤー層の外側に適宜間隔を隔てて、当該凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることを特徴とする化粧料容器。
- 揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の外側面に当該凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に、上記凹部のガスバリヤー層の外側に適宜間隔を隔てて、当該凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体に圧接されることを特徴とする化粧料容器。
- 揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面および上記蓋体の内側面に当該凹部を取り囲んで、上記容器本体および該蓋体に二重成形により一体的にガスバリヤー層を設け、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることを特徴とする化粧料容器。
- 揮発性化粧料を収納する凹部が形成された合成樹脂製の容器本体と、この容器本体に蝶番を介して取り付けられ上記凹部を開閉可能に密閉する合成樹脂製の蓋体とを備えた化粧料容器において、上記凹部の内側面に当該凹部を取り囲んで、上記容器本体に二重成形により一体的にガスバリヤー層を設け、上記蓋体の内側面に上記凹部を取り囲んで、フィルムで形成されたガスバリヤー層を一体的に固着して設け、上記容器本体に上記凹部の開口周縁部を囲繞して環状のシール部材を配置し、該シール部材が上記蓋体の閉止状態で当該蓋体のガスバリヤー層に圧接されることを特徴とする化粧料容器。
- 前記蓋体の外側に前記容器本体を開閉する外蓋が備えられ、該外蓋に鏡が取り付けられることを特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載の化粧料容器。
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