JP3883874B2 - 摩擦結合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
[発明の分野]
この発明は、ブレーキまたはクラッチ機能のいずれかを果たすように適合可能なモジュールに関する。より特定的には、この発明は、そのようなモジュールの摩擦パッドアセンブリおよびこのパッドアセンブリを保持するためのレセプタクルに関し、レセプタクルおよびパッドアセンブリは、パッドアセンブリが、レセプタクルに容易に挿入されかつそれから取外されるのを許すように構成される。またより特定的には、この発明は、他の一切のモジュール構成要素を取外す必要なく、短いダウンタイム期間にパッドアセンブリをレセプタクルから手で取外し/取換できるように相互に構成された、そのようなパッドアセンブリおよびレセプタクルに関する。この発明は、パッドアセンブリがレセプタクルを磨耗から保護する、そのようなパッドアセンブリおよびレセプタクルにさらに関する。
【0002】
[先行技術の説明]
記載されかつ以下にクレームされるこの発明は、さまざまなブレーキおよびクラッチシステムの摩擦パッドを取換え可能な容易性において継続した改良を与える。これは、周りの機械類の構成に依存して、ブレーキまたはクラッチのいずれかとして働くように使用可能なタイプのパッド含有モジュールに関する。これらのモジュールは、この発明の譲受人に譲渡されるいくつかのものを含む、これまでの多数の特許に記載されている。スペースおよび時間の節約のために、この発明のパッドは、ブレーキングモジュールで用いられるものという観点ですべて説明されるが、この発明に関して述べられることすべてがクラッチモジュールでの使用についても当てはまることを理解されたい。ブレーキングの分野では、この説明は便宜上よりいっそう特定的になるが、理解されるこの発明の用途を狭める意図はない。
【0003】
特に、この発明のパッドおよびパッドレセプタクルを説明するのは、ウェブが生産ラインに沿って運ばれるに従い、可撓性材料(ウェブ)の連続したベルト(webbing)の上で一連の製品変更が行なわれるそれらの製造手順の中での、ウェブ張力の維持におけるそれらの使用の文脈においてである。新聞用紙の生産が一例である。別のものは、あるタイプの布の刻印付け(imprinting)である。すべてのそのような運用においては、ウェブの張力を、張力がウェブを構成する材料を破断したりまたはそれ以外の方法で損傷するほど高くはないが、あるしきい値よりも上に維持することが必須である。1つの構成では、可撓性の製品が巻かれたり、これがそこからウェブの中に送ったりする軸に調節可能な抗力(drag)を与えることによってこの張力が維持される。多数の方法でこの抗力を課すことができるが、最も一般的には、軸に結合されたロータに対してブレーキパッド(代替的に「ブレーキシュー」と称される)を押しつけるステップを含む。ロータは平らな摩擦プレートの形をとる。パッドを摩擦プレートに押しつける力を変えることによって抗力を変化させ、したがって軸から離れるウェブの張力を変化させる(または一定に維持する)ことができる。実際に、多数のそのようなパッドが存在し、ロータに対するパッドの圧力は、一般的に「スパイダ」と称される固定ディスク、すなわちステータに装着された気圧式または液圧式に作動されるブレーキモジュールのアレイの使用によってもたらされる。また、ある意味では逆であるが、同じ態様で働くクラッチを設置可能なこともわかる。すなわち、パッドはロータを押さえて、ウェブの張力がパッドと摩擦プレートとの間の静止摩擦力を超えるレベルに上昇するまで(この点で、摩擦プレートが滑り、パッドが摩擦ディスクに与える滑り摩擦力よりも下にウェブの張力が一旦下がるまで軸が回転し続ける)ロータが回転しないようにする。
【0004】
上述の摩擦パッドを、通常は時間が重要な、それらを生産ラインで用いる場合に、迅速かつ容易に交換できるのが有利である。たとえば、パッドの取外しおよび/または取換と関連の生産ラインダウンタイムを最少化することが通常望ましい。ブレーキ/クラッチモジュールの迅速なパッド取換の問題を扱っている特許は多数ある。そのような特許は、1968年米国特許第3,388,775号のベインズ他(Baynes et al.)の「ポケット入れされた迅速交換シューアセンブリを有するディスクブレーキ」(“Disc Brake with Pocketed Quick Change Shoe Assembly”)、1975年米国特許第3,885,650号のクラウエ(Klaue)の「取外し可能シューを有する拡張ディスクブレーキ」(“Spreading Disc Brake with Removable Shoes”)、1976年米国特許第3,964,583号のモンタルボ(Montalvo)の「摩擦ブレーキおよびクラッチにおけるシリンダの装着(“Mounting of Cylinders in Friction Brakes and Clutches”)、1999年米国特許第5,890,566号のヨシダ他(Yoshida et al.)の「ディスクブレーキ用摩擦パッド」(“Friction Pad for Disc Brake”)、1997年第5,671,827号のデメトリウ他(Demetriou et al.)の「空気ディスクブレーキ」(“Air Disc Brake”)、1997年米国特許第5,662,191号のル・デイト他(Le Deit et al.)の「摩擦パッド…を含むアセンブリ」(“Assembly Comprising a Friction Pad…”)、米国特許第5,617,935号のチュアン他(Chuang et al.)の「ディスクブレーキ用摩擦パッド」(“Friction Pad for a Disc Brake”)を含む。
【0005】
この発明の特定の性質に最も密接に関連しているのは、モンタルボ他の1993年の米国特許第5,178,235号[以下モンタルボI]およびモンタルボ他の1999年米国特許第5,868,233号[以下モンタルボII、これはモンタルボIIの再発行を求める出願連続番号09/542,639号の中にさらに参照される]である。最後に名前を挙げた特許の両者はこの発明の譲受人に譲渡されている。それらは、この発明が向けられるモジュールの特定の性質を記載している。それらはこの発明の説明に援用されるものと理解されたい。
【0006】
ブレーキモジュールを装着すべきスパイダは一般的に、ブレーキングプロセスの間にそれに加えられる捩り力に対する剛性をそれに与えるほど十分に厚みのある金属ディスクである。スパイダの周の周りには、ほぼ等しく間隔を空けて穴が分散され、各々がブレーキモジュールの1つを受けるように適合されている。スパイダは、それ自体がフロアマウントされた(floor-mounted)ベースに取付けられる。摩擦ディスク(ロータ)はロールに取付けられる。典型的に、スパイダはロールと摩擦ディスクとの間に介在される。そのような構成では、ロールに結合された軸はスパイダの中心のブッシングの上に載り、軸の一部がスパイダの外側へ延びる。摩擦ディスクは軸の外側端に固く取付けられる。摩擦ディスク平面はスパイダの平面と平行であり、その両者は実質的に垂直である。ブレーキモジュールはスパイダの周りを360°全周しているため、何らかの手段を用いて、引力のためにパッドアセンブリがモジュールから落下するのを防がなければならない。
【0007】
引力に加えて、パッドアセンブリはブレーキング動作そのものから生じるはるかに大きな力にさらされる。パッドを回転摩擦ディスクに押し付けるとき、結果として生じる摩擦力はパッドを摩擦ディスクの周りで動かそうとする。この捩り力に抵抗するため、パッドアセンブリに隣接して「トルク抵抗体」を設ける。モンタルボIなどの先行技術に記載されたこれまでの設計では、これらのトルク抵抗体は、断面が円形であるために「トルクポスト」と称された。パッドアセンブリはその周の上に、1つは遠端におよび対応のものを近端に、半円形の開口を有し、パッドアセンブリをモジュールに設置したときに、トルクポストがこれを通った。(この説明を通して用いられるように、「遠位」はスパイダの中心に向く方向を指し、「近位」は中心から離れる方向、すなわちスパイダの周に向く方向を指す。同様に、構成要素については、スパイダの中心により近いことが意図される構成要素の端がその構成要素の遠端であり、その近端についてはこの逆である。)これらのトルクポストは、パッドが、摩擦平面からそれらに伝えられたトルク下で回転するのを防止した。またトルクポストはパッドがスパイダの軸から径方向に外に移動するのも防止した。しかしながら、この構成は、パッドアセンブリを引出し得る前に、近位ポストの取外しを必要とした。一旦ポストを取外すと、パッドアセンブリは、2つのトルクポストの以前の位置の間の線、すなわちスパイダの半径の1つと実質的に平行な線に沿って摺動され、したがってモジュールから取外された。同様に、新たなパッドアセンブリは、それが遠位のトルクポストにぴったり嵌るまで同じ線に沿って摺動される。この点で、外側トルクポスト(近位のポスト)を再設置して、パッドアセンブリを定位置に結合する。さらに以前の設計よりも単純であるが、この設計には、パッドを交換するのにかなりの時間と一般的には道具の使用が必要であった。
【0008】
見られるように、モンタルボIのトルクポストはパッドアセンブリが重力下で落下するのも防止した。トルクポストのさらなる重要な役割は、摩擦ディスクに接するようにパッドを前方に押すときに、設置済パッドアセンブリをガイドすることである。
【0009】
その後の発展例、特にモンタルボIIは、パッドアセンブリの2つの端にあるポストを、設置済パッドアセンブリに沿って位置付けられたトルク抵抗体と置換えた。ここで、それらは摩擦ディスクに加えられる力に対してアセンブリを保持しかつ、摩擦ディスクに向けて前方に向かわされたパッドにおいてガイドとして働き続けることができた。これらの新たなトルク抵抗体は時には、ポストではなく「トルク脚」として特徴付けられた。それらは円形ではなく、ブレーキモジュールの遠位−近位方向に細長く、それらが突出するベースと関連して、パッドアセンブリを挿入し得るレセプタクルを形成した。これらのトルク脚は捩り力に抵抗したが、それらは重力下でパッドアセンブリが落下するのを防止できなかった。その必要性を扱うため、モンタルボIIは、一旦アセンブリが定位置に置かれるとパッドアセンブリの近端の上で閉じるように、トルク脚の外側に取付けられかつそれらのトルク脚から近位に延在する保持クリップを教示した。これらのクリップは、一旦それらが定位置にパチンと嵌ると、パッドアセンブリを取出すにはそれらを大きく広げて、新たなパッドアセンブリを設置している間はそれらを離したまま保持することが必要な性質のものであった。これは、パッドを交換するには両手または何らかの種類の道具構成を少なくとも必要とした。
【0010】
トルク脚またはポストのいずれであっても、先行技術のトルク抵抗体に伴う別の潜在的な問題は、それらが保持体またはガイドとして働くパッドが回転摩擦ディスクを押さえているときにそれらに加わる繰返しの力によって、それらが損傷される可能性があることである。この影響は、トルク抵抗体と接している対象物、すなわちパッドアセンブリが、パッドを取付ける硬い裏当てプレートを含むために好ましくない。裏当てプレートが果たす役割のために、この裏当てプレートは典型的に硬鋼から作られる。他方で、製造の容易性および重量の考慮という観点では、トルク抵抗体は、軽量で容易に機械加工される、アルミニウムなどの金属であることが好ましい。トルク抵抗体と接するようにされる鋼の裏当てプレートはこれを損耗しやすく、ブレーキモジュールを修繕してその間にトルク抵抗体を取換えるのを必要とする。さらに、これはモジュールの他の部品を修繕する必要が生じるずっと前に起こる。
【0011】
先行技術のブレーキモジュールのいくつかに伴う最終的な問題は、摩擦パッドアセンブリを裏返しに挿入する可能性である。これは深刻な結果を有し得る。というのも、この好ましくない裏返しは、ブレーキングの間にロータを押さえるのが摩擦パッドそのものではなく硬い裏当てプレートとなってしまうという結果を招く。有害な結果の範囲は、摩擦ディスクの表面の損傷から、飛び交う破片、すなわち「榴散弾」の生成にまで及ぶ。
【0012】
したがって、必要なのは、関連の摩擦パッドアセンブリの片手での容易な引出しおよび挿入を可能にするブレーキ/クラッチモジュールである。さらに必要なのは、この発明のブレーキ/クラッチモジュールについて現在そうであるのを下回る、修理の間の平均時間(mean time)の減少に繋がらないようなモジュールおよび関連の摩擦パッドアセンブリである。またさらに必要なのは、パッドアセンブリを裏返しに挿入できないように構成されたモジュールおよび関連の摩擦パッドアセンブリである。望ましいのは、そのような摩擦パッドアセンブリをこのブレーキ/クラッチモジュールの設置済ベースの大部分と共に使用可能なことである。
【0013】
【発明の概要】
この発明の目的は、これまで可能であったよりも容易な、関連の摩擦パッドアセンブリの引出しおよび挿入を可能にするブレーキ/クラッチモジュールを提供することである。より特定的には、この発明の目的は、一切の道具の必要性または、パッドアセンブリ自体以外にモジュールから部品を取外す必要性なく、片手で達成可能なそのような引出しおよび挿入を可能にすることである。この発明のさらなる目的は、これが与える変更が、この発明が取換えようとするモジュールと関連のものと比較して、修理の間の平均時間に好ましくない影響を与えないことである。この発明のまたさらなる目的は、モジュールの中で摩擦パッドアセンブリを裏返しに挿入するという誤りを不可能にすることである。この発明の目的は、新たな摩擦パッドアセンブリをモジュールの既存のベースのいくつかと共に使用可能なことでもある。
【0014】
上述の目的は、摩擦パッドアセンブリの形状の僅かな変更およびモンタルボIIからの保持クリップの逆転によって達成される。特に、保持クリップは、それらがパッドアセンブリを近端ではなく遠端で把持するように備えられる。さらに、この把持(gripping)は、パッドアセンブリ上で近位に引張るオペレータが容易に克服するように、この発明の装置の中でなされる。この発明のいくつかの実施例では、パッドに、近端の近くのパッドの側に指用の窪みが設けられて、オペレータがパッドアセンブリを引出すのをさらに補助する。これらの変更により、オペレータがパッドアセンブリをそのレセプタクルから迅速に引出すことが可能になり、それにより高温への露出が最小限になり、したがってパッドが冷めるのを待つことなく、動作の最中に手順を行なう(およびパッドをモジュールの中で取換える)ことができる。
【0015】
摩擦ディスクが課すトルクに抵抗しかつパッドが摩擦ディスクの方に進められるときにパッドをガイドする働きもするトルク脚を保護するため、この発明の保持クリップは、引用されたこれまでの設計からさらに再構成される。この発明のモジュールでは、保持クリップは、そうでなければパッドアセンブリにすぐ隣接する、トルク脚のその側に沿って走るようにされる。言い換えると、それらは、モンタルボIIの場合のように、外側に沿ってではなく脚の内側に沿って走る。それらの解放可能なパッドアセンブリ把持に求められる強さおよび弾力性を保持クリップに与えるのに必要なばね鋼は、トルク脚およびレセプタクルの残余のものの大部分に用いられる軽量材料(一般的にはアルミニウム)よりもはるかに強くかつ損耗に対する耐性を有する。したがって、クリップは第2の目的を果たす。すなわち摩擦ディスクが加える捩り力がトルク脚に加える、さもなければそれらがパッドアセンブリから受ける損耗からトルク脚を保護する。
【0016】
パッドアセンブリを裏返しに挿入できないようにする目的は、この発明では、パッドアセンブリとそのレセプタクルとの接合を統制するキーイングの付加によって達成される。1つの実施例では、これは、(a)モジュールの中心線に対して非対称な場所に、モジュールの中にポストをおよび、(b)パッドアセンブリの中に対応する凹部を、加えることを含む。
【0017】
前述のように、明確さのために、この発明は、ウェブの張力を調整するのに用いるブレーキモジュールと共に用いるという観点で論じられる。しかしながら、この発明は、摩擦パッドを迅速かつ容易に交換できるのが有利な文脈でブレーキまたはクラッチモジュールを用いるところはどこでも用途を有することがわかる。(留意されるのは、たとえば、引用された先行技術のあるものは、自動車およびトラックのブレーキと共に用いられるブレーキアセンブリに関していることである。)
この発明の装置は、トルク脚のためのベースを形成しかつそれらのトルク脚と共にこの発明の摩擦パッドアセンブリのためのレセプタクルを形成するトルクカラーの使用を先行技術のいくつかと共有している。中央が開いているトルクカラーは、ピストンがそれを通りかつ、パッドアセンブリの裏当てプレート、すなわちトルクカラーの上に載っている外側リーチに対して、通過するのを許し、パッドアセンブリを前方に向かわせて摩擦パッドを摩擦ディスクの方にもってくる。ピストンを前方に動かして、制動されるべきディスクに対してパッドを押しつける、さまざまな機械的変位手段が存在する。典型的に、これは、ピストンの後ろの空気嚢を膨らませることによって行なわれる。この機能を行なうため、代替物として液圧式シリンダおよびリニアモータを含むがそれらに限られない他の装置を用いてもよい。
【0018】
モンタルボIIの場合と全く同様に、この発明の装置では、モジュール内に摩擦パッドアセンブリをしっかりと固定するのに保持クリップを用いる。しかしながら先行技術とは異なり、これらのクリップは、クリップのパッド把持部分を装置の近端ではなく遠端に設けるという意味では逆にされている。さらに、この発明の保持クリップがパッドアセンブリを把持する態様は、保持グリップを克服するのに必要な比較的小さな力でのパッドアセンブリのスムーズな引出しを可能にする。これは、パッドアセンブリが定位置にありかつこれを引出しおよび挿入プロセスの一部として別個に扱わなければならない(広げなければならない)ときに、保持クリップがパッドアセンブリの近端の周りを囲む、引用の先行技術とは対照的である。この発明の各々の保持クリップはこのとき、トルク脚の1つに取付けられる部分(固定部分)と、トルク脚から遠位に延在しかつパッドアセンブリの一方側で解放可能にパチンととまる部分(把持部分)とに分けられたものとして図示することができる。保持クリップの後者部分は、その近端近くでパッドアセンブリの側面の窪みに従う形状を有する。各保持クリップの残余部は、パッドアセンブリが定位置にあるときにトルク脚とパッドアセンブリとの間にあるように備えられる。この発明のいくつかの実施例では、保持クリップのその部分がトルク脚の周りを完全に囲む。
【0019】
当業者には考えられる、この発明に対するさらなる発展例および洗練例が存在する。これらは、保持クリップが一旦定位置にパチンと嵌ると、パッドアセンブリがアセンブリの近位へ進むのを止める「肩」を有するように、パッドアセンブリを形作るステップを含むが、それに限られるものではない。好ましい実施例の場合のように、パッドアセンブリの近端の近くに指標ポスト(indexing post)が存在するとき、これらの肩のアセンブリ止め機能は指標ポストの機能と重複する。この発明のパッドアセンブリに組入れ得る他の特徴は、それらがこの発明では何の機能も果たさないとはいえ、先行技術のブレーキモジュールのいくつかにおいてパッドを用いるのを可能にするように、アセンブリを形作るステップを含む。
【0020】
【好ましい実施例の詳細な説明】
好ましい実施例の以下の説明は、概要および請求項に述べられたようなこの発明の範囲をどのようにも減じることを意図するものではなく、この作成のときに最良モードと考えられるこの発明のモードを詳細に説明する通常の機能を果たすことが意図される。
【0021】
図1はこの発明の好ましい実施例に従う摩擦パッドアセンブリ101を示す。摩擦パッドアセンブリ101は摩擦パッド103および裏当てプレート102からなり、パッド103は、耐熱エポキシによって裏当てプレート102に取付けられる。裏当てプレートは、パッド103の下から突出する、パッドアセンブリ101の近端で部分的にしか見えない。実際は、裏当てプレート102は摩擦パッド103の下側と実質的に同じ広がりを有する(coextensive)。この発明の好ましい実施例では、裏当てプレート102は硬鋼から作られる。さらに留意されるのは、摩擦パッド103を平らな上面1000と平らな底面1001とを有するものとして記載することができ、同様に平らである裏当てプレート102が平らな底面1001に取付けられることである。さらに、パッドアセンブリ101はパッドアセンブリ101の近端に背面800をおよび、遠端に前面900を有する。上面1000と底面1001との間に延在する、パッド103のその部分の残余が側面2000と称される(図2を参照)。
【0022】
パッドアセンブリ101用レセプタクル500は、図1と、分解された形で図3との両者に示される。このレセプタクル500は大体、トルクカラー201、左トルク脚202a、右トルク脚202b、左保持クリップ601a、右保持クリップ601bおよび指標ポスト700を含む。保持クリップ601a、601bがそれぞれのトルク脚202a、202bのまわりを囲んでいるのが図1およびより詳細には図3に見られる。トルクポストのまわりを囲むクリップ601a、601bの各々の部分は、クリップの固定部分602a、602bと称される。さらに、関連のトルク脚の端を超えて遠位に延びる、保持クリップ601a、601bの各々の部分が存在する。保持クリップ601a、601bの各々のその部分は把持部分603a、603bと称される。左保持クリップ601aの把持部分603aおよび右保持クリップ601bの把持部分603bはともに、パッドアセンブリがレセプタクル500の中の定位置に一旦置かれると、パッドアセンブリ101の端を解放可能に把持する。
【0023】
パッドアセンブリ101をレセプタクル500の中に設置しかつブレーキングを適用していないとき、裏当てプレート102はトルクカラー201の上に載っている。さらに、2つのトルク脚202a、202bは、それらのそれぞれの関連の保持クリップ601a、601bとともに、パッドアセンブリ101の側面2000にすぐ隣接している。最後に、パッドアセンブリ101がレセプタクル500に挿入されると、指標ポスト700がパッドアセンブリ101の指標窪み106の中にぴったり嵌合することがわかる。このように、パッドアセンブリ101はレセプタクル500内で入れ子状にされる。
【0024】
図3は、トルクカラー201、2つのトルク脚202aおよび202bならびに指標ポスト700を組入れるレセプタクル500を示す。組立てられると、トルク脚202a、202bおよび指標ポスト700はすべてトルクカラー201の上面に固く取付けられかつそこから突出する。図3には、クリップが通常取付けられるトルク脚202a、202bから離して持上げられた保持クリップ601a、601bも示される。図1は、左保持クリップ601aおよび右保持クリップ601bがそれらの機能的位置にあるのを示す。それらは同一のおよび対称な機能を果たし、したがってこれらを左保持クリップ601aと関連してのみ論じる。左保持クリップ601aは、左トルク脚202a上に滑るようにはまりかつそれらを3つの側で囲む、3つの側を有するスリーブを部分的に形成し、クリップねじ206によってクリップがしっかりとトルク脚に固定されるのが見られる。さらに、左保持クリップ601aは、モジュールを組立てるときにトルクカラー201の中心に向けて延びる左スナップイン(snap-in)部分603aを含む。このように、左保持クリップ601aが左トルク脚202aとパッドアセンブリ101との間に介在されることがわかる。好ましい実施例では、左保持クリップ601aおよび右保持クリップ601bは両者ともタイプ17−7PH、状態Cのステンレススチールから作られる。モジュール100がその機能的構成にあるとき、2つのスナップイン部分603a、603bはそれぞれ、パッドアセンブリ101の2つのスナップイン受けへこみ部600aおよび600bで入れ子状になる。
【0025】
指標ポスト700は、左トルク脚202aと右トルク脚202bとの間の中間線から少し離れたところにトルクカラー201の上に位置付けられる。すなわち、指標ポスト700は、それぞれ左トルク脚202aおよび右トルク脚202bの位置と対称な位置に設けられるわけではない。これは、指標ポスト700が、パッドアセンブリ101を正しい向きに確実に挿入するように働き得るようにするためである。なお、その向きというのは、裏当てプレート102ではなくパッド103が、制動されるべきディスクに面し、同様に、摩擦材料103ではなく裏当てプレート102がトルクカラー201に隣接するのを確実にするようなものである。
【0026】
回転ロールなどの制御されている対象物に抗力を加えるには、パッドアセンブリ101は、前方に、すなわちトルクカラー201に対して上向きに、図1に示されるようなピストン300によって押される。そのために、パッド103はその対象物に取付けられた摩擦ディスク20に押しつけられる(図4参照)。ピストン300は、典型的な用途では気圧式または液圧式で押される。ピストン300を駆動する力が減じられるかまたは取除かれると、ピストン300はその休止位置に戻り、ピストン300と裏当てプレート102との間の確固たる結合の結果として、パッドアセンブリ101をそれとともに引戻す。好ましい実施例では、この結合は磁気的に達成されるため、たとえばねじまたはピンベースの結合によって与えられ得るものなどの、モジュール100からのパッドアセンブリ101の引出しに対する固定障害物は存在しない。
【0027】
抗力が与えられる対象物とブレーキモジュールとを並置する態様が図4に示され、これは、概略的な形で回転ロール21、スパイダ10および、ロール21とともに回転する軸150に固く結合された摩擦ディスク20を示す。パッド103が回転摩擦ディスク20に押しつけられて摩擦ディスク20にトルクを加えるとき、摩擦ディスク20は等しい大きさのトルクをパッド103に加える。この「反作用」トルクは、レセプタクル500に対してパッドアセンブリ101を回転および/または並進させようとする。パッドアセンブリ101は、レセプタクル500によって、特に、トルクカラー201から突出する指標ポスト700および2つのトルク脚202a、202bによって、そのような動きに対して保持される。
【0028】
しかしながら、留意されるのは、パッドアセンブリ101が、トルク脚202aおよび202bの長軸と平行な方向、すなわちレセプタクル500に対して近位の方向に摺動するのを、トルク脚202aが止めないことである。その機能が行なわれるのは、保持クリップ601aおよび601bによって、特に、パッド103および裏当てプレート102に形成された2つの受けへこみ部600aおよび600b内でのそれらのぴったりとした嵌合により、それらの保持クリップの把持部分603aおよび603bによってである。この嵌合は非常にぴったりとしているため、垂直方向に対するモジュール100の向きにかかわらず、引力に対してブレーキパッド101を定位置に保持する。同時に、嵌合は、片手を使ってパッド103上で近位に引張るオペレータがパッドアセンブリ101を引出せないほどぴったりしているのではない。この引張りを容易にするため、図2に示されるように、パッドアセンブリ101の側面に2つの弓型溝108が存在する。2つの弓型溝108は、オペレータが、パッドアセンブリ101を引出すまたは挿入する間、片手の親指および人差指(または中指)を用いて把持するのに利用可能である。好ましい実施例では、裏当てプレート102は、パッド103と実質的に同じ広がりを有するとはいえ、溝108の領域でパッド103の周から外には延びない。これは、あまり熱伝導のよくない熱導体であるパッド103と接しかつ、金属から作られ、したがって優れた熱導体である裏当てプレート102に指が接するのを防止するように、オペレータの指を限定するのを助ける。したがって、パッドアセンブリ101を引出している短時間の間、かなりの熱転送からオペレータを保護する。
【0029】
留意されるのは、一般的に、モジュールおよび関連のパッドアセンブリ101の多数の典型物が備えられることである。たとえば図4を参照して、これらの典型物の設置のために周のまわりに多数の開口900を有して構成されたスパイダ10を示す。各モジュール100は、その近端に最もアクセスしやすくかつ、その近端と遠端との間の線が、装着プレート、すなわちスパイダ10の動径ベクトルと実質的に整列するように装着される。次に、レセプタクル500の近端からレセプタクル500の遠端に向けてパッドアセンブリ101を押し、スパイダ10の軸(中心)に向けてパッドアセンブリ101を押すことにより、各々の関連のパッドアセンブリ101を設置する。図4は摩擦ディスク20と関連のスパイダ10も示し、摩擦ディスク20はロール21に固く結合される。概略的に示されるだけの、スパイダ10用マウント750は、作業が行なわれている部屋に対してスパイダ10を固く固定する。摩擦ディスク20を装着する軸150は、ブッシング(図示せず)で支持されるスパイダ10を通る。この摩擦ディスク20はロール21とともに回転し、摩擦ディスク20に与えられる抗力は、ロール21に抗力を与え、したがってロール21から離れたウェブ送りに張力を与えるように働く。
【0030】
図5は、肩650が識別されたパッドアセンブリ101を示す。これらは、アセンブリをレセプタクル500に挿入するときにアセンブリ101のさらなる止めを提供することができる。なぜなら肩は、アセンブリ101を完全に設置するときにトルク脚202a、202bの近端と突き合わさるからである。図5に示されたようなアセンブリ101の変形に留意しかつ、ほぼ弓型の切取り575、576がそれぞれアセンブリ101の近端および遠端にできることが留意される。これらの切取り575、576は、この発明のアセンブリ101を先行技術のブレーキ/クラッチモジュールの設置済ベースの大部分とともに用いるのを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の好ましい実施例に対応する摩擦パッドアセンブリおよび摩擦パッドアセンブリレセプタクルと、摩擦ディスクに対して前方に摩擦パッドを駆動するダイヤフラムピストンの部分との分解図である。
【図2】 この発明の好ましい実施例のパッドアセンブリの分離図である。
【図3】 トルクカラー、トルク脚および保持クリップを含む、この発明の好ましい実施例のレセプタクルの分解図である。
【図4】 制動するのにこの発明の装置を用いるタイプの回転ディスクの図示および、この発明の複数のモジュールを装着可能な典型的な装着プレートの概略図である。
【図5】 この発明の好ましい実施例のレセプタクルで受けられるように形作られた構成の残余だけでなく、トルクポスト開口を有する、この発明に従う代替的な摩擦パッドアセンブリの上面図である。
【符号の説明】
101 パッドアセンブリ、102 裏当てプレート、103 摩擦パッド、201 トルクカラー、601a、b 保持クリップ。

Claims (13)

  1. ブレーキ機能またはクラッチ機能のいずれかを提供するように構成可能なモジュールとともに用いられる摩擦結合装置であって、
    摩擦アセンブリ用のレセプタクルを含み、
    前記レセプタクルは、実質的に平らな表面を有するトルクカラーと、前記トルクカラーに対して垂直に立ち上がる遠端および近端を有する1対のトルク脚とを有し、さらに前記レセプタクルは1対の保持クリップを有し、
    前面、背面、およびその間にそれぞれ延在する2つの側壁を備える周を有するパッドアセンブリを含み、前記側壁の各々には受けへこみ部が配置され、
    前記1対のトルク脚は間隔を設けて配置され相互のトルク脚の間に前記パッドアセンブリを受け入れるための空間を構成し、
    また、前記保持クリップの各々は把持部分および固定部分を有し、前記固定部分は前記トルク脚のそれぞれ1つに装着され、前記把持部分は前記トルク脚の前記それぞれ1つの前記遠端を超えて延在し、かつ前記受けへこみ部で受けられるばねを有し、
    前記パッドアセンブリは、前記パッドアセンブリを受け入れるための空間内に挿入可能でかつ前記パッドアセンブリの前記前面前記トルク脚の前記遠端を過ぎて挿入可能であ、そのように挿入されると、前記保持クリップの前記把持部分は、前記パッドアセンブリの対応する側壁中の前記受けへこみ部の中に入り、
    前記パッドアセンブリの前記2つの側壁は各々、保持クリップによって所定の位置に保持された状態において、前記保持クリップによって覆われない部分を有する、装置。
  2. 前記保持クリップは、前記パッドアセンブリが、道具の必要なく片手で前記レセプタクルの中に挿入されるかまたは前記レセプタクルから引出されるのを可能にする形状および強さを有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記パッドアセンブリは摩擦パッドと裏当てプレートとを含み、前記摩擦パッドは前記裏当てプレートに取付けられる、請求項に記載の装置。
  4. 前記裏当てプレートは強磁性材料から作られる、請求項に記載の装置。
  5. 前記保持クリップはばね鋼から作られる、請求項に記載の装置。
  6. 前記トルクカラーは、前記表面から垂直に突出し、かつ前記トルク脚に対して非対称に前記表面上に配置されて、前記レセプタクルの中での前記パッドアセン
    ブリの適切な向きを確実にする指標ポストをさらに含み、
    前記パッドアセンブリは指標窪みを有し、
    前記指標ポストは、前記パッドアセンブリが前記適切な向きで前記レセプタクルの中に完全に挿入されるときは常に前記指標窪みと嵌まり合、請求項に記載の装置。
  7. 弓形溝が前記パッドアセンブリの前記保持クリップによって覆われない部分に設けられる、請求項1に記載の装置。
  8. 前記摩擦パッドは1対の肩を有し、前記肩の各々1つは、前記パッドアセンブリが前記レセプタクルに完全に挿入されるときおよびそのときだけ、前記トルク脚の各々1つの前記近端と突き合わさる、請求項に記載の装置。
  9. 前記保持クリップの各々の前記固定部分は前記トルク脚の1つに沿って延びて、前記パッドアセンブリが前記レセプタクルの中に挿入されるときに、前記パッドアセンブリと前記トルク脚の前記1つとの間に介在される、請求項に記載の装置。
  10. 前記保持クリップは、前記トルク脚の材料よりも耐久性のある材料から作られる、請求項に記載の装置。
  11. 切り取り(575、576)が前記パッドアセンブリの前記前面および前記背面に配置される、請求項6に記載の装置。
  12. 前記トルク脚は、前記遠端と前記近端との間に延びる内側壁を有し、前記保持クリップの各々の前記固定部分は、前記内側壁に沿って延びて、前記パッドアセンブリが前記レセプタクルに挿入されるときに、前記トルク脚と前記パッドアセンブリとの間に介在される、請求項1に記載の装置。
  13. 各々の前記トルク脚は外側壁および近端壁も有し、前記内側壁および前記外側壁は互いに実質的に平行であり、前記近端壁は、前記トルク脚の前記近端で前記内側壁と前記外側壁との間に垂直に延在し、
    前記保持クリップの前記固定部分は、前記内側壁、前記外側壁および前記近端壁のまわりにぴったり嵌る形状を有し、
    前記把持部分は、前記内側壁に隣接して配置される前記固定部分の一部から延在する、請求項12に記載の装置。
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