JP2523785Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧品の香気の放散を防止する密封機構を
有する化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 化粧用コンパクトはいうまでもなく、化粧品を充填し
た化粧品皿の上面部に、一端をヒンジで枢着し、他端を
フックで施錠可能とした片開きの蓋を設け、そして多く
は化粧品皿をやや深目として上半部にパフ皿を収納し、
全体を扁平かつ小形に形成して携帯に便利な形状とした
ものである。

このコンパクトで、化粧品に含まれる香料の放散を防
止する目的で、化粧品皿上面の化粧品まわりにリング状
の気密化用パッキングを配し、蓋を閉蓋したときこの蓋
下面でパッキングを押圧して化粧品を外気からしゃ断す
るようにしたものがある。

「考案が解決しようとする課題」 片開きの蓋は、遊端の前部側を止め金で化粧品皿前部
に施錠するので、前部と後部の両端部で化粧品皿に締付
けている方式であり、このため前部と後部以外の部分で
のパキング押圧は不充分となり、完全な密封が得られて
いない。

本考案はねじ込みにより蓋を化粧品皿に開閉蓋させる
構造として、ねじ込み閉蓋時下降する蓋を利用して気密
化用パッキングを圧縮し、化粧品室を略完全に密封でき
るようにした化粧用コンパクトを得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の化粧用コンパクトは、周壁４外周面の少なく
とも四方にとびとびにねじ山５を形成し、かつ下半部を
化粧品室６とした化粧品皿１と、軟弾材からなり、後部
を枢着して前記化粧品皿１上半部に片開き可能に収納さ
れ、底部周縁からスカート状弁７を垂設した中皿２と、
垂下周壁８の内周面に前記ねじ山５にそれぞれ螺合でき
るねじ山９をとびとびに形成してなり、ねじ込み閉蓋の
下降時、前記中皿２を下方に押込み圧縮し、スカート状
弁７を化粧品皿１の上半部内周面に圧接させて化粧品室
６を密封させる蓋３とで構成している。

「作用」 上記構成において、化粧品皿１上面を閉蓋するとき
は、ねじ山５と９群の螺合により蓋３を化粧品皿１にね
じ込み、閉蓋時にはねじ山５と９群の螺合を解消して蓋
３をとり外す。

閉蓋時、蓋３を化粧品皿１にねじ込むと、このねじ込
みで下降する蓋３が中皿２を下方に押込み、この押込み
で中皿２は圧縮され底部周縁のスカート状弁７が化粧品
皿１上半部内周面に圧接するので、化粧品室６を密封す
る。この場合、中皿２、従ってスカート状弁７は少なく
とも四方の４個所を介して全周的に押込まれるので、略
完全に密封することができる。

化粧品の使用時には、第３図のようにねじ山５と９の
螺合を解消して蓋３をとりの外し、この後パフをとって
中皿２を上方に開く。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案
は、独立体とした蓋３をねじ込みにより化粧品皿１に閉
蓋させ、かつ化粧品皿１上半部に収納する中皿２を軟弾
材で形成し、ねじ込み閉蓋時下降する蓋３により中皿２
を下方に押込み圧縮させて化粧品室６を密封させるよう
にした点に特徴を有する。

化粧品皿１は丸皿形の形状で、下半部を化粧品室６と
して化粧品10を充填し、上半部は内周面を摺鉢状に拡開
して中皿２収納部としている。周壁４は下半部が外方に
突出する肉厚部として外周面中腹部に上向きの蓋受け11
を形成し、この周壁４の肉薄部である上半部外周面の周
方向等距離の４個所にとびとびにねじ山５を形成し、ま
た後部にヒンジ用切欠き12を、前部に係止用切欠き13を
設けている。

中皿２は軟質合成樹脂等の軟弾材からなり、前記化粧
品皿１上半部に対応した周壁形状の皿状のもので、後部
から突出させたヒンジボス14を前記切欠き12に嵌合枢着
させて化粧品皿１上半部に片開き可能に収納している。
この場合、口頂部が幾分化粧品皿１口頂部より上方に突
出た状態になるように収納されている。この中皿２は、
前部に前記切欠き13に嵌合する回り止め用の係止片15を
突設し、そして底部下面周縁から化粧品皿１上半部の下
部内周面に接する斜め外下方向にスカート状弁７を垂設
している。16はパフである。

蓋３は伏せ皿形の形状で、垂下周壁８の内周面に前記
ねじ山５群の対応したものにそれぞれ螺合できる４個の
ねじ山９を周方向とびとびに形成した独立体であり、閉
蓋の常時にはねじ山９群を対応したねじ山５にそれぞれ
螺合させて化粧品皿１にねじ込まれており、化粧品の使
用時にはそれらの螺合を解消して第３図のようにとり外
される。この蓋３は、化粧品皿１にねじ込んだとき裏面
周縁部が前記中皿２をその口頂部を介し下方に押込み圧
縮する。

この実施例において、常時は前述のように蓋３を化粧
品皿１にねじ込んで閉蓋するが、このねじ込みの下降時
蓋３は中皿２を下方に押込み圧縮するので、この中皿２
底部周縁のスカート状弁７が化粧品皿１上半部の下部内
周面に圧接し、下方の化粧品室６内の化粧品10を密封す
ることができる。この場合、中皿２従ってスカート状弁
７は四方の４個所を介して略全周的に押込み圧縮される
ので、略完全に密封できる。なお、中皿２は前部を係止
片15で化粧品皿１に係止してあるので、蓋３の開閉蓋時
回動したりすることはない。

上記実施例で、化粧品皿１上半部の下部内周面に浅い
溝を穿ち、この溝にスカート状弁７の端縁を係合させて
閉蓋押圧時弁７の逃げを防止し、確実な密封を図るよう
にすることもできる。また図では示さなかったが、必要
により、蓋３裏面に鏡を取付ければよい。

「考案の効果」 上記したように本考案では、独立体として蓋３を少な
くとも四方４個所を介しねじ込むことで化粧品皿１に閉
蓋させ、かつ化粧品皿１上半部に収納させる中皿２を軟
弾材で形成すると共に底部周縁からスカート状弁７を垂
設し、ねじ込み閉蓋時下降する蓋３により中皿２を押込
み圧縮し、スカート状弁７を化粧品皿１内周面に圧接さ
せるようにしたので、全周的に略完全に密封できる信頼
性の高い化粧用コンパクトが提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧用コンパクトの一実施例の縦断面
図、第２図は同実施例の分解斜視図、第３図は同実施例
の使用時の開蓋状態を示す斜視図である。 １……化粧品皿、２……中皿 ３……蓋、７……スカート状弁

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周壁４外周面の少なくとも四方にとびとび
   にねじ山５を形成し、かつ下半部を化粧品室６とした化
   粧品皿１と、軟弾材からなり、後部を枢着して前記化粧
   品皿１上半部に片開き可能に収納され、底部周縁からス
   カート状弁７を垂設した中皿２と、垂下周壁８の内周面
   に前記ねじ山５にそれぞれ螺合できるねじ山９をとびと
   びに形成してなり、ねじ込み閉蓋の下降時、前記中皿２
   を下方に押込み圧縮し、スカート状弁７を化粧品皿１の
   上半部内周面に圧接させて化粧品室６を密封させる蓋３
   とからなる化粧用コンパクト。