JP3883344B2 - スラリーポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体基板を研磨する時に用いる砥液を供給するために用いるスラリーポンプに関し、特に、砥粒が均一に分散した砥液を研磨部に安定して供給することができるスラリーポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、許容される焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の1手段として研磨ユニット(研磨部)を備えた研磨装置により研磨することが行われている。
【0003】
図16は、研磨ユニットの一例の主要部を示す図である。研磨ユニットは、上面に研磨布140を貼ったターンテーブル142と、回転および押圧可能にポリッシング対象物である半導体ウエハWを保持するトップリング144と、研磨布140に砥液Qを供給する砥液供給ノズル146を備えている。トップリング144はトップリングシャフト148に連結され、図示しないエアシリンダにより上下動可能に支持されている。
【0004】
トップリング144はその下面にポリウレタン等の弾性マット150を備えており、この弾性マット150に密着させて半導体ウエハWを保持するようになっている。さらにトップリング144は、研磨中に半導体ウエハWがトップリング144の下面から外れないようにするため、円筒状のガイドリング152を外周縁部に備えている。ガイドリング152はトップリング144に対して固定され、その下端面はトップリング144の保持面から突出しており、その内側の凹所にポリッシング対象物である半導体ウエハWを保持するようになっている。
【0005】
このような構成により、半導体ウエハWをトップリング144の下面の弾性マット150の下部に保持し、ターンテーブル142上の研磨布140に半導体ウエハWをトップリング144によって押圧するとともに、ターンテーブル142およびトップリング144を回転させて研磨布140と半導体ウエハWを相対運動させて研磨する。このとき、砥液供給ノズル146から研磨布140上に砥液Qを供給する。砥液は、例えばアルカリ溶液に微粒子からなる砥粒を懸濁したものを用い、アルカリによる化学的研磨作用と、砥粒を用いた機械的研磨作用との複合作用によって半導体ウエハWを研磨する。
【0006】
このような研磨装置において良好な研磨を行なうには、一定の濃度及び流量の砥液を研磨ユニットに安定に供給することが要求される。砥液供給系は、例えばKOH,NHOH等と粉末シリカを混合した原液を貯蔵する原液タンクと、この原液を純水や薬液等で希釈して所定の濃度に調整する調整タンクと、この調整タンクで調整した砥液を一時的に貯蔵して供給する供給タンクと、これらのタンク間及び供給タンクから研磨ユニットのノズルに砥液を供給するための砥液供給配管等を備えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように濃度を調整した砥液も、調整タンクまたは供給タンクに貯蔵され、あるいは配管途中に滞留している間に砥粒が凝集する。砥粒の粒子径が大きくなった砥液が研磨部に送られると、被研磨面に傷(スクラッチ)が発生したり、研磨速度が遅くなるといった不具合があることが分かっている。そこで、タンクにおける長時間の貯蔵や、配管途中での滞留を防止するための方策が提案されている。そのような方策の1つとして、調整タンクからの砥液供給配管を、個々の研磨部の近傍を通る循環配管とこれから分岐する分岐配管とから構成し、調整タンクを含めて常に砥液を循環させておくことにより滞留を可能な限り防止するものも提案されている。
【0008】
ところが、発明者らの研究により、上記のような砥液中の砥粒の凝集は、砥液供給のために用いるスラリーポンプの種類によっても大きく影響されることが分かってきた。すなわち、ポンプとして一般的に用いられる遠心ポンプでは、砥粒として酸化セリウムを用いる場合にはあまり問題は無いが、粉末シリカを分散させたコロイダルシリカの場合には凝集しやすい傾向が見られる。これは、ロータの周速がかなり大きいために、大きな剪断力(シアストレス)が作用するためであると考えられる。
【0009】
また、容積式のポンプであるベローズポンプやダイヤフラムポンプを用いることも考えられるが、この場合は、ポンプの内部で砥液が滞留しやすい箇所ができ、砥粒の凝集が起き、詰まりやすいことも経験的に分かっている。上述したような循環配管においては、砥液がポンプを定常的に通過するので、このような不具合がより顕著になることは明らかであろう。
【0010】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、性状の安定した砥液を研磨部に継続的に供給し、定常的に良好な研磨を行なうことができるスラリーポンプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、研磨ユニットに砥液を供給する砥液供給装置に用いられるスラリーポンプであって、2つの回転軸を有するロータに形成されたローブの相互の噛み合いによって送液し、接液部が樹脂製であるか又は樹脂コーティングされている容積式回転ポンプを用いることを特徴とするスラリーポンプである。
【0012】
これにより、砥液の接液部が主にローブの表面の滑らかな平面であるので、砥液に大きな剪断力、すなわち、境界面を境に方向が変わるような力が作用しにくく、また、ポンプ内の空間で砥液が滞留しやすい箇所も特に無い。従って、砥液の凝集を抑止し、性状の安定な砥液を研磨ユニットに供給して、安定かつ高品質を研磨を行なうことができる。容積式回転ポンプとしては、ルーツ型のポンプが代表的に挙げられるが、他の形式のものも適宜に採用可能である。
【0013】
液部が樹脂製であるか又は樹脂コーティングされていることにより、ポンプ素材と砥液の反応を抑止し、砥液の汚染防止と、ポンプの耐用性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、前記回転軸のシール部にシール液空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスラリーポンプである。これにより、外部からの汚染を防止しつつ、シール部における砥液成分の凝集を防いで、安定な稼動と砥液の品質維持を図ることができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記回転軸のシール部にシール液空間へ供給するシール液の圧力を制御する制御機構が設けられていることを特徴とする請求項に記載のスラリーポンプである。これにより、シール液空間とポンプ内空間あるいは外部空間との圧力関係を制御して、シール部の機能を確実に行わせることができる。
【0016】
請求項に記載の発明は、砥液タンクと、該砥液タンクと研磨ユニットを連絡する配管系と、請求項1ないしのいずれかに記載のスラリーポンプとを有することを特徴とする砥液供給装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、この実施の形態の研磨システム1は、原液と希釈液から所望の濃度の砥液を作製し、循環経路2を介して供給する砥液供給装置3と、被研磨物を研磨工具により研磨する研磨装置4とを有している。この砥液供給装置3は、砥液原液を収容する原液タンク10と、これを所定の濃度に薄めるための希釈液源12の2つの供給源と、循環経路2に設けられてこれらの供給源から配管14,16を介して供給される原料を合流させて所定濃度の砥液とする混合部(砥液供給タンク)18と、該循環経路2から研磨ユニット22に向けて砥液を供給する抜き出し配管24を備えている。
【0018】
砥液の原液としては、例えば、シリカゲルのような所定の粒度の粒子を含有する酸、アルカリ、又は中性の液が研磨対象に応じて用いられ、希釈液は、通常、不純物のない純水等が用いられる。この例では、原液は原液タンク10に収容され、原液供給ライン14は、一方が空になったときに切り換えて用いるように2系統が設けられている。原液供給ライン14及び希釈液供給ライン16には、それぞれ、開閉弁26、圧力調整弁28及びオリフィス29が設けられている。圧力調整弁28及びオリフィス29が圧力補償型の流量調整弁31を構成している。
【0019】
混合部であるバッファチューブ18は、この例では、複数の研磨装置に砥液を供給する循環経路2の途中に設置されている。このバッファチューブ18は、より実体的な説明図である図2に示すように、循環経路2を形成する循環配管20より大径の円筒状容器30として縦に配置されて構成され、底部に排出口32が設けられ、上部はOリング34を介して接合された蓋36で覆われている。蓋36には、循環配管20の戻り側が接続される戻し管38が容器30の底部近傍まで延びて挿入され、また、原液及び希釈液のラインの配管14及び(図示は省略するが配管14と同様に)配管16が、それぞれ容器30の途中まで挿入されている。また、バッファチューブ18の容積は、研磨装置で使用される24時間分の砥液量を超えない大きさに構成することが望ましい。長時間の保存によって研磨液が劣化することがあるからである。
【0020】
容器30には、液面のレベルを検知するレベルセンサ40a,40b,40cが設けられ、これは、例えば、上限、下限、最下限を検知し、その信号を図示しない制御装置に出力するようになっている。本実施の形態では、レベルセンサとして静電容量式レベルセンサを用いた。この信号に基づいて、制御装置は、原液及び希釈液のラインの開閉弁26やポンプ25に信号を出力し、液面レベルが下限になったときには原液及び希釈液を供給し、上限になったら供給を停止するように制御する。万一、液面レベルが最下限に達したときは、警報や研磨ユニット22の停止信号等を発する。
【0021】
蓋36には、さらに、容器30内の空気を伸縮可能な素材でできたエアバッグ42に連通させる空気流通管44が設けられている。エアバッグ42は、容器30内の空間を外気に対して気密状態に保ちつつ内部の液面レベルの変動による内圧変動を抑えるもので、柔軟性と耐用性のある例えばテフロン(商品名)(テトラフルオロエチレン重合体)のような素材から、レベル変動に対応する容積を有する大きさに形成されている。なお、エアバッグ42の温度が容器30内の温度より低い場合には、エアバッグ42内部に水分が凝縮する。従って、温度差が生じる可能性がある場合には、容器30をジャケットで冷却するなど、容器30及びエアバッグ42のいずれか又は双方に温度調整手段を設けるとよく、また、その制御のために温度センサを設けるとよい。また、各配管14,16,20と容器30とは互いに、シールテープ等のシール材を介して継手により接続されているので、配管系も気密に保たれている。
【0022】
循環配管20は、バッファチューブ18の下端の排出口32から、砥液を供給すべき1又は複数の研磨ユニット22の近傍を巡り、バッファチューブ18に戻ってその戻し管38に接続されて構成されている。循環配管20には、砥液を循環させる循環ポンプ46、循環配管内圧力を一定圧力以上に保つ背圧弁48、圧力センサ50等が設けられている。循環ポンプ46の吐出側配管にはラインミキサ47を取り付けることもある。圧力センサ50の出力は制御装置に入力され監視される。制御装置はその検出値に応じて循環ポンプ46の運転を制御して循環配管20内の圧力を一定に保つようにしてもよい。通常は循環ポンプ46は一定の運転に保持され、背圧弁48によって配管内の圧力が一定に保たれる。循環配管20には、それぞれの研磨ユニット22に近い位置から該研磨装置に向けて抜き出し管24が分岐して延びており、これは開閉弁52と流量調整可能なポンプ53を介して研磨ユニット22の所定位置に開口する砥液ノズル58に接続されている。
【0023】
このように、砥液を研磨ユニット22近傍に導くための配管内の砥液を常時循環させることにより、配管内での滞留による液濃度変化や固形物の沈積による詰まりを防止することができる。また、配管を長くすることができるので、1つの砥液供給源(混合部)18から複数の研磨ユニット22に砥液を安定に供給することができ、装置コストを低下させることができる。各研磨ユニット22には停止時間があるため、分岐した抜き出し管24では滞留が起きるが、研磨運転開始前に滞留防止のために砥液を抜き出し管内の砥液が入れ替わる程度の少量流すことにより滞留の影響を排除することができる。
【0024】
この砥液供給装置においては、混合部18を含む循環経路2は密閉されて外部から気密な構成となっている。また、抜き出し管24も、そのノズル58の開口部を除けば外部と遮断された密閉系となっている。従って、バッファチューブ18を含む配管系内の雰囲気は一定であり、比較的飽和蒸気圧に近い状態に維持され、乾燥による内面での砥液の固着等が防止される。なお、この例では、原液タンク10を含む原液の供給ライン14及び純水等の希釈液を溜める希釈液タンク12を含む希釈液供給ライン16も密閉しており、乾燥防止による固着防止を徹底するとともに、空気酸化による影響をも防止している。
【0025】
また、混合部18内の砥液が減少すると、随時原液と希釈液を追加して適切な濃度の砥液を補充し、かつ循環経路2で砥液を密閉系で循環させているため、濃度調整用の混合部18自体の大きさは非常に小さくて済む。例えば、1つの砥液供給装置から3台の研磨装置へ砥液を供給する場合は、混合部18は5l程度の容積で足りる。また、30台程度の研磨装置へ供給する場合でも40l程度の容積で足りる。
【0026】
循環ポンプ46は、回転型容積式ポンプの一種であるルーツ型のスラリーポンプである。すなわち、図3に示すように、それぞれが3つのローブ(突出部)60を有する2つのロータ62a,62bが、断面が長円形のケーシング64に、紙面に直交する平行な2つのシャフト66a,66bを中心に逆方向に、従ってローブ60を互いに噛み合わせるように回転するようになっている。これらのローブ60は、噛み合い部において少なくとも一点で微少な隙間を介して接するような所定の輪郭形状を有している。
【0027】
このようなルーツ型のポンプ46は、ロータ62a,62bのローブ60同士あるいはローブ60の先端とケーシング64内面の間の隙間が大きいと十分な吐出圧を得られないので、この隙間の寸法精度を維持することが重要であり、これは通常0.10〜0.20mm程度に管理される。ケーシング64の内部のポンプ室68に連通するように、中央の噛み合い部の一方(この例では下側)に吸込口70が、他方(上側)に吐出口72が設けられている。ポンプ室68内壁やロータ62a,62bの外面等の接液部、及びこれに繋がる前後の配管は、砥液との反応を防止して砥液の汚染を防ぐために、例えば、フッ素樹脂によるコーティングがなされている。
【0028】
このスラリーポンプ46の駆動系を図4に示す。すなわち、2つのロータ62a,62bは、それぞれのシャフト66a,66bの間にタイミングギア74が設けられていて連動するようになっており、また、一方のシャフト66aは継手76を介して外部のモータ78に連結されて回転駆動される。
【0029】
図5は、図4の変形例を示すものであり、ここでは、タイミングプーリ80及びベルト82又はギアを用いた減速機を介してモータ78とロータシャフト66aを連結している。砥粒の凝集を防止するにはロータを低速回転させるのが好ましいからである。但し、この場合には、それらからの潤滑油ミストやダストの対策を講じる必要がある。
【0030】
図6ないし図8は、駆動系の他の実施の形態を示すものである。図6は、駆動モータ78Aとしてツインロータモータを使用し、各シャフト66a,66bに継手76を介して連結したものである。この例では、2つのシャフト66a,66bを同期させるためのタイミングギア74に対する負荷が軽減されるので、タイミングギア74としてドライ潤滑ギアを用いることができる。
【0031】
図7は、図6の変形例であり、ツインモータ78Aと各シャフト66a,66bの連結をタイミングプーリ80及びベルト82を用いて行うようにしたものである。これにより、モータ軸の間隔をロータシャフト66a,66bに合わせなくても良いので、モータ設計が容易となり、また、モータ78Aをポンプ46の上下に配置できるので、全長や床面積を低減することができるが、ベルト82から出るダストの対策を講じる必要が有る。
【0032】
図8も、図6の変形例であり、ツインモータ78Aの軸とポンプ46の軸を一体としたもので、タイミングギア74は外側に配置されている。この例においても、タイミングギア74としてドライ潤滑ギアを用いることができる。
【0033】
図9は、一方のロータ62a又は62b(以下62)の軸線を含む縦断面図であり、シャフト66a又は66b(以下66)の周囲のシール部Sの詳細を示すものである。この例では、シール部S(後述するメカニカルシールS,S)に潤滑及び冷却用のシール流体を流す空間Rを設けたダブルメカニカルシールを用いている。
【0034】
それぞれのメカニカルシールS,Sは、ケーシング64に形成された図示しないシール受け部に固定リング84が取り付けられ、一方、これと摺動面を対向させた回転リング86がシャフト66に軸方向に移動可能に取り付けられて構成されている。これらの固定リング84及び回転リング86の対向する摺動面は2つの回転リング86の間に配されたコイルばね90の付勢によって密着させられている。これらの固定リング84及び回転リング86は、耐摩耗性、低摩擦性等を有する摺動部材用素材から作製され、例えば、SiCどうしの組み合わせが用いられる。
【0035】
ロータ62の直近には、シャフト66に取り付けたスリーブ92と、これの外側に配置された遊動リング94からなるフローティングシールSが設けられている。これらの部材も、例えばSiCどうしのような組み合わせが用いられる。遊動リング94は、ケーシングに形成された環状凹所96に収容され、その凹所の壁には、遊動リング94の両側面に接する弾性シール98が装着されている。
【0036】
フローティングシールと内側のメカニカルシール、及び内側のメカニカルシールと外側のメカニカルシールの間に、それぞれパージ液と冷却液が流れる2つのシール液空間R,Rが形成されている。外側のパージ液空間(シール液空間)は2つのメカニカルシールを潤滑及び冷却する作用を主とし、内側のパージ液空間(シール液空間)は、ポンプ側から流出する砥液を希釈して固着させないためにパージする機能と、ポンプ側にコンタミ源が侵入しないように圧力調整する機能を主とする。ケーシング64には、これらのシール液空間R,Rにシール流体を供給する流体ポート100a,102a及び排出する流体ポート100b,102bがそれぞれ形成されている。
【0037】
図10は、2つのシール液空間にパージ液と冷却液を供給するための配管系と圧力センサの配置を示すものである。ポンプ側には、シャフト66のロータ62の付け根部分の流体圧力を検出するポンプ側圧力センサPが設けられている。ロータの付け根部分の流体圧力は、ポンプの吸込側の圧力と吐出側の圧力の中間の値である。
【0038】
パージ液空間Rの供給口100aは、定圧弁104、開閉弁106が設けられたシール液配管110を介してパージ液である純水供給源に接続されている。空間Rの入口側に圧力センサPが設けられ、これの圧力信号は定圧弁104に入力されて、定圧弁104はこの値を一定とするように開閉動作する。冷却液空間Rの供給口102aは、開閉弁106を有するシール液配管112を介して冷却液となる純水源に接続されている。空間Rの入口側には圧力センサPが設けられている。内側及び外側空間R,Rの排出口100b,102bは、オリフィス114を介して排水系に接続されている。
【0039】
3つの空間の圧力、すなわち、ポンプの内側の空間Rにおけるロータ62の付け根部分の圧力pと、パージ液空間R及び冷却液空間Rの圧力p,pは、p>p<pとなるように、すなわち、パージ液空間Rの圧力が最も低くなるように、定圧弁104が設定される。従って、流体は、ポンプ内空間Rと冷却液空間Rの双方からパージ液空間Rに流入する。
【0040】
このように、メカニカルシール部S,Sにシール液(パージ液と冷却液)を通液することにより、この部分での砥液の濃縮や変質、さらには固着等を防止することができる。また、ポンプ室内空間R側を高圧に維持して、砥液を微量ずつ外部へ流出させることにより、ポンプ室内空間Rの砥液の汚染を防止している。また、この実施の形態では、パージ液空間Rとポンプ室内空間RをフローティングシールSによって区画しているので、砥液の流出量を例えば5ml/min以下に抑えて砥液の損失を低減させても、ポンプ室内の砥液とパージ液が混じり合うことがないようになっている。
【0041】
【実施例】
以下、図11に示す循環配管20を有する試験装置を用いて行った実験例を説明する。これは、砥液を収容するバッファチューブ18を含む循環配管系に、本発明のスラリーポンプ46及び比較例として従来のスラリーポンプを配置し、所定時間の循環動作後に抜き出したスラリーサンプルの砥粒の凝集度を、レーザー光を利用した粒子径分布測定器で調べたものである。比較例としては、遠心ポンプ及びベローズポンプを用いた。測定結果を、図12に示す。
【0042】
この図から分かるように、遠心ポンプでは、時間の経過による粒子径の増大が顕著である。ベローズポンプの場合は遠心ポンプに比べて緩やかであるが、増大が見られる。これに対して、本発明の回転型容積式ポンプでは、全く増大が見られていない。さらに、粒子径を詳しく調べると、図13に示すように、ベローズポンプの場合は、106時間経過後10μm付近の粒子が存在するのが見られるが、本発明では、図14に示すように、そのような粗大粒子の発生が見られていない。
【0043】
このような結果の理由として、ベローズポンプの場合は、ベローズ壁の近傍に液溜まりが生じ、ここで砥粒の凝集が起きていると考えられる。一方、遠心ポンプの場合には、ポンプ翼から砥液に作用する応力が原因ではないかと考えられる。これは、遠心ポンプの回転速度との関係を調べた図15において、回転速度が2000min−1を越えると急激に粒径が増大していることからも裏付けられる。
【0044】
なお、上記においては、この発明の実施の形態を、シール機構としてダブルメカニカルシールを採用した場合を説明したが、勿論、従来のシングルメカニカルシールを採用してもよい。その場合も、ポンプの内部空間からシール空間側に微量の漏れを許容するようにして、砥液の汚染を防止するようにするのは、言うまでもない。
【0045】
また、本発明の実施の形態は、上述したものに限られるものではなく、ローブの枚数は適宜としてよく、その形状も適宜でよい。また、上記の実施の形態では、循環経路を有する砥液配管系を例示したが、勿論、循環型でない配管系に用いることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、砥液に大きな剪断力が作用しにくく、また、ポンプ内の空間で砥液が滞留しやすい箇所も無いので、砥液の凝集を抑止し、性状の安定な砥液を研磨ユニットに供給して、安定かつ高品質を研磨を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスラリーポンプを有する砥液供給装置の全体の構成を示す図である。
【図2】図1のバッファチューブの構成を示す断面図である。
【図3】この発明のスラリーポンプの実施の形態を示す断面図である。
【図4】スラリーポンプの駆動系の構成の1つの実施の形態である。
【図5】スラリーポンプの駆動系の構成の他の実施の形態である。
【図6】スラリーポンプの駆動系の構成の他の実施の形態である。
【図7】スラリーポンプの駆動系の構成の他の実施の形態である。
【図8】スラリーポンプの駆動系の構成の他の実施の形態である。
【図9】スラリーポンプのシール部の構造を示す断面図である。
【図10】スラリーポンプのシール部へのシール流体供給系を示す図である。
【図11】スラリーポンプの試験装置を示す図である。
【図12】スラリーポンプの試験結果を示すグラフである。
【図13】従来のスラリーポンプの試験結果を示すグラフである。
【図14】本発明のスラリーポンプの試験結果を示すグラフである。
【図15】従来のスラリーポンプの試験結果を示すグラフである。
【図16】研磨装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 研磨システム
2 循環経路
3 砥液供給装置
4 研磨装置
18 混合部(砥液供給タンク)
22 研磨ユニット
46 砥液ポンプ
60 ローブ
62 ロータ
64 ケーシング
66 シャフト
78 モータ
,R シール液空間
,S メカニカルシール
84 固定リング
86 回転リング

Claims (4)

  1. 研磨ユニットに砥液を供給する砥液供給装置に用いられるスラリーポンプであって、
    2つの回転軸を有するロータに形成されたローブの相互の噛み合いによって送液し、接液部が樹脂製であるか又は樹脂コーティングされている容積式回転ポンプを用いることを特徴とするスラリーポンプ。
  2. 前記回転軸のシール部にシール液空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスラリーポンプ。
  3. 前記回転軸のシール部にシール液空間へ供給するシール液の圧力を制御する制御機構が設けられていることを特徴とする請求項に記載のスラリーポンプ。
  4. 砥液供給タンクと、該砥液供給タンクと研磨ユニットを連絡する配管系と、請求項1ないしのいずれかに記載のスラリーポンプとを有することを特徴とする砥液供給装置。
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