JPS6124158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧料やパフなどを入れるコンパク
ト容器の改良に関する。

従来のコンパクト容器は、そのほとんどがフア
ンデーシヨンなどの化粧料を収容する容器本体
と、この容器本体の一縁にヒンジ結合されかつ内
面に鏡を有する１つの蓋体とから構成されている
のが一般的である。このため、一般にパフなど
は、化粧料の上に直接載せた状態で収容する方法
が採られている。

ところが、こうした従来のコンパクト容器で
は、最近注目されている２ウエイケーキ（フアン
デーシヨンなどの化粧料を水に浸して使用するこ
ともできるもの）などのように、パフを水に浸し
て使用した後でこれを化粧料の上に載せておく
と、パフに含まれている水分が化粧料の表面はも
ちろん内部にまで浸透して化粧料の粘性などを必
要以上に低下させたり、あるいは液状となつた化
粧料が逆にパフ内に浸透したりするなどの不具合
が生じる問題があつた。

そこで、最近においては、容器本体を二重底構
造にして上室に化粧料を、下室にパフなどを入
れ、さらに下室の底板を通気性をもたせるために
網目板状に形成してパフの乾燥の捉進を図つたも
のが提案されている。しかしながら、このような
構造のコンパクト容器では、化粧料とパフを重ね
た状態で収容する構造となるため、容器本体はも
ちろん、コンパクト容器全体の厚さがパフの分だ
け厚くなつて携帯に不便な場合が多く、また、前
記底板が網目板状になつているためにそこからゴ
ミやほこりなどが進入してパフに付着したり、さ
らには底板の通気性によりパフが短時間のうちに
乾燥してしまう関係上、例えば海や山などのよう
にパフを浸す水が容易に手にはいらないような所
では必要とするときに化粧料を使用できないなど
の欠点があつた。

本考案は以上のような点を考慮してなされたも
ので、全体が薄くて携帯に便利であり、またパフ
の乾燥を防止して必要なときにいつでも化粧料を
使用でき、しかもパフに含まれている水分が他の
部分、例えば化粧料や鏡などに悪影響を及ぼすこ
とのないコンパクト容器を提供しようとするもの
である。

以下、本考案の一実施例を添付の第１図および
第２図を参照して説明する。

図において、符号１は合成樹脂もしくは金属等
により平面的にみた外形がほぼ長方形状に形成さ
れた薄形の容器本体、符号２はこの容器本体１を
開閉する同じく合成樹脂もしくは金属等から形成
された蓋体である。

前記容器本体１には、第２図に示すように、独
立した２つの収容凹部３，４が並べて設けられて
いる。そして、これら両収容凹部３，４のうち、
一方の収容凹部３には化粧料などが、他方の収容
凹部４にはパフ（共に図示せず）などが収められ
る。この他方の収容凹部４は図示例では円形に形
成されているとともに、この収容凹部４の開口部
上端にはその開口部を囲む、シリコンゴム等の弾
性材からなるリング状のパツキン５が配設されて
いる。また、収容凹部４の外側には、収容凹部４
とほぼ同形同大の窓７ａを設けた枠板７ａが取り
付けられている。前記パツキン５は、第２図およ
び第３図に示すように、前記収容凹部４の内周壁
を形成する筒状突出部６の上端に形成された嵌合
凹部６ａに嵌合されている。この嵌合凹部６ａ
は、その周方向全周にわたつてパツキン５の断面
形状の一部に合致するように凹曲面に形成されて
いる。また、パツキン５は、このパツキン５の上
面よりも下位の部分で前記窓７ａの内周縁により
押さえ付けられて固定されている。なお、この枠
板７の窓７ａの内周縁も第３図に示すようにパツ
キン５の断面形状の一部に合致するように断面円
弧状に形成されている。

一方、前記蓋体２の内面における前記収容凹部
４と対向する位置には、蓋体２を閉じたときに、
前記パツキン５に圧接して収容凹部４の開口部を
密閉する平面部８が形成されており、また化粧料
などを入れる前記収容凹部３と対向する位置にな
る蓋体２の内面には、鏡９が設けられている。な
お、図において、符号１０は口金の一部を構成す
る係止突起、符号１１は蓋体２を閉じた際に前記
係止突起１０に係合する突条（図示せず）を内面
側に有する係合片である。

さて、コンパクト容器をこのような構造とした
場合、パフを水に浸して使用した後は、円形の収
容凹部４内にその使用後のパフを入れ蓋体２を閉
じてしまえばパフはその収容凹部４内に完全に収
まり、また蓋体２が閉じられた状態では蓋体２の
内面に形成されている平面部８がパツキン５に圧
接して収容凹部４の開口部を密閉する。したがつ
て、収容凹部４は完全に密閉された状態となるの
で、パフに含まれている水分は蒸発することなく
使用後の状態に維持される。

また、このようにパフを入れる収容凹部４と化
粧料を入れる収容凹部３とが実質的に並べて設け
られているから、容器本体１の厚さもその分薄く
なり、結果的にコンパクト容器全体の厚さも薄く
なり、携帯に非常に便利なものとなる。さらに、
前記収容凹部４は蓋体２を閉じると完全に密閉さ
れた状態となるので、外部からゴミやほこりが進
入してパフに付着することもなく、パフに含まれ
ている水分や化粧料などによつて鏡９がくもつた
りよごれたりすることもない。また収容凹部４は
このように完全に密閉されるから、必要ならばこ
の収容凹部４内にパフを浸す水を小量入れておく
ことも可能である。

以上のように、本考案によれば、全体が薄くて
携帯に便利であり、またパフの乾燥が防止される
ので必要なときにいつでも化粧料を使用できる。
また、パツキンを枠板の窓の内周縁によつて押さ
え付けるようにして容器本体側に固定したので、
簡単にしかも確実に取り付けることができる。ま
た、蓋の繰り返しの開閉によつてパツキンの上面
がたたかれても、パツキンの下部を嵌合凹部で受
けることができ、その抜け落ちを有効に阻止する
ことができる。しかも、パツキンの上面よりも下
位の部分でパツキンを押さえ付けるので、窓の内
周縁が邪魔になることなく蓋の平面部とパツキン
の上面とが密着して収容凹部を密閉することがで
き、パフに含まれている水分が化粧料や鏡などに
悪影響を及ぼすこともないなどの優れた実用的効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるコンパクト容
器の斜視図、第２図は同実施例における容器本体
の分解斜視図、第３図は第１図の−線に沿う
拡大断面図である。 １……容器本体、２……蓋体、３，４……収容
凹部、５……パツキン、６……筒状突出部、６ａ
……嵌合凹部、７……枠板、７ａ……窓、８……
平面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と、この容器本体の一縁にヒンジ結合
   され容器本体を開閉する蓋体とからなるコンパク
   ト容器において、前記容器本体には独立した２つ
   の収容凹部が並べて設けられ、一方の収容凹部の
   開口部上端にはその開口部を囲むリング状のパツ
   キンが配設されるとともにその外側には収容凹部
   とほぼ同形同大の窓を設けた枠板が取り付けら
   れ、前記パツキンは開口部上端に形成された嵌合
   凹部に嵌合されかつ前記枠板の窓の内周縁により
   パツキンの上面よりも下位の部分を押さえつけて
   嵌合凹部に固定され、さらに前記蓋体の内面には
   蓋体の閉位置において前記パツキンの上面に圧接
   して前記一方の収容凹部の開口部を密閉する平面
   部が形成されていることを特徴とするコンパクト
   容器。