JPH0647377Y2 - 気密性コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、パフ等の化粧用品やパウダ等の化粧料など複
数のものを混在して収納するコンパクト容器に係り、化
粧料の気密性を保持できるコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕

従来、容器本体を閉塞する蓋との間に軟質材による保護
膜または保護蓋を設け、こうした保護部材によって充填
された食品や化粧品等の内容物の保護を図る通常の手段
が知られる。

また、化粧用のコンパクト容器にあって、内部にパフな
どの化粧用品とパウダやファンデーションなどの化粧料
を積層または混在させて収納する構造の場合は、化粧料
を他の製品と区別して気密性の保護が図られる。特に、
化粧料が粉体や揮発性油材を含有したオイルゲル状の場
合は、飛散や揮発を防止する意味で保護が強化される。

こうした気密性コンパクト容器としては、例えば第６図
に示す実開昭62−184810号公報に記載の二段式気密化粧
料容器がある。この容器は、本体枠１と、この本体枠１
に嵌着された化粧料収納皿２と、これら本体枠１および
収納皿２の上周端に嵌合された中枠３と、この中枠３を
気密的に閉塞する中蓋４と、そして中蓋４を内部に収納
する形で覆う外蓋５などの部材によって構成されてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、この第６図の実開昭62−184810号公報の容器
の場合は、中枠３と中蓋４との間に形成される気密構造
が、両部材の合わせ面に沿って周に凹凸による環状溝６
と環状リブ２とを嵌合させた構造であり、両部材が線接
触的に嵌合することから、十分なシール性を確保しがた
く、しかも両部材の嵌合による合致が一度に行なわれが
たいという問題がある。

本考案の目的は、かかる従来のコンパクト容器における
所要のシール性を確保でき且つ使用性に優れた気密性コ
ンパクト容器を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による気密性コンパクト容器は、容器本体10に化
粧用品を収容し且つ容器本体10にこれを第一の開き操作
で開放する蓋20を蝶開自在にヒンジ結合すると共に、蓋
20の内側に中枠30を嵌合保持させて、この中枠30を容器
本体10に蝶開自在にヒンジ結合して、中枠30を蓋20の第
二の開き操作に連動して蓋20から離脱するようにしてな
り、中枠30の内部に環状シール部材40を嵌着し且つこの
環状シール部材40を介して化粧料が充填された化粧料皿
50を嵌合保持し、弾性シール部材40によって蓋20との間
で化粧料を気密的に保持するよう構成されている。

〔作用〕

保管中は、蓋20によって容器本体10が閉塞され、内部で
は中枠30に支持された弾性シール部材50によって化粧料
皿50中の化粧料51が気密的に保持されている。

これより、使用に際して、第一の開き操作で蓋20が開
く。この蓋20に伴って内部の中枠30も一体に動作し、容
器本体10を開放して内部の化粧用品を容易に取り出せる
ようにする。

化粧用品の取り出し後、第一の開き操作で開いた状態の
蓋20を、第二の開き操作で更に後方に向けて押し倒す。
この時の回動モーメントが蓋20を介して中枠30に作用す
るが、中枠30はヒンジ部31の先端部が容器本体10の後側
部に当接して回動を阻止され、中枠30が蓋20から離脱す
る。即ち、化粧料皿50及び弾性シール部材40を保持した
一体のままで中枠30が蓋20から離脱すると、化粧料皿30
中の化粧料の使用が可能になる。

また、使用を終えて、保管状態に閉塞させる場合は、蓋
20を押し下げるようにして容器本体10に係合させるだけ
で、蓋20の内側が弾性シール部材40に気密的に嵌合し、
再び、化粧料皿50中の化粧料が蓋20との間で密封され
る。

〔実施例〕 以下、本考案による気密性コンパクト容器の実施例につ
いて図面を参照しつつ説明する。

第１図〜第５図において、周壁により箱状に成形された
容器本体10の内部にはパフ13等の化粧用品が取り出し容
易に載置されている。また、容器本体10の後端に蓋20が
蝶開自在に支持される。この蓋20は押釦12による第一の
開き操作で開き、容器本体10の内部を開放する。また、
蓋20の内側には中枠30が嵌合保持される。

この蓋20と中枠30との嵌合構造の詳しくは、蓋20の内面
には鏡23が固定され、この鏡23の周に沿ってリング状に
リブ24が立ち上げ成形されている。このリブ24の外周に
は更にリング状の係止リブ25が嵌着されている。この係
止リブ25は更に外周に嵌合する押さえリング26によって
挾持される。以上の部材によって蓋20の内側が構成され
る。

一方、中枠30の構造は、この後端でヒンジ部31を介して
容器本体10の後部に蝶開自在に支持され、内面に沿う形
状の環状シール部材40が嵌合により固定されている。こ
の環状シール部材40の上端内周面には、前述の蓋20側の
係止リング25の先端部が気密的に嵌合するようになって
いる。

環状シール部材40の内側には化粧料51を充填した化粧料
皿50が一体的に嵌着保持されている。即ち、環状シール
部材40および化粧料皿50は共に中枠30に一体的に組み立
てられた構造である。

ここで、蓋20としては、中枠30の上部にてヒンジ部21を
介し蝶開自在に支持されており、蓋20の第一の開き操作
によって、内側に保持された中枠30を一緒に開く方向に
動作させるようになっている。また、この第一の開き操
作で開いた状態の蓋20を更に後方に押し倒すようにする
と、この時の回動モーメントによって、中枠30に反動力
がはたらきこの中枠30蓋20が離脱する方向に、つまりヒ
ンジ部31の周りを図では反時計回りの方向に回動して、
蓋20側から離脱できるようになっている。

次に、この実施例による作用を第４図を参照しつつ説明
する。

使用しない保管中は、蓋20によって容器本体10が閉塞さ
れ、内部では、蓋20の内側に保持されたままの中枠30に
支持された弾性シール部材50によって、化粧料皿50中の
化粧料51が気密的に保持されている。

これより、使用に際して、第一の開き操作で蓋20が開
く。この蓋20に伴って内部の中枠30も一体に動作し、容
器本体10を開放し内部の化粧用品を容易に取り出せるよ
うにする。

化粧用品の取り出し後、第一の開き操作で開いた状態の
蓋20を、第二の開き操作で更に後方に向けて押し倒す。
この時中枠30のヒンジ部31の先端部が容器本体１の後側
部に当接して回動を阻止され、中枠30が蓋20から離脱す
る。即ち、化粧料皿50及び弾性シール部材40を保持した
一体のままで中枠30が蓋20から離脱すると、化粧料皿30
中の化粧料の使用が可能になる。

また、使用を終えて、保管状態に閉塞させる場合は、蓋
20を押し下げるようにして容器本体10に係合させるだけ
で、蓋20の内側が弾性シール部材40に気密的に嵌合し、
再び、化粧料皿50中の化粧料が蓋20との間で密封され
る。

なお、シール部材50としては、軟質にくわえて所要の弾
性を有する部材であることが望ましく、弾性によって化
粧料皿30の充填部32の内周面に密接してなじみ易くな
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による気密性コンパクト容
器は、従来の化粧料のシール構造のように、環状リブと
環状溝との線接触的な嵌合により化粧料のシール性を確
保する構造に比較して、円形等の軟質材による弾性シー
ル部材を用い、このシール部材を蓋体の開閉動作に連動
させて化粧料の充填部に広い面接触で気密的に閉塞開放
する構造であり、確実且つ所要のシール性を確保するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は、本考案による気密性コンパクト容器
の実施例を示し、第１図および第２図は側面断面図およ
び一部断面による側面断面図、第３図および第４図は蓋
の第一及び第二の開き操作のそれぞれの動作態様の断面
図、第５図は斜視図を示す。第６図は従来例の断面図で
ある。 10…容器本体、13…化粧用品のパフ、20…蓋、25…係止
リング、30…中枠、40…弾性シール部材、50…化粧料
皿、51…化粧料。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体10に化粧用品を収容し且つ容器本
   体10にこれを第一の開き操作で開放する蓋20を蝶開自在
   にヒンジ結合すると共に、蓋20の内側に中枠30を嵌合保
   持させて、この中枠30を容器本体10に蝶開自在にヒンジ
   結合して、中枠30を蓋20の第二の開き操作に連動して蓋
   20から離脱するようしてなり、中枠30の内部に環状シー
   ル部材40を嵌着し且つこの環状シール部材40を介して化
   粧料が充填された化粧料皿50を嵌合保持し、弾性シール
   部材40によって蓋20との間で化粧料を気密的に保持する
   るよう構成されたことを特徴とする気密性コンパクト容
   器。